JP2007285060A - 制振装置付き建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】制振装置付き建物を安価に構成する。
【解決手段】天井大梁34に上部材16を取り付け、床大梁40に下部材18を取り付け、圧縮時よりも引張時の減衰力が大きい特性を有するサスペンション用のオイルダンパー56を複数個用いて上部材16と下部材18を連結する。また、複数のオイルダンパー56は、下部材18の支柱52を対称軸として左右対称に配置する。天井大梁34が矢印A方向に相対変位した時と、矢印B方向(矢印A方向とは反対方向)に相対変位した時とは、同じ大きさの減衰力が発生するようになる。オイルダンパー56を複数用いることで、制振装置付き建物10の制振を十分に行うことができる。オイルダンパー56は、自動車のサスペンション用に大量かつ安価に製造されたものを流用しており、建物専用に設計された特殊な少量生産品とは異なるため、制振装置14を安価に提供できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、制振装置付き建物にかかり、特に、ダンパーを用いて制振を行う制振装置付き建物に関する。
建物の地震時、暴風時に地震時等の水平方向振動を低減させる方法の一つとして、建物に制振装置を設置する場合がある。このような建物の制振装置は、一般に柱梁架構面内にオイルダンパー、粘弾性体等の制振装置を設置したものが用いられている(例えば、特許文献1参照。)
特開2001―90377号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている建物用のオイルダンパーは、伸長時と圧縮時の減衰力が同一に設定され、また、建物専用に設計されたものであるため高価であるという問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、安価に構成できる制振装置付き建物の提供を目的とする。
請求項1に記載の制振装置付き建物は、上梁と下梁とを備え、上梁と下梁とが相対変位する振動を、圧縮と引張とで減衰力の異なるダンパーで減衰させる、ことを特徴としている。
次に、請求項1に記載の制振装置付き建物の作用を説明する。
請求項1に記載の制振装置付き建物では、上梁と下梁とが、例えば水平方向に相対変位する振動がダンパーによって迅速に減衰される。
また、ダンパーは、自動車のサスペンション等に用いられる圧縮と引張とで減衰力の異なる仕様で、大量生産により安価に製造されているものを使用できるので、建物の制振装置を安価にできる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の制振装置付き建物において、前記ダンパーは、前記上梁と前記下梁との間に配置されている、ことを特徴としている。
次に、請求項2に記載の制振装置付き建物の作用を説明する。
請求項2に記載の制振装置付き建物では、上梁と下梁との間に配置されたダンパーが振動を減衰させる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の制振装置付き建物において、前記ダンパーのシリンダを上梁、ピストンロッドを下梁に連結した、ことを特徴としている。
次に、請求項3に記載の制振装置付き建物の作用を説明する。
請求項3に記載の制振装置付き建物では、ダンパーのシリンダを上梁、ピストンロッドを下梁に連結することで、上梁と下梁とが相対変位した際にダンパーが減衰力を発生する。
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の制振装置付き建物において、前記ダンパーのシリンダを下梁に、ピストンロッドを上梁に連結した、ことを特徴としている。
次に、請求項4に記載の制振装置付き建物の作用を説明する。
請求項4に記載の制振装置付き建物では、ダンパーのシリンダを下梁、ピストンロッドを上梁に対して連結することで、上梁と下梁とが相対変位した際にダンパーが減衰力を発生する。
請求項5に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の制振装置付き建物において、前記ダンパーを水平に配置し、前記ダンパーのシリンダを上梁側に連結し、前記ダンパーのピストンロッドを下梁側に連結した、ことを特徴としている。
次に、請求項5に記載の制振装置付き建物の作用を説明する。
請求項5に記載の制振装置付き建物では、ダンパーを水平に配置し、ダンパーのシリンダを上梁側に連結し、ダンパーのピストンロッドを下梁側に連結したので、上梁と下梁とが水平方向に相対変位した際のダンパーに入力する力が軸方向となり、ダンパーに対して効率的に力が入力し、ダンパーを効率的に機能させることが出来る。
請求項6に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の制振装置付き建物において、前記ダンパーを水平に配置し、前記ダンパーのシリンダを下梁側に連結し、前記ダンパーのピストンロッドを上梁側に連結した、ことを特徴としている。
次に、請求項6に記載の制振装置付き建物の作用を説明する。
請求項6に記載の制振装置付き建物では、ダンパーを水平に配置し、ダンパーのシリンダを下梁側に連結し、ダンパーのピストンロッドを上梁側に連結したので、上梁と下梁とが水平方向に相対変位した際のダンパーに入力する力が軸方向となり、ダンパーに対して効率的に力が入力し、ダンパーを効率的に機能させることが出来る。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の制振装置付き建物において、前記ダンパーは偶数個設けられ、前記上梁と前記下梁とが相対変位した際に、半数の前記ダンパーが伸長され、残りの半数の前記ダンパーが圧縮されるように前記ダンパーが取り付けられている、ことを特徴としている。
次に、請求項7に記載の制振装置付き建物の作用を説明する。
上梁と下梁とが相対変位した際に、半数のダンパーが伸長され、残りの半数のダンパーが圧縮されるようにダンパーを偶数個設けることで、上梁と下梁とが一方向に相対変位した時の減衰特性と他方向に相対変位した時の減衰特性とを同一にできる。
請求項8に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の制振装置付き建物において、上梁、及び下梁の何れか一方に連結され、間隔をあけて配置された一対の第1の支柱と、上梁、及び下梁の何れか他方に連結され、第1の支柱間に配置された第2の支柱と、を備え、前記ダンパーは、前記第1の支柱と前記第2の支柱とを連結するように水平に設けられると共に、前記第2の支柱を対称軸として左右対称に複数配置されている、ことを特徴としている。
次に、請求項8に記載の制振装置付き建物の作用を説明する。
一対の第1の支柱を上梁、及び下梁の何れか一方に連結し、第2の支柱を一対の第1の支柱の間に配置して上梁、及び下梁の何れか一方に連結し、ダンパーを、第1の支柱と第2の支柱とを連結するように水平に設けると共に、第2の支柱を対称軸として左右対称に複数配置することで、上梁と下梁とが一方向に相対変位した時の減衰特性と他方向に相対変位した時の減衰特性とを同一にできる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の制振装置付き建物において、前記ダンパーは上梁と下梁の中央に配置され、前記第1の支柱の長さと前記第2の支柱の長さが同一に設定されている、ことを特徴としている。
次に、請求項9に記載の制振装置付き建物の作用を説明する。
第1の支柱と第2の支柱の長さが異なる場合には、長い方の支柱が曲がり易くなり、支柱の曲がりによってダンパーに入力させるべき力が減少し、ダンパーが発生する減衰力が減少する。したがって、ダンパーを上梁と下梁の中央に配置し、第1の支柱の長さと第2の支柱の長さを同一に設定することで、ダンパーに対して効率的に力を入力させることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項8または請求項9に記載の制振装置付き建物において、前記第1の支柱、及び前記第2の支柱を補強する補強部材が設けられている、ことを特徴としている。
次に、請求項10に記載の制振装置付き建物の作用を説明する。
第1の支柱、及び第2の支柱を各々補強部材で補強することで、各支柱が曲がり難くなり、ダンパーに対してより効率的に力を入力させることができる。
以上説明したように、請求項1に記載の制振装置付き建物は上記の構成としたので、減衰特性を確保しつつ、制振装置付き建物を安価に提供できるという効果がある。
請求項2に記載の制振装置付き建物によれば、ダンパーを上梁と下梁との間、即ち、通常使用されない空間部分に配置でき、建物の空間を無駄なく使用できる効果がある。
請求項3に記載の制振装置付き建物によれば、建物の他の部材に連結するよりもダンパーに無駄なく力を入力させることができ、上梁と下梁とが相対変位する振動を効率的に減衰させることが出来るという効果がある。
請求項4に記載の制振装置付き建物によれば、建物の他の部材に連結するよりもダンパーに無駄なく力を入力させることができ、上梁と下梁とが相対変位する振動を効率的に減衰させることが出来るという効果がある。
請求項5に記載の制振装置付き建物によれば、ダンパーを効率的に機能させることが出来るという効果がある。
請求項6に記載の制振装置付き建物によれば、ダンパーを効率的に機能させることが出来るという効果がある。
請求項7に記載の制振装置付き建物によれば、上梁と下梁とが一方向に相対変位した時の減衰特性と他方向に相対変位した時の減衰特性とを同一にできる、という効果がある。
請求項8に記載の制振装置付き建物によれば、上梁と下梁とが一方向に相対変位した時の減衰特性と他方向に相対変位した時の減衰特性とを同一にできる、という効果がある。
請求項9に記載の制振装置付き建物によれば、ダンパーに対して効率的に力を入力させることができる、という効果がある。
請求項10に記載の制振装置付き建物によれば、ダンパーに対してより効率的に力を入力させることができる、という効果がある。
[第1の実施形態]
以下、図1〜図4を用いて、本発明に係る制振装置付き建物の第1の実施形態について説明する。
図1には、本実施形態に係る制振装置付き建物10の全体構成が斜視図にて示されている。この図に示されるように、本実施形態の制振装置付き建物10は、いわゆるユニット式建物であって、各々箱状(直方体形状)に形成されると共に互いに隣接して配置された複数個、本実施形態では4個の建物ユニット12、14、16、18を備えている。各建物ユニット12、14、16、18は、外周部に設けられた布基礎20及び中央部に設けられた独立フーチング基礎22上に図示しないアンカーボルト等を使って据え付けられている。
まず、各建物ユニット12、14、16、18の単体構成について簡単に説明する。なお、4個の建物ユニット12、14、16、18はすべて同一構成とされているので、代表して建物ユニット12の構成について説明する。
図2に示すように、建物ユニット12は、各々矩形枠状に組まれて上下平行に配置される天井フレーム24及び床フレーム26と、これらの天井フレーム24と床フレーム26とを繋ぐ4本の主柱28と、によって構成されている。補足すると、図1ではユニット躯体の要部のみを図示しており、外壁パネルや間仕切り等は図示を省略している。
天井フレーム24は、四隅に配置された短い角柱状の天井側ジョイント柱32と、断面形状がコ字状とされた長さの異なる二種類の天井大梁34、36と、によって構成されている。天井大梁34、36の長手方向の各端部は、天井側ジョイント柱32の側面に溶接により固着されている。なお、天井小梁や下地材、天井板、屋根等の図示は省略している。
同様に、床フレーム26は、四隅に配置された短い角柱状の床側ジョイント柱38と、断面形状がコ字状とされた長さの異なる二種類の床大梁40、42と、によって構成されている。床大梁40、42の長手方向の各端部は、床側ジョイント柱38の側面に溶接により固着されている。なお、床小梁や下地材、床板等の図示は省略している。
また、主柱28は、天井側ジョイント柱32、及び床側ジョイント柱38に溶接、又はボルト等によって接合されている。
(制振装置)
図2(B)に示すように、この建物ユニット12には、天井大梁34と床大梁40との間、及び天井大梁36と床大梁42との間に夫々制振装置14が取り付けられている(図2(B)では、一方の天井大梁34と床大梁40との間、及び一方の天井大梁36と床大梁42との間のみ制振装置14を図示しており、その他の部分では図示を省略している。)。
以下に、代表して天井大梁34と床大梁40との間に配置された制振装置14の説明をする。
図3に示すように、制振装置14は、天井大梁34に取り付けられる上部材16、及び床大梁40に取り付けられる下部材18を備えている。
上部材16は、上梁取付部材44、一対の支柱46、及び2枚の補強用面材48から構成されている。上梁取付部材44は、天井大梁34の長手方向に長尺状とされ、天井大梁34の下面に固定されている。支柱46は、天井大梁34の下面に、天井大梁34に対して90°、即ち下方に向けて配置され、上梁取付部材44の端部及び、天井大梁34の下面に固定されている。さらに、支柱46と上梁取付部材44とは、三角形の補強用面材48にて互いに連結固定されている。支柱46は、鋼製の角パイプ等の曲げ剛性に強い材料で形成することが好ましく、補強用面材48は、構造用合板、鋼板、その他の面内せん断剛性の高い材料で形成することが好ましい。
一方、下部材18は、下梁取付部材50、支柱52、及び2枚の補強用面材54から構成されている。下梁取付部材50は、床大梁40の長手方向に長尺状とされ、床大梁40の上面に固定されている。支柱52は、下梁取付部材50の上面に、床大梁40に対して90°、即ち上方に向けて配置され、下梁取付部材50の上面に固定されている。さらに、支柱52と下梁取付部材50とは、三角形の補強用面材54にて互いに連結固定されている。支柱52は、鋼製の角パイプ等の曲げ剛性に強い材料で形成することが好ましく、補強用面材54は、構造用合板、鋼板、その他の面内せん断剛性の高い材料で形成することが好ましい。
上部材16の支柱46と下部材18の支柱52との間には、複数のオイルダンパー56が梁長手方向に沿って水平に配置されている。なお、複数のオイルダンパー56は、天井大梁34と床大梁40との中央に集中させて配置されている。また、支柱46、及び支柱52は同じ長さに設定されている。
本実施形態のオイルダンパー56は、自動車のサスペンションに用いられている公知の構造のものであり、大量生産によって安価に製造されているものである。また、このオイルダンパー56は、サスペンション用に設計されているため、圧縮時よりも引張時の減衰力が大きい特性を有するものである。
オイルダンパー56は、シリンダ56Aの端部が支持ピン72を介して上部材16の支柱46の側面に固定された支持プレート58に揺動可能に連結され、ピストンロッド56Bの先端部が、支持ピン72を介して下部材18の支柱52の側面に固定された支持プレート59に揺動可能に連結されている。即ち、制振装置14を図3に示すように正面視した時に、下部材18の支柱52を対称軸として、オイルダンパー56が左右対称に配置されている。なお、各オイルダンパー56は、全て同一構造で同一特性のものである。
ここで、天井大梁34が矢印A方向に相対変位した際には、下部材18の支柱52の矢印A方向のオイルダンパー56が大きな減衰力を発生し、矢印B方向側のオイルダンパー56は、相対的に小さな減衰力を発生する。一方、天井大梁34が矢印B方向に相対変位した際には、下部材18の支柱52の矢印B方向のオイルダンパー56が大きな減衰力を発生し、矢印A方向側のオイルダンパー56は、相対的に小さな減衰力を発生する。
(作用)
次に、本実施形態の制振装置付き建物10の作用を説明する。
本実施形態で用いたオイルダンパー56は、図4に示すように圧縮時と伸長時とで減衰力が異なるが、本実施形態の制振装置14では、オイルダンパー56が下部材18の支柱52を対称軸として左右対称に複数配置されているため、天井大梁34が矢印A方向に相対変位した時の減衰特性と、矢印B方向(矢印A方向とは反対方向)に相対変位した時の減衰特性を同じにできる。
本実施形態で用いたオイルダンパー56は自動車のサスペンション用であり、建物専用に設計されたダンパーと異なって1個当たりの減衰力は小さいものであるが、本実施形態のように複数用いることで、制振装置付き建物10の制振を十分に行うことができる。
本実施形態の制振装置14では、オイルダンパー56に対して軸方向に力が入力するので、オイルダンパー56を効率的に機能させることが出来る。
また、複数のオイルダンパー56は、天井大梁34と床大梁40との中央に集中させて配置しており、支柱46、及び支柱52を同じ長さに設定し、さらに支柱46、及び支柱52を補強用面材48、及び補強用面材54で補強しているため、オイルダンパー56に対して効率的に力を入力させることができ、オイルダンパー56による減衰力が効率的に得られる。
さらに、本実施形態のオイルダンパー56は、自動車のサスペンション用に大量生産で安価に製造されたものを流用しており、建物専用に設計された特殊な少量生産品とは異なるため、制振装置14を安価に提供できる。
また、このオイルダンパー56は、引張側の減衰力が大きく、圧縮側の減衰力が相対的に小さい設定となっているため、大きな力が入力したときを考えると、圧縮時ではオイルダンパー自身に作用する軸方向力は伸長時に対して小さく、座屈に対して有利である。仮に、圧縮時の減衰力の方が大きいオイルダンパーを用いた場合には、圧縮時にオイルダンパー自身に作用する軸方向力が伸長時に対して大きくなり、座屈に対して不利になる。したがって、オイルダンパー56として座屈に対する強度の高いものを使用する必要が生じ、コスト増になる場合がある。
[第2の実施形態]
次に、本発明の制振装置付き建物の第2の実施形態を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態では、天井大梁34と床大梁40との間には、両者を連結するように一対の支柱60が配置されている。また、一方の支柱60の中央部分と他方の支柱60の中央部分とを連結するように、中間梁62が取り付けられている。
天井大梁34、中間梁62、一対の支柱60とで形成される上枠64の内側、及び、床大梁40、中間梁62、一対の支柱60とで形成される下枠66の内側には、各々対角線上にオイルダンパー56が配置されている。
上枠64の内側に配置されるオイルダンパー56は、シリンダ56Aが延長部材68を介して天井大梁34の下面に取り付けられた支持プレート70に支持ピン72で連結され、ピストンロッド56Bが延長部材74を介して中間梁62の上面に取り付けられた支持プレート76に支持ピン72で連結されている。
一方、下枠66の内側に配置されるオイルダンパー56は、シリンダ56Aが延長部材68を介して床大梁40の上面に取り付けられた支持プレート80に支持ピン72で連結され、ピストンロッド56Bが延長部材74を介して中間梁62の下面に取り付けられた支持プレート84に支持ピン72で連結されている。
本実施形態においても、オイルダンパー56の配置は、一対の支柱60の中間線CLを対称軸として左右対称に配置されている。
(作用)
次に、本実施形態の制振装置付き建物10の作用を説明する。
本実施形態の制振装置14においても、同じ特性のオイルダンパー56が、一対の支柱60の中間線CLを対称軸として左右対称に配置されているため、天井大梁34が矢印A方向に相対変位した時の減衰特性と、矢印B方向に相対変位した時の減衰特性とを同じにできている。
なお、本実施形態では、天井大梁34が相対変位した際に、上枠64、及び下枠66がひし形に変形し、2つの対角線の内の一方が伸び、他方が縮むことになり、伸び側の対角線上に配置されたオイルダンパー56が大きな減衰力を発生し、制振装置付き建物10の制振を十分に行うことができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の制振装置付き建物の第3の実施形態を説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態では、天井大梁34、一対の支柱60、及び床大梁40とで形成される枠86の内側に、対角線に沿ってオイルダンパー56が配置されている。
各々の対角線に対して一対のオイルダンパー56が設けられている。一対のオイルダンパー56は、2つのシリンダ56Aがシリンダ連結部材88で連結され、2つのピストンロッド56Bがロッド連結部材90で連結されている。
図面左側の一対のオイルダンパー56では、シリンダ連結部材88に短い延長ロッド92が取り付けられており、短い延長ロッド92の先端部分が、天井大梁34に固定された支持プレート70に支持ピン72で連結されている。また、ロッド連結部材90には長い延長ロッド94が取り付けられており、長い延長ロッド94の先端部分が、床大梁40に固定された支持プレート80に支持ピン72を介して連結されている。
一方、図面右側の一対のオイルダンパー56では、シリンダ連結部材88に長い延長ロッド94が取り付けられており、長い延長ロッド94の先端部分が、床大梁40に固定された支持プレート80に支持ピン72で連結されている。また、ロッド連結部材90には短い延長ロッド92が取り付けられており、短い延長ロッド92の先端部分が、天井大梁34に固定された支持プレート70に支持ピン72を介して連結されている。
本実施形態では、オイルダンパー56が偶数個設けられ、天井大梁34と床大梁40とが相対変位した際に、半数のオイルダンパー56(対角線が伸びる方)が伸長され、残りの半数のオイルダンパー56(対角線が縮む方)が圧縮されるので、天井大梁34が矢印A方向に相対変位した時の減衰特性と矢印B方向に相対変位した時の減衰特性とを同一にできる。
[その他の実施形態]
上記第1の実施形態では、シリンダ56Aが上部材16の支柱46に連結され、ピストンロッド56Bが下部材18の支柱52に連結されていたが、偶数個のオイルダンパー56が左右対称に配置されていれば良く、シリンダ56Aを下部材18の支柱52に連結し、ピストンロッド56Bを上部材16の支柱46に連結しても良い。
また、上記第1の実施形態において、上部材16と下部材18とを入れ替えても良い。
また、第2の実施形態、及び第3の実施形態において、全てのオイルダンパー56を逆向きとしても良い。
上記実施形態のオイルダンパー56は、引張側の減衰力が圧縮側の減衰力よりも大きく設定されていたが、座屈の懸念がなければ圧縮時の減衰力が伸長の減衰力よりも大きく設定されていても良い。
上記実施形態では、オイルダンパー56が自動車のサスペンション用のものであったが、圧縮時の減衰力と伸長の減衰力が異なり、安価なものであれば、他の用途のオイルダンパーを用いても良く、ガスダンパー等の他の構造のダンパーを用いても良い。
制振装置付き建物の概略構成を示す斜視図である。 (A)は建物ユニットの分解斜視図であり、(B)は制振装置が取り付けられた建物ユニットの斜視図である。 制振装置の正面図である。 オイルダンパーの特性図である。 第2の実施形態に係る制振装置の正面図である。 第3の実施形態に係る制振装置の正面図である。
符号の説明
10 制振装置付き建物
12 建物ユニット
14 制振装置
16 上部材
18 下部材
34 天井大梁(上梁)
36 天井大梁(上梁)
40 床大梁(下梁)
42 床大梁(下梁)
46 支柱(第1の支柱)
48 補強用面材
52 支柱(第2の支柱)
54 補強用面材
56 オイルダンパー
56A シリンダ
56B ピストンロッド

Claims (10)

  1. 上梁と下梁とを備え、
    上梁と下梁とが相対変位する振動を、圧縮と引張とで減衰力の異なるダンパーで減衰させる、ことを特徴とする制振装置付き建物。
  2. 前記ダンパーは、前記上梁と前記下梁との間に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の制振装置付き建物。
  3. 前記ダンパーのシリンダを上梁、ピストンロッドを下梁に連結した、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制振装置付き建物。
  4. 前記ダンパーのシリンダを下梁に、ピストンロッドを上梁に連結した、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制振装置付き建物。
  5. 前記ダンパーを水平に配置し、前記ダンパーのシリンダを上梁側に連結し、前記ダンパーのピストンロッドを下梁側に連結した、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制振装置付き建物。
  6. 前記ダンパーを水平に配置し、前記ダンパーのシリンダを下梁側に連結し、前記ダンパーのピストンロッドを上梁側に連結した、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制振装置付き建物。
  7. 前記ダンパーは偶数個設けられ、前記上梁と前記下梁とが相対変位した際に、半数の前記ダンパーが伸長され、残りの半数の前記ダンパーが圧縮されるように前記ダンパーが取り付けられている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の制振装置付き建物。
  8. 上梁、及び下梁の何れか一方に連結され、間隔をあけて配置された一対の第1の支柱と、
    上梁、及び下梁の何れか他方に連結され、第1の支柱間に配置された第2の支柱と、
    を備え、
    前記ダンパーは、前記第1の支柱と前記第2の支柱とを連結するように水平に設けられると共に、前記第2の支柱を対称軸として左右対称に複数配置されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制振装置付き建物。
  9. 前記ダンパーは上梁と下梁の中央に配置され、前記第1の支柱の長さと前記第2の支柱の長さが同一に設定されている、ことを特徴とする請求項8に記載の制振装置付き建物。
  10. 前記第1の支柱、及び前記第2の支柱を補強する補強部材が設けられている、ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の制振装置付き建物。
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