JPH0254735A - アルミニウムブレージングシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えば、ラジェーター、カーヒーター、イ
ンタークーラー等各種熱交換器のへラダープレート材等
に使用されるアルミニウムプレージングシート、特にフ
ッ化物系フラックスを用いるろう付に好適なアルミニウ
ム、プレージングシートに関する。

従来の技術 例えば自動車用のアルミニウムラジェーターは、１対の
タンク部の間に架渡し状態に連通接続された並列状のア
ルミニウム製チューブと、各チューブ間に介在状態に配
置されたアルミニウム製コルゲートフィンとを備えてい
る。またタンク部は各チューブの端部が差し通されたア
ルミニウム製ヘッダープレートと該ヘッダープレートに
液密状態に固着された樹脂製等の膨出状タンク部材とか
ら構成されている。そしてこのようなラジェーターの製
作は、一般には、ヘッダープレートとチューブとフィン
とを所定配置に仮組してろう付したのち、ヘッダープレ
ートにタンク部材を組付けることによって行われる。従
って、かかるろう付を行い易くするため、ヘッダープレ
ートとしては一般にブレージングシートが用いられるが
、このプレージングシートにはタンク部内の冷媒に対す
る耐食性に優れていること、及び耐圧強度に優れている
ことが併せて要求される。

従来、上記のようなヘッダープレート材には、Ａ６９５
１６９５１アルミニウムなる心材の片面に、Ａ７０７２
７０７２アルミニウムなる内側皮材が被覆され、他面に
ろう材層としてＢＡ４３４３アルミニウム合金からなる
外側皮材が被覆されたプレージングシートが用いられて
いた。そして内側皮材を冷媒接触側の面に、外側皮材を
チューブと接続される側の面に配置してろう付が行われ
ていた。

ところが、上記のプレージングシートでは次のような欠
点があった。

発明が解決しようとする課題 即ち、熱交換器等のろう付方法として、昨今、腐食性残
渣を残さないフッ化物系フラックスを用いたろう骨法が
、ろう骨品の耐食性の向上を図れることなどの理由から
好んで採用されるようになっているが、上記のプレージ
ングシートでは心材中のＭｇがろう付過程で皮材に溶出
することがあり、この場合ろう付が前記フッ化物系フラ
ックスろう付であると、溶出したＭｇとフラックス中の
Ｆとが反応してフラックスの組成が変化し、正常なろう
付ができないという問題があった。

このため、フッ化物系フラックスろう付に適したプレー
ジングシートとして、Ａ３００３アルミニウム合金心材
の両面に、前記と同じくＡ７０７２、Ａ４３４Ｂ各アル
ミニウム合金からなる内外皮材を被覆したものも使用さ
れているが、このプレージングシートではろう付後の強
度が低くなり、従ってラジェーター等に組込んだ時に十
分な耐圧強度を得るため肉厚を厚くする必要があり、重
量の増大とか材料消費の増加を招くというような欠点を
派生するものであった。

この発明はかかる技術的背景に鑑みてなされたものであ
って、フッ化物系フラックスろう付に対しても良好なろ
う付が可能であり、ろう付後の強度にも優れ、しかも耐
食性にも優れたアルミニウムプレージングシートの提供
を目的とするものである。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、この発明に係るアルミニウ
ムプレージングシート（１）は、第１図に示すように、
Ｍｎ　：　０．　８０〜１．　５０Ｗｔ９６、Ｍｇ　：
　０．　３０〜０．　５ｗｔｗｔ％、Ｓｉ：０、　３０
〜０．　６０ｖｔ％、Ｃｕ　：　０．　１０〜０゜３０
ｗｔ％を含有し、残部アルミニウム及び不可避不純物か
らなる心材（２）の片面に、Ｚｎ：０、　１０〜２．　
００ｗｔ％、Ｉ　ｎ　：　０．　０１〜０゜１０Ｗｔ％
の１種または２種を含有するとともにＣＬ＋二〇、０５
ｗｔ％以下にその含有量が規制され、残部アルミニウム
及び不可避不純物からなる内側皮材（３）が被覆され、
かつ心材の他面にはＡΩ−Ｓｉ系合金ろう材からなる外
側皮材（４）が被覆されてなることを特徴とする。

プレージングシートの心材、皮材における各元素の添加
意義と限定理由を説明すると、まず心材（２）の組成に
おいて、Ｍｎはプレージングシートの強度向上に寄与す
るものである。しかし０．８０ｗｔ％未満ではその効果
がなく、逆に１．５０ｖｔ％を超えて含有されると粗大
晶出物を発生し加工性が悪化する。

Ｍｇもプレージングシートの強度向上に寄与するもので
ある。しかし０．３０ｗｔ％未満ではその効果がなく、
逆に０．５０ｖｔ％を超えるとＭｇの皮材への溶出を来
しフッ化物系フラックスろう付に際してＭｇとＦとの反
応を生じてろう付不良が発生する。

Ｓｔもまたプレージングシートの強度向上に寄与するも
のである。しかし０．３０ｖｔ％未満ではその効果がな
く、逆に０．６０ｖｔ％を超えても該効果の格別な増大
を望めないばかりか使用量の増加によりコストアップの
要因となる。

Ｃｕは心材の孔食電位を皮材よりも責として陰極防食効
果を生じさせるものである。しかし０．１０ｗｔ％未満
ではその効果がなく、逆にＯ０３０ｖｔ％を超えると心
材の融点が下がり心材としての機能を発揮できなくなる
。

心材（２）の片面に被覆される内側皮材（３）の組成に
おいて、Ｚｎ及びＩｎは該皮材を心材に対して電気的に
卑として心材に対する陰極防食効果を発揮させるもので
ある。かかる効果の点で両元素は均等物であり、いずれ
か１種の含有をもって足りる。勿論両方を含有せしめて
も良い。しかしＺｎ：０．１０ｖｔ％未満、ｌｎ＝０．
０１ｗｔ％未満ではその効果がなく、逆にＺｎ：２．０
０ｖｔを超え、Ｉｎ：０．１０ｗｔ％を超えても該効果
の格別な増大を見込めず、却ってコストアップとなる。

不純物として含有が許容されるＣｕは、その含有量が０
．０５ｗｔ％以下に規制されなければならない。０．０
５ｗｔ％を超えて含有されるとＺｎ、Ｉｎの犠牲陽極効
果を妨げるからである。

心材の他方の面に被覆される外側皮材（４）はろう材層
として機能するものであり、このためにＳｔ含有量概ね
６．８〜１３Ｗｔ％程度のＡΩ−３ｉ系合金が用いられ
る。

この発明に係るアルミニウムプレージングシートは、心
材、皮材の組成を上記のように限定するものであり、該
シートの肉厚、皮材のクラツド率等については何ら限定
されるものではなく適宜設定すれば良い。またプレージ
ングシートの製造も常法に従って行えば良い。例えば溶
解・鋳造、均質化処理の各工程をそれぞれ経た心材と各
皮材とを熱間圧延して圧接したのち、中間焼鈍、冷間圧
延、最終焼鈍を順次的に実施することによって製造すれ
ば良い。また本発明のプレージングシート（１）を、例
えば自動車用ラジェーターのヘッダープレートに使用す
るような場合には、Ｚｎ、Ｉｎを含む内側皮材（３）が
冷媒と接触する側に、またろう材層としてのＡｌ−５ｉ
系合金からなる外側皮材（４）がチューブとろう付され
る側に配置されるような向きで用いることにより、各皮
材の機能が発揮される。

発明の効果 この発明に係るアルミニウムプレージングシートによれ
ば、ろう何時に心材中のＭｇが皮材に溶出してフッカ物
系フラックス中のＦと反応するような不都合がなく、フ
ッカ物系フラックスろう付においても良好なろう付が可
能となる。

さらに心材中の各強化元素により強度的にも優れたもの
となしうるとともに、心材のＣｕや内側皮材のＺｎ、Ｉ
ｎの作用による陰極防食効果により、内外皮材を犠牲的
に腐食させることができるから、耐食性にも優れたもの
となしうる。

従って良好なフッ化物系ブラックスろう付性、優れた耐
圧強度、耐食性が求められるラジェーターのヘッダープ
レート等に好適な材料となしうる。

実施例 次にこの発明の実施例について説明する。

［以下余白］ 上記第１表に示す組成の心材、内側皮材、外側皮材を組
合せて、下記第２表に示す各種アルミニウムプレージン
グシートを製作した。なお、製作は常法に従う溶解・鋳
造、均質化処理を施した心材、皮材を５００℃で熱間圧
延してクラッドしたのち、３７０℃×２時間の中間焼鈍
、冷間圧延、３７０℃×２時間の最終焼鈍を順次的に実
施することにより行った。またプレージングシートは厚
さ：１．０ａＩｌｓ皮材の片面クラツド率１０％とした
。

そして各アルミニウムプレージングシートにつき、ろう
付性、ろう付後の引張強さを調べるとともに、内側皮材
及び外側皮材双方の表面耐食性を調べた。ろう付性、耐
食性の調査は以下の手順に従った。

［ろう付性］ 第２図に示すように、縦横各５０ｍのプレージングシー
ト（１）の内側皮材（３）を下側に、外側皮材（ろう材
層）（４）を上側に向けて配置するとともに、外側皮材
（４）の表面に縦横各５０ｍのＡ３００３アルミニウム
合金薄板（５）を逆Ｔ字状に組付けてろう付を行ったと
きのろう付状態を目視観察した。ここに、ろう付はフッ
化物系フラックスを用いＮ２ガス雰囲気中で６００℃×
５分行った。

［内側皮材の表面耐食性試験］ 心材の両面に内側皮材を１０％両面クラッドした縦横各
５０ｒｒｖｔｔ、厚さ１．０ｍの試験片を新たに用意し
、この試験片を、ＡＳＴＭＩＯ倍水に１０　ｐ　ｐｍＣ
ｕ２＋を添加した溶液（９０℃）中に５００時間浸漬後
、皮材表面の孔食ピット深さを測定した。

［外側皮材の表面耐食性試験］ 心材の両面に外側皮材（ろう材層）を１０％両面クラッ
ドした縦横各５０＃、厚さ１．０ｍｍの試験片を新たに
用意し、この試験片にＣＡＳＳ試験を２４０時間実施し
、皮材表面の孔食ビット深さを測定した。

以上の結果を併せて第２表に示す。

上記第２表の結果において、試料Ｎｏ１ｌ、１３は心材
中のＭｎが多過ぎるため心材の断面において１００μｍ
程度のＡｌ１−Ｆｅ−Ｍｎの金属間化合物が観察され、
これがヘッダープレート等の加工時に割れの起点となる
と考えられるから、実用不可能である。また試料Ｎ０１
２は心材中にＭｎを含まず、試料Ｎｏ１Ｏ１Ｎ　ｏ　１
５は心材中のＳｉ含有量が少な過ぎるためともにろう付
後の引張強さが小さく、また試料Ｎ　ｏ　１４は心材中
のＣｕ含有量が少な過ぎるため耐食性に劣り、また試料
Ｎ　ｏ　１６は心材中のＭｇの含有量が多過ぎるためＭ
ｇが皮材に溶出しフラックス中のＦと反応してろう付不
良を引起こし、いずれも実用不可能である。これに対し
、本発明に係る試料Ｎｏ１〜９はろう付性も良く、ろう
付後の引張強さも大きく、かつ耐食性にも優れたもので
あることを確認しえた。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係るアルミニウムプレージングシー
トの断面図、第２図は実施例においてろう付性を調べる
ために用いた試験片の斜視図である。 （１）・・・アルミニウムプレージングシート、（２）
・・・心材、（３）・・・内側皮材、（４）・・・外側
皮材。 以上

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. Ｍｎ：０．８０〜１．５０ｗｔ％、Ｍｇ：０．３０〜０
   ．５ｗｔｗｔ％、Ｓｉ：０．３０〜０．６０ｖｔ％、Ｃ
   ｕ：０．１０〜０．３０ｗｔ％を含有し、残部アルミニ
   ウム及び不可避不純物からなる心材の片面に、Ｚｎ：０
   ．１０〜２．００ｗｔ％、Ｉｎ：０．０１〜０．１０ｗ
   ｔ％の１種または２種を含有するとともにＣｕ：０．０
   ５Ｗｔ％以下にその含有量が規制され、残部アルミニウ
   ム及び不可避不純物からなる内側皮材が被覆され、かつ
   心材の他面にはＡｌ−Ｓｉ系合金ろう材からなる外側皮
   材が被覆されてなることを特徴とするアルミニウムブレ
   ージングシート。