JP2010173860A - タワークレーンのマスト水平支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タワークレーンと構造物とを連結する支持部材の構造を改良するだけの比較的簡易な機構により、大地震時のタワークレーンの倒壊を防ぎ、作業時にはタワークレーンの揺れを吸収し速やかに元の位置に復元できる耐震機構を備えたマスト水平支持装置を提供する。
【解決手段】タワークレーン1Aのマスト2を上下移動可能に支持する支持桁11と積層ゴム12とダンパ13から耐震機構付きのマスト水平支持装置10を構成する。支持桁11を、マスト2を取り囲む桁材枠部分11aと、この桁材枠部分11aから構造物側の梁30に向って一体的に突出する一対の桁材突出部分11bから構成する。
積層ゴム12を、桁材突出部分11bの前記梁30側の先端部と前記梁30との間に軸を鉛直に向けて配置し、積層ゴム12の上下の取付板をそれぞれ前記桁材突出部分11bの下面と前記梁30の上面に固定する。減衰要素としてのダンパ13を前記桁材枠部分11bの角部と前記柱31との間に架設する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、構造物建設用のタワークレーンのマスト水平支持装置に関するものであり、特に、タワークレーンと構造物とを連結する支持部材の構造を改良して大地震時のタワークレーンの倒壊を防ぐと共に、作業時にはタワークレーンの揺れを吸収し速やかに元の位置に復元させる耐震機構を備えたマスト水平支持装置に関するものである。
高層ビル等の構造物が立ち上がっていくにつれてマストを継ぎ足していく型の構造物建設用のタワークレーンは、マストと構造物とをマスト水平支持装置で結合している。従来のマスト水平支持装置は、マストと構造物を剛結しているので、常時は強固に支持されるが、大地震時には構造物からマスト水平支持装置を介して過大な荷重が掛かり、マストの座屈、破断等を生じ、タワークレーンの倒壊災害が発生する恐れがある。また、マスト水平支持装置が破壊され、マスト水平支持装置によるマストの支持がなくなった場合にも、タワークレーンの倒壊災害が発生する恐れがある。
この防止策として、以下に示すような従来技術が提案されている。
(1)マスト水平支持装置のステーに、マストの振動を減衰するためにマスト側から建屋側に順次ゴム層と金属板層とを交互に積層したダンパ部材を介設したクライミングクレーンの免震装置(特許文献1参照)。
(2)マストを構造物に支承する支持ステーにオイルダンパを組み込んだマスト水平支持装置(特許文献2、3参照)。
(3)マストと構造物とを結ぶ支持ステーに皿ばねを設けたタワークレーンの耐震支持装置(特許文献4参照)。
(4)マストと構造物とを結ぶ支持ステーにダンパ機構とトリガー機構を設け、トリガー機構により、所定の軸力がかかるまではマストを拘束し、所定の軸力以上でダンパ機構を機能させるタワークレーンの耐震支持装置(特許文献5参照)。
(5)走行クレーンを対象とし、走行装置上またはその上のクレーン構造物に積層ゴムと油圧シリンダのオイルダンパを設けたクレーン(特許文献6参照)。
実公平3−8707号公報 特開平9−58975号公報 特開2001−199680号公報 特開2002−145579号公報 特開2002−145580号公報 特開2001−335282号公報
前述の従来技術の場合、以下のような課題がある。
(1)特許文献1の場合、マストの水平変位方向に対して積層ゴムが軸方向に変位するように設置しているため、積層ゴムの剛性は高く、実際には従来のマスト水平支持装置のように構造物に剛結されている状態と変わらないものと考えられる。積層ゴムの剛性が低いものを取り付けた場合には、常時でも変位を許容することになるため、通常の作業時の安定性が低下する恐れがある。
(2)特許文献2、3のように、マスト水平支持装置にオイルダンパのみを組み込む場合、地震時に生じるマストの振動エネルギーを有効に吸収できると思われるが、元の位置に戻るためにはマストの復元力に拠らねばならず、また従来のマスト水平支持装置と比較して固定度が著しく弱いため、やはり通常の作業時の安定性が低下する恐れがある。
(3)特許文献4のように、マスト水平支持装置部分に皿ばねを設ける場合、皿ばねの塑性変形により地震時の振動エネルギーが吸収されることになるが、その塑性変形により地震後マストに残留変形を生じる恐れがある。
(4)特許文献5のように、マスト水平支持装置部分にトリガー機構を設けた場合、マスト水平支持装置に所定の軸力がかかるまではマストを拘束することになり、従来のマスト水平支持装置と機能的に変わるところはない。
(5)特許文献6のように、マストを継ぎ足していく型のタワークレーンにおいてマスト水平支持装置より下の部分を積層ゴムとオイルダンパにより免震化しても、マスト水平支持装置によりタワークレーンとビルが剛結されるため免震効果は得られない。また、マスト水平支持装置より上の部分に積層ゴムとオイルダンパを挟み込む場合、積層ゴムには鉛直方向に力が作用することになるが、積層ゴムは引張力に弱いため、その対策を別途講ずることが必要になる。
本発明は、上述したような問題点を解消すべくなされたもので、タワークレーンと構造物とを連結する支持部材の構造を改良するだけの比較的簡易な機構により、大地震時のタワークレーンの倒壊を防ぐと共に、作業時にはタワークレーンの揺れを吸収し速やかに元の位置に復元させることのできる耐震機構を備えたマスト水平支持装置を提供することを目的としている。
本発明の請求項1は、構造物の外部に設置され、タワークレーンのマストと構造物とを連結する外部設置型のマスト水平支持装置であり、マストの支持部材と構造物側の部材とが、ばね要素と減衰要素とを介して、または、ばね要素と減衰要素の両方の性質を有するばね減衰要素を介して、連結されていることを特徴とするタワークレーンのマスト水平支持装置である。
本発明は構造物の外部に設置するタイプ(外部設置型のマストクライミング式)のタワークレーンに適用される(図1−(b)参照)。マスト水平支持装置を取り付ける構造物側の部材は、マスト水平支持装置からの荷重を支持できる任意のものでよく、例えば高層ビルでは、柱や梁などが用いられる。
本発明のマスト水平支持装置において、マストの支持部材は、マストを取り囲む桁材枠部分と、この桁材枠部分から構造物側の梁に向って一体的に突出する一対の支持ステー等の桁材突出部分とからなる支持桁から構成される。ばね要素としては積層ゴムが使用され、減衰要素としてはダンパが使用される。
マストの支持部材には平面視で井桁状等の支持桁を用いることができる。例えば、水平面内において、2本の平行な桁材を2本の平行な桁つなぎ材で一体的に剛結合して、マスト水平断面を取り囲む桁材四角枠部分と、この部分から構造物側の梁に向って一体的に突出する桁材突出部分とを形成する。
外部設置型のタワークレーンの場合、桁材突出部分を桁材四角枠部分の片側に2本突出させる(図6参照)。ばね要素は、例えば桁材突出部分の先端部と梁等との間に設置される(図6参照)。外部設置型のタワークレーンの場合、ブレースを用いて桁材四角枠部分と柱との間に減衰要素を配置するのが好ましい(図6参照)。
ばね要素は、マストの支持部材と構造物側の部材との間に配置され、免震構造ビルで使用されている周知の積層ゴムであり、水平全方向の変位に追随することができる。減衰要素は、マストの支持部材と構造物側の部材とを連結する流体系ダンパ(オイルダンパ、粘性ダンパ、磁気流体ダンパ等)、粘弾性ダンパ、摩擦ダンパ、または弾塑性ダンパ(鋼製、鉛、アルミ、アルミ合金など)である。
積層ゴムは、前記桁材突出部分の前記梁側の先端部と前記梁との間に軸を鉛直に向けて配置され、積層ゴムの上下の取付板がそれぞれ前記桁材突出部分の下面と前記梁の上面に固定される。
減衰要素としてのダンパは、外部設置型のタワークレーンの場合、ブレースを用いて桁材四角枠部分と柱との間に減衰要素を配置するのが好ましい(図6参照)。なお、ダンパやブレースの接続端部は垂直ピンや球面軸受け等を用いて回転自在に接続する。
ばね要素としての積層ゴムには上記周知の積層ゴムの他、例えば鉛プラグ入り積層ゴムまたは高減衰積層ゴムが使用される。
減衰要素としてのダンパは前記桁材枠部分の角部と前記柱との間に架設される。
以上のような構成の耐震機構付きのマスト水平支持装置で支持されたタワークレーンは、マスト水平支持装置の減衰要素で揺れを吸収し、ばね要素によりマストを元の位置に戻すことができ、タワークレーンの倒壊を防止することができる。また、強風時の揺れや、通常の作業で生じる揺れも、減衰要素が吸収し、ばね要素によりマストを元の位置に速やかに戻すことができ、タワークレーンの作業性を向上させることができる。
本発明の耐震機構付きのマスト水平支持装置は、以上のように構成されているので、次のような効果を有する。
(1)大地震時のタワークレーンの倒壊災害を減衰要素とばね要素により確実に防ぐことができる。
(2)作業時においても、減衰要素とばね要素によりタワークレーンの揺れを確実に吸収し、速やかに元の位置に復元し、快適に作業をすることができる。
(3)タワークレーンと構造物とを連結する支持部材の構造を改良するだけの比較的簡易な機構により、確実に大地震時のタワークレーンの倒壊を防ぎ、かつ作業時にはタワークレーンの揺れを吸収し速やかに元の位置に復元させることができ、また従来のマスト水平支持装置と同様に取り扱うことができる。
本発明のマスト水平支持装置が適用されるタワークレーンの例を示す構造物の正面図であり、(a)は内部設置型(参考例)の場合、(b)は外部設置型とフロア内部設置型の場合である。 本発明の内部設置型(参考例)のタワークレーンのマスト水平支持装置の一例を示す平面図である。 図2のマスト水平支持装置(参考例)のマスト外部位置における鉛直断面図である。 図2のマスト水平支持装置(参考例)のマスト内部位置における鉛直断面図である。 本発明の内部設置型(参考例)のタワークレーンのマスト水平支持装置の他の例を示す平面図である。 本発明の外部設置型のタワークレーンのマスト水平支持装置の一例を示す平面図である。
[参考例]
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明のマスト水平支持装置が適用されるタワークレーンの例(参考例)を示したものである。図2〜図4は内部設置型のタワークレーンのマスト水平支持装置の一例(参考例)を示す平面図と鉛直断面図である。図5はその変形例(参考例)を示す平面図である。図6は外部設置型のタワークレーンのマスト水平支持装置の一例を示す平面図である。
図1に示すように、高層ビル等の構造物が立ち上がっていくにつれてマストを継ぎ足していく型の構造物建設用のタワークレーン(マストクライミング型)には、構造物の内部に設けるタワークレーン1Aと、構造物の外部に設けるタワークレーン1Bがある。また、図1(b) の右側に示すように、構造物が立ち上がっていくにつれてタワークレーン自身も上部へ移動する型の構造物建設用のタワークレーン1C(フロアクライミング型)もある。
内部設置型のタワークレーン1Aの場合、構造物の内部にマスト2を組み、このマスト2の上端にクレーン装置3を設置している。このマスト2は、構造物の骨組が組み上がる高さに応じて高く組み上げ、マスト水平支持装置を介して構造物の梁等に固定される。このマスト水平支持装置は、マスト長さによっては高さ方向に複数箇所設けられる。マスト水平支持装置を複数箇所設ける場合、マスト最上部は耐震機構付きのマスト水平支持装置10とし、マスト最上部以外のマスト水平支持装置は構造物とマストを剛結する従来のマスト水平支持装置10として、組み合わせることも可能である。
外部設置型のタワークレーン1Bの場合も、マスト2を構造物の外部に設置する点、マスト水平支持装置の構成が若干異なる点を除いて同様であり、またマスト水平支持装置を複数箇所設ける場合も同様に、マスト最上部に耐震機構付きのマスト水平支持装置10を設置し、中間部には従来の剛結タイプのマスト水平支持装置10’を設置することができる。なお、内部設置型1Aと外部設置型1Bのいずれの場合も、中間部にも耐震機構付きのマスト水平支持装置10を設置してもよいことは言うまでもない。
フロアクライミング型で内部設置型のタワークレーン1Cの場合には、構造物が立ち上がっていくにつれて、下部固定点が高くなっていき、マスト2の本数は通常変わらないものであり、マスト上部に耐震機構付きのマスト水平支持装置10が設置される。
図2に示す内部設置型のタワークレーン1Aの実施形態において、本発明の耐震機構付きのマスト水平支持装置10は、主に、マスト2を上下移動可能に支持し構造物に固定するための支持桁11と、ばね要素としての積層ゴム12と、減衰要素としてのオイルダンパ13から構成されている。
支持桁11は、図2〜図4に示すように、平面視で略井桁状であり、水平面内においてマスト2を両側から挟むように平行に水平配置された一対の桁材20と、この一対の桁材20をマスト2の左右両側において連結する一対の桁つなぎ材21からなる。2本の桁材20は、その両端部がそれぞれ構造物の対向する2本の梁30の上に延在するような長さとされ、その中央部が2本の平行な桁つなぎ材21で連結される。従って、支持桁11は、平面視でマスト2の四周を取り囲む桁材四角枠部分11aと、この四角枠部分11aから梁30に向って一体的に突出する4本の桁材突出部分11bから構成される。なお、支持桁11は、図示例に限らず、8本の桁材突出部分11bを有する平面視井桁状等でもよい。
また、桁材20と桁つなぎ材21は、例えばH形鋼に補強リブを設けたものを用いることができる。一方、マスト2の支持桁取付位置には、マスト2の四周に所定長さのマスト補強材4が設けられており、このマスト補強材4に対して適当な隙間をおいて桁材20と桁つなぎ材21が配置される。
積層ゴム12は、鋼板とゴム層を交互に積層した周知の一般的な免震装置であり、桁材20の桁材突出部分11bの先端部と梁30との間に配置され、上下の取付板がそれぞれ桁材突出部分11bの下面と梁30の上面に固定される。なお、図3に示すように、桁材突出部分11bの先端部における下部は切り欠かれ、この切欠部分に積層ゴム12が配置される。また、図2に示すように、平行な一対の桁材突出部分11bの切り欠かれた先端部同士は連結部材22で連結されている。
この積層ゴム12は、2本の桁材20の両端の合計4箇所に配置されるが、桁材20の両端には鉛直方向の力が作用しないため、引張力に弱い積層ゴムの特別な処置は不要である。さらに、積層ゴムは水平全方向に変位することが可能のため、簡便な構成とすることができる。
オイルダンパ13は、オイルが封入されたシリンダと、シリンダ内を摺動するピストンと、オイルの流れを制限してピストンを制動する減衰弁からなる周知の一般的な減衰装置であり、支持桁11と梁30とを連結するように配置される。
このオイルダンパ13は、水平全方向の減衰を行えるように配置され、例えば平行な一対の桁材突出部分11b間の中央部における梁30の上に駒材23を固定し、この駒材23に設けたブラケット24にオイルダンパ13の基端部を垂直ピン等を介して水平回転自在に取付け、桁材20の桁材突出部分11bの基端部に設けたブラケット25にオイルダンパ13の先端部を垂直ピン等を介して水平回転自在に取付け、オイルダンパ13が桁材20に対して約45度の角度で斜めに水平配置される。垂直ピンに代えて球面軸受けを用いれば、上下も含めたあらゆる方向の変位に追随させることも可能である。
また、この斜め配置のオイルダンパ13はマスト2の片側で一つの駒材23に対して2個取り付け、水平面内の直交2方向(ほぼ直角でもよい)に配置し、さらに左右両側で合計4個配置することで、確実かつ十分な減衰が行われるようにしている。なお、オイルダンパ13の配置は、図示例に限らず、例えば桁材四角枠部分11aの各角部と各柱31とを連結するように配置してもよい。
以上のような構成の耐震機構付きのマスト水平支持装置10で支持されたタワークレーン1Aは、大地震により揺れると、オイルダンパ13で揺れを吸収し、積層ゴム12の復元力でマスト2を元の位置に戻すことができ、タワークレーンの倒壊を防止することができる。また、強風時の揺れや、通常の作業で生じる揺れも、オイルダンパ13が吸収し、積層ゴム12によりマスト2を元の位置に速やかに戻すことができ、タワークレーンの作業性を向上させることができる。
ばね要素として積層ゴムを用いる代わりに、コイルばねを水平面内の直交2方向に配置して用いることもできる(図示省略)。この場合、例えば、オイルダンパ13と同様に支持桁11と梁30とを連結するように配置され、あるいは桁材四角枠部分11aの角部と柱31とを連結するように配置される。また、この他、板ばね、皿ばね等を用いることもできる。
減衰要素としてオイルダンパを用いる代わりに、制震構造ビルで使用されている周知の流体系ダンパ(粘性ダンパ、磁気流体ダンパ等)、粘弾性ダンパ、摩擦ダンパ、弾塑性ダンパ(鋼製、鉛、アルミ、アルミ合金など)、その他のダンパを用いることもできる(図示省略)。
さらに、ばね要素と減衰要素の両方の性質を持つ、免震構造ビルで使用されている周知の鉛プラグ入り積層ゴムまたは高減衰積層ゴムを用いることもできる。この場合の設置例を図5に示す。図2の積層ゴム12に代えて鉛プラグ入りまたは高減衰の積層ゴム14を設置することにより、図2のオイルダンパ13等の減衰要素を省略することができる。
以上は内部設置型のタワークレーン1Aに設置されるマスト水平支持装置について説明したが、外部設置型のタワークレーン1Bのマスト水平支持装置についても、ばね要素と減衰要素の両方を有するマスト水平支持装置を組み込むことにより、同様の効果を得ることができる。
[実施例]
図6は、外部設置型のタワークレーン1Bに設置されるマスト水平支持装置10の一例であり、この場合も、内部設置型と同様に、マスト水平支持装置10は、主に、マスト2を上下移動可能に支持し構造物に固定するための支持桁11と、ばね要素としての積層ゴム12と、減衰要素としてのオイルダンパ13から構成されている。
この場合、タワーンクレーンが構造物の外部に設置されるため、支持桁11の一対の桁材20は片側のみを構造物に向って一体的に突出させ、端部を1本の梁30の上に延在させればよい。従って、支持桁11は、平面視でマスト2の四周を取り囲む桁材四角枠部分11aと、この四角枠部分11aから梁30に向って一体的に突出する2本の桁材突出部分11bから構成される。
積層ゴム12は、内部設置型と同様に、桁材20の桁材突出部分11bの先端部と梁30との間に配置され、上下の取付板がそれぞれ桁材突出部分11bの下面と梁30の上面に固定される。
オイルダンパ13は、内部設置型と同様に、桁材突出部分11bと梁30を連結するように斜めに水平配置することもできるが、四角枠部分11aと柱31を連結するように斜めに水平配置するのが好ましい。この場合、四角枠部分11aの四つの角部にブラケット24を設け、ブラケット24にブレース26の基端部を垂直ピンや球面軸受け等を介して取付け、このブレース26に接続したオイルダンパ13の先端部を垂直ピンや球面軸受け等を介して柱31に設けたブラケット25に取付ける。
また、この外部設置型のタワークレーン1Bの場合も、積層ゴム12に代えて鉛プラグ入りまたは高減衰の積層ゴム14を用いることができる(図示省略)。
構造物が立ち上がっていくにつれてタワークレーン自身も上部へ移動する型の構造物建設用のタワークレーン1C(フロアクライミング型)の場合も、マストの上部または中間部に本発明の耐震機構付きのマスト水平支持装置を組み込むことにより(図示省略)、同様の効果を得ることができる。この場合、内部設置型のタワークレーン1A(マストクライミング型)の図2〜図4、または図5の耐震機構付きのマスト水平支持装置と同様の構成とすることができる。
なお、本発明は以上のような図示例に限定されないことは言うまでもない。
1……タワークレーン
1A……内部設置型タワークレーン(マストクライミング型)
1B……外部設置型タワークレーン(マストクライミング型)
1C……内部設置型タワークレーン(フロアクライミング型)
2……マスト
3……クレーン装置
4……マスト補強材
10……耐震機構付きのマスト水平支持装置
11……支持桁
11a……桁材四角枠部分
11b……桁材突出部分
12……積層ゴム
13……オイルダンパ
14……鉛プラグ入り積層ゴムまたは高減衰積層ゴム
20……桁材
21……桁つなぎ材
22……連結部材
23……駒材
24……ブラケット
25……ブラケット
26……ブレース
30……梁
31……柱

Claims (1)

  1. 構造物の外部に設置され、タワークレーンのマストと構造物とを連結する外部設置型のマスト水平支持装置であり、マストの支持部材と構造物側の部材とが、ばね要素としての積層ゴムと減衰要素とを介して連結されており、
    前記マストの支持部材は、マストを取り囲む桁材枠部分と、この桁材枠部分から構造物側の梁に向って一体的に突出する一対の桁材突出部分とからなる支持桁から構成されており、
    前記積層ゴムは、前記桁材突出部分の前記梁側の先端部と前記梁との間に軸を鉛直に向けて配置され、積層ゴムの上下の取付板がそれぞれ前記桁材突出部分の下面と前記梁の上面に固定されており、
    前記減衰要素としてのダンパは前記桁材枠部分の角部と前記柱との間に架設されていることを特徴とするタワークレーンのマスト水平支持装置。
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