JPS5844897B2 - ガスばね - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はガスばね、ショックアブソーバ又はそれに類す
るものとして用いられる油圧−空気圧式の構成部材であ
って、シリンダと、該シリンダの一端部に設けられたピ
ストンロッド貫通案内ユニットと、シリンダ内で前記ピ
ストンロッド貫通案内ユニットとシリンダ他端部との間
に位置する圧力ガス室と、ピストンロッド貫通案内ユニ
ットを貫いて圧力ガス室内に導入されたピストンロッド
と、ピストンロッド貫通案内ユニットにおいて隔離装置
により圧力ガス室から隔てられた範囲に位置していてピ
ストンロッドを囲繞する液体用の環状室と、この環状室
と外気との間に設置された第一のピストンロッド貫通案
内シール装置と、圧力ガス室と液体用の環状室との間に
設置された第二のピストンロッド貫通案内シール装置と
を備えている形式のものに関する。

ピストンロッド貫通案内ユニットを備えたガスはねは公
知となっており、この場合シリンダの軸線方向で位置固
定された該ユニットのガイドブシュは、ピストンロッド
と共に１つの液体用環状室を形成し、この環状室はガイ
ドブシュとピストンロッドとに当接するシール装置によ
り限定される。

この形式の構造における欠点は、前記シール装置を介し
て圧力ガス室にガスを充填することが出来ず、従ってシ
リンダ内に別個の充填箇所を形成しなければならないこ
とである。

つまり、先づこのような充填箇所をシリンダに設け、し
かも所望のガス充填が行われた後でこれを密閉するとい
う附劇的な作業が必要とされる。

本発明の課題とするところは、ガスばね、ショックアブ
ソーバ又はそれに類するものに用いる油圧−空気圧式の
つまりハイドロニューマチック式の構成部材に改良を加
えて、前述の欠陥が除かれるようにし、その構造を簡単
なものにし、しかもその機能が申分なく発揮されるよう
にし、更にシリンダに附加的な充填開口を設けることな
く、圧力ガス室への確実なガス充填が行われるようにす
ることである。

この課題は本発明によれば、ガスばねであって、シリン
ダを有し、該シリンダがそのピストンロッド出口側端部
にピストンロッド案内及び第１のピストンロッドシール
部材を有し、かつシリンダ内に圧力ガス充填物によりガ
スばね室として働く圧力ガス室が形成されており、かつ
圧力ガス室とピストンロッドシール部材との間に、液体
を充填された環状室が形成されており、この環状室は、
支持部材と第１のピストンロッドシール部材とは別の第
２のピストンロッドシール部材とにより、圧力ガス室に
対してシールされている形式のものにおいて、環状室と
圧力ばね室との間に、シリンダ外部から環状室を経て圧
力ガス室内へ圧力ガスを圧入する充填工程中、環状室側
から圧力ガス室側へ向って開く逆止め弁として働く装置
が配置されており、この装置が、逆止め弁として働く第
２のピストンロッドシール部材から、又は多孔性材料よ
り成る支持部材と少なくとも１つの流通口を有する環状
板とから、構成されていることによって解決されている
。

隔離装置を本発明における如く構成するならば、圧力ガ
ス室へのガス充填は、ピストンロッド貫通案内ユニット
のピストンロッド出口側端部とピストンロッドとの間に
形成される環状間隙、並びに液体用環状室を介して容易
に行われ、従ってシリンダ壁における附加的な充填装置
は省略され、ひいては特別な充填開口の不充分な閉鎖に
基く欠陥も生じ得なくなるので、シリンダ壁の緊密性試
験を実施する必要がない。

本発明によれば、ガス及び液体の充填を極めて簡単に行
なうことができる。

換言すればガス及び液体を、ガスばねを最終的に組立て
た状態において、充填することができ、この場合、就中
、従来技術におけるような、充填を行なった後に閉鎖し
なければならない充填孔をガスばねの構成部分の壁中に
設ける必要がない。

本発明の構成によれば、圧力ガス室内へのガスの充填及
び環状室内への液体の充填を上記のように極めて簡単な
形式で行なうことが可能であるが、この場合環状室内の
充填液体は、ガスばねの機能の確実性を著しく高める。

それというのはこの場合ガスばね内室を外気に対してシ
ールするシール部材はたんに液体を外気に対してシール
すればよいからである。

外気への液体の洩れを防止するためのシール作用は、外
気への高圧気体の洩れを防止するシール作用よりもはる
かに容易でありシール技術上問題点が少ない。

またこの場合環状室内における充填液体により、ピスト
ンロッドは、シール部材に接触して摺動するさい常に、
液体で潤滑され、その結果滑り摩擦が減少し、ひいては
また、当該シール部材の摩耗も減少する。

本発明の一実施例によれば、液体用環状室を圧力ガス室
から仕切る隔離装置に逆止弁が設けられており、この場
合有利には該逆止弁が第二のピストンロッド貫通案内シ
ール装置によって形成される。

従って、油圧−空気圧式構成部材の充填工程に際しては
、液体用環状室と圧力ガス室との間に位置するシール装
置が、とりもなおさず逆止弁としての機能を発揮するの
で、附加的な構成要素は全く不要であって、この充填工
程では先づガスが入れられ次いで油乃至液体が液体環状
室に充填される。

液体注入時には油圧−空気圧式構成部材のピストンロッ
ドが押下げられるように配置されるので、液体用環状室
内に残存するガスは、液体用環状室と圧力ガス室との間
の逆止弁として作用するピストンロッド貫通案内シール
装置を経て圧力ガス室内に押入せしめられる。

特に簡単でしかも確実に機能する逆止弁としての第二の
ピストンロッド貫通案内シール装置を提供するために、
このシール装置をリップシールとして形成することが出
来る。

別の実施例によれば、液体用環状室と圧力ガス室とを隔
離する装置に、圧力ガスを通過させる多孔壁が設けられ
ており、この場合有利には多孔壁が焼結素材殊に焼結鉄
から形成される。

更に別の実施例によれば、この多孔壁の特に圧力ガス室
側部分に、少くとも１つのガス流通口を備えたガスを通
さない素材から成る環状板が当てつけられており、この
環状板は液体用環状室の液体を通さないように設計され
ていると共に、そのガス流通口の寸法は、少くとも通常
運転中には、液体が環状室から出て圧力ガス室内に進入
することを表面張力により阻止するように規定されてい
る。

なお、液体用環状室と圧力ガス室との間の常時開いてい
るこのような接続部の代りに、環状板に形成されたガス
流通口を小さな弁板で被う形式の逆止弁を用いることも
可能である。

次に図示の実施例につき本発明を説明する二第１図に示
されたガスはねはシリンダ１を有しており、このシリン
ダ内ではピストンロッド２に固定されたピストン３が滑
動する。

シリンダ１の上端に配置されたピストンロッド案内５と
ピストンロッド２との間には環状間隙４が形成されてい
る。

リップシールとして形成された第一のピストンロッド貫
通案内シール装置６は、その外周部を支持部材８におけ
るスリーブ状部分８ｂによってピストンロッド案内５に
圧着されているのに対し、矢張りリップシールとして形
成された第二のピストンロッド貫通案内シール装置９は
、環状板１１により支持部材８における半径方向内向き
の壁８ａに圧着されている。

これらの各部材即ちピストンロッド案内５と両ピストン
ロンド貫通案内シール装置６，９と支持部材８と環状板
１１とは共働して１つのピストンロッド貫通案内ユニッ
トを形成している。

前記のユニットを軸方向で位置固定するためには、シリ
ンダ１内に隆起部１２が形成されており、当該ユニット
が組立てられた後ではシリンダ１の上端部１７が折返し
加工され６ので、このピストンロッド貫通案内ユニット
は申分なく位置固定される。

このガスばねの充填工程は、先づガスを環状間隙４と開
いているピストンロッド貫通案内シール装置６とを介し
て液体用の環状室７内に圧入することによって達成され
、次いでこのガスは半径方向の壁８ａとピストンロッド
２との間の環状間隙１０並びに逆止弁として作用する第
二のピストンロッド貫通案内シール装置９を経て圧力ガ
ス室１３内に達する。

ガスばねの内圧が所定の値に達すると、直ちにガスの供
給が中断される。

換言すれば外部からの圧力作用が遮断され、次いでリッ
プシールとして形成された両ピストンロッド貫通案内シ
ール装置６，９が、大気圧より高い内圧に基いて、ピス
トンロッド２に密着する。

次にこれと同じような形式で液体用環状室７内に液体乃
至油が供給されるが、その際環状室７内の残留ガスを圧
力ガス室１３に到らしめるべく、ガスばねのピストンロ
ッド２が下方に押込まれ、これにより液体より軽いガス
は環状室７内に流入する液体によって、この環状室７か
ら第二のピストンロッド貫通案内シール装置９を経て圧
力ガス室１３内に押しやられる。

このようにして所定量の液体の充填が終了すれば、この
ガスばねは直ちに作動可能になる。

第１図の実施例と第２図の実施例とが相異している点は
、後者における環状板１１とピストンロッド案内５との
間に位置する支持部材１４が多孔材料から戒っているこ
とであり、液体用の環状室７と圧力ガス室１３との間の
ピストンロッド貫通案内シール装置１５としては、簡単
な０−リングが用いられていることであって、この０−
リングは隆起部１２に当接している環状板１１によって
、支持部材１４における多孔の壁１４ａに形成されたリ
ング溝１８内に圧着されており、支持部材１４には矢張
りスリーブ状の部分１４ａが設けられている。

環状板１１には小横断面のガス流通口１６が単数又は複
数形成されている。

ところでこの実施例においても、先づ初めにガスが環状
間隙４とリップシールとして形成され圧力下で開く第一
のピストンロッド貫通案内シール装置６とを介して液体
用の環状室Ｉ内に供給され、次いでこのガスは支持部材
１４の有孔壁１４ａとガス流通口１６とを経て圧力ガス
室１３に達する３次に内圧が所定値に達するとガス供給
が中断され、所定量の液体が矢張り環状間隙４と第一の
ピストンロッド貫通案内シール装置６とを介して環状室
γ内に圧入される。

各ガス流通口１６の横断面積は、ガスはね作動中にピス
トンがどのような位置を占めた場合でも、液体が重力に
より環状室７から圧力ガス室１３に侵入しないように設
計されている。

液体用環状室７と圧力ガス室１３との間に設けられる隔
離装置を本発明における如く構成することによって、仮
に当該構成部材が不利な状態におかれたとしても、上位
の液体用環状室７内に在る液体が下位の圧力ガス室１３
内に逃げるようなことはない。

然し乍ら、構成部材に液体を充填するに際し、圧力上昇
乃至充填量超過が生じた場合に、圧力ガス室１３に液体
が進入すること迄除外される訳ではない。

本発明は図示の実施例にのみ限定されるものではなく、
液体用環状室１と圧力ガス室３との間に配置される隔離
装置を任意形式で構成することが可能であって、例えば
、環状板１１上に弾性的なプレートを配置して、これに
環状板１１の穿孔部を閉鎖させることも可能であり、更
には支持部材８乃至１４に前記穿孔部に延びる通路を設
けるか、或は適当な通路を環状板１１の下方でリング溝
に開口させることが可能であるので、その場合圧力ガス
室への供給は逆止弁として作用する装置を介して行われ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による形式で構成されたガスばねの縦断
面図、第２図は多孔壁を有する隔離装置を備えたガスば
ねの部分的縦断面図である。 １・・・・・・シリンダ、２・・・・・・ピストンロッ
ド、３・・・・・・ピストン、４，１０・・・・・・環
状間隙、５・・・・・・ピストンロッド案内、６，９，
１５・・・・・・ピストンロッド貫通案内シール装置、
７・・・・・・液体用の環状室、８．１４・・・・・・
支持部材、８ａ 、 １４ａ・・・・・・壁、８ｂ 、
１４ｂ・・・・・・スリーブ状の部分、１１・・・・・
・環状板、１２・・・・・・隆起部、１３・・・・・・
圧力ガス室、１６・・・・・・ガス流通口、１７・・・
・・・シリンダの上端部、１８・・・・・・リング溝。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガスばねであって、シリンダを有し、該シリンダが
   そのピストンロッド出口側端部にピストンロッド案内及
   び第１のピストンロッドシール部材を有し、かつシリン
   ダ内に圧力ガス充填物によりガスばね室として働く圧力
   ガス室が形成されており、かつ圧力ガス室とピストンロ
   ッドシール部材との間に、液体を充填された環状室が形
   成されており、この環状室は、支持部材と第１のピスト
   ンロッドシール部材とは別の第２のピストンロッドシー
   ル部材とにより、圧力ガス室に対してシールされている
   形式のものにおいて、環状室と圧力はね室との間に、シ
   リンダ外部から環状室を経て圧力ガス室内へ圧力ガスを
   圧入する充填工程中、環状室側から圧力ガス室側へ向っ
   て開く逆止め弁として働く装置が配置されており、この
   装置が、逆止め弁として働く第２のピストンロッドシー
   ル部材９から、又は多孔性材料より成る支持部材１４と
   少なくとも１つの流通口１６を有する環状板１１とから
   、構成されていることを特徴とするガスはね。