JP2004060397A - 制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は筋交いと制振装置の干渉を最小限とすることを課題とする。
【解決手段】制振装置10は、耐力壁11に油圧ダンパ12及びトグル機構30を組み込む構成となっている。油圧ダンパ12のシリンダ12aの端部12dは、入力された変位量を増幅するトグル機構30により支持されている。トグル機構30は、下部材22の上端に固定された下部連結部34と、上部材24の下端に固定された上部連結部36と、下部連結部34に回動可能に連結する第1のリンク38と、上部連結部36に回動可能に連結される第2のリンク40とから構成されている。第1のリンク38及び第2のリンク40に連結された油圧ダンパ12は、シリンダ12aの端部12dが両リンク38,40の回動軌跡に追従するように揺動しながら摺動し、両リンク38,40の回動速度に応じたピストン速度で抵抗力を発生させる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は制振装置に係り、特に構造物の振動エネルギを吸収するダンパが筋交いを有する壁内に取り付けられるよう構成された制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビルや住宅等の構造物の耐震性を高める手段として、骨組の対角位置に装架されて壁の内部に配置される筋交いに油圧ダンパを取り付けてなる制振構造の開発が進められている。この制振構造では、油圧ダンパにより柱や梁等の骨組間に骨組を塑性変形させようとする地震の振動エネルギを吸収し、構造物の骨組の応答を制御し、制振させる構成となっている。
【0003】
このような制振装置としては、例えば特開平2000−282704号公報に開示された構成のものがある。この公報に記載されたものは、上下の梁に連結された上部、下部パネルと、この両パネル間に設けられた油圧ダンパとからなる制振装置が筋交いと干渉しないように制振装置と筋交いとを前後にずらして配置する構成になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように構成された従来の制振装置では、制振装置と筋交いが前後に設けられるため、上部、下部パネルの厚さや筋交いの太さが制限され、設計の自由度が少ないという問題があった。
そこで、本発明は上記課題を解決した制振装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような特徴を有する。
本発明は、構造物の柱、上梁、下梁、筋交いから形成される垂直な壁面状空間に設けられる制振装置であって、筋交いと前記上梁との間に形成された空間に設けられ、上梁の水平方向の変位を伝達する上部材と、筋交いと下梁との間に形成された空間に設けられ、下梁の水平方向の変位を伝達する下部材と、上部材に連結された第1の連結部と下部材に連結された第2の連結部と第1の連結部と第2の連結部に対して所定距離離間した第3の連結部とを有し、第1の連結部と第2の連結部との相対変位に応じて第3の連結部を回動させて変位量を増幅させる増幅機構と、第3の連結部に連結され、第3の連結部の回動動作に伴うピストン速度に応じた抵抗力を発生するダンパと、を備えており、上部材及び下部材が筋交いに干渉することを防止して設計の自由度を高めると共に、地震発生による振動エネルギを効率良く制振することが可能になる。
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明になる制振装置の一実施例を示す正面図である。
図1に示されるように、制振装置10は、例えば木造の一般住宅用建物等の耐力壁11にダンパ装置としての油圧ダンパ12を組み込む構成となっている。耐力壁11は、1階床と2階床との間に起立された柱14と、1階床に支持されるように横架された下梁16(基礎)と、2階床を支持するように横架された上梁18とにより形成された長方形の壁面状空間20と、壁面状空間20の対角方向に延在形成された一対の筋交い26,28とを有する。
【0006】
油圧ダンパ12は、シリンダ12aと、ピストンロッド12bとを有し、シリンダ12a内には、ピストンロッド12bの端部に設けられたピストン12e(図1中、破線で示す)が摺動可能に挿入されている。また、シリンダ12aは、内部に所定の粘度を有する作動油が充填されおり、ピストンには作動油が通過する過程で減衰力(抵抗力)を発生させるための通路が設けられている。そのため、油圧ダンパ12は、シリンダ12aとピストンロッド12bとの相対変位により減衰力(抵抗力)を構造物に付与することができる。
【0007】
本実施例の油圧ダンパ12は、1階床と2階床との間に起立された柱14と、1階床に支持されるように横架された下梁16(基礎)と、2階床を支持するように横架された上梁18とにより形成された長方形の壁面状空間20のうち一対の筋交い26,28により仕切られた三角形状のスペース20aに配置されるように取り付けられている。尚、柱14、下梁16、上梁18は、木材からなる。
【0008】
耐力壁11の壁面状空間20内には、上記油圧ダンパ12の他に下梁16に締結部材21を介して固定される下部材22と、上梁18に締結部材23を介して固定される上部材24とが設けられている。また、油圧ダンパ12のピストンロッド12bと、下部材22と、上部材24との間には、下部材22と上部材24との相対変位を増幅するトグル機構(増幅機構)30とが設けられている。
【0009】
油圧ダンパ12は、ピストンロッド12bの先端12cが柱14の上部側面に設けられた連結部材32により回動可能に支持されている。尚、連結部材32は、柱14の上部側面以外(例えば、上梁18または壁面状空間20を覆うように形成されるパネル等)の固定部に固定されるようにしても良い。
【0010】
また、油圧ダンパ12のシリンダ12aの端部12dは、トグル機構30により支持されている。このトグル機構30は、下部材22の上端に固定された下部連結部34と、上部材24の下端に固定された上部連結部36と、下部連結部34に回動可能に連結する第1のリンク38と、上部連結部36に回動可能に連結される第2のリンク40とから構成されている。
【0011】
第1のリンク38の一端は、下部連結部34の連結ピン34aを支点として回動するように設けられており、第2のリンク40の一端は上部連結部36の連結ピン36aを支点として回動するように設けられている。そして、第1のリンク36及び第2のリンク40の他端は、シリンダ12aの端部12dの連結ピン12fに回動可能に連結されている。
【0012】
第1のリンク38及び第2のリンク40は、全長が同一寸法に形成され、V字状に配置されている。また、第1のリンク38及び第2のリンク40は、後述するように下部材22と上部材24とが水平方向に相対変位すると、回動してシリンダ12aの端部12dを伸縮方向に動作させる。
【0013】
下部材22は、筋交い26,28と下梁16との間に形成された三角形の空間20bに取り付けられている。また、上部材24は、筋交い26,28と上梁18との間に形成された三角形の空間20cに取り付けられている。
【0014】
このように、下部材22及び上部材24は、筋交い26,28と干渉しない位置に配置されており、コンパクトな構成になっている。また、油圧ダンパ12は、第1のリンク38及び第2のリンク40が回動しても筋交い26,28と干渉しない範囲で揺動しながら伸縮動作を行う。すなわち、制振装置10は、上部材24及び下部材22が筋交いに干渉することを防止して設計の自由度を高めると共に、地震発生による振動エネルギを効率良く制振することが可能になる。
【0015】
トグル機構30は、第1のリンク38及び第2のリンク40の全長によって回動角が変化するため、第1のリンク38及び第2のリンク40の全長と第1のリンク38及び第2のリンク40の回動角度とによって増幅率が決まる。
【0016】
次に、上記制振装置10の制振動作について説明する。
図2は構造物が右方向に変位したときの制振動作を示す正面図である。図2に示されるように、耐力壁11の上部が右方向(B方向)の振動(加速度)を受け、変形した場合を考えてみる(実際には、基礎側の下梁16に振動(加速度)が入力され基礎側も移動するが、ここでは、基礎側を基準としたときの上部構造の層間変形を考える)。
【0017】
下部材22に対して上部材24が右方向(B方向)への加速度が加えられたときの変形後の状態を示しており、上部材24の下端に設けられた上部連結部36が油圧ダンパ12のシリンダ12aの端部12dに近接する方向に移動する。これにより、上部連結部36に連結された第2のリンク40が時計方向に回動する。さらに、第2のリンク40の先端に連結された油圧ダンパ12のシリンダ12aの端部12dは、連結ピン12fを介して第2のリンク40の先端と第1のリンク38の先端とが連結されているので、両リンク38,40の回動軌跡に追従するように揺動しながら下方に押し下げられる。
【0018】
よって、油圧ダンパ12では、上部材24が右方向(B方向)に移動するのに伴って引っ張り荷重を受けることになり、ピストン12eがシリンダ12a内を両リンク38,40の回動角度に応じたストロークを上部材24の変位速度(加速度)をトグル機構30により増幅した変位速度(加速度)で摺動する。
【0019】
その結果、油圧ダンパ12は、シリンダ12a内のピストン12eが伸び方向に摺動してシリンダ12aからピストンロッド12bが引き出される。これにより、油圧ダンパ12の全長(端部12c,12d間距離)Lは、変位Xにトグル機構30の増幅率βを掛けた値に伸長する。この伸長した油圧ダンパ12の全長は、La=βX+Lとなり、その変位量βXは水平方向の変位Xよりも増幅されている。
【0020】
ここで、油圧ダンパ12の減衰係数をC、下梁16と上梁18の相対速度(dx/dt)をVとすると、油圧ダンパ12が発生する減衰力はCβVとなる。そして、このとき、トグル機構30は梃子(てこ)であるから上梁16と下梁18間に生じる減衰力は、β倍だけ増幅されてCβVとなる。
【0021】
そのため、油圧ダンパ12は、入力された振動の振幅に対してピストン速度が大きくなり、減衰力(抵抗力)を増幅させた形で発生させることができる。従って、油圧ダンパ12においては、構造物の振幅よりも大きいストロークで減衰力を発生させることができ、例え交通振動のような振幅の小さい振動に対しても振動(加速度)を減衰するように制振動作する。
【0022】
図3は構造物が左方向に変位したときの制振動作を示す正面図である。
図3に示されるように、耐力壁11の上部が左方向(A方向)の振動(加速度)を受け、変形した場合を考えてみる(実際には、基礎側の下梁16に振動(加速度)が入力され基礎側も移動するが、ここでは、基礎側を基準としたときの上部構造の層間変形を考える)。
【0023】
耐力壁11の上部が左方向(A方向)に距離X移動すると、リンク36,40が夫々反時計方向に回動して油圧ダンパ12の一方の端部12dを上方に回動させる。同時に油圧ダンパ12の他方の端部12cは、上梁18と共に左方向(A方向)に移動することになる。
【0024】
その結果、油圧ダンパ12は、シリンダ12aのピストンが縮み方向に摺動してピストンロッド12bがシリンダ12a内へより挿入される。これにより、油圧ダンパ12の全長(端部12c,12d間距離)Lは、トグル機構30の増幅率βを掛けた値に縮み。この圧縮された油圧ダンパ12の全長は、Lb=L−βXとなり、その変位量βXは水平方向の変位Xよりも増幅されている。
【0025】
そのため、油圧ダンパ12は、入力された振動の振幅に対して前述の通り増幅した減衰力(抵抗力CβV)を安定的に発生させることができる。従って、油圧ダンパ12においては、実際の振幅よりも大きいストロークで減衰力を発生させることができ、例え交通振動のような振幅の小さい振動に対しても振動(加速度)を減衰するように制振動作する。
【0026】
ここで、変形例について説明する。
図4は変形例1の構成を示す正面図である。尚、図4において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
図4に示されるように、変形例1の制振装置50では、上記実施例と同様の油圧ダンパ12A,12Bが上部材24の左右両側に筋交い26,28により仕切られた三角形のスペース20d,20aに配置されている。一対の油圧ダンパ12A,12Bは、左右対称に配置され、上記トグル機構30の第1のリンク38及び第2のリンク40を介して下部材22及び上部材24と連結されている。
【0027】
そのため、制振装置50では、水平方向の振動エネルギが入力されて下部材22と上部材24とが水平方向に相対変位した場合には、例えば、一方の油圧ダンパ12Aに引っ張り荷重が作用し、他方の油圧ダンパ12Bに圧縮荷重が作用することになり、上記実施例の場合よりも2倍の振動エネルギを吸収して制振することが可能になる。
【0028】
図5は変形例2の構成を示す正面図である。尚、図5において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
図5に示されるように、変形例2の制振装置60では、上部材24の右側に筋交い26,28により仕切られた三角形のスペース20dに第1の油圧ダンパ12Aが配置され、下部材22の左側に筋交い26,28により仕切られた三角形のスペース20aに第2の油圧ダンパ12Bが配置されている。一対の油圧ダンパ12A,12Bは、点対称に配置され、上記トグル機構30の第1のリンク38及び第2のリンク40を介して下部材22及び上部材24と連結されている。
【0029】
そのため、制振装置60では、水平方向の振動エネルギが入力されて下部材22と上部材24とが水平方向に相対変位した場合には、例えば、一方の油圧ダンパ12Aに引っ張り荷重が作用し、他方の油圧ダンパ12Bにも引っ張り荷重が作用することになり、上記実施例の場合よりも2倍の振動エネルギを吸収して制振することが可能になる。
【0030】
図6は変形例3の構成を示す正面図である。尚、図6において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
図6に示されるように、変形例3の制振装置70では、上記実施例と同様の油圧ダンパ12A,12Bが下部材22及び上部材24の右側に筋交い26,28により仕切られた三角形のスペース20aの上下に配置されている。一対の油圧ダンパ12A,12Bは、上下対称に配置され、上記トグル機構30の第1のリンク38及び第2のリンク40を介して下部材22及び上部材24と連結されている。
【0031】
そのため、制振装置70では、水平方向の振動エネルギが入力されて下部材22と上部材24とが水平方向に相対変位した場合には、例えば、一方の油圧ダンパ12Aに引っ張り荷重が作用し、他方の油圧ダンパ12Bに圧縮荷重が作用することになり、上記実施例の場合よりも2倍の振動エネルギを吸収して制振することが可能になる。
【0032】
図7は変形例4の構成を示す正面図である。尚、図7において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
図7に示されるように、変形例4の制振装置80では、上記実施例と同様の油圧ダンパ12A,12Bが下部材22及び上部材24の右側に筋交い26,28により仕切られた三角形のスペース20aの上下に配置されている。一対の油圧ダンパ12A,12Bは、上下対称に配置され、上記トグル機構30の第1のリンク38A及び第2のリンク40Aを介して下部材22及び上部材24と連結されている。
【0033】
また、制振装置80では、油圧ダンパ12C,12Dが下部材22及び上部材24の左側に筋交い26,28により仕切られた三角形のスペース20dの上下に配置されている。一対の油圧ダンパ12C,12Dは、上下対称に配置され、上記トグル機構30の第1のリンク38B及び第2のリンク40Bを介して下部材22及び上部材24と連結されている。
【0034】
そのため、制振装置70では、水平方向の振動エネルギが入力されて下部材22と上部材24とが水平方向に相対変位した場合には、例えば、対角方向に配置された油圧ダンパ12A,12Dに引っ張り荷重が作用し、逆の対角方向に配置された油圧ダンパ12B,12Cに圧縮荷重が作用することになり、上記実施例の場合よりも4倍の振動エネルギを吸収して制振することが可能になる。
【0035】
図8は変形例5の構成を示す正面図である。図9は図8中A−A線に沿う縦断面図である。尚、図8及び図9において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
図8及び図9に示されるように、変形例5の制振装置90では、油圧ダンパ12が一体構造のトグル機構92を介して下部材22及び上部材24に連結されている。
【0036】
トグル機構92は、三角形に形成されたプレート94,95を下部材22及び上部材24の前後面に対向するように配置して油圧ダンパ12の端部12dと回動可能に連結される。すなわち、プレート94,95の第1の頂部94a,95aは、連結ピン96を介して下部連結部34に回動可能に連結される。また、プレート94,95の第2の頂部94b,95bは、連結ピン97を介して上部連結部36に回動可能に連結される。また、プレート94,95の第3の頂部94c,95cは、連結ピン98を介して油圧ダンパ12の端部12dに回動可能に連結される。
【0037】
このように3点で連結されたプレート94,95は、水平方向の振動が入力されて下部材22と上部材24が相対変位すると、上記トグル機構30の第1のリンク38及び第2のリンク40と同様な動作をして油圧ダンパ12のピストンストローク及びピストン速度を増幅する。
【0038】
また、プレート94,95は、一体構造であるので、リンクよりも容易に製作できると共に組み付け作業が容易となり、作業効率が高められる。
【0039】
図10は変形例6の構成を示す正面図である。尚、図10において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
図10に示されるように、変形例6の制振装置100では、油圧ダンパ12A,12Bが上部材24の左右両側に筋交い26,28により仕切られた三角形のスペース20d,20aに配置されている。一対の油圧ダンパ12A,12Bは、左右対称に配置され、上記トグル機構102を介して下部材22及び上部材24と連結されている。
【0040】
トグル機構102は、菱形に形成されたプレート104,105を下部材22及び上部材24の前後面に対向するように配置して油圧ダンパ12A,12Bの端部12dと回動可能に連結される。すなわち、プレート104,105の第1の頂部104a,105aは、連結ピン106を介して下部連結部34に回動可能に連結される。また、プレート104,105の第2の頂部104b,105bは、連結ピン107を介して上部連結部36に回動可能に連結される。
【0041】
また、プレート104,105の第3の頂部104c,105cは、連結ピン108を介して12Aの端部12dに回動可能に連結される。また、プレート104,105の第4の頂部104d,105dは、連結ピン109を介して12A,12Bの端部12dに回動可能に連結される。
【0042】
このように4点で連結されたプレート104,105は、水平方向の振動が入力されて下部材22と上部材24が相対変位すると、上記トグル機構30の第1のリンク38及び第2のリンク40、及び上記変形例5のプレート94,95と同様な動作をして油圧ダンパ12A,12Bのピストンストローク及びピストン速度を増幅する。
【0043】
また、プレート104,105は、一体構造であるので、リンクよりも容易に製作できると共に組み付け作業が容易となり、作業効率が高められる。
【0044】
図11は変形例7の構成を示す正面図である。尚、図11において、上記実施例と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
図11に示されるように、変形例7の制振装置110では、油圧ダンパ12を上部材24が設けられたスペース20cに配置しており、上記トグル機構30が上部材24の左側に形成されたスペース20dに設けられている。ここで、上部材24とシリンダ12aとの干渉を避けるため、上部材24の中央には穴24aが設けられている。
【0045】
この変形例7の制振装置110では、第1のリンク28が油圧ダンパ12の端部12dに対して略直角に近い角度で連結されるので、水平方向の振動が入力されて下部材22と上部材24が相対変位すると、第1のリンク38の回動角度によりピストンストローク及びピストン速度を増幅することが可能になる。
【0046】
そのため、油圧ダンパ12は、入力された振動の振幅に対して減衰力(抵抗力)を増幅させた形で発生させることができる。従って、油圧ダンパ12においては、構造物の振幅よりも大きいストロークで減衰力を発生させることができ、例え交通振動のような振幅の小さい振動に対しても振動(加速度)を減衰するように制振動作する。
尚、本発明の制振装置を2階以上の階に設ける場合は、下の階の梁が本発明の基礎に該当する。
【0047】
また、上記実施の形態では、筋交いがX字状に構成された場合を一例として挙げたが、これに限らず、その他の形状とされた筋交いが用いられた構成のものにも適用できるのは勿論である。
【0048】
上記各実施の形態は、厚みを必要とする上部材と下部材と筋交いの干渉が避けられ、上部材や下部材の剛性が十分に確保できる。そして、本制振装置にあっては、筋交いをどこかで跨ぐ必要があるが、この跨ぐ部分を比較的幅を薄くしても剛性を確保できるリンクやプレート等を用いた増幅機構としたので、必要な剛性を得た中で、リンクなどの設計を比較的自由に行うことができる。
【発明の効果】
上述の如く、上記本発明によれば、構造物の柱、上梁、下梁、筋交いから形成される垂直な壁面状空間に設けられる制振装置であって、筋交いと前記上梁との間に形成された空間に設けられ、上梁の水平方向の変位を伝達する上部材と、筋交いと下梁との間に形成された空間に設けられ、下梁の水平方向の変位を伝達する下部材と、上部材に連結された第1の連結部と下部材に連結された第2の連結部と第1の連結部と第2の連結部に対して所定距離離間した第3の連結部とを有し、第1の連結部と第2の連結部との相対変位に応じて第3の連結部を回動させて変位量を増幅させる増幅機構と、第3の連結部に連結され、第3の連結部の回動動作に伴うピストン速度に応じた抵抗力を発生するダンパと、を備えており、上部材及び下部材が筋交いに干渉することを防止して設計の自由度を高めると共に、地震発生による振動エネルギを効率良く制振することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる制振装置の一実施例を示す正面図である。
【図2】構造物が右方向に変位したときの制振動作を示す正面図である。
【図3】構造物が左方向に変位したときの制振動作を示す正面図である。
【図4】変形例1の構成を示す正面図である。
【図5】変形例2の構成を示す正面図である。
【図6】変形例3の構成を示す正面図である。
【図7】変形例4の構成を示す正面図である。
【図8】変形例5の構成を示す正面図である。
【図9】図8中A−A線に沿う縦断面図である。
【図10】変形例6の構成を示す正面図である。
【図11】変形例7の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
10,50,60,70,80,90,100,110 制振装置
11 耐力壁
12 油圧ダンパ
12a シリンダ
12b ピストンロッド
14 柱
16 下梁
18 上梁
20 壁面状空間
22 下部材
24 上部材
26,28 筋交い
30,92,102 トグル機構
32 連結部材
34 下部連結部
36 上部連結部
38 第1のリンク
40 第2のリンク
94,95,104,105 プレート
96〜98,106〜109 連結ピン

Claims (1)

  1. 構造物の柱、上梁、下梁、筋交いから形成される垂直な壁面状空間に設けられる制振装置であって、
    前記筋交いと前記上梁との間に形成された空間に設けられ、前記上梁の水平方向の変位を伝達する上部材と、
    前記筋交いと前記下梁との間に形成された空間に設けられ、前記下梁の水平方向の変位を伝達する下部材と、
    前記上部材に連結された第1の連結部と前記下部材に連結された第2の連結部と前記第1の連結部と前記第2の連結部に対して所定距離離間した第3の連結部とを有し、前記第1の連結部と前記第2の連結部との相対変位に応じて前記第3の連結部を回動させて変位量を増幅させる増幅機構と、
    前記第3の連結部に連結され、前記第3の連結部の回動動作に伴うピストン速度に応じた抵抗力を発生するダンパと、
    を備えてなることを特徴とする制振装置。
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