JPS6261099B2 - - Google Patents
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- JPS6261099B2 JPS6261099B2 JP15045180A JP15045180A JPS6261099B2 JP S6261099 B2 JPS6261099 B2 JP S6261099B2 JP 15045180 A JP15045180 A JP 15045180A JP 15045180 A JP15045180 A JP 15045180A JP S6261099 B2 JPS6261099 B2 JP S6261099B2
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Description
この発明は、すぐれた耐局部腐食性を有し、特
にAl合金製熱交換器の構造部材として使用する
のに適した4層構造の複合ブレージングシートに
関するものである。 従来、例えばオートバイや自動車のラジエータ
などの熱交換器として、Al合金製のものが広く
使用されていることは良く知られているところで
ある。通常、これらのAl合金製熱交換器は、素
材として、Mn:0.3〜2.0%を含有し、さらに必
要に応じてZr:0.01〜0.15%、Cr:0.01〜0.15
%、Mg:0.1〜0.8%、およびCu:0.05〜0.5%の
うちの1種または2種以上を含有し、残りがAl
と不可避不純物からなる組成を有するAl−Mn系
合金の芯材と、Si:7〜15%を含有し、さらに必
要に応じてMg:0.3〜2.5%およびBi:0.01〜0.3
%のうちの1種または2種を含有し、残りがAl
と不可避不純物からなる組成(以上重量%、以下
%の表示はすべて重量%を意味する)を有する
Al−Si系合金のろう材とを、クラツドしたものか
らなる2層構造の複合ブレージングシートを使用
し、この素材より管材やタンク、ヘツダープレー
トなどに成形加工し、この結果の構造部材を熱交
換器に組立て、ついで真空中、あるいは不活性ガ
ス雰囲気中でろう付け温度に加熱し、前記構造部
材の有するろう材によりろう付けすることによつ
て製造されている。 しかし、上記のように、2層構造を有する従来
複合ブレージングシートから製造されたAl合金
製熱交換器においては、ろう材がもともと耐食性
に劣るものであるため、粒界腐食が発生し易く、
したがつて容易に侵食が発生するものであり、特
に高温ろう付け時に、ろう材中のSiが芯材中に拡
散するために芯材の粒界腐食が促進されるように
なり、この結果局部腐食が芯材中に深く進行する
ことが多く発生した。このような使用中における
ろう材側外部からの局部腐食の進行によつて上記
熱交換器には貫通孔がしばしば形成されるように
なるものであつた。 また、熱交換器の循環水中にCuイオンなどの
重金属イオンが含有される場合には、上記Al−
Mn系合金の芯材には容易に孔食が発生するよう
になり、このように熱交換器内部からの侵食にも
とづく貫通事故も少なからず生じるものであつ
た。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、熱交換器の外面および内面のいずれにおいて
も、局部腐食発生のないAl合金製熱交換器を得
べく、特にその素材である複合ブレージングシー
トについて研究を行なつた結果、芯材とろう材の
間に、少なくともZnを含有するAl−Zn系合金層
を設けると、このAl−Zn系合金層においては、
Znの含有によつて、侵食が横方向に広がる傾向
が強く現われ、厚さ方向への進行速度が小さくな
ると共に、電気化学的に卑になることから、自ら
が犠牲陽極効果を発揮するようになり、この結果
外部からの侵食による局部腐食がろう材を貫通し
ても、この犠牲陽極材層によつて侵食が阻止され
ることになるため、芯材は防食されることにな
り、また、芯材表面側に、同じくZnを含有した
Al−Zn合金層を設けると、同様の理由によつて
内部からの侵食に対して芯材をよく防食するとい
う知見を得たのである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、Al合金製熱交換器用複合ブレージ
ングシートを、Mn:0.3〜2.0%を含有し、さら
に必要に応じてZr:0.01〜0.15%、Cr:0.01〜
0.15%、Mg:0.1〜0.8%、およびCu:0.05〜0.5
%のうちの1種または2種以上を含有し、残りが
Alと不可避不純物からなる組成を有する公知の
Al−Mn系合金の芯材と、Si:7〜15%を含有
し、さらに必要に応じてMg:0.3〜2.5%および
Bi:0.01〜0.3%のうちの1種または2種を含有
し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有
する公知のAl−Si系合金のろう材と、上記芯材と
前記ろう材の間に設けた、Zn:0.3〜2.0%、
Mn:0.1〜2.0%を含有し、さらに必要に応じて
ZrおよびCrのうちの1種または2種:0.01〜0.15
%を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる
組成を有する犠牲陽極材層(以下中間層という)
と、上記芯材表面側に設けた、Zn:0.3〜2.0%を
含有し、さらに必要に応じてMg:0.1〜1.0%を
含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成
を有する犠牲陽極材層(以下表面層という)との
4層クラツド材で構成したことに特徴を有するも
のである。 つぎに、この発明の複合ブレージングシートに
おいて、犠牲陽極材層の成分組成を上記の通りに
限定した理由を説明する。なお、2層ある犠牲陽
極材層のいずれもZnに関しては同じ限定理由を
もつので、以下のZnの限定理由はいずれの犠牲
陽極材層にも云えることである。 (a) Zn Zn成分には、犠牲陽極材層をZnを含有しな
い芯材に比して電気化学的に卑にするほか、こ
れの深さ方向への侵食を抑制する作用がある
が、その含有量が0.3%未満では、真空ろう付
け処理後における残留Zn含有量が0.1%以下と
なつてしまつて前記作用に所望の効果を発揮す
ることができず、一方2.0%を越えて含有させ
ると、真空ろう付け時に多量のZnが蒸発する
ようになり、炉汚染が著しくなることから、そ
の含有量を0.3〜2.0%と定めた。 (b) 中間層におけるMn Mn成分には、高温強度を向上させる作用が
あるが、その含有量が0.1%未満では所望の高
温強度を確保することができず、一方2.0%を
越えて含有させても、さらにより一層の向上効
果は得られず、むしろ加工性が劣化するように
なることから、その含有量を0.1〜2.0%と定め
た。 (c) 中間層におけるZrおよびCr これらの成分には、耐食性を損なうことなく
高温強度および室温強度を改善する均等的作用
があるので、これらの特性が要求される場合に
必要に応じて含有されるが、その含有量が0.01
%未満では前記作用に所望の強度向上効果が得
られず、一方0.15%を越えて含有させると、溶
解鋳造時に巨大晶となつて晶出して加工性を著
しく劣化させ、かつ耐食性も劣化するようにな
ることから、その含有量を0.01〜0.15%と定め
た。 (d) 表面層におけるMg Mg成分には、Znとの共存において犠牲陽極
材層を電気化学的により卑にすると共に、特に
孔食発生を著しく抑制する作用があるので、こ
れらの特性が要求される場合に必要に応じて含
有されるが、その含有量が0.1%未満では前記
作用に所望の改善効果が得られず、一方1.0%
を越えて含有させると、塑性変形抵抗が著しく
高くなつてクラツド材製造時に問題が生じるよ
うになることから、その含有量を0.1〜1.0%と
定めた。 なお、この発明の複合ブレージングシートにお
いて、2層の犠牲陽極材層合計の板厚全体に占め
る割合は3〜30%とするのが望ましく、この割合
において、長期に亘つて安定した犠牲陽極効果を
確保することができるのである。 つぎに、この発明の複合ブレージングシートを
実施例により具体的に説明する。 実施例 通常の溶解法により、第1表に示される最終成
分組成をもつた芯材用Al合金A〜C、犠牲陽極
材層用Al合金1〜8、およびろう材用Al合金
a,bをそれぞれ溶製し、同じく通常の条件で鋳
造して鋳塊とした後、均質化熱処理を施した。な
お、第1表には表示を省略したが、これらのAl
合金は、不可避不純物として、Mn:0.01%以
下、Mg:0.01%以下、Cu:0.05%以下、Zn:
0.02%以下、Fe:0.15〜0.17%(ただし、ろう材
用合金はFe:0.41%含有)、Si:0.07〜0.08%、
Cr:0.01%以下、およびZr:0.01%以下を含有す
るものであつた。 ついで、芯材用Al合金鋳塊は7mm厚まで、ま
た犠牲陽極材層用およびろう材用Al合金鋳塊は
5mm厚までそれぞれ熱間圧延し、さらに前記犠牲
陽極材層用およびろう材用Al合金の熱延板を冷
間圧延にて1mm厚とした。この状態で前記芯材用
Al合金A〜Cの熱延板と、前記犠牲陽極材層用
Al合金1〜8の冷延板と、前記ろう材用Al合金
a,bの冷延板とを、第2表に示される組合せに
したがつて重ね合わせ、熱間圧延にてクラツドす
ることによつて、それぞれ1.2mmの厚さを有する
4層クラツ
にAl合金製熱交換器の構造部材として使用する
のに適した4層構造の複合ブレージングシートに
関するものである。 従来、例えばオートバイや自動車のラジエータ
などの熱交換器として、Al合金製のものが広く
使用されていることは良く知られているところで
ある。通常、これらのAl合金製熱交換器は、素
材として、Mn:0.3〜2.0%を含有し、さらに必
要に応じてZr:0.01〜0.15%、Cr:0.01〜0.15
%、Mg:0.1〜0.8%、およびCu:0.05〜0.5%の
うちの1種または2種以上を含有し、残りがAl
と不可避不純物からなる組成を有するAl−Mn系
合金の芯材と、Si:7〜15%を含有し、さらに必
要に応じてMg:0.3〜2.5%およびBi:0.01〜0.3
%のうちの1種または2種を含有し、残りがAl
と不可避不純物からなる組成(以上重量%、以下
%の表示はすべて重量%を意味する)を有する
Al−Si系合金のろう材とを、クラツドしたものか
らなる2層構造の複合ブレージングシートを使用
し、この素材より管材やタンク、ヘツダープレー
トなどに成形加工し、この結果の構造部材を熱交
換器に組立て、ついで真空中、あるいは不活性ガ
ス雰囲気中でろう付け温度に加熱し、前記構造部
材の有するろう材によりろう付けすることによつ
て製造されている。 しかし、上記のように、2層構造を有する従来
複合ブレージングシートから製造されたAl合金
製熱交換器においては、ろう材がもともと耐食性
に劣るものであるため、粒界腐食が発生し易く、
したがつて容易に侵食が発生するものであり、特
に高温ろう付け時に、ろう材中のSiが芯材中に拡
散するために芯材の粒界腐食が促進されるように
なり、この結果局部腐食が芯材中に深く進行する
ことが多く発生した。このような使用中における
ろう材側外部からの局部腐食の進行によつて上記
熱交換器には貫通孔がしばしば形成されるように
なるものであつた。 また、熱交換器の循環水中にCuイオンなどの
重金属イオンが含有される場合には、上記Al−
Mn系合金の芯材には容易に孔食が発生するよう
になり、このように熱交換器内部からの侵食にも
とづく貫通事故も少なからず生じるものであつ
た。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、熱交換器の外面および内面のいずれにおいて
も、局部腐食発生のないAl合金製熱交換器を得
べく、特にその素材である複合ブレージングシー
トについて研究を行なつた結果、芯材とろう材の
間に、少なくともZnを含有するAl−Zn系合金層
を設けると、このAl−Zn系合金層においては、
Znの含有によつて、侵食が横方向に広がる傾向
が強く現われ、厚さ方向への進行速度が小さくな
ると共に、電気化学的に卑になることから、自ら
が犠牲陽極効果を発揮するようになり、この結果
外部からの侵食による局部腐食がろう材を貫通し
ても、この犠牲陽極材層によつて侵食が阻止され
ることになるため、芯材は防食されることにな
り、また、芯材表面側に、同じくZnを含有した
Al−Zn合金層を設けると、同様の理由によつて
内部からの侵食に対して芯材をよく防食するとい
う知見を得たのである。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、Al合金製熱交換器用複合ブレージ
ングシートを、Mn:0.3〜2.0%を含有し、さら
に必要に応じてZr:0.01〜0.15%、Cr:0.01〜
0.15%、Mg:0.1〜0.8%、およびCu:0.05〜0.5
%のうちの1種または2種以上を含有し、残りが
Alと不可避不純物からなる組成を有する公知の
Al−Mn系合金の芯材と、Si:7〜15%を含有
し、さらに必要に応じてMg:0.3〜2.5%および
Bi:0.01〜0.3%のうちの1種または2種を含有
し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有
する公知のAl−Si系合金のろう材と、上記芯材と
前記ろう材の間に設けた、Zn:0.3〜2.0%、
Mn:0.1〜2.0%を含有し、さらに必要に応じて
ZrおよびCrのうちの1種または2種:0.01〜0.15
%を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる
組成を有する犠牲陽極材層(以下中間層という)
と、上記芯材表面側に設けた、Zn:0.3〜2.0%を
含有し、さらに必要に応じてMg:0.1〜1.0%を
含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成
を有する犠牲陽極材層(以下表面層という)との
4層クラツド材で構成したことに特徴を有するも
のである。 つぎに、この発明の複合ブレージングシートに
おいて、犠牲陽極材層の成分組成を上記の通りに
限定した理由を説明する。なお、2層ある犠牲陽
極材層のいずれもZnに関しては同じ限定理由を
もつので、以下のZnの限定理由はいずれの犠牲
陽極材層にも云えることである。 (a) Zn Zn成分には、犠牲陽極材層をZnを含有しな
い芯材に比して電気化学的に卑にするほか、こ
れの深さ方向への侵食を抑制する作用がある
が、その含有量が0.3%未満では、真空ろう付
け処理後における残留Zn含有量が0.1%以下と
なつてしまつて前記作用に所望の効果を発揮す
ることができず、一方2.0%を越えて含有させ
ると、真空ろう付け時に多量のZnが蒸発する
ようになり、炉汚染が著しくなることから、そ
の含有量を0.3〜2.0%と定めた。 (b) 中間層におけるMn Mn成分には、高温強度を向上させる作用が
あるが、その含有量が0.1%未満では所望の高
温強度を確保することができず、一方2.0%を
越えて含有させても、さらにより一層の向上効
果は得られず、むしろ加工性が劣化するように
なることから、その含有量を0.1〜2.0%と定め
た。 (c) 中間層におけるZrおよびCr これらの成分には、耐食性を損なうことなく
高温強度および室温強度を改善する均等的作用
があるので、これらの特性が要求される場合に
必要に応じて含有されるが、その含有量が0.01
%未満では前記作用に所望の強度向上効果が得
られず、一方0.15%を越えて含有させると、溶
解鋳造時に巨大晶となつて晶出して加工性を著
しく劣化させ、かつ耐食性も劣化するようにな
ることから、その含有量を0.01〜0.15%と定め
た。 (d) 表面層におけるMg Mg成分には、Znとの共存において犠牲陽極
材層を電気化学的により卑にすると共に、特に
孔食発生を著しく抑制する作用があるので、こ
れらの特性が要求される場合に必要に応じて含
有されるが、その含有量が0.1%未満では前記
作用に所望の改善効果が得られず、一方1.0%
を越えて含有させると、塑性変形抵抗が著しく
高くなつてクラツド材製造時に問題が生じるよ
うになることから、その含有量を0.1〜1.0%と
定めた。 なお、この発明の複合ブレージングシートにお
いて、2層の犠牲陽極材層合計の板厚全体に占め
る割合は3〜30%とするのが望ましく、この割合
において、長期に亘つて安定した犠牲陽極効果を
確保することができるのである。 つぎに、この発明の複合ブレージングシートを
実施例により具体的に説明する。 実施例 通常の溶解法により、第1表に示される最終成
分組成をもつた芯材用Al合金A〜C、犠牲陽極
材層用Al合金1〜8、およびろう材用Al合金
a,bをそれぞれ溶製し、同じく通常の条件で鋳
造して鋳塊とした後、均質化熱処理を施した。な
お、第1表には表示を省略したが、これらのAl
合金は、不可避不純物として、Mn:0.01%以
下、Mg:0.01%以下、Cu:0.05%以下、Zn:
0.02%以下、Fe:0.15〜0.17%(ただし、ろう材
用合金はFe:0.41%含有)、Si:0.07〜0.08%、
Cr:0.01%以下、およびZr:0.01%以下を含有す
るものであつた。 ついで、芯材用Al合金鋳塊は7mm厚まで、ま
た犠牲陽極材層用およびろう材用Al合金鋳塊は
5mm厚までそれぞれ熱間圧延し、さらに前記犠牲
陽極材層用およびろう材用Al合金の熱延板を冷
間圧延にて1mm厚とした。この状態で前記芯材用
Al合金A〜Cの熱延板と、前記犠牲陽極材層用
Al合金1〜8の冷延板と、前記ろう材用Al合金
a,bの冷延板とを、第2表に示される組合せに
したがつて重ね合わせ、熱間圧延にてクラツドす
ることによつて、それぞれ1.2mmの厚さを有する
4層クラツ
【表】
【表】
【表】
ドの本発明複合ブレージングシート1〜9および
2層クラツドの従来複合ブレージングシート1、
2をそれぞれ製造した。 つぎに、この結果得られた複合ブレージングシ
ートのそれぞれから50mm×100mmの寸法をもつた
試験片を切出し、本発明複合ブレージングシート
1〜4および従来複合ブレージングシート1の試
験片に対しては、1気圧のN2ガス雰囲気中、温
度:630℃に3分間保持の不活性ガスろう付け処
理に相当する熱処理を施し、一方本発明複合ブレ
ージングシート5〜9および従来複合ブレージン
グシート2に対しては、約10-4torrの真空中、温
度:620℃に3分間保持の真空ろう付け処理に相
当する熱処理を施した後、これら試験片の表面層
側またはろう材側にそれぞれ塗料をぬつて絶縁し
て、外部および内部腐食試験用試験片を調製し
た。引続いて、この試験片を用い、内部腐食試験
として、10p.p.m.づつのCl-、SO4 2-およびHCO− 3
と、10p.p.m.のCu2+を含有した40℃の水溶液、
並びに10p.p.m.のCu2+を含有した40℃の水道水
中にそれぞれ500時間浸漬の浸漬試験を行ない、
また外部腐食試験としては、500時間のCASS試
験と、それぞれ100p.p.m.づつのCl-、HCO− 3、お
よびSO4 2-と、10p.p.m.のCu2+を含有し、かつPH
を4に調整した水溶液を1000時間噴霧の水溶液噴
霧試験、並びに3.5%食塩水中に10分間浸漬後、
50分引上げ保持を1サイクルとし、これを1000時
間行なう交互浸漬試験を行なつた。試験後、それ
ぞれの試験片における局部腐食数と最大侵食深さ
を測定し、この測定結果を第2表に合せて示し
た。 第2表に示される結果から明らかなように、本
発明複合ブレージングシート1〜9においては、
いずれの使用環境においてもすぐれた耐局部腐食
性を示し、芯材への侵食が完全に阻止されている
のに対して、犠牲陽極材層がクラツドされていな
い従来複合ブレージングシート1、2において
は、内部および外部のいずれからも侵食を受け、
局部腐食が著しいことが示されている。 上述のように、この発明の複合ブレージングシ
ートによれば、これを熱交換器の製造に使用した
場合、その内部および外部からの侵食に対してき
わめてすぐれた耐局部腐食性を示し、苛酷な腐食
環境におかれても長期に亘る安定的使用が可能で
あるなど工業上有用な効果が得られるのである。
2層クラツドの従来複合ブレージングシート1、
2をそれぞれ製造した。 つぎに、この結果得られた複合ブレージングシ
ートのそれぞれから50mm×100mmの寸法をもつた
試験片を切出し、本発明複合ブレージングシート
1〜4および従来複合ブレージングシート1の試
験片に対しては、1気圧のN2ガス雰囲気中、温
度:630℃に3分間保持の不活性ガスろう付け処
理に相当する熱処理を施し、一方本発明複合ブレ
ージングシート5〜9および従来複合ブレージン
グシート2に対しては、約10-4torrの真空中、温
度:620℃に3分間保持の真空ろう付け処理に相
当する熱処理を施した後、これら試験片の表面層
側またはろう材側にそれぞれ塗料をぬつて絶縁し
て、外部および内部腐食試験用試験片を調製し
た。引続いて、この試験片を用い、内部腐食試験
として、10p.p.m.づつのCl-、SO4 2-およびHCO− 3
と、10p.p.m.のCu2+を含有した40℃の水溶液、
並びに10p.p.m.のCu2+を含有した40℃の水道水
中にそれぞれ500時間浸漬の浸漬試験を行ない、
また外部腐食試験としては、500時間のCASS試
験と、それぞれ100p.p.m.づつのCl-、HCO− 3、お
よびSO4 2-と、10p.p.m.のCu2+を含有し、かつPH
を4に調整した水溶液を1000時間噴霧の水溶液噴
霧試験、並びに3.5%食塩水中に10分間浸漬後、
50分引上げ保持を1サイクルとし、これを1000時
間行なう交互浸漬試験を行なつた。試験後、それ
ぞれの試験片における局部腐食数と最大侵食深さ
を測定し、この測定結果を第2表に合せて示し
た。 第2表に示される結果から明らかなように、本
発明複合ブレージングシート1〜9においては、
いずれの使用環境においてもすぐれた耐局部腐食
性を示し、芯材への侵食が完全に阻止されている
のに対して、犠牲陽極材層がクラツドされていな
い従来複合ブレージングシート1、2において
は、内部および外部のいずれからも侵食を受け、
局部腐食が著しいことが示されている。 上述のように、この発明の複合ブレージングシ
ートによれば、これを熱交換器の製造に使用した
場合、その内部および外部からの侵食に対してき
わめてすぐれた耐局部腐食性を示し、苛酷な腐食
環境におかれても長期に亘る安定的使用が可能で
あるなど工業上有用な効果が得られるのである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 少なくともMn:0.3〜2.0%を含有するAl−
Mn系合金の芯材と、少なくともSi:7〜15%を
含有するAl−Si系合金のろう材とからなるAl合
金製熱交換器用複合ブレージングシートにおい
て、前記芯材と前記ろう材の間に、Zn:0.3〜2.0
%、Mn:0.1〜2.0%を含有し、残りがAlと不可
避不純物からなる組成を有する犠牲陽極材層を、
また上記芯材表面側に、Zn:0.3〜2.0%を含有
し、残りがAlと不可避不純物からなる組成(以
上重量%)を有する犠牲陽極材層をそれぞれ設け
た4層クラツド材で構成したことを特徴とする
Al合金製熱交換器用複合ブレージングシート。 2 少なくともMn:0.3〜2.0%を含有するAl−
Mn系合金の芯材と、少なくともSi:7〜15%を
含有するAl−Si系合金のろう材とからなるAl合
金製熱交換器用複合ブレージングシートにおい
て、前記芯材と前記ろう材の間に、Zn:0.3〜2.0
%、Mn:0.1〜2.0%を含有し、さらにZrおよび
Crのうちの1種または2種:0.01〜0.15%を含有
し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有
する犠牲陽極材層を、また上記芯材表面側に、
Zn:0.3〜2.0%を含有し、残りがAlと不可避不純
物からなる組成(以上重量%)を有する犠牲陽極
材層をそれぞれ設けた4層クラツド材で構成した
ことを特徴とするAl合金製熱交換器用複合ブレ
ージングシート。 3 少なくともMn:0.3〜2.0%を含有するAl−
Mn系合金の芯材と、少なくともSi:7〜15%を
含有するAl−Si系合金のろう材とからなるAl合
金製熱交換器用複合ブレージングシートにおい
て、前記芯材と前記ろう材の間に、Zn:0.3〜2.0
%、Mn:0.1〜2.0%を含有し、残りがAlと不可
避不純物からなる組成を有する犠牲陽極材層を、
また上記芯材表面側に、Zn:0.3〜2.0%を含有
し、さらにMg:0.1〜1.0%を含有し、残りがAl
と不可避不純物からなる組成(以上重量%)を有
する犠牲陽極材層をそれぞれ設けた4層クラツド
材で構成したことを特徴とするAl合金製熱交換
器用複合ブレージングシート。 4 少なくともMn:0.3〜2.0%を含有するAl−
Mn系合金の芯材と、少なくともSi:7〜15%を
含有するAl−Si系合金のろう材とからなるAl合
金製熱交換器用複合ブレージングシートにおい
て、前記芯材と前記ろう材の間に、Zn:0.3〜2.0
%、Mn:0.1〜2.0%を含有し、さらにZrおよび
Crのうちの1種または2種:0.01〜0.15%を含有
し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有
する犠牲陽極材層を、また上記芯材表面側に、
Zn:0.3〜2.0%を含有し、さらにMg:0.1〜1.0%
を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有する犠牲陽極材層をそれぞ
れ設けた4層クラツド材で構成したことを特徴と
するAl合金製熱交換器用複合ブレージングシー
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15045180A JPS5773153A (en) | 1980-10-27 | 1980-10-27 | Composite brazing sheet for heat exchanger made of al alloy |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15045180A JPS5773153A (en) | 1980-10-27 | 1980-10-27 | Composite brazing sheet for heat exchanger made of al alloy |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5773153A JPS5773153A (en) | 1982-05-07 |
JPS6261099B2 true JPS6261099B2 (ja) | 1987-12-19 |
Family
ID=15497212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15045180A Granted JPS5773153A (en) | 1980-10-27 | 1980-10-27 | Composite brazing sheet for heat exchanger made of al alloy |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5773153A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60251246A (ja) * | 1984-05-25 | 1985-12-11 | Kobe Steel Ltd | 真空ろう付用耐水ブレ−ジングシ−ト及びこれを用いた熱交換器 |
JP6351205B2 (ja) * | 2013-03-26 | 2018-07-04 | 株式会社Uacj | 高耐食性アルミニウム合金ブレージングシート |
JP6351206B2 (ja) * | 2013-03-26 | 2018-07-04 | 株式会社Uacj | 高耐食性アルミニウム合金ブレージングシート及び自動車用熱交換器の流路形成部品 |
-
1980
- 1980-10-27 JP JP15045180A patent/JPS5773153A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5773153A (en) | 1982-05-07 |
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