JP2008144362A - 建築物の制振構造及び制振工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 枠体に対するダンパーの取付部分への引張方向の外力が作用しても、当該取付部分に対する負荷を低減し、また、木造建築物の開口部に対しても、有効な制振性能を付与し、建築物全体の制振効果を長期間に亘って維持可能にすること。
【解決手段】 軸組10を構成する枠体11の内側に、所定方向に外力が作用する場合とその反対方向に外力が作用する場合とで異なる大きさの抵抗力を発生するダンパー16が取り付けられる。このダンパー16は、枠体11を構成する縦材20,21及び横材22間に掛け渡され、それらの接合角度が減少する方向に枠体11が変形したときに、所定の振動エネルギーを吸収するための抵抗力が発生する一方、前記接合角度が増大する方向に枠体11が変形したときに、前記抵抗力よりも小さい抵抗力が発生する向きで取り付けられる。このような構造は、開口部Wにも適用可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建築物の制振構造及び制振工法に係り、更に詳しくは、木造建築物の耐震補強効果を高めるのに好適な建築物の制振構造及び制振工法に関する。
従来における木造家屋の制振構造として、特許文献1及び特許文献2には、柱と横架材の間に粘弾性ダンパーを取り付けた構造が開示されている。この構造の粘弾性ダンパーは、柱側に固定される第1部材と、梁等の横架材側に固定される第2部材と、これら第1及び第2部材間に介装された粘弾性材とからなる。これらの制振構造によれば、地震によって柱及び横架材が変形すると、当該柱及び横架材それぞれに固定された第1部材及び第2部材が相対変位し、当該相対変位に伴う粘弾性材の変形により地震エネルギーが吸収されることになる。
特開2000−160683号公報 特開2006−207290号公報
しかしながら、木造建築物に適用される前記制振構造にあっては、地震の発生によって、前記第1及び第2部材を柱及び横架材に取り付けるための取付金具が、柱や横架材から外れ易くなるという不都合がある。つまり、前記取付金具は、木材である柱及び横架材に対してビスや釘等で固定されているため、地震によって外力が引張方向に作用したときには、木材に対する接合強度が、前記外力が圧縮方向に作用する場合に比べて極端に弱くなる。つまり、地震の発生で軸組が変形すると、前記取付金具に引張方向と圧縮方向の外力が繰り返し発生し、このとき、引張方向の外力によって、取付金具を固定するビスや釘が木材から引き抜かれ易くなり、これに伴って、粘弾性ダンパーが柱や横架材から外れて機能しなくなる虞がある。つまり、前記制振構造にあっては、地震の影響により、粘弾性ダンパーの取付部分の耐久性が経時的に低下し、所望の制振効果を長期間に亘って維持できなくなってしまう。
また、一般的な木造家屋の場合は、柱、梁及び土台で構成される枠体に対して筋違や壁を配置することにより、枠体自体の強度を高めているが、枠体内で窓部分等となる開口部には、筋違や壁を配置することができないため、開口部のある枠体は、その他の部分に比べて制振効果が極端に低下する。そこで、開口部の窓の上下に配置されるまぐさ及び窓台に、前記特許文献1及び2の粘弾性ダンパーを設けることも考えられるが、この場合、まぐさ及び窓台は、細材(半割材)で形成されることが多いことから、前述の不都合が一層顕出化し、前記粘弾性ダンパーを開口部に取り付けることは行われていないのが実情である。
本発明は、このような課題に着目して案出されたものであり、その目的は、枠体に対するダンパーの取付部分への引張方向の外力が作用しても、当該取付部分に対する負荷を低減することができ、所望とする制振効果を長期間に亘って維持することができる建築物の制振構造及び制振工法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、木造建築物の開口部に対しても、有効な制振性能を付与することにより、建築物全体の制振効果を向上させることができるとともに、当該制振効果を長期間に亘って維持可能することができる建築物の制振構造及び制振工法を提供することにある。
(1)前記目的を達成するため、本発明は、建築物を構成するほぼ方形状の枠体と、所定方向に外力が作用する場合とその反対方向に外力が作用する場合とで異なる大きさの抵抗力を発生するダンパーとを備えてなる建築物の制振構造において、前記ダンパーは、前記枠体を構成する縦材及び横材間に掛け渡されるように前記枠体に取り付けられるとともに、前記縦材及び前記横材の接合角度が減少する方向に前記枠体が変形したときに、所定の振動エネルギーを吸収するための抵抗力が発生する一方、前記接合角度が増大する方向に前記枠体が変形したときに、前記抵抗力よりも小さい抵抗力が発生する向きで取り付けられる、という構成を採っている。
(2)また、前記ダンパーは、複数箇所に配置され、前記枠体の上側が左右両方向に移動するように変形したときに、少なくとも一箇所で前記振動エネルギーを吸収するための抵抗力が発生するように配置される、という構成を採ることが好ましい。
(3)更に、前記ダンパーは、木造建築物の軸組における仕口部に取り付けられる、という構成を採ることが好ましい。
(4)ここで、前記ダンパーを、前記軸組の開口部に取り付け、柱とまぐさの間及び/又は柱と窓台の間に掛け渡すとよい。
(5)また、本発明は、建築物を構成するほぼ方形状の枠体に、所定方向に外力が作用する場合とその反対方向に外力が作用する場合とで異なる大きさの抵抗力を発生するダンパーを取り付ける建築物の制振工法において、前記枠体を構成する縦材及び横材の接合角度が減少する方向に前記枠体が変形したときに、所定の振動エネルギーを吸収するための抵抗力を発生させる一方で、前記接合角度が増大する方向に前記枠体が変形したときに、前記抵抗力よりも小さい抵抗力が発生させる向きで、前記ダンパーを前記縦材及び横材間に掛け渡す、という手法を採っている。
(6)更に、前記ダンパーを木造建築物の開口部に取り付ける、という手法を採るとよい。
なお、本特許請求の範囲及び明細書において、特に明示しない限り、「縦材」とは、枠体における所定の一方向に延びる枠材を意味し、「横材」とは、前記縦材に交差する方向に延びる枠材を意味する。
前記(1)、(5)によれば、地震や風等の発生によって建築物に振動が付与されたときに、縦材及び横材の接合角度が大きくなって枠体からダンパーが引き抜かれる方向の引張力が作用した際には、ダンパーの抵抗力が小さくなってダンパーが変形し易くなり、枠体に対するダンパーの取付部分に作用する負荷を低減することができ、枠体からの経時的なダンパーの脱落を防止することができる。その一方で、縦材及び横材の接合角度が小さくなって枠体にダンパーが押し付けられる圧縮力が作用した際には、ダンパーの抵抗力が振動エネルギーの吸収に有用となる大きさとなり、建築物に対して有用な制振効果を付与することができる。つまり、ダンパーが外れ難い方向の外力が作用したときに、振動エネルギーを効果的に吸収し、ダンパーが外れ易い方向の外力が作用したときに、振動エネルギーを殆ど吸収しないいわばフリー状態とすることができ、所望とする制振効果を長期間に亘って維持することができる。
前記(2)のように構成することで、枠体が左右何れかの方向に変形したときでも、ダンパーが外れ難い方向の外力が作用するダンパーの作用によって、所望とする制振効果を得ることができ、所望とする制振効果を長期間に亘って維持することができる。
前記(3)、(4)及び(6)によれば、従来、建築物の施工時や施工後に、耐震補強工事が出来なかった開口部に対しても、簡単な施工で耐震性を高めることができ、ほぼゼロであった開口部に対する耐震性能を上げて、木造建築物全体の耐震安全性を大幅に向上させることができ、しかも、当該性能を長期間に亘って維持することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の制振構造が適用された木造住宅の軸組の一部分が示され、図2には、図1の右上部分の拡大斜視図が示されている。これらの図において、前記軸組10は、ほぼ長方形状の枠体11と、この枠体11の内側に、取付具14を介して取り付けられるダンパー16とを備えて構成されている。
前記枠体11は、図1中左右方向に延びる横材としての梁20及び土台21と、同図中上下方向に延びるとともに、梁20及び土台21間に配置された縦材としての柱22とからなる。
前記取付具14は、図2に示されるように、枠体11の内面部分にビスS等で固定される固定板25と、この固定板25に対して起立する起立板26とを備えている。
前記ダンパー16としては、所定の直線方向に伸縮可能なピストン型となっており、その伸長時には、地震等の振動エネルギーを吸収するための抵抗力が殆ど発生しない一方、収縮時には、前記抵抗力が発生する一方向の圧効きオイルダンパーが採用されている。このダンパー16は、その伸縮方向両端側に設けられたブラケット29,29が起立板26にピンPで取り付けられ、当該ピンPを支点として相対回転自在となっている。
このダンパー16は、図3に示されるように、両端が閉塞された円筒状のシリンダ31と、シリンダ31内でその軸線方向(同図中左右方向)に移動可能に配置されるとともに、シリンダ31の図3中左端側を貫通して当該シリンダ31の内外間に延びるロッド34と、このロッド34の同図中右端側に固定されるとともに、シリンダ31の内壁に接触しながらロッド34と連動して図3中左右方向に摺動可能なピストン35と、このピストン35の図3中右端側からロッド34の反対側に突出する突部材36と、突部材36に沿って図3中左右方向に摺動可能な円盤状の逆止弁40と、突部材36からの逆止弁40の脱落を阻止するストッパ部材41と、シリンダ31内に充填されたシリコンオイル42と、ピストン35で隔てられたシリンダ31内の空間のうちロッド34側となるロッド側空間に収容されたスポンジ43とを備えている。
前記ピストン35は、その周方向複数箇所に、図3中左右方向に貫通する大径オリフィス44が形成されているとともに、当該大径オリフィス44の外側となる周方向複数箇所に、大径オリフィス44よりも内径の小さい小径オリフィス46が同図中左右方向に貫通するように形成されている。大径オリフィス44は、逆止弁40が突部材36に沿って摺動することで、同図中一点鎖線に示されるように、ピストン35の図3中右端側に当接した際に、同図中右端側の開放部分が逆止弁40で閉塞されるようになっている。一方、小径オリフィス46は、逆止弁40が図3中一点鎖線の位置にあるときでも、同図中右端側の開放部分が閉塞されないようになっている。
このダンパー16は、ロッド34が伸長する際、逆止弁40が図3中実線で示した位置に移動することになり、これにより、大径オリフィス44が開放し、常時開放している小径オリフィス46とともに、前記ロッド側空間から、その反対側の反ロッド側空間へのシリコンオイル42の流れがスムーズになって、ロッド34の移動に伴って発生する抵抗力が殆ど無い状態になる。一方、ロッド34が収縮する際には、前記反ロッド側空間内のシリコンオイル42が圧縮されながら、逆止弁40が図3中一点鎖線で示した位置に移動することになり、これにより、大径オリフィス44が閉塞し、小径オリフィス46のみが開放した状態となるため、反ロッド側空間からロッド側空間へのシリコンオイルの流れに抵抗力が発生し、ロッド34の移動による抵抗力が増大することになる。
以上の構成のダンパー16は、図1及び図2に示されるように、枠体11の内側コーナー部分となる各仕口部Cのそれぞれに対し、梁20と柱22及び土台21と柱22に掛け渡されるようにして取り付けられる。この際、各ダンパー16は、仕口部Cにおける梁20、土台21と、柱22との接合角度の増減に伴ってロッド34が伸縮可能となるように配置される。また、特に限定されるものではないが、ダンパー16は、梁20、土台21及び柱22に対して、それぞれ、45度程度の傾斜角度でロッド34が上側となる向きで取り付けられる。このように、ロッド34を上向きにすることで、当該ロッド34がシリンダ31に対して貫通する貫通部分が上向きとなり、当該貫通部分からのシリコンオイル42の経時的な漏れを防止することができる。
このようにダンパー16が配置されることにより、例えば、地震が発生し、図4に示されるように、枠体11の上部が同図中右方に傾くように変形したときに、同図中右上及び左下の仕口部C1,C2は、横材20,21と縦材22との接合角度が減少し、当該接合角度の減少に伴って、ダンパー16のロッド34が圧縮されるが、この圧縮に伴って抵抗力が発生するため、ロッド34の圧縮に伴って地震エネルギーがダンパー16に吸収されることになる。このとき、図4中右下及び左上の仕口部C3,C4は、逆に、前記接合角度が増大し、これに伴って、当該仕口部C3,C4に配置されたダンパー16,16のロッド34が伸長されることになる。この際には、ダンパー16の抵抗力が殆ど発生しないため、取付具14に対する引張方向の負荷を掛けずにスムーズにロッド34が伸長することになり、取付具14の経時的な脱落が防止される。また、以上と逆方向、つまり、枠体11の上部が図4中左方に傾くように変形したときには、各仕口部C1〜C4に配置されたダンパー16が、前述と逆に作用し、同図中右下及び左上の仕口部C3,C4に設けられたダンパー16,16で地震エネルギーが吸収される。
従って、このような実施形態によれば、地震の発生により、枠体11に左右方向の振動が付加されても、その方向に拘らず、何れかのダンパー16のロッド34が圧縮することによって、振動エネルギーを吸収できるとともに、ロッド34に引張力が作用しても、僅かな抵抗力が発生するのみでスムーズにロッド34が伸長するため、枠体11に対する取付具14の引張負荷を低減することができ、ダンパー16の取付状態や性能を長期的に維持することができ、木造家屋に長期的な耐震安全性を付与することできる。
また、ダンパー16の取り付けは、木造家屋の施工時のみならず、施工後も比較的簡単に行えることから、施工後に、本ダンパー16を前述の配置で増設することで、耐震補強手段として非常に有用となる。
なお、ダンパー16は、前記実施形態の配置態様に限らず、枠体11の上側が左右両方向に移動するように変形したときに、少なくとも一箇所で、地震や風等に起因する振動エネルギーを吸収可能となるように、縦材20,21及び横材22に掛け渡して取り付ける限りにおいて、その総数、配置方向及び姿勢は特に問わない。例えば、図5の(A)〜(C)に示されるように、一または複数の枠体11間で、左右対称及び/又は上下対称にダンパー16を設置するようにしてもよい。つまり、枠体11の上側が左右の何れか一方向に変形したときには、枠体11内の一部のダンパー16で、当該一方向に対する振動エネルギーを吸収させる一方、枠体11の上側が左右の何れか他方向に変形したときには、枠体11内の残りのダンパー16で、当該他方向に対する振動エネルギーを吸収させるように、ダンパー16を配置することができる。この際、前記一方向で振動エネルギーを吸収するダンパー16と、前記他方向で振動エネルギーを吸収するダンパー16とは、相互に同数となるように対称配置してもよいし、これら各方向で作用するダンパー16の構成数を変えて、数が少ない方向で作用するダンパー16については、振動吸収エネルギーの吸収能力の高いものを使用してもよい。
また、本発明の制振構造は、図6に示されるように、開口部Wとして機能する枠体11にも適用することができる。この場合、開口部Wを構成する構成材(横材)であるまぐさ50や窓台51の太さを、柱22の太さと同程度にし、まぐさ50や窓台51等を羽子板ボルト等の締結具(図示省略)で柱22に固定した上で、当該柱22とまぐさ50や窓台51との接合部分の内側(仕口部C)で、前述と同様にダンパー16を掛け渡すように取り付ければよい。なお、図6では、ダンパー16が、前記図1で説明した実施形態の四箇所に加え、柱22と窓台51の下面側との間に設けられた図が例示されているが、これに限らず、柱22とまぐさ50の上面側との間に形成される仕口部Cに設けることも可能である。要するに、梁20又は土台21と、柱22と、まぐさ50又は窓台51とで囲まれる部分も、軸組10中の枠体11として捉えることで、前述と同様なダンパーの配置態様が種々可能である。
このように、開口部Wにダンパー16を取り付けることで、建物の開口状態を確保した上で、当該開口部Wにおける制振効果を大幅に向上させることができる。具体的に、本発明者らが行った動的加力試験によれば、ダンパー16を図6の配置とした場合、壁倍率が最大約1.8となる壁部の耐震構造に相当する耐震性能が実証された。一方、ダンパー16を設けていない従来の構造の開口部Wの壁倍率は、0.4以下程度であることから、木造家屋の各開口部Wに本発明の制振構造を適用することで、従来の木造家屋に比べ、大幅に向上した耐震補強性能を建物全体に付与することができる。
また、前述した各例では、ダンパー16として、ピストン型の圧効きオイルダンパーを用いているが、本発明はこれに限らず、所定方向に外力が作用する場合とその反対方向に外力が作用する場合とで異なる大きさの抵抗力を発生するダンパーであれば何でもよい。例えば、ピストン35で隔てられたシリンダ31内の各空間を連通する複数の流路(オリフィス)内に、前記ロッド側空間から反ロッド側空間へのシリコンオイル42の流れのみを許容するための逆止弁と、その逆方向へのシリコンオイル42の流れのみを許容するための逆止弁とを設け、これら各方向にシリコンオイル42が流れる際に発生する抵抗力が非対称になるように設定されたダンパーを用いることもできる。
更に、ダンパー16は、枠体11を構成する縦材22及び横材20,21,50,51間に掛け渡されるように枠体11に取り付けられ、前述と同様の作用効果を奏する限りにおいて、枠体11の内側のみならず、枠体11の外側に取り付けることも可能である。
また、本発明は、前述したように、ダンパー16を方杖として設置する態様に限定されず、木造建築物の軸組で枠体となり得る場所の仕口部Cに配置する限り、例えば、火打として配置する等、種々の配置態様が可能であり、また、同一の建築物で、各配置態様を併用することもできる。
更に、本発明は、木造建築物のみならず、鉄骨造等、他の建築物にも適用可能である。
その他、本発明における装置各部の構成は図示構成例に限定されるものではなく、実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、種々の変更が可能である。
本発明に係る制振構造が適用された木造住宅の軸組の一部の枠体を示す概略正面図。 図1の右上部分の拡大斜視図。 ダンパーの概略断面図。 図1の枠体が横方向に変形した状態を示す概略正面図。 (A)〜(C)は、ダンパーの異なる配置態様を示す概略正面図である。 本発明の制振構造を開口部に適用した場合の当該開口部を含む枠体の概略正面図。
符号の説明
10 軸組
11 枠体
16 ダンパー
20 梁(横材)
21 土台(横材)
22 柱(縦材)
50 まぐさ
51 窓台
C 仕口部
W 開口部

Claims (6)

  1. 建築物を構成するほぼ方形状の枠体と、所定方向に外力が作用する場合とその反対方向に外力が作用する場合とで異なる大きさの抵抗力を発生するダンパーとを備えてなる建築物の制振構造において、
    前記ダンパーは、前記枠体を構成する縦材及び横材間に掛け渡されるように前記枠体に取り付けられるとともに、前記縦材及び前記横材の接合角度が減少する方向に前記枠体が変形したときに、所定の振動エネルギーを吸収するための抵抗力が発生する一方、前記接合角度が増大する方向に前記枠体が変形したときに、前記抵抗力よりも小さい抵抗力が発生する向きで取り付けられることを特徴とする建築物の制振構造。
  2. 前記ダンパーは、複数箇所に配置され、前記枠体の上側が左右両方向に移動するように変形したときに、少なくとも一箇所で前記振動エネルギーを吸収するための抵抗力が発生するように配置されることを特徴とする請求項1記載の建築物の制振構造。
  3. 前記ダンパーは、木造建築物の軸組における仕口部に取り付けられることを特徴とする請求項1又は2記載の建築物の制振構造。
  4. 前記ダンパーは、前記軸組の開口部に取り付けられ、柱とまぐさの間及び/又は柱と窓台の間に掛け渡されることを特徴とする請求項3記載の建築物の制振構造。
  5. 建築物を構成するほぼ方形状の枠体に、所定方向に外力が作用する場合とその反対方向に外力が作用する場合とで異なる大きさの抵抗力を発生するダンパーを取り付ける建築物の制振工法において、
    前記枠体を構成する縦材及び横材の接合角度が減少する方向に前記枠体が変形したときに、所定の振動エネルギーを吸収するための抵抗力を発生させる一方で、前記接合角度が増大する方向に前記枠体が変形したときに、前記抵抗力よりも小さい抵抗力が発生させる向きで、前記ダンパーを前記縦材及び横材間に掛け渡すことを特徴とする建築物の制振工法。
  6. 前記ダンパーを木造建築物の開口部に取り付けることを特徴とする請求項5記載の建築物の制振工法。
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