JP4825088B2 - 既存建物の耐震補強構造 - Google Patents

既存建物の耐震補強構造 Download PDF

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本発明は、既存建物の外部に、この既存建物とは独立して構築された補強フレームによって耐震補強を行う既存建物の耐震補強構造に関する。
近年、旧来の建築基準法に則って設計された建物や、老朽化が懸念される建物等の各種の既存建物に対して、その躯体を補強することにより耐震性を向上させる様々な補強手段が実施されている。
このような補強手段の一例として、既存建築物に対して制震装置を組み込んだ制震架構を付加し、あるいは既存建築物に制震装置を介して耐震架構を付加することにより既存建築物を制震補強する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この補強手段を採用することによって、既存建築物に対する補強工事を要さずに、建物を使用状態においたまま既存建築物に制震補強を施すことが可能となっている。
特開平09−235890号公報
ところで、上記特許文献1のような補強用の架構と既存建築物とを連結する際は、例えば、外壁に穿孔した孔の中で拡張部が開くことによって孔壁に機械的に固着するあと施工アンカーが利用される場合がある。そして、このようなあと施工アンカーを用いることで、補強用の架構と既存建築物とが強固に緊結されて一体化され、これによって既存建築物の補強がなされていた。
ところが、このあと施工アンカーを既存建築物の外壁に設ける際は、ドリルを用いて穿孔するだけでなく、あと施工アンカーをハンマーで打ち込んで拡張部を開かなければならないため、補強工事の際は、大きな騒音や振動が発生するという問題があった。
しかしながら、騒音や振動を軽減するためにあと施工アンカーを利用しなかった場合、補強用の架構と既存建築物とを連結できないため、既存建築物の耐震補強を行うことができない場合があった。
そこで、補強用の架構(以下、補強フレーム)と既存建築物(以下、既存建物)とを連結するあと施工アンカーを用いなくても確実に耐震補強を行うことができるような技術の開発が望まれていた。
本発明の課題は、従来とは異なり、あと施工アンカーを用いなくても、前記既存建物の耐震補強を確実に行うことができ、耐震補強工事の際の騒音や振動をより軽減することが可能な既存建物の耐震補強構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図4に示すように、既存建物1の外部に、この既存建物1とは独立した補強フレーム2(12)が構築されており、
この補強フレーム2(12)は、複数の柱3,4(13,14)と、これら複数の柱3,4(13,14)間に架設される梁5(15)と、これら複数の柱3,4(13,14)と梁5(15)とで囲まれた構面内に斜めに架設される斜材6(16)とを備えており、
前記補強フレーム2(12)は、前記斜材6(16)を弾性変形させることによって、前記既存建物1を押圧する方向に変形していることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前記補強フレームは、前記斜材を弾性変形させることによって、前記既存建物を押圧する方向に変形しているので、この補強フレームによって前記既存建物を常に押圧している状態となる。すなわち、前記斜材を弾性変形させることによって、前記既存建物および補強フレーム間には常に押圧力がかかった状態となるので、従来とは異なり、あと施工アンカーを用いずとも前記既存建物と補強フレームとを一体化することができる。
一方、前記既存建物に揺れが発生した際、前記補強フレームは、前記既存建物の揺動による傾きに追従するようにして傾斜するが、前記既存建物も反復して直立状態に戻ろうとするので、前記既存建物および補強フレーム間には押圧力がかかった状態となっており、地震時においても、あと施工アンカーを用いずに前記既存建物と補強フレームとを一体化することができる。
これによって、従来とは異なり、あと施工アンカーを用いなくても、前記既存建物と補強フレームとを一体化することができるので、前記既存建物の耐震補強を確実に行うことができ、さらに、耐震補強工事の際の騒音や振動をより軽減することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1および図2に示すように、請求項1に記載の既存建物1の耐震補強構造において、前記斜材6は、既存建物1側に位置する柱3と上方の梁5との交点から、外部側に位置する柱4と下方の梁5との交点にわたって斜めに架設されており、前記斜材6に引張力を作用させていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記既存建物側の柱と上方の梁との交点から、前記外部側の柱と下方の梁との交点までの長さが長くなるとともに、前記既存建物側の柱と下方の梁との交点から、前記外部側の柱と上方の梁との交点までの長さが短くなるので、前記既存建物側の柱および外部側の柱を前記既存建物側に傾斜させることができる。これによって、前記補強フレームを、前記既存建物を押圧する方向に確実に変形させることができる。
また、前記既存建物側に位置する柱および外部側に位置する柱の傾斜に合わせて前記上方の梁と下方の梁とを平行離間することができるので、前記補強フレームを、前記既存建物を押圧する方向に安定的に変形させることができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図3および図4に示すように、請求項1に記載の既存建物1の耐震補強構造において、前記斜材16は、既存建物1側に位置する柱13と下方の梁15との交点から、外部側に位置する柱14と上方の梁15との交点にわたって斜めに架設されており、前記斜材16に圧縮力を作用させていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記既存建物側の柱と下方の梁との交点から、前記外部側の柱と上方の梁との交点までの長さが短くなるとともに、前記既存建物側の柱と上方の梁との交点から、前記外部側の柱と下方の梁との交点までの長さが長くなるので、前記既存建物側の柱および外部側の柱を前記既存建物側に傾斜させることができる。これによって、前記補強フレームを、前記既存建物を押圧する方向に確実に変形させることができる。
また、前記既存建物側に位置する柱および外部側に位置する柱の傾斜に合わせて前記上方の梁と下方の梁とを平行離間することができるので、前記補強フレームを、前記既存建物を押圧する方向に安定的に変形させることができる。
請求項4に記載の発明は、例えば図5に示すように、請求項1に記載の既存建物1の耐震補強構造において、前記斜材6として、前記複数の柱3,4と梁5とで囲まれた構面内に板ばね6Aが斜めに架設されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記複数の柱と梁とで囲まれた構面内に板ばねが斜めに架設されるので、この板ばねを、例えば撓んだ状態から伸長させたり、伸長した状態から撓ませたりして弾性変形させることによって、前記補強フレームを、前記既存建物を押圧する方向に変形させることが可能となる。これによって、前記既存建物および補強フレーム間には常に押圧力がかかった状態となるので、従来とは異なり、あと施工アンカーを用いずとも前記既存建物と補強フレームとを一体化することができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図1および図3に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の既存建物1の耐震補強構造において、前記既存建物1と補強フレーム2(12)との間には、これら既存建物1および補強フレーム2(12)間の振動を減衰する摩擦材7が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、前記既存建物と補強フレームとの間に前記摩擦材が設けられているので、この摩擦材によって、地震時おいて前記既存建物および補強フレーム間に生じる振動を減衰することができる。これによって、前記既存建物の耐震性の向上を図ることができる。
本発明によれば、従来とは異なり、あと施工アンカーを用いなくても、既存建物と補強フレームとを一体化することができるので、既存建物の耐震補強を確実に行うことができ、さらに、耐震補強工事の際の騒音や振動をより軽減することが可能となる。
また、既存建物と補強フレームとの間に設けられる摩擦材によって、地震時おいて既存建物および補強フレーム間に生じる振動を減衰することができ、既存建物の耐震性の向上を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態における既存建物1の耐震補強構造は、図1および図2に示すように、既存建物1の外部に、この既存建物1とは独立した補強フレーム2が構築されており、この補強フレーム2は、複数の柱3,4と、これら複数の柱3,4間に架設される梁5と、これら複数の柱3,4と梁5とで囲まれた構面内に斜めに架設される斜材6とを備えており、前記補強フレーム2は、前記斜材6を弾性変形させることによって、前記既存建物1を押圧する方向に変形している。
なお、本実施の形態では、前記斜材6に引張力を作用させている。
ここで、本実施の形態の既存建物1は、例えば鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造等の構造からなる低層建物であり、図1に示すように、複数の階層を備えている。
そして、前記既存建物1の外部には、前記補強フレーム2が、既存建物1の両妻面に当接するようにして構築されている。
本実施の形態の補強フレーム2は、立体の塔状架構であり、地中に埋設された基礎(図示せず)上に立設される複数の柱3,4と、これら複数の柱3,4間に架設される複数の梁5と、これら複数の柱3,4と梁5とで囲まれた構面内に斜めに架設される斜材6とを備えている。
前記複数の柱3,4は、所定高さに設定されており、前記既存建物1側に立設される複数の柱3と、外部側に立設される複数の柱4とからなる。
また、前記複数の梁5は、前記既存建物1側に立設される柱3と外部側に立設される柱4との間や、既存建物1側に立設される柱3どうし、外部側に立設される柱4どうしに架設されるとともに、前記柱3,4の上下方向に沿って等間隔に配置されている。
また、前記斜材6は、図1および図2(a)に示すように、既存建物1側に位置する柱3と上方の梁5との交点から、外部側に位置する柱4と下方の梁5との交点にわたって斜めに架設されている。
そして、このような斜材6に引張力を作用させることによって、図2(b)に示すように、前記既存建物1側の柱3と上方の梁5との交点から、前記外部側の柱4と下方の梁5との交点までの長さが長くなるとともに、前記既存建物1側の柱3と下方の梁5との交点から、前記外部側の柱4と上方の梁5との交点までの長さが短くなるようになっている。
これによって、前記既存建物1側の柱3および外部側の柱4を前記既存建物1側に傾斜させることができるので、前記補強フレーム2を、前記既存建物1を押圧する方向に確実に変形させることができる。
また、この時、前記既存建物1側に位置する柱3および外部側に位置する柱4の傾斜に合わせて前記上方の梁5と下方の梁5とを平行離間することができるので、前記補強フレーム2を、前記既存建物1を押圧する方向に安定的に変形させることができるようになっている。
なお、前記既存建物1側の柱3および外部側の柱4を前記既存建物1側に傾斜させやすいように、これら既存建物1側の柱3および外部側の柱4と、前記複数の梁5との交点を所定の範囲内で可動としても良い。なお、所定の範囲とは、例えば想定される既存建物1の揺動幅等が考慮されたものが好ましい。
さらに、以上のような斜材6と平行して、図7に示すように、制振ダンパー8を設けるようにしても良い。
このような制振ダンパー8は、平面視略逆Y字状のブレース8aと、このブレース8aの頭部に固定されるシリンダ8bと、受け部8dを介して前記既存建物1に固定されるロッド8cとを備えた高減衰オイルダンパーであり、前記シリンダ8b内に設けた調圧弁(図示せず)を通過する作動油(図示せず)の流体抵抗によって必要な減衰力を発生させるものである。
このような制振ダンパー8を前記斜材6と平行して設けることによって、前記補強フレーム2に作用する地震等による振動を確実に減衰できる。すなわち、この補強フレーム2と前記既存建物1が一体化されていた場合に、既存建物1に作用する地震等による振動等も確実に減衰できるようになっている。
なお、本実施の形態の制振ダンパー8は高減衰オイルダンパーとしたが、これに限られるものではなく、例えば鋼材が弾性限界以上に変形する際のエネルギー吸収を利用する弾塑性ダンパー等でも良く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
一方、前記既存建物1と補強フレーム2との間には、図1に示すように、これら既存建物1および補強フレーム2間の振動を減衰する摩擦材7が設けられている。なお、この摩擦材7は、例えば前記既存建物1側に位置する柱3と既存建物1との間に設けるようにしても良く、既存建物1の妻面全体に設けるようにしても良い。
そして、このように前記既存建物1と補強フレーム2との間に前記摩擦材7が設けられているので、この摩擦材7によって、地震時おいて前記既存建物1および補強フレーム2間に生じる振動を減衰することができる。これによって、前記既存建物1の耐震性の向上を図ることが可能となっている。
本実施の形態によれば、前記補強フレーム2は、前記斜材6を弾性変形させることによって、前記既存建物1を押圧する方向に変形しているので、この補強フレーム2によって前記既存建物1を常に押圧している状態となる。すなわち、前記斜材6に引張力を作用させることによって、前記既存建物1および補強フレーム2間には常に押圧力がかかった状態となるので、従来とは異なり、あと施工アンカーを用いずとも前記既存建物1と補強フレーム2とを一体化することができる。
一方、前記既存建物1に揺れが発生した際、前記補強フレーム2は、前記既存建物1の揺動による傾きに追従するようにして傾斜するが、前記既存建物1も反復して直立状態に戻ろうとするので、前記既存建物1および補強フレーム2間には押圧力がかかった状態となっており、地震時においても、あと施工アンカーを用いずに前記既存建物1と補強フレーム2とを一体化することができる。
これによって、従来とは異なり、あと施工アンカーを用いなくても、前記既存建物1と補強フレーム2とを一体化することができるので、前記既存建物1の耐震補強を確実に行うことができ、さらに、耐震補強工事の際の騒音や振動をより軽減することが可能となっている。
(第2の実施の形態)
次に、図面を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第1の実施の形態とは異なる構成部分のみについて説明する。
本実施の形態における既存建物1の耐震補強構造は、図3および図4に示すように、既存建物1の外部に、この既存建物1とは独立した補強フレーム12が構築されており、この補強フレーム12は、複数の柱13,14と、これら複数の柱13,14間に架設される梁15と、これら複数の柱13,14と梁15とで囲まれた構面内に斜めに架設される斜材16とを備えており、前記補強フレーム12は、前記斜材16を弾性変形させることによって、前記既存建物1を押圧する方向に変形している。
なお、本実施の形態では、前記斜材6に圧縮力を作用させている。
ここで、本実施の形態の斜材16は、図3および図4(a)に示すように、既存建物1側に位置する柱13と下方の梁15との交点から、外部側に位置する柱14と上方の梁15との交点にわたって斜めに架設されている。
そして、このような斜材16に圧縮力を作用させることによって、図4(b)に示すように、前記既存建物1側の柱13と下方の梁15との交点から、前記外部側の柱14と上方の梁15との交点までの長さが短くなるとともに、前記既存建物1側の柱13と上方の梁15との交点から、前記外部側の柱14と下方の梁15との交点までの長さが長くなるようになっている。
これによって、前記既存建物1側の柱13および外部側の柱14を前記既存建物1側に傾斜させることができるので、前記補強フレーム12を、前記既存建物1を押圧する方向に確実に変形させることができる。
また、この時、前記既存建物1側に位置する柱13および外部側に位置する柱14の傾斜に合わせて前記上方の梁15と下方の梁15とを平行離間することができるので、前記補強フレーム12を、前記既存建物1を押圧する方向に安定的に変形させることができるようになっている。
なお、本実施の形態の斜材16と平行して、上述したような制振ダンパー8を設けるようにしても良い。
本実施の形態によれば、前記補強フレーム12は、前記斜材16を弾性変形させることによって、前記既存建物1を押圧する方向に変形可能となっているので、この補強フレーム12によって前記既存建物1を常に押圧している状態となる。すなわち、前記斜材16に圧縮力を作用させることによって、前記既存建物1および補強フレーム12間には常に押圧力がかかった状態となるので、従来とは異なり、あと施工アンカーを用いずとも前記既存建物1と補強フレーム12とを一体化することができる。
一方、前記既存建物1に揺れが発生した際、前記補強フレーム12は、前記既存建物1の揺動による傾きに追従するようにして傾斜するが、前記既存建物1も反復して直立状態に戻ろうとするので、前記既存建物1および補強フレーム12間には押圧力がかかった状態となっており、地震時においても、あと施工アンカーを用いずに前記既存建物1と補強フレーム12とを一体化することができる。
これによって、従来とは異なり、あと施工アンカーを用いなくても、前記既存建物1と補強フレーム12とを一体化することができるので、前記既存建物1の耐震補強を確実に行うことができ、さらに、耐震補強工事の際の騒音や振動をより軽減することが可能となる。
(第3の実施の形態)
次に、図面を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第1および第2の実施の形態とは異なる構成部分のみについて説明する。
すなわち、本実施の形態の斜材として、図5に示すように、前記複数の柱3,4と梁5とで囲まれた構面内に板ばね6Aが斜めに架設されている。
そして、このように前記複数の柱3,4と梁5とで囲まれた構面内に板ばね6Aが斜めに架設されているので、この板ばね6Aを、例えば撓んだ状態から伸長させたり、伸長した状態から撓ませたりして弾性変形させることによって、前記補強フレーム2を、前記既存建物1を押圧する方向に変形させることが可能となる。これによって、前記既存建物1および補強フレーム2間には常に押圧力がかかった状態となるので、従来とは異なり、あと施工アンカーを用いずとも前記既存建物1と補強フレーム2とを一体化することができるようになっている。
なお、このように板ばね6Aを用いる場合は、この板ばね6Aが撓んだり、伸長したりしやすいように、板ばね6Aの両端部に、例えば回転機構を備えるようにしても良い。
(第4の実施の形態)
次に、図面を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した第1〜第3の実施の形態とは異なる構成部分のみについて説明する。
本実施の形態の斜材として、図6に示すように、前記複数の柱3,4と梁5とで囲まれた構面内に可変ストローク装置6Bが架設されている。この可変ストローク装置6Bとは、前記既存建物1と補強フレーム2との間の押圧力をセンサーで測定しておき、通常時であっても地震時であっても常に押圧力が一定になるように、斜材のストロークを調整するものである。
すなわち、既存建物1側に位置する柱3と上方の梁5との交点に設けられたロッド材6Bbと、外部側に位置する柱4と下方の梁5との交点に設けられたロッド材6Bbとの間に、これらロッド材6Bb,6Bb間のストロークを伸縮させることが可能な駆動部6Baを連繋させて構成されている。
さらに、前記補強フレーム2には、前記既存建物1と補強フレームとの間の押圧力を測定検出するためのセンサー60Bが設けられている。なお、このセンサー60Bの設置位置は、前記既存建物1と補強フレームとの間の押圧力を正確に測定検出することができるのであれば、特に限定されるものではない。
そして、前記駆動部6Baには、図示しない接続手段によって前記センサー60Bと接続された制御装置61Bが設けられている。この制御装置61Bは、前記センサー60Bによって測定検出された押圧力データから、前記ロッド材6Bb,6Bb間のストロークをどれくらい伸縮させるかを算出し、かつ算出データを元に駆動部6Baを駆動させることができるようになっている。
これによって、常に、補強フレーム2の変形による既存建物1と補強フレーム2との間の押圧力データを瞬時に制御装置61Bへと伝達できるとともに、駆動部6Baを駆動させてロッド材6Bb,6Bb間のストロークを所定量だけ伸縮させることができる。
そして、以上のように前記複数の柱3,4と梁5とで囲まれた構面内に前記可変ストローク装置6Bが架設されているので、前記既存建物1および補強フレーム2間には常に押圧力がかかった状態となるので、通常時であっても地震時であっても、前記既存建物1と補強フレーム2と常に一体化することができる。
なお、前記ロッド材6Bb,6Bb間の最大ストローク幅が小さいと、地震等の揺動によって変形した補強フレーム2の変形量に対応できない場合があり、前記既存建物1および補強フレーム2間に常に押圧力をかけた状態とすることができないため、ロッド材6Bb,6Bb間の最大ストローク幅をより大きく確保しておくことが好ましい。
本発明の既存建物の耐震補強構造に係る実施形態を示す正面図である。 (a)は、図1の既存建物の耐震補強構造の要部を示す拡大正面図であり、(b)は、図1の既存建物の耐震補強構造の作動状況を示す拡大正面図である。 本発明の既存建物の耐震補強構造に係る他の実施形態を示す正面図である。 (a)は、図3の既存建物の耐震補強構造の要部を示す拡大正面図であり、(b)は、図3の既存建物の耐震補強構造の作動状況を示す拡大正面図である。 斜材として板ばねを用いたこと示す拡大正面図である。 斜材として可変ストローク式ダンパー装置を用いたことを示す拡大正面図である。 斜材と平行して制振ダンパーを設けたことを示す拡大正面図である。
符号の説明
1 既存建物
2 補強フレーム
3 柱
4 柱
5 梁
6 斜材
12 補強フレーム
13 柱
14 柱
15 梁
16 斜材

Claims (5)

  1. 既存建物の外部に、この既存建物とは独立した補強フレームが構築されており、
    この補強フレームは、複数の柱と、これら複数の柱間に架設される梁と、これら複数の柱と梁とで囲まれた構面内に斜めに架設される斜材とを備えており、
    前記補強フレームは、前記斜材を弾性変形させることによって、前記既存建物を押圧する方向に変形していることを特徴とする既存建物の耐震補強構造。
  2. 前記斜材は、既存建物側に位置する柱と上方の梁との交点から、外部側に位置する柱と下方の梁との交点にわたって斜めに架設されており、前記斜材に引張力を作用させていることを特徴とする請求項1に記載の既存建物の耐震補強構造。
  3. 前記斜材は、既存建物側に位置する柱と下方の梁との交点から、外部側に位置する柱と上方の梁との交点にわたって斜めに架設されており、前記斜材に圧縮力を作用させていることを特徴とする請求項1に記載の既存建物の耐震補強構造。
  4. 前記斜材として、前記複数の柱と梁とで囲まれた構面内に板ばねが斜めに架設されていることを特徴とする請求項1に記載の既存建物の耐震補強構造。
  5. 前記既存建物と補強フレームとの間には、これら既存建物および補強フレーム間の振動を減衰する摩擦材が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の既存建物の耐震補強構造。
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