JP3056181U - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JP3056181U
JP3056181U JP1998003328U JP332898U JP3056181U JP 3056181 U JP3056181 U JP 3056181U JP 1998003328 U JP1998003328 U JP 1998003328U JP 332898 U JP332898 U JP 332898U JP 3056181 U JP3056181 U JP 3056181U
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article placing
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邦雄 宮崎
光雄 小森
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Kongo Co Ltd
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Kongo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】地震等による横揺れおよび縦揺れのエネルギー
が物品載置部材に伝達されることを極力抑えて、収納物
や展示品などが破損することを防止する安全性に優れた
免震装置を得る。 【構成】物品載置部材15とその設置体1との間に、設
置体1に対して物品載置部材15を水平面内で2次元的
に移動させることができる2次元移動機構50と設置体
1に対して物品載置部材15を垂直方向に移動させるこ
とができる垂直移動機構20とからなる3次元移動機構
を介在させた。物品載置部材15には収納物や展示品な
どを収納し、展示しすることができる。地震等による横
方向の揺れエネルギーおよび縦方向の揺れエネルギー
は、3次元移動機構が3次元的に移動することにより吸
収され、物品載置部材15に伝達されることを抑えるこ
とができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、地震等による揺れのエネルギーが棚、展示ケース、テーブル、台、 容器、パレット、すのこ、家庭的に使用される装飾台などの物品載置部材へ伝達 されることを極力抑えることにより、収納物や展示品などが損傷することのない 安全性に優れた免震装置に関するものであり、特に文化財や美術品などの保管・ 展示や、化学薬品などの危険物、精密機械など、衝撃を嫌うものの保管・展示に 有効なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から物品の載置設備として、各種の棚や展示ケース、テーブルや台、容器 、パレット、すのこなどが広く用いられている。これら物品の載置設備は、その 用途に応じて床面上に固定されているものや、軌条などに沿って走行可能なもの などがある。
【考案が解決しようとする課題】
【0003】 これら従来の物品の載置設備のうち床面上に固定されたものでは、地震等によ り床面が激しく揺れた場合、この揺れのエネルギーが物品の載置設備に直接伝達 されてしまう。そのため、この揺れエネルギーにより載置設備内の収納物や展示 品などが損傷したり、また揺れが激しい場合には載置設備自体が転倒したり、破 損してしまうという問題があった。
【0004】 また、展示品が文化財や美術品などである場合には、地震等により破損してし まうと復元不可能となる場合があり、貴重な文化財の保護を図ることができない し、収納物が化学薬品等の危険物である場合には、火災の発生原因となることも あり得る。 移動棚のような走行可能な載置設備においては、地震等が発生して激しく揺れ た場合、その走行方向に対しては車輪の自由回転等により地震の揺れエネルギー を吸収できる。しかし、実際の地震等による揺れは、走行方向だけでなくあらゆ る方向から作用するため、載置設備の走行方向とは異なる方向からの揺れに対し ては対応できなかった。また、地震の揺れは横揺れのみでなく縦揺れがあり、縦 揺れに対しては移動棚でも対応できない。
【0005】 本考案は上記従来技術の問題点を解決するためになされたもので、地震等によ る横揺れおよび縦揺れのエネルギーが物品載置部材に伝達されることを極力抑え て、収納物や展示品などが破損することを防止することができる安全性に優れた 免震装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本考案は、物品載置部材とその設置体との間に、設 置体に対して物品載置部材を水平面内で2次元的に移動させることができる2次 元移動機構と設置体に対して物品載置部材を垂直方向に移動させることができる 垂直移動機構とからなる3次元移動機構を介在させた。物品載置部材には収納物 や展示品などを収納したり、展示したりすることができる。この物品載置部材は 3次元移動機構を介して設置体に設置されているため、地震等による横方向の揺 れエネルギーおよび縦方向の揺れエネルギーは、3次元移動機構が3次元的に移 動することにより吸収され、物品載置部材に伝達されることを抑えることができ る。
【0007】 垂直移動機構は、請求項2記載の考案のように弾性部材で構成してもよいし、 請求項3記載の考案のように弾性部材と減衰機とで構成してもよい。上記2次元 移動機構は、請求項4記載の考案のように互いに交差する方向に設けられたレー ルと、これらのレールに沿って転動するローラで構成してもよいし、請求項5記 載の考案のように任意の向きに回転可能な回転体を有するもので構成してもよい 。
【0008】 請求項6記載の考案のように、通常時には物品載置部材を所定の位置に制止さ せて3次元移動機構の機能を停止させておき、地震等による揺れが発生したとき には制止を解除して3次元移動機構を有効に機能させる制止手段を設けてもよく 、請求項7記載の考案のように、地震等の揺れを感知する感震装置を設け、この 感震装置の検出信号により上記制止手段を解放するようにしてもよい。 請求項8記載の考案のように、垂直移動機構は、垂直方向の移動を水平方向の 移動に変換する変換手段を有し、横向きに配置した減衰機を上記変換手段に連結 させてもよい。 請求項9記載の考案のように、設置体と箱形の中間体との間に2次元移動機構 が介在し、中間体の上端部に箱の蓋の形をした物品載置部材が被せられ、物品載 置部材と上記中間体との間に垂直移動機構が設けられ、設置体に対して物品載置 部材が水平方向及び垂直方向に移動するようにしてもよい。 請求項10記載の考案のように、物品載置部材とその設置体との間に、設置体 に対して物品載置部材を水平面内で2次元的に移動させることができる2次元移 動機構と設置体に対して物品載置部材を垂直方向に移動させることができる垂直 移動機構とからなる3次元移動機構が介在する免震装置であって、上記3次元移 動機構から物品載置部材が吊り下げられているようにしてもよい。
【0009】
【考案の実施の態様】
以下、本考案にかかる免震装置の実施態様を図面を用いて説明する。 図1、図4において、符号1は免震装置の設置体、例えば建物の床を示してい る。設置体1の上には床板2が敷き詰められており、床板2の上にはレール3が 設置されている。レール3の両端部は緩い傾斜で上方に折り曲げられた折曲部3 aとなっている。レール3上には、逆U字状のサドル4によって回転自在に支持 された一対のローラ5、5が載せられている。図4に示すように、ローラ5、5 は両端部のフランジとその間の周溝とを有してなり、この周溝の部分がレール3 に載り、上記フランジでレール3を挟んでいる。ローラ5、5はレール3の水平 部を所定の範囲で転動し、さらにレール3の折曲部3aに沿って転動することが でき、これに伴ってサドル4も移動することができる。
【0010】 上記サドル4からは一対の軸受片6、6が立ち上がっており、軸受片6、6に よってローラ7が回転自在に支持されている。ローラ7の回転軸と上記ローラ5 、5の回転軸は互いに直交している。ローラ7もローラ5、5と同様に両端部の フランジとその間の周溝とを有してなり、中間板9の下面に固着されたレール8 がローラ7の周溝に載り、ローラ7のフランジがレール8を挟んでいる。レール 8は所定の長さの水平部と、緩い傾斜で下方に曲げられた両端部の折曲部8aか らなる。このレール8と上記レール2の方向は互いに直交する方向である。以上 説明したレール3、ローラ5、ローラ7、レール8を含む構成部分は、中間板9 を設置体1に対して水平面内で2次元的に移動させることができる2次元移動機 構50を構成している。
【0011】 上記中間板9の上面側からは一対の軸受片10、10が立ち上がっており、軸 受片10、10にはベルクランク11の水平方向の端部が相対回転可能に連結さ れている。ベルクランク11の中心部は、物品載置部材15の下面から下方に延 びた支持片13に軸12によって相対回転可能に連結されている。ベルクランク 11の垂直方向の端部は、流体ダンパ16から延びたピストンロッド18の先端 部と軸14によって相対回転可能に連結されている。流体ダンパ16は、減衰機 としての機能を有し、物品載置部材15の下面側に設けられた舌片17に相対回 転可能に連結されている。上記ピストンロッド18の外周にはコイルばね19が 挿入され、コイルばね19の反発力でピストンロッド18をダンパ16から引き 出す向きに付勢し、これによってベルクランク11を図1において軸12を中心 に時計方向に回転付勢し、もって、物品載置部材15を押し上げる向きに付勢し ている。ベルクランク11の回転範囲を制限するために、ベルクランク11の水 平片に、ベルクランク11が一定の範囲以上に回転しようとするとき当接するス トッパ11aが、軸受片10を挟んで両側に一体に形成されている。
【0012】 上記ベルクランク11、コイルばね19、流体ダンパ16を含む構成部分は、 中間板9、さらには設置体1に対して物品載置部材15を垂直方向に移動させる ことができる垂直移動機構20を構成している。ベルクランク11が回転したと き物品載置部材15が上下に平行移動できるように、ベルクランク11と軸受片 10との連結部又はピストンロッド18との連結部は、軸と長孔との嵌合関係に なっている。図1、図4では、1組の垂直移動機構20と1組の2次元移動機構 50のみしか示されていないが、物品載置部材15の面積に応じて垂直移動機構 20および2次元移動機構50を物品載置部材15の両端部に設けるとか、4隅 に設けるとか、あるいはそれ以上設けるなど、垂直移動機構20および2次元移 動機構50の数を任意に増減することができる。 流体ダンパ16としては、エアダンパ、チッソ等のガスダンパ、オイルダンパ などを用いることができる。
【0013】 図1、図4に示す実施の形態において、通常時には上記ばね19の付勢力によ り物品載置部材15を押し上げる向きの力と物品載置部材15自体の荷重および 物品載置部材15上に載せられた物品の荷重とがバランスする位置に物品載置部 材15がとどまっている。この状態で地震等による激しい揺れが発生すると、設 置体1はあらゆる方向に振動する。地震の横揺れエネルギーは、2次元移動機構 50のローラ5がレール3に沿って転動し、またローラ7がレール8に沿って転 動することにより2次元移動機構50で遮断され、中間板9およびその上の物品 載置部材15には伝達されず、中間板9および物品載置部材15に対し設置体1 が相対的に水平方向に揺れるだけである。地震の縦揺れエネルギーは、2次元移 動機構50を介して中間板9に伝達されるが、中間板9が上下方向に揺れると、 ばね19がその弾性力で伸び縮みしながらベルクランク11が往復回転し、設置 体1および中間板9が物品載置部材15に対し相対的に上下動し、ばね19、ベ ルクランク11などからなる垂直移動機構20が地震の縦揺れエネルギーが直接 物品載置部材に伝達されるのを防ぐ。
【0014】 このように、設置体1と物品載置部材15との間に、2次元移動機構50と垂 直移動機構20が介在することによって、地震等による横揺れエネルギーおよび 縦揺れエネルギーが物品載置部材15側へ伝達されることを防止するため、地震 等による水平方向の揺れはもちろんのこと、地震等よる上下方向の揺れがあって も物品載置部材15は揺れが少なく、物品載置部材15上に載置しあるいは収納 している物品が地震のエネルギーで転倒したり破損したりすることを防止するこ とができる。 なお、レール3の両端部に緩傾斜の折曲部3aを設け、レール8の両端部に緩 傾斜の折曲部8aを設けたのは、ローラ5およびローラ7の転動範囲を制限する ためで、ある程度の揺れの範囲ではローラ5およびローラ7がレール3およびレ ール8の水平部分で転動し、ある程度以上の揺れになるとローラ5およびローラ 7がレール3およびレール8の折曲部3a,8aに沿って転動しようとして抵抗 力が加わるようにしたものである。
【0015】 上記実施の態様では、物品載置部材15の揺れを効果的に収束させるために、 流体ダンパ16をばね19とともに併用している。仮に、垂直移動機構を弾性体 としてのばね19のみで構成したとすれば、地震の縦揺れエネルギーをばね19 で吸収したとき、ばね19の揺り戻しで伸縮動作が収束せず、物品載置部材15 が不安定になるので、ばね19の伸縮動作を早期に収束させるために、流体ダン パ16を減衰機として用いている。
【0016】 図2は、垂直移動機構20の別の例を示す。この例では、減衰機としての流体 ダンパとばねとを用いることは上記の例と同じであるが、流体ダンパのピストン に一端部が連結されたベルクランク13の水平片の端部がロッド22に回転可能 に連結され、ロッド22が中間板9上の弾性部材21に連結されている。弾性部 材21としては、コイルばね、板ばね、ゴム、弾性を有する合成樹脂など適宜の ものを選択してよい。
【0017】 この例によれば、地震の縦揺れエネルギーが弾性部材21によって吸収され、 前記実施例と同様の効果を奏する。従って、この例では、流体ダンパのピストン にコイルばねを設ける必要はないが、上記弾性部材21と上記コイルばねとを併 用してもよい。上記流体ダンパは前記実施例と同様に弾性部材の伸縮動作を早期 に収束させるためのものである。
【0018】 図1および図2に示す例は何れも流体ダンパ16を物品載置部材15の下面に 沿って水平方向に配置し、そのピストンロッド18の水平方向の動きをベルクラ ンク11で垂直方向の動きに変換している。そのため、流体ダンパ16を含む垂 直移動機構20の上下方向の寸法を小さくすることができ、物品載置部材15と 中間板9との間隔をせばめて、物品載置部材15の高さ位置を低くし、装置全体 が嵩張ることを防止することができる。
【0019】 物品載置部材15の高さ位置が高くなっても差し支えない場合は、図3に示す ように、流体ダンパ26とそのピストンロッド27とピストンロッド27の外周 側に挿入されたコイルばね28とからなる垂直移動機構20を垂直方向に向けて 配置し、物品載置部材15と中間板9とを上記垂直移動機構20で連結してもよ い。この例の場合も、地震の縦揺れエネルギーが物品載置部材15に伝達される のをばね28が吸収し、流体ダンパ26が揺れを早期に収束させる。図3の例に よれば、装置が嵩高になる難点があるが、図1、図2の例よりも垂直移動機構2 0の構成が簡単になる利点がある。
【0020】 次に、図5に示す別の実施の態様について説明する。図5において、符号1は 設置体を、2は床板を、50は2次元移動機構を、9は中間板をそれぞれ示して おり、これらの各部材は図1、図4に示す例と同様に構成されている。上記中間 板9の上方には第2の2次元移動機構30を介して第2の中間板29が配置され ている。上記第2の2次元移動機構30は、任意の向きに回転可能な回転体を有 してなるもので、例えば、硬球をリテーナであらゆる向きに回転可能に支持した もの、オムニホイール(商品名)と称して一つの軸を中心に回転可能な回転体の 周囲に上記軸に直交する方向の軸を中心に回転可能な小さな回転体を複数個設け 、あらゆる向きに回転可能としたもの、あるいはキャスターなど、適宜のものを 用いることができる。
【0021】 上記第2の中間板29の上方には、物品載置部材15が配置されている。物品 載置部材15の下面側からは適宜数のガイドピン27が垂下しており、各ガイド ピン27は第2の中間板29に設けられたガイド28と第2の中間板29を貫通 し、第2の中間板29に対して上下方向に平行移動することができるようになっ ている。第2の中間板29と物品載置部材15との間には、図1、図4に示す例 の垂直移動機構と同じ構成の垂直移動機構20が介装されている。上記のように 、物品載置部材15は第2の中間板29に対して上下方向に平行移動するように なっているため、第2の中間板29と物品載置部材15との間に介装する垂直移 動機構20は1ユニットだけでも差し支えない。
【0022】 図5に示す実施の形態によれば、一つの2次元移動機構50に加えて第2の2 次元移動機構30を設けて2重免震構造にしたため、地震の横揺れエネルギーを より有効に吸収することができる。もっとも、2次元移動機構は2重に設ける必 要はなく、上記2次元移動機構50と2次元移動機構30のうち何れか一方のみ を用いてもよい。また、図1、図4に示す2次元移動機構50に代えて、図5に 示す第2の2次元移動機構30と同じ構成の2次元移動機構を用いても差し支え ない。
【0023】 これまで説明してきた実施の態様において、物品載置部材15が中間板9又は 中間板29に対して必要以上に大きく移動することがないように、物品載置部材 15と中間板9又は中間板29とをチェーン、リンク、ベルト、紐、ばねなどで 連結し、物品載置部材15と中間板9又は中間板29との相対移動を一定範囲で 許容し、一定範囲以上に相対移動しようとするのを阻止するようにしてもよい。
【0024】 物品載置部材15のレベル調整のために、図1に示す例における軸受片10や 、図2に示す例におけるロッド22や、図3の例における流体ダンパ26又はピ ストンロッド27に、ターンバックル式長さ調整機構、あるいはナットとロック ナットのダブルナット式長さ調整機構などを用いてもよい。
【0025】 図1、図4に示す実施の形態において、2次元移動機構50と垂直移動機構2 0との上下関係を入れ替えてもよい。すなわち、設置体1と中間板9との間に垂 直移動機構20を、中間板9と物品載置部材15との間に2次元移動機構50を 配置してもよい。また、床板2はなくてもよく、建物の床などに直接本考案にか かる免震装置を設置してもよい。また、物品載置部材15は、単純な平板状では 剛性や強度が足りないことがあるので、適宜リブを設けたり、折り曲げ加工によ ってリブ状の凹凸を設けたり、図5の例のように側縁部に折曲部15aを設けた り、補強材を付加したりしてもよい。
【0026】 また、物品載置部材15の体裁をよくするためにも、上記のように側縁部に折 曲部15aを設けるのが望ましく、免震装置全体の内部機構が外から見えないよ うに、上記折曲部15aを下方に長く延ばしてもよい。この場合、2次元移動機 構の動作に支障がないように、上記折曲部15aと中間板29、9との間にある 程度の空間的余裕を設けておく。さらに、上記折曲部15aに代えて物品載置部 材15の周囲に化粧カバーを設けてもよく、この化粧カバーを着脱自在又ははめ 込み式に設けてもよい。こうしておけば、内部機構に埃などが付着しにくくなる 利点もある。
【0027】 次に、図6に示す実施の形態について説明する。図6において、符号150は 物品載置部材を示しており、符号90は中間体を示している。中間体90は蓋付 きの箱の本体と同様の形をしており、物品載置部材150は箱の蓋の形をしてい て、上記中間体90の開口した上端部に、中間体90に対して所定の範囲内で水 平方向に相対移動可能にまた垂直方向に相対移動可能に被さっている。上記中間 体90と図示されない設置体との間には適宜数の2次元移動機構50が介在して いる。中間体90内には適宜数の垂直移動機構20が設けられ、中間体90に対 して物品載置部材150を垂直方向に移動可能に支持している。2次元移動機構 50は、これまで説明してきたような各種方式のものの中から適宜のものを選択 して採用してよい。垂直移動機構20も同様にこれまで説明してきたような各種 方式のものの中から適宜のものを選択して採用してよい。
【0028】 図6に示す例の場合も、地震の横揺れエネルギーを2次元移動機構50が吸収 し、縦揺れエネルギーを垂直移動機構20が吸収し、これまでの実施形態と同様 に、物品載置部材150上の物品を地震の揺れから守ることができる。また図6 に示す例によれば、中間体90と物品載置部材150との間をチェーンやリンク 、紐などで連結する必要はないし、内部機構が中間体90と物品載置部材150 とで隠蔽されるので、体裁も良いという利点もある。
【0029】 図6に示す例の場合、全体の大きさによって多彩に利用できる。例えば、全体 を比較的小型に形成すれば、彫刻等の美術品、仏像等の展示、収納台として利用 でき、全体を大型に形成して大きな床と実質的に同様の構成にしておけば、この 床上に載置される物品の全てを地震の揺れから守ることができるし、物品載置部 材150上に移動棚装置を設置することもできる。
【0030】 図7は、本考案にかかる免震装置を移動棚に適用した例を示す。図7において 、可動台車33と、この可動台車33上に載置された棚36とを有することによ って移動棚を構成している。可動台車33の底部には棚36の間口方向である図 7において左右方向両端部と、奥行き方向である図7において紙面に直交する方 向の手前側と奥側にそれぞれローラ34が回転自在に取り付けられている。前後 方向に並ぶローラ34はそれぞれ紙面に直交する方向に敷設されたレール32上 を転動し、これによって棚36はレール32方向すなわち間口面に直交する方向 に移動可能となっている。
【0031】 可動台車33の図7において左端にはパネル35が取り付けられている。パネ ル35は棚36の側面の幅と同等又はそれ以上の幅を有し、棚36の高さと同等 又はそれ以上の高さを有している。パネル35には移動棚の操作部が設けられて いる。電動式移動棚の場合は各種操作スイッチが設けられ、これらの操作スイッ チの操作で図示されない駆動モータの正逆転、停止等の制御が行われ、これによ り駆動ローラの正逆転、停止が行われて、可動台車33の前進、後退、停止が行 われる。手動式移動棚の場合は、パネル35に設けられた図示されないハンドル を回転操作することにより、その回転力を図示されない減速機構を介しローラ3 4のうちの少なくとも一つに伝達して、可動台車33の前進、後退を行う。また 、可動台車33は手動力で直接押したり引いたりして移動させるものであっても よい。
【0032】 上記可動台車33の上には垂直移動機構20を介して上記棚36が載せられて いる。垂直移動機構20は、これを適宜の弾性体で形成した場合は、ある範囲内 で水平方向に任意に棚36を移動させることができる2次元移動機構を兼ねさせ ることができる。あるいは、可動台車33内に、レール32とローラ34による 移動方向に直交する方向に移動可能な移動機構を設け、レール32とローラ34 による移動機構と併せて2次元移動機構を構成し、その上に垂直移動機構20を 介して棚36を載せてもよい。
【0033】 上記パネル35は、蝶番を介して可動台車33に取り付けられ、可動台車33 に対し蝶番を中心に垂直面内で(図7において紙面と平行な方向)回転可能とな っている。パネル35とこれと対向する棚36の側面との間には適宜の空間があ り、パネル35の内側面と棚36の側面とが止め具37で連結されている。止め 具37としては、ゴム、ばね、合成樹脂により構成してもよいし、ユニバーサル ジョイントを用いてもよい。止め具37は、パネル35および棚36に対し相対 回転可能又は相対移動可能となっている。以上のように構成された移動棚は、複 数台が移動方向に並べられて一つの移動棚ユニットとなっており、全ての移動棚 が互いに近接した収束態様と、任意の棚と棚との間に作業用の通路を形成した態 様をとることができる。
【0034】 図7に示す構成のものにおいて、地震等による揺れが発生すると、上記2次元 移動機構と垂直移動機構20によって横揺れエネルギーと縦揺れエネルギーが吸 収される。このとき可動台車33およびパネル35に対して棚36が相対移動す ることになるが、パネル35と棚36を連結している止め具37を介してパネル 35が図示されない蝶番を中心に相対回転し、パネル35と棚36との間に無理 な力がかかることを防止する。
【0035】 本考案の技術思想は、吊り下げ型の収納装置あるいは展示装置などにも適用可 能である。図8ないし図11に示すものはその例である。図8において、建物の 天井38からはコイルばね41とこれと平行して設けられたダンパ42を介して レール40が水平方向に吊り下げられている。コイルばね41とダンパ42で垂 直移動機構20を構成している。レール40はH型鋼でなり、このH型の下端水 平片に適宜数のローラ47が載っている。各ローラ47は、水平方向のバー45 から一体に上方に延びた軸受片46によって回転自在に支持されている。
【0036】 レール40とバー45は少なくとも2個を一対として平行に設けられ、一対の バー45の下面側にはバー45の直交方向に適宜数のレール48が固着されてい る。レール48は溝型で、この溝の下端開口縁部には内向きの折曲部が形成され 、この折曲部にローラ49が載せられている。ローラ49は2個を一組として共 通の軸を有し、この軸によってアーム52が吊り下げられている。一組のローラ 49と他の一組のローラ49からそれぞれ延びた二つのアーム52が一体に交わ ってV字状をなし、この二つのアーム52の交差部から物品載置部材としての物 品係止ラック60が垂下している。物品係止ラック60は例えば絵画ラックであ り、図10に示すように枠体に網を張ったような形になっていて、編み目に適宜 のフック等を介して絵画を吊り下げることができるようになっている。
【0037】 上記レール40とローラ47、レール48とローラ49によって2次元移動機 構を構成している。物品係止ラック60は、ローラ49がレール48に沿って転 動することにより、絵画等の係止面に平行な方向(図8において紙面に直交する 方向)に移動することができる。物品係止ラック60はまた複数台が一定の間隔 で並列に設けられ、必要な物品係止ラック60のみを引き出して絵画等の掛け替 え、展示等を行う。建物の壁39とレール40は適宜の連結部材43で連結され ている。連結部材43はレール40の上下動を許容する適宜のもの、例えばゴム 、弾性のある合成樹脂、リンク、ユニバーサルジョイントなどからなる。建物の 壁39にはまた、レール40の下方に、レール40の落下を阻止するためのスト ッパ44が突設されている。
【0038】 図8に示す例によれば、地震等による縦揺れエネルギーはばね41で吸収され るとともにダンパ42で揺れが減衰されることにより、物品係止ラック60に伝 達されるのを防止する。また、横揺れエネルギーは、ローラ47がレール40に 沿って転動し、ローラ49がレール48に沿って転動することにより、物品係止 ラック60に伝達されるのを防止する。
【0039】 図9は、吊り下げタイプの収納装置あるいは展示装置など別の例を示すもので 、図8の例を変形したものである。図9において、前記ストッパ44の上面には ピストンロッド58を有するダンパ57からなる垂直移動機構20が取り付けら れており、上記ピストンロッド58の上端でレール40の端部が支持されている 。ダンパ57はピストンロッド58を図示されないばねによって上方に移動付勢 するとともに、ピストンロッド58の上下方向の往復移動を減衰させる機能を有 している。レール40の端部にはピン63が固着されている。建物の壁39には ガイド板61が固定され、このガイド板61に形成された上下方向のガイド溝6 2に上記ピン63がはまっている。従って、上記ガイド溝62の範囲内でレール 40が上下移動できる。
【0040】 図8に示す例と同様に、レール40に沿ってローラ47が転動し、ローラ47 と軸受片46を介して懸垂されたバー45にはレール48が固着され、レール4 8に沿ってローラ49が転動可能に設けられている。一対のローラ49によって 一対のアーム52が支持され、一対のアーム52の交差部にガイドロッド54が 下向きに固着されている。ガイドロッド54には物品係止ラック60の上端部が 上下方向に相対移動可能に嵌められている。ガイドロッド54の外周側にはコイ ルばね55がはめられ、コイルばね55によって物品係止ラック60を吊り下げ ている。
【0041】 図9に示す例によれば、垂直移動機構20によって地震等の縦揺れエネルギー が吸収されてレール40に縦揺れが伝達されず、装置全体の縦方向の免震機能が 発揮される。図9に示す例によればまた、物品係止ラック60ごとにばね55と ガイドロッド54とを具備してなる垂直移動機構を有しているため、物品係止ラ ック60ごとに縦方向の免震機能が発揮される。もっとも、物品係止ラック60 ごとに垂直移動機構を設ける場合は、装置全体の垂直移動機構20は不要である 。また、物品係止ラック60ごとに垂直移動機構を設ける場合は、免震機能を必 要とする物品係止ラック60にのみ設けてもよく、コストの低廉化を図る上で有 利である。例えば、絵画ラックとして使用する場合は、重要性の高い絵画を免震 機能を有する物品係止ラック60に掛け止めておくというような使い分けをする こともできる。さらに、物品係止ラック60ごとに垂直移動機構を設けた方が、 免震機能をもたせる対象の荷重が軽くなり、免震機能を有効に発揮させることが できる利点もある。
【0042】 図8、図9に示す物品係止ラック60は物品係止面と平行な方向に移動するも のであったが、図10に示す例のように、物品係止面に直交する方向に移動させ るようにしてもよい。図10において、建物その他の構造物の天井38には対を なす軸受片64が下向きに固定され、各軸受片64によってローラ65が回転自 在に支持されている。各ローラ65にはH型鋼からなるレール66の上側の水平 片が載っており、レール66は水平方向に移動可能となっている。レール66の 下面にはこのレール66と直交する方向に溝型のレール67が固着されている。 レール67の下端開口縁部は内側に水平に折り曲げられ、この折曲部にはそれぞ れ対をなすローラ68が転動可能に載せられている。
【0043】 一対のローラ68の軸からはアーム69が垂下しており、左右一対のアーム6 9の下端には梁70が固着されている。梁70には左右一対のダンパ71が取り 付けられ、各ダンパ71のピストンロッド72が物品係止ラック60の上端に連 結されている。梁70と物品係止ラック60はまた一対の引っ張りばね73で連 結されている。引っ張りばね73とダンパ71で垂直移動機構20を構成してい る。梁70の両端部にはU字型溝状のガイド部材74が下方に延びた形で固着さ れている。ガイド部材74は、物品係止ラック60の両肩部を前後と側部から囲 むように配置されている。物品係止ラック60はこれを前後に(図10において 紙面に直交する方向に)押すことにより、ローラ68をレール67に沿って転動 させながら移動させることができる。このとき、ガイド部材74の内面に物品係 止ラック60の肩部が当接することにより力が梁70、アーム69に伝達され、 垂直移動機構20に無理な力がかかることはない。
【0044】 なお、図8、図9に示す例のように、物品係止ラック60をその物品係止面と 平行な方向に移動させる場合も、図10に示す例に用いられているガイド部材7 4と同様の部材を用いることが望ましい。すなわち、図11に示すように、物品 係止ラック60をその物品係止面と平行な方向に移動させようとするとき、物品 係止ラック60の側面がガイド部材74の内面に当接し、ガイド部材74を介し て移動力が水平方向の移動機構に伝達され、垂直移動機構に無理な力がかからな いようにする。物品係止ラック60には、これを直接手動的に動かすのに便利な ように、取っ手を設けてもよい。
【0045】 これまでの説明では、2次元移動機構と垂直移動機構とを別個に設け、これに よって3次元移動機構を構成していたが、弾性体のみを使用することによって3 次元移動機構を構成することができる。図12は3次元移動機構を構成する弾性 体の各種例を示す。図12(a)はコイルばねの例で、コイル巻き径を長さ方向 両端部で小さく、長さ方向中央部で大きくしたものである。コイル自体の径も長 さ方向両端部で小さく、長さ方向中央部で大きくしても差し支えない。このよう に構成されたコイルばねを設置体と物品載置部材との間に介在させれば、地震等 による横揺れと縦揺れを吸収することができ、物品載置部材に揺れのエネルギー が伝達されることはない。また、特定の振動数で共振することがないので、あら ゆる揺れに対しても有効に免震効果を得ることができる。
【0046】 図12(b)の例は、多数のワイヤをワイヤブラシ状に立てたものである。こ れを設置体と物品載置部材との間に介在させれば、ここのワイヤが撓むことによ って地震等による横揺れと縦揺れを吸収することができ、物品載置部材に揺れの エネルギーが伝達されることはない。図12(c)の例は、図12(b)の例に 近いもので、スチールダンパと称され、上下の平行な板の間に複数のバネ材を縦 方向に平行に介在させたもので、バネ材が撓むことによって地震等による横揺れ と縦揺れを吸収するようにしたものである。
【0047】 図12に示す例のほか、弾性材として、空気を封入したボール状のもの、ゴム 板を複数枚積層したもの、弾性を有する合成樹脂、スポンジ、長さが異なる複数 枚の板ばねの積層体などを用いることもできる。
【0048】 次に、本考案に適用可能な2次元移動機構の各種の例を示す。図13に示す例 は、サドル76に2個のローラ77を回転可能に支持してサドル76を一方向に 移動可能とするとともに、一対のサドル76の上面に、サドル76の移動方向に 直交する方向にレール78を固着し、レール78の上にローラ79をレール78 に沿って転動可能に載せたものである。ローラ79は適宜の中間部材で回転可能 に支持し、上記中間部材で垂直移動機構の介在のもとに物品載置部材を支持すれ ばよい。
【0049】 図14に示す例は、2個一対のローラ77を回転自在に支持するサドル76上 に垂直移動機構20を構成するダンパ78を固着し、2個一対のサドル76に固 着されたダンパ78のピストンロッド79の上端に梁80を固着し、このように 構成された一対の梁80間に、サドル76の移動方向に直交する方向にレール8 1を敷設したものである。レール81上には適宜の物品載置部材に回転自在に支 持されたローラを転動可能に載せる。この例によれば、垂直移動機構20が地震 等の縦揺れエネルギーを吸収し、ローラ77と、レール81およびその上に載せ られるローラとによって構成される水平方向の2次元移動機構によって地震等の 横揺れエネルギーを吸収する。
【0050】 図15に示す例は、設置体1と物品載置部材15との間に、垂直移動機構20 とその下端に取り付けられた2次元移動機構30とが介在したものである。垂直 移動機構20はダンパとピストンロッドとバネからなり、2次元移動機構30は 硬球とこの硬球を任意の方向に回転可能に支持する部分球形のリテーナとからな る。この例によれば、垂直移動機構20と2次元移動機構30とを一体的に連結 して3次元移動機構を構成したため、3次元移動機構をコンパクトに構成するこ とができる利点がある。
【0051】 図16に示す例は、設置体1の上に比較的大きな半径の球面状の窪み81を有 する受け部材80を固定し、上記窪み81には硬球82を落とし込み、硬球82 の上に中間板9を載せ、中間板9の上に垂直移動機構20を介して物品載置部材 15を載せたものである。上記受け部材80、硬球82、垂直移動部材20は複 数個あり、これによって中間板9、物品載置部材15が水平に支持されている。 硬球82は、通常は上記窪み81の中央のもっとも低い位置にある。地震等によ る横揺れエネルギーは、硬球82が窪み81内で転動することにより吸収されて 物品載置部材15に伝達されず、縦揺れエネルギーは、垂直移動機構20により 吸収され物品載置部材15に伝達されない。
【0052】 3次元移動装置を設けると、物品載置部材が定位置で停止しないことがある。 そこで、設置体に対して物品載置部材が常時定位置になるように物品載置部材を バネ等によって付勢して中立位置におき、地震等の揺れエネルギーが発生したと きバネ付勢力に抗して物品載置部材を移動させるようにしてもよい。
【0053】 また、通常時には物品載置部材を所定の位置に制止させて3次元移動機構の機 能を停止させておき、地震等による揺れが発生したときには制止を解除して3次 元移動機構を有効に機能させる制止手段を設けてもよい。静止手段としては、例 えば閂を物品載置部材に嵌入させるようにしたもの、その他適宜のストッパを設 けたものなど、適宜のものを採用してよい。そして、地震等の揺れを機械的又は 電気的に感知する感震装置を設け、機械的な感震装置の場合は、振動エネルギー を機械的な移動力に変換し、これによって上記静止手段による物品載置部材の静 止態様を解除し、電気的な感震装置の場合は、地震等の揺れを検出して信号を出 力し、この検出信号により制止手段を解放して物品載置部材を3次元的に移動可 能にするようにする。
【0054】 上記のような静止手段と感震装置を設けておけば、常時は物品載置部材を所定 の位置に静止させておくことができ、物品載置部材の位置がまちまちになること を防止することができるし、地震が発生した場合は、制止手段を解放することに より3次元移動機構を有効に機能させることができる。
【0055】 本考案に適用する垂直移動機構の減衰機として、機械的なガバナを用いてもよ い。例えば、垂直移動を回転力に変換し、この回転力を増速し、増速輪列の最終 段に設けた回転体に摩擦ブレーキ、遠心力あるいは空気抵抗によるブレーキを掛 け、結果として垂直移動力に対して減衰効果を与えるようにしたものを用いるこ とができる。
【0056】 図1に示す例において、設置体1と中間板9との間に垂直移動機構20を、 中間体9と物品載置部材15との間に2次元移動機構50を設けてもよい。
【0057】 本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載した技術思想を逸脱しない範囲で任 意に設計変更可能である。
【0058】
【考案の効果】
本考案によれば、物品載置部材とその設置体との間に、設置体に対して物品載 置部材を水平面内で2次元的に移動させることができる2次元移動機構と設置体 に対して物品載置部材を垂直方向に移動させることができる垂直移動機構とから なる3次元移動機構が介在し、設置体に対して物品載置部材が水平方向及び垂直 方向に移動することができたため、地震等による横揺れエネルギーのみでなく縦 揺れエネルギーも3次元移動機構で有効に吸収することができ、揺れエネルギー による物品載置部材上の収納物や展示品などの損傷を防止し、また物品載置部材 自体の転倒や破損を防止することができる。また、3次元移動機構を、2次元移 動機構と垂直移動機構とで構成したため、設計上、製造上無理のない3次元移動 機構を得ることができる。
【0059】 請求項2記載の考案によれば、垂直移動機構を、弾性部材で構成したため、極 めて簡単な垂直移動機構を得ることができる。
【0060】 請求項3記載の考案によれば、垂直移動機構を、弾性部材と減衰機とで構成し たため、地震等の縦揺れエネルギーを減衰機で減衰させることができ、所期の目 的を効果的に達成することができる。
【0061】 請求項4記載の考案によれば、2次元移動機構を、互いに交差する方向に設け られたレールと、これらのレールに沿って転動するローラで構成したため、2次 元移動機構を容易に得ることができる。
【0062】 請求項5記載の考案によれば、2次元移動機構を、任意の向きに回転可能な回 転体を有するもので構成したため、2次元移動機構をコンパクトにまとめること ができる。
【0063】 請求項6記載の考案によれば、通常時には物品載置部材を所定の位置に制止さ せて3次元移動機構の機能を停止させておき、地震等による揺れが発生したとき には制止を解除して3次元移動機構を有効に機能させる制止手段を設けたため、 常時は物品載置部材を所定の位置に静止させておくことができ、物品載置部材の 位置がまちまちになることを防止することができるし、地震が発生した場合は、 制止手段を解放することにより3次元移動機構を有効に機能させることができる 。
【0064】 請求項7記載の考案によれば、地震等の揺れを感知する感震装置を有し、この 感震装置の検出信号により制止手段を解放するようにしたため、地震等の揺れが 発生したとき即座に制止手段を開放して即座に3次元移動機構を有効に機能させ ることができる。
【0065】 請求項8記載の考案によれば、垂直移動機構は、垂直方向の移動を水平方向の 移動に変換する変換手段を有し、横向きに配置した減衰機を上記変換手段に連結 したため、垂直移動機構の上下方向の寸法を小さくすることができ、物品載置部 材の高さ位置を低くし、装置全体が嵩張ることを防止することができる。
【0066】 請求項9記載の考案によれば、設置体と箱形の中間体との間に2次元移動機構 が介在し、中間体の上端部に箱の蓋の形をした物品載置部材が被せられ、物品載 置部材と上記中間体との間に垂直移動機構が設けられ、設置体に対して物品載置 部材が水平方向及び垂直方向に移動するようにしたため、地震の横揺れエネルギ ーを2次元移動機構が吸収し、縦揺れエネルギーを垂直移動機構が吸収し、物品 載置部材上の物品を地震の揺れから守ることができる。また、中間体と物品載置 部材との間をチェーンやリンク、紐などで連結する必要はないし、内部機構が中 間体と物品載置部材とで隠蔽されるので、体裁も良いという利点もある。
【0067】 請求項10記載の考案によれば、物品載置部材とその設置体との間に、設置体 に対して物品載置部材を水平面内で2次元的に移動させることができる2次元移 動機構と設置体に対して物品載置部材を垂直方向に移動させることができる垂直 移動機構とからなる3次元移動機構が介在する免震装置であって、上記3次元移 動機構から物品載置部材が吊り下げられているため、吊り下げ型の物品載置部材 でも、3次元的な免震効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかる免震装置の一実施形態の要部を
示す正面図。
【図2】本考案にかかる免震装置の別の実施形態の要部
を示す正面図。
【図3】本考案にかかる免震装置のさらに別の実施形態
の要部を示す正面図。
【図4】図1に示す実施形態の右側面図。
【図5】本考案にかかる免震装置のさらに別の実施形態
を示す正面図。
【図6】本考案にかかる免震装置のさらに別の実施形態
を示す斜視図。
【図7】本考案にかかる免震装置のさらに別の実施形態
を示す正面図
【図8】本考案にかかる免震装置のさらに別の実施形態
の要部を示す正面図
【図9】本考案にかかる免震装置のさらに別の実施形態
の要部を示す正面図
【図10】本考案にかかる免震装置のさらに別の実施形
態を示す正面図。
【図11】本考案に適用可能な物品載置部材の例の一部
を示す平面図。
【図12】本考案に適用可能な3次元移動機構の各種例
を示す正面図。
【図13】本考案に適用可能な2次元移動機構の変形例
を示す正面図。
【図14】本考案に適用可能な2次元移動機構の別の変
形例を示す正面図
【図15】本考案に適用可能な2次元移動機構および垂
直移動機構の変形例を示す正面図。
【図16】本考案に適用可能な2次元移動機構および垂
直移動機構の別の変形例を示す正面図。
【符号の説明】
1 設置体 15 物品載置部材 16 減衰機 19 弾性体としてのバネ 20 垂直移動機構 30 2次元移動機構 50 2次元移動機構 41 弾性体としてのバネ 42 減衰機 60 物品載置部材としての絵画ラック

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物品載置部材とその設置体との間に、設
    置体に対して物品載置部材を水平面内で2次元的に移動
    させることができる2次元移動機構と設置体に対して物
    品載置部材を垂直方向に移動させることができる垂直移
    動機構とからなる3次元移動機構が介在し、設置体に対
    して物品載置部材が水平方向及び垂直方向に移動するこ
    とができることを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】 垂直移動機構は、弾性部材からなる請求
    項1記載の免震装置。
  3. 【請求項3】 垂直移動機構は、弾性部材と減衰機から
    なる請求項1記載の免震装置。
  4. 【請求項4】 2次元移動機構は、互いに交差する方向
    に設けられたレールと、これらのレールに沿って転動す
    るローラからなる請求項1記載の免震装置。
  5. 【請求項5】 2次元移動機構は、任意の向きに回転可
    能な回転体を有してなる請求項1記載の免震装置。
  6. 【請求項6】 通常時には物品載置部材を所定の位置に
    制止させて3次元移動機構の機能を停止させておき、地
    震等による揺れが発生したときには制止を解除して3次
    元移動機構を有効に機能させる制止手段を有する請求項
    1記載の免震装置。
  7. 【請求項7】 地震等の揺れを感知する感震装置を有
    し、この感震装置の検出信号により制止手段を解放する
    請求項6記載の免震装置。
  8. 【請求項8】 垂直移動機構は、垂直方向の移動を水平
    方向の移動に変換する変換手段を有し、横向きに配置し
    た減衰機を上記変換手段に連結した請求項1記載の免震
    装置。
  9. 【請求項9】 設置体と箱形の中間体との間に2次元移
    動機構が介在し、中間体の上端部に箱の蓋の形をした物
    品載置部材が被せられ、物品載置部材と上記中間体との
    間に垂直移動機構が設けられ、設置体に対して物品載置
    部材が水平方向及び垂直方向に移動することができるこ
    とを特徴とする免震装置。
  10. 【請求項10】 物品載置部材とその設置体との間に、
    設置体に対して物品載置部材を水平面内で2次元的に移
    動させることができる2次元移動機構と設置体に対して
    物品載置部材を垂直方向に移動させることができる垂直
    移動機構とからなる3次元移動機構が介在する免震装置
    であって、 上記3次元移動機構から物品載置部材が吊り下げられて
    いる免震装置。
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