JP4870483B2 - 部材保持装置及び部材保持方法 - Google Patents

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本発明はタワークレーン、エレベータのガイドレール、各種配管その他、構造物に付帯する部材と構造物との接続箇所において、この付帯する部材の地震による揺れを抑制する部材保持装置及び部材保持方法に関するものである。
例えば構造物の上層への構築に伴って嵩上げされるタワークレーンはマストが躯体に保持されることにより地震時を含め、常時の転倒に対する安定性を確保する。ところが、構造物の固有周期とタワークレーンの固有周期は構造物の構築とタワークレーンの嵩上げに伴って変化するため、両者の固有周期が近付いた状況下では地震時にタワークレーンが構造物と共振する可能性がある。タワークレーンが共振すれば、タワークレーンの変形量が増大するため、地震の規模によっては倒壊する恐れがある。
タワークレーンの共振による変形量の増大を防止する方法には、タワークレーンの本体部に付加されたウェイトを振動させる方法(特許文献1、2参照)、マストを躯体に支持させる部材に粘性ダンパー等のダンパーを組み込む方法(特許文献3〜7参照)、マストの下端を支持する地盤とマストとの間にダンパーを架設する方法(特許文献8参照)がある。ダンパーを用いる場合、ダンパーは構造物とタワークレーンとの間の相対移動量に応じてエネルギ吸収能力を発揮するため、ダンパーには軸方向の相対移動時に機能する形式のダンパーが使用されることが多い。
特開平3−200693号公報(請求項1、第1図〜第3図) 特開平9−52691号公報(請求項1、段落0031〜0034、図1〜図4) 特開平9−58975号公報(請求項1、段落0010〜0011、図1〜図2) 特開2001−199680号公報(請求項1、段落0009〜0011、図3、図5、図6) 特開2002−145579号公報(請求項1、段落0011〜0018、図2、図3、図5) 特開2002−145580号公報(請求項1、段落0013〜0016、図2、図3) 特開2005−187185号公報(請求項1、段落0033〜0036、図2、図4、図6) 実開昭61−206584号公報(請求項1、第1図、第2図)
ウェイトを振動させる方法ではタワークレーンに振動が生じたときにウェイトを能動的に振動させるため、タワークレーンの揺れ方とそれに対するウェイトの振動制御の組み合わせ方によっては一定の効果を得にくく、制御安定性に欠ける可能性がある。
軸方向の相対移動を利用する形式のダンパーを組み込む方法によれば、ウェイトを用いる方法の制御安定性の問題は生じないが、ダンパーを少なくとも2方向に向けて配置する必要があるため、タワークレーンを構成する部材数が増加する。またタワークレーンのマストを支持する躯体に対し、ダンパーとの接続のための細工を施す必要があるため、個々のタワークレーンの設置条件によって個別に躯体の設計をしなければならない。
ダンパーを用いる方法はまた、マストを保持する枠材を組む井桁方式(特許文献7)と、控え材を架設するステー方式(特許文献6)とに分けられる。井桁方式の場合、枠材はマストを周囲から拘束するように組まれるため、マストと躯体との間の相対変位を吸収するために複数個のダンパーを、または複数個のダンパーと振動絶縁装置(積層ゴム)を複数方向に向けて配置することが必要になり、コスト高になる。
またダンパーは複数個集合して使用されるものの、ステー方式のように軸方向の相対移動を利用する形式では各ダンパーが機能する振動の方向が決まることから、いずれかのダンパーに故障が生じたような場合にはその故障したダンパーの機能を他のダンパーが補うことができないため、システムとしての機能が極端に低下する可能性がある。
本発明は上記背景より、軸方向の相対移動によって振動を吸収する形式のダンパーを用いる方法の弱点を克服する形態の保持装置及び保持方法を提案するものである。
請求項1に記載の発明の部材保持装置は、構造物に付帯する部材を前記構造物に保持させる保持装置において、前記部材の外側に配置され、この部材に一体化する内側部材と、この内側部材の外側に配置され、前記構造物に一体化する外側部材と、前記構造物と前記部材との間に直接、または間接的に設置され、材軸方向に見たときに対向する複数の辺の組を有する多角形状をするエネルギ吸収部材とを備え、
前記エネルギ吸収部材は単独で対向するいずれかの辺の組において前記内側部材と前記外側部材に接合されるか、または対向するいずれかの辺の組において前記内側部材と前記外側部材の少なくともいずれか一方の一部を組み込み、
前記エネルギ吸収部材は単独で、または内側部材、もしくは外側部材と共に六角形状、もしくはそれより多い屈曲数の、線対称形の多角形状をし、
材軸方向が前記内側部材と前記外側部材の対向する方向に直交する方向を向いて配置されることで、材軸に直交する任意の方向からの外力を受けて弾塑性変形が可能であることを構成要件とする。
内側部材は構造物に付帯する部材(以下、付帯部材)に、外側部材は構造物にそれぞれ一体化することから、内側部材は付帯部材の一部となる場合もあり、外側部材は構造物の一部となる場合もある。このことから、エネルギ吸収部材は構造物と付帯部材との間に直接設置される場合と、間接的に設置される場合がある。
直接設置される、とはエネルギ吸収部材が内側部材と外側部材の双方に組み込まれる、または内側部材と外側部材がエネルギ吸収部材の一部になるような場合であり、間接的に設置される、とはエネルギ吸収部材が内側部材と外側部材から完全に独立し、この内側部材と外側部材との間に設置されることを言う。
外側部材は内側部材の外側に配置されることから、内側部材と外側部材が対向する方向は2方向以上あるため、内側部材と外側部材が対向する方向に直交する方向は1方向になり、具体的には付帯部材が連続する方向を指す。付帯部材がタワークレーンの場合にはマストの軸方向が、内側部材と外側部材の対向する方向に直交する方向になる。
エネルギ吸収部材は内側部材と外側部材が対向する方向に直交する方向に見たときに、多角形状をしていることから、この直交する方向を材軸が向くことになる。従ってエネルギ吸収部材は材軸に直交する任意の方向からの外力を受けて弾塑性変形し、エネルギ吸収能力を発揮可能となる。特に材軸方向に見たときに多角形状であることで、完全に潰れない限り、外力がいずれの方向から作用しても弾塑性変形が可能である。
エネルギ吸収部材が任意の方向からの外力に対して塑性化することで、地震や風等により構造物に振動が生じたときに、構造物自体の揺れや構造物と付帯部材との間に作用する反力を低減することが可能であり、塑性化によってエネルギ吸収能力を発揮することで、振動を減衰させることも可能である。また塑性化によって構造物や付帯部材の振動周期が長くなって共振周期からずれることも期待できる。
エネルギ吸収部材は構造物と付帯部材との間、または内側部材と外側部材との間の任意の方向の相対変位時に弾塑性変形可能であることで、軸方向の相対移動を利用する形式のダンパーのような機能上の方向性がない。このため、エネルギ吸収部材を任意の方向に機能させる上で、方向毎に配置する必要性がなく、配置に伴うコストの上昇が抑制される。エネルギ吸収部材は弾塑性変形可能であるから、弾性の範囲内ではばねとして機能し、塑性域においてエネルギ吸収能力を発揮する。
エネルギ吸収部材が任意の方向の外力に対して機能する結果、付帯部材と構造物との間に複数個のエネルギ吸収部材がセットで設置されたとき、いずれかのエネルギ吸収部材に機能低下が生じたときにも、残りのエネルギ吸収部材が機能低下したエネルギ吸収部材の機能を補うことができるため、システムとしての機能低下が問題になることはない。
またエネルギ吸収部材は多角形状をすることで、エネルギ吸収部材が外力の作用方向に対して剛性の高い部分(辺)と小さい部分(辺)を併せ持つことになるため、例えば外力に対して塑性変形しにくい向きと塑性変形し易い向きを自由に調整して設置することが可能である。
エネルギ吸収部材は内側部材と外側部材の相対変形時、または付帯部材と構造物との間の相対変形時に機能し、相対変形量が大きい程、エネルギ吸収効果が大きい。このことから、付帯部材が構造物に対して相対変形しようとするときには、内側部材は付帯部材の変形を阻害しないよう、自由に付帯部材を変形させることがエネルギ吸収部材を機能させる上では有効である。
請求項2に記載の部材保持方法は構造物に付帯する部材の外側に内側部材を配置してこの部材に一体化させると共に、この内側部材の外側に外側部材を配置して前記構造物に一体化させ、前記構造物と前記部材との間に直接、または間接的に、材軸方向に見たときに対向する複数の辺の組を有する多角形状をするエネルギ吸収部材を設置し、前記構造物に付帯する部材を前記構造物に保持させる保持方法において、
前記エネルギ吸収部材は単独で対向するいずれかの辺の組において前記内側部材と前記外側部材に接合されるか、または対向するいずれかの辺の組において前記内側部材と前記外側部材の少なくともいずれか一方の一部を組み込み、
前記エネルギ吸収部材は単独で、または内側部材、もしくは外側部材と共に六角形状、もしくはそれより多い屈曲数の、線対称形の多角形状をし、
材軸方向が前記内側部材と前記外側部材の対向する方向に直交する方向を向いて配置されることで、材軸に直交する任意の方向からの外力を受けて弾塑性変形が可能であることを構成要件とする。
この方法は主として請求項1に記載の部材保持装置を用いて実施されるが、必ずしもその必要はない。請求項1に記載の部材保持装置を用いる場合には、前記した請求項1が有する利点を引き継ぐことになる。
エネルギ吸収部材は内側部材と外側部材が対向する方向に直交する方向に見たときに、多角形状をしていることで、その方向を材軸が向くため、材軸に直交する任意の方向からの外力を受けて弾塑性変形し、エネルギ吸収能力を発揮することができる。この結果、軸方向の相対移動を利用する形式のダンパーのような機能上の方向性がないため、任意の方向に機能させる上で、少ない数の、もしくは単数のエネルギ吸収部材の使用でエネルギ吸収能力を発揮させることができ、コストを抑制することができる。
エネルギ吸収部材が任意の方向の外力に対して機能することで、複数個のエネルギ吸収部材をセットで設置した場合、いずれかのエネルギ吸収部材に機能低下が生じたときにも、残りのエネルギ吸収部材が機能低下したエネルギ吸収部材の機能を補うことができるため、システムとしての機能が低下することがない。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は構造物7に付帯する部材(以下、付帯部材と言う)2の外側に配置され、この付帯部材2に一体化する内側部材3と、この内側部材3の外側に配置され、構造物7に一体化する外側部材4と、構造物7と付帯部材2との間に直接、または間接的に設置され、弾塑性変形が可能なエネルギ吸収部材5とを備え、エネルギ吸収部材5が、内側部材3と外側部材4が対向する方向に直交する方向に見たときに、多角形状をしている部材保持装置1の具体例を示す。図1は図2のB−B線の断面図であり、図2は図1のA−A線の矢視図である。
図面では構造物7が鉄骨造のフレームであり、付帯部材2がタワークレーンのマストである場合を示しているが、付帯部材2はこの他、例えば構造物7に固定される設備配管、立体駐車場を構成する鉄骨フレーム、エレベータのガイドレール等、構造物に付帯して接続等される仮設や設備等の部材全般を含む。また付帯部材2は鉄骨、鉄筋コンクリート等で製作、あるいは構築等されるが、材料は問われない。
鉄骨造のフレームは例えば柱と、柱間に架設される梁71から構成され、タワークレーンのマストである付帯部材2は平面上も立面上もフレームに干渉しない位置に配置される。タワークレーンはフロアクライミング型とマストクライミング型があり、マストクライミング型のタワークレーンは構造物7の内部に設置される場合と外部に設置される場合がある。
図1に示すように柱と梁71からなるフレームには外側部材4が仮固定、もしくは本固定され、その内周に距離を隔てて内側部材3が配置される。外側部材4は複数本の鋼材やコンクリート部材等からなる枠材41、42からフレームの形状に沿い、方形状等、多角形状に組まれ、フレームに複数箇所で固定される。
内側部材3は複数本の鋼材やコンクリート部材等から、付帯部材2の外形等の形状に沿い、方形状等、多角形状に組まれ、付帯部材2に複数箇所で仮固定、もしくは本固定される。図面では内側部材3を平面上、方形状に組み立てているが、内側部材3の形状は必ずしも外側部材4の形状と相似形である必要はない。タワークレーンは鉛直方向に立設されることから、内側部材3と外側部材4は水平方向に対向するように構築され、内側部材3と外側部材4は水平の2方向に対向する。
付帯部材2がタワークレーンのマストである場合、内側部材3はマスト外周の各隅角部に配置される縦部材31と、隣接する各隅角部の縦部材31、31間に架設される横部材32の、2種類の部材から構成される。
隅角部における縦部材31は2本で組になり、各隅角部に付き、2本の縦部材31、31が並列して配置され、この並列する2本の縦部材31、31がピン34により連結される。具体的には、並列する各縦部材31から隣接する縦部材31側へブラケット33等が突出し、双方のブラケット33、33にピン34が貫通する。
内側部材3と外側部材4との間の間隔は全周に亘って一定である必要はないが、少なくともエネルギ吸収部材5の設置箇所の間隔が一定になるよう、図面では内側部材3が方形状に組まれることに対応し、外側部材4も同様に2方向の枠材41、42から方形状に組み立てている。枠材41、42の組み立て方法は問われないが、図面では一方の枠材42の両端からガセットプレート43を突出させ、このガセットプレート43に他方の枠材42をボルト44により接合している。
エネルギ吸収部材5は互いに対向する内側部材3の外周と外側部材4の内周との間に設置され、内側部材3と外側部材4の双方に接合される。複数個のエネルギ吸収部材5は内側部材3と外側部材4が対向する任意の方向の外力の作用時に機能するよう、内側部材3、または外側部材4の周方向にバランスよく配置される。内側部材3と外側部材4が方形状に組まれた場合、エネルギ吸収部材5は各隅角部に付き、1個、もしくは図示するように複数個配置される。
図面ではまた、内側部材3の各隅角部に2本の縦部材31、31を配置している関係から、各隅角部に付き、2個のエネルギ吸収部材5、5を2方向に向けて配置し、各縦部材31にエネルギ吸収部材5を接合している。
エネルギ吸収部材5は付帯部材2の材軸に直交する任意の方向からの外力を受けて弾塑性変形し、エネルギ吸収能力を発揮するよう、多角形状をし、軸方向には板状に、ある程度の幅を持つ形状をする。図面では内側部材3の各縦部材31と外側部材4の枠材41、42がそれぞれ対向する水平方向と、それに直交する水平方向の外力に対して変形能力を発揮できるよう、接合代としてのフランジ51aを有するハット形に加工された2枚のプレート51、51を互いに向き合わせ、フランジ51aにおいてボルト6により接合している。
この場合、エネルギ吸収部材5は材軸方向に見たとき(平面上)、六角形状に形成されるが、材軸方向に見たときのエネルギ吸収部材5の形状は特に問われず、任意の多角形状、あるいは円形状、楕円形状等に形成される。
エネルギ吸収部材5が2枚のプレート51、51からなる場合、エネルギ吸収部材5はプレート51、51の長さ方向両側のフランジ51a、51aを互いにボルトや溶接等により接合することにより製作される。エネルギ吸収部材5は内側部材3と外側部材4に対してはプレート51の長さ方向中間部においてボルト6等により接合される。
エネルギ吸収部材5は内側部材3と外側部材4に重なって接合される部分を有していればよいが、エネルギ吸収能力を発揮する上で、エネルギ吸収部材5の塑性変形時にも内側部材3と外側部材4への接合部分が接合状態を維持し、内側部材3と外側部材4から離脱しないように、あるいはこれらに対して回転変形しないように接合される。図面ではエネルギ吸収部材5の各プレート51の中間部をプレート51の長さ方向に並列し、幅方向に配列する複数本のボルト6によって内側部材3と外側部材4に接合している。
図1、図2はエネルギ吸収部材5を2列、4行に配列させたボルト6により接合した場合を示す。図3−(a)はプレート51の幅を図1の場合より大きくし、2列、6行に配列させたボルトにより接合した場合を示す。図3の場合、内側部材3と外側部材4に接合された状態では図3−(b)に示すように図1の場合と同じになる。エネルギ吸収部材5を構成する図1〜図3に示すプレート51aは図4−(b)〜(d)に示すように内側部材3、または外側部材4の一部に組み込まれ、内側部材3、または外側部材4と共にエネルギ吸収部材5を構成する場合もある。
図1、図2の場合、構造物に水平力が作用し、内側部材3と外側部材4との間に相対変位が生じたとき、エネルギ吸収部材5にも水平力が作用する。エネルギ吸収部材5は弾性域においては弾性変形することによりばねとして機能し、前記変位量を吸収し、復元する。エネルギ吸収部材5は極端な方向性を持たないため、図1に示すように内側部材3の周方向に分散して配置された複数個のエネルギ吸収部材5が水平力を分担し、変位量を吸収する。
弾性域を超え、塑性域に至ったときに、エネルギ吸収部材5は塑性変形してエネルギを吸収することで、振動を減衰させる。またエネルギ吸収部材5が塑性化することで、内側部材3と外側部材4との間に生ずる反力も低減される。エネルギ吸収部材5の塑性化によりまた、構造物7、または付帯部材2の振動周期が長くなって共振周期からずれることも期待できる。
図4−(a)〜(d)は図1〜図3に示す、2枚のプレート51、51からなる形態のエネルギ吸収部材5の変形例を示す。(a)は1枚のプレート52を折り曲げ加工し、連続した閉じた六角形状に形成し、内側部材3と外側部材4に、それぞれに平行な面においてボルト6により接合した場合、(b)は山形状に加工したプレート51の長さ方向両側に形成されたフランジ51a、51aを内側部材3と外側部材4に接合した場合である。(b)の場合、内側部材3と外側部材4はエネルギ吸収部材5の一部を構成することになる。
図4−(c)はプレート52を(b)の2枚のプレート51、51を連続させた形に形成し、長さ方向両側のフランジ52a、52aにおいて内側部材3と外側部材4のいずれか一方に接合し、長さ方向中間部において他方に接合した場合である。(d)は(c)に示すプレート52の両側と中間部を除く位置において(c)の場合より屈曲数を多くした場合である。
図5−(a)〜(e)は図1〜図3に示す六角形状のエネルギ吸収部材5に外力が作用したときに弾性、または塑性変形したときの様子を示す。実線が変形前の様子を、二点鎖線が変形後の様子を示す。ここではエネルギ吸収部材5の平面形状が、短辺が1方向に対向し、長辺が2方向に対向する六角形状をする場合において、各短辺が内側部材3と外側部材4に固定された状況を想定している。短辺は図1〜図3におけるプレート51の長さ方向中間部に相当する。
図5−(a)は短辺が対向する方向に圧縮力が作用するときの変形時の様子を、(b)は短辺が対向する方向に引張力が作用するときの変形時の様子を示す。(a)は内側部材3と外側部材4が互いに接近する向きに相対変位したときのエネルギ吸収部材5の変形状態に相当し、(b)は遠ざかる向きに相対変位したときの変形状態に相当する。
図5−(c)は短辺に平行な方向に力(せん断力)が作用したときの変形状態を示す。ここでは(c)において右向きに力が作用した状況を示しているが、左向きに作用したときも同様の変形状態になる。
図5−(d)、(e)は長辺に平行な方向に力が作用するときの変形状態を示す。(d)は長辺に平行な方向の力が、短辺が対向する方向に圧縮成分を有する場合、(e)は短辺が対向する方向に引張成分を有する場合である。
図5−(d)、(e)のいずれの場合も短辺と長辺との交点部分に曲げ変形が生じ、弾性変形することにより内側部材3と外側部材4間の相対変位に伴う衝撃を緩和させ、曲げ応力度が降伏点を超え、塑性変形したときにエネルギを吸収する。塑性に至らない程度の外力に対しては弾性変形後に復元力を発揮してばねとして機能し、塑性化に至る外力によって弾塑性型の履歴ループを描くヒステリシス特性によってエネルギを吸収することになる。
以上のことから、短辺が対向する方向に関し、圧縮力、引張力、せん断力、並びにこれらの力が組み合わせられて作用する場合、すなわち任意の方向の外力に対して塑性化することによりエネルギ吸収能力を発揮することが分かる。
構造物と付帯部材に対する内側部材と外側部材、及びエネルギ吸収部材の配置例を示した平面図、または見上げ図であり、図2のB−B線断面図である。 図1のA−A線の矢視図である。 (a)は図1、図2に示すエネルギ吸収部材と同一平面形状のエネルギ吸収部材の他の製作例を示した斜視図、(b)は(a)の平面図である。 (a)〜(d)は図1〜図3に示すエネルギ吸収部材の変形例を示した平面図である。 (a)は平面形状が六角形のエネルギ吸収部材に対して短辺が対向する方向に圧縮力が作用したときの変形状態を示した平面図、(b)は短辺が対向する方向に引張力が作用したときの変形状態を示した平面図、(c)は短辺方向に力が作用したときの変形状態を示した平面図、(d)は短辺の交差する方向に力が作用したときの変形状態を示した平面図、(e)は短辺の交差する他の方向に力が作用したときの変形状態を示した平面図である。
符号の説明
1………部材保持装置
2………部材(付帯部材)
3………内側部材
31……縦部材
32……横部材
33……ブラケット
34……ピン
4………外側部材
41……枠材
42……枠材
43……ガセットプレート
44……ボルト
5………エネルギ吸収部材
51……プレート
51a…フランジ
52……プレート
52a…フランジ
6………ボルト
7………構造物
71……梁

Claims (2)

  1. 構造物に付帯する部材を前記構造物に保持させる保持装置であり、前記部材の外側に配置され、この部材に一体化する内側部材と、この内側部材の外側に配置され、前記構造物に一体化する外側部材と、前記構造物と前記部材との間に直接、または間接的に設置され、材軸方向に見たときに対向する複数の辺の組を有する多角形状をするエネルギ吸収部材とを備え、
    前記エネルギ吸収部材は単独で対向するいずれかの辺の組において前記内側部材と前記外側部材に接合されるか、または対向するいずれかの辺の組において前記内側部材と前記外側部材の少なくともいずれか一方の一部を組み込み、
    前記エネルギ吸収部材は単独で、または内側部材、もしくは外側部材と共に六角形状、もしくはそれより多い屈曲数の、線対称形の多角形状をし、
    材軸方向が前記内側部材と前記外側部材の対向する方向に直交する方向を向いて配置されることで、材軸に直交する任意の方向からの外力を受けて弾塑性変形が可能であることを特徴とする部材保持装置。
  2. 構造物に付帯する部材の外側に内側部材を配置してこの部材に一体化させると共に、この内側部材の外側に外側部材を配置して前記構造物に一体化させ、前記構造物と前記部材との間に直接、または間接的に、材軸方向に見たときに対向する複数の辺の組を有する多角形状をするエネルギ吸収部材を設置し、前記構造物に付帯する部材を前記構造物に保持させる保持方法であり、
    前記エネルギ吸収部材は単独で対向するいずれかの辺の組において前記内側部材と前記外側部材に接合されるか、または対向するいずれかの辺の組において前記内側部材と前記外側部材の少なくともいずれか一方の一部を組み込み、
    前記エネルギ吸収部材は単独で、または内側部材、もしくは外側部材と共に六角形状、もしくはそれより多い屈曲数の、線対称形の多角形状をし、
    材軸方向が前記内側部材と前記外側部材の対向する方向に直交する方向を向いて配置されることで、材軸に直交する任意の方向からの外力を受けて弾塑性変形が可能であることを特徴とする部材保持方法。
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