JP2013234046A - エスカレータの設置構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】地震が発生して層間変位が想定以上になった場合でも、エスカレータの落下を防止できるエスカレータの設置構造を提供する。
【解決手段】第1のエスカレータ1のトラス10と、このトラス10と交差するように設けられた第2のエスカレータ2のトラス20とを有し、第1のトラス10と第2のトラス20の上端がそれぞれ建屋3に固定され、第1のトラス10と第2のトラス20の交差部分が固定部材30を用いて互いに固定されている。
【選択図】 図3
【解決手段】第1のエスカレータ1のトラス10と、このトラス10と交差するように設けられた第2のエスカレータ2のトラス20とを有し、第1のトラス10と第2のトラス20の上端がそれぞれ建屋3に固定され、第1のトラス10と第2のトラス20の交差部分が固定部材30を用いて互いに固定されている。
【選択図】 図3
Description
本発明の実施形態は、エスカレータを建屋に取り付ける場合の設置構造に関するものである。
建屋は地震発生時に各階がそれぞれ別の振幅で揺れるので、エスカレータのトラスの支持アングルを建屋梁に上下共に固定すると、地震発生時の層間変位によりエスカレータが破損する場合がある。なお、「層間変位」とは、上下階の水平方向のずれを意味する。
この破損を防止するために従来のエスカレータは、トラスの支持アングルの一端を建屋梁に固定し、他端を非固定とし、地震によって層間変位が起きた場合でも、非固定側がスライドしてその破損を防止する。しかし、巨大地震が発生して層間変位が想定以上に大きくなると、支持アングルの非固定側が建屋梁からスライドした後に外れて落下する可能性がある。
そのため、建屋梁から外れたエスカレータの支持アングルを可動式受台によって支え、その落下を防止する構造がある。
しかし、上記落下防止構造であると、可動式受台に支えられた後のエスカレータの復旧が困難であり、また、既設のエスカレータに可動式受台を設置することは困難であるという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、東日本大震災のような巨大地震が発生して層間変位が想定以上になった場合でも、エスカレータの落下を防止できるエスカレータの設置構造を提供することを目的とする。
本実施形態は、建屋の上階側の建屋梁と下階側の前記建屋梁の間に掛け渡された第1のエスカレータの第1のトラスと、前記上階側の前記建屋梁と前記下階側の前記建屋梁の間に掛け渡され、かつ、前記第1のエスカレータと交差するように隣接している第2のエスカレータの第2のトラスと、を有し、前記第1のトラスの前記上下階のどちらか一方が前記建屋梁に固定され、前記第2のトラスの前記上下階のどちらか一方が前記建屋梁に固定され、前記第1のトラスと前記第2のトラスの交差部分が、直接、又は、固定部材を介して固定されている、エスカレータの設置構造である。
以下、本実施形態における複数台のエスカレータの設置構造について、図面に基づいて説明する。
実施形態1は、交差型の2台のエスカレータ1,2の設置構造に関して図1〜図3に基づいて説明する。本実施形態では図1に示すように、第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2とを、建屋3に交差するように、かつ、隣接して設置する。
(1)第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2の構造
第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2の構造について図1に基づいて説明する。
第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2の構造について図1に基づいて説明する。
まず、第1のエスカレータ1について説明する。第1のエスカレータ1のトラス10は、建屋3の上階側の建屋梁4と下階側の建屋梁5に掛け渡されている。トラス10は、上階側の水平トラス11、傾斜トラス12、下階側の水平トラス13によりなる。上階側の水平トラス11の内部は、機械室14である。機械室14には、エスカレータ1を駆動させる不図示の踏段駆動機構が設けられている。また、傾斜トラス12には、無端状の踏段チェーンによって駆動する複数の踏段11a(図3参照)が設けられ、前記した踏段駆動機構によって上側、又は、下側に移動する。トラス10の上面両側には、左右一対の欄干15,15が設けられ、両欄干15,15には踏段11aと同期して移動する手摺りベルト16,16がそれぞれ設けられている。
水平トラス11、傾斜トラス12、水平トラス13からなるトラス10は、フレーム19を組み合わせて形成され、水平トラス11、傾斜トラス12及び水平トラス13は直方体状をなしている。上階側の水平トラス11の端部には、上階側の支持アングル17が設けられ、上階側の建屋梁4に載置された状態でボルト、又は、溶接で固定されている。一方、下階側の水平トラス13の端部には、下階側の支持アングル18が設けられ、下階側の建屋梁5にかかり代を有しつつ非固定の状態で載置されている。
次に、第2のエスカレータ2について説明する。第2のエスカレータ2のトラス20は、建屋3の上階側の建屋梁4と下階側の建屋梁5に掛け渡され、かつ、第1のエスカレータ1のトラス10と交差するように隣接して設置されている。この第2のエスカレータ2のトラス20も、水平トラス21、傾斜トラス22、水平トラス23から構成されている。上階側の水平トラス21内部には機械室24が設けられている。第1のエスカレータ1と同様に、欄干15,15、手摺りベルト16,16を有している。上階側の水平トラス11の端部に設けられた支持アングル17が、上階側の建屋梁4に固定され、下階側の水平トラス23の端部に設けられた支持アングル28が下階側の建屋梁5にかかり代を有して載置され、非固定の状態となっている。
(2)第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2の交差部分の構造
次に、第1のエスカレータ1のトラス10(以下、「第1のトラス10」という)と第2のエスカレータ2のトラス20(以下、「第2のトラス20」という)との交差部分の構造について図1〜図3に基づいて説明する。
次に、第1のエスカレータ1のトラス10(以下、「第1のトラス10」という)と第2のエスカレータ2のトラス20(以下、「第2のトラス20」という)との交差部分の構造について図1〜図3に基づいて説明する。
上記したように第1のトラス10と第2のトラス20とは交差するように、かつ、隣接して設けられている。そのため、この交差部分によって形成される菱形に合わせて形成された菱形板状の固定部材30(図2参照)が、図3に示すように第1のトラス10と第2のトラス20の間に取り付けられている。すなわち、第1のトラス10の傾斜トラス12のフレーム19の側面と、第2のトラスの傾斜トラス22のフレーム29の側面との間に、固定部材30がボルトによって固定されてる。また、この固定部材30の下端には、第1の傾斜トラス12と第2のトラスの傾斜トラス22との幅方向にわたって、四角柱状の補強部材31が設けられ、第1のトラス10と第2のトラス20とを支持している。
(3)効果
本実施形態の設置構造であると、第1のエスカレータ1の固定部分である支持アングル17の位置と、第2のエスカレータ2の固定部分である支持アングル27の位置と、固定部材30との3点で互いに支持しているため、地震が発生して建屋3から持アングル18,28が外れるほど層間変位が大きくなった場合でも、前記した3点で互いに支えあい、第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2が建屋3から落下することがない。
本実施形態の設置構造であると、第1のエスカレータ1の固定部分である支持アングル17の位置と、第2のエスカレータ2の固定部分である支持アングル27の位置と、固定部材30との3点で互いに支持しているため、地震が発生して建屋3から持アングル18,28が外れるほど層間変位が大きくなった場合でも、前記した3点で互いに支えあい、第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2が建屋3から落下することがない。
また、建屋3の床面とエスカレータ1,2の乗降部に段差が生じないため、エスカレータの利用者の安全を確保し、エスカレータ1,2から利用者が降りることができる。
また、補強部材31が、トラス10とトラス20を支持しているため、互いにエスカレータ1,2が支え合い、より確実に落下を防止できる。
次に、実施形態2の第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2の設置構造について図4に基づいて説明する。
本実施形態を示す図4は、第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2の交差状態を簡略化して表したものであり、この交差部分には実施形態1と同様に固定部材30と補強部材31が設けられている。また、本実施形態では、これら部材30,31に加えて、第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2の2箇所の非交差部分において、トラス10の側面とトラス20の側面との間に、長方形状の固定保護板32が挟まれて固定されている。
固定保護板32は、非交差部分以外で設けられ、トラス10とトラス20から固定保護板32が大きくはみ出す状態となっている。そのため、交差する第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2の間に設けなければならない固定保護板の機能を併せ持つ構造にでき、かつ、トラス10とトラス20の固定もできる。
したがって、地震発生時においては、固定部材30と補強部材31に加えて、この固定保護板32でも互いに支持し合い、より確実に第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2の落下を防止できる。
また、上記したように交差型のエスカレータにおいて必須である固定保護板の役割も兼ねることができるので、利用者の安全を図ることができる。
次に、実施形態3の3台のエスカレータ1,2,40の設置構造について図5に基づいて説明する。本実施形態は、交差する第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2に加えて、第1のエスカレータ1と並列して同じ方向に設置されている第3のエスカレータ40を設置する構造である。
交差型のエスカレータ1,2については、実施形態1で説明したようにエスカレータ1,2全体の落下を防止できる。一方、並列型のエスカレータ40は、その設置構造上、交差型のエスカレータ1,2のように3点支持の構造をすることができない。
そのため、本実施形態では、第1のエスカレータ1のトラス10と並列して設けられているエスカレータ40のトラスの一部、又は、全部を、ボルト又は溶接で第1のエスカレータ1のトラス10と固定する。なお、第3のエスカレータ40も、上階側の支持アングル42、又は、下階側の支持アングル43の一方が建屋梁に固定され、他方が非固定となっている。
これによって、地震によって層間変位が発生しても、交差型のエスカレータ1,2は互いに落下せず、また第3のエスカレータ40も第1のエスカレータ1に固定されているため建屋3から落下しない。
上記実施形態では、第1のエスカレータ1のトラス10と第2のエスカレータ2のトラス20の上端部をそれぞれ上階側の建屋梁4に固定したが、これに代えて下階側を建屋梁5に固定し、上階側の支持アングル17,27を非固定としてもよい。
また、上記実施形態では、固定部材30を介して第1のトラス10と第2のトラス20を設けたが、これに代えて、第1のトラス10の側面と第2のトラス20の側面をボルト、又は、溶接で直接固定してもよい。
また、上記実施形態では、補強部材31を設けたが、必ずしも補強部材31を設けなくてもよく、第1のトラス10と第2のトラス20の交差部分を固定すれば、第1のエスカレータ1と第2のエスカレータ2の落下を防止できる。
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1・・・第1のエスカレータ、2・・・第2のエスカレータ、3・・・建屋、10・・・第1のトラス、20・・・第2のトラス、30・・・固定部材
Claims (4)
- 建屋の上階側の建屋梁と下階側の前記建屋梁の間に掛け渡された第1のエスカレータの第1のトラスと、
前記上階側の前記建屋梁と前記下階側の前記建屋梁の間に掛け渡され、かつ、前記第1のエスカレータと交差するように隣接している第2のエスカレータの第2のトラスと、
を有し、
前記第1のトラスの前記上下階のどちらか一方が前記建屋梁に固定され、
前記第2のトラスの前記上下階のどちらか一方が前記建屋梁に固定され、
前記第1のトラスと前記第2のトラスの交差部分が、直接、又は、固定部材を介して固定されている、
エスカレータの設置構造。 - 前記第1のトラスと前記第2のトラスの前記交差部分以外の位置で、前記第1のトラスと前記第2のトラスとの間に固定保護板が設けられ、
前記第1のトラスの側面と前記第2のトラスの側面とが、前記固定保護板にそれぞれ固定されている、
請求項1に記載のエスカレータの設置構造。 - 前記第1のトラスと前記第2のトラスの前記交差部分の下部に、前記第1のエスカレータと前記第2のエスカレータとを支持する補強部材が、前記第1のトラスと前記第2のトラスの幅方向に設けられた、
請求項1又は2に記載のエスカレータの設置構造。 - 前記第1のエスカレータと隣接して第3のエスカレータが並列して設けられ、
前記第1のエスカレータの前記第1のトラスと前記第3のエスカレータの第3のトラスとが固定されている、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエスカレータの設置構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012107880A JP2013234046A (ja) | 2012-05-09 | 2012-05-09 | エスカレータの設置構造 |
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JP2012107880A JP2013234046A (ja) | 2012-05-09 | 2012-05-09 | エスカレータの設置構造 |
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- 2012-05-09 JP JP2012107880A patent/JP2013234046A/ja active Pending
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