JPH0210216B2 - - Google Patents
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- JPH0210216B2 JPH0210216B2 JP57229300A JP22930082A JPH0210216B2 JP H0210216 B2 JPH0210216 B2 JP H0210216B2 JP 57229300 A JP57229300 A JP 57229300A JP 22930082 A JP22930082 A JP 22930082A JP H0210216 B2 JPH0210216 B2 JP H0210216B2
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Description
この発明は、すぐれた高温耐サグ性、熱伝導
性、および犠牲陽極効果を有する熱交換器フイン
材に関するものである。 従来、一般に、例えば自動車のラジエータや、
空調機器などにはAl合金製熱交換器が広く使用
されている。 この熱交換器は、通常、Al合金の板材の片面
または両面にAl−Si系合金のろう材をクラツド
してなるブレージングシート、あるいはAl合金
の板材で構成されたフイン材を、Al合金の板材、
あるいはAl合金の板材の表面側にAl−Si系合金
のろう材をクラツドしてなるブレージングシート
から成形された管材に、真空中、不活性ガス中、
あるいはフラツクスを用いた大気中、580〜620℃
の温度で、ろう付けすることによつて製造されて
いる。 したがつて、熱交換器フイン材には、ろう付け
時におけるろう材の溶融温度以上の高温加熱に対
して変形しない十分な高温耐サグ性、ろう付け後
に良好な熱交換性能を発揮する高い熱伝導性、さ
らに管材をよく防食し、これに貫通孔にまで発展
する孔食を発生させないようにするための犠牲陽
極効果を具備することが要求されるが、従来提案
されている各種の熱交換器フイン材は、いずれも
これらの高温耐サグ性、熱伝導性、および犠牲陽
極効果のうちの少なくともいずれかの特性に劣る
のが現状である。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、高温耐サグ性、熱伝導性、および犠牲陽極効
果を具備した熱交換器フイン材を開発すべく研究
を行なつた結果、重量%で(以下%は重量%を示
す)、 Si:0.1〜0.8%、Zr:0.02〜0.2%、 Zn:0.3〜2%、 を含有し、さらに必要に応じて、 Mn:0.1〜0.5%、Cr:0.05〜0.3%、 Mg:0.1〜1.5%、Cu:0.05〜0.7%、 のうちの1種または2種以上、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の芯材の両面に、 Mg:0.1〜1.2%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の皮材を0.005〜0.04mmの層厚
でクラツドしてなる3層複合板で熱交換器フイン
材を構成すると、この結果の熱交換器フイン材に
おいては、上記芯材によつてすぐれた高温耐サグ
性、犠牲陽極効果、および熱伝導性が確保され、
一方上記皮材によつて、熱交換器のろう付けによ
る製造に際して、上記芯材よりのZn蒸発が阻止
されて芯材のもつすぐれた犠牲陽極効果がろう付
け後も保持されるばかりでなく、皮材自体もすぐ
れた犠牲陽極効果を耐孔食性を具備することか
ら、ろう付け時にフイン形状に変化が起らず、か
つろう付け後もすぐれた熱伝導性と犠牲陽極効果
を発揮するようになるという知見を得たのであ
る。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、以下に3層複合板を構成する芯材お
よび皮材の成分組成、並びに皮材の層厚を上記の
通りに限定した理由を説明する。 A 芯 材 (a) SiおよびZr これらの成分は、Alと結合して素地中に
微細にして均一に分散析出するAl−Zr−Si
化合物を形成し、このAl−Zr−Si化合物に
は芯材の再結晶温度を上昇させる作用がある
ので、ろう付け加熱時に再結晶粒が粗大化す
るようになり、この粗大再結晶粒によつてろ
う付け時に変形が発生しないすぐれた高温耐
サグ性が確保され、さらに前記Al−Zr−Si
化合物はAl素地のもつすぐれた熱伝導性を
阻害しない性質をもつので、すぐれた熱伝導
性も保持されるようになるが、その含有量
が、それぞれSi:0.1%未満およびZr:0.02
%未満では所望の高温耐サグ性を確保するこ
とができず、一方Si:0.8%およびZr:0.2%
をそれぞれ越えて含有させると、前記Al−
Zr−Si化合物の量が多くなりすぎて熱伝導性
に低下傾向が現われるようになることから、
その含有量を、それぞれSi:0.1〜0.8%、
Zr:0.02〜0.2%と定めた。 (b) Zn Zn成分には、芯材を電気化学的に卑にし、
もつてフイン材が十分な犠牲陽極効果を発揮
して管材をよく防食する作用があるがその含
有量が0.3%未満では所望の犠牲陽極効果を
確保することができず、一方2%を越えて含
有させると、電気化学的に卑になり過ぎてし
まい、フイン材としての犠牲陽極効果が促進
され過ぎて、フイン材自体の腐食量が増大す
るようになることから、その含有量を0.3〜
2%と定めた。 (c) MnおよびCr これらの成分には、それぞれAlと結合し
てAl−Mn−Si化合物およびAl−Cr化合物を
形成し、素地中に微細均一に分散析出して、
特に上記Al−Zr−Si化合物との共存におい
て、再結晶粒の粗大化を一段と促進し、もつ
てフイン材の高温耐サグ性をより一層向上せ
しめる作用があるので、特にすぐれた高温耐
サグ性が要求される場合に必要に応じて含有
されるが、その含有量が、それぞれMn:0.1
%未満およびCr:0.05%未満では所望の高温
耐サグ性向上効果が得られず、一方Mn:0.5
%およびCr:0.3%をそれぞれ越えて含有さ
せると、熱伝導性が低下するようになること
から、その含有量を、Mn:0.1〜0.5%、
Cr:0.05〜0.3%と定めた。 (d) MgおよびCu これらの成分には、素地に固溶して、芯材
の強度を向上させる作用があるので、特にフ
イン材に高強度が要求される場合に必要に応
じて含有されるが、その含有量が、それぞれ
Mg:0.1%未満およびCu:0.05%未満では所
望の強度向上効果が得られず、一方Mg:1.5
%およびCu:0.7%をそれぞれ越えて含有さ
せると、再結晶粒の粗大化が阻害されるよう
になり、高温耐サグ性が劣化するようになる
ことから、その含有量を、それぞれMg:0.1
〜1.5%、Cu:0.05〜0.7%と定めた。 B 皮 材 (a) Mg Mg成分には、皮材をより電気化学的に卑
にし、もつてフイン材の犠牲陽極効果と耐孔
食性をより一段と向上させる作用があるが、
その含有量が0.1%未満では前記作用に所望
の向上効果が得られず、一方1.2%を越て含
有させると、加工性が劣化するようになるこ
とから、その含有量を0.1〜1.2%と定めた。 (b) 層 厚 上記の通り、皮材にはろう付け加熱時に芯
材よりのZn蒸発を抑制して、芯材中のZn含
有量の著しい低減を阻止し、もつて芯材のも
つすぐれた犠牲陽極効果を保持する作用があ
るほか、自身もすぐれた犠牲陽極効果と耐孔
食性を具備するが、その層厚が0.005mm未満
ではろう付へ加熱時に芯材より拡散したZn
が皮材表面にまで達し、皮材表面より比較的
多量のZn蒸発が起つて所望のZn蒸発抑制効
果を確保することができないので、0.005mm
以上の層厚にする必要があるが、その層厚は
0.04mmまでで十分であり、経済性を考慮し
て、その層厚を0.005〜0.04mmと定めた。 つぎに、この発明の熱交換器フイン材を実施例
により具体的に説明する。 通常の溶解鋳造法により、それぞれ第1表に示
される成分組成をもつた本発明芯材用Al合金1
〜24、従来フイン材用Al合金1′,2′、本発明皮材
用Al合金a,b、管材用Al合金、および管材の
ろう材用Al合金を溶製し、鋳造して鋳塊とした。 ついで、この結果得られた各種のAl合金鋳塊
に熱間圧延を施して板厚:8mmの熱延板とし、さ
らに従来フイン材用Al合金1′,2′、本発明皮材用
Al合金a,b、および管材のろう材用Al合金に
は冷間圧延を施して板厚:1mmの
性、および犠牲陽極効果を有する熱交換器フイン
材に関するものである。 従来、一般に、例えば自動車のラジエータや、
空調機器などにはAl合金製熱交換器が広く使用
されている。 この熱交換器は、通常、Al合金の板材の片面
または両面にAl−Si系合金のろう材をクラツド
してなるブレージングシート、あるいはAl合金
の板材で構成されたフイン材を、Al合金の板材、
あるいはAl合金の板材の表面側にAl−Si系合金
のろう材をクラツドしてなるブレージングシート
から成形された管材に、真空中、不活性ガス中、
あるいはフラツクスを用いた大気中、580〜620℃
の温度で、ろう付けすることによつて製造されて
いる。 したがつて、熱交換器フイン材には、ろう付け
時におけるろう材の溶融温度以上の高温加熱に対
して変形しない十分な高温耐サグ性、ろう付け後
に良好な熱交換性能を発揮する高い熱伝導性、さ
らに管材をよく防食し、これに貫通孔にまで発展
する孔食を発生させないようにするための犠牲陽
極効果を具備することが要求されるが、従来提案
されている各種の熱交換器フイン材は、いずれも
これらの高温耐サグ性、熱伝導性、および犠牲陽
極効果のうちの少なくともいずれかの特性に劣る
のが現状である。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、高温耐サグ性、熱伝導性、および犠牲陽極効
果を具備した熱交換器フイン材を開発すべく研究
を行なつた結果、重量%で(以下%は重量%を示
す)、 Si:0.1〜0.8%、Zr:0.02〜0.2%、 Zn:0.3〜2%、 を含有し、さらに必要に応じて、 Mn:0.1〜0.5%、Cr:0.05〜0.3%、 Mg:0.1〜1.5%、Cu:0.05〜0.7%、 のうちの1種または2種以上、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の芯材の両面に、 Mg:0.1〜1.2%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の皮材を0.005〜0.04mmの層厚
でクラツドしてなる3層複合板で熱交換器フイン
材を構成すると、この結果の熱交換器フイン材に
おいては、上記芯材によつてすぐれた高温耐サグ
性、犠牲陽極効果、および熱伝導性が確保され、
一方上記皮材によつて、熱交換器のろう付けによ
る製造に際して、上記芯材よりのZn蒸発が阻止
されて芯材のもつすぐれた犠牲陽極効果がろう付
け後も保持されるばかりでなく、皮材自体もすぐ
れた犠牲陽極効果を耐孔食性を具備することか
ら、ろう付け時にフイン形状に変化が起らず、か
つろう付け後もすぐれた熱伝導性と犠牲陽極効果
を発揮するようになるという知見を得たのであ
る。 この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、以下に3層複合板を構成する芯材お
よび皮材の成分組成、並びに皮材の層厚を上記の
通りに限定した理由を説明する。 A 芯 材 (a) SiおよびZr これらの成分は、Alと結合して素地中に
微細にして均一に分散析出するAl−Zr−Si
化合物を形成し、このAl−Zr−Si化合物に
は芯材の再結晶温度を上昇させる作用がある
ので、ろう付け加熱時に再結晶粒が粗大化す
るようになり、この粗大再結晶粒によつてろ
う付け時に変形が発生しないすぐれた高温耐
サグ性が確保され、さらに前記Al−Zr−Si
化合物はAl素地のもつすぐれた熱伝導性を
阻害しない性質をもつので、すぐれた熱伝導
性も保持されるようになるが、その含有量
が、それぞれSi:0.1%未満およびZr:0.02
%未満では所望の高温耐サグ性を確保するこ
とができず、一方Si:0.8%およびZr:0.2%
をそれぞれ越えて含有させると、前記Al−
Zr−Si化合物の量が多くなりすぎて熱伝導性
に低下傾向が現われるようになることから、
その含有量を、それぞれSi:0.1〜0.8%、
Zr:0.02〜0.2%と定めた。 (b) Zn Zn成分には、芯材を電気化学的に卑にし、
もつてフイン材が十分な犠牲陽極効果を発揮
して管材をよく防食する作用があるがその含
有量が0.3%未満では所望の犠牲陽極効果を
確保することができず、一方2%を越えて含
有させると、電気化学的に卑になり過ぎてし
まい、フイン材としての犠牲陽極効果が促進
され過ぎて、フイン材自体の腐食量が増大す
るようになることから、その含有量を0.3〜
2%と定めた。 (c) MnおよびCr これらの成分には、それぞれAlと結合し
てAl−Mn−Si化合物およびAl−Cr化合物を
形成し、素地中に微細均一に分散析出して、
特に上記Al−Zr−Si化合物との共存におい
て、再結晶粒の粗大化を一段と促進し、もつ
てフイン材の高温耐サグ性をより一層向上せ
しめる作用があるので、特にすぐれた高温耐
サグ性が要求される場合に必要に応じて含有
されるが、その含有量が、それぞれMn:0.1
%未満およびCr:0.05%未満では所望の高温
耐サグ性向上効果が得られず、一方Mn:0.5
%およびCr:0.3%をそれぞれ越えて含有さ
せると、熱伝導性が低下するようになること
から、その含有量を、Mn:0.1〜0.5%、
Cr:0.05〜0.3%と定めた。 (d) MgおよびCu これらの成分には、素地に固溶して、芯材
の強度を向上させる作用があるので、特にフ
イン材に高強度が要求される場合に必要に応
じて含有されるが、その含有量が、それぞれ
Mg:0.1%未満およびCu:0.05%未満では所
望の強度向上効果が得られず、一方Mg:1.5
%およびCu:0.7%をそれぞれ越えて含有さ
せると、再結晶粒の粗大化が阻害されるよう
になり、高温耐サグ性が劣化するようになる
ことから、その含有量を、それぞれMg:0.1
〜1.5%、Cu:0.05〜0.7%と定めた。 B 皮 材 (a) Mg Mg成分には、皮材をより電気化学的に卑
にし、もつてフイン材の犠牲陽極効果と耐孔
食性をより一段と向上させる作用があるが、
その含有量が0.1%未満では前記作用に所望
の向上効果が得られず、一方1.2%を越て含
有させると、加工性が劣化するようになるこ
とから、その含有量を0.1〜1.2%と定めた。 (b) 層 厚 上記の通り、皮材にはろう付け加熱時に芯
材よりのZn蒸発を抑制して、芯材中のZn含
有量の著しい低減を阻止し、もつて芯材のも
つすぐれた犠牲陽極効果を保持する作用があ
るほか、自身もすぐれた犠牲陽極効果と耐孔
食性を具備するが、その層厚が0.005mm未満
ではろう付へ加熱時に芯材より拡散したZn
が皮材表面にまで達し、皮材表面より比較的
多量のZn蒸発が起つて所望のZn蒸発抑制効
果を確保することができないので、0.005mm
以上の層厚にする必要があるが、その層厚は
0.04mmまでで十分であり、経済性を考慮し
て、その層厚を0.005〜0.04mmと定めた。 つぎに、この発明の熱交換器フイン材を実施例
により具体的に説明する。 通常の溶解鋳造法により、それぞれ第1表に示
される成分組成をもつた本発明芯材用Al合金1
〜24、従来フイン材用Al合金1′,2′、本発明皮材
用Al合金a,b、管材用Al合金、および管材の
ろう材用Al合金を溶製し、鋳造して鋳塊とした。 ついで、この結果得られた各種のAl合金鋳塊
に熱間圧延を施して板厚:8mmの熱延板とし、さ
らに従来フイン材用Al合金1′,2′、本発明皮材用
Al合金a,b、および管材のろう材用Al合金に
は冷間圧延を施して板厚:1mmの
【表】
【表】
【表】
冷延板とし、引続いて上記板厚:8mmの本発明芯
材用Al合金1〜24の熱延板の両面に、上記板
厚:1mmの本発明皮材用Al合金a,bの冷延板
をそれぞれ重ね合わせ、熱間圧延にてクラツドし
て板厚:2mmとし、さらにこれと、前記板厚:1
mmの従来フイン材用Al合金の冷延板に2℃/min
の昇温速度で加熱して温度:370℃に2時間保持
の中間焼鈍をはさみながら冷間圧延を繰り返し行
ない、最終冷間圧延率を30%とすることによつて
3層複合板からなる板厚:0.16mmを有する本発明
熱交換器フイン材1〜48(皮材の層厚:各0.016
mm)および単層板の従来熱交換器フイン材1,2
をそれぞれ製造した。また、板厚:8mmの管材用
Al合金の熱延板の片面には、上記板厚:1mmの
管材のろう材用Al合金を重ね合わせ、熱間圧延
にて板厚:2mmとし、さらに続いて上記条件の中
間焼鈍を行ないながら冷間圧延を施してブレージ
ングシートとしてなる板厚:0.4mmの管材を製造
した。
材用Al合金1〜24の熱延板の両面に、上記板
厚:1mmの本発明皮材用Al合金a,bの冷延板
をそれぞれ重ね合わせ、熱間圧延にてクラツドし
て板厚:2mmとし、さらにこれと、前記板厚:1
mmの従来フイン材用Al合金の冷延板に2℃/min
の昇温速度で加熱して温度:370℃に2時間保持
の中間焼鈍をはさみながら冷間圧延を繰り返し行
ない、最終冷間圧延率を30%とすることによつて
3層複合板からなる板厚:0.16mmを有する本発明
熱交換器フイン材1〜48(皮材の層厚:各0.016
mm)および単層板の従来熱交換器フイン材1,2
をそれぞれ製造した。また、板厚:8mmの管材用
Al合金の熱延板の片面には、上記板厚:1mmの
管材のろう材用Al合金を重ね合わせ、熱間圧延
にて板厚:2mmとし、さらに続いて上記条件の中
間焼鈍を行ないながら冷間圧延を施してブレージ
ングシートとしてなる板厚:0.4mmの管材を製造
した。
【表】
【表】
【表】
つぎに、この結果得られた本発明熱交換器フイ
ン材1〜48および従来熱交換器フイン材1,2に
ついて、高温耐サグ性試験、伝導性試験、および
犠牲陽極試験をそれぞれ行なつた。 まず、高温耐サグ性試験では、幅:30mm×長
さ:140mmの寸法をもつた試験片を切出し、この
試験片を、その長さの30mmがステンレス鋼台板か
ら水平に突き出るように固定し、この状態で、圧
力:10-4torrの真空中、温度:620℃に5分間加
熱保持後の試験片の下方への垂下値(試験片先端
部の降下高さ)を測定した。 また、電導性試験では、上記高温耐サグ性試験
後の試験片の電導度を測定した。 さらに、犠牲陽極試験では、上記高温耐サグ性
試験後の試験片を用い、この試験片を1規定の食
塩水中に浸漬し、試験片に局部溶解が発生したと
きの電位(孔食電位)を飽和カロメル電極を基準
として測定した。また、さらに、犠牲陽極試験で
は、上記本発明熱交換器フイン材1〜48および従
来熱交換器フイン材1,2のそれぞれから幅:30
mm×長さ:50mmの試験片を、一方上記管材からは
幅:40mm×長さ:50mmの寸法をもつた試験片を切
出し、前記管材試験片をろう材面を上に水平に置
き、この上面中央部に長さ方向にそつて上記本発
明熱交換器フイン材1〜48および従来熱交換器フ
イン材1,2の試験片をそれぞれ垂直に立設し、
この状態で圧力:10-4torrの真空中、温度:620
℃に5分間加熱して、これら両試験片をろう付け
し、ついで1ppmのCu++イオンを含有する温度:
40℃の水道水中に30日間浸漬の水道水浸漬試験、
並びに30日間のCASS試験を行ない、それぞれ管
材用Al合金複合シートの表面に発生した孔食数
および最大孔食深さを測定した。これらの結果を
第2表に示した。 第2表に示される結果から、従来熱交換器フイ
ン材1は、すぐれた熱伝導性および犠牲陽極効果
をもつものの、高温耐サグ性に劣るものであり、
また従来熱交換器フイン材2は、高温耐サグ性、
熱伝導性、および犠牲陽極効果のいずれにも満足
する結果を示さないのに対して、本発明熱交換器
フイン材1〜48は、いずれもすぐれた高温耐サグ
性、熱伝導性、および犠牲陽極効果をすべて兼ね
備えていることが明らかである。 上述のように、この発明の熱交換器フイン材
は、すぐれた高温耐サグ性、熱伝導性、および犠
牲陽極効果を具備するので、熱交換器の製造上お
よび実用上きわめてすぐれた性能を発揮し、熱交
換器の著しく長期に亘つての使用を可能とするの
である。
ン材1〜48および従来熱交換器フイン材1,2に
ついて、高温耐サグ性試験、伝導性試験、および
犠牲陽極試験をそれぞれ行なつた。 まず、高温耐サグ性試験では、幅:30mm×長
さ:140mmの寸法をもつた試験片を切出し、この
試験片を、その長さの30mmがステンレス鋼台板か
ら水平に突き出るように固定し、この状態で、圧
力:10-4torrの真空中、温度:620℃に5分間加
熱保持後の試験片の下方への垂下値(試験片先端
部の降下高さ)を測定した。 また、電導性試験では、上記高温耐サグ性試験
後の試験片の電導度を測定した。 さらに、犠牲陽極試験では、上記高温耐サグ性
試験後の試験片を用い、この試験片を1規定の食
塩水中に浸漬し、試験片に局部溶解が発生したと
きの電位(孔食電位)を飽和カロメル電極を基準
として測定した。また、さらに、犠牲陽極試験で
は、上記本発明熱交換器フイン材1〜48および従
来熱交換器フイン材1,2のそれぞれから幅:30
mm×長さ:50mmの試験片を、一方上記管材からは
幅:40mm×長さ:50mmの寸法をもつた試験片を切
出し、前記管材試験片をろう材面を上に水平に置
き、この上面中央部に長さ方向にそつて上記本発
明熱交換器フイン材1〜48および従来熱交換器フ
イン材1,2の試験片をそれぞれ垂直に立設し、
この状態で圧力:10-4torrの真空中、温度:620
℃に5分間加熱して、これら両試験片をろう付け
し、ついで1ppmのCu++イオンを含有する温度:
40℃の水道水中に30日間浸漬の水道水浸漬試験、
並びに30日間のCASS試験を行ない、それぞれ管
材用Al合金複合シートの表面に発生した孔食数
および最大孔食深さを測定した。これらの結果を
第2表に示した。 第2表に示される結果から、従来熱交換器フイ
ン材1は、すぐれた熱伝導性および犠牲陽極効果
をもつものの、高温耐サグ性に劣るものであり、
また従来熱交換器フイン材2は、高温耐サグ性、
熱伝導性、および犠牲陽極効果のいずれにも満足
する結果を示さないのに対して、本発明熱交換器
フイン材1〜48は、いずれもすぐれた高温耐サグ
性、熱伝導性、および犠牲陽極効果をすべて兼ね
備えていることが明らかである。 上述のように、この発明の熱交換器フイン材
は、すぐれた高温耐サグ性、熱伝導性、および犠
牲陽極効果を具備するので、熱交換器の製造上お
よび実用上きわめてすぐれた性能を発揮し、熱交
換器の著しく長期に亘つての使用を可能とするの
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Si:0.1〜0.8%、Zr:0.02〜0.2%、 Zn:0.3〜2%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の芯材の両面に、 Mg:0.1〜1.2%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有するAl合金の皮材を0.005
〜0.04mmの層厚でクラツドしてなる3層複合板で
構成したことを特徴とする高温耐サグ性、熱伝導
性、および犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フイ
ン材。 2 Si:0.1〜0.8%、Zr:0.02〜0.2%、 Zn:0.3〜2%、 を含有し、さらに、 Mn:0.1〜0.5%、Cr:0.05〜0.3%、 のうちの1種または2種、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の芯材の両面に、 Mg:0.1〜1.2%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有するAl合金の皮材を0.005
〜0.04mmの層厚でクラツドしてなる3層複合板で
構成したことを特徴とする高温耐サグ性、熱伝導
性、および犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フイ
ン材。 3 Si:0.1〜0.8%、Zr:0.02〜0.2%、 Zn:0.3〜2%、 を含有し、さらに、 Mg:0.1〜1.5%、Cu:0.05〜0.7%、 のうちの1種または2種、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の芯材の両面に、 Mg:0.1〜1.2%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有するAl合金の皮材を0.005
〜0.04mmの層厚でクラツドしてなる3層複合板で
構成したことを特徴とする高温耐サグ性、熱伝導
性、および犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フイ
ン材。 4 Si:0.1〜0.8%、Zr:0.02〜0.2%、 Zn:0.3〜2%、 を含有し、さらに、 Mn:0.1〜0.5%、Cr:0.05〜0.3%、 のうちの1種または2種と、 Mg:0.1〜1.5%、Cu:0.05〜0.7%、 のうちの1種または2種、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成を有するAl合金の芯材の両面に、 Mg:0.1〜1.2%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組
成(以上重量%)を有するAl合金の皮材を0.005
〜0.04mmの層厚でクラツドしてなる3層複合板で
構成したことを特徴とする高温耐サグ性、熱伝導
性、および犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フイ
ン材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22930082A JPS59118851A (ja) | 1982-12-27 | 1982-12-27 | 高温耐サグ性、熱伝導性、および犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フィン材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22930082A JPS59118851A (ja) | 1982-12-27 | 1982-12-27 | 高温耐サグ性、熱伝導性、および犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フィン材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59118851A JPS59118851A (ja) | 1984-07-09 |
JPH0210216B2 true JPH0210216B2 (ja) | 1990-03-07 |
Family
ID=16889969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22930082A Granted JPS59118851A (ja) | 1982-12-27 | 1982-12-27 | 高温耐サグ性、熱伝導性、および犠牲陽極効果のすぐれた熱交換器フィン材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59118851A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0345822U (ja) * | 1989-09-14 | 1991-04-26 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0154236B1 (en) * | 1984-03-07 | 1988-01-13 | IHARA CHEMICAL INDUSTRY Co., Ltd. | Process for producing a halobenzene |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54158312A (en) * | 1978-06-05 | 1979-12-14 | Mitsubishi Metal Corp | Pitting corrosion resistant clad |
JPS55119146A (en) * | 1979-03-09 | 1980-09-12 | Furukawa Alum Co Ltd | Aluminum fin material for heat exchanger |
JPS55125255A (en) * | 1979-03-23 | 1980-09-26 | Furukawa Alum Co Ltd | Aluminum brazing sheet for cathodic corrosion protection |
JPS5644742A (en) * | 1979-09-19 | 1981-04-24 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | Aluminum alloy clad for heat exchanger |
-
1982
- 1982-12-27 JP JP22930082A patent/JPS59118851A/ja active Granted
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54158312A (en) * | 1978-06-05 | 1979-12-14 | Mitsubishi Metal Corp | Pitting corrosion resistant clad |
JPS55119146A (en) * | 1979-03-09 | 1980-09-12 | Furukawa Alum Co Ltd | Aluminum fin material for heat exchanger |
JPS55125255A (en) * | 1979-03-23 | 1980-09-26 | Furukawa Alum Co Ltd | Aluminum brazing sheet for cathodic corrosion protection |
JPS5644742A (en) * | 1979-09-19 | 1981-04-24 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | Aluminum alloy clad for heat exchanger |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0345822U (ja) * | 1989-09-14 | 1991-04-26 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59118851A (ja) | 1984-07-09 |
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