JPS5831267B2 - アルミニウム製熱交換器の製造方法 - Google Patents

アルミニウム製熱交換器の製造方法

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JPS5831267B2 JP52089521A JP8952177A JPS5831267B2 JP S5831267 B2 JPS5831267 B2 JP S5831267B2 JP 52089521 A JP52089521 A JP 52089521A JP 8952177 A JP8952177 A JP 8952177A JP S5831267 B2 JPS5831267 B2 JP S5831267B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は耐孔食性に優れたアルミニウム製熱交換器の製
造方法の改良に関するものである。
従来アルミニウム製ラジェーター等の熱交換器を製造す
るには、第1図に示す如く水管1と管板4、管板4と水
室7、水管1とフィン6と側板10とは夫々ブレージン
グにより接合して組立てている。
ここで管板4、フィン6にはJI83003合金からな
る芯材の両面にA/−8i系、又はkl−8i −Mg
系のろう材を被覆したプレージングシートを使用し各部
材を接合する方法が行われている1゜ 又熱交換器の水管1及び水室7には陰極防食効果に優れ
た複合材が使用されており、この複合材は亜鉛0.8〜
1.3重量多を含むアルミニウム合金、例えばJIS7
072合金を皮材とし、これをJI83003合金から
なる芯材の片面にクラッドしたものを使用する。
この水室7は第2図に示す如く芯材8と皮材9による複
合板でプレス成形した状態で使用され又水管1は第3図
に示す如く芯材2と皮材3による複合管の状態で使用さ
れる。
なお11は水入口である。
これらの複合材を腐食性雰囲気に晒した場合芯材のアル
ミニウム合金に比べて電位が低いJIS7072合金か
らなる皮材が優先的に腐食されて、芯材の腐食を防止す
る作用、即ち陰極防食効果を有する。
なおJI87072合金及びJIS3003合金の組成
を示すと第1表の如くである。
一般にこのようなアルミニウム合金クラツド材を用いて
熱交換器を製造するような場合、従来はフラックスを用
いて大気中でろう接(ブレージング)したり、或は溶融
フラックス中でろう接する方法が行なわれている。
しかしながらこの方法は有毒なフラックスを用いるため
公害上の問題がある上、ろう液抜にフラックスの除去作
業を必要とするなどの問題があるため、フラックスを用
いずに真空中でろう接を行なう方法が近年盛んに行なわ
れるようになって来た。
しかるにこの真空ブレージング法を用いて熱交換器のろ
う接を行なうと、氷室、水管に使用される複合材におい
て皮材となるJIs7072合金中に含1合金属鉛が真
空中で蒸発し、表層面の亜鉛婦度が極端に減少するため
陰極防食効果がほとんどなくなり、ラジェーターのよう
な摩食環境のきびしい雰囲気に晒されると、孔食が芯材
に捷で達し、遂には氷室、水管に貫通孔を生ずるなどの
欠点があった。
本発明はかかる点に鑑み種々研究を行なった結果、アル
ミニウム製熱交換器を真空ブレージングにより接合組立
てる場合真空中における複合材の亜鉛の蒸発を抑製して
陰極防食効果を高めた即ち耐孔食性のすぐれたアルミニ
ウム製熱交換器の製造方法を開発したものである。
即ち本発明はアルミニウム製熱交換器をブレージング接
合により製造する方法において、氷室、水管に亜鉛0.
1〜2.0重量φ、カルシウム、ナトリウム、カリウム
の倒れか1種又は2種以上を合計で0.01〜2.0重
量優、残部アルミニウムよりなるアルミニウム合金を皮
材とし、これをアルミニウム、A/−Mn−系合金、k
l −Mn −Mg系合金、A/−Mg−8i系合金の
何れか1種からなる芯材の片面又は両面にクラッドして
なる複合材により熱交換器に組み込んだ後、真空ブレー
ジングにより接合することを特徴とするアルミニウム製
熱交換器の製造方法である。
以下本発明の詳細な説明する。
本発明に係る熱交換器の製造方法において、熱交換器の
氷室、水管に使用する複合材は、芯材の片面または両面
に皮材をクラッドしたもので氷室は、複合シートをプレ
ス成形し、又水管は複合管を所定の長さに切断して熱交
換器部材に使用される。
前記芯材としてはJIS1050.1100などのアル
ミニウムの他3003合金、3004合金、及び695
1合金などのアルミニウム合金が挙げられる。
これらの合金成分を第2表に示す。lたこの芯材にクラ
ッドする皮材としては亜鉛0.1〜2,0%(以下多は
重量φを示す)、カルシウム、ナトリウム、及びカリウ
ムの倒れか1積重たは2種以上を合計で0.01〜2.
0重量ダ、残部アルミニウムよりなるアルミニウム合金
である。
この皮材を構成するアルミニウム合金において亜鉛は合
金の電位を下げる作用をなし、またカルシウム、ナトリ
ウム、及びカリウムは真空中でのろう接時に亜鉛に先立
って優先的に表面へ拡散ないし蒸発して表面に酸化物を
形成して亜鉛の蒸発を抑制する作用をなすものである。
なおりルシウム、ナトリウム、及びカリウムはこれらを
複合して添加しても同様な作用が得られる。
なお本発明に係る熱交換器の製造方法において熱交換器
の氷室及び水管用複合材の皮材合金成分を上記範囲に限
定した理由は次の通りである。
亜鉛が0.1φ未満では芯材に対して皮材の電位が陰極
防食効果を発揮する程十分に低くならず、また2、0%
を越えて添加してもその効果が飽和すると共に、加工性
及びコストの点でマイナスとなり、しかもろうの流れが
悪くなってろう抜性が低下するからである。
昔たカルシウム、ナトリウム、及びカリウムの何れか1
積重たは2種以上の合計が0.01φ未満では亜鉛の蒸
発を抑制する効果が十分に得られず、豊た2、0%を越
えるとその効果が飽和すると同時にろうの流れが阻害さ
れて良好な接合が得られないからである。
なお上記カルシウム、ナトリウム、カリウムと同様の作
用をなす元素としてこの他にリチウムもあるが、これは
カルシウムなどに比べて極めて高価な元素であり安価な
ブレージング用クラツド材を得る上で経済的でない。
また本発明に係る熱交換器の製造方法において、熱交換
器の氷室、水管に使用する複合材の製造は、例えばシー
トを製造する場合にはシート状の芯材に、皮材を重ね合
せて圧延圧着させる方法が採られる。
またパイプを製造する場合には前記クラッドしたシート
をパイプ状にロールフォーミングした後、衝接面を電縫
する方法、或は芯材と皮材とを予めパイプ状に成形した
後、複合し、次いでこの複合パイプを押出成形、及び抽
伸する方法など倒れの方法でも良い。
なお本発明に使用する複合材の全厚に対する皮材の複合
比率、即ちクラツド比については特に限定されるもので
はないが、使用する材料の厚さに応じて一般に3〜20
%が適当である。
しかして上記の如く構成された複合材は、シート或はパ
イプに成形され、これを所望の形状に切断、曲げ加工し
て、これら部材を真空ろう抜用ろう材(例えばAl−1
0%5i−1,5%Mg合金)または真空ろう接用X7
シー)(Al−1o%S i −1,5Mg合金をろう
用皮材とし、これをJI83003合金の芯材に片面1
0%づつ両面にクラッドしたクラツド材)といっしょに
熱交換器のヘッダーなどの氷室、或は水管として組立て
、lXl0−5〜lX1O−’ Torr の真空中
において590〜610℃に加熱することによりフラッ
クスのない状態でろう材が溶融してろう接が行なわれる
この真空中における熱交換器のろう接において氷室、水
管の皮材中に含1れるカルシウム、ナトリウム、及びカ
リウムは優先的に表面に拡散ないし蒸発して、表面に酸
化物を形成して亜鉛の蒸発を抑制し、これを表面に残留
させることかできる。
この結果熱交換器の氷室、水管の皮材中に含まれる亜鉛
の残留濃度を高く維持して氷室、水管の芯材に比べてそ
の電位を低く保持し、優れた陰極防食効果を発揮するた
め、アルミニウム製熱交換器の耐孔食性を著しく向上さ
せることができるものである。
次に本発明の実施例について説明すると共に、本発明の
効果を確認するための比較例についても併せて説明する
実施例 1 アルミニウム製熱交換器の氷室、水管に第3表に示す複
合材を使用して真空ブレージングにより接合して次の試
験を実施した。
即ちJI83003合金を芯材とし、この両°面に第3
表の應1〜A20に示す組成のアル□ニウム合金からな
る皮材を片面のクラッド層が全板厚の10優になるよう
にクラッドして、厚さ1朋1で圧延した。
このようにして得られたシート状のクラツド材を5%の
食塩水中に浸漬して飽和甘木電極を基準として20℃に
おけるクラツド材の表面電位を測定した。
捷たこれとは別に前記クラツド材を通常のろう接条件と
同様に5X10−5Torr の真空中において60
00Cに3分間加熱した後、炉から取出して前記と同一
の条件で食塩水中における表面電位を測定した。
この加熱前後におけるクラツド材の表面電位の変化は第
3表に示す通りである。
豊た芯材として用いたJI83003合金についても参
考のために加熱前後における表面電位を測定し、その結
果も第3表に併記する。
また加熱後におけるこれらクラツド材の耐食性を比べる
ために、40℃の温水(水道水子Cu10 ppm)中
に2ケ月間浸漬した場合の最大孔食深さを測定した。
更にろう液性な調べるために、第4図に示す如く前記組
成のシート状クラツド材12と、厚さ1間のプレージン
グシート13(1’−1o優5i−1,5%Mg合金を
皮材とし、これをJIS3003合金の芯材に片面10
%づつ両面にクラッドしたクラツド材)とを逆T字型状
に組合せ5X 10−” Torrの真空中で600℃
に3分間保持してろう接を行ない、その接合状態を調べ
た。
この結果は第3表に示す通りである。比較例 1 芯材をJIS3003合金とし、この両面に第3表のJ
Fy、 21〜&24に示す如く本発明に規定する範囲
を外れた組成の皮材を上記実施例1と同様にクラッドし
た厚さ1間のシート状クラツド材を製造し、以下上記実
施例と同様に加熱前後の表面電位、温水中に浸漬した場
合の最大孔食深さ、及びろう液性を夫々測定した。
これらの測定結果は第3表に併記する通りである。
上記の結果より熱交換器の氷室、水管に使用する複合材
は何れも芯材(JIS3003)の電位(−0,67V
)に比べて皮材の電位が低く、腐食試験による最大孔食
深さも0.11mm以下と何れもほぼ皮材内に止1つて
おり優れた陰極防食効果を有すると共に、完全な接合状
態が得られた。
実施例 2 芯材としてJISI100合金を用い、この両面に第4
表の116.25〜煮44に示す組成の皮材を、片面の
クラッド層が全板厚の5%になるようにクラッドして厚
さ1mm1で圧延した。
このようにして得られたシート状のクラツド材について
も上記実施例1と同一の条件で加熱前後の表面電位、泥
水中に浸漬した場合の最大孔食深さ、及びろう抜性な夫
々測定した。
また参考のために芯材としてJISIlooのアルミニ
ウムを用いても同様に測定を行ない、これらの測定結果
を第4表に示す。
比較例 2 本発明と比較するために、芯材としてJISllooを
用いこの両面に第4表のA45〜應48に示す組成の皮
材を実施例2と同様にクラッドしたシート状のクラツド
材を製造し、以下上記実施例1と同様に各種の特性を測
定した。
これらの測定結果は第4表に併記する通りである。
第4表より明ら力・な如く、本発明方法の熱交換器の氷
室、水管に使用する複合材は最大孔食深さが0.07m
m以下と優れた陰極防食効果を有すると共に、優れた接
合状態が得られ亜鉛の添加量が0.1〜2.0%の範囲
が最も望ましいことが確認された。
実施例 3 芯材としてJI83003合金パイプを用い、この内面
に第5表のA49〜116.52に示す組成のパイプを
皮材として、クラッド層が全肉厚の5優になるようにク
ラッドして押出成型した後、更に抽伸して肉厚0.4
mm (但しこの中皮材の厚さは0.02mm)、外径
10關〆の内面クラッドパインを製造した。
このクラッドパイプを長さ500mmに切断してラジェ
ーター管用試験片を作成し、これを真空ブレージング接
合の条件である5×10−5Torrの真空中で600
0Cに3分間保持き*した後、80°Cの水道水をパイ
プの内側に循環させて2ケ月間耐食性試験を行ない、パ
イプの内面に発生した最大孔食深さを測定した。
この測定結果は第5表に示す通りである。
比較例 3 芯材としてJI83003合金パイプを用い、この内側
に第5表の厘53に示す如くカリウムなどを全く含1な
い組成のパイプを皮材としてクラッドしたクラッドパイ
プを押出抽伸して上記実施例3と同形状の試験片を作成
した。
以下上記実施例3と同一の条件で耐食性試験を行なって
、その最大孔食深さを測定し、その結果を第5表に併記
する。
なお参考のためにJI83003合金からなるパイプに
ついても同様に耐食性試験を行ない、その結果を第5表
に併記する。
第5表の結果より明らかな如くラジェーターの水管用複
合材は最大孔食深さが0.02 mm以下で何れも皮材
内に止1っているのに対し、比較例によるものは孔食が
芯材に1で達しており、本発明に係る熱交換器の製造方
法が優れた陰極防食効果を有することが確認された。
以上説明した如く本発明に係るアルミニウム製熱交換器
の製造方法によれば、熱交換器の氷室、水管用複合材の
皮材に亜鉛の他にカルシウム、ナトリウム、及びカリウ
ムの添加によって熱交換器の真空ブレージング接合中、
皮材中に含昔れる亜鉛の蒸発を抑制して、その残留濃度
を高め、この結果熱交換器の氷室、水管の陰極防食効果
を高め、アルミニウム製熱交換器の耐孔食性を著しく向
上せしめるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法による熱交換器の1例とするラジェ
ーターの1部切欠断面図、第2図は第1図A−A線によ
る断面図、第3図は本発明方法による熱交換器の1例と
するラジェーターのチューブの断面図、第4図はろう接
試験に使用する逆T字状試験片の概略説明図である。 1・・・水管、2・・・芯材、3・・・皮材、4・・・
管板、5・・・ろう材、6・・・フィン材、7・・・水
室、8・・・芯材、9・・・皮材、10・・・側板、1
1・・・水入口、12・・・防食用複合板、13・・・
プレージングシート。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 アルミニウム製熱交換器をブレージング接合により
    製造する方法において、氷室及び水管に亜鉛0.1〜2
    .0重量饅、カルシウム、ナトリウム、カリウムの何れ
    か1種又は2種以上を合計で0.01〜2.0重量多、
    残部アルミニウムよりなるアルミニウム合金を皮材とし
    、これをアルミニウム、Al−Mn系合金、Al−Mn
    −Mg系合金、Al−Mg−8i系合金の倒れか1種か
    らなる芯材の片面又は両面にクラッドしてなる複合材に
    より熱交換器に組み込んだ後、真空ブレージングにより
    接合することを特徴とするアルミニウム製熱交換器の製
    造方法。
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