JPH07207394A - ろう付け性に優れたAl合金フィン材 - Google Patents

ろう付け性に優れたAl合金フィン材

Info

Publication number
JPH07207394A
JPH07207394A JP1789094A JP1789094A JPH07207394A JP H07207394 A JPH07207394 A JP H07207394A JP 1789094 A JP1789094 A JP 1789094A JP 1789094 A JP1789094 A JP 1789094A JP H07207394 A JPH07207394 A JP H07207394A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brazing
alloy
fin material
fin
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1789094A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Itagaki
武志 板垣
Ken Toma
建 当摩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Aluminum Co Ltd filed Critical Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Priority to JP1789094A priority Critical patent/JPH07207394A/ja
Publication of JPH07207394A publication Critical patent/JPH07207394A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B15/00Layered products comprising a layer of metal
    • B32B15/01Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic
    • B32B15/016Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic all layers being formed of aluminium or aluminium alloys

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 芯材に皮材を複合したAl合金フィン材をろう
付けするに際して、ろう材中のSiがフィン材中へ拡散し
てフィン材が侵食されることのない、ろう付け性に優れ
たAl合金フィン材を提供する。 【構成】 第1発明は、重量% で、Mn:0.5 〜2%、Si:
0.7 〜1.5%、Fe:0.3 〜1.5%、Zr:0.01〜0.25% 、Cr:
0.01〜0.25% 、Ti:0.02〜0.25% 、および、V :0.01〜
0.25% を含有し、更に、Zn:0.3 〜3%、Sn:0.02〜0.2
%、および、In:0.005 〜0.05% の内、少なくとも1 種
を含有し、残りが、Alおよび不可避不純物からなる化学
成分組成を有するAl合金を芯材とし、その両表面に、前
記芯材のSiを含有しない化学成分組成のAl合金を皮材と
して複合したことからなる。第2発明は、第1発明にお
いて、芯材に更にCu:0.001 〜1%、および、Mg:0.05〜
1.5%、の内少なくとも1 種を含有することからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ろう付け工法によっ
て製造される自動車用熱交換器等に用いられるフィン材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Al合金は軽くて熱伝導性に優れ、且つ、
耐食性が良好であることから、自動車のラジエ−タ等の
熱交換器の製造に広く用いられている。アルミニウム合
金熱交換器は、例えば、Al−Mn系合金等からなる作動流
体通路材料(以下、管材という)に、これよりも電気化
学的に卑なアルミニウム合金のフィン材が、ろう付けに
より組み立てられている。そして、電気化学的に卑なフ
ィン材の犠牲陽極効果によって作動流体通路材料が防食
されている。
【0003】ろう付けは、管材とフィン材との組合せ体
をろう付け温度に、真空中で加熱するか、または、不活
性雰囲気中もしくは大気中でフラックスを用いて加熱す
ることによって行う。管材およびフィン材の少なくとも
一方には、Al−Si系またはAl−Si−Mg系等のろう材をク
ラッドしたブレ−ジングシ−トが用いられており、フィ
ン材は、ろう付け時の高温加熱によって強度が著しく低
下して変形したり、Al−Si合金であるろう材(Si含有
量:6.8 〜13% 程度) 中のSiがフィン材中に拡散して座
屈したりする。このようなフィン材の著しい変形および
座屈は、ろう付け加熱時のフィン材の局部溶融によって
発生する。
【0004】アルミニウム合金熱交換器用のフィン材
は、ろう付け後の熱交換器使用時の風圧等に対して変形
しない十分な強度を必要とする。さらに、フィン素材製
造時の熱間加工性が優れていることが重要である。
【0005】最近の軽量化要求のために、構成材料が薄
肉化した場合、特に、ろう付け時に溶融したろう材によ
ってフィン材が侵食され、健全なろう付けができなくな
る。このようなろう付け性の問題を解決するために、Al
−Mn−Zn系合金、および、これに強度向上のためSiを添
加した合金が用いられている。
【0006】例えば、特開平2-305946号公報には、適正
なSiおよびFeの含有量を知見し、耐高温座屈性の優れた
Al- Mn- Zn系合金に、SiおよびFe並びにその他の元素を
添加したAl合金フィン材の製造方法( 以下、先行技術1
という) が提案されている。
【0007】更に、特開平3-13548 号公報には、Siおよ
びFe並びにその他の元素を添加したAl−Mn−Zn系合金鋳
塊に適正な均質化処理を施したものを芯材とし、Al- Si
- Mg系合金を皮材として複合した素材において、最終冷
間圧延前の焼鈍を低温度で行うことによって、耐高温座
屈性の優れたAl合金フィン材を製造する方法( 以下、先
行技術2 という) が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1 では、ろう付け後の強度を向上させるために含有さ
せたSiがその効果を発揮するが、他方、フィン材をろう
付け温度に加熱した時、ろう付け条件によっては、フィ
ン材中に固溶しているSiや、ろう材から拡散流入するSi
の作用で材料の固相線温度が低下し、局部溶融を引き起
こすことがある。特に、このような現象はAl合金フィン
材の肉厚が薄い場合に問題となる。
【0009】また、先行技術2 では、Al−Si−Mg系合金
からなる皮材(JIS4004 合金:Al-10% Si-1.5% Mg合金)
中のSiが、芯材へ拡散し、芯材の固相線温度が低下し、
更に、ろう材( 通常、Si含有量:6.8 〜13% 程度のAl-
Si合金) 中のSiがフィン材側へ拡散し、芯材の固相線温
度が一層低下し、芯材は侵食される。特に、フィン材が
薄い場合には、このような、ろう材によるフィン材の侵
食が問題となり、フィン材の肉厚方向に孔があくことが
あり、最近高まりつつあるフィン材の薄肉化に対する要
求に十分応えられない。
【0010】本発明者等の研究によれば、Al合金フィン
材のろう材による侵食は、溶融したろうによってフィン
材の結晶粒界および亜結晶粒界( 以下、両者を総称して
粒界という) に沿って進行する侵食( 以下、粒界侵食と
いう) と、フィン材の表面から全面的に進行する侵食
(以下、表面侵食という) との2 通りに分けられる。そ
して、フィン材の肉厚が厚い場合には、肉厚に対する表
面侵食の深さの割合は小さいので通常問題とならず、粒
界侵食を防止する対策、即ち、結晶粒の粗大化および亜
結晶粒界の形成を抑制する等の対策を講ずることによ
り、フィン材の孔開きを防止することができ、従って、
十分なろう付け性を確保することができるとの知見を得
た。
【0011】しかしながら、フィン材の肉厚が薄い場合
は、表面侵食の深さの肉厚に対する割合が大きくなり、
表面侵食を無視することができなくなり、場合によって
はろうがフィン材の肉厚を貫通するという問題が生じ、
最近のフィン材の薄肉化要求に応えることができなくな
った。
【0012】上述したようなろう付け時におけるAl合金
フィン材の、ろうによる侵食現象について、本発明者等
は鋭意研究を重ねた結果、更に、次の知見を得た。即
ち、フィン材の表層部を構成する皮材中のSi、Mgおよび
Cuの存在は、ろう材中のSiが、フィン材(皮材と芯材の
複合材)側へ拡散するのを促進するとの知見を得た。従
って、皮材にSi、MgまたはCuを含有すると、ろう材中の
Siがフィン材中へ拡散し、フィン材は固相線の低下をき
たし、局部的に溶融する。例えば、Al−Si−Mg系の皮材
の場合、Si10% およびMg1.5%程度を含有するので、ろう
材中のSiはフィン材中へ容易に拡散してフィン材の固相
線温度が低下し、フィン材は局部的に溶融する。更に、
溶融したろうはこのようなフィン材の局部溶融部分を侵
食する。
【0013】フィン材のろうによる侵食機構は上述した
とおりであるため、従来は問題とならなかった表面侵食
が、フィン材の薄肉化要求によって新たに重大な問題と
なった。
【0014】従って、この発明の目的は、芯材に皮材を
複合したAl合金フィン材をろう付けするに際して、ろう
材中のSiがフィン材中へ拡散し、フィン材が侵食され、
その結果薄肉フィン材のろう付けが困難になるのを防止
し、健全なろう付けをすることができる、ろう付け性に
優れたAl合金フィン材を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、ろうによるフ
ィン材の侵食機構に関する上述した知見に基づいてなさ
れたものであり、Si、並びに、Si、CuおよびMgを含有す
る芯材の各々に、Si、CuおよびMgのいずれをも含有しな
い皮材を複合したフィン材を完成し、これら元素を含有
する芯材と溶融したろうとの直接接触を回避することに
よって、ろう材中のSiがフィン材中へ拡散してフィン材
が浸食されるのを防止したものである。このようにし
て、ろう付け後の強度を芯材によって確保すると共に、
耐ろう侵食性の優れた皮材を複合することによって、ろ
う付け性を向上させたフィン材を完成したものであり、
以下に詳述する。
【0016】即ち、第1発明のAl合金フィン材は、重量
% で、Mn:0.5 〜2%、Si:0.7 〜1.5%、Fe:0.3 〜1.5
%、Zr:0.01〜0.25% 、Cr:0.01〜0.25% 、Ti:0.02〜
0.25%、および、V :0.01〜0.25% を含有し、更に、Z
n:0.3 〜3%、Sn:0.02〜0.2%、および、In:0.005 〜
0.05% の内、少なくとも1 種を含有し、残りが、Alおよ
び不可避不純物からなる化学成分組成を有するAl合金を
芯材とし、その両表面に、Mn:0.5 〜2%、Fe:0.3 〜1.
5%、Zr:0.01〜0.25% 、Cr:0.01〜0.25% 、Ti:0.02〜
0.25% 、および、V :0.01〜0.25% を含有し、更に、Z
n:0.3 〜3%、Sn:0.02〜0.2%、および、In:0.005 〜
0.05% の内、少なくとも1 種を含有し、残りが、Alおよ
び不可避不純物からなる化学成分組成を有するAl合金を
皮材として複合したことに特徴を有するものである。
【0017】第2発明のAl合金フィン材は、重量% で、
Mn:0.5 〜2%、Si:0.7 〜1.5%、Fe:0.3 〜1.5%、Zr:
0.01〜0.25% 、Cr:0.01〜0.25% 、Ti:0.02〜0.25% 、
および、V :0.01〜0.25% 、を含有し、更に、Cu:0.00
1 〜1%、および、Mg:0.05〜1.5%、の内、少なくとも1
種、および、Zn:0.3 〜3%、Sn:0.02〜0.2%、および、
In:0.005 〜0.05% 、の内、少なくとも1 種を含有し、
残りが、Alおよび不可避不純物からなる化学成分組成を
有するAl合金を芯材とし、その両表面に、Mn:0.5 〜2
%、Fe:0.3 〜1.5%、Zr:0.01〜0.25% 、Cr:0.01〜0.2
5% 、Ti:0.02〜0.25% 、および、V :0.01〜0.25% 、
を含有し、更に、Zn:0.3 〜3%、Sn:0.02〜0.2%、およ
び、In:0.005 〜0.05% の内、少なくとも1 種を含有
し、残りが、Alおよび不可避不純物からなる化学成分組
成を有するAl合金を皮材として複合したことに特徴を有
するものである。
【0018】
【作用】この発明のAl合金フィン材の化学成分組成を上
述した範囲内に限定した理由について述べる。 [I] 先ず、フィンの芯材の化学成分組成については下記
の通りである。
【0019】(1) Mn:Mnは、Al−Mn系化合物を形成し
て、ろう付け時の高温強度およびろう付け後の強度を向
上させる効果を有する。しかしながら、その含有量が0.
5%未満ではその効果が不十分であり、一方、2%超ではAl
合金板素材の製造工程中熱間加工工程で、熱間加工性が
低下する。従って、Mnの含有量は、0.5 〜2%の範囲内に
限定すべきである。
【0020】(2) Si:Siは、Al合金中に固溶し、あるい
は、Al−Mn−Si系化合物として析出して、ろう付け後の
強度を向上させる効果を有する。しかしながら、その含
有量が0.7%未満ではその効果が不十分であり、一方、1.
5%超では固溶量が過多となり固相線温度がろう付け温度
以下になって局部溶融を引き起こす。従って、Siの含有
量は、0.7 〜1.5%の範囲内に限定すべきである。
【0021】(3) Fe、Zr、Cr、V およびTi:これらの元
素はいずれも、Alと化合物を形成し、ろう付け時の高温
強度、および、ろう付け後の強度を向上させる効果を有
する。しかしながら、Feの含有量は0.3%未満では、Zr、
CrおよびV の含有量は0.01% 未満では、Tiの含有量は0.
02%未満では、いずれも前記効果が不十分であり、一
方、Feは1.5%超では、Zr、Cr、V およびTiの含有量は0.
25% 超では、いずれもAl合金板素材の製造工程中熱間加
工工程で、熱間加工性が低下する。従って、Feの含有量
は0.3 〜1.5%の範囲内、Zr、CrおよびV の含有量はいず
れも0.01〜0.25% の範囲内、そして、Tiの含有量は0.02
〜0.25% の範囲内に限定すべきである。
【0022】(4) Cu:Cuは微量でも含有されると、Zr、C
r、TiおよびV が相互に結合した粗大な晶出物が形成さ
れるのが抑制され、Zr、Cr、TiおよびV とAlとの2元化
合物が微細に晶出して、熱間加工性が損なわれることな
く強度が向上する。また、Cuは固溶することによって、
ろう付け後の強度を向上させる。しかしながら、Cuの含
有量が0.001%未満では、このような効果は不十分であ
る。一方、Cuの含有量が1%超では、電気化学的電位が貴
になり過ぎ、犠牲陽極効果を失うと共に、固相線温度が
ろう付け温度以下になり局部溶融をおこす。従って、Cu
の含有量は、0.001 〜1%の範囲内に限定すべきである。
【0023】(5) Mg:Mgは、Siとの共存下において Mg2S
iとして析出し、ろう付け後の強度を向上させる効果を
有する。しかしながら、その含有量が、0.05% 未満では
ろう付け後の強度向上の効果が不十分であり、一方、1.
5%超では固相線温度がろう付け温度以下になり局部溶融
を起こす。従って、Mgの含有量は、0.05〜1.5%の範囲内
に限定すべきである。
【0024】(6) Zn、SnおよびIn:Zn、SnおよびInは、
いずれもAl合金の電気化学的電位を卑にする作用を有
し、犠牲陽極効果を付与する。しかしながら、Znの含有
量は0.3%未満、Snの含有量は0.02% 未満、Inの含有量は
0.005%未満では、その効果が不十分であり、一方、Znの
含有量は3%超、Snの含有量は0.2%超、Inの含有量は0.05
% 超では、電気化学的電位が卑になり過ぎ、自己腐食速
度が大きくなり過ぎる。従って、Znの含有量は0.3 〜3
%、Snの含有量は0.02〜0.2%、Inの含有量は0.005 〜0.0
5% の範囲内に限定すべきである。
【0025】[II] 次に、フィンの皮材の化学成分組成
の限定理由について述べる。 (1) Mn、Fe、Zr、Cr、V 、Ti、Zn、SnおよびInについて
は、芯材の化学成分組成の限定理由と同じである。
【0026】(2) Si、CuおよびMg:Si、CuおよびMgの内
の1 種でも皮材に含有されている場合に、皮材がろう付
け時の溶融したろうと接触すると、皮材中のSi、Cuおよ
びMgはろう中のSiが皮材および芯材中へ拡散して侵入す
るのを促進して、フィン材の固相線温度が低下し、フィ
ン材の局部溶融が発生する原因となる。更に、溶融した
ろうがフィン材中へ侵入し、これを侵食する原因とな
る。従って、皮材には、Si、CuおよびMgのいずれをも含
有させるべきでない。
【0027】
【実施例】次に、この発明を実施例により、比較例と対
比しながら説明する。表1および2に示した本発明の範
囲内の化学成分組成を有する本発明供試体No. 1〜14
および、表3、4および5に示した本発明の範囲外の化
学成分組成を有する比較用供試体No. 1〜23のAl合金
溶湯を調製し、これより幅200 mm、長さ400 mm、厚さ50
mmの寸法のスラブを鋳造し、次いで、スラブに均質化処
理を施した後、熱間圧延および冷間圧延によって芯材用
合金は厚さ10mm、皮材用合金は厚さ1 mmとした後芯材用
合金の両表面に貼り合わせ、熱間圧延によりクラッドし
た後、更に、中間焼鈍および冷間圧延を繰り返し施し、
厚さ0.1 mmの冷延板とし、Al合金フィン材を製造した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】Al合金板素材の製造工程における熱間加工
性を評価するために、熱延板表面のクラックの有無を目
視で検査した。
【0034】更に、厚さ0.1mm のAl合金フィン材から試
験材を採取し、真空ろう付けに相当する条件である、真
空槽内圧力0.1 Pa、温度605 ℃で5 分間保持後冷却する
処理を施した後、所定の試験片を調整し、引張試験およ
び孔食発生電位の測定に供した。また、ろう付け性試験
として、耐ろう侵食性を評価する目的でフィンにコルゲ
−ト加工を施し、厚さ0.5 mmのブレ−ジングシ−ト(JIS
Z3263のBA7PC)と組み合わせてろう付けし、フィンのろ
う侵食深さを測定した。
【0035】図1はろう付け後試験片のろう付け部縦断
面組織におけるろう侵食深さ(d)の説明図である。同
図において、1はコルゲ−ト加工されたフィン材、2は
ブレ−ジングシ−ト、3はフィレット(ろう溜まり)、
4の破線はろう付け前フィン材の表面であり、ろう侵食
深さはフィレット3とフィン材の境界線5との距離dで
定義した。
【0036】上記各種試験の測定結果を、表6および7
に示した。
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】表1〜7から、下記事項が明らかである。 引張強さについて、比較供試体の中にはNo.2、4 およ
び6 において強度不足のものがあった。これに対して本
発明供試体にはそのような強度不足のものはなく、すべ
て200 N/mm2 以上であり、ろう付け後の強度が優れてい
た。
【0040】ろう侵食深さについて、比較用供試体は
No.3、8 〜23においてろう侵食深さが深く、ろう付け特
性が不足していた。これに対して本発明供試体において
はすべてがろう侵食深さは浅く、ろう付け特性が極めて
優れていた。
【0041】孔食発生電位について、比較用供試体の
No.8、10〜13において-730〜-720mVVSSCE であり、孔食
発生電位が若干高く犠牲陽極効果特性が不足していた。
これに対して本発明供試体においてはすべてが-990〜-9
10mVVSSCE の範囲内にあり、望ましい孔食発生電位が得
られた。
【0042】熱延時のクラックについては、比較用供
試体のNo.1、5 および7 にはクラックが発生したが、本
発明供試体には発生しなかった。
【0043】上述したように、本発明のAl合金フィン材
は、特にろう付け性に関して優れており、しかも、ろう
付け後の強度および犠牲陽極効果についても比較のAl合
金フィン材よりも優れており、また、フィン材の製造過
程におけるAl合金の熱間加工性についても従来材と同等
以上の水準にあることが明らかである。
【0044】なお、本実施例は真空ろう付けを想定した
ものであるが、ノロコックろう付け等のフラックスろう
付けにおいても同様の結果が得られるものである。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のAl合金フィ
ン材によれば、ろう付け加熱時に局部溶融を起こすこと
がなく、ろう付け不良の発生がなくなり、また、ろう付
け後の強度が向上し、Al合金フィン材の薄肉化に対する
要求に十分応えることができる、工業上有用な効果がも
たらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ろう付け試験におけるろう侵食深さ(d)の定
義を説明する図である。
【符号の説明】
1 フィン材、 2 ブレ−ジングシ−ト、 3 フィレット、 4 ろう付け前フィン材の表面、 5 フィレットとフィン材の境界線、 d ろう侵食深さ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量% で、 マンガン( Mn) :0.5 〜2 %、 シリコン( Si) :0.7 〜1.5%、 鉄( Fe) :0.3 〜1.5%、 ジルコニウム(Zr):0.01〜0.25% 、 クロム( Cr) :0.01〜0.25% 、 チタン( Ti) :0.02〜0.25% 、および、 バナジウム(V) :0.01〜0.25% 、を含有し、更に、 亜鉛(Zn) :0.3 〜3%、 錫(Sn) :0.02〜0.2%、および、 インジウム(In) :0.005 〜0.05% 、の内、少なくとも
    1 種を含有し、残りが、Alおよび不可避不純物からなる
    化学成分組成を有するAl合金を芯材とし、その両表面
    に、 マンガン( Mn) :0.5 〜2 %、 鉄( Fe) :0.3 〜1.5%、 ジルコニウム(Zr):0.01〜0.25% 、 クロム( Cr) :0.01〜0.25% 、 チタン( Ti) :0.02〜0.25% 、および、 バナジウム(V) :0.01〜0.25% 、を含有し、更に、 亜鉛(Zn) :0.3 〜3%、 錫(Sn) :0.02〜0.2%、および、 インジウム(In) :0.005 〜0.05% 、の内、少なくとも
    1 種を含有し、残りが、Alおよび不可避不純物からなる
    化学成分組成を有するAl合金を皮材として複合したこと
    を特徴とする、ろう付け性に優れたAl合金フィン材。
  2. 【請求項2】 重量% で、 マンガン( Mn) :0.5 〜2 %、 シリコン( Si) :0.7 〜1.5%、 鉄( Fe) :0.3 〜1.5%、 ジルコニウム(Zr):0.01〜0.25% 、 クロム( Cr) :0.01〜0.25% 、 チタン( Ti) :0.02〜0.25% 、および、 バナジウム(V) :0.01〜0.25% 、を含有し、更に、 銅(Cu) :0.001 〜1%、および、 マグネシウム(Mg):0.05〜1.5%、の内、少なくとも1
    種、および、 亜鉛(Zn) :0.3 〜3%、 錫(Sn) :0.02〜0.2%、および、 インジウム(In) :0.005 〜0.05% 、の内、少なくとも
    1 種を含有し、残りが、Alおよび不可避不純物からなる
    化学成分組成を有するAl合金を芯材とし、その両表面
    に、 マンガン( Mn) :0.5 〜2 %、 鉄( Fe) :0.3 〜1.5%、 ジルコニウム(Zr):0.01〜0.25% 、 クロム( Cr) :0.01〜0.25% 、 チタン( Ti) :0.02〜0.25% 、および、 バナジウム(V) :0.01〜0.25% 、を含有し、更に、 亜鉛(Zn) :0.3 〜3%、 錫(Sn) :0.02〜0.2%、および、 インジウム(In) :0.005 〜0.05% 、の内、少なくとも
    1 種を含有し、残りが、Alおよび不可避不純物からなる
    化学成分組成を有するAl合金を皮材として複合したこと
    を特徴とする、ろう付け性に優れたAl合金フィン材。
JP1789094A 1994-01-17 1994-01-17 ろう付け性に優れたAl合金フィン材 Pending JPH07207394A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1789094A JPH07207394A (ja) 1994-01-17 1994-01-17 ろう付け性に優れたAl合金フィン材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1789094A JPH07207394A (ja) 1994-01-17 1994-01-17 ろう付け性に優れたAl合金フィン材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07207394A true JPH07207394A (ja) 1995-08-08

Family

ID=11956317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1789094A Pending JPH07207394A (ja) 1994-01-17 1994-01-17 ろう付け性に優れたAl合金フィン材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07207394A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020139215A (ja) * 2019-03-01 2020-09-03 株式会社Uacj ろう付用アルミニウム合金クラッドフィン材及びその製造方法
JP2020139216A (ja) * 2019-03-01 2020-09-03 株式会社Uacj 自己耐食性に優れるアルミニウム合金クラッドフィン材及びその製造方法
JP2020139217A (ja) * 2019-03-01 2020-09-03 株式会社Uacj 自己耐食性に優れるアルミニウム合金クラッドフィン材及びその製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020139215A (ja) * 2019-03-01 2020-09-03 株式会社Uacj ろう付用アルミニウム合金クラッドフィン材及びその製造方法
JP2020139216A (ja) * 2019-03-01 2020-09-03 株式会社Uacj 自己耐食性に優れるアルミニウム合金クラッドフィン材及びその製造方法
JP2020139217A (ja) * 2019-03-01 2020-09-03 株式会社Uacj 自己耐食性に優れるアルミニウム合金クラッドフィン材及びその製造方法
WO2020179468A1 (ja) * 2019-03-01 2020-09-10 株式会社Uacj 自己耐食性に優れるアルミニウム合金クラッドフィン材及びその製造方法
WO2020179467A1 (ja) * 2019-03-01 2020-09-10 株式会社Uacj 自己耐食性に優れるアルミニウム合金クラッドフィン材及びその製造方法
WO2020179466A1 (ja) * 2019-03-01 2020-09-10 株式会社Uacj ろう付用アルミニウム合金クラッドフィン材及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5049488B2 (ja) アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法
JPH08134574A (ja) アルミニウム合金ブレージングシート、前記ブレージングシートの製造方法、前記ブレージングシートを用いた熱交換器、および前記熱交換器の製造方法
JP2007152421A (ja) アルミニウム合金ブレージングシート
JP3910506B2 (ja) アルミニウム合金クラッド材およびその製造方法
JP3533434B2 (ja) アルミニウム合金製熱交換器用ブレージングシート
JP2004017116A (ja) ろう付造管チューブ用アルミニウム合金ブレージングシートおよびその製造方法
JPH1088266A (ja) アルミニウム合金製ブレージングシート
JP3360026B2 (ja) 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートのろう付け方法
JP5952995B2 (ja) 熱交換器用アルミニウム合金フィン材
JP3345845B2 (ja) 電縫加工用アルミニウム合金ブレージングシート条
JPH1180870A (ja) 強度および耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材
JPH0741919A (ja) 非腐食性フラックスろう付用熱交換器管用材料の製造法
JPS6248743B2 (ja)
JPH07278710A (ja) Alブレージングシート
JP3345850B2 (ja) 電縫加工用アルミニウム合金ブレージングシート条
JP2023116058A (ja) アルミニウム合金材の製造方法及びアルミニウム合金材
JPH08291353A (ja) 電縫加工性に優れたアルミニウム合金ブレージングシート条
JPH07207394A (ja) ろう付け性に優れたAl合金フィン材
JP2990027B2 (ja) 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法
JPH0797651A (ja) 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートおよびアルミニウム合金製熱交換器の製造方法
JP3863595B2 (ja) アルミニウム合金製ブレージングシート
JP2693181B2 (ja) アルミニウムブレージングシート
JPH07207393A (ja) 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートおよびアルミニウム合金製熱交換器の製造方法
JPH0790442A (ja) 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートおよびアルミニウム合金製熱交換器の製造方法
JP5306836B2 (ja) 強度及び耐食性に優れたアルミニウム合金ブレージングシート