JPH07179973A - 耐食性のすぐれた熱交換器の構造部材用真空ろう付けＡｌ合金ブレージングシート - Google Patents
耐食性のすぐれた熱交換器の構造部材用真空ろう付けＡｌ合金ブレージングシートInfo
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- JPH07179973A JPH07179973A JP34812793A JP34812793A JPH07179973A JP H07179973 A JPH07179973 A JP H07179973A JP 34812793 A JP34812793 A JP 34812793A JP 34812793 A JP34812793 A JP 34812793A JP H07179973 A JPH07179973 A JP H07179973A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐食性のすぐれた熱交換器の構造部材用真空
ろう付けＡｌ合金ブレージングシートを提供する。 【構成】 熱交換器の構造部材用真空ろう付けＡｌ合金
ブレージングシートが、Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の少な
くとも片面に、Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ−Ｚｎ系合金の犠牲陽
極効果を有するろう材と、Ｓｉ：０．５〜１．６重量％
を含有するＡｌ−Ｓｉ系合金の皮材をクラッドしたもの
からなり、前記皮材が５μｍ〜前記ろう材の厚さの範囲
内の厚さを有する。
ろう付けＡｌ合金ブレージングシートを提供する。 【構成】 熱交換器の構造部材用真空ろう付けＡｌ合金
ブレージングシートが、Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の少な
くとも片面に、Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ−Ｚｎ系合金の犠牲陽
極効果を有するろう材と、Ｓｉ：０．５〜１．６重量％
を含有するＡｌ−Ｓｉ系合金の皮材をクラッドしたもの
からなり、前記皮材が５μｍ〜前記ろう材の厚さの範囲
内の厚さを有する。
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、熱交換器を真空ろう
付けにより製造するに際して、これの構造部材として用
いた場合にすぐれた犠牲陽極効果と耐孔食性を発揮す
る、耐食性のすぐれたＡｌ合金ブレージングシートに関
するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来、一般に、例えば自動車のラジエー
タやエアコンなどの熱交換器が、少なくともいずれかが
Ａｌ合金ブレージングシートより形成された管材および
フイン材、さらにヘッダープレートなどの構造部材を所
定の形状に組み立て、これを前記Ａｌ合金ブレージング
シートを構成するろう材の作用で真空ろう付けすること
により製造されることは良く知られるところである。ま
た、上記Ａｌ合金ブレージングシートとして、Ａｌ−Ｍ
ｎ系合金の芯材の少なくとも片面に、Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ
−Ｚｎ系合金の犠牲陽極効果を有するろう材をクラッド
してなるものが提案されている。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のＡｌ−
Ｓｉ−Ｍｇ−Ｚｎ系合金のろう材をクラッドしてなるＡ
ｌ合金ブレージングシートにおいては、Ｚｎ含有量が
０．５〜３重量％と相対的に高いために、熱交換器への
組み立てろう付け時に昇温時からＺｎ蒸発が始まり、こ
のＺｎ蒸発も表面上不均一に発生することから、ろう付
け後の熱交換器構造部材は、全体的にＺｎ減少による犠
牲陽極効果の低下が避けられないばかりでなく、Ｚｎの
局部的濃度差によって孔食が発生し易くなるなどの問題
がある。 【０００４】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記の従来Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ−
Ｚｎ系合金のろう材をクラッドしてなるＡｌ合金ブレー
ジングシートに着目し、これの真空ろう付け時における
ろう材からのＺｎ蒸発を防止すべく研究を行なった結
果、真空ろう付け時のＺｎ蒸発を抑制する目的で、上記
Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ−Ｚｎ系合金のろう材に接して純Ａｌ
や通常のＡｌ合金の皮材をクラッドしただけでは、前記
皮材よって前記ろう材のもつ機能が完全に阻害されてし
まって満足なろう付けを行なうことができないが、Ｓ
ｉ：０．５〜１．６重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ系合金
の皮材をクラッドすると、この皮材は、ろう付け温度へ
の昇温過程でのろう材からのＺｎ蒸発を阻止するほか、
ろう付け加熱温度ではろう材の溶融に遅れて溶融するこ
とから、前記ろう材の溶融時のＺｎ蒸発も抑制され、し
かも自からも溶融してろう材と共にろう付け作用に関与
することから、前記ろう材のＺｎ含有量がほとんど変ら
ずに維持された状態で、強固なろう付けを満足に行なう
ことができるという研究結果を得たのである。 【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、Ａｌ−Ｍｎ系合金、望ましく
は、重量％で（以下、％は重量％を示す）、Ｍｎ：０．
７〜２％、を含有し、さらに必要に応じて、上記のＭｎ
成分による強度付与に加えて、さらに一段の強度向上を
はかる目的で、Ｍｇ：０．１〜５％、 Ｓ
ｉ：０．３〜２％、Ｃｕ：０．０１〜０．２％、
Ｚｒ：０．０５〜０．２５％、Ｔｉ：０．０５〜０．２
５％、 Ｖ：０．０５〜０．２５％、Ｃｒ：０．０５
〜０．２５％、 Ｆｅ：０．５〜１．５％、のうちの
１種または２種以上、を含有し、残りがＡｌと不可避不
純物からなる組成を有するＡｌ合金の芯材の少なくとも
片面に、Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ−Ｚｎ系合金、望ましくは、
Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍｇ：０．２〜２
％、Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し（なお、上記Ｓｉ成
分には融点を下げて流動性を付与し、もってろう付けを
可能ならしめる作用があり、また上記Ｍｇ成分にはろう
付け雰囲気中の酸化性ガスと結合して自身が酸化するの
を防止する作用があり、さらに上記Ｚｎ成分には電気化
学的に卑にして犠牲陽極効果を付与する作用がある）、
さらに必要に応じて、ろう材の流動性をさらに高めてろ
う付け性の一段の向上をはかる目的で、Ｂｉ：０．０１
〜０．３％、 Ｂｅ：０．０００１〜０．００２
％、のうちの１種または２種、を含有し、残りがＡｌと
不可避不純物からなる組成を有するＡｌ−Ｓｉ−Ｍｇ−
Ｚｎ系合金の犠牲陽極効果を有するろう材をクラッドし
てなる真空ろう付けＡｌ合金ブレージングシートにおい
て、上記ろう材に接して、Ｓｉ：０．５〜１．６％、を
含有し、さりに必要に応じて、上記ろう材におけると同
じ目的でＭｇ：０．２〜２％、 Ｂｉ：０．
０１〜０．３％、Ｂｅ：０．０００１〜０．００２％、
のうちの１種または２種以上、を含有し、残りがＡｌと
不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合金の皮材を、
５μｍ〜上記ろう材厚さの範囲内の厚さでクラッドして
なる、耐食性のすぐれた熱交換器の構造部材用真空ろう
付けＡｌ合金ブレージングシートに特徴を有するもので
ある。 【０００６】なお、この発明のＡｌ合金ブレージングシ
ートにおいて、これを構成する皮材のＳｉ含有量を０．
５〜１．６％としたのは、その含有量が０．５％未満で
はろう材の溶融に対する自身の溶融のタイミングが遅れ
過ぎたり、あるいはろう付け温度での溶融が不可能にな
って、ろう付けを満足に行なうことができず、一方その
含有量が１．６％を越えると、融点が低下し、溶融し易
くなって、ろう材のＺｎ蒸発抑制効果が低下するように
なるという理由によるものであり、また皮材の厚さを５
μｍ〜ろう材の厚さに限定したのは、その厚さが５μｍ
未満ではろう材からのＺｎ蒸発を満足に抑制することが
できず、一方その厚さがろう材厚さを越えて厚くなる
と、ろう付け温度でろう材と共に溶融した場合に、その
流動性が低下し、ろう付け性が損なわれるようになると
いう理由にもとづくものである。 【０００７】さらに、この発明のＡｌ合金ブレージング
シートにおいて、芯材の一方面に上記Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ
−Ｚｎ系合金のろう材と上記Ａｌ−Ｓｉ系合金の皮材を
クラッドした場合、芯材の他方面に純Ａｌや、Ｍｎ：
０．１％以下のＡｌ合金、望ましくは、電気化学的に卑
にして、腐食を全面腐食型にする目的で、Ｚｎ：０．１
〜２％、 Ｉｎ：０．００５〜０．０５％、
Ｓｎ：０．０５〜０．２％、のうちの１種または２種以
上、および／または強度を向上させる目的で、Ｍｇ：
０．１〜５％、 Ｓｉ：０．３〜２％、のう
ちの１種または２種、を含有し、残りがＡｌと不可避不
純物からなるＡｌ合金の犠牲陽極材をクラッドしてもよ
い。 【０００８】 【実施例】つぎに、この発明の真空ろう付けブレージン
グシートを実施例により具体的に説明する。通常の溶解
法により表１〜３に示される成分組成をもった芯材用Ａ
ｌ合金、ろう材用Ａｌ合金、および皮材用Ａｌ合金をそ
れぞれ溶製し、鋳造して鋳塊とし、以下いずれも通常の
条件で、均質化熱処理を施した後、熱間圧延にて板厚：
８mmの熱延板とし、さらにろう材用および皮材用熱延板
に対しては冷間圧延を施して、所定厚さの冷延板とし、
この状態で前記芯材用熱延板、ろう材用冷延板、および
皮材用冷延板を表４〜７に示される組み合せにしたがっ
て重ね合わせ、熱間圧延にてクラッドし、引続いて冷間
圧延を施すことにより同じく表４〜７に示される厚さ構
成の本発明Ａｌ合金クラッド材１〜２０、および上記皮
材をクラッドしない従来Ａｌ合金クラッド材１〜２０を
それぞれ製造した。 【０００９】ついで、この結果得られた各種のＡｌ合金
クラッド材から試験片を切り出し、この試験片を真空ろ
う付け処理に相当する条件、すなわ１０-4torrの真空
中、温度：６００℃に５分間保持後空冷の条件で加熱し
た状態で、常温の３．５％ＮａＣｌ溶液中で前記加熱で
溶融した部分、すなわち芯材を除くろう材と皮材部分、
並びにろう材部分の孔食電位を測定し、さらに１ppm の
Ｃｕ++イオンを含有した４０℃の水道水中に６週間浸漬
の水道水浸漬試験、並びに３０００時間の塩水噴霧試験
を行ない、最大孔食深さを測定した。これらの測定結果
を表４〜５に示した。 【００１０】 【表１】 【００１１】 【表２】【００１２】 【表３】 【００１３】 【表４】【００１４】 【表５】 【００１５】 【表６】【００１６】 【表７】 【００１７】 【発明の効果】表４〜７に示される結果から、本発明Ａ
ｌ合金クラッド材１〜２０は、いずれも皮材の作用で、
ろう付け処理時におけるろう材からのＺｎの蒸発が著し
く抑制されるので、前記皮材のクラッドがなく、このた
めろう付け処理におけるろう材中のＺｎの蒸発が著し
く、この結果ろう材の電位が上昇し、芯材に孔食の発生
が避けられない従来Ａｌ合金クラッド材１〜２０に比し
て、ろう材の電位が相対的に卑の状態に保持されること
から、前記皮材が芯材をよく防食して孔食の発生を抑制
することが明らかである。上述のように、この発明の真
空ろう付けＡｌ合金ブレージングシートは、真空ろう付
け処理時におけるろう材からのＺｎ蒸発が皮材によっ
て、良好なろう付け状態を保持したままで著しく抑制さ
れるので、前記皮材を含むろう材の芯材に対する電位が
常に卑の状態に保持されることから、芯材に対する犠牲
陽極効果が十分に発揮され、芯材をよく防食するなど工
業上有用な特性を有するのである。
付けにより製造するに際して、これの構造部材として用
いた場合にすぐれた犠牲陽極効果と耐孔食性を発揮す
る、耐食性のすぐれたＡｌ合金ブレージングシートに関
するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来、一般に、例えば自動車のラジエー
タやエアコンなどの熱交換器が、少なくともいずれかが
Ａｌ合金ブレージングシートより形成された管材および
フイン材、さらにヘッダープレートなどの構造部材を所
定の形状に組み立て、これを前記Ａｌ合金ブレージング
シートを構成するろう材の作用で真空ろう付けすること
により製造されることは良く知られるところである。ま
た、上記Ａｌ合金ブレージングシートとして、Ａｌ−Ｍ
ｎ系合金の芯材の少なくとも片面に、Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ
−Ｚｎ系合金の犠牲陽極効果を有するろう材をクラッド
してなるものが提案されている。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のＡｌ−
Ｓｉ−Ｍｇ−Ｚｎ系合金のろう材をクラッドしてなるＡ
ｌ合金ブレージングシートにおいては、Ｚｎ含有量が
０．５〜３重量％と相対的に高いために、熱交換器への
組み立てろう付け時に昇温時からＺｎ蒸発が始まり、こ
のＺｎ蒸発も表面上不均一に発生することから、ろう付
け後の熱交換器構造部材は、全体的にＺｎ減少による犠
牲陽極効果の低下が避けられないばかりでなく、Ｚｎの
局部的濃度差によって孔食が発生し易くなるなどの問題
がある。 【０００４】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記の従来Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ−
Ｚｎ系合金のろう材をクラッドしてなるＡｌ合金ブレー
ジングシートに着目し、これの真空ろう付け時における
ろう材からのＺｎ蒸発を防止すべく研究を行なった結
果、真空ろう付け時のＺｎ蒸発を抑制する目的で、上記
Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ−Ｚｎ系合金のろう材に接して純Ａｌ
や通常のＡｌ合金の皮材をクラッドしただけでは、前記
皮材よって前記ろう材のもつ機能が完全に阻害されてし
まって満足なろう付けを行なうことができないが、Ｓ
ｉ：０．５〜１．６重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ系合金
の皮材をクラッドすると、この皮材は、ろう付け温度へ
の昇温過程でのろう材からのＺｎ蒸発を阻止するほか、
ろう付け加熱温度ではろう材の溶融に遅れて溶融するこ
とから、前記ろう材の溶融時のＺｎ蒸発も抑制され、し
かも自からも溶融してろう材と共にろう付け作用に関与
することから、前記ろう材のＺｎ含有量がほとんど変ら
ずに維持された状態で、強固なろう付けを満足に行なう
ことができるという研究結果を得たのである。 【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、Ａｌ−Ｍｎ系合金、望ましく
は、重量％で（以下、％は重量％を示す）、Ｍｎ：０．
７〜２％、を含有し、さらに必要に応じて、上記のＭｎ
成分による強度付与に加えて、さらに一段の強度向上を
はかる目的で、Ｍｇ：０．１〜５％、 Ｓ
ｉ：０．３〜２％、Ｃｕ：０．０１〜０．２％、
Ｚｒ：０．０５〜０．２５％、Ｔｉ：０．０５〜０．２
５％、 Ｖ：０．０５〜０．２５％、Ｃｒ：０．０５
〜０．２５％、 Ｆｅ：０．５〜１．５％、のうちの
１種または２種以上、を含有し、残りがＡｌと不可避不
純物からなる組成を有するＡｌ合金の芯材の少なくとも
片面に、Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ−Ｚｎ系合金、望ましくは、
Ｓｉ：７〜１３％、 Ｍｇ：０．２〜２
％、Ｚｎ：０．５〜３％、を含有し（なお、上記Ｓｉ成
分には融点を下げて流動性を付与し、もってろう付けを
可能ならしめる作用があり、また上記Ｍｇ成分にはろう
付け雰囲気中の酸化性ガスと結合して自身が酸化するの
を防止する作用があり、さらに上記Ｚｎ成分には電気化
学的に卑にして犠牲陽極効果を付与する作用がある）、
さらに必要に応じて、ろう材の流動性をさらに高めてろ
う付け性の一段の向上をはかる目的で、Ｂｉ：０．０１
〜０．３％、 Ｂｅ：０．０００１〜０．００２
％、のうちの１種または２種、を含有し、残りがＡｌと
不可避不純物からなる組成を有するＡｌ−Ｓｉ−Ｍｇ−
Ｚｎ系合金の犠牲陽極効果を有するろう材をクラッドし
てなる真空ろう付けＡｌ合金ブレージングシートにおい
て、上記ろう材に接して、Ｓｉ：０．５〜１．６％、を
含有し、さりに必要に応じて、上記ろう材におけると同
じ目的でＭｇ：０．２〜２％、 Ｂｉ：０．
０１〜０．３％、Ｂｅ：０．０００１〜０．００２％、
のうちの１種または２種以上、を含有し、残りがＡｌと
不可避不純物からなる組成を有するＡｌ合金の皮材を、
５μｍ〜上記ろう材厚さの範囲内の厚さでクラッドして
なる、耐食性のすぐれた熱交換器の構造部材用真空ろう
付けＡｌ合金ブレージングシートに特徴を有するもので
ある。 【０００６】なお、この発明のＡｌ合金ブレージングシ
ートにおいて、これを構成する皮材のＳｉ含有量を０．
５〜１．６％としたのは、その含有量が０．５％未満で
はろう材の溶融に対する自身の溶融のタイミングが遅れ
過ぎたり、あるいはろう付け温度での溶融が不可能にな
って、ろう付けを満足に行なうことができず、一方その
含有量が１．６％を越えると、融点が低下し、溶融し易
くなって、ろう材のＺｎ蒸発抑制効果が低下するように
なるという理由によるものであり、また皮材の厚さを５
μｍ〜ろう材の厚さに限定したのは、その厚さが５μｍ
未満ではろう材からのＺｎ蒸発を満足に抑制することが
できず、一方その厚さがろう材厚さを越えて厚くなる
と、ろう付け温度でろう材と共に溶融した場合に、その
流動性が低下し、ろう付け性が損なわれるようになると
いう理由にもとづくものである。 【０００７】さらに、この発明のＡｌ合金ブレージング
シートにおいて、芯材の一方面に上記Ａｌ−Ｓｉ−Ｍｇ
−Ｚｎ系合金のろう材と上記Ａｌ−Ｓｉ系合金の皮材を
クラッドした場合、芯材の他方面に純Ａｌや、Ｍｎ：
０．１％以下のＡｌ合金、望ましくは、電気化学的に卑
にして、腐食を全面腐食型にする目的で、Ｚｎ：０．１
〜２％、 Ｉｎ：０．００５〜０．０５％、
Ｓｎ：０．０５〜０．２％、のうちの１種または２種以
上、および／または強度を向上させる目的で、Ｍｇ：
０．１〜５％、 Ｓｉ：０．３〜２％、のう
ちの１種または２種、を含有し、残りがＡｌと不可避不
純物からなるＡｌ合金の犠牲陽極材をクラッドしてもよ
い。 【０００８】 【実施例】つぎに、この発明の真空ろう付けブレージン
グシートを実施例により具体的に説明する。通常の溶解
法により表１〜３に示される成分組成をもった芯材用Ａ
ｌ合金、ろう材用Ａｌ合金、および皮材用Ａｌ合金をそ
れぞれ溶製し、鋳造して鋳塊とし、以下いずれも通常の
条件で、均質化熱処理を施した後、熱間圧延にて板厚：
８mmの熱延板とし、さらにろう材用および皮材用熱延板
に対しては冷間圧延を施して、所定厚さの冷延板とし、
この状態で前記芯材用熱延板、ろう材用冷延板、および
皮材用冷延板を表４〜７に示される組み合せにしたがっ
て重ね合わせ、熱間圧延にてクラッドし、引続いて冷間
圧延を施すことにより同じく表４〜７に示される厚さ構
成の本発明Ａｌ合金クラッド材１〜２０、および上記皮
材をクラッドしない従来Ａｌ合金クラッド材１〜２０を
それぞれ製造した。 【０００９】ついで、この結果得られた各種のＡｌ合金
クラッド材から試験片を切り出し、この試験片を真空ろ
う付け処理に相当する条件、すなわ１０-4torrの真空
中、温度：６００℃に５分間保持後空冷の条件で加熱し
た状態で、常温の３．５％ＮａＣｌ溶液中で前記加熱で
溶融した部分、すなわち芯材を除くろう材と皮材部分、
並びにろう材部分の孔食電位を測定し、さらに１ppm の
Ｃｕ++イオンを含有した４０℃の水道水中に６週間浸漬
の水道水浸漬試験、並びに３０００時間の塩水噴霧試験
を行ない、最大孔食深さを測定した。これらの測定結果
を表４〜５に示した。 【００１０】 【表１】 【００１１】 【表２】【００１２】 【表３】 【００１３】 【表４】【００１４】 【表５】 【００１５】 【表６】【００１６】 【表７】 【００１７】 【発明の効果】表４〜７に示される結果から、本発明Ａ
ｌ合金クラッド材１〜２０は、いずれも皮材の作用で、
ろう付け処理時におけるろう材からのＺｎの蒸発が著し
く抑制されるので、前記皮材のクラッドがなく、このた
めろう付け処理におけるろう材中のＺｎの蒸発が著し
く、この結果ろう材の電位が上昇し、芯材に孔食の発生
が避けられない従来Ａｌ合金クラッド材１〜２０に比し
て、ろう材の電位が相対的に卑の状態に保持されること
から、前記皮材が芯材をよく防食して孔食の発生を抑制
することが明らかである。上述のように、この発明の真
空ろう付けＡｌ合金ブレージングシートは、真空ろう付
け処理時におけるろう材からのＺｎ蒸発が皮材によっ
て、良好なろう付け状態を保持したままで著しく抑制さ
れるので、前記皮材を含むろう材の芯材に対する電位が
常に卑の状態に保持されることから、芯材に対する犠牲
陽極効果が十分に発揮され、芯材をよく防食するなど工
業上有用な特性を有するのである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 Ａｌ−Ｍｎ系合金の芯材の少なくとも片面に、Ａｌ−Ｓ
ｉ−Ｍｇ−Ｚｎ系合金の犠牲陽極作用を有するろう材を
クラッドしてなる真空ろう付けＡｌ合金ブレージングシ
ートにおいて、上記ろう材に接して、 Ｓｉ：０．５〜１．６重量％、を含有するＡｌ−Ｓｉ系
合金の皮材を、５μｍ〜上記ろう材厚さの範囲内の厚さ
でクラッドしてなる、耐食性のすぐれた熱交換器の構造
部材用真空ろう付けＡｌ合金ブレージングシート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34812793A JPH07179973A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 耐食性のすぐれた熱交換器の構造部材用真空ろう付けＡｌ合金ブレージングシート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34812793A JPH07179973A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 耐食性のすぐれた熱交換器の構造部材用真空ろう付けＡｌ合金ブレージングシート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07179973A true JPH07179973A (ja) | 1995-07-18 |
Family
ID=18394932
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34812793A Pending JPH07179973A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 耐食性のすぐれた熱交換器の構造部材用真空ろう付けＡｌ合金ブレージングシート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07179973A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012030244A (ja) * | 2010-07-29 | 2012-02-16 | Mitsubishi Alum Co Ltd | アルミニウム材のフラックスレスろう付方法 |
| JP2012055895A (ja) * | 2010-09-06 | 2012-03-22 | T Rad Co Ltd | 細流路インナーフィンを有する熱交換器のフラックスレスろう付け方法およびそれに用いるアルミニウムクラッド材 |
| CN102574248A (zh) * | 2009-09-17 | 2012-07-11 | 萨帕铝热传输公司 | 铝钎焊板材 |
| JP2013001941A (ja) * | 2011-06-15 | 2013-01-07 | Denso Corp | クラッド材、熱交換器および熱交換器の製造方法 |
| JP2014055338A (ja) * | 2012-09-13 | 2014-03-27 | Uacj Corp | 熱交換器用アルミニウム製クラッド板及びその製造方法、ならびに、当該クラッド板を用いたアルミニウム製熱交換器及びその製造方法 |
| CN105483453A (zh) * | 2015-12-17 | 2016-04-13 | 太仓市美斯门窗有限公司 | 一种高导热性铝合金 |
-
1993
- 1993-12-24 JP JP34812793A patent/JPH07179973A/ja active Pending
Cited By (7)
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| CN105483453A (zh) * | 2015-12-17 | 2016-04-13 | 太仓市美斯门窗有限公司 | 一种高导热性铝合金 |
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