JP2006118288A - 免震用工法および同工法に用いる免震用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震発生時に、建築された建築物または構築物、あるいは、室内に設置する美術品またはコンピュータ等に対する地震振動の著しい緩和を図るための免震工法及び同工法に用いる免震用部材の提供を図る。
【解決手段】地震が直接伝わる基礎床面は平坦状に形成すると共に、当該基礎床面の上面側に、平面矩形状を呈する免震面形成用基盤2を所要枚数前後左右に連結することにより所要面積に形成した免震用土台を位置させ、高硬度の材料で形成した免震用球体4を下端部に回転自在に設けて成る免震制御用部材Aを、当該免震面形成用基盤1の中心部に垂下固定し、当該免震用球体4は基礎床面に転動自在に接し、免震用土台に対する免震作用が奏されるようになし、更に、当該免震用面は、上記免震面形成用基盤2の連結に基づき形成される上面全体は平坦化することにより、所要の要免震対象物を載置または設置できるようにした免震工法。
【選択図】図1

Description

本発明は地震発生時に、建築された建築物または構築物、あるいは、室内に設置する美術品またはコンピュータ等に対する地震振動の著しい緩和を図るための免震工法及び同工法に用いる免震用部材に関する。
従来、地震から例えば建造物等を護る手段としては、建造物の堅牢化を図る所謂耐震工法が取られていた。これは、例えば建造物の柱の強化を図ることによって耐震効果を奏させるもの(例えば、特許文献1参照。)。或いは、土台の強化を図るもの(例えば、特許文献2。)などがある。
特開平10−219882号公報 特開平08−284465号公報
上述したような耐震工法の場合、建造物全体または土台全体の剛性を強化するものであるため、大掛かりな工事となって費用が嵩むばかりでなく、剛性であることからの脆さが伴い、小規模または中規模の地震に対しては有効であるが、建造物の全体的強度のバランスで成り立っているため、このような部分的な補強であると、大地震に際してはどの程度持ちこたえることができるかはなかなか予測できないものである。
また、最近は建造物の強化を図るような剛的対処ではなく、地震の震動を逃がしてやると言うような考え方の免震工法が採られるようになってきた。これは、地盤を改良するもの(例えば、特許文献3参照。)。或いは、ゴム製の防振部材で建造物を支持するようにしたもの(例えば、特許文献4参照。)などがある。
特開平10−292391号公報 特開平2001−311164号公報
上記したような免震工法の場合、地震の震動を逃がして建造物に出来るだけ伝わらないようにする工法であるため、大地震に際しても極めて有効的であると考えられる。然し乍、従来の免震工法は何れも大規模な工事を必要とするものであり、そのための費用は極めて高額化することを余儀なくされた。また、殆どの場合、施工規模も大きなものを対象とするため、例えば美術館の野外美術構築物、または一般家屋のような小規模住宅の地震対策用としては殆ど不適とされた。
このような問題を解決するために、本発明と同一出願人にして同一発明者の出願に係る特願2003−297813号「免震工法及び同工法に用いる免震用部材」がある。(特許文献5参照。)
これは、地表の表面にコンクリートを打設して形成した基礎床面上の所定箇所に、高硬度の材料で形成した免震用球体をその上面寄り部分を露出させた状態で自由回転自在に収容支持してなるカップ体に対して、当該免震用球体の頂面部に対して面接触させるための椀状曲面を中心部に形成すると共に、当該免震用球体の頂面部に対して点接触させるための緩やかに下る緩傾斜面が、上記椀状曲面から矩形状周縁に亘るような下面形状を具えた矩形状耐震板単体を、上記基礎床面の上面に対して、免震用球体を椀状曲面に面接触させた状態で対向させて載置することに依って1単位の免震用部材を構成するようにしたものである。
特願平2003−297813号公報
更に、本発明と同一出願人にして同一発明者の出願に係る特願2004−66318号「免震工法及び同工法に用いる免震用部材」がある。(特許文献6参照。) これは、築物建造対象とする土地は堅牢にしてかつ平坦状に形成することにより基礎床面とし、高硬度の材料で形成した免震用球体を回転自在に収装して成る免震制御用部材を、当該基礎床面の所要箇所に固定し、 閉鎖面を有する平面正方形状を呈する免震面形成用枡状枠体を、所要枚数前後左右に連結することにより構築用土台面を形成し、当該築用土台は上記した基礎床面上に位置させると共に、上記した夫々の免震用球体を、構築用土台を構成する枡状枠体中、これと対応する枡状枠体の閉鎖面中心に位置させることにより、地震が発生した際の基礎床面の揺れ動きが、枡状枠体の閉鎖面に対する当該免震用球体の転動により吸収されるように連係させるように構成したものであつた。
特願平2004−66318号公報
上記した「特願2003−297813号」に係る「免震工法及び同工法に用いる免震用部材」(特許文献5参照)の場合、耐震板単体を所要箇所に取り付けるための枠組みを必要とするものである。 そして、当該枠組は、通常は長尺なH型鋼で組む必要があるため、これに要する費用が馬鹿にならず、必然的に全体のコスト高を招くばかりでなく、その輸送、保管、組立て作業等において顕著な煩雑性が伴うことを余儀なくされた。
上記した「特願2004−66318号」に係る「免震工法及び同工法に用いる免震用部材」(特許文献6参照)の場合は、上記した輸送・保管・組立て作業等における問題は解消される。
然し乍、上記した特許文献5および特許文献6に記載されたものは、免震用球体を地面に接する側の基礎床面に設け、当該基礎床面の上面に対向させた免震作用が奏される構築用土台面側に、当該免震用球体を転動させるための免震用面を形成するように構成したものであるため、すなわち、免震用球体の取り付けは基礎床面側にあるため、その取り付けのための堅牢性確保は容易であるが、当該免震用球体を受ける側は、浮かされて支持される構築用土台面の下面で当該免震用球体を受けるため、すなわち、球体による局部的な圧力を受け止めるため、これの堅牢性確保には、肉厚鋼板を用いるか或いは鉄筋コンクリート等による堅牢面とするような強固性を図る必要がある。
更に、当該基礎床面とこれの上方に対向させた構築用土台面との、激震時の離脱を防止するための手段としてスプリングの連結に依存しているが、地震終了時の元位置復帰の不安定性というような問題があつた。
また、油圧シリンダーのような動力的手段に依存したものの場合は、製造コストの高騰性と保守管理の煩雑性というような問題が伴った。
本発明は、このような従来の問題を解決し、極めて低コストにして、安定した免震機能が得られるようにすると共に、地上に施工して建物に対する免震作用を奏させる以外に、室内等に施工して美術品、コンピュータ等に対する地震による被害回避にも最適とするようにした新規の免震工法及び同工法に用いる免震用部材を提供するものである。
本発明に係る工法は、地震が直接伝わる基礎床面は平坦状に形成すると共に、当該基礎床面の上面側に、平面矩形状を呈する免震面形成用基盤2を所要枚数前後左右に連結することにより所要面積に形成した免震用土台を位置させ、高硬度の材料で形成した免震用球体5を下端部に回転自在に設けて成る免震制御用部材Aを、当該免震面形成用基盤1の中心部に垂下固定し、当該免震用球体5は基礎床面に転動自在に接しさせることによって、地震が発生した際の当該基礎床面の揺れ動きが、当該免震用球体5の転動により吸収されて、複数の免震面形成用基盤2の連結によって形成される免震用土台に対する免震作用が奏されるようになし、更に、当該免震用面は、上記免震面形成用基盤2の連結に基づき形成される上面全体を平坦化することにより、所要の要免震対象物を載置または設置できるようにした免震工法に係るものである。
そして、本発明に係る免震部材は、矩形状を呈する基礎面形成盤1と、当該基礎面形成盤1の上面に対向させるための免震面形成用基盤2とから成り、当該免震面形成用基盤2を前記基礎面形成盤1上に支持するために、当該免震面形成用基盤2の中心部に垂設した、下端に免震用球体4を自由回転自在に収装した免震制御用部材Aを具え、上記基礎面形成盤1と上記免震面形成用基盤2とを弾力的なる相互連結を図るために各隅角部にそれぞれ取り付けた復元用スプリング部材Bを具え、以上の構成を具えた免震部材を1単位とするように構成した免震用部材に係るものである。
そして、本発明に係る免震部材は、次のような構成を実施の態様とするものである。
請求項3に記載のように、一枚の金属板材から枡状枠体にプレス成形すると共に、その内部に補強材2aを充填するように構成した免震面形成用基盤2を用いた請求項2に記載の免震用部材。
請求項4に記載のように、免震面形成用基盤2は、平面正方形状を呈し、所要枚数を前後左右に連結することにより免震機能を具えた構築用土台が形成されるように構成した請求項2または請求項3に記載の免震用部材。
請求項5に記載のように、免震制御用部材Aとして、免震面形成用基盤2の中心部に下端を開口面とする鞘金具3を垂設し、下端に鋼材等高硬度の材料で形成した免震用球体4を自由回転自在に収装した脚体5を、上記鞘金具3内に対してその下端開口面から、圧縮バネ6を介在させて上下動可能に嵌入するように構成したものとして成る請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の免震用部材。
請求項6に記載のように、復元用スプリング部材Bとして、上端に自在球7aを回転自在に取り付けた上筒7と、下端に自在球8aを回転自在に取り付けた下筒8とを、伸縮自在に嵌合させると共に、当該上位の自在球7aと下位の自在球8aとの間を伸縮バネ9で連結するように構成したものとして成る請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の免震用部材。
請求項7に記載のように、基礎面形成用基盤1として、その上面を緩やかな椀状弧状面とするように構成したものを用いて成る請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の免震用部材。
更に、本発明は請求項8に記載のように、矩形状を呈する基礎面形成盤1と、当該基礎面形成盤1の上面に対向させるための免震面形成用基盤2とから成り、基礎面形成盤1の地震による振動が、免震面形成用基盤2側に伝わらないような手段を設けるように構成した免震部材に於いて、
当該基礎面形成盤1と免震面形成用基盤2とを、上端に自在球7aを回転自在に取り付けた上筒7と、下端に自在球8aを回転自在に取り付けた下筒8とを、伸縮自在に嵌合させると共に、当該上位の自在球7aと下位の自在球8aとの間を伸縮バネ9で連結するように構成した復元用スプリング部材Bを介して連結することにより、基礎面形成用基盤1と免震面形成用基盤2の離脱が阻止されると共に、地震により両盤の変位に基づき伸縮バネ9に蓄えられた反発力が、地震が治まった際の基礎面形成用基盤1と免震面形成用基盤2を元位置復帰させる力として働くように構成した免震部材も実施の対象とするものである。
本発明は、上記のような構成に基づき、既述したような従来の問題を解決したものである。
本発明に係る工法は、請求項1に記載のような構成を採ることにより、良好なる免震効果を発揮することとなる。 従って、本発明はあらゆる構築物に対する免震工法として卓越した効果を奏するが、特に本発明に係る工法は廉価にして施工期間をそれほど要しないため、美術館の野外美術構築物、または一般家屋のような小規模住宅の地震対策用として最適なものとするばかりでなく、室内載置の美術品、コンピュータの保護のための免震用としてその利用価値は高い。 また、本発明にあっては、無動力にして極めてシンプルな形態なものとし、例えば感震センサー、油圧ダンパー、伸縮作動機のような機械器具は一切組み込まない形態としてあるから、当該器具関係に起因する故障や機能不全を招いたり、特別のメンテナンスを必要としたりすることがない。
また、本発明に係る免震用部材は、請求項2に記載のような構成を採ることにより、
請求項1に記載の免震工法の実施が可能化されることとなると共に、本発明はこのような各部材の組合せで構成されているため、免震工法の取り入れた構築作業が極めて簡便かつ容易に果たされることとなると同時に、部材の保管、輸送、並びに設置の作業が、その小型性かつ軽量性に基づき極めて容易かつ迅速に果たされる。
また、本発明は請求項8に記載のような構成、すなわち、矩形状を呈する基礎面形成盤1と、当該基礎面形成盤1の上面に対向させるための免震面形成用基盤2とから成り、基礎面形成盤1の地震による振動が、免震面形成用基盤2側に伝わらないような手段を設けるように構成した免震部材に於いて、当該基礎面形成盤1と免震面形成用基盤2とを、上端に自在球7aを回転自在に取り付けた上筒7と、下端に自在球8aを回転自在に取り付けた下筒8とを、伸縮自在に嵌合させると共に、当該上位の自在球7aと下位の自在球8aとの間を伸縮バネ9で連結するように構成した復元用スプリング部材Bを介して連結することにより、基礎面形成用基盤1と免震面形成用基盤2の離脱が阻止されると共に、地震により両盤の変位に基づき伸縮バネ9に蓄えられた反発力が、地震が治まった際の基礎面形成用基盤1と免震面形成用基盤2を元位置復帰させる力として働くように構成したから、このような形態の免震部材における基礎面形成盤1と免震面形成用基盤2の相互の連係作動がスムースに行われ、両者の離脱阻止および元位置復帰が無動力的に達成される。
本発明に係る工法は下記のとおりである。
地震が直接伝わる基礎床面は平坦状に形成すると共に、当該基礎床面の上面側に、平面矩形状を呈する免震面形成用基盤2を所要枚数前後左右に連結することにより所要面積に形成した免震用土台を位置させる。
高硬度の材料で形成した免震用球体5を下端部に回転自在に設けて成る免震制御用部材Aを、当該免震面形成用基盤1の中心部に垂下固定する。
当該免震用球体5は基礎床面に転動自在に接しさせることによって、地震が発生した際の当該基礎床面の揺れ動きが、当該免震用球体5の転動により吸収されて、複数の免震面形成用基盤2の連結によって形成される免震用土台に対する免震作用が奏されるように構成する。
そして、当該免震用面は、上記免震面形成用基盤2の連結に基づき形成される上面全体は平坦化することにより、所要の要免震対象物を載置または設置できるように構成するものである。
また、本発明に係る免震用部材は下記のような構成を具えたものである。
図1および図2は本発明に係る免震部材の1単位を表したものであり、本発明に係る免震部材は、例えば図6に示すように、これを前後左右に複数単位連結することにより所定面積の免震用土台を得るようにしたものである。
そして、1単位の免震部材は、矩形状を呈する基礎面形成盤1と、当該基礎面形成盤1の上面に対向させるための免震面形成用基盤2と、当該免震面形成用基盤2を前記基礎面形成盤1上に支持するために、当該免震面形成用基盤2の中心部に垂設した免震制御用部材Aと、このような基礎面形成盤1と免震面形成用基盤2とを弾力的なる相互連結を図るために各隅角部にそれぞれ取り付けた復元用スプリング部材Bとから成るものである。
上記した免震面形成用基盤2は、平面矩形状、好ましくは平面正方形状を呈するものである。 そして、当該免震面形成用基盤2は、所要枚数を前後左右に連結することによって、免震機能を具えた構築用土台を構成するようにしたものである。
なお、図示した免震面形成用基盤2は、一枚の金属板材から枡状枠体にプレス成形すると共に、その内部に補強材2aを充填するように構成してある。 然し乍、これ以外の手段、例えば一枚の鋼板状に形成したものを用いても良い。 そして、その大きさは、1辺90センチの正方形にして高さ27センチの大きさを原則とするが、これに限定されるものではない。 すなわち、当該免震面形成用基盤2の大きさは、免震機能を具えた免震用土台の広さに応じて適宜な形態で可とする。 そして、これを正方形に形成することを、一応の原則とするものであるが、構築用土台の形状によっては長方形状のものを採用することもできる。
また、上記した免震面形成用基盤2は、その側面部に所要数の貫通孔(図示してない)を穿設し、これを利用してボルト・ナット等による相互連結を図るようにすることが好ましい。
更に、上記した免震面形成用基盤2と対向させるための基礎面形成盤1であるが、図示の実施例にあっては、当該免震面形成用基盤2と等大の鋼板等の板材で形成してある。 然し乍、これを図示のような板材とすることなく、免震面形成用基盤2と同じような枡状枠体ものを用いるように構成しても良い。 何れにせよ、当該基礎面形成盤1は地震が直接伝わるような形態で取り付けるものであるため、その振動により変形しない程度の堅牢性を備えたものとする必要がある。
前記した免震制御用部材Aであるが、これは免震面形成用基盤2の中心部に下端を開口面とする鞘金具3を垂設し、下端に鋼材等高硬度の材料で形成した免震用球体4を自由回転自在に収装した脚体5を、上記鞘金具3内に対してその下端開口面から、圧縮バネ6を介在させて上下動可能に嵌入するように構成したものである。 そして、当該免震用球体4は、上記した基礎面形成盤1の上面に対して転動可能に接触させ、これにより免震面形成用基盤2が当該基礎面形成盤1上に対向状態で置かれるように構成してある。
前述した復元用スプリング部材Bであるが、これは、上端に自在球7aを回転自在に取り付けた上筒7と、下端に自在球8aを回転自在に取り付けた下筒8とを、伸縮自在に嵌合させると共に、当該上位の自在球7aと下位の自在球8aとの間を伸縮バネ9で連結して成るものである。
そして、上記したような構成を具えた復元用スプリング部材Bは、前述した免震面形成用基盤2の下面の四隅に対して、それぞれ上端の自在球7aにおいて固定連結すると共に、その下端の自在球8aを基礎面形成盤1の対応箇所に固定連結してある。 これにより、免震面形成用基盤2と基礎面形成盤1との間に位置的ずれが生じても、当該ずれ幅は、自在球7a,8aの回転に基づくスプリング部材B全体の傾斜化に基づき吸収される。 そして、この時、伸縮ばね9は引っ張られて弾性力が蓄えられ、これは地震が治まった後の免震面形成用基盤2に対する元位置復帰のための復元力として作用することとなる。
図6は上述したような構成を具えた免震部材を所要数用いて、所定の広さを具えた免震用土台を形成した状態を表したものである。 同図においては、形成される免震用土台の四隅と中央部に位置する部分に免震部材を配置し、これ以外の部分は免震制御用部材Aを具えていない単なる板材を用いて連結してある。 すなわち、本発明に係る免震部材の数は、形成する免震用土台の広さに比例してその使用数が増加するが、免震用土台を全て免震部材で構成する必要はなく、図6に示すように必要部分だけに配置するようにすればよい。 換言すれば、最小使用箇所としては四隅と中央部の計5箇所とされるものである。
本発明に係る免震用部材は、通常は図1に示すように、各免震面形成用基盤2に設けられている免震用制御部材Aの免震用球体5が、これと対向する基礎面形成用基盤1の中央部に転動可能に位置させた状態に保たれるように構成してある。 そして、このような中央位置での停止保持は、その四隅に取り付けた復元用スプリング部材Bにより行われるように構成してある。
そして、地震発生に基づき基礎面形成用基盤1が揺れ動いた際、当該基礎面形成用基盤1の揺れ動きは上記した免震用制御部材Aの免震用球体5を回転させる力として作用し、当該回転に基づき基礎面形成用基盤1の動きは、これと対向する免震面形成用基盤2を連動させる力としては作用せずに、単に免震用球体5を回転させる力として吸収され、免震面形成用基盤2は不動状態に保たれることとなる。(図3参照) 換言すると、地震発生に伴い、基礎面形成用基盤1の揺れ動きは、免震面形成用基盤2に対して相対的振動移動が成されるだけで、当該免震面形成用基盤2は静止状態に保たれることとなる。(図4に示すように、免震用球体5が基礎面形成用基盤1に対して、実線で示す位置から鎖線で示す位置への相対的移動が図られ、その移動は全て基礎面形成用基盤1が動くことに基づく。)
そして、地震発生に基づき上記したような相対的移動が成された際(図3参照)、復元用スプリング部材Bも図5に示すように垂直状態から斜状に変位してこれが引き伸ばされることとなる。 これにより、基礎面形成用基盤1と免震面形成用基盤2の離脱が阻止されると共に、当該変位に基づきスプリングに蓄えられた反発力は、地震が治まった際の基礎面形成用基盤1と免震面形成用基盤2を元位置復帰させる力として作用することとなる。
また、上記のように、復元用スプリング部材Bが垂直状態から斜状に変位して伸縮バネ8が一杯に引き伸ばされた際、すなわち、最大伸び長さを越えた際は当該伸縮バネ8が免震面形成用基盤2を引っ張って基礎面形成用基盤1側に近づけてしまうような力として働いてしまうが、この場合は図4に示すように、免震用制御部材Aはその圧縮バネ6の弾力性に基づき当該免震用制御部材Aの全長を低めるような働きが自動的に発生するように構成してある。 これにより、過度の振動発生に際しても、復元用スプリング部材Bの伸び過ぎによる折損発生、または免震用制御部材Aの強力な引き寄せに伴う破損事故発生というような事柄が、未然に防止されるように構成してある。
ところで、前述した基礎面形成用基盤1であるが、これは必ずしも免震面形成用基盤2と対応させる必要はない。 何故ならば、本発明の実施対象を建築物とした場合、基本となる部分は土地そのものであるため、当該土地の表面を一括して平坦化するような形態をとれば、ことさら、基礎面形成用基盤1を使用する必要がない。
然し乍、本発明を例えば室内に設置して美術品またはコンピュータ等の免震を図るような使用形態をとる場合は、図1および図2に示すような一単位のものを所要単位数、タイル張り的作業で床面に取り付けることにより免震性を具えた床面化することができるため、その施工は著しく簡便化される。
ところで、記録上、最大地震の振幅数値は左右に夫々28.5センチメートル程度であることが実際に観測されている。 従って、基礎面形成用基盤1の幅を60センチメートル以上に設定することにより、観測上の最大地震が発生しても、免震用制御部材Aが基礎面形成用基盤1から離脱してしまうことが阻止される。
第7図は本発明の他の実施例を表したものであって、基礎面形成用基盤1の表面を緩やかな椀状弧状面とするように構成し、これにより、地震の発生に基づき前記したように(図4に示すように)、相対的に移動した免震用制御部材Aの免震用球体5が、地震が終わった際にその中心位置、すなわち元位置復帰が促進されるように構成したものである。 本発明はこのような形態で実施することもできる。
本発明に係る1単位の免震部材を表した縦断面図である。 本発明に係る1単位の免震部材を表した平面図である。 地震発生時の免震作動状態にある1単位の免震部材を表した縦断面図である。 地震発生時の免震作動状態にある免震用制御部材Aの動きを表した縦断面図である。 地震発生時の免震作動状態にある復元用スプリング部材Bの動きを表した縦断面図である。 免震部材の連結形態の1例を表した平面図である。 本発明の他の実施例を表した縦断面図である。
符号の説明
1 基礎面形成盤
2 免震面形成用基盤
2a 補強材
A 免震制御用部材
3 鞘金具
4 免震用球体
5 脚体
6 圧縮バネ
B 復元用スプリング部材
7 上筒
7a 自在球
8 下筒
8a 自在球
9 伸縮バネ






Claims (8)

  1. 地震が直接伝わる基礎床面は平坦状に形成すると共に、当該基礎床面の上面側に、平面矩形状を呈する免震面形成用基盤(2)を所要枚数前後左右に連結することにより所要面積に形成した免震用土台を位置させ、高硬度の材料で形成した免震用球体(5)を下端部に回転自在に設けて成る免震制御用部材(A)を、当該免震面形成用基盤(1)の中心部に垂下固定し、当該免震用球体(5)は基礎床面に転動自在に接しさせることによって、地震が発生した際の当該基礎床面の揺れ動きが、当該免震用球体(5)の転動により吸収されて、複数の免震面形成用基盤(2)の連結によって形成される免震用土台に対する免震作用が奏されるようになし、更に、当該免震用面は、上記免震面形成用基盤(2)の連結に基づき形成される上面全体は平坦化することにより、所要の要免震対象物を載置または設置できるようにした免震工法。
  2. 矩形状を呈する基礎面形成盤(1)と、当該基礎面形成盤(1)の上面に対向させるための免震面形成用基盤(2)とから成り、
    当該免震面形成用基盤(2)を前記基礎面形成盤(1)上に支持するために、当該免震面形成用基盤(2)の中心部に垂設した、下端に免震用球体(4)を自由回転自在に収装した免震制御用部材(A)を具え、
    上記基礎面形成盤(1)と上記免震面形成用基盤(2)との弾力的なる相互連結を図るために各隅角部にそれぞれ取り付けた復元用スプリング部材(B)を具え、
    以上の構成を具えた免震部材を1単位とするように構成した免震部材。
  3. 一枚の金属板材から枡状枠体にプレス成形すると共に、その内部に補強材(2a)を充填するように構成した免震面形成用基盤(2)を用いた請求項2に記載の免震用部材。
  4. 免震面形成用基盤(2)は、平面正方形状を呈し、所要枚数を前後左右に連結することにより免震機能を具えた構築用土台が形成されるように構成した請求項2または請求項3に記載の免震用部材。
  5. 免震制御用部材(A)として、免震面形成用基盤(2)の中心部に下端を開口面とする鞘金具(3)を垂設し、下端に鋼材等高硬度の材料で形成した免震用球体(4)を自由回転自在に収装した脚体(5)を、上記鞘金具(3)内に対してその下端開口面から、圧縮バネ(6)を介在させて上下動可能に嵌入するように構成したものとして成る請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の免震用部材。
  6. 復元用スプリング部材(B)として、上端に自在球(7a)を回転自在に取り付けた上筒(7)と、下端に自在球(8a)を回転自在に取り付けた下筒(8)とを、伸縮自在に嵌合させると共に、当該上位の自在球(7a)と下位の自在球(8a)との間を伸縮バネ(9)で連結するように構成したものとして成る請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の免震用部材。
  7. 基礎面形成用基盤(1)として、その上面を緩やかな椀状弧状面とするように構成したものを用いて成る請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の免震用部材。
  8. 矩形状を呈する基礎面形成盤(1)と、当該基礎面形成盤(1)の上面に対向させるための免震面形成用基盤(2)とから成り、基礎面形成盤1の地震による振動が、免震面形成用基盤(2)側に伝わらないような手段を設けるように構成した免震部材に於いて、
    当該基礎面形成盤(1)と免震面形成用基盤(2)とを、
    上端に自在球(7a)を回転自在に取り付けた上筒(7)と、下端に自在球(8a)を回転自在に取り付けた下筒(8)とを、伸縮自在に嵌合させると共に、当該上位の自在球(7a)と下位の自在球(8a)との間を伸縮バネ(9)で連結するように構成した復元用スプリング部材(B)を介して連結することにより、
    基礎面形成用基盤(1)と免震面形成用基盤(2)の離脱が阻止されると共に、地震により両盤の変位に基づき伸縮バネ(9)に蓄えられた反発力が、地震が治まった際の基礎面形成用基盤1と免震面形成用基盤2を元位置復帰させる力として働くように構成した免震部材。

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