JPH0463276B2

JPH0463276B2 -

Info

Publication number: JPH0463276B2
Application number: JP18472683A
Authority: JP
Inventors: Ken Toma; Kensho Takahashi; Masabumi Kaneko; Isao Takeuchi
Original assignee: Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Current assignee: MA Aluminum Corp
Priority date: 1983-10-03
Filing date: 1983-10-03
Publication date: 1992-10-09
Also published as: JPS6078188A

Description

【発明の詳細な説明】

この発明は、すぐれた耐孔食性を有し、特に
Al合金製熱交換器の管材として使用するのに適
した複合管材に関するものである。従来、例えばオートバイや自動車のラジエータ
などの熱交換器にはAl合金製のものが使用され
ている。通常、このAl合金製熱交換器は、管材として、
Mn：0.5〜1.5％を含有し、さらに必要に応じて
Zr：0.02〜0.2％、Cr：0.02〜0.2％、Mg：0.05〜
0.5％、およびCu：0.05〜0.3％のうちの１種また
は２種以上を含有し、残りがAlと不可避不純物
からなる組成（以上重量％、以下％は重量％を示
す）を有するAl合金の芯材の外側に、Si：３〜
15％を含有し、さらに必要に応じてMg：0.3〜
2.5％およびBi：0.01〜0.3％のうちの１種または
２種を含有し、残りがAlと不可避不純物からな
る組成を有するAl合金のろう材をクラツドして
なる２層構造の複合管材を用い、この複合管材
に、これより電気化学的に卑なAlまたはAl合金
の単層または複層のフイン材を組合せ、これら両
部材を、真空中あるいは非酸化性雰囲気中でろう
付け温度に加熱してろう付けすることにより製造
されている。しかし、このように製造されたAl合金製熱交
換器においては、熱交換媒体として、例えばCu
イオンやClイオンを含有する循環水を使用した場
合、管材に比較的容易に孔食が発生し、これが局
部腐食として管材中に深く進行するようになるこ
とが多く、さらにこれが貫通孔にまで発展する場
合がしばしば生ずるものであつた。なお、上記の従来Al合金製熱交換器の管材に
おける芯材の成分組成に関して、Mn成分は、特
に高温強度を向上させて、例えばろう付け工程に
おける熱変形を抑制するために含有されるもので
あり、またZrおよびCr成分は、さらに一段と高
温強度を向上させると共に、再結晶温度を上昇さ
せて、ろう付け時に形成される再結晶粒を大きく
し、もつて耐粒界腐食性を改善するために含有さ
れるものであり、さらにMgおよびCu成分は、素
地に固溶して、これを強化し、もつて常温強度を
向上させるために含有されるものである。そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、孔食発生のないAl合金製熱交換器用管材を
開発すべく研究を行なつた結果、上記の従来Al
合金製熱交換器用の２層構造を有する複合管材の
内側に、純Al、またはZn：0.05〜0.5％を含有し、
残りがAlと不可避不純物からなる組成を有する
Al合金の皮材をクラツドして３層構造とすると、
前記純AlまたはAl−Zn合金の皮材は、前記複合
管材における少なくともMn：0.5〜1.5％を含有
するAl合金の芯材に比して電気化学的に卑であ
ることから、前記芯材に対して犠牲陽極効果を発
揮し、これをよく防食するので、前記芯材におけ
る孔食発生が阻止されるようになるという知見を
得たのである。この発明は、上記知見にもとづいてなされたも
のであつて、少なくともMn：0.5〜1.5％を含有
するAl合金の芯材の外側に、少なくともSi：３
〜15％を含有するAl合金のろう材をクラツドし
てなる２層構造の複合管材の内側に、純Al、ま
たはZn：0.05〜0.5％を含有し、残りがAlと不可
避不純物からなる組成を有するAl合金の皮材を
クラツドして３層構造としたAl合金製熱交換器
用複合管材に特徴を有するものである。なお、この発明の複合管材における皮材におい
て、Znを合金成分として含有させる場合がある
が、これは、皮材を芯材に比してより一段と電気
化学的に卑にすると共に、腐食形態を全面溶解型
にし、もつて芯材に対する犠牲陽極効果を促進せ
しめて一段の防食効果を得るために含有されるも
のであつて、その含有量が0.05％未満では前記の
作用に所望の効果が得られず、一方0.5％を越え
て含有させると、局部腐食が生じ易くなつて腐食
量が増加するようになることから、その含有量を
0.05〜0.5％と定めた。つぎに、この発明の複合管材を実施例による具
体的に説明する。実施例通常の溶解鋳造法により、それぞれ第１表に示
される成分組成をもつた芯材用Al合金１〜５、
ろう材用Al合金ａ、および皮材用Al合金Ａ〜Ｃ
を溶製し、鋳造して鋳塊とした。なお、これらの
鋳塊は、第１表には表示を省略したが、いずれも
不可避不純物として、Mn：0.01％以下、Mg：
0.01％以下、Cu：0.03％以下、Zn：0.02％以下、
Fe：0.4％以下、Si：0.35％以下、Zr：0.01％以
下、およびCr：0.01％以下を含有するものであつ
た。ついで、この結果得られた各種のAl合金鋳塊
に、面削および均質化熱処理を施した後、芯材用
Al合金１〜５は板厚：８mmに、皮材用Al合金Ａ
〜Ｃおよびろう材用Al合金ａは板厚：３mmに熱
間圧延し、さらに皮材用Al合金Ａ〜Ｃおよびろ
う材用Al合金ａの熱延板には冷間加工を施して
板厚：１mmとした。つぎに、この結果得られた板厚：８mmの芯材用

【表】

【表】 Al合金１〜５の熱延板、並びに板厚：１mmの皮
材用Al合金Ａ〜Ｃおよびろう材用Al合金ａの冷
延板を用い、これらの板材をそれぞれ第２表に示
される組合せにしたがつて重ね合わせ、熱間圧延
にてクラツドした後、適宜中間焼鈍を加えながら
冷間圧延（最終加工度：30％）を施すことによつ
て、いずれも板厚：0.3mmを有する本発明複合管
材用板状素材１〜15および皮材の存在しない従来
複合管材用板状素材１〜５をそれぞれ製造した。ついで、これらの板状素材より、平行部長さ：
10mm×全長：50mmの寸法をもつた引張試験片と、
平面寸法：50mm×80mmの腐食試験片を切出し、こ
れらの試験片を、10^-4torrの真空中、あるいは
10^-1torrの窒素雰囲気中、温度：600℃に３分間
保持後空冷の熱処理、すなわち通常のフラツクス
なしろう付け処理に相当する条件での熱処理を施
した状態で、それぞれの試験に供した。なお、腐
食試験は、試験片におけるろう材表面を塗料で被
覆して絶縁した状態で、1ppmのCu²⁺イオンを含
有する温度：40℃の水道水中に30日間浸漬の水道
水浸漬試験。並びにそれぞれ100ppmのCl^-イオ
ン、SO₄ ^2-イオン、およびHCO₃イオンと、1ppm
のCu²⁺イオンを含有する温度：40℃の水溶液中
に30日間浸漬の溶液浸漬試験について行ない、試
験後、試験片の皮材表面または芯材表面における
40cm²当りの孔食数と最大孔食深さを測定した。こ
の測定結果を第２表に示した。第２表に示される結果から、本発明複合管材用
板状素材１〜15は、いずれも従来複合管材用板状
素材１〜５に比して一段とすぐれた耐孔食性を示
すことが明らかである。上述のように、この発明の複合管材は、特に
CuイオンやClイオンを含有する水溶液に対して、
きわめてすぐれた耐孔食性を示すので、熱交換器
の管材として用いた場合、著しく長い使用寿命を
示すのである。

Claims

【特許請求の範囲】１少なくともMn：0.5〜1.5重量％を含有する
Al合金の芯材の外側に、少なくともSi：３〜15
重量％を含有するAl合金のろう材をクラツドし
てなる２層構造の複合管材の内側に、純Alの皮
材をクラツドして３層構造としたことを特徴とす
る耐孔食性のすぐれたAl合金製熱交換器用複合
管材。２少なくともMn：0.5〜1.5重量％を含有する
Al合金の芯材の外側に、少なくともSi：３〜15
重量％を含有するAl合金のろう材をクラツドし
てなる２層構造の複合管材の内側に、Zn：0.05〜
0.5重量％を含有し、残りがAlと不可避不純物か
らなる組成を有するAl合金の皮材をクラツドし
て３層構造としたことを特徴とする耐孔食性のす
ぐれたAl合金製熱交換器用複合管材。