JP2001271514A - 制震ダンパー - Google Patents
制震ダンパーInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 建物間にエキスパンションジョイントとして
配置することにより、建物間の相対変位を低減し、従来
のエキスパンションジョイントに比較して小型に形成で
きる制震ダンパーを提供する。 【解決手段】 建物2の外壁面2aに取り付けた第一の
鋼棒4に、第一の板体8を、該第一の鋼棒4を軸とする
回転方向に変位可能に取り付け、建物3の外壁面3aに
取り付けた第二の鋼棒5に、第二の板体9を、第二の板
体9を軸とする回転方向および第二の鋼棒5に平行な方
向の双方に変位可能に取り付け、第一および第二の板体
8,9を、板状に形成されたBRC10を介して積層状
態に接着した。
配置することにより、建物間の相対変位を低減し、従来
のエキスパンションジョイントに比較して小型に形成で
きる制震ダンパーを提供する。 【解決手段】 建物2の外壁面2aに取り付けた第一の
鋼棒4に、第一の板体8を、該第一の鋼棒4を軸とする
回転方向に変位可能に取り付け、建物3の外壁面3aに
取り付けた第二の鋼棒5に、第二の板体9を、第二の板
体9を軸とする回転方向および第二の鋼棒5に平行な方
向の双方に変位可能に取り付け、第一および第二の板体
8,9を、板状に形成されたBRC10を介して積層状
態に接着した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固有振動周期の互
いに異なる構造体同士の間に介装される制震ダンパーに
関するものである。
いに異なる構造体同士の間に介装される制震ダンパーに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、建物に隣接して立体駐車
場等の構造体を併設する場合、あるいは、鉄骨造建物内
にRC造の構造体(銀行の金庫室、病院のMRI室)を
設置する場合などにおいては、建物と構造体との固有振
動周期が異なるために、地震動等によって両者が干渉し
ないように、両者の間にエキスパンションジョイントを
設けるようにしている。
場等の構造体を併設する場合、あるいは、鉄骨造建物内
にRC造の構造体(銀行の金庫室、病院のMRI室)を
設置する場合などにおいては、建物と構造体との固有振
動周期が異なるために、地震動等によって両者が干渉し
ないように、両者の間にエキスパンションジョイントを
設けるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなエキスパン
ションジョイントは、地震時に、接続対象の構造体間に
発生する相対変位に追随して変形する必要があるため、
想定される相対変位の最大値よりも大きな所定寸法に変
形可能に形成する必要がある。この場合、エキスパンシ
ョンジョイントの寸法を比較的大きなものとしなければ
ならず、建物配置や建物内の空間計画に大きな制約とな
ることが懸念される。
ションジョイントは、地震時に、接続対象の構造体間に
発生する相対変位に追随して変形する必要があるため、
想定される相対変位の最大値よりも大きな所定寸法に変
形可能に形成する必要がある。この場合、エキスパンシ
ョンジョイントの寸法を比較的大きなものとしなければ
ならず、建物配置や建物内の空間計画に大きな制約とな
ることが懸念される。
【0004】上記事情に鑑み、本発明においては、エキ
スパンションジョイントとしての機能を有するととも
に、構造体の振動自体を低減することができ、これによ
り、構造体間の相対変位を小さくして、従来のエキスパ
ンションジョイントに比較して小型に形成することので
きる制震ダンパーを提供することを課題とする。
スパンションジョイントとしての機能を有するととも
に、構造体の振動自体を低減することができ、これによ
り、構造体間の相対変位を小さくして、従来のエキスパ
ンションジョイントに比較して小型に形成することので
きる制震ダンパーを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては以下の手段を採用した。すなわち、
請求項1記載の制震ダンパーは、固有振動周期の互いに
異なる第一および第二の構造体同士の間に介装される制
震ダンパーであって、前記第一の構造体の外周部に、第
一の棒状体が、該外周部から離間した状態で取り付けら
れ、前記第二の構造体の外周部に、第二の棒状体が、前
記第一の棒状体と平行に、かつ、該外周部から離間した
状態で取り付けられ、前記第一の棒状体には、第一の板
体が、該第一の棒状体を軸とする回転方向に変位可能に
取り付けられ、前記第二の棒状体には、第二の板体が、
該第二の棒状体を軸とする回転方向に変位可能に取り付
けられ、第一および第二の板体のうち、少なくとも一方
は、前記第一または第二の棒状体に対して、これら第一
および第二の棒状体と平行な方向に相対変位可能に取り
付けられ、前記第一および第二の板体は、板状に形成さ
れた粘弾性体を介して積層状態に接着されることを特徴
としている。
に本発明においては以下の手段を採用した。すなわち、
請求項1記載の制震ダンパーは、固有振動周期の互いに
異なる第一および第二の構造体同士の間に介装される制
震ダンパーであって、前記第一の構造体の外周部に、第
一の棒状体が、該外周部から離間した状態で取り付けら
れ、前記第二の構造体の外周部に、第二の棒状体が、前
記第一の棒状体と平行に、かつ、該外周部から離間した
状態で取り付けられ、前記第一の棒状体には、第一の板
体が、該第一の棒状体を軸とする回転方向に変位可能に
取り付けられ、前記第二の棒状体には、第二の板体が、
該第二の棒状体を軸とする回転方向に変位可能に取り付
けられ、第一および第二の板体のうち、少なくとも一方
は、前記第一または第二の棒状体に対して、これら第一
および第二の棒状体と平行な方向に相対変位可能に取り
付けられ、前記第一および第二の板体は、板状に形成さ
れた粘弾性体を介して積層状態に接着されることを特徴
としている。
【0006】このような構成により、第一および第二の
構造体が振動した場合に、第一および第二の構造体間の
相対変位を利用して粘弾性体を変形させ、第一および第
二の構造体の振動エネルギーを粘弾性体により吸収させ
ることができる。
構造体が振動した場合に、第一および第二の構造体間の
相対変位を利用して粘弾性体を変形させ、第一および第
二の構造体の振動エネルギーを粘弾性体により吸収させ
ることができる。
【0007】請求項2記載の制震ダンパーは、 請求項
1記載の制震ダンパーであって、互いに平行配置された
一対の前記第一の板体を備え、前記第二の板体は、これ
ら第一の板体の間に配置され、前記第二の板体の両面側
に前記粘弾性体が配置されていることを特徴としてい
る。
1記載の制震ダンパーであって、互いに平行配置された
一対の前記第一の板体を備え、前記第二の板体は、これ
ら第一の板体の間に配置され、前記第二の板体の両面側
に前記粘弾性体が配置されていることを特徴としてい
る。
【0008】このような構成により、第一および第二の
板体間に生じる相対変位を、これらの板面と平行な方向
のみに規制することができ、これにより、粘弾性体にね
じれが変形が生じることを避けることができる。
板体間に生じる相対変位を、これらの板面と平行な方向
のみに規制することができ、これにより、粘弾性体にね
じれが変形が生じることを避けることができる。
【0009】請求項3記載の制震ダンパーは、請求項1
または2記載の制震ダンパーであって、前記第一および
第二の構造体は、隣接配置された一対の建物とされ、こ
れら一対の建物のうち、互いに対向する外壁面のそれぞ
れに、前記第一および第二の棒状体が、これら外壁面と
平行に取り付けられていることを特徴としている。
または2記載の制震ダンパーであって、前記第一および
第二の構造体は、隣接配置された一対の建物とされ、こ
れら一対の建物のうち、互いに対向する外壁面のそれぞ
れに、前記第一および第二の棒状体が、これら外壁面と
平行に取り付けられていることを特徴としている。
【0010】このような構成により、建物が隣接してい
る場合に、建物が接近・離間する方向の相対変位を利用
して制震効果を得ることができ、建物同士の干渉を防ぐ
ことができる。
る場合に、建物が接近・離間する方向の相対変位を利用
して制震効果を得ることができ、建物同士の干渉を防ぐ
ことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1および図2は、本発明の一
実施の形態である制震ダンパー1を示す図であり、図1
は、制震ダンパー1の平面図、図2は、図1におけるI
−I線矢視断面図である。
面に基づいて説明する。図1および図2は、本発明の一
実施の形態である制震ダンパー1を示す図であり、図1
は、制震ダンパー1の平面図、図2は、図1におけるI
−I線矢視断面図である。
【0012】これらの図中に示す制震ダンパー1は、図
3,4に示すように、固有振動周期の互いに異なる隣接
する一対の建物2,3間に設けられたものであり、図1
に示すように、建物2に固定された第一の鋼棒(第一の
棒状体)4と、建物3に固定された第二の鋼棒(第二の
棒状体)5と、これら第一および第二の鋼棒4,5間に
設けられたダンパー機構6とを備えた構成となってい
る。
3,4に示すように、固有振動周期の互いに異なる隣接
する一対の建物2,3間に設けられたものであり、図1
に示すように、建物2に固定された第一の鋼棒(第一の
棒状体)4と、建物3に固定された第二の鋼棒(第二の
棒状体)5と、これら第一および第二の鋼棒4,5間に
設けられたダンパー機構6とを備えた構成となってい
る。
【0013】第一の鋼棒4は、建物2の外壁面2aに対
して、外周面2aから離間した状態で、なおかつ、外壁
面2aに平行に取り付けられており、また第二の鋼棒5
は、建物3の外周面3aに対して、第一の鋼棒4と平行
に、なおかつ、建物3の外壁面3aと離間した状態で取
り付けられている。
して、外周面2aから離間した状態で、なおかつ、外壁
面2aに平行に取り付けられており、また第二の鋼棒5
は、建物3の外周面3aに対して、第一の鋼棒4と平行
に、なおかつ、建物3の外壁面3aと離間した状態で取
り付けられている。
【0014】また、ダンパー機構6は、図2に示すよう
に第一の板体8,8と、第二の板体9と、ゴムアスファ
ルト系の粘弾性体であるBRC(Bitumen Rubber Compo
und)10とを積層状態に接着した構成となっている。
第一の板体8,8は、互いに平行配置されるとともに、
その側端縁8a,8aが、ともに、第一の鋼棒4に外嵌
された筒状体11に対して、板体12およびボルト13
を介して固定されており、これにより、第一の鋼棒4に
対して、第一の鋼棒4を軸とする回転方向に変位可能に
取り付けられている。
に第一の板体8,8と、第二の板体9と、ゴムアスファ
ルト系の粘弾性体であるBRC(Bitumen Rubber Compo
und)10とを積層状態に接着した構成となっている。
第一の板体8,8は、互いに平行配置されるとともに、
その側端縁8a,8aが、ともに、第一の鋼棒4に外嵌
された筒状体11に対して、板体12およびボルト13
を介して固定されており、これにより、第一の鋼棒4に
対して、第一の鋼棒4を軸とする回転方向に変位可能に
取り付けられている。
【0015】また、第二の板体9は、第一の板体8,8
同士の間に、これらと平行に配置されるとともに、その
側端縁9aが、第二の鋼棒5に外嵌された筒状体15に
対して固定されている。これにより、第二の板体9は、
第一の鋼棒5に対して、第一の鋼棒5を軸とする回転方
向に変位可能に取り付けられる。また、図1に示すよう
に、第二の鋼棒5は、筒状体15に比較して長い寸法に
形成されており、これにより、第二の板体9は、第二の
鋼棒5により、第二の鋼棒5に平行な方向に相対変位可
能に支持されることとなる。
同士の間に、これらと平行に配置されるとともに、その
側端縁9aが、第二の鋼棒5に外嵌された筒状体15に
対して固定されている。これにより、第二の板体9は、
第一の鋼棒5に対して、第一の鋼棒5を軸とする回転方
向に変位可能に取り付けられる。また、図1に示すよう
に、第二の鋼棒5は、筒状体15に比較して長い寸法に
形成されており、これにより、第二の板体9は、第二の
鋼棒5により、第二の鋼棒5に平行な方向に相対変位可
能に支持されることとなる。
【0016】また、BRC10,10は、第二の板体9
の両面9b,9bと第一の板体8,8との間に介装され
るとともに、ボルト12の締結力により、第一および第
二の板体8,9から押圧される構成となっている。
の両面9b,9bと第一の板体8,8との間に介装され
るとともに、ボルト12の締結力により、第一および第
二の板体8,9から押圧される構成となっている。
【0017】このような制震ダンパー1を建物2,3間
に配置することにより、地震により建物2,3が水平振
動した場合に、建物2,3が接近する方向(第一および
第二の鋼棒4,5が接近する方向)の相対変位を、第一
および第二の板体8,9を介して、BRC10,10に
対して作用させ、これによりBRC10,10にせん断
ひずみを生じさせることができる。これにより、BRC
10,10によって、建物2,3が接近または離間する
方向の建物2,3の振動エネルギーを吸収させ、この方
向の建物2,3の振動応答を低減させることができる。
に配置することにより、地震により建物2,3が水平振
動した場合に、建物2,3が接近する方向(第一および
第二の鋼棒4,5が接近する方向)の相対変位を、第一
および第二の板体8,9を介して、BRC10,10に
対して作用させ、これによりBRC10,10にせん断
ひずみを生じさせることができる。これにより、BRC
10,10によって、建物2,3が接近または離間する
方向の建物2,3の振動エネルギーを吸収させ、この方
向の建物2,3の振動応答を低減させることができる。
【0018】また、この場合、第一および第二の板体
8,9が、第一および第二の鋼棒4,5に対して、これ
ら第一および第二の鋼棒4,5を軸とした回転方向に変
位可能に取り付けられているため、ダンパー機構6全体
が建物2,3に対して水平軸周りに回動変位可能とされ
ることとなる。これにより、建物2,3が上下方向に変
位した場合においても、ダンパー機構6にねじれが生じ
ることを避けることができる。
8,9が、第一および第二の鋼棒4,5に対して、これ
ら第一および第二の鋼棒4,5を軸とした回転方向に変
位可能に取り付けられているため、ダンパー機構6全体
が建物2,3に対して水平軸周りに回動変位可能とされ
ることとなる。これにより、建物2,3が上下方向に変
位した場合においても、ダンパー機構6にねじれが生じ
ることを避けることができる。
【0019】さらに、第二の板体9が、第二の鋼棒5に
対して、第二の鋼棒5と平行な方向に変位可能に取り付
けられているため、建物2,3が接近・離間する方向以
外の水平方向に相対変位した場合においても、この相対
変位に制震ダンパー1が追随することが可能となる。
対して、第二の鋼棒5と平行な方向に変位可能に取り付
けられているため、建物2,3が接近・離間する方向以
外の水平方向に相対変位した場合においても、この相対
変位に制震ダンパー1が追随することが可能となる。
【0020】以上述べた制震ダンパー1によれば、第一
の板体8,8が、第一の鋼棒4に対して、第一の鋼棒4
を軸とする回転方向に変位可能に取り付けられ、第二の
板体9が、第二の鋼棒5に対して、第二の鋼棒5を軸と
する回転方向、および、第二の鋼棒5と平行な方向の双
方に変位可能に取り付けられ、第一および第二の板体
8,9が、板状に形成されたBRC10,10を介して
積層状態に接着されているために、建物2,3間の相対
変位を、第一および第二の板体8,9を介して、BRC
10,10に作用させBRC10,10を変形させるこ
とにより制震効果を得ることができ、建物2,3自体の
振動応答を低減させ、建物2,3間に設けるべきクリア
ランスを小さくすることができる。これにより、従来、
隣接する建物間に配置されていたエキスパンションジョ
イントに比較して、小型の装置によって建物2,3間の
干渉を防ぐことができ、制震ダンパー1を建物2,3間
に従来のエキスパンションジョイントに代えて配置する
ことにより、建物2,3の敷地内における平面計画の自
由度を向上させることができる。さらに、制震ダンパー
1は、簡易な構成により小型に実現できるために、設置
性に優れるとともに、コスト上においても有利である。
の板体8,8が、第一の鋼棒4に対して、第一の鋼棒4
を軸とする回転方向に変位可能に取り付けられ、第二の
板体9が、第二の鋼棒5に対して、第二の鋼棒5を軸と
する回転方向、および、第二の鋼棒5と平行な方向の双
方に変位可能に取り付けられ、第一および第二の板体
8,9が、板状に形成されたBRC10,10を介して
積層状態に接着されているために、建物2,3間の相対
変位を、第一および第二の板体8,9を介して、BRC
10,10に作用させBRC10,10を変形させるこ
とにより制震効果を得ることができ、建物2,3自体の
振動応答を低減させ、建物2,3間に設けるべきクリア
ランスを小さくすることができる。これにより、従来、
隣接する建物間に配置されていたエキスパンションジョ
イントに比較して、小型の装置によって建物2,3間の
干渉を防ぐことができ、制震ダンパー1を建物2,3間
に従来のエキスパンションジョイントに代えて配置する
ことにより、建物2,3の敷地内における平面計画の自
由度を向上させることができる。さらに、制震ダンパー
1は、簡易な構成により小型に実現できるために、設置
性に優れるとともに、コスト上においても有利である。
【0021】また、制震ダンパー1は、上述のような構
造とされるために、ダンパー機構6にねじれ変形が生じ
ることがなく、したがって、破損等の危険が無く、良好
にその制震効果を発揮することが可能となる。
造とされるために、ダンパー機構6にねじれ変形が生じ
ることがなく、したがって、破損等の危険が無く、良好
にその制震効果を発揮することが可能となる。
【0022】また、上述の制震ダンパー1においては、
一対の第一の板体8,8間に第二の板体9が挟み込ま
れ、第二の板体9の両面9b,9b側にBRC10,1
0が配置されているため、第一および第二の板体8,9
の相対変位を、これらの板面と平行な方向にのみに規制
することができ、これにより、BRC10,10にねじ
れが生じることを避けて、BRC10,10が良好に振
動エネルギーの吸収効果を発揮することが可能となる。
一対の第一の板体8,8間に第二の板体9が挟み込ま
れ、第二の板体9の両面9b,9b側にBRC10,1
0が配置されているため、第一および第二の板体8,9
の相対変位を、これらの板面と平行な方向にのみに規制
することができ、これにより、BRC10,10にねじ
れが生じることを避けて、BRC10,10が良好に振
動エネルギーの吸収効果を発揮することが可能となる。
【0023】さらに、上述の制震ダンパー1は、隣接配
置された一対の建物2,3の互いに対向する外壁面2
a,3a間に配置され、なおかつ、第一および第二の鋼
棒4,5が、これら外壁面2a,3aに対して平行に取
り付けられているために、建物2,3が接近・離間する
方向の相対変位を利用して制震効果を得ることができ、
隣接する建物2,3の干渉を良好に防いで、建物2,3
間に設けるべきクリアランスを小さくすることができ
る。これにより、建物2,3の配置計画や敷地の利用計
画の自由度を向上することができる。
置された一対の建物2,3の互いに対向する外壁面2
a,3a間に配置され、なおかつ、第一および第二の鋼
棒4,5が、これら外壁面2a,3aに対して平行に取
り付けられているために、建物2,3が接近・離間する
方向の相対変位を利用して制震効果を得ることができ、
隣接する建物2,3の干渉を良好に防いで、建物2,3
間に設けるべきクリアランスを小さくすることができ
る。これにより、建物2,3の配置計画や敷地の利用計
画の自由度を向上することができる。
【0024】なお、図5に、制震ダンパー1による建物
2,3間の相対変位(横軸)の高さ(縦軸)ごとの低減
効果を数値解析した結果を示す。図中に示すように、B
RC10の平面面積を2000cm2とした場合、制震
ダンパー1が無い場合に比較して、相対変位の値を約1
/3程度に減ずることができ、またさらに、BRC10
の平面面積を拡大した場合(4000cm2から100
00cm2とした場合)には、より優れた制震効果を得
ることが可能であることが理解できる。
2,3間の相対変位(横軸)の高さ(縦軸)ごとの低減
効果を数値解析した結果を示す。図中に示すように、B
RC10の平面面積を2000cm2とした場合、制震
ダンパー1が無い場合に比較して、相対変位の値を約1
/3程度に減ずることができ、またさらに、BRC10
の平面面積を拡大した場合(4000cm2から100
00cm2とした場合)には、より優れた制震効果を得
ることが可能であることが理解できる。
【0025】なお、上記実施の形態において、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲内で他の構成を採用することがで
きる。例えば、制震ダンパー1は、図2に示すようなも
のに限らず、図6に示す制震ダンパー1’のように、3
枚の第二の板体9,9,9の間に、一対の第一の板体
8,8を配置し、第一および第二の板体8,9間にBR
C10を設けるようにしてもよい。このようにすること
によって、BRC10の面積を拡大し、より優れた制震
性能を得ることができる。また、ゴムアスファルト系の
BRC10に代えて、高減衰ゴム系(ウレタン系ゴム、
スチレン系ゴム、ジエン系ゴム、シリコン系ゴム)、ア
クリル樹脂系など、他の粘弾性体を用いることも可能で
ある。
趣旨を逸脱しない範囲内で他の構成を採用することがで
きる。例えば、制震ダンパー1は、図2に示すようなも
のに限らず、図6に示す制震ダンパー1’のように、3
枚の第二の板体9,9,9の間に、一対の第一の板体
8,8を配置し、第一および第二の板体8,9間にBR
C10を設けるようにしてもよい。このようにすること
によって、BRC10の面積を拡大し、より優れた制震
性能を得ることができる。また、ゴムアスファルト系の
BRC10に代えて、高減衰ゴム系(ウレタン系ゴム、
スチレン系ゴム、ジエン系ゴム、シリコン系ゴム)、ア
クリル樹脂系など、他の粘弾性体を用いることも可能で
ある。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る制
震ダンパーにおいては、第一の板体が、第一の棒状体に
対して、第一の棒状体を軸とする回転方向に変位可能に
取り付けられ、第二の板体が、第二の棒状体に対して、
第二の棒状体を軸とする回転方向に変位可能に取り付け
られ、第一および第二の板体のうち、少なくとも一方
が、第一または第二の棒状体に対して、これらと平行な
方向に相対変位可能に取り付けられ、第一および第二の
板体が、板状に形成された粘弾性体を介して積層状態に
接着されているために、建物間の相対変位を、第一およ
び第二の板体を介して、粘弾性体に作用させ粘弾性体を
変形させることにより制震効果を得ることができ、構造
体自体の振動応答を低減させ、構造体間に設けるべきク
リアランスを小さくすることができる。これにより、従
来、隣接する構造体間に配置されていたエキスパンショ
ンジョイントに比較して、小型の装置によって構造体同
士の干渉を防ぐことができ、空間の利用性を向上させる
ことができる。また、この場合、ダンパー部分にねじれ
変形が生じることがなく、したがって、破損等の危険が
無く、良好にその制震効果を発揮することができる。
震ダンパーにおいては、第一の板体が、第一の棒状体に
対して、第一の棒状体を軸とする回転方向に変位可能に
取り付けられ、第二の板体が、第二の棒状体に対して、
第二の棒状体を軸とする回転方向に変位可能に取り付け
られ、第一および第二の板体のうち、少なくとも一方
が、第一または第二の棒状体に対して、これらと平行な
方向に相対変位可能に取り付けられ、第一および第二の
板体が、板状に形成された粘弾性体を介して積層状態に
接着されているために、建物間の相対変位を、第一およ
び第二の板体を介して、粘弾性体に作用させ粘弾性体を
変形させることにより制震効果を得ることができ、構造
体自体の振動応答を低減させ、構造体間に設けるべきク
リアランスを小さくすることができる。これにより、従
来、隣接する構造体間に配置されていたエキスパンショ
ンジョイントに比較して、小型の装置によって構造体同
士の干渉を防ぐことができ、空間の利用性を向上させる
ことができる。また、この場合、ダンパー部分にねじれ
変形が生じることがなく、したがって、破損等の危険が
無く、良好にその制震効果を発揮することができる。
【0027】請求項2に係る制震ダンパーにおいては、
一対の第一の板体間に第二の板体が挟み込まれ、第二の
板体の両面側に粘弾性体が配置されているため、第一お
よび第二の板体間の相対変位を、これらの板面と平行な
方向にのみに規制することができ、これにより、粘弾性
体にねじれが生じることを避けて、粘弾性体が良好に振
動エネルギーの吸収効果を発揮することが可能となる。
一対の第一の板体間に第二の板体が挟み込まれ、第二の
板体の両面側に粘弾性体が配置されているため、第一お
よび第二の板体間の相対変位を、これらの板面と平行な
方向にのみに規制することができ、これにより、粘弾性
体にねじれが生じることを避けて、粘弾性体が良好に振
動エネルギーの吸収効果を発揮することが可能となる。
【0028】請求項3に係る制震ダンパーにおいては、
隣接配置された一対の建物の互いに対向する外壁面に対
して、第一および第二の棒状体が、これら外壁面に対し
て平行に取り付けられているために、建物が接近・離間
する方向の相対変位を利用して制震効果を得ることがで
き、隣接する建物の干渉を良好に防いで、建物間に設け
るべきクリアランスを小さくすることができる。これに
より、建物の配置計画や敷地の利用計画の自由度を向上
することができる。
隣接配置された一対の建物の互いに対向する外壁面に対
して、第一および第二の棒状体が、これら外壁面に対し
て平行に取り付けられているために、建物が接近・離間
する方向の相対変位を利用して制震効果を得ることがで
き、隣接する建物の干渉を良好に防いで、建物間に設け
るべきクリアランスを小さくすることができる。これに
より、建物の配置計画や敷地の利用計画の自由度を向上
することができる。
【図1 】 本発明の一実施の形態を模式的に示す制震
ダンパーの平面図である。
ダンパーの平面図である。
【図2 】 図1におけるI−I線矢視断面図である。
【図3 】 図1に示した制震ダンパーが適用された建
物の立面図である。
物の立面図である。
【図4 】 同、平面図である。
【図5 】 本発明の効果を示す図であって、建物間の
相対変位(横軸)と高さ(縦軸)との関係の数値解析結
果を、制震ダンパーを設けた場合と設けない場合とで比
較したグラフである。
相対変位(横軸)と高さ(縦軸)との関係の数値解析結
果を、制震ダンパーを設けた場合と設けない場合とで比
較したグラフである。
【図6 】 本発明の他の実施の形態を模式的に示す制
震ダンパーの立断面図である。
震ダンパーの立断面図である。
1 制震ダンパー 2,3 建物 4 第一の鋼棒(第一の棒状体) 5 第二の鋼棒(第二の棒状体) 6 ダンパー機構 8 第一の板体 9 第二の板体 9b 両面 10 BRC(粘弾性体)
Claims (3)
- 【請求項1】 固有振動周期の互いに異なる第一および
第二の構造体同士の間に介装される制震ダンパーであっ
て、 前記第一の構造体の外周部に、第一の棒状体が、該外周
部から離間した状態で取り付けられ、 前記第二の構造体の外周部に、第二の棒状体が、前記第
一の棒状体と平行に、かつ、該外周部から離間した状態
で取り付けられ、 前記第一の棒状体には、第一の板体が、該第一の棒状体
を軸とする回転方向に変位可能に取り付けられ、 前記第二の棒状体には、第二の板体が、該第二の棒状体
を軸とする回転方向に変位可能に取り付けられ、 第一および第二の板体のうち、少なくとも一方は、前記
第一または第二の棒状体に対して、これら第一および第
二の棒状体と平行な方向に相対変位可能に取り付けら
れ、 前記第一および第二の板体は、板状に形成された粘弾性
体を介して積層状態に接着されることを特徴とする制震
ダンパー。 - 【請求項2】 請求項1記載の制震ダンパーであって、 互いに平行配置された一対の前記第一の板体を備え、 前記第二の板体は、これら第一の板体の間に配置され、 前記第二の板体の両面側に前記粘弾性体が配置されてい
ることを特徴とする制震ダンパー。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の制震ダンパーで
あって、 前記第一および第二の構造体は、隣接配置された一対の
建物とされ、 これら一対の建物のうち、互いに対向する外壁面のそれ
ぞれに、前記第一および第二の棒状体が、これら外壁面
と平行に取り付けられていることを特徴とする制震ダン
パー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000082920A JP2001271514A (ja) | 2000-03-23 | 2000-03-23 | 制震ダンパー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000082920A JP2001271514A (ja) | 2000-03-23 | 2000-03-23 | 制震ダンパー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001271514A true JP2001271514A (ja) | 2001-10-05 |
Family
ID=18599658
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000082920A Pending JP2001271514A (ja) | 2000-03-23 | 2000-03-23 | 制震ダンパー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001271514A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011252313A (ja) * | 2010-06-02 | 2011-12-15 | Fujita Corp | エキスパンションジョイント構造 |
JP2016080076A (ja) * | 2014-10-16 | 2016-05-16 | 住友ゴム工業株式会社 | 制震装置 |
JP2017160032A (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 住友重機械搬送システム株式会社 | 棚設備 |
-
2000
- 2000-03-23 JP JP2000082920A patent/JP2001271514A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011252313A (ja) * | 2010-06-02 | 2011-12-15 | Fujita Corp | エキスパンションジョイント構造 |
JP2016080076A (ja) * | 2014-10-16 | 2016-05-16 | 住友ゴム工業株式会社 | 制震装置 |
JP2017160032A (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 住友重機械搬送システム株式会社 | 棚設備 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050614 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050621 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051018 |