JP3935595B2 - ブレースダンパ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はブレースダンパに係り、特に構造物の地震による振動を吸収できるよう構成されたブレースダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
ビルや住宅等の構造物の耐震性を高める手段として、柱や梁等の骨組み間に骨組を塑性変形させようとするエネルギを吸収するため、骨組みの対角位置に装架されるブレースにダンパを取り付けて大地震の振動エネルギを吸収して骨組みを制振させる制振構造の開発が進められている。
【0003】
このような制振構造に用いられる従来のブレースダンパとしては、例えば実開平7−23108号公報に開示された構成のものがある。この公報に記載されたものは、骨組みの対角位置に形成されたブレースにシリンダ,ピス卜ン,逆止弁等からなる油圧ダンパが設けられた構成されている。そして、このように構成されたブレースダンパでは、大地震等の振動エネルギを油圧ダンパのピストンとシリンダとの相対変位に伴う減衰力によって吸収する構造となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように建物のブレース部に油圧ダンパを用いたブレースダンパでは、建物の振動方向に応じて油圧ダンパが圧縮行程又は伸び行程を行って減衰力を発生させ、地震による建物の揺れを制震することができる。しかしながら、ピストンとシリンダとの相対変位に伴ってう減衰力を発生させる油圧ダンパにおいては、ピストンロッドがシリンダ内に挿入される圧縮行程の場合と、ピストンロッドがシリンダ外に引き出される伸び行程の場合とによって、発生する減衰力の大きさが異なるといった問題があった。
【0005】
すなわち、上記のような構成とされた油圧ダンパは、ピストンロッドの有無によって生じる受圧面積の差から圧縮行程より伸び行程の方が減衰力が大きい。そのため、建物の揺れ方向によってダンパが建物に与える減衰力が異なり、建物の振動エネルギを効果的に吸収できない場合があった。
また、上記のような理由により圧縮行程の減衰力が十分得られないので、所要な減衰効果を得るためには、より多くの油圧ダンパを骨組みに取り付ける必要があるが、建物においては油圧ダンパの取付箇所は限定されており、容易に油圧ダンパ本数を増加することは難しかった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題を解決したブレースダンパを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような特徴を有する。
上記請求項1記載の発明は、構造物の骨組みに対角線線上に設けられるブレースダンパであって、
一端が前記構造物の第 1 の角部に連結され、他端が前記構造物の対角方向に形成された第2の角部に向けて延在するように配された第1ブレースと、
一端が前記第2の角部に連結され、他端が前記第1の角部に向けて延在するように配された第2ブレースと、
該第1ブレースの他端に接続された第1フレームと、
前記第2ブレースの他端に接続された第2フレームと、
前記第1フレームとシリンダまたはピストンロッドの一方が連結され、前記第2フレームと前記シリンダまたは前記ピストンロッドの他方が連結された第1油圧ダンパと、
前記第2フレームとシリンダまたはピストンロッドの他方が連結され、前記第1フレームと前記シリンダまたは前記ピストンロッドの一方が連結された第2油圧ダンパと、
からなることを特徴とするものである。
【0008】
従って、請求項1記載の発明によれば、第1油圧ダンパと第2油圧ダンパとが構造物の対角方向に配され、且つ第1油圧ダンパと第2油圧ダンパとが互いに逆行程の動作を行うため、振動方向によって油圧ダンパの減衰力の差が生じないようにできる。そのため、振動方向によって減衰力の差が生じず、建物の振動を効果的に吸収できる。
【0009】
また、上記請求項2記載の発明は、前記第1油圧ダンパと前記第2油圧ダンパとを同軸線上に配置したことを特徴とするものである。
従って、請求項2記載の発明によれば、第1油圧ダンパと第2油圧ダンパとを同軸線上に配置したため、第1油圧ダンパと第2油圧ダンパとを同軸線上に配置することが可能になり、設置スペースが小さくて済み、一般住宅への適用が容易である。さらに振動方向によって油圧ダンパの減衰力の差が生じないようにできる。そのため、複数の油圧ダンパが設けられる場合でも振動方向によって減衰力の差が生じず、建物の振動を効果的に吸収できる。
さらに、上記請求項3記載の発明は、第1油圧ダンパと第2油圧ダンパとを並列に配置したものであるが実質的に直列に連結されており、振動方向によって油圧ダンパの減衰力の差が生じないようにできる。そのため、複数の油圧ダンパが設けられる場合でも振動方向によって減衰力の差が生じず、建物の振動を効果的に吸収できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明になるブレースダンパの一実施例が取り付けられた構造物の概略構成図である。
構造物11は、鉄骨を組み合わせた1階骨組み12の上に鉄骨を組み合わせた2階骨組み13を積み重ねた鉄骨構造であり、1階骨組み12の柱14(141 ,142 )は基礎15(151 〜152 )に固定され、1階骨組み12の梁16は柱14(141 ,142 )の上端間を横架するように締結されている。そして、2階骨組み13の柱17(171 ,172 )は梁16に締結され、2階骨組み3の梁18は柱17(171 ,172 )の上端間を横架するように締結されている。尚、図1において、外壁パネルや内壁パネルや天井板等は省略してある。
【0011】
1階骨組み12の対角線上には、ブレースダンパ装置19が取り付けられている。このブレースダンパ装置19は、1階骨組み12の柱141 と基礎151 とにより形成された第1の角部20と、柱142 と梁16とにより形成された第2の角部21との間に装架されている。
ブレースダンパ装置19は、1階骨組み12の対角方向に傾斜した状態に取り付けられているので、例えばA方向の変位が1階骨組み12に加えられると、ブレースダンパ装置19には引っ張り荷重が作用する。そして、B方向の変位が1階骨組み12に加えられると、ブレースダンパ装置19には圧縮荷重が作用する。
【0012】
このように、構造物11にA,B方向の振動が入力された場合、ブレースダンパ装置19には、圧縮荷重、引っ張り荷重が交互に作用する。そのため、ブレースダンパ装置19は、1階骨組み12の振動を減衰して1階骨組み12の上部に設けられた2階骨組み13に伝搬した振動が増幅することを防止する。
ここで、上記ブレースダンパ装置19の構成について説明する。
【0013】
図2はブレースダンパ装置19が1階骨組み12に取り付けられた状態を拡大して示す正面図である。また、図3はブレースダンパ装置19を分解して示す構成図である。
図2、図3に示されるように、ブレースダンパ装置19は、第1,第2油圧ダンパ25,26を直列に連結してなる。また、ブレースダンパ装置19は、大略、第1,第2油圧ダンパ25,26と、第1の角部20に結合された第1ブレース27と、第2の角部21に結合された第2ブレース28と、第1ブレース27の端部に結合された第1フレーム29と、第2ブレース28の端部に結合された第2フレーム30とから構成されている。
【0014】
第1,第2油圧ダンパ25,26は、夫々同一サイズのものであり、同一方向に動作する場合、略同一の減衰力を発生するように構成されている。
また、第1,第2油圧ダンパ25,26は、夫々シリンダ25a,26a内にピストン(図2,図3中破線で示す)25b,26bが摺動可能に挿入され、ピストン25b,26bと一体に設けられたピストンロッド25c,26cがシリンダ25a,26aの一端から軸方向に突出している。尚、シリンダ25a,26a内には、所定の粘性を有するオイルが充填されており、オイルはピストン25b,26bの移動方向に押圧されてピストン25b,26bにより画成された室間を移動する。
【0015】
さらに、ピストン25b,26bには、圧縮行程時にオイルが通過する第1逆止弁(図示せず)と、伸び行程時にオイルが通過する第2逆止弁(図示せず)とが設けられており、この絞られた逆止弁の流路にオイルが通過すると減衰力が発生する。
そして、上記のようにピストン25b,26bとシリンダ25a,26aとの相対変位に伴って減衰力を発生させる第1,第2油圧ダンパ25,26においては、ピストンロッド25c,26cがシリンダ25a,26a内に挿入される圧縮行程の場合と、ピストンロッド25c,26cがシリンダ25a,26a外に引き出される伸び行程の場合とによって、発生する減衰力の大きさが異なる。すなわち、上記第1,第2油圧ダンパ25,26では、ピストンロッド25c,26cの有無によって生じる受圧面積の差から圧縮行程より伸び行程の方が減衰力が大きい。
【0016】
第1ブレース27は、一端が第1の角部20に結合され、他端に設けられたおねじ27aが第1フレーム29の第1支持部29aに設けられためねじ29a1 に螺合されている。第1フレーム29は、油圧ダンパ25,26を長手方向で跨ぐようにコ字状に形成されており、油圧ダンパ25のシリンダ25aを支持する第1支持部29aと、油圧ダンパ26のピストンロッド26cを支持する第2支持部29bと、第1支持部29aと第2支持部29bとの間に装架された支柱29cとからなる。第1フレーム29の第2支持部29bは、油圧ダンパ26のピストンロッド26cの端部に設けられたおねじ26dが螺合するめねじ29b1 を有する。
【0017】
また、第2ブレース28は、一端が第2の角部21に結合され、他端に設けられたおねじ28aが第2フレーム30の第1支持部30aに設けられためねじ30a1 に結合されている。
第2フレーム30は、上記第1フレーム29と同様に油圧ダンパ26を長手方向で跨ぐようにコ字状に形成されており、上記第1支持部30aと、油圧ダンパ26のシリンダ26aを支持する第2支持部30bと、第1支持部30aと第2支持部30bとの間に装架された支柱30cとからなる。
【0018】
また、第1フレーム29と第2フレーム30とは、互い違いとなるように配置されている。そして、第2フレーム30の第2支持部30bは、上記第1油圧ダンパ25のピストンロッド25cの端部に設けられたおねじ25dが螺合するめねじ30b1 を有すると共に、第2油圧ダンパ26のシリンダ26aが結合される。
【0019】
このように取り付けられた第1,第2油圧ダンパ25,26は、互いに逆方向の動作を行うように設けられている。例えば第1油圧ダンパ25で圧縮行程するとき第2油圧ダンパ26で伸び行程を行う。また、第1油圧ダンパ25で伸び行程するとき第2油圧ダンパ26で圧縮行程を行う。
ここで、上記のように構成されたブレースダンパ装置19の動作について説明する。図4は1階骨組み12にA方向の力が作用した場合の動作を説明するための正面図である。また、図5は1階骨組み12にB方向の力が作用した場合の動作を説明するための正面図である。
【0020】
図4に示されるように、1階骨組み12の梁16がA方向に変位した場合、両側の柱14(141 ,142 )がA方向に傾くため、ブレースダンパ装置19には引っ張り荷重が作用する。この場合、第1ブレース27に結合された第1フレーム29と、第2ブレース28に結合された第2フレーム30とは、軸方向上互いに離間する方向に変位する。これにより、第1フレーム29の第2支持部29bと第2フレーム30の第2支持部30bとの間隔が短くなると共に、第1フレーム29の第1支持部29aと第2フレーム30の第2支持部30bとの間隔が長くなる。
【0021】
そのため、第1フレーム29の第2支持部29bと第2フレーム30の第2支持部30bとの間に配された第2油圧ダンパ26は、圧縮荷重を受けて圧縮行程を行う。これと、同時に第1フレーム29の第1支持部29aと第2フレーム30の第2支持部30bとの間に配された第1油圧ダンパ25は、引っ張り荷重を受けて伸び行程を行う。
【0022】
このように、1階骨組み12の梁16がA方向に変位した場合には、第1油圧ダンパ25の伸び行程により発生した伸び側減衰力Faと、第2油圧ダンパ26の圧縮行程により発生した圧縮側減衰力Fb(Fb<Fa)との合力F(=Fa+Fb)が1階骨組み12に付与される。
図5に示されるように、1階骨組み12の梁16がB方向に変位した場合、両側の柱14(141 ,142 )がB方向に傾くため、ブレースダンパ装置19には圧縮荷重が作用する。この場合、第1ブレース27に結合された第1フレーム29と、第2ブレース28に結合された第2フレーム30とは、軸方向上互いに近接する方向に変位する。これにより、第1フレーム29の第2支持部29bと第2フレーム30の第2支持部30bとの間隔が長くなると共に、第1フレーム29の第1支持部29aと第2フレーム30の第2支持部30bとの間隔が短くなる。
【0023】
そのため、第1フレーム29の第1支持部29aと第2フレーム30の第2支持部30bとの間に配された第1油圧ダンパ25は、圧縮荷重を受けて圧縮行程を行う。これと、同時に第1フレーム29の第2支持部29bと第2フレーム30の第2支持部30bとの間に配された第2油圧ダンパ26は、引っ張り荷重を受けて伸び行程を行う。
【0024】
このように、1階骨組み12の梁16がB方向に変位した場合には、第1油圧ダンパ25の圧縮行程により発生した圧縮側減衰力Fb(Fb<Fa)と、第2油圧ダンパ26の伸び行程により発生した伸び側減衰力Faとの合力F(=Fa+Fb)が1階骨組み12に付与される。
このように、第1,第2油圧ダンパ25,26が直列に配置されたブレースダンパ装置19では、1階骨組み12の梁16がA方向に変位した場合、及び1階骨組み12の梁16がB方向に変位した場合、共に減衰力F(=Fa+Fb)が発生するため、振動方向によらず同じ大きさの減衰力により構造物11の振動をバランス良く制震することができる。
【0025】
従って、振動方向によってブレースダンパ装置19の減衰力の差が生じないようにできるため、構造物11の振動を効果的に吸収できる。また、第1,第2油圧ダンパ25,26が直列に配置されているので、設置スペースが小さくて済み、一般住宅への適用が容易となる。
図6(A)はブレースダンパ装置19の変形例を説明するための正面図である。また、図6(B)は図6(A)中A−A線に沿う縦断面図である。また、図7はブレースダンパ装置19の変形例を分解して示す構成図である。
【0026】
図6(A)(B)及び図7に示されるように、ブレースダンパ装置31は、第1ブレース32、アダプタ33,35,38,41、第1フレーム34A、第2フレーム34B、第1油圧ダンパ36、第2油圧ダンパ37、第1クランプ部材39、第2クランプ部材40、第2ブレース42から構成されている。
尚、本変形例では、第1油圧ダンパ36と第2油圧ダンパ37とが平行に配置されているが、後述するように直列に連結されている。
【0027】
第1ブレース32は、鉄製パイプでできており端部の内周にめねじ32aが設けられている。アダプタ33は、第1ブレース32と第1フレーム34Aを連結するためのものであり、一端は第1フレーム34Aのベース34A1 に溶接されており、他端にはおねじ33aが設けられている。そして、アダプタ33のおねじ33aは、第1ブレース32のめねじ32aに螺入される。
【0028】
アダプタ35は、第1フレーム34Aと第1油圧ダンパ36を連結するためのものであり、一端が第1フレーム34Aのダンパ固定部34A1 に溶接されている。また、アダプタ35の内周には、めねじ35aが設けられ、第1油圧ダンパ36のピストンロッド36cの端部に設けられたおねじ36dに螺合される。そのため、第1油圧ダンパ36のピストンロッド36cは、L字状に形成された第1フレーム34Aのベース34A1 に固定される。
【0029】
第2油圧ダンパ37のピストンロッド37cは、第1油圧ダンパ36と同様に、アダプタ38を介して第2フレーム34Bに連結される。すなわち、第2フレーム34Bは、コ字状に形成されており、アダプタ41を介して第2ブレース42が結合されるベース34B1 と、ベース34B1 より軸方向に延在する支持部34B2 と、支持部34B2 の先端より横方向に延在されてアダプタ38が固着されるダンパ固定部34B3 とからなる。
【0030】
また、第1クランプ部材39は、一端が第1フレーム34Aの支持部34A2 に固定され、他端が第1油圧ダンパ36を跨ぐように延在し、第2油圧ダンパ37のシリンダ37aに結合される。また、第1クランプ部材39の他端には、第2油圧ダンパ37のシリンダ37aの外周をクランプする一対のクランプ部39aが突出しており、この一対のクランプ部39aとシリンダ37aが固着される。
【0031】
このように第1クランプ部材39は、第2油圧ダンパ37と第1フレーム341 を締結している。これと同様に、第2クランプ部材40は、一対のクランプ部40aが第1油圧ダンパ36のシリンダ36aに固着されており、第1油圧ダンパ36と第2フレーム34Bを締結している。
また、第2フレーム34Bには、アダプタ41が溶接してあり、アダプタ41のおねじ部41aと第2ブレース42のめねじ部42aを螺合させることによって第2フレーム34Bと第2ブレース42が連結される。
【0032】
従って、第1油圧ダンパ36は、ピストンロッド36cが第1フレーム34Aのベース34A1 に固定され、シリンダ36aが第2クランプ部材40を介して第2フレーム34Bに連結されており、第2油圧ダンパ37はピストンロッド37cが第2フレーム34Bのベース34B3 に連結され、シリンダ37aが第1クランプ部材39を介して第1フレーム34Aに固定されている。そのため、第1油圧ダンパ36と第2油圧ダンパ37とは、並列に配置されているものの、実質的に直列に連結されている。
【0033】
図1において、構造物11がB方向に揺れたとき、第1ブレース32および第2ブレース32を介して、ブレースダンパ装置31には圧縮力が伝達される。よって、第1油圧ダンパ36は、第2ブラケット40および第1フレーム34Aを介して圧縮行程となり圧縮側減衰力Fbを発生する。また、第2油圧ダンパ37は、第1ブラケット39および第2フレーム34Bを介して伸び力が伝達され、伸び側減衰力Faを発生する。
【0034】
このように、1階骨組み12の梁16がB方向に変位した場合には、第1油圧ダンパ36の圧縮行程により発生した圧縮側減衰力Fb(Fb<Fa)と、第2油圧ダンパ37の伸び行程により発生した伸び側減衰力Faとの合力F(=Fa+Fb)が1階骨組み12に付与される。
次に、構造物11がA方向に揺れたとき、すなわち図6において第1ブレース32および第2ブレース42を介してブレースダンパ装置31に引張り力が伝達される場合、第2油圧ダンパ37には、第1クランプ部材39および第2フレーム34Bを介して圧縮力が伝達され圧縮側減衰力Fbが発生する。また、第1油圧ダンパ36は、第2ブラケット40および第1フレーム34Aを介して引張り行程となるため、伸び側減衰力Faを発生する。
【0035】
このように、1階骨組み12の梁16がA方向に変位した場合には、第2油圧ダンパ37の圧縮行程により発生した圧縮側減衰力Fb(Fb<Fa)と、第1油圧ダンパ36の伸び行程により発生した伸び側減衰力Faとの合力F(=Fa+Fb)が1階骨組み12に付与される。
このように、第1,第2油圧ダンパ36,37が直列に連結されたブレースダンパ装置31では、1階骨組み12の梁16がA方向に変位した場合、及び1階骨組み12の梁16がB方向に変位した場合、共に減衰力F(=Fa+Fb)が発生するため、振動方向によらず同じ大きさの減衰力により構造物11の振動をバランス良く制震することができる。
【0036】
尚、上記説明では、ブレースダンパ装置に2本の油圧ダンパを組み合わせた構成を一例として挙げたが、これに限らず、油圧ダンパの本数は、4本又は6本等の偶数本としても良い。これにより、構造物11の変位方向に関係なく、伸びおよび圧縮行程において同一の減衰力Fを発生させることができる。
また、油圧ダンパの本数が多い場合には、奇数本の油圧ダンパのうちほぼ半数が互いに逆方向の動作を行うように設置することにより上記実施例と同様な効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1記載の発明によれば、第1油圧ダンパと第2油圧ダンパとが構造物の対角方向に配され、且つ第1油圧ダンパと第2油圧ダンパとが互いに逆行程の動作を行うため、振動方向によって油圧ダンパの減衰力の差が生じないようにできる。そのため、振動方向によって減衰力の差が生じず、建物の振動を効果的に吸収できる。
【0038】
また、請求項2記載の発明によれば、第1油圧ダンパと第2油圧ダンパとを同軸線上に配置したため、第1油圧ダンパと第2油圧ダンパとを同軸線上に配置することが可能になり、設置スペースが小さくて済み、一般住宅への適用が容易である。さらに、振動方向によって油圧ダンパの減衰力の差が生じないようにできる。そのため、振動方向によって減衰力の差が生じず、建物の振動を効果的に吸収できる。これにより、より安定した制震効果が得られる。
さらに、上記請求項3記載の発明によれば、第1油圧ダンパと第2油圧ダンパとを並列に配置したものであるが実質的に直列に連結されているため、振動方向によって油圧ダンパの減衰力の差が生じないようにできる。そのため、複数の油圧ダンパが設けられる場合でも振動方向によって減衰力の差が生じず、建物の振動を効果的に吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるブレースダンパの一実施例が取り付けられた構造物の概略構成図である。
【図2】ブレースダンパ装置19が1階骨組み12に取り付けられた状態を拡大して示す正面図である。
【図3】ブレースダンパ装置19の取付状態を示す拡大図である。
【図4】1階骨組み12にA方向の力が作用した場合の動作を説明するための正面図である。
【図5】1階骨組み12にB方向の力が作用した場合の動作を説明するための正面図である。
【図6】ブレースダンパ装置19の変形例を説明するための図である。
【図7】ブレースダンパ装置19の変形例を分解して示す構成図である。
【符号の説明】
11 構造物
12 1階骨組み
13 2階骨組み
14(141 ,142 ),17(171 ,172 ) 柱
15(151 〜152 ) 基礎
16,18 梁
19,31 ブレースダンパ装置
25,36 第1油圧ダンパ
26,37 第2油圧ダンパ
27,32 第1ブレース
28,42 第2ブレース
29,34A 第1フレーム
30,34B 第2フレーム
32 第1ブレース
33,35,38,41 アダプタ
39 第1クランプ部材
40 第2クランプ部材

Claims (3)

  1. 構造物の骨組みに対角線線上に設けられるブレースダンパであって、
    一端が前記構造物の第 1 の角部に連結され、他端が前記構造物の対角方向に形成された第2の角部に向けて延在するように配された第1ブレースと、
    一端が前記第2の角部に連結され、他端が前記第1の角部に向けて延在するように配された第2ブレースと、
    該第1ブレースの他端に接続された第1フレームと、
    前記第2ブレースの他端に接続された第2フレームと、
    前記第1フレームとシリンダまたはピストンロッドの一方が連結され、前記第2フレームと前記シリンダまたは前記ピストンロッドの他方が連結された第1油圧ダンパと、
    前記第2フレームとシリンダまたはピストンロッドの他方が連結され、前記第1フレームと前記シリンダまたは前記ピストンロッドの一方が連結された第2油圧ダンパと、
    からなることを特徴とするブレースダンパ。
  2. 前記第1油圧ダンパと前記第2油圧ダンパとを同軸線上に配置したことを特徴とする請求項1に記載のブレースダンパ。
  3. 前記第1油圧ダンパと前記第2油圧ダンパとを並列に配置したことを特徴とする請求項1に記載のブレースダンパ。
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