JP2005256315A - 免震工法及び同工法に用いる免震用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 地震発生時に建造物等に伝わる振動を緩和するための免震工法及び同工法のための免震部材という新規な技術の提供を図る。
【解決手段】 築物建造対象とする土地は堅牢にしてかつ平坦状に形成することにより基礎床面Bとし、高硬度の材料で形成した免震用球体5を回転自在に収装して成る免震制御用部材Cを、当該基礎床面Bの所要箇所に固定し、閉鎖面1aを有する平面正方形状を呈する免震面形成用枡状枠体1を、所要枚数前後左右に連結することにより構築用土台Aを形成し、当該築用土台Aは上記した基礎床面B上に位置させると共に、上記した夫々の免震用球体5を、構築用土台Aを構成する枡状枠体1中、これと対応する枡状枠体の閉鎖面中心に位置させることにより、地震が発生した際の基礎床面Bの揺れ動きが、枡状枠体1の閉鎖面1aに対する当該免震用球体5の転動により吸収されるように連係させ、更に、構築用土台Aの上面に補強用モルタル等を充填することに依りその上面全体を平坦化された構築用面とし、当該構築用面に対して所要の構築物を建設するようにした免震工法。
【選択図】図1

Description

本発明は、地震発生時に建造物等に伝わる振動を緩和するための免震工法及び同工法に用いる免震用部材に関する。
従来、地震から建造物を護る手段としては、建造物の堅牢化を図る所謂耐震工法が取られていた。これは、例えば建造物の柱の強化を図ることによって耐震効果を奏させるもの(例えば、特許文献1参照。)。或いは、土台の強化を図るもの(例えば、特許文献2。)などがある。
特開平10−219882号公報
特開平08−284465号公報 上述したような耐震工法の場合、建造物全体または土台全体の剛性を強化するものであるため、大掛かりな工事となって費用が嵩むばかりでなく、剛性であることからの脆さが伴い、小規模または中規模の地震に対しては有効であるが、建造物全体的強度のバランスで成り立っているため、このような部分的な補強であると、大地震に際してはどの程度持ちこたえることができるかはなかなか予測できないものである。
また、最近は建造物の強化を図るような剛的対処ではなく、地震の震動を逃がしてやると言うような考え方の免震工法が採られるようになってきた。これは、地盤を改良するもの(例えば、特許文献3参照。)。或いは、ゴム製の防振部材で建造物を支持するようにしたもの(例えば、特許文献4参照。)などがある。
特開平10−292391号公報 特開平2001−311164号公報 上記したような免震工法の場合、地震の震動を逃がして建造物に出来るだけ伝わらないようにする工法であるため、大地震に際しても極めて有効的であると考えられる。然し乍、従来の免震工法は何れも大規模な工事を必要とするものであり、そのための費用は極めて高額化することを余儀なくされた。また、殆どの場合、施工規模も大きなものを対象とするため、例えば美術館の野外美術構築物、または一般家屋のような小規模住宅の地震対策用としては殆ど不適とされた。
このような問題を解決するために、本発明と同一出願人にして同一考案者の出願に係る特願2003−297813号「免震工法及び同工法に用いる免震用部材」がある。
これは、地表の表面にコンクリートを打設して形成した基礎床面上の所定箇所に、高硬度の材料で形成した免震用球体をその上面寄り部分を露出させた状態で自由回転自在に収容支持してなるカップ体に対して、当該免震用球体の頂面部に対して面接触させるための椀状曲面を中心部に形成すると共に、当該免震用球体の頂面部に対して点接触させるための緩やかに下る緩傾斜面が、上記椀状曲面から矩形状周縁に亘るような下面形状を具えた矩形状耐震板単体を、上記基礎床面の上面に対して、免震用球体を椀状曲面に面接触させた状態で対向させて載置することに依って1単位の免震用部材を構成するようにしたものである。
上記した「特願2003−297813号」に係る「免震工法及び同工法に用いる免震用部材」の場合、耐震板単体を所要箇所に取り付けるための枠組みを必要とするものである。 そして、当該枠組みは、通常は長尺なH型鋼で組む必要があるため、これに要する費用が馬鹿にならず、必然的に全体のコスト高を招くばかりでなく、その輸送、保管、組立て作業等において顕著な煩雑性が伴うことを余儀なくされた。
本発明は、このような従来の問題を解決し、極めて低コストにして、かつ簡単な作業で免震機能が得られるようにした新規の免震工法及び同工法に用いる免震用部材を提供するものである。
本発明に係る工法は、 築物建造対象とする土地は堅牢にしてかつ平坦状に形成することにより基礎床面Bとし、高硬度の材料で形成した免震用球体5を回転自在に収装して成る免震制御用部材Cを、当該基礎床面Bの所要箇所に固定し、閉鎖面1aを有する平面正方形状を呈する免震面形成用枡状枠体1を、所要枚数前後左右に連結することにより構築用土台Aを形成し、当該築用土台Aは上記した基礎床面B上に位置させると共に、上記した夫々の免震用球体5を、構築用土台Aを構成する枡状枠体1中、これと対応する枡状枠体の閉鎖面中心に位置させることにより、地震が発生した際の基礎床面Bの揺れ動きが、枡状枠体1の閉鎖面1aに対する当該免震用球体5の転動により吸収されるように連係させ、更に、構築用土台Aの上面に補強用モルタル等を充填することに依りその上面全体を平坦化された構築用面とし、当該構築用面に対して所要の構築物を建設するようにした免震工法に係る。
そして、本発明に係る工法の実施態様として下記するものがあげられる。
上記した枡状枠体1として、閉鎖面1aを平板状に形成した枡状枠体1を用いた免震用工法。
上記した枡状枠体1として、免震用球体5の頂面部分を回転自在に受け入れるための円孔1bを中心部に開設して成る閉鎖面1aを具えた枡状枠体1を用いることによって、地震が発生して基礎床面Bの揺れ動きが一定の範囲を超えた際に、当該免震用球体5が円孔1bから離脱しその外方向に転移させられるように連係させるようにした免震工法。
上記した枡状枠体1として、免震用球体5の頂面部分を回転自在に受け入れるために中心を最深部とする上向き弧状面として成る閉鎖面1aを具えた枡状枠体1を用いることによって、地震が発生して基礎床面Bの揺れ動きが一定の範囲を超えた際に、当該免震用球体5が当該閉鎖面1aに沿ってその外方向に転移させられるように連係させた免震工法。
上記した枡状枠体1として、免震用球体5の頂面部分を回転自在に受け入れるために中心を最深部とする上向き弧状面として成る閉鎖面1aを具えた枡状枠体1を用い、かつ、当該最深部の位置に下向き椀状部分を設けることによって、地震が発生して基礎床面Bの揺れ動きが一定の範囲を超えた際に、当該免震用球体5が椀状部分1dから離脱しその外方向に転移させられるように連係させた免震工法。
免震用球体5に接触させるための枡状枠体1は、その閉鎖面1aを下側に位置させ、他の枡状枠体1は、基本的にはその閉鎖面1aを上側に位置させた状態で連結して構築用土台Aを形成するようにした免震用工法。
構築用土台A側と基礎床面B側とを伸縮自在に連結することにより、地震発生時における構築用土台A側と基礎床面B側との間のずれ動き距離の制限を行うための手段を具えた免震用工法。
地震発生時における構築用土台A側と基礎床面B側との間のずれ動き距離の制限を行うための手段として、スプリング6、または、ワイヤーロープ、若しくはスプリングとワイヤーロープの併設に基づくようにした免震用工法。
また、本発明に係る免震用部材は、平面正方形状を呈すると共に一方の面を閉鎖面1aとする容体状に形成すると共に、当該閉鎖面1aの中心位置には下記する免震用球体5の頂面部分を回転自在に連係させるようにした免震面形成用枡状枠体1と、高硬度の材料で形成した免震用球体5を回転自在に収装して成りかつ基礎床面Bの所要箇所に固定するための免震制御用部材Cとから成り、当該枡状枠体1は複数のものを、その閉鎖面1aの上下向きに係わり無く互いに前後左右に連結可能とするように構成した免震用部材に係るものである。
そして、本発明に係る工法の実施態様として下記するものがあげられる。
枡状枠体1として、その閉鎖面1aを平板状に形成した枡状枠体1とするように構成した免震用部材。
枡状枠体1として、免震用球体5の頂面部分を回転自在に受け入れるための円孔1bを中心部に開設して成る閉鎖面1aを具えた枡状枠体1とするように構成した免震用部材。
枡状枠体1として、免震用球体5の頂面部分を回転自在に受け入れるために中心を最深部とする上向き弧状面として成る閉鎖面1aを具えた枡状枠体1とするように構成した免震用部材。
枡状枠体1として、免震用球体5の頂面部分を回転自在に受け入れるために中心を最深部とする上向き弧状面として成る閉鎖面1aを具え、かつ、当該最深部の位置に下向き椀状部分を設けた枡状枠体1とするように構成した免震用部材。
本発明は、上記のような構成に基づき、既述したような従来の問題を解決したものである。
本発明に係る工法は、請求項1に記載のような構成を採ることにより、既述したような作用に基づき良好なる免震効果を発揮することとなる。 従って、本発明はあらゆる構築物に対する免震工法として卓越した効果を奏するが、特に本発明に係る工法は廉価にして施工期間をそれほど要しないため、美術館の野外美術構築物、または一般家屋のような小規模住宅の地震対策用として最適なものとする。 また、本発明にあっては、無動力にして極めてシンプルな形態なものとし、例えば感震センサー、油圧ダンパー、伸縮作動機のような機械器具は一切組み込まない形態としてあるから、器具関係に起因する故障や機能不全を招いたり、特別のメンテナンスを必要としたりすることがない。 そして、構築用土台Aは従来のように長尺材であるH型鋼等を使用することなく、同一部材である免震面形成用枡状枠体1の所要枚数による連結に基づき形成されるようにしたから、組立作業容易化、使用部材の輸送及び管理が著しく簡便化される。
そして本発明に係る工法は、地震発生時における構築用土台A側と基礎床面B側との間のずれ動き距離の制限を行うための手段を施すことにより、万一、設定以上の強い地震が生じた際にあっても、免震面形成用枡状枠体1の板面から免震用球体5が外れてしまうと言うような事態発生を未然に防止する。 従って、免震作動の安全性が著しく高められる。
また、本発明に係る免震用部材は、請求項11に記載のように、平面正方形状を呈すると共に一方の面を閉鎖面1aとする容体状に形成すると共に、当該閉鎖面1aの中心位置には下記する免震用球体5の頂面部分を回転自在に連係させるようにした免震面形成用枡状枠体1と、高硬度の材料で形成した免震用球体5を回転自在に収装して成りかつ基礎床面Bの所要箇所に固定するための免震制御用部材Cとから成り、当該枡状枠体1は複数のものを、その閉鎖面1aの上下の向きに係わり無く互いに前後左右に連結可能とするように構成したから、請求項1に記載の免震工法の実施が可能化されることとなる。 そして、本発明はこのような各部材の組合せで構成されているため、免震工法の取り入れた構築作業が極めて簡便かつ容易に果たされることとなると同時に、部材の保管、輸送、並びに設置の作業が、その小型性かつ軽量性に基づき極めて容易かつ迅速に果たされる。
そして、免震面形成用枡状枠体1は、これと対応しかつ下面を閉鎖面1aとするように位置させた枡状枠体1の円孔1bまたは椀状部分1dに対してその頂面部分を回転自在に係合させることにより、当該係合の解消震度を例えば、震度4とするような寸法的条件の設定を行うことにより、震度1乃至震度3程度の殆ど実害の無い震度で免震作用が働いてしまうと言うような問題は、全く解消されることとなる。 すなわち、低震度の地震発生、または暴風時の強風が建造物に及んだ際に、免震作用が働いてしまった場合、その都度、上記係合の復元というような作業を必要とするため、顕著な煩雑性が生じるが、本発明にあっては、例えば破壊または倒壊事故等の危険が生じる程度の強さの地震が発生するまでは、免震作用が奏されることが防止されると言うような、振動強さの段階的設定を可能とするため、このような問題が生じることがない。
本発明に係る工法は下記のとおりである。
築物建造対象とする土地は堅牢にしてかつ平坦状に形成することにより基礎床面Bとし、高硬度の材料で形成した免震用球体5を回転自在に収装して成る免震制御用部材Cを当該基礎床面Bの所要箇所に固定する。
閉鎖面1aを有する平面正方形状を呈する免震面形成用枡状枠体1を、所要枚数前後左右に連結することにより構築用土台Aを形成する。
当該築用土台Aは上記した基礎床面B上に位置させると共に、上記した夫々の免震用球体5を、構築用土台Aを構成する枡状枠体1中、これと対応する枡状枠体の閉鎖面中心に位置させることにより、地震が発生した際の基礎床面Bの揺れ動きが、枡状枠体1の閉鎖面1aに対する当該免震用球体5の転動により吸収されるように連係させる。
当該構築用土台Aの上面に補強用モルタル等を充填することに依りその上面全体を平坦化された構築用面とし、当該構築用面に対して所要の構築物を建設するようにする。
また、本発明に係る免震用部材は下記のような構成を具えたものである。
図7及び図8は本発明の要旨部材たる免震面を形成するための枡状枠体1の基本形態を表したものである。
すなわち、基本形態とする枡状枠体1は、平面正方形状を呈すると共に一方の面を閉鎖面1aとする容体状に形成すると共に、当該閉鎖面1aの中心位置には、後述する免震用球体5の頂面部分を回転自在に位置させるように構成してある。
そして、当該枡状枠体1を所要数前後左右に連結することによって、免震機能を具えた構築用土台Aを構成するようにしたものである。
なお、当該枡状枠体1は、一枚の金属板材からプレス成形するものであるが、これ以外の手段で形成したものを用いても良い。 そして、その大きさは、1辺90センチの正方形にして高さ27センチの大きさを原則とするが、これに限定されるものではない。 すなわち、当該枡状枠体1の大きさは、免震機能を具えた構築用土台Aの広さに応じて適宜なもので可とする。 そして、これを正方形に形成することを、一応の原則とするものであるが、構築用土台Aの形状によっては長方形状のものを採用することもできる。
また、上記枡状枠体1は、その側面部に所要数の貫通孔1cが穿設してある。 そして図1、図6、図11に例示すように、当該貫通孔1cを利用してボルトナット2を介して所要数の枡状枠体1を前後左右に連結するように構成してある。 更に、当該枡状枠体1は、後述する免震用球体5と対応させる部位のものは閉鎖面1aを下にした状態で用いることを原則とする。 然し乍、他の部位あるものは閉鎖面1aを上にした状態で用いても良い。 この事柄に関しては後で詳述する。
図4は本発明の要旨部材たる免震面を形成するための枡状枠体1の第2実施形態を表したものである。 以下、第2形態に係る枡状枠体1を用いた実施例に関して説明する。
すなわち、第2実施形態に係る枡状枠体1は、その閉鎖面1aの中心位置に後述する免震用球体5の頂面部分を回転自在に受け入れるための円孔1bを開設してある。
Bは地表の表面にコンクリートを打設して形成した基礎床面であって、構築物建造対象とする土地の表面にコンクリートの打設に基づき堅牢にしてかつ平坦状に形成したものである。 そして当該コンクリートの打設は鉄筋等を縦横に張り巡らすことにより地盤強化を図ることが好ましい。
Cは免震制御用部材であって、上記基礎床面Bの所定箇所に所要数確固に固定したカップ体3内に緩衝用スプリング4を介して、鋼材等高硬度の材料で形成した免震用球体5を回転自在に収装して成る構成を具えたものである。
そして、当該免震制御用部材Cはその免震用球体5を介して、前述したように枡状枠体1を所要数前後左右に連結して構成した構築用土台Aを支持するためのものである。 従って、当該免震制御用部材Cは構築用土台Aを水平状態で支持可能とするだけの数を、基礎床面Bの所定箇所に予め配置固定しておくものとする。 そして、夫々の免震用球体5は、構築用土台Aを構成する枡状枠体1中、これと対応する枡状枠体1の円孔1bに対してその頂面部分を回転自在に係合させるように構成してある。
上記した枡状枠体1であるが、これは、基礎床面Bの上面に対して、通常状態においては、免震用球体5をその中心である円孔1b部分に係止させることにより、両者の接触性が図られるように構成してある。 そして、この状態においては、両者は互いに摺動不能な係合固定化状態に保たれている。 然し乍、地震が発生して基礎床面Bの揺れ動きが一定の範囲を超えた場合は、当該免震用球体5は円孔1bから離脱しその外方向に転移させられる。
これにより枡状枠体1の閉鎖面1a部分での免震用球体5を介しての点的な接触が図られ、基礎床面B側に生じる地震の揺れは、枡状枠体1側(構築用土台A側)にはその点的接触に基づいて緩和させて伝えられ、これにより良好な免震作用が奏されるように構成してある。
すなわち、枡状枠体1側は基礎床面B側に対して球体5を回転子として互いに自由動自在とするような点的接触状態で対向載置されることとなり、免震用球体5の振幅的な相対的移動に基づき、枡状枠体1側、すなわち、構築用土台A側の振動吸収という免震作用が発揮されるように構成してある。
ところで、記録上、最大地震の振幅数値は左右に夫々28.5センチメートル程度であることが実際に観測されている。 従って、耐震板単体1の幅を60センチメートル以上に設定することにより、観測上の最大地震が発生しても、枡状枠体1が震用球体5から離脱してしまうことが阻止される。
そして、枡状枠体1の中心に開設した円孔1bに対して免震用球体5を位置させての両者の係合的接触であるが、これは、所定の震度の地震発生までは保持されるように設定することが重要である。 すなわち、震度1または3程度の地震にあっては、その震動による被害は殆ど生じないため両者は係合的接触を保ち、そして、これ以上の強い地震が発生した際には当該接触が解消され、上記したような点的接触に移行して免震作用が奏されるようにすることが重要である
そして、このような事柄の実行は、具体的には、免震用球体5の直径及び円孔1bの口径等の設定に基づき達成されるものであるが、これらの数値は免震構造とする構築物の大きさ及びその重量等によって異なるため、これは、実際の設計時に計算によって求めるものである。
なお、免震機能が働いた後の復元は、免震用球体5が支点となりその回転力に基づき、枡状枠体1の元位置復帰が容易に果たされる。
図9は本発明の要旨部材たる免震面を形成するための枡状枠体1の第3実施形態を表したものであり、これは、免震用球体5の頂面部分を回転自在に対応させるための手段として、その中心を最深部とする上向き弧状面とするようにした閉鎖面1aを具えた形態とするように構成したものである。
図10は本発明の要旨部材たる免震面を形成するための枡状枠体1の第4実施形態を表したものであり、これは、免震用球体5の頂面部分を回転自在に対応させるための手段として、その中心を最深部とする上向き弧状面とするようにした閉鎖面1aを具えた形態とするように構成すると共に、当該最深部の位置に下向き椀状部分1dを設けた形態とするように構成したものである。
結局、本発明の要旨部材たる枡状枠体1は、閉鎖面1aを平板状に形成したものを基本形態(図7参照)とし、免震用球体5の頂面部分を回転自在に受け入れるための円孔1bを閉鎖面1aの中心部分に開設したものを第2実施形態(図4参照)とし、閉鎖面1aの形態を免震用球体5の頂面部分を回転自在に受け入れるために中心を最深部とする上向き弧状面とするようにしたものを第3実施形態(図9参照)とし、このように形成した上向き弧状面の最深部の位置に下向き椀状部分1dを設けるようにしたものを第4実施形態(図10参照)とするものである。
ところで、構築用土台Aを構成するための枡状枠体1の連結形態であるが、既述したとおり、免震用球体5と対応する部分は閉鎖面1aを下とした状態で連結し、また、ストッパー部材Dと対応する部分は閉鎖面1aを上または下の何れの状態でも良いが、図示の実施例にあってはこれを下とした状態で連結し、他の部分はその上とするように連結することにより、すなわち、図2に示す実施例のように、閉鎖面1aの位置を適宜に上または下に配分することにより、すなわち互い違いとするようにして連結することにより、その連結形態の強度的向上化が図られることとなる。
図6は安全規制用ストッパー部材Dを表したものであって、当該ストッパー部材Dで基礎床面B側と基礎床面B側とを伸縮自在に連結することにより、地震発生時における両者間のずれ動き距離の制限を行うためのものである。 すなわち、当該ずれ動きが許容量以上となった場合、当該ストッパー部材Dのスプリング6が一杯に伸張し、これ以上のずれ動きが阻止されるようにするためのものである。
同図において、8は基礎床面B側に設置したアンカー、9は基礎床面B側すなわち枡状枠体1に連結するための連結金具である。
そして、図6に示す実施例にあっては、上記したずれ動きの阻止が、スプリング6の伸張と共にワイヤー7を所定長さとすることによって規制されるように構成してある。 すなわち、図示の実施例にあってはスプリング6とワイヤー7との両者によりずれ動き距離の制限が行われるように構成してあるが、どちらか一方の規制に基づくように構成してもよい。
そして、上記した安全規制用ストッパー部材Dは、図2に示すように所要箇所に複数箇所設けることに依り、安全性の向上化が図られるわけであるが、少なくとも前後左右のずれ動きを規制する必要性から、このような手段は、最小限であっても四隅寄りの4ヶ所に設けることが要求される。
本発明は、免震を必要とする土地の上面全体に形成した基礎床面B上の所要箇所に免震用球体5を夫々定位置での自由回転自在に設けておく。 そして、当該基礎床面Bの上面に、所要数の枡状枠体1の連結で形成される構築用土台Aで被うと共に、上記免震用球体5をこれと対応する枡状枠体1の円孔1bに係合させて定位置停止を図る。 当該係止に基づき、当該構築用土台Aは既述したような作用に基づき免震作用が奏されるように構成される。
従って、構築用土台Aの上面に補強用モルタル等を充填することに依り、その上面全体を平坦化された構築用面を構成し、この上に所要の構築物を建設すれば、当該構築物には上記のような免震作用が働き、地震による被害を未然に防ぐことができる。すなわち、地震による地面の震動は、当該免震用球体5の作用に基づきこれを吸収し上面側の構築用土台Aには伝わることがないから、構築物に対する地震に依る被害発生を回避させることとなる。
本発明の要部を表した縦断面図である。 連結状態にある複数単位の枡状枠体を表した平面図である。 免震制御用部材Cを表した斜視図である。 閉鎖面1aを下にした状態にある本発明の要旨部材たる枡状枠体1の第2実施形態を表した斜視図である。 閉鎖面1aを上にした状態にある上記枡状枠体1を表した斜視図である。 安全規制用ストッパー部材Dを表した縦断面図である。 本発明における枡状枠体の基本形態を表した斜視図である。 上記基本形態の枡状枠体を表した縦断面図である。 本発明における枡状枠体の第3実施形態を表した縦断面図である。 本発明における枡状枠体の第4実施形態を表した縦断面図である。 上記第3実施例に係る枡状枠体を用いた場合の本発明の要部を表した縦断面図である。
符号の説明
A 構築用土台
1 枡状枠体
1a 閉鎖面
1b 円孔
1c 貫通孔
1d 椀状部分
2 ボルトナット
B 基礎床面
C 免震制御用部材
3 カップ体
4 弾性スプリング
5 免震用球体
D 安全規制用ストッパー部材
6 スプリング
7 ワイヤー
8 アンカー
9 金具









































Claims (15)

  1. 築物建造対象とする土地は堅牢にしてかつ平坦状に形成することにより基礎床面(B)とし、高硬度の材料で形成した免震用球体(5)を回転自在に収装して成る免震制御用部材(C)を、当該基礎床面(B)の所要箇所に固定し、
    閉鎖面(1a)を有する平面正方形状を呈する免震面形成用枡状枠体(1)を、所要枚数前後左右に連結することにより構築用土台(A)を形成し、
    当該築用土台(A)は上記した基礎床面(B)上に位置させると共に、上記した夫々の免震用球体(5)を、構築用土台(A)を構成する枡状枠体(1)中、これと対応する枡状枠体の閉鎖面中心に位置させることにより、地震が発生した際の基礎床面(B)の揺れ動きが、枡状枠体(1)の閉鎖面(1a)に対する当該免震用球体(5)の転動により吸収されるように連係させ、
    更に、構築用土台(A)の上面に補強用モルタル等を充填することに依りその上面全体を平坦化された構築用面とし、当該構築用面に対して所要の構築物を建設するようにした免震工法。
  2. 枡状枠体(1)として、閉鎖面(1a)を平板状に形成した枡状枠体(1)を用いて成る請求項1に記載の免震用工法。
  3. 枡状枠体(1)として、免震用球体(5)の頂面部分を回転自在に受け入れるための円孔(1b)を中心部に開設して成る閉鎖面(1a)を具えた枡状枠体(1)を用いることによって、地震が発生して基礎床面(B)の揺れ動きが一定の範囲を超えた際に、当該免震用球体(5)が円孔(1b)から離脱しその外方向に転移させられるように連係させた請求項1に記載の免震工法。
  4. 枡状枠体(1)として、免震用球体(5)の頂面部分を回転自在に受け入れるために中心を最深部とする上向き弧状面として成る閉鎖面(1a)を具えた枡状枠体(1)を用いることによって、地震が発生して基礎床面(B)の揺れ動きが一定の範囲を超えた際に、当該免震用球体(5)が当該閉鎖面(1a)に沿ってその外方向に転移させられるように連係させた請求項1に記載の免震工法。
  5. 枡状枠体(1)として、免震用球体(5)の頂面部分を回転自在に受け入れるために中心を最深部とする上向き弧状面として成る閉鎖面(1a)を具えた枡状枠体(1)を用い、かつ、当該最深部の位置に下向き椀状部分(1d)を設けることによって、地震が発生して基礎床面(B)の揺れ動きが一定の範囲を超えた際に、当該免震用球体(5)が椀状部分から離脱しその外方向に転移させられるように連係させた請求項1に記載の免震工法。
  6. 免震用球体(5)に接触させるための枡状枠体(1)は、その閉鎖面(1a)を下側に位置させ、他の枡状枠体(1)は、基本的にはその閉鎖面(1a)を上側に位置させた状態で連結して構築用土台(A)を形成するようにした請求項1乃至請求項5の何れかに記載の免震用工法。
  7. 構築用土台(A)側と基礎床面(B)側とを伸縮自在に連結することにより、地震発生時における構築用土台(A)側と基礎床面(B)側との間のずれ動き距離の制限を行うための手段を具えた請求項1乃至請求項6の何れかに記載の免震用工法。
  8. 地震発生時における構築用土台(A)側と基礎床面(B)側との間のずれ動き距離の制限を行うための手段として、スプリング(6)を用いるようにした請求項1乃至請求項7の何れかに記載の免震用工法。
  9. 地震発生時における構築用土台(A)側と基礎床面(B)側との間のずれ動き距離の制限を行うための手段として、ワイヤーロープ、若しくは、強力な鋼線スプリングを内包することによってある程度の伸縮性を備えた鋼索製ロープワイヤーロープで連結するようにした請求項1乃至請求項7の何れかに記載の免震用工法
  10. 地震発生時における構築用土台(A)側と基礎床面(B)側との間のずれ動き距離の制限を行うための手段として、スプリング(6)と、ワイヤーロープとの併設に依存するようにした請求項1乃至請求項8の何れかに記載の免震用工法。
  11. 平面正方形状を呈すると共に一方の面を閉鎖面(1a)とする容体状に形成すると共に、当該閉鎖面(1a)の中心位置には下記する免震用球体(5)の頂面部分を回転自在に連係させるようにした免震面形成用枡状枠体(1)と、
    高硬度の材料で形成した免震用球体(5)を回転自在に収装して成りかつ基礎床面(B)の所要箇所に固定するための免震制御用部材(C)とから成り、
    当該枡状枠体(1)は複数のものを、その閉鎖面(1a)の上下向きに係わり無く互いに前後左右に連結可能とするように構成した免震用部材。
  12. 枡状枠体(1)として、その閉鎖面(1a)を平板状に形成した枡状枠体(1)とするように構成した請求項11に記載の免震用部材。
  13. 枡状枠体(1)として、免震用球体(5)の頂面部分を回転自在に受け入れるための円孔(1b)を中心部に開設して成る閉鎖面(1a)を具えた枡状枠体(1)とするように構成した請求項11に記載の免震用部材。
  14. 枡状枠体(1)として、免震用球体(5)の頂面部分を回転自在に受け入れるために中心を最深部とする上向き弧状面として成る閉鎖面(1a)を具えた枡状枠体(1)とするように構成した請求項11に記載の免震用部材。
  15. 枡状枠体(1)として、免震用球体(5)の頂面部分を回転自在に受け入れるために中心を最深部とする上向き弧状面として成る閉鎖面(1a)を具え、かつ、当該最深部の位置に下向き椀状部分を設けた枡状枠体(1)とするように構成した請求項11に記載の免震用部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106948642A (zh) * 2017-04-05 2017-07-14 中国人民解放军61489部队 坑道内大型框架结构的离壁式隔震结构及方法
JP2017145674A (ja) * 2016-02-15 2017-08-24 株式会社金澤製作所 免震フリーアクセスフロア
CN110965592A (zh) * 2019-11-11 2020-04-07 黑龙江省地震办公室 一种基于万向球的隔震方法及系统

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