JP2002115701A - 二重構造式シリンダ型アキュムレータの安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダの破損事故の発生を防止する。 【解決手段】容器１の一端に設けられた給気口２付き上
蓋３と、該容器の他端に設けられた液体出入口４付の給
排筒５と、該給排筒の内側に突設され、気体室１１内に
突出するシリンダ６と、該シリンダの上端部に設けられ
たストッパ２０と、該シリンダに挿着され、液体室とシ
リンダ室とを仕切るピストン７と、を備えるとともに、
該ピストン７に前記気体室１１と前記液体室８とを連通
せしめる連通孔１２を設け、該連通孔に安全弁１４を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、二重構造式ピス
トン型アキュムレータの安全装置に関するものである。

【０００２】従来の二重構造式ピストン型アキュムレー
タは、容器の一端に設けられた給気口付き上蓋と、該容
器の他端に設けられた液体出入口の給排筒と、該給排筒
の内側に突設され、気体室内に突出するシリンダと、該
シリンダの上端部に設けられたストッパと、該シリンダ
に挿着され、液体室とシリンダ室とを仕切るピストン
と、を備えている。そして、このアキュムレータでは、
容器、上蓋、給排筒、に大きな圧力がかかるので、それ
に耐えうる設計がなされている。

【０００３】また、シリンダ室は気体室と同圧になるの
で、シリンダは給排筒の液体出入口との差圧分だけ耐え
得るように設計すれば十分である。

【０００４】このアキュムレータでは、使用に先立ち給
気口より使用に見合った圧力の窒素ガスを気体室に封入
すると、該窒素ガスの圧力によりピストンは給排筒に押
し付けられる。

【０００５】液体出入口より液体が流入し、該ピストン
にかかる圧力が、気体室の圧力＋ピストンシール材の摩
擦力、より高くなると、該ピストンは上昇し気体室に封
入されている窒素ガスが圧縮される。

【０００６】そして、液体室の圧力と気体室の圧力とが
等しくなるとピストンの上昇は停止する。又、気体室に
封入された窒素ガスの圧力が漏出などにより少なくなる
と、ピストンはシリンダの上端部のストッパに当たり停
止する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来例では、前述のよ
うに、ピストンがストッパに当たって停止する。それで
も液体圧力が上昇すると、窒素ガスと液体圧力の差圧力
分全てがストッパ及びシリンダにかかる。そのため、こ
れらが変形又は破損してしまうことがある。

【０００８】この発明は、上記事情に鑑み、シリンダの
変形破損事故の発生を防止することを目的にする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明は、容器の一端
に設けられた給気口付き上蓋と、該容器の他端に設けら
れた液体出入口付の給排筒と、該給排筒の内側に突設さ
れ、気体室内に突出するシリンダと、該シリンダの上端
部に設けられたストッパと、該シリンダに挿着され、液
体室とシリンダ室とを仕切るピストンと、を備えた二重
構造式シリンダ型アキュムレータにおいて；少なくとも
該ピストン又は該給排筒のいずれか一方に、前記気体室
と前記液体室とを連通せしめる連通孔を設け、該連通孔
に安全弁を設けたことを特徴とする。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明者は、前記従来例の問題を
解決するには、気体室と液体室との圧力差が所定値を越
えたときには、液体室の液体が気体室に流入するように
すればよいと考えた。そこで、少なくともピストン又は
給排筒の一方に、液体室と気体室とに連通する連通孔を
形成し、該連通孔に所定圧力差で開弁する安全弁を設け
た。この発明は、前記知見に基づいてなされたものであ
る。

【００１１】

【実施例】この発明の実施例を図１、図２により説明す
る。容器１の上端には、給気口２の付いた上蓋３が設け
られ、その下端には液体出入口４の付いた給排筒５が設
けられている。

【００１２】該給排筒５の内面から液体出入口４の先端
部４ａが突出しており、該先端部４ａには、気体室１１
に突出するシリンダ６が螺着されている。

【００１３】シリンダ６には、ピストン７が挿着されて
おり、このピストン９は液体出入口４に連通する液体室
８と、気体室９と連通するシリンダ室１０と、を仕切っ
ている。

【００１４】該ピストン７には、シリンダ室１０と液体
室８とを連通せしめる連通孔１２が形成され、該連通孔
１２には安全弁１４が設けられている。

【００１５】この安全弁１４として、図２に示す差圧固
定式安全弁が採用される。この安全弁１４は、連通孔１
２に形成された弁座１２ａと、弁部１５ａ、通孔部１５
b、及び円筒部１５ｃからなる弁体１５と、該円筒部１
５ｃに挿入されたばね１６を押圧し、細孔１７を有する
押しねじ１８と、から構成されている。

【００１６】シリンダ６の上端部には、ピストン７の移
動を規制するストッパ２０が設けられている。

【００１７】なお、図において、２１、２２はシール部
材、２３、２４はバルブ、２４は液圧源、２５は貯留
槽、２６はシール材、をそれぞれ示す。

【００１８】次に、本実施例の作動について説明する。
図示しない液圧回路に、液体出入口４が接続されてお
り、該液圧回路の液体Ｒの圧力が高くなると、ピストン
７は押圧されて上昇する。そして、液体Ｒの圧力が、気
体室１１の圧力＋ピストンシール２１，２２の摩擦力の
値、となってバランスがとれると、その上昇を停止す
る。

【００１９】逆に、液圧回路の液体Ｒの圧力が低下する
と、気体室１１の圧力が液体室８の圧力よりも大きくな
るので、ピストン７は下降し、液体の圧力が気体室１１
の圧力＋ピストンシール２１，２２の摩擦力の値、とな
りバランスがとれると、その下降を停止する。

【００２０】気体室１１内の圧力が漏出等の原因により
低下すると、ピストン７は液体Ｒに押圧されて上昇し、
ストッパ２０に当たり停止する。この時、ストッパ２０
及びシリンダ６には、液体Ｒと気体圧力の差圧力の全て
がかかり、液体室８の圧力は気体室１１の圧力より大幅
に高くなる。

【００２１】液体室８の圧力と気体室１１の圧力の差が
所定差値に達すると、連通孔１２に流入している液体Ｒ
がばね１６のばね力に抗して弁体１５を押し上げ、弁部
１５ａを弁座１２ａから離間させ安全弁１４を開弁させ
る。

【００２２】液体室８の液体Ｒは連通孔１２を通りシリ
ンダ室１０に流入するので、液体室８内の圧力は所定差
圧以上上昇しない。従って、シリンダ６に無理な力が加
わらないので変形又は破損することはない。

【００２３】この発明の第２実施例を図３、図４により
説明する。この実施例と第１実施例との相違点は次の通
りである。 (1)連通孔３２を給排筒５に形成し気体室１１と液体出
入口４とを連通せしめ、該連通孔３２に安全弁３４を設
けたことである。この安全弁３４も第１実施例と同様に
機能するのでシリンダ６に無理な力が加わるのを防止す
ることができる。

【００２４】(2)安全弁３４が差圧可変式安全弁である
点である。この安全弁３４では、めねじ２８ａが深くな
っているので、押しねじ２８の位置調整が可能であるた
め、ばね１６の押圧力を変更できる。

【００２５】この発明の実施例は、上記に限定されるも
のではなく、例えば、第１実施例と第２実施例とを組み
合わせた形態、即ち、安全弁をピストン６及び給排筒５
に配設してもよい。又、安全弁として、リリーフ弁やチ
ェック弁を用いても良い。

【００２６】

【発明の効果】この発明は、以上の様に構成したので、
気体室と液体室との差圧が所定以上になると、安全弁が
開き液体室の液体が連通孔を介して気体室に流入する。
そのため、液体室の圧力は、所定差圧以上上昇しないの
で、シリンダの変形又は破損を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す縦断面図である。

【図２】安全弁の拡大図である。

【図３】本発明の第２実施例を示す縦断面図である。

【図４】安全弁の拡大図である。

【符号の説明】

１ 容器 ２ 給気口 ５ 給排筒 ６ シリンダ ３ 上蓋 ４ 液体出入口 ７ ピストン ８ 液体室 １０ シリンダ室 １１ 気体室 １４ 安全弁 ２０ ストッパ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】容器の一端に設けられた給気口付き上蓋
   と、該容器の他端に設けられた液体出入口付給排筒と、
   該給排筒の内側に突設され、気体室内に突出するシリン
   ダと、該シリンダの上端部に設けられたストッパと、該
   シリンダに挿着され、液体室とシリンダ室とを仕切るピ
   ストンと、を備えた二重構造式シリンダ型アキュムレー
   タにおいて；少なくとも該ピストン又は該給排筒のいず
   れか一方に、前記気体室と前記液体室とを連通せしめる
   連通孔を設け、該連通孔に安全弁を設けたことを特徴と
   する二重構造式シリンダ型アキュムレータの安全装置。
2. 【請求項２】安全弁が、差圧固定式安全弁であることを
   特徴とする請求項１記載の二重構造式シリンダ型アキュ
   ムレータの安全装置。
3. 【請求項３】安全弁が、差圧可動式安全弁であることを
   特徴とする請求項１記載の二重構造式シリンダ型アキュ
   ムレータの安全装置。