JP3138538U - 耐震用台座とその誤作動防止用段差付楔体 - Google Patents

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Abstract

【課題】誤作動を防止しながら用途が広く実用性の高い耐震用台座を提供する。
【解決手段】耐震用台座が仮止め状態から地震の揺れによって誤作動防止用段差型楔体が外れて耐震作用や免振作用が発現する状態を示す誤作動防止用段差型楔体を耐震台座本体の上部台座と玉止め枠内との隙間に外部から打ち込む際には、その平面状の上面を上向きにして、打ち込むようにする。すると、上部台座4が当該誤作動防止用段差型楔体を介して下部台座の上に載り、その圧迫力により固定されているが、球体と上部台座とは接触していないので、仮止め状態になっている。平時はこのように上部台座と下部台座とが仮止め状態になっているので、地震以外の要因による振動や揺れ、例えば風力による揺れや電車などの通過による振動や工事現場での振動などによって耐震作用や免振作用が発現することがない。
【選択図】図7

Description

世の中にはテレビ、冷蔵庫、箪笥、戸棚などの家具、壷、皿、ビンなどの陶磁製品やガラス製品、若しくは商店、スーパー、デパートなどの商品陳列棚、又は墓石、石塔、石碑、石仏像などの重層石造物など地震の揺れによって、転倒したり倒壊したりして困る対象物がいろいろある。本考案は、これら地震によって転倒したり倒壊したりしては困る対象物を台座の上に載せておくだけで、地震が起こってもその免振作用や耐震作用によって不用意な転倒事故や倒壊事故を可及的に防ぎ、その損害を少なくすることのできる耐震用台座に関する。
従来より、地震対策としてどうしたら少しでも防振したり免振したりできるのかについて多方面で研究され、各種の耐震装置や免振装置が開発されている。それらの装置が免振作用や耐震作用を起こす原理についても様々研究されている。それらの原理の中でも上部構造体と下部構造体との間に転動する球体を介する方式は、その免振作用や耐震作用が大きく確実であるうえその構造が比較的に簡単であるため安価で実用性の高い装置を具現化することができるという利点がある。本考案者はこのような利点に着目して、この球体を介する方式を利用した耐震用台座や耐震装置の研究開発をしてきた。調査の結果、上部構造体と下部構造体との間に転動する球体を介する方式を採用した従来技術としては、次のようなものがあった。
登録実用新案第3044121号公報「耐震用台座」本考案は、置物や盆栽の下に置くだけの極めて簡単な方法で、地震や揺れに対して極めて有効に対処できる耐震用台座を提供することを目的とする。多数の転動体を上部に配置した台座本体と、該台座本体の上方で且つ前記転動体に当節させて、移動自在に配置した蓋体と、前記台座本体の四隅の下方から前記蓋体の四隅に向けて上方へ傾斜して配置させると共に相互が一定位置に保持できるように弾性力を付与させて装着したスプリングとから少なくとも構成させたことを特徴とする耐震用台座が記載されている。 特開2006−219904号「耐震性を有する墓石の基礎構造」下面側に嵌合凸部を形成した上基礎体と、上面側に上基礎体の嵌合凸部と嵌合する嵌合凹部を形成した下基礎体とからなり、当該上基礎体の上面側の複数箇所に所定長の長溝部を形成し、当該長溝部の中心部に上基礎体を垂直方向に貫通する貫通孔を穿設しておき、下基礎体の下面側の複数箇所に所定長の長溝部を形成し、当該長溝部の中心部に下基礎体を垂直方向に貫通すると共に、上基礎体に穿設した貫通孔と連通する貫通孔を穿設し、上基礎体と下基礎体との間に球状玉石を介して嵌合凸部と嵌合凹部とを嵌合し、上基礎体の長溝部と下基礎体の長溝部にそれぞれ棒状体を挿嵌すると共に、両棒状体を連通する貫通孔を介してワイヤーで接続したことを特徴とする耐震性を有する墓石の基礎構造である。 登録実用新案第3132241号公報「耐震構造を有する墓石又は重層石造物」墓地用床部の基礎面に台座を固定し、その上に複数段の台石を縦方向に重ねて載置し、更にその上に竿石を建てるように設置してなる和型墓石において、前記台座を一対の基礎台座と可動台座に二分して用意し、当該基礎台座は、鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面に載置面が露呈するように固定し、当該可動台座は、その下面に載置用受面を形成するとともに、その上面に複数段の台石を重ねて固定し、更にその上に竿石を建てるように固定して和型墓石本体を形成しておき、前記基礎台座の載置面上には多数の硬質球状体を所定の間隔をもって点在するように敷設し、その周囲に立ち上がり枠体を固設して硬質球状体が枠体内から飛散しないようになし、前記点在するように敷設した硬質球状体の上に、前記和型墓石本体をその可動台座の載置用受面が接するように載置した構造となし、当該和型墓石本体の下部には複数の取付金具を固定するとともに、この取付金具に対応した位置であって鉄筋コンクリートで固めた墓地用床部の上面には係止部を固定しておき、当該取付金具と当該係止部の間を、リング状、鎖状又はワイヤー状の連結具により、上下及び前後左右方向に所定の遊びを有しながら移動規制するように連結したことを特徴とする耐震構造を有する和型墓石である。 特開昭64−17945号公報「一般住宅用免振装置」上部構造物と下部構造物との間には上部構造物の重量を支えるボールベアリングを挟設すると共に硬質防振ゴムのスタッドを上部構造物の下面との間に空隙を設けた状態で上部構造物と下部構造物とに固定し、更に上部構造物と下部構造物の周囲には土留周壁を上部構造物との間に空隙を置いて配設したことを特徴とする一般住宅用の免振装置が記載されている。
前記特許文献は、いずれも球体を利用した耐震用台座や免振装置や耐震構造であるが、この方式の耐震作用や免振作用は非常に感度が良いことが特徴である。しかしこの方式の特徴である感度の良さは利点であると同時に、地震以外の原因による揺れや振動、例えば強風や近くを通った電車や大型トラックの振動や工事現場の振動などによっても過剰に反応して誤差動による免振作用や防振作用を起こすという欠点にもなっていた。そのような目的外の原因による誤作動によって頻繁に位置ズレや向きの変化が起こり、それを修正したり元の状態に復元する作業をおこなわなければならないという煩わしさがあった。
先行技術である前記特許文献には、このような誤作動をできるだけ防止し、目的や状況に合わせて適切に耐震作用や免振作用を行うようにコントロールしようという発想や技術は一切記載されていない。
例えば、墓石や石造物のように重量の重い物体の地震対策は、震度4〜5以上になったときに免振作用や耐震作用が起こるようにするのが望ましが、家具や商品陳列棚などの場合には震度2〜3以上になったときに免振作用や耐震作用を発現しないと、被害が大きくなる。また陶磁器やガラス製品や盆栽などの軽いものである場合には、震度1〜2以上になっただけでも免振作用や耐震作用が発現するように調整するのが望ましい。
そこで本考案は、このように防振対象物の特性や状況に応じて適正に耐震作用や免振作用が発現するのを簡単にコントロールするため、楔を利用することを想起した。即ち、楔を打ち込んだ際の圧迫力を利用して、平時や目的外の振動時には、その楔の圧迫力によって仮止めが維持されているが、所定の震度以上の地震が起こったときには、その楔が外れて仮止めが解除出来るようにしたものである。これによって誤作動を防止しながら用途が広く実用性の高い耐震用台座を提供せんとするものである。
実用新案登録を受けようとする第1考案は、下部台座の上面に玉止め枠を配設し、当該玉止め枠内にその玉止め枠の高さより少し直径の大きい球体を転動自在に配置し、その上に上部台座を配設して、前記下部台座と前記上部台座の間に複数の球体を挟設するとともに、当該上下両台座が相互に一定位置に保持できるように弾性力を付与させて装着した連結具とからなる耐震台座本体と、基端部が厚く、先端部に向かって薄くなるよう構成されている楔体であって、その上面が平面状でその下面だけが階段状にしだいに薄くなるような楔形に形成されており、且つ前記耐震台座本体の上部台座と玉止め枠内との隙間に打ち込むことにより上部台座と下部台座の動きを仮止めできるように形成したことを特徴とする誤作動防止用段差型楔体とを組み合わせてなる耐震用台座である。
当該第1考案は、誤作動防止のできる耐震用台座の基本考案である。その基本構成は、上部台座と下部台座との間に複数の球体を挟設してなる耐震台座本体と、階段状の楔体である誤作動防止用段差型楔体との組み合わせからなる。当該耐震台座本体は、下部台座が地震によって揺れたとしても、その揺れる力は、球体の回転によって吸収され上部台座には伝達されないので、大きな耐震作用や免振作用を発揮する特徴を有している。当該耐震台座本体において、上部台座と下部台座との間に複数の球体を挟設する状態を実現し維持するために、玉止め枠を用いる必要がある。当該玉止め枠には、球体を常に上部台座と下部台座との間に挟設した状態に維持するとともに当該球体が上部台座に負荷される重量を支えられるように収納される領域を特定し、その球体が周辺からこぼれないように形成された周辺枠である場合と、当該周辺枠内を更に複数も区画に形成して、各区画に球体を1〜数個づつ分割収納できるように形成した区画枠とする場合がある。当該台座の面積が小さい場合には、前者の周辺枠でも良いが、当該台座が比較的大きい場合には区画枠にする必要がある。
また、当該球体は、上部台座と防振対象物の重量を支えることができるだけの硬さと強度を有する物である必要がある。したがって、球体の材質は金属製、合成樹脂製、ガラス製、鉱物製の球体のいずれであっても良く、その材質を問わないものである。
更に、上部台座と下部台座とが相互に一定位置に保持できるように弾性力を付与させて装着した連結具は、弾性力のあるゴム製バンドやスプリングなどが好ましい。しかし、その材質はこれらに限る必要はない。当該連結具は、地震の際の縦揺れを吸収するだけでなく、大きな横揺れを抑制するとともに、地震の揺れが収まった際に上部台座と下部台座の位置ずれを出来るだけ小さくしたり、復元を図ったりする機能を有している。
次に、誤作動防止用段差型楔体は、硬質の金属製、合成樹脂製、鉱物製として作製するのが望ましいが、その楔形には特徴がある。それは、その基端部が厚く、先端部に向かって階段状にしだいに薄くなるよう構成されている楔体であって、その上面は平面状に形成されており、その下面は階段状にしだいに薄くなるような楔形に形成されていることを特徴とするものである。上面は平面状でその下面だけを階段状にしたのは、地震の振動が来たとき、当該楔体は、その段部で下部台座と係止状態となり下部台座の揺れに伴って外側方向へどんどん移動するが、上面が平面状になっているので楔体が移動されても上部台座は追従した動きをしないようにするためである。
従って、地震の揺れが大きい場合には、下部台座の揺れが大きくなり、係止している当該楔体もそれだけ外側に移動して、上部台座との間に挟設されている状態が外れることになるのである。即ち、当該楔体の下面を階段状に形成することによって各段でその圧迫力に差が生じることを利用して、震度の差異によって外れるのを調整することが可能になった。例えば、基端部に近い厚みのある段は、震度4〜5以上にならないと楔が外れることがないが、それより一段薄い段では、震度2〜3以上になると楔が外れることになり、更に薄い先端部の段では、震度1〜2以上になっただけでも楔が外れるように設定することが出来るのである。
実用新案登録を受けようとする第2考案は、下部台座の上面に玉止め枠を配設し、当該玉止め枠内にその玉止め枠の高さより少し直径の大きい球体を転動自在に配置し、その上に上部台座を配設して、前記下部台座と前記上部台座の間に球体を挟設するとともに、当該上下両台座が相互に一定位置に保持できるように弾性力を付与させて装着した連結具とからなる耐震台座本体と、基端部が厚く、先端部に向かってしだいに薄くなるよう構成されている楔体であって、その上面は平面状でその下面だけが階段状にしだいに薄くなるような楔形に形成されており、且つ前記耐震台座本体の上部台座と玉止め枠内との隙間に外部から打ち込むことにより上部台座と下部台座の動きを仮止めできるように形成されたことを特徴とする誤作動防止用段差型楔体とからなり、当該誤作動防止用段差付楔体を、その平面状の上面を上向きにして、前記耐震台座本体の上部台座と玉止め枠内との隙間に外部から所定の段差まで打ち込み、それにより上部台座と下部台座とがその圧迫力で動かないように仮止めできるよう耐震用台座を組み立てておき、当該耐震用台座の上に防振対象物体を載置しておくだけで、所定の震度以上の揺れが起こったとき、上部台座と玉止め枠内との隙間に打ち込んだ誤作動防止用段差付楔体は、初期振動に伴って下部台座と共に外側に移動して外れて仮止め状態が解除され、当該上部台座が転動自在な球体の上に載置された状態となり、その後に地震の主要動が到着して前記下部台座が大きく揺れても、球体が転動してその揺れを吸収し、上部台座がほとんど揺れないようにしたことを特徴とする耐震用台座である。
当該第2考案は、第1考案の組み合わせ方を特定し、本考案に係る耐震用台座の作動の仕方を明確にした考案である。特に誤作動防止用段差付楔体の形状を上面を平面状にし、下面を階段状にして、上面がすべり下面が段差に係止して揺れに伴って移動するようにした点に特徴がある。即ち、楔体の圧迫力による仮止めを地震の揺れの強さや大きさによって、楔体がはずれるようにしたものである。
実用新案登録を受けようとする第3考案は、前記玉止め枠は、下部台座の上面に載置され、球体が上部台座に負荷される重量を支えられるように収納される領域を特定し、且つその球体が周辺からこぼれないように形成された周辺枠、若しくは球体を1個乃至数個づつ分割して収納できるようにした区画枠であって、当該玉止め枠の高さは、球体の直径より少し低く形成していることを特徴とする第1考案または第2考案に記載する耐震用台座である。
実用新案登録を受けようとする第4考案は、前記誤作動防止用段差付楔体は、その基端部が厚く、先端部に向かって階段状にしだいに薄くなるよう構成されている楔体であって、その上面は平面状でその下面だけが階段状にしだいに薄くなるような楔形に形成されていることを特徴とする第1考案または第2考案に記載する耐震用台座である。
当該第3考案や第4考案に係る考案は、従属考案であり前記玉止め枠や誤作動防止用段差付楔体の形状を具体的に明確にしたものである。
実用新案登録を受けようとする第5考案は、上部構造体と下部構造体との間に免震機構が挟設されている耐震装置又は耐震用台座において、外部より上部構造体と下部構造体との間に打ち込んで免震機構の免震作用を仮止めするための楔体であって、
その基端部が厚く、先端部に向かって階段状にしだいに薄くなるよう構成されているが、その上面は平面状でその下面だけが階段状にしだいに薄くなるような楔形に形成されていることを特徴とする誤作動防止用段差付楔体である。
当該第5考案は、本願の第1考案、第2考案以外の耐震装置又は耐震用台座であって、上部構造体と下部構造体との間に免震機構が挟設されている基本構成のものに使用可能な誤作動防止用段差付楔体である。特徴は本願第4考案と同じであるので、説明は省略する。
本考案は、上部台座と下部台座との間に複数の球体を挟設してなる耐震台座本体と、階段状の楔体である誤作動防止用段差型楔体との組み合わせからなる。当該耐震台座本体は、下部台座が地震によって揺れても、その動く力は、球体の回転によって吸収されて上部台座には伝達されないので、敏感で大きな耐震作用や免振作用を有している。そこで本考案は、その耐震作用や免振作用の発現するタイミングを抑制し、所望の震度以上にならないと起動しないようにするために誤作動防止用段差型楔体と組み合わせたものである。
即ち、本考案は、軽い物から重い物まで何でも載せることに出来る台座を上部台座と下部台座の二重構造に構成し、その間に複数の球体を介在させて耐震作用や免振作用を備えさせておき、その耐震作用や免振作用を外部から誤作動防止用段差型楔体を打ち込むだけの簡単な操作で仮止めし、誤作動を防止することができる。しかも、その誤作動防止用段差型楔体は、起動開始する震度を段差の選定によって簡単に制御出来るので、非常に便利である。
このように、本考案に係る耐震用台座は、軽い物から重い物まで何でも載せるだけで簡単に耐震性を付与することが出来る。しかも、その耐震作用や免振作用の発現を誤作動防止用段差型楔体の段差の選定によって自由に調整できるので、その用途が広く実用性の高いものである。
一方で、下部台座1の上面に玉止め枠2を配設し、当該玉止め枠2内にその玉止め枠の高さより少し直径の大きい球体3を複数転動自在に配置し、その上に上部台座4を配設して、前記下部台座1と前記上部台座4の間に複数の球体3を挟設するとともに、当該上下両台座1,4が相互に一定位置に保持できるように弾性力を付与させて装着した連結具5とからなる耐震台座本体6を用意する。
他方は、基端部が厚く、先端部に向かって薄くなるよう構成されている楔体であって、その上面7aが平面状でその下面7bだけが階段状にしだいに薄くなるような楔形に形成されており、且つ前記耐震台座本体6の上部台座4と玉止め枠2との隙間に外部より打ち込むことにより、上部台座4と下部台座1の動きを仮止めできるように形成したことを特徴とする誤作動防止用段差型楔体7を用意する。
そのうえで、図3に示すように前記耐震台座本体6の上に冷蔵庫、その他の防振対象物Aを載せ、耐震台座本体6の周囲適所から数箇所、誤作動防止用段差型楔体7を前記耐震台座本体6の上部台座1と玉止め枠2との隙間に打ち込むようにして耐震用台座を完成させる。
以下、本考案にかかる耐震用台座について図示実施例に基づいて説明する。
図1は、本考案にかかる耐震用台座の一実施例を示す斜視図であり、図2は、図1に示した耐震用台座の一実施例の構成部材を示す分解斜視図であり、図3は、本考案にかかる耐震用台座の使用状態を示す斜視図である。また、図4は、本考案にかかる耐震用台座の他実施例を示す斜視図であり、図5は、図4に示す他実施例の構成部材を示す斜視図であり、図6は、本考案にかかる耐震用台座の構成部材である誤作動防止用段差型楔体7の実施例を示す斜視図であり、図7の(イ)(ロ)(ハ)は、本考案にかかる耐震用台座が仮止め状態から地震の揺れによって誤作動防止用段差型楔体7が外れて耐震作用や免振作用が発現する状態を示す側面説明図である。
本考案にかかる耐震用台座は、図1に示すように、前記耐震台座本体6と誤作動防止用段差型楔体7との組み合わせである。当該耐震台座本体6は、ほぼ同じ形状の下部台座1と上部台座4とが二重の積層構造になっており、その両者の間には玉止め枠2内に収納された複数の球体3が挟設されているのが基本構成である。ただし、当該球体3は、転がり落ちてしまうので、当該球体3が常に上部台座4に負荷される重量を支えられるように収納される領域を特定し、その球体3が周辺からこぼれないように形成された玉止め枠2内に収納されている。
当該玉止め枠2には、単に球体3が収納される領域を特定し、その球体3が周辺からこぼれないように形成された周辺枠2bと当該周辺枠2b内を区画形成して、各区画に球体が1〜数個づつ分割収納できるようにした区画枠2aとの2種類がある。図示実施例1の場合の玉止め枠2は、区画枠2aである。また、図示実施例における連結具5は、伸縮性のあるゴムバンド製である。図1、図2に示された連結具5はコ字状に成形されており、下部台座1と上部台座4の平面と底面に回り込んで、しっかり装着できるように構成されている。当該連結具5は、上下両台座が相互に一定位置に保持できるように弾性力を付与させて装着させるものであるが、地震がきたとき、図7に示すように、当該連結具5は、地震の際の縦揺れを吸収するだけでなく、大きな横揺れを抑制するとともに、地震の揺れが収まった際に上部台座4と下部台座1の位置ずれを出来るだけ小さくしたり、復元を図ったりする機能を有するものである。
本考案にかかる耐震台座本体6は、このように下部台座1の上面に玉止め枠2を配設し、当該玉止め枠2内にその玉止め枠2の高さより少し直径の大きい球体3を転動自在に配置し、その上に上部台座4を配設して、前記下部台座1と前記上部台座4の間に複数の球体3を挟設するとともに、当該上下両台座4,1が相互に一定位置に保持できるように弾性力を付与させて装着した連結具5とからなるものである。
次に、誤作動防止用段差型楔体は、図6(イ)(ロ)(ハ)に示すように、基端部が厚く、先端部に向かってしだいに薄くなるよう構成されている楔体であって、その上面は平面状でその下面だけが階段状にしだいに薄くなるような楔形に形成されている。当該誤作動防止用段差型楔体7は、前記耐震台座本体6の、耐震作用や免振作用を誤作動なく起動させるタイミングを調整するための部材である。当該誤作動防止用段差型楔体7は、段差を形成することによって打ち込んだ際に圧迫力に差が生じる点に着目し、これを利用して震度の差によって外れるか外れないかを調整することができるようにしたものである。打ち込んだ誤作動防止用段差型楔体7が外れると、前記耐震台座本体6の下部台座1と上部台座4の間に挟設されている球体3の回転によって、下部台座1と上部台座4の間での揺れる力が伝達されなくなり耐震作用や免振作用が発現するのである。このように、本考案の誤作動防止用段差型楔体7を階段状にしたのは、各段毎に外れる震度の強さを設定できるようにするためである。
例えば、図6(ハ)は、震度1〜2で外れるように設定する場合にのみ用いる誤作動防止用段差型楔体7であり、図6(ロ)は、一段目まで打ち込んだ場合には震度1〜2で外れるが、二段目まで打ち込めば震度3〜4で外れる誤作動防止用段差型楔体7である。図6(イ)は、三段目まで形成されている誤作動防止用段差型楔体7であり、一段目、二段目は図6(ロ)と同じ機能を果たすが、三段目まで打ち込むと震度5〜6になって初めて外れる機能を有している。
次に、図7の(イ)(ロ)(ハ)は、本考案にかかる耐震用台座が仮止め状態から地震の揺れによって誤作動防止用段差型楔体7が外れて耐震作用や免振作用が発現する状態を示す側面説明図である。尚、Aは耐震用台座の上に才知されている防振対象物体である。誤作動防止用段差型楔体7を耐震台座本体6の上部台座4と玉止め枠2内との隙間に外部から打ち込む際には、その平面状の上面を上向きにして、打ち込むようにする。すると、図7(イ)に示すように、上部台座4が当該誤作動防止用段差型楔体7を介して下部台座1の上に載り、その圧迫力により固定されているが、球体3と上部台座4とは接触していないので、仮止め状態になっている。平時はこのように上部台座4と下部台座1とが仮止め状態になっているので、地震以外の要因による振動や揺れ、例えば風力による揺れや電車などの通過による振動や工事現場での振動などによって耐震作用や免振作用が発現することがない。
しかるに地震の震度が3〜4以上になると、図7(ロ)(ハ)に示した通り誤作動防止用段差型楔体7が外れる状態となる。つまり、地震の初期振動により地面が右や左に揺れて下部台座1が右方向や左方向に移動すると、段差によって係止されている誤作動防止用段差型楔体7も一緒に移動して、上部台座5との間との挟持状態がはずれて、上部台座5は転動自在な球体3上に載置された状態となり、耐震作用や免振作用を発揮することとなる。
即ち、当該誤作動防止用段差付楔体7を、その平面状の上面を上向きにして、前記耐震台座本体6の上部台座4と玉止め枠2内との隙間に外部から所定の段差まで打ち込み、それにより上部台座4と下部台座1とがその圧迫力で動かないように仮止めできるよう耐震用台座を組み立てておき、この耐震用台座の上に防振対象物体Aを載置しておくだけで、所定の震度以上の揺れが起こったとき、上部台座4と玉止め枠2内との隙間に打ち込んだ誤作動防止用段差付楔7は、初期振動に伴って下部台座1と共に外側に移動して外れて仮止め状態が解除され、当該上部台座4が転動自在な球体3の上に載置された状態となり、その後に地震の主要動が到着して前記下部台座1が大きく揺れても、球体3が転動してその揺れを吸収し、上部台座がほとんど揺れないようにしたものである。
図4、図5は、本考案にかかる耐震用台座の他実施例を示す斜視図とその構成部材を示す斜視図である。当該実施例は、第1実施例より小型の耐震用台座の実施例であるが、その基本構造は同じであり、当該図示符号のうち図1、図2に示した符号と同じ物は、寸法の異なる同じ構成部材にすぎないので、ここでの詳細な説明は省略する。第1実施例と構成上の相違点は、玉止め枠2が、単に球体3が収納される領域を特定し、その球体3が周辺からこぼれないように形成された周辺枠2bになっている点である。
本考案にかかる耐震用台座の一実施例を示す斜視図である。 図1に示した耐震用台座の一実施例の構成部材を示す分解斜視図である。 本考案にかかる耐震用台座の使用状態を示す斜視図である。 本考案にかかる耐震用台座の他実施例を示す斜視図である。 図4に示す他実施例の構成部材を示す斜視図である。 本考案にかかる耐震用台座の構成部材である誤作動防止用段差型楔体7の実施例を示す斜視図である。 (イ)(ロ)(ハ)は、本考案にかかる耐震用台座が仮止め状態から地震の揺れによって誤作動防止用段差型楔体7が外れて耐震作用や免振作用が発現する状態を示す側面説明図である。
符号の説明
1:下部台座1
2:玉止め枠2
2a:区画枠2a
2b:周辺枠2b
3:球体3
4:上部台座4
5:連結具5
6:耐震台座本体6
7:誤作動防止用段差型楔体7
A:防振対象物体

Claims (5)

  1. 下部台座の上面に玉止め枠を配設し、当該玉止め枠内にその玉止め枠の高さより少し直径の大きい球体を転動自在に配置し、その上に上部台座を配設して、前記下部台座と前記上部台座の間に複数の球体を挟設するとともに、当該上下両台座が相互に一定位置に保持できるように弾性力を付与させて装着した連結具とからなる耐震台座本体と、
    基端部が厚く、先端部に向かって薄くなるよう構成されている楔体であって、その上面が平面状でその下面だけが階段状にしだいに薄くなるような楔形に形成されており、且つ前記耐震台座本体の上部台座と玉止め枠内との隙間に外部より打ち込むことにより、上部台座と下部台座の動きを仮止めできるように形成したことを特徴とする誤作動防止用段差型楔体とを組み合わせてなる耐震用台座。
  2. 下部台座の上面に玉止め枠を配設し、当該玉止め枠内にその玉止め枠の高さより少し直径の大きい球体を転動自在に配置し、その上に上部台座を配設して、前記下部台座と前記上部台座の間に複数の球体を挟設するとともに、当該上下両台座が相互に一定位置に保持できるように弾性力を付与させて装着した連結具とからなる耐震台座本体と、
    基端部が厚く、先端部に向かってしだいに薄くなるよう構成されている楔体であって、その上面は平面状でその下面だけが階段状にしだいに薄くなるような楔形に形成されており、且つ前記耐震台座本体の上部台座と玉止め枠内との隙間に外部から打ち込むことにより上部台座と下部台座の動きを仮止めできるように形成されたことを特徴とする誤作動防止用段差型楔体とからなり、
    当該誤作動防止用段差付楔を、その平面状の上面を上向きにして、前記耐震台座本体の上部台座と玉止め枠内との隙間に外部から所定の段差まで打ち込み、それにより上部台座と下部台座とがその圧迫力で動かないように仮止めできるよう耐震用台座を組み立てておき、
    当該耐震用台座の上に防振対象物体を載置しておくだけで、所定の震度以上の揺れが起こったとき、上部台座と玉止め枠内との隙間に打ち込んだ誤作動防止用段差付楔は、初期振動に伴って下部台座と共に外側に移動して外れて仮止め状態が解除され、当該上部台座が転動自在な球体の上に載置された状態となり、その後に地震の主要動が到着して前記下部台座が大きく揺れても、球体が転動してその揺れを吸収し、上部台座がほとんど揺れないようにしたことを特徴とする耐震用台座。
  3. 前記玉止め枠が、下部台座の上面に転動自在に載置される複数の球体が収納される領域を特定し、且つその球体が周辺からこぼれないように形成された周辺枠、若しくは球体を1個乃至数個づつ分割して収納できるようにした区画枠であって、当該玉止め枠の高さは、球体の直径より少し低く形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載する耐震用台座。
  4. 前記誤作動防止用段差付楔体は、その基端部が厚く先端部に向かって階段状にしだいに薄くなるよう構成されている楔体であって、その上面は平面状でその下面だけが階段状にしだいに薄くなるような楔形に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載する耐震用台座。
  5. 上部構造体と下部構造体との間に免震機構が挟設されている耐震装置又は耐震用台座において、外部より上部構造体と下部構造体との間に打ち込んで免震機構の免震作用を仮止めするための楔体であって、
    その基端部が厚く、先端部に向かって階段状にしだいに薄くなるよう構成されているが、その上面は平面状でその下面だけが階段状にしだいに薄くなるような楔形に形成されていることを特徴とする誤作動防止用段差付楔体。
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