JP6668117B2 - 棚設備 - Google Patents

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Description

本発明は、自動倉庫等に用いられる棚設備に関する。
自動倉庫等に用いられる棚設備は、通常、複数の荷物収納部が上下方向及び左右方向に並べられた複数の収納棚を備えている。近年、この種の棚設備では、地震対策として、油圧ダンパー等の制振装置を収納棚に付加するケースが増えている。例えば、特許文献1には、互いの後面側を対向させて配置された二つの収納棚と、二つの収納棚の間に形成される収納棚の後方スペースに配置される油圧ダンパーとを備えた棚設備が開示されている。
特開2005−081164号公報
本発明者は、特許文献1の開示内容を検討した結果、以下の課題を認識するに至った。収納棚の後方スペースは、通常、デッドスペースとなる。この後方スペースは、棚設備の収納効率を高める観点から、狭くすることがある。特に、既設の制振棚では、制振装置の配置スペースが予め確保されていないのが通常であり、この後方スペースが狭くなることが多くなる。
特許文献1の油圧ダンパーは、その軸方向に伸縮することにより振動を減衰する構造である。この油圧ダンパーは、その軸方向での伸縮量を大きくするため、鉛直面に対して斜めに配置されている。収納棚の後方スペースが十分に確保されていない環境のもとでは、油圧ダンパーを斜めに配置することが困難になる。この場合、油圧ダンパーの軸方向での伸縮量が少なくなり、油圧ダンパーによる減衰効果を十分に得られない恐れがある。このため、このような環境のもとでも好適に地震対策を図ることのできる棚設備が望まれる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、収納棚の後方スペースが狭い場合でも好適に地震対策を図ることができる棚設備を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明のある態様は棚設備である。本態様の棚設備は、第1荷物出入口が前側に設けられた複数の第1荷物収納部を有し、前記複数の第1荷物収納部が上下方向に並べられた第1収納棚と、第2荷物出入口が前側に設けられた複数の第2荷物収納部を有し、前記複数の第2荷物収納部が上下方向に並べられ、前記第1収納棚との間で互いの後面側を対向させて配置された第2収納棚と、前記第1収納棚と前記第2収納棚との間に配置された制振装置と、を備え、前記制振装置は、前記第1収納棚に対して固定された第1板状部と前記第2収納棚に対して固定された第2板状部とが板厚方向に並べられ、前記第1板状部と前記第2板状部との間に粘弾性体が挟み込まれていることを特徴とする。
本発明によれば、収納棚の後方スペースが狭い場合でも好適に地震対策を図ることができる。
本実施形態の棚設備を示す側面図である。 本実施形態の棚設備を示す平面図である。 図2の視点Vp1から見た本実施形態の第1収納棚を示す前面図である。 図1の制振装置の拡大図である。 図4のA−A線断面図である。 図6(a)は、図4と同じ視点から粘弾性体を見た図であり、図6(b)は、図5と同じ視点から粘弾性体を見た図である。 地震により本実施形態の収納棚が変形している状態を示す図である。
以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。
図1は、本実施形態の棚設備10を示す側面図である。
本実施形態の棚設備10は自動倉庫12に用いられる。自動倉庫12は、荷物の収納先となる複数の収納棚18を有する棚設備10の他に、荷物を搬送するための搬送装置14を備える。
図2は、棚設備10を示す平面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の搬送装置14はスタッカークレーンである。搬送装置14は、後述する左右方向Yに沿って敷設されたガイドレール16に沿って走行可能である。搬送装置14は、後述する一対の収納棚18の複数の荷物収納部20のそれぞれとの間で荷物Wを受け渡し可能に構成される。
棚設備10は、第1棚ユニット22(A)と、第2棚ユニット22(B)と、制振装置24と、を備える。本実施形態の棚設備10は、制振装置24に関連する構成に主な特徴の一つがあるが、先に周辺構造から説明する。
第1棚ユニット22(A)及び第2棚ユニット22(B)は多くの共通する構成要素を備える。以下、これらの共通する構成要素を区別するときは、構成要素の冒頭に「第1」、「第2」と表記を付し、かつ、符号の末尾に「(A)」「(B)」と表記を付す。また、これらの共通する構成要素を区別せずに総称するとき、これら表記を省略する。
第1棚ユニット22(A)は、建屋の床面26上に搬送装置14の走行経路15を間に挟んだ前後の両側に配置される一対の第1収納棚18(A)を有する。第1収納棚18(A)は、建屋の床面26にのみ固定されており、建屋の天井や内壁には固定されていない独立棚である。
図3は、図2の視点Vp1から見た第1収納棚18(A)を示す前面図である。
図1〜図3に示すように、第1収納棚18(A)は、荷物Wを収納するための複数の第1荷物収納部20(A)を有する。第1荷物収納部20(A)は、荷物Wを前後に出し入れするための第1荷物出入口21(A)が前側に設けられている。ここでの前側とは搬送装置14の走行経路15がある側をいう。
第1収納棚18(A)は、複数の第1荷物収納部20(A)が前後方向Xでの向きを合わせたうえで、上下方向Zに複数段に亘り並べられ、かつ、左右方向Yに複数列に亘り並べられている。本例では、第1荷物収納部20(A)は、上下方向Zに6段に亘り並べられ、左右方向Yに4列に亘り並べられている(図3参照)。第1荷物収納部20(A)の詳細は後述する。
以下、第1荷物収納部20(A)に対して第1荷物出入口21(A)を通して出し入れする方向を前後方向Xとする。第1収納棚18(A)や制振装置24の位置関係は、この前後方向Xの他に、第1荷物収納部20(A)が並ぶ左右方向Y及び上下方向Zを用いて説明する。なお、前後方向X及び左右方向Yは互いに直交する水平方向でもあり、上下方向Zは鉛直方向でもある。
第1収納棚18(A)は、前述の第1荷物収納部20(A)の他に、複数の第1支柱28(A)、30(A)と、第1つなぎ材32(A)と、第1ラチス34(A)と、を有する。第1収納棚18(A)は、不図示のボルト、ナットを用いて、第1支柱28(A)、30(A)、第1つなぎ材32(A)、第1ラチス34(A)等の複数の骨組部材を接続して構成される。
複数の第1支柱28(A)、30(A)は、前後に間隔を空けて設けられた一対の第1支柱28(A)、30(A)を有する。一対の第1支柱28(A)、30(A)は、第1収納棚18(A)の前面側に配置される第1前支柱28(A)と、第1収納棚18(A)の後面側に配置される第1後支柱30(A)とを含む。複数の第1支柱28(A)、30(A)は、一対の第1支柱28(A)、30(A)を一組の単位として、複数組に亘り左右に間隔を空けて設けられる。
第1つなぎ材32(A)は、一対の第1支柱28(A)、30(A)間に前後方向Xに沿って架設される。第1つなぎ材32(A)は、一対の第1収納棚18(A)のそれぞれの第1支柱28(A)、30(A)に跨がるように架設される。
図1に示すように、第1ラチス34(A)は、水平面に対して斜めに配置され、第1前支柱28(A)と第1後支柱30(A)との間に架設される。複数の第1ラチス34(A)は、上方に向かって前後にジグザグ状に折れ曲がるように配置される。複数の第1ラチス34(A)は、不図示のボルト、ナットを用いて第1前支柱28(A)と第1後支柱30(A)とに接続される。複数の第1ラチス34(A)は、第1前支柱28(A)と第1後支柱30(A)により構成される横側架構面の面内方向の強度を増大させる第1補強部材として機能する。
第1荷物収納部20(A)は、第1載置部36(A)と、第1荷物出入口21(A)とを有する。第1載置部36(A)は、左右方向Yに隣り合う一対の第1支柱28(A)、30(A)の対向する部位から左右方向Yの内側に突き出るように二つ一組で設けられ、荷物Wを載置するための部位となる。第1荷物出入口21(A)は、第1荷物収納部20(A)の前側に形成される。第1荷物出入口21(A)は、搬送装置14と第1荷物収納部20(A)との間で荷物Wを受け渡しするときに荷物Wを出し入れするためのものである。
ここまで第1棚ユニット22(A)の構成を主に説明したが、第2棚ユニット22(B)も第1棚ユニット22(A)と共通する構成を備える。ここでは共通する構成について、構成要素の冒頭の「第1」の表記を「第2」に変え、符号の末尾の「(A)」の表記を「(B)」に変えたうえで列挙することとし、重複する説明を省略する。
第2棚ユニット22(B)は、一対の第2収納棚18(B)を有する。第2収納棚18(B)は、複数の第2荷物収納部20(B)の他に、複数の第2支柱28(B)、30(B)と、第2つなぎ材32(B)と、第2ラチス34(B)と、を有する。第2荷物収納部20(B)は、第2載置部36(B)と、第2荷物出入口21(B)とを有する。
図1、図2に示すように、このような第2棚ユニット22(B)の第2収納棚18(B)は、第1収納棚18(A)との間で互いに後面側を対向させて配置される。第1収納棚18(A)と第2収納棚18(B)との間には比較的に狭い後方スペース38が形成される。図1に示すように、この後方スペース38の前後方向Xに沿った前後寸法Laは、搬送装置14の走行経路となる走行スペース40の前後方向Xに沿った前後寸法Lbより小さくなるように設定される。この走行スペース40の前後寸法Lbは、搬送装置14が移動できるように、例えば、1m程度の大きさに設定される。一方、後方スペース38の前後寸法Laは、棚設備10の収納効率を高める観点から可能な限り狭くなるように設定され、例えば、15cm程度の大きさに設定される。後方スペース38の前後寸法Laは、走行スペース40の前後寸法Lbの半分以下の大きさに設定されることになる。ここでの走行スペース40とは、棚ユニット22の一対の収納棚18の間に形成されるスペースをいう。
図4は、図1の制振装置24の拡大図である。
以上の第1収納棚18(A)は、上側から二つ目の第1ラチス34(A)の、第1後支柱30(A)に対する接続部を構成する第1交点部42(A)を有する。また、第2収納棚18(B)は、上側から二つ目の第2ラチス34(B)の、第2後支柱30(B)に対する接続部を構成する第2交点部42(B)を有する。第2交点部42(B)は、第1交点部42(A)に対して上下方向Zでの位置が揃えられている。ここでの位置を揃えるとは、第1交点部42(A)と第2交点部42(B)との上下方向での位置が少なくとも一部で重なるように配置される、又は、わずかに離れて重なるように配置されることをいう。
図5は、図4のA−A線断面図である。
図4、図5に示すように、以上の第1収納棚18(A)は、更に、第1固定部材44を備える。第1固定部材44は、板状をなし、制振装置24の第1板状部56(後述する)の固定相手となる。第1固定部材44は、第1後支柱30(A)の左右両側に合計二つ配置され、その第1後支柱30(A)の左右両側面に対して、ボルト46、ナット48を用いて固定される。二つの第1固定部材44は、第1後支柱30(A)の後面より第2収納棚18(B)側(図4、図5の右側)に向けて一部が突出するように配置される。第1固定部材44は、第1収納棚18(A)の後面側から第2収納棚18(B)に向けて突出することになる。
第2収納棚18(B)は、更に、第2固定部材50を備える。第2固定部材50は、板状をなし、制振装置24の第2板状部60(後述する)の固定相手となる。第2固定部材50は、第2後支柱30(B)の左右両側に合計二つ配置され、その第2後支柱30(B)の左右両側面に対して、ボルト52、ナット54を用いて固定される。二つの第2固定部材50は、第2後支柱30(B)の後面より第1収納棚18(A)側(図4、図5の左側)に向けて一部が突出するように配置される。第2固定部材50は、第2収納棚18(B)の後面側から第1収納棚18(A)に向けて突出することになる。
制振装置24の説明に移る。
制振装置24は、前述の第1収納棚18(A)と第2収納棚18(B)との間の後方スペース38に配置される。制振装置24は、減衰ゴム等の減衰性をもつ粘弾性体64を変形させることで減衰力を生じさせ、その粘弾性体64の減衰力によって、第1収納棚18(A)と第2収納棚18(B)に生じる振動エネルギーを吸収するゴムダンパーである。
図5に示すように、制振装置24は、複数の第1板状部56と、複数の第1スペーサ58と、複数の第2板状部60と、複数の第2スペーサ62と、複数の粘弾性体64と、を備える。
複数の第1板状部56は別々の板材により構成される。第1板状部56は、第1収納棚18(A)に対して固定される固定端側部分56aと、固定端側部分56aとは反対側の自由端側部分56bとを有する。本実施形態の固定端側部分56aは、第1収納棚18(A)に対して前後方向Xで近い側にある部分であり、自由端側部分56bは、第1収納棚18(A)に対して前後方向Xで遠い側にある部分である。複数の第1板状部56は、板厚方向に並べられており、それらの固定端側部分56aの間には第1スペーサ58が挟み込まれる。複数の第1板状部56と複数の第1スペーサ58とは、第1板状部56の板厚方向に交互に並ぶように配置される。
複数の第1スペーサ58は、複数の第1板状部56の間隔を保持する役割をもち、その役割を果たすために硬質な金属素材等を用いて構成される。複数の第1板状部56の固定端側部分56a及び複数の第1スペーサ58は、二つの第1固定部材44の第1後支柱30(A)からの突出箇所の間に配置され、これらを貫通するボルト66にナット68を締結することで固定される。複数の第1板状部56は、第1後支柱30(A)の第1交点部42(A)の近傍に、二つの第1固定部材44を介して固定される。ここでの「近傍」とは、第1交点部42(A)から20cm以内の範囲にあることをいう。ただし、厳密に20cm以内の範囲である必要はなく、20cmより多少大きくなってもよい。
複数の第2板状部60は別々の板材により構成される。第2板状部60は、第2収納棚18(B)に対して固定される固定端側部分60aと、固定端側部分60aとは反対側の自由端側部分60bとを有する。本実施形態の固定端側部分60aは、第2収納棚18(B)に対して前後方向Xで近い側にある部分であり、自由端側部分60bは、第2収納棚18(B)に対して前後方向で遠い側にある部分である。複数の第2板状部60は、板厚方向に並べられており、それらの固定端側部分60aには第2スペーサ62が挟み込まれる。複数の第2板状部60と複数の第2スペーサ62とは、第2板状部60の板厚方向に交互に並ぶように配置される。
複数の第2スペーサ62は、複数の第2板状部60の間隔を保持する役割をもち、その役割を果たすために硬質な金属素材等を用いて構成される。複数の第2板状部60の固定端側部分60a及び複数の第2スペーサ62は、二つの第2固定部材50の第2後支柱30(B)からの突出箇所の間に配置され、これらを貫通するボルト70にナット72を締結することで固定される。複数の第2板状部60は、第2後支柱30(B)の第2交点部42(B)の近傍に、二つの第2固定部材50を介して固定される。ここでの「近傍」とは、第2交点部42(B)から20cm以内の範囲にあることをいう。ただし、厳密に20cm以内の範囲である必要はなく、20cmより多少大きくなってもよい。
複数の第1板状部56と複数の第2板状部60とは、板厚方向に交互に並べられており、第1板状部56と第2板状部60との間には粘弾性体64が挟み込まれる。制振装置24は、板状部56、60と粘弾性体64とが板厚方向に交互に積層される積層構造をもつことになる。第1板状部56と第2板状部60とが並ぶ並び方向(積層方向)は、棚設備10の左右方向Yに沿った方向となるように設定される。制振装置24は、棚設備10の左右方向Yに粘弾性体64が並ぶように配置されることになる。
図6(a)は、図4と同じ視点から粘弾性体64を見た図であり、図6(b)は、図5と同じ視点から粘弾性体64を見た図である。
粘弾性体64は、隣り合う辺の辺長さが異なる矩形状を呈するシート状に形成されている。粘弾性体64は、第1板状部56と第2板状部60との間に挟み込まれて弾性変形した状態にあるときを基準として、所定の長辺長さL1、短辺長さL2、厚みL3をもっている。本図では、粘弾性体64が弾性変形した状態を示している。本実施形態の粘弾性体64は、長辺部の辺に沿った長辺方向(第1辺方向)が棚設備10の上下方向Zに沿って配置され、短辺部の辺に沿った短辺方向(第2辺方向)が棚設備10の前後方向Xに沿って配置されている。粘弾性体64は、前後方向Xの両側に面する辺の辺長さL1の方が、上下方向Zの両側に面する辺の辺長さL2よりも長い矩形状を呈するシート状に形成されていることになる。粘弾性体64は、第1板状部56や第2板状部60との間で加硫接着等の接着手段により接着されている。
以上の棚設備10の動作を説明する。
図7は、地震により棚設備10の収納棚18が変形している状態を示す図である。本図では、前後方向Xに隣り合う第1収納棚18(A)と第2収納棚18(B)のみ示す。また、本図では、静止状態にあるときの制振装置24の位置のみ示す。地震による水平振動が床面26から収納棚18に伝達されたとき、収納棚18は前後方向Xや左右方向Yに振動する。第1収納棚18(A)や第2収納棚18(B)は、この前後方向Xでの振動により、静止状態にあるときと比べて、前後方向Xでの相対位置を変化させるように変形する。また、第1収納棚18(A)や第2収納棚18(B)は、この前後方向Xでの振動により、静止状態にあるときと比べて、上下方向Zでの相対位置を変化させるように変形する。第1収納棚18(A)と第2収納棚18(B)との間での上下方向Zでの相対位置の変化量Aは、第1収納棚18(A)や第2収納棚18(B)の上端部に近づくほど大きくなる。
このような第1収納棚18(A)や第2収納棚18(B)の変形により、図4、図5に示す制振装置24の第1板状部56と第2板状部60との間でも左右方向Yや上下方向Zでの相対位置の変化が生じ、その結果、粘弾性体64が左右方向Yや上下方向Zに剪断変形する。この粘弾性体64の剪断変形により振動エネルギーが減衰され、第1収納棚18(A)や第2収納棚18(B)の振動が抑制される。
以上の棚設備10の効果を説明する。
従来技術の油圧ダンパーを収納棚18の後方スペース38に配置する場合を考える。この場合、収納棚18の後方スペース38の前後寸法La(図1参照)が小さく、後方スペース38が狭い環境のもとでは、油圧ダンパーを鉛直面に対して斜めに配置し難いため、油圧ダンパーを上下方向Zに沿って配置することになる。この場合、第1収納棚18(A)や第2収納棚18(B)の間で前後方向Xでの相対位置が変位しても、油圧ダンパーを軸方向に伸縮させ難く、油圧ダンパーによる減衰効果を十分に得られない恐れがある。
この点、本実施形態によれば、制振装置24の粘弾性体64が剪断変形できれば振動エネルギーを減衰できる。よって、第1収納棚18(A)及び第2収納棚18(B)の上下方向Zでの相対位置の変化のみでなく、前後方向Xでの相対位置の変化も利用して粘弾性体64を剪断変形させることができる。このため、後方スペース38が狭い環境のもとでも、各収納棚18の前後方向Xでの相対位置の変化や上下方向Zでの相対位置の変化の両方を用いて振動エネルギーを効果的に減衰できる。
また、制振装置24は、複数の板状部56、60の間に挟み込まれた粘弾性体64の剪断変形により振動エネルギーを減衰できる。よって、減衰効果を得るうえで、油圧ダンパーのようなシリンダーとピストンとを組み合わせた長尺な容器が不要となり、制振装置24の占有スペースを抑えつつも振動エネルギーを減衰できる。
また、本実施形態では、粘弾性体64の前後方向Xでのばね定数を増加させるため、図6に示すように、粘弾性体64の前後方向Xに面する辺の辺長さL1の方が、上下方向Zに面する辺の辺長さL2より長くなるように設定している。これにより、粘弾性体64の前後方向Xでの減衰力が高められ、各収納棚18の前後方向Xでの振動エネルギーをより効果的に減衰できる。
この構造のもとでは、粘弾性体64の左右方向Yでの厚みL3を大きくすることにより、更に、粘弾性体64の前後方向Xでのばね定数を更に増加させることができる。また、この構造のもとでは、左右方向Yに並べられる粘弾性体64の数を増やすことでも、粘弾性体64の前後方向Xでのばね定数を増加させることができる。このように粘弾性体64の左右方向Yでの厚みL3を大きくしたり数を増やしたとしても、制振装置24全体の左右方向Yでの寸法が増大するのみであり、前後方向Xでの寸法が増大しない。よって、後方スペース38が狭い環境のもとでも、制振装置24の前後方向Xでの減衰力を容易に高められ、各収納棚18の前後方向Xでの振動エネルギーをより効果的に減衰できる利点がある。
以上のように、本実施形態の制振装置24によれば、後方スペース38が狭い環境のもとでも、減衰効果を容易に高めることができるため、後方スペース38が狭い場合でも好適に地震対策を図ることができる。
また、従来の地震対策として、収納棚18の上段の荷物収納部20にマスダンパーを配置する方法がある。この方法を用いる場合、大重量のマスを上段の荷物収納部20まで運ぶ必要があり、設置作業に危険が伴う。また、上段の荷物収納部20がマスダンパーにより占有されるため、棚設備10の収納効率の低下を招く。この点、本実施形態の制振装置24では、マスダンパーと比べて軽量であるため、安全に設置作業をできる。また、荷物収納部20を占有しないため、棚設備10の収納効率に影響を及ぼすことなく地震対策をできる利点がある。
また、他の地震対策として、収納棚18のラチス34の架設位置に油圧ダンパーを架設する方法がある。この方法を既存の収納棚18に適用する場合、ラチス34の取り外し又は切断機による切断が必要となり、作業数の増大を招く。この点、本実施形態によれば、既存の収納棚18に適用する場合でも、ラチス34の取り外しや切断をせずに地震対策できる利点がある。
(X)また、本実施形態では、第1後支柱30(A)の第1交点部42(A)の近傍に制振装置24の第1板状部56が固定されている。この制振装置24の第1板状部56の第1後支柱30(A)に対する固定位置には、地震時に過大な曲げ応力が作用する。本実施形態の第1収納棚18(A)では、この曲げ応力に対して第1ラチス34(A)により効果的に抵抗できる。よって、第1後支柱30(A)の部材強度を増大させずに、第1後支柱30(A)に作用する過大な曲げ応力に抵抗できる利点がある。なお、第2後支柱30(B)の第2交点部42(B)の近傍に制振装置24の第2板状部60が固定されているのも同様の理由による。
なお、前述の例では、粘弾性体64の上下方向Zでの辺長さL1の方が前後方向Xでの辺長さL2より長くなる例を説明したが、粘弾性体64の上下方向Zでの辺長さL1の方が前後方向Xでの辺長さL2より短くなるように設定してもよい。これは、粘弾性体64の上下方向Zでのばね定数を増加させるためである。これにより、粘弾性体64の上下方向Zでの減衰力が高められ、各収納棚18の上下方向Zでの振動を抑制し易くなる。このような条件を満たす制振装置24を用いる場合、各収納棚18の上端部の近くで制振装置24を配置することが好ましい。各収納棚18の上端部では、各収納棚18の上下方向Zでの相対変位量が多く、その相対変位量の増大により、各収納棚18の上下方向での振動を制振装置24により効果的に減衰し易くなるためである。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変更が可能である。また、図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
制振装置24は、板状部56、60と粘弾性体64とが板厚方向に交互に積層される積層構造をもつ例を説明したが、粘弾性体64は単数のみでもよい。この場合、単数の第1板状部56と単数の第2板状部60とが板厚方向に並べられ、これらの間に単数の粘弾性体64が挟み込まれた構造となる。
制振装置24の第1板状部56は第1収納棚18(A)の第1交点部42(A)に対して固定され、第2板状部60は第2収納棚18(B)の第2交点部42(B)に対して固定される例を説明した。第1板状部56は第1収納棚18(A)に対して固定され、第2板状部60は第2収納棚18(B)に対して固定されていれば、これらの具体的な固定先は特に限定されるものではなく、他の箇所に固定されていてもよい。
制振装置24の第1板状部56は、第1交点部42(A)の近傍に固定される例を説明したが、前述の(X)の効果を得る観点からは、第1交点部42(A)に固定されてもよい。また、制振装置24の第2板状部60も、前述の(X)の効果を得る観点からは、第2交点部42(B)に固定されてもよい。
補強部材は、前支柱28と後支柱30との間に水平面に対して斜めに配置されるラチス34を例に説明したが、前支柱28と後支柱30との間に前後方向Xに沿って水平に架設されるつなぎ材でもよい。
10…棚設備、18(A)…第1収納棚、18(B)…第2収納棚、20(A)…第1荷物収納部、20(B)…第2荷物収納部、21(A)…第1荷物出入口、21(B)…第2荷物出入口、24…制振装置、30(A)…第1後支柱、30(B)…第2後支柱、34(A)…第1ラチス(第1補強部材)、34(B)…第2ラチス(第2補強部材)、42(A)…第1交点部、42(B)…第2交点部、56…第1板状部、60…第2板状部、64…粘弾性体。

Claims (2)

  1. 第1荷物出入口が前側に設けられた複数の第1荷物収納部を有し、前記複数の第1荷物収納部が上下方向に並べられた第1収納棚と、
    第2荷物出入口が前側に設けられた複数の第2荷物収納部を有し、前記複数の第2荷物収納部が上下方向に並べられ、前記第1収納棚との間で互いの後面側を対向させて配置された第2収納棚と、
    前記第1収納棚と前記第2収納棚との間に配置された制振装置と、を備え、
    前記制振装置は、前記第1収納棚の上部に固定された第1板状部と前記第2収納棚に対して固定された第2板状部とが板厚方向に並べられ、前記第1板状部と前記第2板状部との間に粘弾性体が挟み込まれ
    前記第1収納棚は、第1支柱と、前記第1支柱に接続されるとともに水平面に対して斜めに配置される第1ラチスと、を備え、
    前記第1支柱は、前記第1ラチスが接続される第1交点部を備え、
    前記第1板状部は、前記第1交点部の近傍にて前記第1支柱に固定されていることを特徴とする棚設備。
  2. 前記第1板状部と前記第2板状部とは、前記第1収納棚の前後方向及び上下方向と直交する左右方向に並べられ、
    前記粘弾性体は、前記前後方向に面する辺の方が、前記上下方向に面する辺よりも長い矩形状を呈するシート状に形成されている請求項1に記載の棚設備。
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