JP2784888B2 - 輪ばねを用いた建造物の耐振補強装置 - Google Patents

輪ばねを用いた建造物の耐振補強装置

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JP2784888B2
JP2784888B2 JP6223971A JP22397194A JP2784888B2 JP 2784888 B2 JP2784888 B2 JP 2784888B2 JP 6223971 A JP6223971 A JP 6223971A JP 22397194 A JP22397194 A JP 22397194A JP 2784888 B2 JP2784888 B2 JP 2784888B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地震または風による建
造物の振動エネルギーを吸収し、建造物の耐力を増大す
る輪ばねを用いた建造物の耐振補強装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地震力や風圧力のような短時間に集中し
ておこる繰り返し荷重に対しては、建造物に適度の剛性
と、振動エネルギー吸収能力を持たせじん性を高めるこ
とが必要である。骨組自身に振動エネルギー吸収能力が
ある超高層建造物の場合はよいが、中高層建造物の場合
は、骨組の構成材料、構造形式にかかわらず、骨組だけ
で振動エネルギーを十分吸収することはできない。
【0003】このため、中高層建造物では、各種の振動
減衰装置を使って振動エネルギーを吸収する方法がとら
れているが、従来の振動減衰装置は、振動エネルギーを
吸収することだけを目的として設計されているため、建
造物のじん性を高めるという使い方には向いていない。
とくに、既存の中高層建造物の補強を行う場合、既存の
建造物の骨組の耐力を生かし、その骨組と一体となって
荷重に抵抗する能力、すなわち、耐力が大きく、その剛
性を調節することができ、しかも、振動エネルギー吸収
能力の大きいものが要求される。
【0004】従来の振動減衰装置のうち、基礎と上部建
造物との間、または、建造物の骨組に設置されて、振動
エネルギーを吸収する装置には次の1)〜5)のような
ものがある。1)鋼材または鉛材などの変形を利用する
もの。2)粘性体の粘性抵抗を利用するもの。3)油圧
シリンダーを利用するもの。4)摩擦抵抗を利用するも
の。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の振動減衰装置
1)の場合、鋼材や鉛材が降伏点に達するまでは、骨組
の変形に応じて、骨組とともに荷重に抵抗するが、その
間は振動エネルギー吸収能力はほとんどない。また、鋼
材や鉛材が降伏点を越えると、その塑性変形によって振
動エネルギーを吸収するが、その代わり、骨組の変形に
応じて、骨組とともに荷重に抵抗する能力を失う。ま
た、塑性変形した鋼材や鉛材は交換しなくてはならない
ので、保守の点に問題がある。
【0006】従来の振動減衰装置2)の場合、粘性体の
粘性抵抗は温度、振動数、振幅によって左右される。し
たがって、一定の条件下で振動する機械振動などの振動
減衰には有効であるが、変形量に応じて抵抗力が増大す
る建造物の骨組と協調して建造物にじん性を与えるとい
う用途には向かない。
【0007】従来の振動減衰装置3)の場合、速度に比
例して抵抗力が増大するものであるから、前記の2)の
場合と同様に、変形量に応じて抵抗力が増大する建造物
の骨組と協調して建造物にじん性を与えるという用途に
は向かない。
【0008】従来の振動減衰装置4)の場合、装置に作
用する力が一定の大きさに達するまでは摩擦がおこらな
いから、その間は前記の1)と同様に、骨組に剛性を付
加することはできるが、振動エネルギー吸収能力はな
い。装置に作用する力が一定値を越えると摩擦がおこっ
て振動エネルギーを吸収するが、剛性を付加することは
できなくなる。また、作動した装置は自力で原状にもど
ることができないから、保守の点に問題がある。
【0009】以上から、発明が解決しようとする課題は
次のi)〜iv)のようになる。i)中、小地震から大
地震まで、建造物の骨組に協調して地震力に抵抗し、し
かも、地震または風による振動に対して、振動エネルギ
ー吸収能力を持つこと。ii)装置の交換、原形復帰作
業を必要とせず、保守管理が容易なこと。iii)設置
費用が経済的に許容できるものであること。iv)装置
の性能に安定性があり、現在の技術水準で十分実施可能
なこと。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】(その
1)手段:柱41とはりで形成された建造物の骨組の構
面に、一方のはり の両端部に一方の両突端部を連結さ
せ、他方のはりに、他方の両突端部を構面内移動可能に
連結させてX形架構45を設置する。そのX形架構45
の交さ部に設けた回転軸57に、軸受部54を連結させ
て、X形架構45に対して回動可能に、三角状架構47
を取り付ける。他方のはりに相対する三角状架構47の
中央の突端部を、回動および上下移動可能に他方のはり
に連結し、左右の突端部を他方のはりに構面内に移動可
能に連結する。取付軸を構面内のはりと平行に設定した
輪ばねブロック16を囲んで、固定板保持枠8と遊動板
保持枠11を組み合わせ、それらの2つの保持枠が輪ば
ねブロック16取付軸の方向に相対変位をおこすと、輪
ばねブロック16に圧縮力が作用するように輪ばね装着
体7を形成する。輪ばね装着体7を、一方のはりに固定
板保持枠8を連結させ、一方のはりに相対する三角状架
構47の突端部に遊動板保持枠11を回動および上下移
動可能に連結させて設置する。
【0011】作用:建造物に地震力または風圧力が作用
し、建造物の骨組の一方のはりに対して他方のはりが、
構面内に相対変位をおこすと、三角状架構47では、軸
受部54はX形架構45とともに一方のはりと一体にな
って移動し、他方のはりに連結された中央の突端部は他
方のはりと一体となって移動する。この結果、三角状架
構47はX形架構45に対して回転をおこし、輪ばね装
着体7の遊動板保持枠11に連結された突端部は一方の
はりに対して相対変位する。この相対変位量は、軸受部
54から他方のはりとの連結部までの距離と、軸受部5
4から輪ばね装着体7連結部までの距離によって変わ
り、前者より後者が大きければ、一方のはりに対する他
方のはりの相対変位量が増幅されて輪ばね装着体7に伝
達される。このとき、輪ばね装着体7においては、遊動
板保持枠11が固定板保持枠8に対して輪ばねブロック
16取付軸の方向に相対変位をおこし、輪ばねブロック
16が圧縮される。建造物の骨組の変形の向きが変わる
と、輪ばね装着体7においては、遊動板保持枠11が固
定板保持枠8に対して反対方向に相対変位をおこし、い
ったん原形に復帰した後、さらに相対変位を続ける。輪
ばね装着体7が原形に復帰すると、輪ばねブロック16
には圧縮力が働かなくなるから、縮んでいた輪ばねブロ
ック16は伸びて原形にもどる。遊動板保持枠11が固
定板保持枠8に対 して反対方向に相対変位をおこすと、
輪ばねブロック16に再び圧縮力が働き、輪ばねブロッ
ク16が縮む。このように、地震力または風圧力による
振動変形が建造物の骨組におこると、1周期につき輪ば
ねブロック16は2回伸縮運動をする。輪ばねブロック
16の変形量は、輪ばねブロック16に作用する圧縮力
によって決まり、圧縮力が小さければ変形量は小さく、
圧縮力が大きければ変形量は大きくなる。また、輪ばね
ブロック16には外輪29と内輪30の伸縮摩擦による
振動エネルギー吸収能力があり、除荷されたとき原形に
復帰する能力もある。したがって、本発明の輪ばねを用
いた建造物の耐振補強装置は、建造物の骨組の変形量に
比例した抵抗力と、振動エネルギー吸収能力および自力
で原形に復帰する能力を持っている。
【0012】(その)手段:横材に縦材を剛接合して
形成したかぎ形またはT形の補強構造体64を、建造物
の外側の骨組に、その骨組と平行に配置し、その補強構
造体64の横材と縦材との節点と、縦材の突端部を建造
物の骨組に連結する。縦向きに取付軸を設定した輪ばね
ブロック76を囲んで、固定板保持枠68と遊動板保持
枠71を組み合わせ、それらの2つの保持枠が輪ばねブ
ロック76取付軸の方向に相対変位をおこすと、輪ばね
ブロック76に圧縮力が作用するように輪ばね装着体6
7を形成する。前記の建造物の骨組に輪ばね装着体67
の遊動板保持枠71を連結し、かつ、補強構造体64の
横材の突端部に輪ばね装着体67の固定板保持枠68を
連結する。
【0013】作用:建造物に地震力または風圧力が作用
して、建造物の骨組がその構面内に変形すると、骨組に
連結された補強構造体64の節点および縦材の突端部
は、骨組とともに相対変位し、縦材はわずかに回転す
る。縦材と横材は剛接合されているから、縦材が回転を
おこすと横材も回転し、横材の突端部は相対する建造物
の骨組に対して上下方向に相対変位をおこす。この相対
変位量は、補強構造体64の節点から縦材の突端部まで
の距離と、節点から横材の突端部までの距離によって変
わり、前者より後者が大きければ、節点に対する縦材の
突端部の相対変位量が増幅されて輪ばね装着体67に伝
達される。なお、その後の輪ばね装着体67における作
用については、前記の(その1)の作用と同様である。
【0014】(その)手段:横材に縦材を剛接合して
形成したかぎ形架構103を、建造物の骨組の外側に沿
ってその構面に配置し、その横材と縦材との節点と、横
材の突端部を前記の建造物の骨組に連結する。前記の構
面内において横向きに取付軸を設定した輪ばねブロック
76を囲んで、固定板保持枠108と遊動板保持枠11
1を組み合わせ、それらの2つの保持枠が輪ばねブロッ
ク76取付軸の方向に相対変位をおこすと、輪ばねブロ
ック76に圧縮力が作用するように輪ばね装着体107
を形成する。前記の建造物の骨組に輪ばね装着体107
の固定板保持枠108の一端を連結し、かつ、かぎ形架
構103の横材の突端部に輪ばね装着体107の遊動板
保持枠111を連結する。
【0015】作用:建造物に地震力または風圧力が作用
して、建造物の骨組がその構面内に変形すると、かぎ形
架構103の横材は、連結された建造物の骨組と一体と
なって移動するから、その横材に剛接合されたかぎ形架
構103の縦材の突端部は、相対する建造物の骨組に対
して水平方向に相対変位をおこす。この結果、輪ばね装
着体107では、建造物の骨組に連結された固定板保持
枠108に対して、縦材の突端部に連結された遊動板保
持枠111が相対変位をおこし、輪ばねブロック76が
圧縮される。なお、その後の輪ばね装着体107の作用
については、前記の(その1)の作用と同様である。
【0016】(その)手段:横材に縦材を剛接合して
形成したかぎ形架構103を建造物の骨組の外側に沿っ
てその構面に配置し、その横材と縦材との節点と、縦材
の突端部を建造物に連結する。縦向きに取付軸を設定し
た輪ばねブロック76を囲んで、固定板保持枠108と
遊動板保持枠111を組み合わせ、それらの2つの保持
枠が輪ばねブロック76取付軸の方向に相対変位をおこ
すと、輪ばねブロック116に圧縮力が作用するように
輪ばね装着体107を形成する。前記の建造物の骨組に
輪ばね装着体107の固定板保持枠108の一端を連結
し、かつ、かぎ形架構103の横材の突端部に輪ばね装
着体107の遊動板保持枠111を連結する。
【0017】作用:建造物に地震力または風圧力が作用
して、建造物の骨組がその構面内に変形すると、上下を
建造物の骨組に連結されたかぎ形架構103の縦材はわ
ずかに回転する。これにつれて、縦材に剛接合された横
材が回転し、横材の突端部は、相対する建造物の骨組に
対して、上下方向に相対変位をおこす。この結果、輪ば
ね装着体107では、建造物の骨組に連結された固定板
保持枠108に対して、横材の突端部に連結された遊動
板保持枠111が相対変位をおこし、輪ばねブロック7
6が圧縮される。なお、その後の輪ばね装着体107の
作用については、前記の(その1)の作用と同様であ
る。
【0018】(その)手段:横材の両端に縦材をそれ
ぞれ剛接合して形成した門形または段形の補強構造体1
04を、建造物の骨組の外側に沿ってその構面に配置
し、その横材と縦材との2つの節点を建造物に連結す
る。前記の(その)に記載したものと同様に形成した
2基の輪ばね装着体107を、前記の建造物の骨組に固
定板保持枠108の一端を連結させ、かつ、門形または
段形の補強構造体104の縦材の突端部に遊動板保持枠
111を連結させて設置する。
【0019】作用:建造物に地震力または風圧力が作用
して、建造物の骨組がその構面内に変形すると、補強構
造体104の横材は、連結された建造物の骨組と一体と
なって移動するから、その横材の両端に剛接合された門
形または段形の補強構造体104の2体の縦材の突端部
は、相対する建造物の骨組に対して、それぞれ、骨組の
構面内に水平方向に相対変位をおこす。この結果、2基
の輪ばね装着体107では、建造物の骨組に連結された
固定板保持枠108に対して、縦材の突端部に連結され
た遊動板保持枠111がそれぞれ相対変位をおこし、輪
ばねブロック76が圧縮される。なお、その後の輪ばね
装着体107の作用については、前記の(その1)の作
用と同様である。
【0020】
【実施例1】図は、本発明の請求項18に係わる実
施例の正面図である。建造物の骨組は、左右の柱41
に、下階のはり42および上階のはり43を剛接合した
鉄筋コンクリートラーメン構造である。補強構造体44
は、建造物の骨組の構面に配置されたX形架構45、こ
のX形架構45を両側からはさんで回動可能に取り付け
られた三角状架構47、下階のはり42の上面に設置さ
れた横枠48、柱41に沿って設けられた縦枠49、お
よび、縦枠49によって支えられ柱41面に固着された
回転支承50からなる鋼製の部材によって形成されてい
る。X形架構45は、上部の両突端部に設けられた一体
連結部46を、回転支承50を介して柱41と上階のは
り43の接合部に連結させている。なお、X形架構45
の下部の両突端部51は、横枠48に形成された案内部
53に建造物の骨組の構面内にのみ移動可能に連結され
ている。三角状架構47は、上端に弾性連結部52、中
間に軸受部54、下端に中央横枠連結部55と突端横枠
連結部56をそれぞれ持ち、X形架構45の交さ部に、
建造物の骨組の構面に垂直に設けられた回転軸57に、
軸受部54を回動可能に連結させて取り付けられてい
る。三角状架構47の弾性連結部52は、三角状架構4
7の頂部に水平に固着された基板14、および、その基
板14に、建造物の骨組の構面に平行に固着された2枚
の軸受板15によって形成されている。なお、三角状架
構47の中央横枠連結部55は、横枠48に建造物の骨
組の構面に垂直に設けられた回転軸59に、回動および
上下移動可能に連結されており、同突端横枠連結部56
は、横枠48に設けられた案内部58に、建造物の骨組
の構面内にのみ移動可能に連結されている。
【0021】輪ばね装着体7は、固定板保持枠8の両端
を、位置調節体9を介してX形架構45に連結させ、同
中間部を上階のはり43に連結させて、上階のはり43
の下側に取り付けられており、その遊動板保持枠11
は、中央両側面の回転軸27を前記の三角状架構47の
弾性連結部52の軸受板15にはめ込み、建造物の骨組
の構面内に回動および上下移動可能に三角状架構47に
連結されている。図1は、輪ばね装着体7の一部を拡大
して示した輪ばねブロック16取付軸を含む縦断面図
で、図2は、同輪ばねブロック16取付軸を含む横断面
図で、図3は、同輪ばねブロック16取付軸に垂直な縦
断面図である。輪ばね装着体7の固定板保持 枠8は、2
体の鋼製の固定板側桁17、および、複数の固定板19
で形成されており、固定板19はその両縁を、固定板側
桁17に固着させて取り付けられている。固定板側桁1
7は、溝形断面に形成されており、外側の溝の部分には
適当な間隔をおいて、補剛材20が取り付けられてい
る。遊動板保持枠11は、2体の鋼製の遊動板側桁1
8、複数のつなぎ板22、および、複数の遊動板23に
よって形成されている。遊動板側桁18は、両縁部を前
記の固定板側桁17に接触させて、輪ばねブロック16
取付軸に平行に移動可能に取り付けられ、断続的に設け
たつなぎ板22によって両縁部を相互に連結されてい
る。遊動板側桁18の内面には、相対する固定板保持枠
8の固定板19の位置に合わせて遊動板移動溝24が形
成されている。この遊動板移動溝24は、固定板19の
面を含む平面と、遊動板側桁18内面との交線を一方の
溝縁とし、遊動板23の厚さに輪ばねブロック16の許
容変形量を加えたものを溝幅として、輪ばねブロック1
6を収容する1区画ごとに、4個所設けられている。遊
動板23は両縁部をその遊動板移動溝24にそれぞれは
め込み、輪ばねブロック16取付軸の方向に移動可能に
取り付けられている。遊動板側桁18は外側の溝の部分
に適当な間隔をおいて補剛材25を取り付けた溝形断面
材で、その両方の外側中央部には、溝を埋めて平面26
が形成され、建造物の骨組の構面に垂直に回転軸27が
固着されている。この回転軸27は、前記の山形架構5
の弾性連結部12の軸受板15にはめ込まれ、建造物の
骨組の構面内での回動および上下移動が可能な連結部を
形成している。輪ばねブロック16は、鋼製の円筒状の
ずれ止めカバー28、複数の外輪29と内輪30からな
る輪ばね31、初期圧調節体32、および、加圧盤33
によって形成されている。ずれ止めカバー28の外側に
は、外縁を周囲の側桁またはつなぎ板22に接触させた
つば34が、端部近くに2個所取り付けられており、初
期圧調節体32を操作するとき、ずれ止めカバー28が
回転をおこさないようになっている。輪ばね31は、内
側に傾斜面を持つ外輪29と、外側に傾斜面を持つ内輪
30を、傾斜面を接触させて交互に重ね合わせたもの
で、ずれ止めカバー28内に収容されている。初期圧調
節体32は、中心に雌ねじ部を持つ円盤状の雌ねじ体3
5と、その雌ねじ部にねじ込まれた雄ねじ部、スパナー
受け部および円盤状の頭部を持つ雄ねじ体36によって
形成されている。雌ねじ体35は、ずれ 止めカバー28
にはめ込まれ、内面を輪ばね31の一端に密接させた状
態で、ずれ止めカバー28に固着されている。雄ねじ体
36は、頭部を一方の遊動板23に密接させて装着され
ており、この雄ねじ体36をスパナーで回転させること
によって輪ばね31に作用する初期圧を調節するように
なっている。加圧盤33は円柱体で、頭部を出してずれ
止めカバー28にゆるくはめ込まれ、内面を輪ばね31
の他端に、頭部を他方の遊動板23に、それぞれ密接さ
せて装着されている。
【0022】
【実施例2】図は、本発明の請求項2、3、9に係わ
る実施例の正面図で、図は、その弾性連結部と一体連
結部の部分を拡大して示した正面図および縦断面図で、
は、その一体連結部の部分を拡大して示した縦断面
図である。建造物の外側の骨組は、壁柱61に、各階の
壁ばり62を剛接合した鉄筋コンクリートラーメン構造
である。補強構造体64は、プレストレストコンクリー
ト構造の横材と縦材を剛接合したかぎ形架構63または
T形架構65で、横材と縦材の節点に設けられた一体連
結部66と、縦材の突端部に設けられた一体連結部70
を、前記の建造物の外側の骨組の壁柱61と壁ばり62
の節点にそれぞれ連結させ、同骨組と並列にその外側に
設置されている。横材と縦材の節点に設けられた一体連
結部66は、建造物の骨組の側面に、ボルトによって固
着された鋼製の固定円盤73、補強構造体64の裏側の
節点の位置に埋め込んで固着され前記の固定円盤73に
回動可能にはめ込まれた鋼製の皿状円盤74、一端を固
定円盤73の中心部に固着させ、皿状円盤74の中心部
および補強構造体64を貫通して設けられた保持ボルト
80、および、その保持ボルトに装着される座金、ナッ
トによって形成されている。固定円盤73固着用のボル
トは、頭を埋め込んで取り付けられており、皿状円盤7
4は、固定円盤73に凹面部および縁部を密接させて取
り付けられている。縦材の突端部に設けられた一体連結
部70は、建造物の骨組の側面に、ボルトによって固着
された鋼製の取付板81、その取付板81に垂直に固着
された左右1組の鋼製のほぞ受84、そのほぞ受84に
取りはずし可能に取り付けられほぞ88を保持する鋼製
の押え板85、補強構造体64の縦材の突端部に縦材に
対して垂直に固着された鋼製の支圧板86、および、支
圧板86に垂直に固着されほぞ受84の間にそう入され
た鋼製のほぞ88によって形成されている。ほぞ受84
とほぞ88の接触部は、補強構造体64の構面内での回
動を妨げない曲面になっており、上下方向にも相対変位
が可能なように形成されている。なお、ほぞ88はほぞ
受84から離脱しないように先端が中央より厚くなって
いる。横材の突端部に設けられた弾性連結部72は、横
材の突端部に横材に対して垂直に固着された鋼製の支圧
板90と、補強構造体64の構面に平行に配置され、一
端を支圧板90に固着させた2枚の軸受板75によって
形成されている。図は、実施例の輪ばね装着体67
を拡大して示した輪ばねブロック76取付軸を含む縦断
面図で、図は、同輪ばねブロック76取付軸に垂直な
横断面図である。輪ばね装着体67は、位置調節体69
を介して遊動板保持枠71を建造物の外側の骨組に連結
させ、かつ、固定板保持枠68を、補強構造体64の弾
性連結部72に連結させている。固定板保持枠68は、
輪ばねブロック76取付軸に平行に縦向きに配置された
2体の固定板側桁77と、この固定板側桁77の内面
に、輪ばねブロック76取付軸に垂直に固着された3枚
の固定板79からなり、両方の固定板側桁77の外面中
央部には、補強構造体64を連結する回転軸87が補強
構造体64の構面に垂直にそれぞれ固着されている。こ
の回転軸87と、補強構造体64の弾性連結部72の軸
受板75は、補強構造体64の構面内での回動および水
平移動が可能な状態に連結されている。遊動板保持枠7
1は、前記の固定板側桁77の縁端に両縁端部を接触さ
せ、輪ばねブロック76取付軸に平行に移動可能に取り
付けられた2体の遊動板側桁78、その遊動板側桁78
の両縁部に固着されて遊動板側桁78を相互に連結する
つなぎ板82、遊動板側桁78の両端部に設けられた2
枚の妻板91、および、遊動板側桁78の遊動板移動溝
に、輪ばねブロック76取付軸の方向に移動可能にはめ
込まれた4枚の遊動板83によって形成されている。遊
動板側桁78の遊動板移動溝の位置および形状は、前記
の実施例1の輪ばね装着体7の場合と同様である。遊動
板保持枠71は、建造物の骨組の側面にボルトによって
固着された位置調節体69に取り付けられており、調節
ボルト93によって上下の位置を調節し、所定の位置に
固定できるようになっている。輪ばねブロック76は、
鋼製の円筒状のずれ止めカバー28、複数の外輪29と
内輪30からなる輪ばね31、初期圧調節体92、およ
び、加圧盤33によって形成されている。初期圧調節体
92は、中心に雌ねじ部を持つ凹形断面の雌ねじ体95
と、その雌ねじ体95の雌ねじ部に合う雄ねじ部を持つ
凸形断面の雄ねじ体96によって形成されている。雌ね
じ体95は、内面を輪ばね31に接触させ、外周をずれ
止めカバー28に固着させて設けられている。雄ねじ体
96は雄ねじ部を雌ねじ体95にねじ込み、頭部を遊動
板83に接触させて設けられており、その頭部中央には
レンチをそう入する角穴94が形成されている。初期圧
調節体92は、レンチを使って雄ねじ体96を回転さ
せ、輪ばね31に初期圧を与えるようになっている。こ
のため、初期圧調節体92は、輪ばね装着体67の端部
側にそれぞれ配装されている。なお、輪ばね装着体67
の端部側の遊動板83、固定板79および妻板91の中
央部には、前記のレンチをそう入するための円穴97が
それぞれあけられている。なお、ずれ止めカバー28、
輪ばね31、加圧板33については、実施例1の輪ばね
装着体7の場合と同様である。
【0023】
【実施例3】図10〜13は、本発明の請求項4〜7、
10、11に係わる実施例の正面図で、図14、図15
は、その一体連結部の部分を拡大して示した詳細図であ
る。実施例における建造物の骨組は、柱101にはり
102を剛接合した鉄筋コンクリートラーメン構造であ
る。補強構造体104は、横材に縦材を剛接合したかぎ
形または門形もしくは段形のプレストレストコンクリー
ト構造の架構でいずれも、建造物の骨組の外側に沿って
その構面に配置されている。補強構造体104がかぎ形
架構103の場合は、図10または図11のように横材
と縦材との節点の近傍に設けた一体連結部106と、横
材または縦材の突端部に設けた一体連結部113を、そ
れぞれ、建造物の骨組に連結し、縦材の突端部または横
材の突端部に設けた弾性連結部112を、建造物の骨組
に取り付けられた輪ばね装着体107に連結して設置さ
れる。補強構造体104が門形架構105の場合は、図
12のように、横材と縦材との節点の近傍に設けた左右
の一体連結部106を、それぞれ、建造物の骨組に連結
し、両縦材の突端部に設けた弾性連結部112を、建造
物の骨組に取り付けられた輪ばね装着体107に連結し
て設置される。補強構造体104が段形架構114の場
合は、図13のように、横材と上向き縦材との節点に設
けた一体連結部118と、横材と下向き縦材との節点の
近傍に設けた一体連結部106を、それぞれ、建造物の
骨組に連結し、両縦材の突端部に設けた弾性連結部11
2を、建造物の骨組に取り付けられた輪ばね装着体10
7に連結して設置される。
【0024】図14は、補強構造体104の横材の突端
部に設けられた一体連結部113を拡大して示したもの
で、図15は、左側に補強構造体104の入隅の一体連
結部118を、右側に補強構造体104の出隅の一体連
結部106をそれぞれ拡大して示したものである。一体
連結部106、113、118は、建造物の骨組と一体
に形成された受台120、受台120に設置された鋼製
の基板122、その基板122に補強構造体104の構
面に平行に固着された2枚の鋼製の軸受板125、補強
構造体104および軸受板125を貫通して設けられた
鋼製の回転軸127、基板122を受台120に固定す
る複数の長ボルト128、および、はりまたは柱をはさ
んで設けられたはさみ材129によって形成されてい
る。はさみ材129は、補強の対象となる建造物の骨組
に直交するはり130が、その骨組の両側にある場合
は、図14、または、図15の右側の図のように直交す
るはり130の端部にそれぞれ設け、直交するはり13
0がその骨組の片側だけにある場合は、図15の左側の
図の場合にならって直交するはり130ではなくその骨
組のはり102の端部に設けて、長ボルト128を取り
付ける。図11のかぎ形架構103の一体連結部113
の場合は、直交するはり130を貫通させて長ボルト1
28を取り付け、その長ボルト128の端部にはさみ材
129を設ける。
【0025】図16〜18は、かぎ形架構103、門形
架構105および段形架構114において下向き縦材の
突端部に弾性連結部112を設けた場合の、輪ばね装着
体107の詳細を示す断面図で、図16は、輪ばねブロ
ック76取付軸と調節ボルト134を含む縦断面図、図
17は、輪ばねブロック76取付軸と調節ボルト134
を含む横断面図、図18は、輪ばねブロック76取付軸
に垂直な縦断面図である。固定板保持枠108は、輪ば
ねブロック76取付軸に平行に横向きに配置された上下
2体の固定板側桁117、この固定板側桁117の内面
に、輪ばねブロック76取付軸に垂直に固着された2枚
の固定板119、および、固定板側桁117の先端部に
固着された妻板131からなる固定板保持枠単体を2基
並列に配置したもので、建造物の骨組に固定された取付
台132に設置されている。取付台132には、輪ばね
ブロック76取付軸の方向に位置を調節できる位置調節
体109と、固定板保持枠108を輪ばねブロック76
取付軸の方向にのみ移動可能に保持する支持枠133が
装着されており、固定板保持枠単体は、その建造物側の
端部を、位置調節体109に固着させ、その先端部を支
持枠133に保持させて取り付けられている。なお、前
記の位置調節体109は、複数の調節ボルト134を介
して建造物の骨組に固着された取付板135に連結され
ている。遊動板保持枠111は、固定板保持枠108の
外側の遊動板保持枠111接触部に両縁端部を接触さ
せ、輪ばねブロック76取付軸に平行に移動可能に取り
付けられた2体の外遊動板側桁121、固定板保持枠1
08の内側の遊動板保持枠111接触部に両面の両縁端
部をそれぞれ接触させ、輪ばねブロック76取付軸に平
行に移動可能に2基の固定板保持枠単体の間に取り付け
られた中遊動板側桁136、外遊動板側桁121と中遊
動板側桁136の上下の縁にそれぞれ固着されて、それ
らの3体の遊動板側桁をつなぐ2体の荷重伝達板13
8、外遊動板側桁121および中遊動板側桁136の遊
動板移動溝124に、輪ばねブロック76取付軸の方向
に移動可能にそれぞれはめ込まれた4枚の遊動板12
3、および、両方の外遊動板側桁121の外側に補強構
造体104の構面に垂直に固着された回転軸127によ
って形成されている。この回転軸127は、補強構造体
104の弾性連結部112の軸受板115にはめ込ま
れ、補強構造体104の構面内での回動と、上下移動が
可能なように補強構造体104に連結されている。な
お、外遊動板側桁121、中遊動板側桁136に設けら
れた遊動板移動溝124の位置および形状は、前記の実
施例1の輪ばね装着体7の場合と同様である。輪ばねブ
ロック76は、鋼製の円筒状ずれ止めカバー28、複数
の外輪29と内輪30からなる輪ばね31、初期圧調節
体92、および、加圧板33によって形成されている。
初期圧調節体92は、中心に雌ねじ部を持つ凹形断面の
雌ねじ体95と、その雌ねじ体95の雌ねじ部に合う雄
ねじ部を持つ凸形断面の雄ねじ体96によって形成され
ている。雌ねじ体95は、内面を輪ばね31に接触さ
せ、外周をずれ止めカバー28に固着させて設けられて
いる。雄ねじ体96は、雄ねじ部を雌ねじ体95にねじ
込み頭部を遊動板123に接触させて設けられており、
その頭部中央にはレンチをそう入する角穴94が形成さ
れている。初期圧調節体92は、レンチを使って雄ねじ
体96を回転させ、輪ばね31に初期圧を与えるように
なっている。このため、初期圧調節体92は、輪ばね装
着体107の先端部側に配装されている。なお、輪ばね
装着体107の先端部側の遊動板123、固定板119
および妻板131の中央部には、前記のレンチをそう入
するための円穴97がそれぞれあけられている。なお、
ずれ止めカバー28、輪ばね31、加圧板33について
は、実施例1の輪ばね装着体7の場合と同様である。
【0026】輪ばね装着体107が、かぎ形架構103
の横材の突端部に設置される場合は、図16〜18に示
した輪ばね装着体107を縦向きにして設置し、輪ばね
装着体107が、段形架構114の上向き縦材の突端部
に設置される場合は、同図のものを上下反転させて設置
する。
【0027】
【発明の効果】 本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
施例1の場合、X形架構45の上端の一体連結部46
は、縦枠49および輪ばね装着体7の固定板保持枠8に
よって上下、左右の移動を拘束されているから、柱41
と上階のはり43の接合部に連結された状態になってい
る。このため、建造物の長方形ラーメン架構が菱形状に
変形すると、X形架構45の交さ部の回転軸57は、上
階のはり43と一体となって、下階のはり42に対して
相対変位をおこす。この結果、中間の軸受部54をX形
架構45の回転軸57に回動可能に連結され、下端の中
央横枠連結部55を、下階のはり42と一体に形成され
た横枠48の回転軸59に、回動および上下移動可能に
連結された三角状架構47は、上階のはり43の移動方
向に傾き、三角状架構47の上端の弾性連結部52は、
上階のはり43に対して相対変位をおこす。三角状架構
47の軸受部54か ら下端の中央横枠連結部55までの
距離を1、同軸受部54から上端の弾性連結部52まで
の距離を2とすると、上階のはり43に対して下階のは
り42がacm相対変位をおこしたとき、上階のはり4
3に対して三角状架構47の弾性連結部52は2acm
相対変位をおこす。なお、このとき三角状架構47の弾
性連結部52に作用する水平力の大きさは、中央横枠連
結部55に作用する水平力の大きさの半分になる。X形
架構45および三角状架構47は、建造物の骨組の構面
内において変形しないように剛に形成されており、しか
も、X形架構45では突端部51を、三角状架構47で
は突端横枠連結部56を、それぞれ、構面内にのみ移動
可能なように横枠48に連結させているため、構面外に
ねじれ変形をおこすこともない。したがって、上階のは
り43に対して三角状架構47の弾性連結部52が相対
変位をおこすと、輪ばね装着体7においては、上階のは
り43と一体に設置された固定板保持枠8に対して、三
角状架構47の弾性連結部52に連結された遊動板保持
枠11が、輪ばねブロック16取付軸の方向に相対変位
をおこす。図19および図20は、固定板保持枠8に対
して遊動板保持枠11が相対変位をおこし、輪ばねブロ
ック16が圧縮された状態を示す断面図である。両者が
相対変位をおこす前は図2に示すように、輪ばねブロッ
ク16をはさむ左右の遊動板23は、いずれも固定板1
9に密接した状態にある。このとき、初期圧調節体32
によって輪ばね31には適当な圧力がかけられている。
図19は、固定板保持枠8に対して遊動板保持枠11が
左方へ相対変位をおこした状態を示している。輪ばねブ
ロック16の左端の遊動板23は、固定板19によって
移動を阻止されるのに対して、輪ばねブロック16の右
端の遊動板23は、遊動板側桁18の遊動板移動溝24
の溝縁にかかった状態で、遊動板保持枠11とともに移
動する。これによって各輪ばねブロック16が圧縮され
る。荷重の方向が変わり、変形していた建造物のラーメ
ン架構が原形にもどると、輪ばね装着体7も原形にもど
り図2の状態になる。建造物のラーメン架構が前記とは
反対の方向に菱形状に変形すると、輪ばね装着体7で
は、図20に示すように固定板保持枠8に対して遊動板
保持枠11が右方に相対変位をおこす。このとき輪ばね
ブロック16の右端の遊動板23は、固定板19によっ
て移動を阻止されるのに対して、輪ばねブロック16の
左端の遊動板23は、遊動板側桁18の遊動板移動溝2
4の溝縁 にかかった状態で、遊動板保持枠11とともに
移動する。これによって各輪ばねブロック16が圧縮さ
れる。このように、建造物のラーメン架構が構面内のど
ちら側に変形しても輪ばねブロック16が圧縮され、ラ
ーメン架構が原形にもどれば輪ばねブロック16も原形
にもどる。実施例1の場合、下階のはり42に対する上
階のはり43の相対変位量が小さいため、X形架構45
と三角状架構47によって輪ばね装着体7における相対
変位量を増幅し、輪ばねブロック16に大きい変形を与
えるようにするとともに、複数個の独立した輪ばねブロ
ック16に同時に圧縮力がかかるようにして、大きい振
動エネルギー吸収能力と、大きい抵抗力を持たせるよう
にした。
【0028】実施例の場合は、建造物の外側の桁行方
向の骨組を補強することを目的としたもので、壁柱61
とスパンの大きい壁ばり62を持つ学校などの建造物の
補強に適している。壁柱61と壁ばり62で長方形ラー
メンを形成する建造物の外側の骨組が荷重を受けて菱形
状に変形すると、縦材と横材との節点および縦材の下端
を、建造物の骨組の節点にそれぞれ連結させたかぎ形架
構63またはT形架構65の補強構造体64では、縦材
が建造物の壁柱61とともにわずかに回転し、縦材に剛
に接合された横材は、相対する建造物の壁ばり62に対
して回転をおこす。この結果、横材の突端の弾性連結部
72は、相対する建造物の骨組に対して上方または下方
に相対変位をおこす。したがって、輪ばね装着体67に
おいては、建造物の骨組と一体に設置された遊動板保持
枠71に対して、横材の弾性連結部72に連結された固
定板保持枠68が上方または下方に相対変位をおこし、
輪ばねブロック76が圧縮される。建造物の外側の骨組
が構面内のどちら側に変形をおこしても輪ばねブロック
76に圧縮力が働くのは実施例1の輪ばね装着体7の場
合と同様である。本実施例の場合、補強構造体64を建
造物の骨組の外側に設置するため、補強構造体64の一
体連結部66、70の構造は、建造物の骨組に作用する
荷重を確実に補強構造体64に伝達できるものでなけれ
ばならない。補強構造体64の横材と縦材の節点に設け
られる一体連結部66は、多数のボルトによって建造物
の骨組に固着された鋼製の固定円盤73に、補強構造体
64の裏側に埋め込んで固着された鋼製の皿状円盤74
を回動可能にはめ込み、固定円盤73中央に一端を固着
し、補強構造体64を貫通させて設けた太径の保持ボル
ト80によって、固定円盤73から皿状円盤74および
補強構造体64が離脱しないように保持されている。こ
のため、この一体連結部66は、作用する大きいせん断
力に十分耐え、建造物の骨組に働く荷重を無理なく補強
構造体64に伝達することができる。なお、縦材の突端
の一体連結部70は、ほぞ受84の間にそう入されたほ
ぞ88が補強構造体64の構面内に回動でき、しかも、
上下に移動できるようになっているから、建造物の骨組
に生ずる曲げモーメントや軸方向力が縦材に伝達される
ことはない。本実施例で、補強構造体64の縦材の長さ
を建造物の骨組の1層分の長さとした場合、横材の長さ
を縦材の長さより長くすれば、輪ばね装着体67におけ
る相対変位が増幅され、前記の実施例と同様の効果を
挙げることができる。また、補強構造体64の縦材の長
さを建造物の骨組の2層分の長さとした場合、横材の長
さが縦材の長さと同程度でも輪ばね装着体67における
相対変位が大きくなり、前記と同様の効果を挙げること
ができる。
【0029】実施例の場合、建造物のはり間方向の骨
組を補強するのに適しており、そのはり間方向の骨組が
複数スパンの場合はかぎ形架構103を、1スパンの場
合は門形架構105を、段形の骨組の場合は段形架構1
14をそれぞれ補強構造体64に用いると効果的であ
る。いずれの場合も、補強構造体64の2節点、また
は、突端部と1節点を建造物の骨組の節点に連結する。
したがって、建造物の長方形骨組が、荷重を受けて菱形
状に変形すると、補強構造体104の突端部に設けられ
た弾性連結部112は、相対する建造物の骨組に対して
骨組の構面内に相対変位をおこす。補強構造体104の
横材と縦材はいずれも剛に接合されているから、このと
き、輪ばね装着体107においては、建造物の骨組に設
置された固定板保持枠108に対して、補強構造体10
4の弾性連結部112に連結された遊動板保持枠111
が相対変位をおこし、輪ばねブロック76が圧縮され
る。建造物の骨組が構面内のどちら側に変形をおこして
も輪ばねブロック76に圧縮力が働くのは実施例1の輪
ばね装着体7の場合と同様である。本実施例の場合、輪
ばね装着体107における相対変位が大きくなるから、
装着する輪ばねブロックの数を少なくすることができ
る。なお、本実施例では、設置の便を考え、輪ばねブロ
ック76を並列に2基配置した長さの短い輪ばね装着体
107を使用した。
【0030】以上説明した実施例1〜3はそれぞれ次の
ような特徴がある。たとえば、実施例は、室内に装置
を設置できる場所があれば、新築建造物の場合も既存建
造物の場合も、実施することができる。ただし、筋違い
を設けるのと同様に設置する場所が制限される。実施例
2、3の場合は、主に既存建造物の補強が対象になり、
外観などの問題はあるが、取付工事が外部からほとんど
できるのが特長である。
【0031】輪ばね31は、単位容積当たりのエネルギ
ー蓄積率が大きく大荷重を支持するのに適している。ま
た、その変形が許容変形量の範囲内にあれば、圧縮力に
変形量が比例し、除荷すれば原形に復帰する。しかも、
伸縮にともない外輪29と内輪30との間に摩擦がおこ
り振動エネルギーを吸収することができる。また、輪ば
ね31は、古くから大砲の砲身の緩衝器や車輌連結部の
緩衝器に使用されており、その性能の安定性は十分実証
されている。輪ばね31を含む装置の製造コストについ
ても製造を自動化し、量産を行えばかなり引き下げられ
るものと思われる。この輪ばね31を使った本発明の装
置の特長は、輪ばね装着体7、67、107のばね定数
を調節して、それぞれの建造物に応じた補強が容易にで
きるということである。建造物の抵抗力を増大させ、か
つ、建造物にじん性を持たせるためには、補強構造体
4、64、104は、建造物の骨組と協力して外力に抵
抗し、建造物の骨組が降伏した後も抵抗力を維持できな
ければならない。もし、輪ばね装着体7、67、107
を持たない補強構造体44、64、104を建造物の骨
組に直接取り付けたとすると、その補強構造体を取り付
けた骨組の剛性が大きくなるため、荷重を受けたとき応
力が集中し、建造物の他の骨組が遊んでしまう。この結
果、補強構造体44、64、104を取り付けた骨組が
真っ先に降伏し、続いて他の骨組もほとんど同時に降伏
してしまう。輪ばね装着体7、67、107の役目は、
補強構造体44、64、104を取り付けた骨組への応
力集中を防いでその強度を維持し、建造物の骨組に抵抗
力がなくなった後も補強構造体44、64、104に抵
抗力を温存させることにある。
【0032】以上から、本発明は、発明が解決しようと
する課題「i)中、小地震から大地震まで、建造物の骨
組に協調して地震力に抵抗し、しかも、地震または風に
よる振動に対して、振動エネルギー吸収能力を持つこ
と。ii)装置の交換、原形復帰作業を必要とせず、保
守管理が容易なこと。iii)設置費用が経済的に許容
できるものであること。iv)装置の性能に安定性があ
り、現在の技術水準で実施可能なこと。」をすべて満足
するものである。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の輪ばね装着体の部分を拡大して示し
た輪ばねブロック取付軸を含む縦断面図である。
【図2】実施例の輪ばね装着体の部分を拡大して示し
た輪ばねブロック取付軸を含む横断面図である。
【図3】実施例の輪ばね装着体の部分を拡大して示し
た輪ばねブロック取付軸に垂直な縦断面図である。
【図4】実施例の正面図である。
【図5】実施例の正面図である。
【図6】実施例の一体連結部および弾性連結部の部分
を拡大して示した正面図および縦断面図である。
【図7】実施例の一体連結部の部分を拡大して示した
縦断面図である。
【図8】実施例の輪ばね装着体を拡大して示した輪ば
ねブロック取付軸を含む縦断面図である。
【図9】実施例の輪ばね装着体を拡大して示した輪ば
ねブロック取付軸に垂直な横断面図である。
【図10】実施例の正面図である。
【図11】実施例の正面図である。
【図12】実施例の正面図である。
【図13】実施例の正面図である。
【図14】実施例の一体連結部を拡大して示した正面
図である。
【図15】実施例の一体連結部を拡大して示した正面
図である。
【図16】実施例の輪ばね装着体を拡大して示した輪
ばねブロック取付軸および調節ボルトを含む縦断面図で
ある。
【図17】実施例の輪ばね装着体を拡大して示した輪
ばねブロック取付軸および調節ボルトを含む横断面図で
ある。
【図18】実施例の輪ばね装着体を拡大して示した輪
ばねブロック取付軸に垂直な縦断面図である。
【図19】実施例の輪ばね装着体の作用を示す説明図
である。
【図20】実施例の輪ばね装着体の作用を示す説明図
である。
【符号の説明】41、10142 下階のはり43 上階のはり44、64、104 補強構造体46、66、70、106、113、118 一体連結
部 7、67、107 輪ばね装着体 8、68、108 固定板保持枠 11、71、111 遊動板保持枠52、72、112 弾性連結部 16、76 輪ばねブロック 17、77、117 固定板側桁 18、78 遊動板側桁 19、79、119 固定板 23、83、123 遊動板 24、124 遊動板移動溝 28 ずれ止めカバー 29 外輪 30 内輪 31 輪ばね 32、92 初期圧調節体 45 X形架構 47 三角状架構 61 壁柱 62 壁ばり 63、103 かぎ形架構 65 T形架構 102 はり 105 門形架構 114 段形架構 121 外遊動板側桁 136 中遊動板側桁

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の柱(41)と上下のはりからなる
    建造物の骨組の一方のはりに相対する一方の両突端部
    に、一体連結部(46)をそれぞれ設けて、その一体連
    結部(46)を、前記の一方のはりの柱(41)との接
    合部にそれぞれ連結し、他方の両突端部(51)を、前
    記の骨組の他方のはり、または、そのはりに接合された
    柱(41)と一体に形成された横枠(48)に、構面内
    に移動可能に連結させて、建造物の骨組の構面に設置さ
    れたX形架構(45)と、そのX形架構(45)の交さ
    部に、X形架構(45)の構面に垂直に設けられた回転
    軸(57)に軸受部(54)を連結させ、前記の横枠
    (48)に相対する一方の端部の中央の突端部を回動お
    よび上下移動可能に横枠(48)に連結し、かつ、横枠
    (48)に相対する一方の端部の左右の両突端部を構面
    内に移動可能に横枠(48)に連結するとともに、前記
    の一方のはりに相対する他方の端部に、弾性連結部(5
    2)を設け、X形架構(45)に対して回動可能にX形
    架構(45)の構面に形成した三角状架構(47)から
    なる補強構造体と、輪ばねブロック(16)を囲んで固
    定板保持枠(8)と遊動板保持枠(11)を組み合わせ
    て設け、固定板保持枠(8)に対して、遊動板保持枠
    (11)が輪ばねブロック(16)取付軸の方向に相対
    変位をおこすと、収容された輪ばねブロック(16)に
    圧縮力が作用するように形成し、固定板保持枠(8)と
    遊動板保持枠(11)のうちの一方の保持枠を、前記の
    一方のはり、または、そのはりに接合された柱(4
    1)、もしくは、X形架構(45)の端部に取り付け、
    他方の保持枠を、前記の三角状架構(47)の弾性連結
    部(52)に連結した輪ばね装着体からなる輪ばねを用
    いた建造物の耐振補強装置。
  2. 【請求項2】 横材の端部に縦材を剛接合して その節点
    または節点の近傍に一体連結部(66)を設け、かつ、
    縦材の突端部に一体連結部(70)を設けるとともに、
    横材の突端部に弾性連結部(72)を設けたかぎ形架構
    (63)を、建造物の外側の骨組に、構面をその骨組と
    並行に配置し、一体連結部(66、70)を建造物の外
    側の骨組にそれぞれ連結した補強構造体と、輪ばねブロ
    ック(76)を囲んで固定板保持枠(68)と遊動板保
    持枠(71)を組み合わせて設け、固定板保持枠(6
    8)に対して、遊動板保持枠(71)が輪ばねブロック
    (76)取付軸の方向に相対変位をおこすと、収容され
    た輪ばねブロック(76)に圧縮力が作用するように形
    成し、固定板保持枠(68)と遊動板保持枠(71)の
    うちの一方の保持枠を、前記の建造物の外側の骨組に取
    り付け、他方の保持枠を、前記のかぎ形架構(63)の
    弾性連結部(72)に連結した輪ばね装着体からなる
    ばねを用いた建造物の耐振補強装置。
  3. 【請求項3】 横材と縦材を剛接合して その節点または
    節点の近傍に一体連結部(66)を設け、かつ、縦材の
    突端部に一体連結部(70)を設けるとともに、横材の
    両突端部に弾性連結部(72)をそれぞれ設けたT形架
    構(65)を、建造物の外側の骨組に、構面をその骨組
    と並行に配置し、一体連結部(66、70)を建造物の
    外側の骨組にそれぞれ連結した補強構造体と、輪ばねブ
    ロック(76)を囲んで固定板保持枠(68)と遊動板
    保持枠(71)を組み合わせて設け、固定板保持枠(6
    8)に対して、遊動板保持枠(71)が輪ばねブロック
    (76)取付軸の方向に相対変位をおこすと、収容され
    た輪ばねブロック(76)に圧縮力が作用するように形
    成し、固定板保持枠(68)と遊動板保持枠(71)の
    うちの一方の保持枠を、前記の建造物の外側の骨組に取
    り付け、他方の保持枠を、前記のT形架構(65)の
    性連結部(72)にそれぞれ連結した輪ばね装着体から
    なる輪ばねを用いた建造物の耐振補強装置。
  4. 【請求項4】 横材の端部に縦材を剛接合して その節点
    または節点の近傍に一体連結部(106)を設け、か
    つ、横材の突端部に一体連結部(113)を設けるとと
    もに、縦材の突端部に弾性連結部(112)を設けたか
    ぎ形架構(103)を、建造物の骨組の外側に沿ってそ
    の構面に配置し、前記の一体連結部(106、113)
    を、建造物の骨組にそれぞれ連結した補強構造体と、輪
    ばねブロック(76)を囲んで固定板保持枠(108)
    と遊動板保持枠(111)を組み合わせて設け、固定板
    保持枠(108)に対して、遊動板保持枠(111)が
    輪ばねブロック(76)取付軸の方向に相対変位をおこ
    すと、収容された輪ばねブロック(76)に圧縮力が作
    用するように形成し、固定板保持枠(108)と遊動板
    保持枠(111)のうちの一方の保持枠を、前記の建造
    物の骨組に取り付け、他方の保持枠を、前記のかぎ形架
    構(103)の弾性連結部(112)に連結した輪ばね
    装着体からなる輪ばねを用いた建造物の耐振補強装置。
  5. 【請求項5】 横材の端部に縦材を剛接合して その節点
    または節点の近傍に一体連結部(106)を設け、か
    つ、縦材の突端部に一体連結部(113)を設けるとと
    もに、横材の突端部に弾性連結部(112)を設けたか
    ぎ形架構(103)を、建造物の骨組の外側に沿ってそ
    の構面に配置し、前記の一体連結部(106、113)
    を、建造物の骨組にそれぞれ連結した補強構造体と、輪
    ばねブロック(76)を囲んで固定板保持枠(108)
    と遊動板保持枠(111)を組み合わせて設け、固定板
    保持枠(108)に対して、遊動板保持枠(111)が
    輪ばねブロック(76)取付軸の方向に相対変位をおこ
    すと、収容された輪ばねブロック(76)に圧縮力が作
    用するように形成し、固定板保持枠(108)と遊動板
    保持枠(111)のうちの一方の保持枠を、前記の建造
    物の骨組に取り付け、他方の保持枠を、前記のかぎ形架
    構(103)の弾性連結部(112)に連結した輪ばね
    装着体からなる輪ばねを用いた建造物の耐振補強装置。
  6. 【請求項6】 横材の両端部に縦材を剛接合して その節
    点または節点の近傍に一体連結部(106)をそれぞれ
    設け、かつ、縦材の両突端部に弾性連結部(112)を
    それぞれ設けた門形架構(105)を、建造物の骨組の
    外側に沿ってその構面に配置し、前記の一体連結部(1
    06)を、建造物の骨組にそれぞれ連結した補強構造体
    と、輪ばねブロック(76)を囲んで固定板保持枠(1
    08)と遊動板保持枠(111)を組み合わせて設け、
    固定板保持枠(108)に対して、遊動板保持枠(11
    1)が輪ばねブロック(76)取付軸の方向に相対変位
    をおこすと、収容された輪ばねブロック(76)に圧縮
    力が作用するように形成し、固定板保持枠(108)と
    遊動板保持枠(111)のうちの一方の保持枠を、前記
    の建造物の骨組に取り付け、他方の保持枠を、前記の門
    形架構(105)の弾性連結部(112)にそれぞれ連
    結した輪ばね装着体からなる輪ばねを用いた建造物の耐
    振補強装置。
  7. 【請求項7】 横材の一方の端部に縦材を下向きに、
    の横材の他方の端部に縦材を上向きにそれぞれ剛接合し
    てその節点または節点の近傍に一体連結部(106、1
    18)をそれぞれ設け、かつ、縦材の両突端部に弾性連
    結部(112)をそれぞれ設けた段形架構(114)
    を、建造物の骨組の外側に沿ってその構面に配置し、前
    記の一体連結部(106、118)を、建造物の骨組に
    れぞれ連結した補強構造体と、輪ばねブロック(7
    6)を囲んで固定板保持枠(108)と遊動板保持枠
    (111)を組み合わせて設け、固定板保持枠(10
    8)に対して、遊動板保持枠(111)が輪ばねブロッ
    ク(76)取付軸の方向に相対変位をおこすと、収容さ
    れた輪ばねブロック(76)に圧縮力が作用するように
    形成し、固定板保持枠(108)と遊動板保持枠(11
    1)のうちの一方の保持枠を、前記の建造物の骨組に取
    り付け、他方の保持枠を、前記の段形架構(114)の
    弾性連結部(112)にそれぞれ連結した輪ばね装着体
    からなる輪ばねを用いた建造物の耐振補強装置。
  8. 【請求項8】 固定板保持枠(8)が、両縁に遊動板保
    持枠(11)接触部を、内面に固定板(19)取付部を
    それぞれ設け、固定板(19)取付部を向かい合わせて
    輪ばねブロック(16)取付軸に平行に横向きに配置さ
    れた2体の固定板側桁(17)、両縁をそれぞれ前記の
    固定板側桁(17)に固着させて、輪ばねブロック(1
    6)取付軸に垂直に取り付けられた複数の固定板(1
    9)、および、両固定板側桁(17)の両端に設けられ
    た建造物連結部からなるもので、遊動板保持枠(11)
    が、前記の固定板保持枠(8)の遊動板保持枠(11)
    接触部に、両縁端部を接触させて輪ばねブロック(1
    6)取付軸に平行に移動可能に取り付け、固定板保持枠
    (8)の固定板(19)の面を含む平面と内面との交線
    を一方の溝縁とし、装着する遊動板(23)の厚さに、
    輪ばねブロック(16)の許容変形量を加えたものを溝
    幅とする遊動板移動溝(24)を、各固定板(19)に
    対応させて、輪ばねブロック(16)を収容する一方の
    側の内面または両方の側の内面にそれぞれ形成した2体
    の遊動板側桁(18)、それらの遊動板側桁(18)の
    両縁部に固着され両遊動板側桁(18)を相互に連結す
    るつなぎ板(22)、遊動板側桁(18)の遊動板移動
    溝(24)に、輪ばねブロック(16)取付軸の方向に
    移動可能にそれぞれはめ込まれた複数の遊動板(2
    3)、および、両遊動板側桁(18)の外側に設けられ
    た補強構造体(44)連結部からなるもので、輪ばねブ
    ロック(16)が、それぞれ相対する1組の遊動板側桁
    (18)、つなぎ板(22)、および、遊動板(23)
    によって囲まれた部分に収容されたものである請求項1
    記載の輪ばねを用いた建造物の耐振補強装置。
  9. 【請求項9】 固定板保持枠(68)が、両縁に遊動板
    保持枠(71)接触部を、内面に固定板(79)取付部
    をそれぞれ設け、固定板(79)取付部を向かい合わせ
    て輪ばねブロック(76)取付軸に平行に縦向きに配置
    された2体の固定板側桁(77)、両縁をそれぞれ前記
    の固定板側桁(77)に固着させて、輪ばねブロック
    (76)取付軸に垂直に取り付けられた複数の固定板
    (79)、および、両固定板側桁(77)の外側に設け
    られた補強構造体(64)連結部からなるもので、遊動
    板保持枠(71)が、前記の固定板保持枠(68)の遊
    動板保持枠(71)接触部に両縁端部を接触させて輪ば
    ねブロック(76)取付軸に平行に移動可能に取り付
    け、固定板保持枠(68)の固定板(79)の面を含む
    平面と内面との交線を一方の溝縁とし、装着する遊動板
    (83)の厚さに、輪ばねブロック(76)の許容変形
    量を加えたものを溝幅とする遊動体移動溝を、各固定板
    (79)に対応させて、輪ばねブロック(76)を収容
    する一方の側の内面または両方の側の内面にそれぞれ形
    成した2体の遊動板側桁(78)、それらの遊動板側桁
    (78)の両縁部に固着され両遊動板側桁(78)を相
    互に連結するつなぎ板(82)、遊動板側桁(78)の
    遊動板移動溝に、輪ばねブロック(76)取付軸の方向
    に移動可能にそれぞれはめ込まれた複数の遊動板(8
    3)、および、両遊動板側桁(78)の両端部に設けら
    れた建造物連結部からなるもので、輪ばねブロック(7
    6)が、それぞれ相対する1組の固定板側桁(77)、
    遊動板側桁(78)、および、遊動板(83)によって
    囲まれた部分に収容されたものである請求項2または3
    記載の輪ばねを用いた建造物の耐振補強装置。
  10. 【請求項10】 固定板保持枠(108)が、両縁に遊
    動板保持枠(111)接触部を、内面に固定板(11
    9)取付部をそれぞれ設け、固定板(119)取付部を
    向かい合わせて輪ばねブロック(76)取付軸に平行に
    横向きに配置された2体の固定板側桁(117)、両縁
    をそれぞれ前記の固定板側桁(117)に固着させて、
    輪ばねブロック(76)取付軸に垂直に取り付けられた
    複数の固定板(119)、および、両固定板側桁(11
    7)の一方の端部に設けられた建造物連結部からなる固
    定板保持枠単体複数基を、適当な間隔をおいて並列に配
    置したもので、遊動板保持枠(111)が、前記の固定
    板保持枠(108)の外側の遊動板保持枠(111)接
    触部に両縁端部を接触させて輪ばねブロック(76)取
    付軸に平行に移動可能に取り付け、固定板保持枠(10
    8)の固定板(119)の面を含む平面と内面との交線
    を一方の溝縁とし、装着する遊動板(123)の厚さ
    に、輪ばねブロック(76)の許容変形量を加えたもの
    を溝幅とする遊動板移動溝(124)を、各固定板(1
    19)に対応させて、輪ばねブロック(76)を収容す
    る一方の側の内面または両方の側の内面にそれぞれ形成
    した2体の外遊動板側桁(121)、固定板保持枠単体
    の相対する遊動板保持枠(111)接触部に、両面の両
    縁端部を接触させて固定板保持枠単体の間に輪ばねブロ
    ック(76)取付軸に平行に移動可能に取り付け、外遊
    動板側桁(121)の遊動板移動溝(124)に対応さ
    せて、その両面に同様な遊動板移動溝(124)をそれ
    ぞれ形成した1ないし複数体の中遊動板側桁(13
    6)、外遊動板側桁(121)と中遊動板側桁(13
    6)の両縁にそれぞれ固着されて、それらの外、中遊動
    板側桁をつなぐ2体の荷重伝達板(138)、外遊動板
    側桁(121)および中遊動板側桁(136)の遊動板
    移動溝(124)に、輪ばねブロック(76)取付軸の
    方向に移動可能にそれぞれはめ込まれた複数の遊動板
    (123)、および、両外遊動板側桁(121)の外側
    に設けられた補強構造体(104)連結部からなるもの
    で、輪ばねブロック(76)が、固定板側桁(11
    7)、外遊動板側桁(121)、中遊動板側桁(13
    6)および遊動板(123)によって囲まれた部分、ま
    たは、固定板側桁(117)、中遊動板側桁(136)
    および遊動板(123)によって囲まれた部分に収容さ
    れたものである請求項4、6または7記載の輪ばねを用
    いた建造物の耐振補強装置。
  11. 【請求項11】 固定板保持枠(108)が、両縁に遊
    動板保持枠(111)接触部を、内面に固定板(11
    9)取付部をそれぞれ設け、固定板(119)取付部を
    向かい合わせて輪ばねブロック(76)取付軸に平行に
    縦向きに配置された2体の固定板側桁(117)、両縁
    をそれぞれ前記の固定板側桁(117)に固着させて、
    輪ばねブロック(76)取付軸に垂直に取り付けられた
    複数の固定板(119)、および、両固定板側桁(11
    7)の一方の端部に設けられた建造物連結部からなる固
    定板保持枠単体複数基を、適当な間隔をおいて並列に配
    置したもので、遊動板保持枠(111)が、前記の固定
    板保持枠(108)の外側の遊動板保持枠(111)接
    触部に両縁端部を接触させて輪ばねブロック(76)取
    付軸に平行に移動可能に取り付け、固定板保持枠(10
    8)の固定板(119)の面を含む平面と内面との交線
    を一方の溝縁とし、装着する遊動板(123)の厚さ
    に、輪ばねブロック(76)の許容変形量を加えたもの
    を溝幅とする遊動板移動溝(124)を、各固定板(1
    19)に対応させて、輪ばねブロック(76)を収容す
    る一方の側の内面または両方の側の内面にそれぞれ形成
    した2体の外遊動板側桁(121)、固定板保持枠単体
    の相対する遊動板保持枠(111)接触部に、両面の両
    縁端部を接触させて固定板保持枠単体の間に輪ばねブロ
    ック(76)取付軸に平行に移動可能に取り付け、外遊
    動板側桁(121)の遊動板移動溝(124)に対応さ
    せて、その両面に同様な遊動板移動溝(124)をそれ
    ぞれ形成した1ないし複数体の中遊動板側桁(13
    6)、外遊動板側桁(121)と中遊動板側桁(13
    6)の両縁にそれぞれ固着されてそれらの外、中遊動板
    側桁をつなぐ2体の荷重伝達板(138)、外遊動板側
    桁(121)および中遊動板側桁(136)の遊動板移
    動溝(124)に、輪ばねブロック(76)取付軸の方
    向に移動可能にそれぞれはめ込まれた複数の遊動板(1
    23)、および、両外遊動板側桁(121)の外側に設
    けられた補強構造体(104)連結部からなるもので、
    輪ばねブロック(76)が、固定板側桁(117)、外
    遊動板側桁(121)、中遊動板側桁(136)および
    遊動板(123)によって囲まれた部分、または、固定
    板側桁(117)、中遊動板側桁(136)および遊動
    板(123)によって囲まれた部分に収容されたもので
    ある請求項5記載の輪ばねを用いた建造物の耐振補強装
    置。
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