JPH11200659A - 免震構造物 - Google Patents

免震構造物

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JPH11200659A
JPH11200659A JP789598A JP789598A JPH11200659A JP H11200659 A JPH11200659 A JP H11200659A JP 789598 A JP789598 A JP 789598A JP 789598 A JP789598 A JP 789598A JP H11200659 A JPH11200659 A JP H11200659A
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isolation structure
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Fumiaki Arima
文昭 有馬
Norikatsu Takase
憲克 高瀬
Hiroyuki Harada
浩之 原田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小規模で軽量の戸建て住宅等の上部構造体を
有する構造物を、ローコストで免震住宅とすることを目
的とする。 【解決手段】 地盤上に設置された下部構造体と、この
下部構造体の上部に位置する平面フレームと、下部構造
体と平面フレームとの間に介在された交差直動機構から
構成される免震装置と、平面フレームの上部に設置され
た上部構造体とを備えている。また、下部構造体と平面
フレームとの間に復元・減衰装置、バックアップ装置お
よびロック装置を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震等に対応でき
る免震機能を有する免震構造物、特に戸建ての軽量住宅
に適用できる免震構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の免震構造物は、高層あるいは中層
の構造物に適用した例がほとんどであり、特に鉄筋コン
クリート造や鉄骨造の大規模で、重量の大きいものがほ
とんどである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の免震構造物においては、上部構造体が高層ある
いは中層の構造物であり、上部構造体自体が頑強である
ため、上部構造体と基礎等の下部構造体が直接、免震装
置を介して結合されている。このように、上部構造体が
高層、中層の構造物で重量が大きくなり、免震装置が大
型の積層のゴム支承系となりコストアップの要因となっ
ていた。また、これらの装置を軽量の建物に使用する場
合には、振動周期の伸張が小さく、免震効果が小さいこ
とが指摘される。一方、周期を伸ばすために、支圧面積
が小さく、スレンダーな(細長な)積層ゴム支承を使用
されるが、この場合には、大変形によって装置が座屈
し、建物に大損傷を与えることも懸念されている。
【0004】本発明は、前記問題点を解決するためにな
されたものであり、例えば木造2階建て等の一般の戸建
て住宅、すなわち小規模で軽量の上部構造体を有する構
造物に、より安全で高性能な免震効果を発揮し、ローコ
ストの免震構造物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る免震構造物は、地盤上に設置された下
部構造体と、この下部構造体の上部に位置する平面フレ
ームと、下部構造体と平面フレームとの間に介在された
交差直動機構から構成される免震装置と、平面フレーム
の上部に設置された上部構造体とを備えたことを特徴と
している。
【0006】また、下部構造体と平面フレームとの間
に、復元・減衰装置とを備えたことを特徴とし、復元・
減衰装置は鉛プラグ入り積層ゴム装置、高減衰積層ゴム
装置、高減衰母体型ゴム装置等が用いられる。
【0007】下部構造体と平面フレームとの間に、バッ
クアップ装置とを備えたことを特徴とし、バックアップ
装置は防舷材としてもよく、ショックアブソーバ装置と
してもよい。
【0008】下部構造体と平面フレームとの間に、ロッ
ク装置とを備えたことを特徴とする。
【0009】下部構造体は、鉄筋コンクリート構造から
なり、地中梁にて連結された独立フーチングを有するよ
うにしてもよく、また、フラットスラブ形式の基礎構造
でもよく、平面フレームはその各角部に火打ち部材を取
り付けてあり、この火打ち部材に交差直動機構の一方の
ガイドレールを固着してもよい。
【0010】前記のように構成された免震構造物によれ
ば、構造が簡単であり、小規模で軽量の上部構造体を有
する構造物に、ローコストで免震機能を持たせることの
でき、構造物内の収容物の転倒等による損傷を防止する
ことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。図1〜3において、免震構造物である免震
住宅10は、地盤上に設置された基礎等の下部構造体1
2、その上部に位置する平面フレーム14と上部構造体
16、および下部構造体12と平面フレーム14との間
に介在された免震装置18とから構成されている。下部
構造体12は鉄筋コンクリート構造からなり、割り栗石
12a上に捨てコンクリート12bを敷設し、地中梁1
2cにより結合された独立フーチング13を有する剛健
な構造となっている。独立フーチング13は各コーナ部
に位置する4つのコーナレール受フーチング部13a、
6つのレール受フーチング部13b、2つの低フーチン
グ部13cおよび高フーチング部13dから構成されて
いる。コーナレール受フーチング部13aおよびレール
受フーチング部13bは、後述する免震装置のガイドレ
ールの一方を支持するものであり、低フーチング部13
cは後述する復元・減衰装置を支持するものであり、高
フーチング部13dは後述するバックアップ装置および
ロック装置を支持するものである。
【0012】下部構造体として独立フーチングを有する
基礎構造について述べたが、下部構造体として図4に示
されるような、フラットスラブ形式の基礎構造15を用
いてもよい。図4(a)は、フラットスラブ形式の基礎
構造の概念を示す平面図、(b)は(a)のa−a線断
面図である。このフラットスラブ形式の基礎構造15
は、ベタ基礎15a部分に鉄筋15bを配筋するとき柱
列帯部分15cに6.5割程度の密な配筋を行い、柱列
帯の間の柱間帯部分15dに残りの3.5割程度の粗な
配筋を行っている。全体の鉄筋量は後述する免震装置の
変形に伴う曲げ応力に抵抗するのに必要な量が用いら
れ、そのうちの6.5割程度が柱列帯に、3.5割程度
が柱間帯に配筋される。そして、柱列帯部分15cに対
応して複数の免震装置の受け部15eが配置されてい
る。このフラットスラブ形式の基礎構造15によれば、
前記した独立フーチングを有する基礎構造と比し、レベ
ルの凹凸や、施工の複雑さを低減することができる。
【0013】平面フレーム14は鉄骨造、木造あるいは
鉄筋コンクリート造からなる軸組みされた架構であり、
本実施形態では木造の外周主要部材14a、内部主要部
材14bで枠組みして補助部材14c(図2参照)およ
び受け部材14dが両主要部材14a、14b間を連結
している。そして、各コーナ部には外周主要部材14
a、14aに対して45度の方向に、4つの火打ち部材
14eが連結されている。平面フレーム14は上部構造
体16の重量を支持する平面剛性を有する構造である。
【0014】上部構造体16は、本実施形態では軸組み
工法によって構築された木造2階建ての比較的軽量の建
築構造物であるが、これに限るものではなく、枠組み壁
工法や集成材を用いた工法を用いた建築構造物、軽量あ
るいは重量鉄骨を用いた鉄骨骨組み工法を用いた建築構
造物、または鉄筋コンクリート造からなる建築構造物等
であってもよい。そして、平面フレーム14と上部構造
体16とは結合ボルト(図示せず)等により強固に結合
されている。上部構造体16は、本実施形態では柱16
a、間柱16b、床16c等より構成されている。
【0015】下部構造体12と、その上部に位置する平
面フレーム14との間には、免震装置18が介在されて
いる。この免震装置18は鉛直支持装置とも称されるも
のであり、平面フレーム14および上部構造体16の鉛
直荷重を支持するものである。免震装置18は図5に示
されるように、交差直動機構から構成されるものであ
り、第一のガイドレール20a上に相対移動可能に支持
された第一の移動ブロック20bを有する第一の直動機
構20と、この第一の直動機構と同一構成の上下反転し
た第二の直動機構22とから構成され、第二の直動機構
22の第二のガイドレール22aの下方に相対移動可能
に支持された第二の移動ブロック22bと第一の移動ブ
ロック20bとを緩衝材24を介して結合した構成とな
っている。免震装置18は本実施形態ではコーナレール
受フーチング13aおよびレール受フーチング13bに
対応して合計10ヶ所設置(図3では3個のみ図示)さ
れており、各コーナレール受フーチング13aに設置さ
れる免震装置18は火打ち部材14eに対応して上部の
ガイドレールが固定され、外周主要部材14aに対して
45度傾斜して設置されている。免震装置18は火打ち
部材等に固定され、基礎の外周より内側に位置するた
め、水養生が行いやすい。
【0016】図6を参照して、免震装置の他の実施形態
を説明する。図6はそれぞれ交差直動機構の他の実施形
態を示す断面図であり、(a)において、交差直動機構
を構成する一方の直動機構26は、ガイドレール26a
と移動ブロック26bから構成され、球形のベアリング
30を使用し、ガイドレール26aは上面がフラットで
ある直動摺動部を有する。(b)において、交差直動機
構を構成する一方の直動機構27は、ガイドレール27
aと移動ブロック27bから構成され、球形のベアリン
グ30を使用し、ガイドレール27aは上面が円弧状で
ある直動摺動部を有する。(c)において、交差直動機
構を構成する一方の直動機構28は、ガイドレール28
aと移動ブロック28bから構成され、球形のベアリン
グ30を使用し、ガイドレール28aは上面が多角形状
である直動摺動部を有する。また、(d)において、交
差直動機構を構成する一方の直動機構29は、ガイドレ
ール29aと移動ブロック29bから構成され、球形の
ベアリング30および円柱形のベアリング31を使用
し、ガイドレール29aは上面がフラットである直動摺
動部を有する。交差直動機構は、これを使用する上部構
造体の大きさ、規模等により種々のものを適宜使用する
ことができ、球形や円柱形のベアリングの他にローラベ
アリング等を用いるように構成してもよい。
【0017】下部構造体12と平面フレーム14との間
には、復元・減衰装置として図7(a)に示される鉛プ
ラグ入り積層ゴム32が介在されている。鉛プラグ入り
積層ゴム32は平面フレーム14に取り付けられる上フ
ランジ板33と、基礎等の下部構造体12に取り付けら
れる下フランジ板34との間に、免震ゴム体35が位置
している。免震ゴム体35は円柱形状をしており、上下
の固定板間に複数の円盤状の鋼板36とゴム層37とを
積層して加硫接着し中心孔に鉛プラグ38が挿入されて
いる。この復元・減衰装置としての鉛プラグ入り積層ゴ
ム32は、鋼板36とゴム層37との積層部分が復元装
置として機能し、中心の鉛プラグ38が減衰装置として
機能するものである。鉛プラグ入り積層ゴム32や高減
衰系の支承装置は、必ずしも上部構造体16および平面
フレーム14の鉛直荷重を支持する必要はなく、細くて
柔軟な変形しやすいものを用いることができるため、上
部構造体系の振動周期を長くすることができ、地震と上
部構造体系との共振を抑えることができる。なお、復元
・減衰装置として鉛プラグ入り積層ゴムの形態を示した
が、図7(b)に示されるように、積層しないゴム母体
39aを上フランジ板33と下フランジ板34との間に
設けた復元・減衰装置39を用いるもの、あるいは高減
衰ゴムを用いるものでもよい。
【0018】つぎに、図8、9を参照してバックアップ
装置およびロック装置の一実施形態について説明する。
バックアップ装置40は下部構造体12の独立フーチン
グ13のうちの高フーチング部13dと、この高フーチ
ング部13dの両側に固着されたゴム等から形成される
防舷材42、42および平面フレーム14の受け部材1
4d、14dから構成され、下部構造体12に対し平面
フレーム14の水平方向の大きな変位を規制するととも
にエネルギーの吸収を行うものである。防舷材42、4
2と受け部材14d、14dとは、所定の間隔を有して
対向している。バックアップ装置40は図3に示される
ように、4つの高フーチング部13dに対応して設けら
れるものであり、x、y方向のそれぞれの方向に機能す
るように2個づつ設置されるものである。
【0019】ロック装置44、44は、下部構造体12
の独立フーチング13のうちの高フーチング13dの両
側に固定されたシリンダー型の油圧ジャッキ46、46
と、油圧ジャッキのピストン46a、46aが対接する
受け部材14d、14dと、油圧ジャッキ46、46に
バルブ47を介して接続された圧力供給手段48とから
構成される。ロック装置44,44は強風時等に下部構
造体12に対し、平面フレーム14および上部構造体1
6が移動するのを阻止するものである。ロック装置も図
3に示されるように、4つの高フーチング部13dに対
応して設けられるものであり、x、y方向のそれぞれの
方向において機能するように2個づつ設置されるもので
ある。なお、前記した実施形態と実質的に同等の構成に
ついては、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0020】本実施形態は前記した構成であり、以下動
作について説明する。地震が発生すると、地盤とともに
下部構造体12は振動に連動して移動する。しかしなが
ら、下部構造体12と、平面フレーム14および上部構
造体16との間には免震装置18が介設されているた
め、地盤の振動は直接、平面フレーム14および上部構
造体16には伝達されない。すなわち、交差直動機構2
0、22から構成される免震装置18により地盤の振動
は絶縁され、復元・減衰装置32により振動エネルギー
は減衰され、平面フレーム14および上部構造体16の
振動は大幅に軽減されて伝達される。平面フレーム14
は、上部構造体16における平面フレームの面以外の撓
みを抑制する平面剛性を有するため、上部構造体16の
変形等を抑制し、効率的な免震を行うことができる。上
部構造体16は比較的軽量であるため、免震装置18お
よび復元・減衰装置32は小型のものを適用できるた
め、免震構造物のコストダウンを達成することができ
る。
【0021】地震が巨大な場合は、バックアップ装置4
0がその機能を発揮する。防舷材42、42と平面フレ
ーム14の受け部材14d、14dとは所定の間隔を有
して対向しているが、巨大地震の場合にはその振動によ
り両者は当接して変位を規制し、さらに防舷材42、4
2が圧縮変形されることにより地震エネルギーを吸収す
る。このようにして、巨大地震の場合の大きな変位を
x、y方向の2方向において規制し、交差直動機構2
0、22より構成される免震装置18の移動範囲内に収
めることができる。
【0022】免震構造物10は、交差直動機構20、2
2から構成される免震装置18により上部構造体16が
支持されていて復元・減衰装置である鉛プラグ入り積層
ゴム32の高い初期剛性を超える強風時には、上部構造
体16が移動する可能性がある。その場合は、居住性に
問題がある場合にはロック装置44、44を作動させ
る。すなわち、圧力供給手段48を作動させ、バルブ4
7を開放することにより油圧ジャッキ46、46を作動
させると、ピストン46a、46aが平面フレーム14
の受け部材14d、14dを押圧し、下部構造体12に
対し平面フレーム14および上部構造体16が固定され
る。このようにしてロック装置44、44は、強風時に
上部構造体16が移動するのをx、y方向の2方向にお
いて阻止するので、船酔いのような居住性を害する振動
を抑制することができる。強風時にロック装置44、4
4が作動しているときに地震が発生した場合は、圧力供
給手段48を停止させロック装置44、44を非作動状
態として地震に対応するように制御を行う。
【0023】つぎに復元・減衰装置の他の実施形態を図
10を参照して説明する。図10は復元・減衰装置の他
の実施形態の断面図を示し、下部構造体12と平面フレ
ーム14との間には、復元・減衰装置として水平振動減
衰手段50が介設されている。この水平振動減衰手段5
0は、下部構造体12上に設置され粘性体51を収納す
る収納皿体52と、平面フレーム14の下面に固着され
るシャフト管53と、このシャフト管53内にブッシュ
ベアリング54を介して上下動可能に支持された垂直ロ
ッド55と、この垂直ロッド55下方の円盤部56と収
納皿体52との間に複数の隙間調整ボルト57を介して
設けられた複数のベアリング58と、シャフト管53と
垂直ロッド55との間に設けられた鉛直追従用のコイル
スプリング59、およびシャフト管53と収納皿体52
とを連結する防塵ベローズ60とから構成される。シャ
フト管53にはエア抜き孔61が設けられている。
【0024】この復元・減衰装置として水平振動減衰手
段50によれば、地震が発生して下部構造体12と平面
フレーム14との間に相対変位が生じると、シャフト管
53に対し収納皿体52が移動し、垂直ロッド55の円
盤部56に対しベアリング58を介して収納皿体52が
移動し、粘性体51により振動エネルギーが吸収され
る。そして、円盤部56と収納皿体52とがベアリング
58および粘性体51を介して弾接しているため、短周
期の振動は有効に絶縁される。しかも、水平振動減衰手
段50は図3に示されるように、下部構造体12の長辺
方向の中心の2カ所の低フーチング部13c、13cに
対称に配置されるものであり、振動エネルギーをバラン
スよく有効に吸収できる。
【0025】図11を参照して、復元・減衰装置の他の
実施形態を説明する。復元・減衰装置65は、鉛トリガ
ー装置とも称されるものであり、下部構造体12および
平面フレーム14に取り付けられる取付具66、66
と、これらの取付具に溶接等により固着された鋼製の取
付軸67、67、および取付軸67、67間を連結する
鉛連結部材68とから構成されている。この復元・減衰
装置65においては、上下の平面フレーム14と下部構
造体12との間に変位が生じると、鉛連結部材68が変
形して地震のエネルギーを吸収し、エネルギーが極めて
大きい場合は破断してエネルギーを吸収するとともに巨
大地震が発生したことの履歴が分かるものである。
【0026】ここで、バックアップ装置の他の実施形態
を図12を参照して説明する。図12はその断面図を示
し、下部構造体12と平面フレーム14との間には、下
部構造体12に対し平面フレーム14の水平方向の大き
な変位を規制するバックアップ装置70が介設されてい
る。バックアップ装置70はシリンダ・ピストン構造か
らなり、シリンダ71内にはピストン72により二つの
シリンダ室73、74が区画され、内部に粘弾性体75
が収容され、外付け連通管76を介して連通されてい
る。そして一方のシリンダ室74にはバッファ室77が
設けてある。またピストン72の軸部の一端にはゴムパ
ッド78を設けてあり、軸部外周にはコイルバネ79、
79を設けてある。このバックアップ装置70のシリン
ダ71は、平面フレーム14の受け部材14d等に固着
され、ピストン72の軸部の一端にはゴムパッド78が
下部構造体12の高フーチング部13d等に対接してい
る。
【0027】このバックアップ装置70によれば、地震
が発生し下部構造体12と平面フレーム14との間に変
位が生じると、シリンダ71内をピストン72が移動す
ることにより粘弾性体75が連通管76内を移動し、こ
のときの粘性抵抗により振動エネルギーが吸収される。
なお、このバックアップ装置70は一方向のみのバック
アップを行うものであるが、ゴムパッド78をフランジ
等の強固なものに変更し、高フーチング13dにねじ止
め等により固着することにより、双方向のバックアップ
を行うようにしてもよい。
【0028】図13、14を参照して、ロック装置の他
の実施形態について説明する。図13において、下部構
造体12の上部には平面フレーム14が位置しており、
平面フレーム14の上部に上部構造体16が設置されて
いる。下部構造体12と平面フレーム14との間には、
図示していないが前記した実施形態と同様に免震装置が
介設されている。ロック装置80は、平面フレーム14
の下面に一対のシリンダ装置81、82が取り付けら
れ、これらのシリンダ装置のピストンロッド83、84
が下部構造体12の立ち上げ部またはフーチング部にリ
ニアローラベアリング85、86を介して対接してい
る。そして、シリンダ装置のシリンダ室同士を切換弁8
7を接続したパイプ88にて連結し、シリンダ室、パイ
プ88内に1〜2kg/cmの予圧をかけた作動油
が注入されている。
【0029】図14において、ロック装置90は1つの
シリンダ装置91より構成されており、両側に突出した
ピストンロッド92、93は下部構造体12の立ち上げ
部またはフーチング部にリニアローラベアリング94、
95を介して対接している。そして、シリンダ装置91
のシリンダ室同士を切換弁96を接続したパイプ97に
て連結し、シリンダ室、パイプ97内に1〜2kg/c
の予圧をかけた作動油が注入されている。
【0030】図13、14に示したロック装置80、9
0においては、切換弁87、96を閉じることによりロ
ック状態となる。すなわち、強風時に平面フレーム14
および上部構造体16が移動しようとすると、作動油が
パイプ内を移動しようとするが、切換弁87、96が閉
じているため移動ができず、そのままの状態が保持さ
れ、平面フレーム14および上部構造体16はロックさ
れる。また、切換弁87、96を開くと作動油はパイプ
内を自由に移動できるため、地震時に作動油の粘性抵抗
により地震エネルギーが吸収されるため免震性能を発揮
することができる。
【0031】なお、復元・減衰装置として下部構造体と
平面フレームとの間に、水平方向にコイルばねを配設す
るように構成してもよい。また、ロック装置は前記した
形態に限らず、下部構造体と平面フレームとを種々の固
定機構により機械的に固定するようなロック装置とする
ことができることは勿論である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
戸建ての住宅等の比較的軽量な建築物等の構造物を免震
構造物とすることができる。そして、構造物内の収容物
の転倒等による損傷を防止することができ、対地震安全
性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る免震構造物の一実施形態の一部を
破断した状態の正面図である。
【図2】図1の要部の拡大断面図である。
【図3】下部構造体と平面フレームとの関係を示す展開
斜視図である。
【図4】(a)は、基礎構造の他の実施形態の概念を示
す平面図、(b)は(a)のa−a線断面図である。
【図5】免震装置の一実施形態の斜視図である。
【図6】(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ免
震装置の他の実施形態の要部正面図である。
【図7】(a)、(b)はそれぞれ復元・減衰装置の一
実施形態の断面図である。
【図8】バックアップ装置の一実施形態の要部断面図で
ある。
【図9】バックアップ装置およびロック装置の一実施形
態の要部平面図である。
【図10】復元・減衰装置の他の実施形態の断面図であ
る。
【図11】復元・減衰装置のさらに他の実施形態の正面
図である。
【図12】バックアップ装置の他の実施形態の要部断面
図である。
【図13】ロック装置の他の実施形態の要部断面図であ
る。
【図14】ロック装置のさらに他の実施形態の要部断面
図である。
【符号の説明】
10 免震構造物 12 下部構造体 12a 割り栗石 12b 捨てコンクリート 12c 地中梁 13 独立フーチング 13a コーナレール受フーチング部 13b レール受フーチング部 13c 低フーチング部 13d 高フーチング部 14 平面フレーム 14a 外周主要部材 14b 内部主要部材 14c 補助部材 14d 受け部材 14e 火打ち部材 15 基礎構造 16 上部構造体 16a 柱 16b 間柱 16c 床 18 免震装置 20、22、26、27、28、29 直動機構 20a、22a、26a、27a、28a、29a ガ
イドレール 20b、22b、26b、27b、28b、29b 移
動ブロック 24 緩衝材 30 球形のベアリング 31 円柱形のベアリング 32 鉛プラグ入り積層ゴム 33 上フランジ板 34 下フランジ板 35 免震ゴム体 36 鋼板 37 ゴム層 38 鉛プラグ 39 復元・減衰装置 39a ゴム母体 40 バックアップ装置 42、42 防舷材 44、44 ロック装置 46、46 油圧ジャッキ 46a、46a ピストン 47 バルブ 48 圧力供給手段 50 水平振動減衰手段 51 粘性体 52 収納皿体 53 シャフト管 54 ブッシュベアリング 55 垂直ロッド 56 円盤部 57 隙間調整ボルト 58 ベアリング 59 コイルスプリング 60 防塵ベローズ 61 エア抜き孔 65 復元・減衰装置 66、66 取付具 67、67 取付軸 68 鉛連結部材 70 バックアップ装置 71 シリンダ 72 ピストン 73、74 シリンダ室 75 粘弾性体 76 外付け連通管 77 バッファ室 78 ゴムパッド 79、79 コイルバネ 80、90 ロック装置 81、82、91 シリンダ装置 83、84、92、93 ピストンロッド 85、86、94、95 リニアローラベアリング 87、96 切換弁 88、97 パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16F 15/02 F16F 15/02 L A 15/04 15/04 A

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤上に設置された下部構造体と、この
    下部構造体の上部に位置する平面フレームと、前記下部
    構造体と平面フレームとの間に介在された交差直動機構
    から構成される免震装置と、前記平面フレームの上部に
    設置された上部構造体とを備えた免震構造物。
  2. 【請求項2】 下部構造体と平面フレームとの間に、復
    元・減衰装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の
    免震構造物。
  3. 【請求項3】 復元・減衰装置は鉛プラグ入り積層ゴム
    装置であることを特徴とする請求項2記載の免震構造
    物。
  4. 【請求項4】 復元・減衰装置は高減衰積層ゴム装置で
    あることを特徴とする請求項2記載の免震構造物。
  5. 【請求項5】 復元・減衰装置は高減衰母体型ゴム装置
    であることを特徴とする請求項2記載の免震構造物。
  6. 【請求項6】 下部構造体と平面フレームとの間に、バ
    ックアップ装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の免震構造物。
  7. 【請求項7】 バックアップ装置は防舷材であることを
    特徴とする請求項6記載の免震構造物。
  8. 【請求項8】 バックアップ装置はショックアブソーバ
    装置であることを特徴とする請求項6記載の免震構造
    物。
  9. 【請求項9】 下部構造体と平面フレームとの間に、ロ
    ック装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至8記載
    の免震構造物。
  10. 【請求項10】 下部構造体は、鉄筋コンクリート構造
    からなり、地中梁にて連結された独立フーチングを有す
    ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の
    免震構造物。
  11. 【請求項11】 下部構造体は、鉄筋コンクリート構造
    からなるフラットスラブ形式であることを特徴とする請
    求項1乃至9のいずれかに記載の免震構造物。
  12. 【請求項12】 平面フレームはその各角部に火打ち部
    材を取り付けてあり、この火打ち部材に交差直動機構の
    一方のガイドレールを固着してあることを特徴とする請
    求項1乃至11のいずれかに記載の免震構造物。
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