JP5799630B2 - 免震装置 - Google Patents
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Description
上部構造体と下部構造体との間の上下方向隙間に介装されて前記上部構造体を水平免震状態に支持する免震装置であって、
前記免震装置は、アウトリガー部材と、前記アウトリガー部材を介して上下に積み重ねられた一対の積層ゴムと、を有し、
前記アウトリガー部材は、前記一対の積層ゴム同士に上下から挟まれる部分と、前記挟まれる部分から水平方向の両側に延出する延出部分と、を有し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記積層ゴムは水平方向に剪断変形するとともに、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体及び前記下部構造体に対する水平方向の相対移動を許容された状態で、前記上部構造体及び前記下部構造体の少なくとも一方を当接対象の構造体として当接し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体及び前記下部構造体に対する水平方向の相対移動を許容された状態で前記上部構造体及び前記下部構造体の両方を、当接対象の構造体として当接することを特徴とする。
また、相対変位時にアウトリガー部材の延出部分は、上部構造体及び下部構造体の両者に当接し、これら構造体のうちの一方の構造体のみに延出部分が当接する場合に起こり得るアウトリガー部材の水平回転の問題などを有効に回避可能となる。これについては後述する。
前記上部構造体と前記下部構造体とが水平方向に相対変位をしていない基準状態では、前記一対の積層ゴム同士は、互いの平面中心が一致した状態になっていることを特徴とする。
上記請求項2に示す発明によれば、相対変位をしてしない基準状態では、一対の積層ゴム同士は、互いの平面中心を一致させた状態になっているので、これら積層ゴムには、上部構造体の自重が鉛直荷重としてのみ作用し、つまり、自重に起因して偶力が発生することはない。これにより、この偶力要因で積層ゴムが鉛直面内を回転してしまうことを有効に回避できて、結果、当該基準状態においてアウトリガー部材に無用な負荷が作用することを防ぐことができる。
前記上部構造体と前記下部構造体とが相対変位をしていない基準状態では、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体の自重を支持しておらず、
前記相対変位をした際に、前記延出部分は前記上部構造体の自重の一部を支持することを特徴とする。
上記請求項3に示す発明によれば、基準状態で上部構造体の自重をアウトリガー部材の延出部分は支持しないので、当該延出部分における当接対象の構造体との当接部位の経年劣化を抑えることができる。例えば、当接部位が転がり支承の転動体の場合に、転動体が回転停止状態のままその特定箇所が転動板に所定圧力で当接し続けると、当該特定箇所が局所的に損傷する(例えば剥がれる)虞があるが、ここで、転動体の回転が停止し得る状態というのは、基本的には上述の基準状態である。よって、上述の如く基準状態において上部構造体の自重を支持しないようにしておけば、上述の損傷を有効に防ぐことができる。
例えば、仮に基準状態においてアウトリガー部材の延出部分が、上部構造体の自重の一部を支持している場合には、同延出部分における当接対象の構造体との当接部位には、当該当接に起因して水平方向の相対変位を規制する制止力(例えば摩擦力)が生じるが、上述の構成では、基準状態においては自重を支持していないので、同基準状態ではかかる制止力は発生しない。よって、免震装置は、基準状態から円滑に免震動作に移行することができる。
一方で、免震動作の開始後たる相対変位時には、延出部分は上部構造体の自重の一部を支持するようになっている。よって、延出部分は当接対象の構造体と当接してそこから鉛直方向の反力を取ることにより、相対変位時に生じ得る積層ゴムの鉛直面内の回転に対抗すべく曲げ戻し力を発生させることができる。よって、免震動作の開始後の積層ゴムの座屈を有効に防ぐことができる。
前記免震装置は、アウトリガー部材と、前記アウトリガー部材を介して上下に積み重ねられた一対の積層ゴムと、を有し、
前記アウトリガー部材は、前記一対の積層ゴム同士に上下から挟まれる部分と、前記挟まれる部分から水平方向の両側に延出する延出部分と、を有し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記積層ゴムは水平方向に剪断変形するとともに、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体及び前記下部構造体に対する水平方向の相対移動を許容された状態で、前記上部構造体及び前記下部構造体の少なくとも一方を当接対象の構造体として当接し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記下部構造体を当接対象の構造体として当接し、
前記アウトリガー部材の上の積層ゴムの上に、更に積み重ねられた別のアウトリガー部材と、該別のアウトリガー部材の上に更に積み重ねられた別の積層ゴムと、からなる追設部分を上方に一段以上有し、
前記相対変位をした際に、前記追設部分のアウトリガー部材の延出部分は、その下方に位置するアウトリガー部材に対する水平方向の相対移動を許容された状態で前記アウトリガー部材に当接することを特徴とする。
上記請求項4に示す発明によれば、追設部分は別の積層ゴムを有しており、この別の積層ゴムは、別のアウトリガー部材を介して前述の一対の積層ゴムの上方に積み重ねられている。つまり、鉛直方向に直列に配置されている。よって、追設部分の別の積層ゴムに基づいて免震周期の更なる拡大や、免震装置の水平変形の許容範囲の更なる拡大を図れ、その結果、長周期地震動や長周期パルス地震動に確実に対応可能となる。
また、追設部分は、別のアウトリガー部材を有しており、この別のアウトリガー部材の延出部分は、その下方に位置するアウトリガー部材に対する水平方向の相対移動を許容された状態で当該アウトリガー部材に当接する。よって、この当接部位から鉛直方向の反力を取ることにより、上記別のアウトリガー部材は曲げ戻し力を発生し得て、これにより、追設部分の別の積層ゴムやその下方の積層ゴムの鉛直面内の回転変形を抑制できて、その結果、積層ゴムの座屈を防止可能となる。
前記免震装置は、アウトリガー部材と、前記アウトリガー部材を介して上下に積み重ねられた一対の積層ゴムと、を有し、
前記アウトリガー部材は、前記一対の積層ゴム同士に上下から挟まれる部分と、前記挟まれる部分から水平方向の両側に延出する延出部分と、を有し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記積層ゴムは水平方向に剪断変形するとともに、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体及び前記下部構造体に対する水平方向の相対移動を許容された状態で、前記上部構造体及び前記下部構造体の少なくとも一方を当接対象の構造体として当接し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体を当接対象の構造体として当接し、
前記アウトリガー部材の下の積層ゴムの下に、更に積み重ねられた別のアウトリガー部材と、当該別のアウトリガー部材の下に更に積み重ねられた別の積層ゴムと、からなる追設部分を下方に一段以上有し、
前記相対変位をした際に、前記追設部分のアウトリガー部材の延出部分は、その上方に位置するアウトリガー部材に対する水平方向の相対移動を許容された状態で前記アウトリガー部材に当接することを特徴とする。
上記請求項5に示す発明によれば、追設部分は別の積層ゴムを有しており、この別の積層ゴムは、別のアウトリガー部材を介して前述の一対の積層ゴムの下方に積み重ねられている。つまり、鉛直方向に直列に配置されている。よって、追設部分の別の積層ゴムに基づいて免震周期の更なる拡大や、免震装置の水平変形の許容範囲の更なる拡大を図れ、その結果、長周期地震動や長周期パルス地震動に確実に対応可能となる。
また、追設部分は、別のアウトリガー部材を有しており、この別のアウトリガー部材の延出部分は、その上方に位置するアウトリガー部材に対する水平方向の相対移動を許容された状態で当該アウトリガー部材に当接する。よって、この当接部位から鉛直方向の反力を取ることにより、上記別のアウトリガー部材は曲げ戻し力を発生し得て、これにより、追設部分の別の積層ゴムやその上方の積層ゴムの鉛直面内の回転変形を抑制できて、その結果、積層ゴムの座屈を防止可能となる。
前記免震装置は、アウトリガー部材と、前記アウトリガー部材を介して上下に積み重ねられた一対の積層ゴムと、を有し、
前記アウトリガー部材は、前記一対の積層ゴム同士に上下から挟まれる部分と、前記挟まれる部分から水平方向の両側に延出する延出部分と、を有し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記積層ゴムは水平方向に剪断変形するとともに、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体及び前記下部構造体に対する水平方向の相対移動を許容された状態で、前記上部構造体及び前記下部構造体の少なくとも一方を当接対象の構造体として当接し、
前記延出部分は、前記一対の積層ゴムのうちで前記延出部分の水平方向の内方に位置する積層ゴムを、該積層ゴムの周方向の全周に亘って側方から囲むように設けられており、
前記延出部分は、前記周方向の全周に亘って前記当接対象の構造体に当接可能になっていることを特徴とする。
上記請求項6に示す発明によれば、上部構造体と下部構造体とが水平方向において任意の方向に相対変位しても、アウトリガー部材の延出部分は、当接対象の構造体から反力を取って上述の曲げ戻し力を発生可能であり、よって、水平方向における任意方向の相対変位に対しても、積層ゴムの座屈を防止可能となる。
前記免震装置は、アウトリガー部材と、前記アウトリガー部材を介して上下に積み重ねられた一対の積層ゴムと、を有し、
前記アウトリガー部材は、前記一対の積層ゴム同士に上下から挟まれる部分と、前記挟まれる部分から水平方向の両側に延出する延出部分と、を有し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記積層ゴムは水平方向に剪断変形するとともに、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体及び前記下部構造体に対する水平方向の相対移動を許容された状態で、前記上部構造体及び前記下部構造体の少なくとも一方を当接対象の構造体として当接し、
前記アウトリガー部材は、平面視十文字形状の十文字部材を本体とし、
前記十文字部材における交差部分が、前記一対の積層ゴム同士に上下から挟まれる部分であり、
前記十文字部材は、前記延出部分として複数の脚部を有し、
前記複数の脚部が、前記当接対象の構造体に当接可能になっていることを特徴とする。
上記請求項7に示す発明によれば、アウトリガー部材は十文字部材であるので、アウトリガー部材の内方に位置する積層ゴムは、アウトリガー部材に完全には覆われずに済み、つまり、適度に外方に露出した状態となっている。よって、積層ゴムの保守点検を行い易くなる。また積層ゴムの異常の発見時には、アウトリガー部材の脚部同士の間の空間を通すことにより、積層ゴムをアウトリガー部材の外に容易に取り出すことができて、これにより、アウトリガー部材を上部構造体や下部構造体から外さずに積層ゴムのみを交換可能となり、メンテナンス性に優れたものとなる。
前記延出部分と前記当接対象の構造体とは、転がり支承状態で当接していることを特徴とする。
上記請求項8に示す発明によれば、アウトリガー部材の延出部分と当接対象の構造体とは、転がり支承状態で当接している。よって、アウトリガー部材は積層ゴムの座屈を抑制する曲げ戻し力の反力を、当接対象の構造体から有効に取りながらも、当該当接対象の構造体に対して水平方向に円滑に相対移動することができて、つまり、延出部分と当接対象の構造体との当接に起因して、上部構造体の免震状態が大きく損なわれることはない。よって、当該免震装置は、上部構造体を速やかに水平免震することができる。
前記延出部分と前記当接対象の構造体とは、滑り支承状態で当接していることを特徴とする。
上記請求項9に示す発明によれば、アウトリガー部材の延出部分と当接対象の構造体とは、滑り支承状態で当接している。よって、この当接に基づいて、アウトリガー部材は積層ゴムの座屈を抑制する曲げ戻し力の反力を有効に取りながらも、当接対象の構造体に対して水平方向に相対移動する際に水平方向の摩擦力を生じさせることができて、この摩擦力を上部構造体の水平振動の減衰力として用いることができる。つまり、この免震装置は、摩擦ダンパーとしても機能し得て、これにより、別途設置予定のダンパー数を削減可能となる。
図4は、第1実施形態の免震装置10が適用された建物1の概略側面図である。
免震装置10は、上部構造体としての建物1と、下部構造体として地面GNDに設けられた基礎2との間の上下方向隙間Gに介装されており、これにより、建物1と基礎2との水平方向の相対変位δを許容しつつ建物1の自重を支持するようになっている。そして、この例では、複数の免震装置10,10…が並列に、且つ建物1の各柱1c,1c…の直下に配置されている。
図8A及び図8Bは、第2実施形態の免震装置10bの概略側面図であり、図8Cは、図8B中のC−C矢視図である。
前述の第1実施形態との主な相違点は、図8Bに示すように、アウトリガー部材20’’’が、曲げ戻し力の反力を、建物1と基礎2との両者から取得可能に構成されている点にある。そして、これにより、上記反力を建物1又は基礎2の一方のみから取る場合に起こり得るアウトリガー部材20の水平回転の問題、ひいては積層ゴム30の捻れ破損の問題を回避している。
図10A及び図10Bは、第3実施形態の免震装置10cの概略側面図である。第1実施形態との相違点は、積層ゴム30を積み重ねる段数にある。すなわち、第1実施形態では、二つの積層ゴム30,30を鉛直方向に直列に積み重ねてなる二段構成であったが、この第2実施形態では、更に積層ゴム30Pを鉛直方向に直列に積み重ねることによって三段構成になっている。そして、これにより、第1実施形態よりも直列配置の積層ゴム30の数が多いことから、その免震周期が更に長周期化され、また免震装置10cの水平変形の許容範囲も更に拡大されている。ちなみに、積層ゴム30Pを追設したことに対応して、アウトリガー部材20Pも一つ増設されている。
図10Aに示すように、この免震装置10cは、第1実施形態の免震装置10の上に、別のアウトリガー部材20Pと別の積層ゴム30Pとを一つずつ積み重ねたものである。すなわち、第1実施形態の免震装置10への追設部分15として、第1実施形態の上部積層ゴム30の上に更に積み重ねられた別のアウトリガー部材20Pと、この別のアウトリガー部材20Pの上に更に積み重ねられた別の積層ゴム30Pと、を有している。
以下では、この別のアウトリガー部材20Pのことを「二段目のアウトリガー部材20P」と言い、別の積層ゴム30Pのことを「三段目の積層ゴム30P」と言う。また、第1実施形態の上部積層ゴム30のことを「二段目の積層ゴム30」と言い、下部積層ゴム30のことを「一段目の積層ゴム30」と言い、更に、同アウトリガー部材20のことを「一段目のアウトリガー部材20」と言う。
図12A及び図12Bは、第4実施形態の免震装置10eの概略側面図である。前述の第3実施形態では、第1実施形態の免震装置10に対して、積層ゴム30Pとアウトリガー部材20Pとからなる追設部分15を追設していたが、図12Aに示すように、この第4実施形態では、第1実施形態の変形例の免震装置10aに対して、類似構成の追設部分15’’を設けている点で相違する。すなわち、この第4実施形態では、第1実施形態の変形例の下部積層ゴム30の下に追設部分15’’を積み重ねて設けており、そして、この追設部分15’’として、下部積層ゴム30の下に積み重ねられた別のアウトリガー部材20P’’と、この別のアウトリガー部材20P’’の下に更に積み重ねられた別の積層ゴム30Pと、を有している。
図14A及び図14Bは、第5実施形態の免震装置10gの概略側面図である。前述の第1実施形態では、アウトリガー部材20の円筒部24は、建物1に対して転がり支承状態で当接していたが、この第2実施形態では、滑り支承状態で当接する点で相違する。そして、この滑り支承状態の摩擦力Ffによって、この免震装置10gには、建物1の水平免震機能に加えて、更に建物1の水平振動を減衰する機能が付与されている。なお、これ以外の点は、概ね第1実施形態と同じ構成であるので、以下の説明では、同じ構成については同じ符号を付してその説明については省略する。
先ず、相対変位δが零の基準状態では上記の隙間Sに基づいて摩擦板52と滑り板とは接触しないので、摩擦力Ffは生じない。そして、例えば、図15Cに示すように建物1が右側に相対変位して当該相対変位δが徐々に大きくなると、それに連れて積層ゴム30,30が鉛直面内を時計回りに回転していくが、そうすると、これら積層ゴム30,30に押される形でアウトリガー部材20も鉛直面内を時計回りに回転し、これにより、アウトリガー部材20の円筒部24の右側壁部24Rにて摩擦板52と滑り板との隙間Sが狭くなっていき、逆に左側壁部24Lでは摩擦板52と滑り板との隙間Sが広くなっていく。そして、相対変位δがδ1になった時に、右側壁部24Rにて摩擦板52と滑り板との間の隙間Sが無くなってこれらが当接を開始し、これにより摩擦板52と滑り板との間には摩擦力Ffが発生する。そして、更に相対変位δが大きくなると、右側壁部24Rの反力が増大するため摩擦力Ffも増大し、このようにして、上述のような摩擦力Ffの変化パターンが実現される。
ちなみに、建物1が上述とは逆側の左側に相対変位した際には、上述の逆動作となるだけなので、その説明については省略する。
よって、この基準状態においても基礎2から反力が取られており、これにより、滑り支承50の摩擦板52と滑り板との間には摩擦力Ffが発生する。そして、この基準状態から建物1が図16Cに示すように右側にδだけ相対変位すると、積層ゴム30,30の鉛直面内の時計回りの回転に伴ってアウトリガー部材20も時計回りに回転するが、これにより、アウトリガー部材20の円筒部24のうちで右側壁部24Rのところのばね部材60は更に圧縮される。よって、基礎2から取る反力も増大して、摩擦力Ffも増大し、このようにして、上述のような摩擦力Ffの変化パターンが実現される。
更には、第1実施形態やその変形例、及び第2実施形態のところでは、十文字部材20a’を本体とするアウトリガー部材20の免震装置(図6A、図6B)についても転がり支承40を備える形態として説明していたが、これらの免震装置についても、転がり支承40の構成を、上述の滑り支承50に置換しても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
2 基礎(下部構造体)、2a 上面、
10 免震装置、10a 免震装置、10b 免震装置、10c 免震装置、
10d 免震装置、10e 免震装置、10f 免震装置、10g 免震装置、
10h 免震装置、10i 免震装置、
10a’ 免震装置、10b’ 免震装置、10c’ 免震装置、
10d’ 免震装置、10e’ 免震装置、10f’ 免震装置、
15 ペア部材(追設部分)、15’ ’ ペア部材(追設部分)、
20 アウトリガー部材、20a 有蓋円筒体、
22 蓋部(挟み込まれる部分、延出部分)、22a 上面、22b 下面、
22c 蓋部のうちの平面中心側の部分(挟み込まれる部分)、
22d 蓋部のうちの周縁側の部分(延出部分)、
24 円筒部(延出部分)、
24R 右側壁部、24L 左側壁部、
20a’ 十文字部材(アウトリガー部材)、21a’ 門型部材、
20’’ アウトリガー部材、20a’’ 有底円筒体、
22’’ 底部(挟み込まれる部分、延出部分)、
22c’’ 蓋部のうちの平面中心側の部分(挟み込まれる部分)、
22d’’ 蓋部のうちの周縁側の部分(延出部分)、
24’’ 円筒部(延出部分)、
20’’’ アウトリガー部材、
22’’’ 仕切り部(挟み込まれる部分、延出部分)、
22c’’’ 仕切り部のうちの平面中心側の部分(挟み込まれる部分)、
22d’’’ 仕切り部のうちの周縁側の部分(延出部分)、
24’’’ 円筒部(延出部分)、
24R’’’ 右側壁部、24L’’’ 左側壁部、
20P 別のアウトリガー部材、22P 蓋部(挟み込まれる部分、延出部分)、
22Pa 上面、22Pb 下面、24P 円筒部(延出部分)、25 鍔部、
20P’’ アウトリガー部材、22P’’ 蓋部(挟み込まれる部分、延出部分)、
22Pa’’ 上面、22Pb’’ 下面、24P’’ 円筒部(延出部分)、
25’’ 鍔部、
30 積層ゴム、30P 別の積層ゴム、31 略円柱体、
32 上フランジ板、32P 上フランジ板、
33 下フランジ板、33P 下フランジ板、
40 転がり支承、42 転動体、
50 滑り支承、52 摩擦板、
60 ばね部材、
G 上下方向隙間、S 隙間、J30 連結部
CP21a’ 交差部分、GND 地面、
Claims (9)
- 上部構造体と下部構造体との間の上下方向隙間に介装されて前記上部構造体を水平免震状態に支持する免震装置であって、
前記免震装置は、アウトリガー部材と、前記アウトリガー部材を介して上下に積み重ねられた一対の積層ゴムと、を有し、
前記アウトリガー部材は、前記一対の積層ゴム同士に上下から挟まれる部分と、前記挟まれる部分から水平方向の両側に延出する延出部分と、を有し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記積層ゴムは水平方向に剪断変形するとともに、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体及び前記下部構造体に対する水平方向の相対移動を許容された状態で、前記上部構造体及び前記下部構造体の少なくとも一方を当接対象の構造体として当接し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体及び前記下部構造体に対する水平方向の相対移動を許容された状態で前記上部構造体及び前記下部構造体の両方を、当接対象の構造体として当接することを特徴とする免震装置。 - 請求項1に記載の免震装置であって、
前記上部構造体と前記下部構造体とが水平方向に相対変位をしていない基準状態では、前記一対の積層ゴム同士は、互いの平面中心が一致した状態になっていることを特徴とする免震装置。 - 請求項1又は2に記載の免震装置であって、
前記上部構造体と前記下部構造体とが相対変位をしていない基準状態では、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体の自重を支持しておらず、
前記相対変位をした際に、前記延出部分は前記上部構造体の自重の一部を支持することを特徴とする免震装置。 - 上部構造体と下部構造体との間の上下方向隙間に介装されて前記上部構造体を水平免震状態に支持する免震装置であって、
前記免震装置は、アウトリガー部材と、前記アウトリガー部材を介して上下に積み重ねられた一対の積層ゴムと、を有し、
前記アウトリガー部材は、前記一対の積層ゴム同士に上下から挟まれる部分と、前記挟まれる部分から水平方向の両側に延出する延出部分と、を有し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記積層ゴムは水平方向に剪断変形するとともに、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体及び前記下部構造体に対する水平方向の相対移動を許容された状態で、前記上部構造体及び前記下部構造体の少なくとも一方を当接対象の構造体として当接し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記下部構造体を当接対象の構造体として当接し、
前記アウトリガー部材の上の積層ゴムの上に、更に積み重ねられた別のアウトリガー部材と、該別のアウトリガー部材の上に更に積み重ねられた別の積層ゴムと、からなる追設部分を上方に一段以上有し、
前記相対変位をした際に、前記追設部分のアウトリガー部材の延出部分は、その下方に位置するアウトリガー部材に対する水平方向の相対移動を許容された状態で前記アウトリガー部材に当接することを特徴とする免震装置。 - 上部構造体と下部構造体との間の上下方向隙間に介装されて前記上部構造体を水平免震状態に支持する免震装置であって、
前記免震装置は、アウトリガー部材と、前記アウトリガー部材を介して上下に積み重ねられた一対の積層ゴムと、を有し、
前記アウトリガー部材は、前記一対の積層ゴム同士に上下から挟まれる部分と、前記挟まれる部分から水平方向の両側に延出する延出部分と、を有し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記積層ゴムは水平方向に剪断変形するとともに、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体及び前記下部構造体に対する水平方向の相対移動を許容された状態で、前記上部構造体及び前記下部構造体の少なくとも一方を当接対象の構造体として当接し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体を当接対象の構造体として当接し、
前記アウトリガー部材の下の積層ゴムの下に、更に積み重ねられた別のアウトリガー部材と、当該別のアウトリガー部材の下に更に積み重ねられた別の積層ゴムと、からなる追設部分を下方に一段以上有し、
前記相対変位をした際に、前記追設部分のアウトリガー部材の延出部分は、その上方に位置するアウトリガー部材に対する水平方向の相対移動を許容された状態で前記アウトリガー部材に当接することを特徴とする免震装置。 - 上部構造体と下部構造体との間の上下方向隙間に介装されて前記上部構造体を水平免震状態に支持する免震装置であって、
前記免震装置は、アウトリガー部材と、前記アウトリガー部材を介して上下に積み重ねられた一対の積層ゴムと、を有し、
前記アウトリガー部材は、前記一対の積層ゴム同士に上下から挟まれる部分と、前記挟まれる部分から水平方向の両側に延出する延出部分と、を有し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記積層ゴムは水平方向に剪断変形するとともに、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体及び前記下部構造体に対する水平方向の相対移動を許容された状態で、前記上部構造体及び前記下部構造体の少なくとも一方を当接対象の構造体として当接し、
前記延出部分は、前記一対の積層ゴムのうちで前記延出部分の水平方向の内方に位置する積層ゴムを、該積層ゴムの周方向の全周に亘って側方から囲むように設けられており、
前記延出部分は、前記周方向の全周に亘って前記当接対象の構造体に当接可能になっていることを特徴とする免震装置。 - 上部構造体と下部構造体との間の上下方向隙間に介装されて前記上部構造体を水平免震状態に支持する免震装置であって、
前記免震装置は、アウトリガー部材と、前記アウトリガー部材を介して上下に積み重ねられた一対の積層ゴムと、を有し、
前記アウトリガー部材は、前記一対の積層ゴム同士に上下から挟まれる部分と、前記挟まれる部分から水平方向の両側に延出する延出部分と、を有し、
前記上部構造体が前記下部構造体に対して水平方向に相対変位をした際に、前記積層ゴムは水平方向に剪断変形するとともに、前記アウトリガー部材の前記延出部分は、前記上部構造体及び前記下部構造体に対する水平方向の相対移動を許容された状態で、前記上部構造体及び前記下部構造体の少なくとも一方を当接対象の構造体として当接し、
前記アウトリガー部材は、平面視十文字形状の十文字部材を本体とし、
前記十文字部材における交差部分が、前記一対の積層ゴム同士に上下から挟まれる部分であり、
前記十文字部材は、前記延出部分として複数の脚部を有し、
前記複数の脚部が、前記当接対象の構造体に当接可能になっていることを特徴とする免震装置。 - 請求項1乃至7の何れかに記載の免震装置であって、
前記延出部分と前記当接対象の構造体とは、転がり支承状態で当接していることを特徴とする免震装置。 - 請求項1乃至7の何れかに記載の免震装置であって、
前記延出部分と前記当接対象の構造体とは、滑り支承状態で当接していることを特徴とする免震装置。
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