JPH02129333A - 熱交換器用アルミニウムブレージングシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ この発明は、熱交換器の管体やヘッダプレート等を構成
するための、耐孔食性および高温強度に優れた熱交換器
用アルミニウムブレージングシートに関するものである
。

［従来の技術］ アルミニウムは、軽量で且つ耐食性に優れている。従っ
て、ラジェータやエアコン用のコンデンサ、エバポレー
タ等の自動車用熱交換器に、アルミニウム製の熱交換器
が広く使用されている。

これらの熱交換器は、一般に、組立てられた構成部品を
ろう付けによって接合することにより製造されている。

例えば、ラジェータの製造は、ろう材を貼合わせたプレ
ージングシート製の管体およびヘッダプレートに、薄板
フィン体を組合わせ、得られた組合わせ体を加熱炉内に
おいて加熱し、管体、ヘッダプレートおよび薄板フィン
体をろう付けすることにより行なっている。

ところで、熱交換器の管体やヘッダプレート等に、腐食
によって貫通孔等が発生すると、その熱交換器は、事実
上使用不可能となる。従って、前記管体やヘッダプレー
トには、腐食による貫通孔等が発生しにくいことが第一
に要求されており、更に、熱交換器の軽量化およびコス
ト低下を図ることが要求されている。

従来、前者の点に関しては、管体やヘッダプレート等を
、耐孔食性の優れたアルミニウムーマンガン合金製の芯
材によって構成することが行なわれている。また、後者
の点に関しては、管体やヘッダプレート等を薄肉化する
ことが行われているる。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上述した腐食による貫通孔の発生を防止
するために、管体やヘッダプレート等を。

アルミニウムーマンガン合金製の芯材によって構成して
も、苛酷な腐食環境下においては孔食の発生を防止する
ことができない。

また、管体やヘッダプレート等を薄肉化すると、ろう付
は時の加熱により強度が大幅に低下して。

材料が変形し、更に、ろう付は後の使用時における強度
の低下も大きい。従って、管体やヘッダプレート等の薄
肉化は事実上困難である。

従って、この発明の目的は、苛酷な腐食環境下において
も優れた耐孔食性を有し、薄肉化してもろう付は時や使
用中に強度低下が生ずることのない、耐孔食性および高
温強度に優れた熱交換器用アルミニウムブレージングシ
ートを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ この発明の熱交換器用アルミニウムブレージングシート
は、 銅　　　　　　　＝０．１〜０．６ｗｔ１％、マグネシ
ウム＝０．２〜０．６ｗｔ、％、マンガン　　二０．３
〜１．５ｔｚｔ、％、シリコン　　：　　０．３〜０．
６ｗｔ、１未満、必要に応じ、下記からなる群から選ん
だ少なくとも１つの元素 ジノレコニウム：　０．０３〜０．２０すｔ８％、クロ
ム　　　：　０．０１〜０．１０ｔｚｔ、％。

チタン　　　：　０．０１〜０．１０νｔ０％、および
。

残り　　　　ニアルミニウムおよび不可避不純物 からなるアルミニウム合金製芯材と。

前記アルミニウム合金製芯材の一方の面に貼り合わされ
た、 マグネシウム：０．２〜１．０ｗｔ．％、亜鉛　　　　
：　　Ｏ，１〜１．ｋｔ、％、および、残り　　　　：
　アルミニウムおよび不可避不純物 からなるアルミニウム合金製皮材と、 前記アルミニウム合金製芯材の他方の面に貼り合わされ
たアルミニウム−シリコン系合金製ろう材、または、 前記アルミニウム合金製芯材の両面に貼り合わされた前
記アルミニウム−シリコン系合金製ろう材とからなるこ
としこ特徴を有するものである。

この発明において、アルミニウムブレージングシートの
芯材を構成するアルミニウム合金の化学成分組成を上述
のように限定した理由は、次の通すである。

銅： 銅には、アルミニウム合金の強度を向上させ、且つ、ア
ルミニウム合金を電気化学的に貴にする作用がある。従
って、芯材と、芯材の両側に貼り合わされるろう材また
は皮材との間において、大きな電位差が生じ、これによ
って、ろう材または皮材に高い犠牲陽極効果を発揮させ
ることができる。この結果、苛酷な腐食環境下において
も、管体等に発生する孔食が適確に防止される。

しかしながら、銅の含有量が０　、１　ｗｔ、１未満で
は、上記作用に所望の効果を発揮させることができず、
一方、銅の含有量が０．６ｗｔ、％を超えると、アルミ
ニウム合金の耐食性が低下する。従って、銅の含有量は
、０．１〜０．６ｗｔ、％の範囲内に限定すべきである
。

マンガン： マンガンには、アルミニウム合金の高温強度を向上させ
、ろう付は時におけるアルミニウム合金の変形を防止す
る作用がある。

しかしながら、マンガンの含有量が０　、３　ｗｔ、１
未満では、上述した作用に所望の効果が得られない６一
方、マンガンの含有量が１．５ｗｔ、％を超えても、上
述した作用に、より以上の向上が認められず、かえって
、アルミニウム合金の加工性が低下する。従って、マン
ガンの含有量は、０．３〜１．５Ｗｔ、％の範囲内に限
定すべきである。

シリコン： シリコンには、上述したマンガンと共にＡｆｌ−Ｍｎ−
８ｉの微細な析出物を生成し、これによって。

ろう付は後のアルミニウム合金の強度を向上させる作用
がある。

しかしながら、シリコンの含有量が０　、３　ｗｔ、％
未満では、上述した作用に所望の効果が得られない。一
方、シリコンの含有量が０　、６　ｖｔ、１以上になる
と、アルミニウム合金の高温強度が著しく低下し、ろう
付は時に変形が発生する。従って、シリコンの含有量は
、０．３〜０　、６　ｗｔ、％未満の範囲内に限定すべ
きである。

マグネシウム： マグネシウムには、上述したシリコンと共にＭｇ２Ｓｉ
の微細な析出物を生成し、これによって、シリコンと同
様にろう付は後のアルミニウム合金の強度を向上させる
作用がある。

しかしながら、マグネシウムの含有量が０．２ｗｔ、％
未満では、上述した作用に所望の効果が得られない。一
方、マグネシウムの含有量が０，６ｖｔ、％を超えると
、アルミニウム合金の高温強度が著しく低下し、ろう付
は時に変形が発生する。

従って、マグネシウムの含有量は、０．２〜０．６ｗｔ
、％の範囲内に限定すべきである。

ジノレコニウム・クロム・チタン： ジノレコニウム・クロムおよびチタンには、アルミニウ
ムと、高温でも安定した微細化合物を生成し、ろう付は
後におけるアルミニウム合金の強度を向上させる作用が
あり、これによって、ろう付は後の強度をより向上させ
ることができる。従って、この発明においては、必要に
応じて、ジノレコニウム、クロムおよびチタンの少なく
とも１つを含有させる。

しかしながら、ジノレコニウムの含有量が０．０３ｗｔ
、１未満、クロムおよびチタンの含有量が０．０１ｗｔ
、１未満では、上述した作用に所望の効果が得られない
。一方、ジノレコニウムの含有量が０．２　Ｏｗｔ、％
超、クロムおよびチタンの含有量が０．１０ｗｔ、％超
であると、上述した作用に、より以上の向上が認められ
ないばかりか、アルミニウム合金の溶解鋳造時に巨大晶
が生成し、加工性が劣化する。

従って、ジノレコニウムの含有量は０．０３〜０．２０
　ｗｔ。

２の範囲内、クロムおよびチタンの含有量は０．Ｏ１〜
０．１０ｗｔ、％の範囲内に各々限定すべきである。

この発明のアルミニウムブレージングシートにおいて、
上述の成分組成からなる芯材の両面にろう付けをする必
要のある場合には、前記両面の各々にアルミニウム−シ
リコン系合金からなるろう材を貼り合わせる。

前記芯材の片面のみにろう付けをする必要のある場合に
は、ろう付けをする面にアルミニウム−シリコン系合金
からなるろう材を貼り合わせ、ろう付けをしない面には
、前記芯材よりも大きい電位差を有するアルミニウム合
金製皮材を貼り合わせる。

アルミニウム合金製皮材の化学成分組成を前述のように
限定した理由は１次の通りである。

亜鉛： 亜鉛には、皮材を電気化学的に卑となし、芯材との電位
差を大にする作用がある。しかしながら、亜鉛の含有量
が０　、１　ｗｔ、１未満では、上述した作用に所望の
効果が得られず、一方、亜鉛の含有量が１．Ｏｗｔ、％
を超えると、前記作用に、より以上の向上が認められず
、かえって、皮材の耐食性が劣化する。従って、亜鉛の
含有量は、０．１〜１．０すｔ、％の範囲内に限定すべ
きである。

マグネシウム： マグネシウムには、アルミニウム合金製皮材の電気化学
的性質を変えることなく、その耐孔食性を向上させる作
用がある。しかしながら、マグネシウムの含有量が０．
２ｗｔ、１未満では、上述した作用に所望の効果が得ら
れず、一方、マグネシウムの含有量が１．Ｏｗｔ、％を
超えると、前記作用により以上の向上が認められず、か
えって、加工性が劣化する。従って、マグネシウムの含
有量は、０．２〜１．０すｔ０％の範囲内に限定すべき
である。

［実施例コ 次に、この発明を、実施例によって説明する。

第１表に示すように、この発明の範囲内の化学成分組成
を有する本発明の熱交換器用アルミニウムブレージング
シートの供試体（以下、「本発明供試体」という）Ｎα
１〜７と、そして、同表に併せて示すように、少なくと
もその成分の１つが本発明の範囲外の化学成分組成を有
する、比較のための熱交換器用アルミニウムブレージン
グシートの供試体（以下、「比較用供試体」という）Ｎ
α１〜９とを１次に述べる方法によって調製した。なお
、芯材に張り合わせる皮材およびろう材の化学成分組成
を、第２表に示した。

本発明供試体および比較用供試体の芯材を調製するため
の、第１表に示す化学成分組成を有するスラブを、通常
の溶解鋳造法によって鋳造した。

このように鋳造されたスラブの各々に対し均質化処理を
施し、次いで、その両面を面削りした。このように面削
りしたスラブの各々を熱間圧延して、厚さ８［Ｉｎの熱
間圧延アルミニウム合金薄板を、芯材として調製した。

本発明供試体および比較用供試体の皮材およびろう材を
調製するための、第２表に示す化学成分組成を有するス
ラブを１通常の溶解鋳造法によって鋳造した。このよう
にｖｆ造されたスラブの両表面を面削りした。面削りし
たスラブの各々を熱間圧延し次いで冷間圧延することに
よって、厚さ１■の冷間圧延アルミニウム合金薄板を、
皮材およびろう材として調製した。

前述したようにして調製された芯材としての熱間圧延ア
ルミニウム合金薄板の一方の表面に、皮材としての冷間
圧延アルミニウム合金薄板を、そして、その他方の表面
（裏面）に、ろう材としての冷間圧延アルミニウム合金
薄板を重ね合わせて組立て体を形成し、または、前記芯
材としての熱間圧延アルミニウム合金薄板の両面に、ろ
う材としての冷間圧延アルミニウム合金薄板を重ね合わ
せて組立て体を形成した。

このようにして得られた組立て体を、熱間圧延し次いで
適宜中間焼鈍を施しつつ冷間圧延し、次いで最終焼鈍し
た。かくして、その一方の表面に皮材金属膜がそしてそ
の他方の表面にろう打金ｇ膜が張り合わされた、または
、その両表面にろう材金属膜が張り合わされた、厚さ０
．５ｍの本発明供試体および比較用供試体を調製した。

第２表 上述のようにして調製された本発明供試体および比較用
供試体の各々に対し、真空ろう付は処理またはフラック
スろう付は処理に相当する加熱処理を施した。真空ろう
付は処理に相当する加熱処理は、１０’−’Ｔｏｒｒの
真空炉中において６００℃の温度で１０分間保持するこ
とにより行なった。フラックスろう付は処理に相当する
加熱処理は、大気圧の窒素ガス雰囲気の炉中において、
６００℃の温度で１０分間保持することにより行なった
。

次いで、上述のように加熱処理の施された本発明供試体
および比較用供試体の各々について、加熱時に生ずる変
形の有無、引張り強度、皮材金属側およびろう材金属側
の孔食深さを、以下に述べる方法によって調べ、その結
果を第１表に併せて示した。

（１）変形の有無 加熱処理の施された本発明供試体および比較用供試体の
各々について、目視により変形の有無を調べ、下記によ
り評価した。

○印：変形なし ×印：変形あり （２）引張り強度 加熱処理の施された本発明供試体および比較用供試体の
各々から、所定寸法の引張り試験片を切り出し、この引
張り試験片の引張り強度を測定した。

（３）皮材金属側の孔食深さ 加熱処理の施された、その一方の表面に皮材金属がそし
てその他方の表面にろう材金属が各々張り合わされてい
る本発明供試体および比較用供試体の各々から、所定寸
法の腐食試験片を切り出した。そして、そのろう材金属
が張り合わされている面を、塗装によって被覆した。こ
の腐食試験片を、ＣＱ　”’　１１０００ＰＰ、　ＳＯ
２”−１００ＰＰ＋ａ、　Ｃｕ”　ＩＰＰｍを含む、温
度が４０℃の腐食液中に３０日間浸漬し、皮材金属側の
外表面に発生した孔食最大深さを測定した。

（４）ろう材金属側の孔食深さ 加熱処理の施された本発明供試体および比較用供試体の
各々から、所定寸法の腐食試験片を切り出した。そして
、前記腐食試験片のうち、その−方の表面に皮材金属が
張り合わされている試験片については、皮材金属が張り
合わされている面を。

塗装によって被覆した。

次いで、この腐食試験片に対し、所定量の塩化第２銅が
添加された塩化ナトリウム溶液を噴霧することからなる
、ＪＩＳ　）１８６８１で規定されたＣＡＳＳ試験を３
０日間施し、ろう材金属側の外表面に発生した孔食最大
深さを測定した。

第１表から明らかなように、シリコン含有量が本発明の
範囲を外れて低い比較用供試体Ｎａ　１および翫２は、
引張り強度が低く、且つ、ろう打倒の孔食深さが大で貫
通孔が発生した。シリコン含有量が本発明の範囲を外れ
て高い比較用供試体Ｎａ　３は、高温強度が低く、加熱
時に変形が生じた。銅含有量が本発明の範囲を外れて低
い比較用供試体Ｎα４は、皮材およびろう材の犠牲陽極
効果が低く孔食が発生した。銅含有量が本発明の範囲を
外れて高い比較用供試体Ｎα５は、高温強度が低く、加
熱時に変形が生じた。マンガン含有量が本発明の範囲を
外れて低い比較用供試体Ｎα６は、高温強度が低く、加
熱時に変形が生じた。マンガン含有量が本発明の範囲を
外れて高い比較用供試体Ｎｕ　７は、第１表には示して
いないが、その加工性が劣化した。マグネシウム含有量
が本発明の範囲を外れて低い比較用供試体＆８は、引張
り強度が低かった。

そして、マグネシウム含有量が本発明の範囲を外れて高
い比較用供試体Ｎα９は、高温強度が低く、加熱時に変
形が生じた。

これに対して、本発明供試体走１〜７は、何れも加熱時
に変形が発生せず、引張り強度は高く、犠牲陽極性に優
れて最大孔食深さが小さく、且つ、第１表には示されて
いないが加工性も良好であった。

［発明の効果］ 以上詳述したように、この発明のアルミニウムブレージ
ングシートによれば、苛酷な腐食環境下においても優れ
た耐孔食性を有し、薄肉化してもろう付は時や使用中に
強度低下が生ずることはなく、従って、熱交換器の寿命
を延ばすことができ、そして、管体やヘッダプレートの
薄肉化が可能となって、熱交換器の軽量化およびコスト
低下を図ることができる等、工業上有用な効果がもたら
される。

出願人　　三菱アルミニウム株式会社

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. １．銅　　　：０．１〜０．６ｗｔ．％、 マグネシウム：０．２〜　０．６ｗｔ．％、 マンガン　　：０．３〜１．５ｗｔ．％ シリコン　　：０．３〜０．６ｗｔ．％未満、および、 残り　　　　：アルミニウムおよび不可避不純物 からなるアルミニウム合金製芯材と、 前記アルミニウム合金製芯材の一方の面に貼り合わされ
   た、 マグネシウム：０．２〜１．０ｗｔ．％、 亜鉛　　　　：０．１〜１．０ｗｔ．％、および、 残り　　　　：アルミニウムおよび不可避不純物 からなるアルミニウム合金製皮材と、 前記アルミニウム合金製芯材の他方の面に貼り合わされ
   たアルミニウム−シリコン系合金製ろう材とからなるこ
   とを特徴とする、熱交換器用アルミニウムブレージング
   シート。
2. ２．前記アルミニウム合金製芯材と、前記アルミニウム
   合金製芯材の両面に貼り合わされた前記アルミニウム−
   シリコン系合金製ろう材とからなる、請求項１記載の熱
   交換器用アルミニウムブレージングシート。
3. ３．銅　　　：０．１〜０．６ｗｔ．％、 マグネシウム：０．２〜０．６ｗｔ．％、 マンガン　　：０．３〜１．５ｗｔ．％、 シリコン　　：０．３〜０．６ｗｔ．％未満、 下記からなる群から選んだ少なくとも１つの元素 ジノレコニウム：０．０３〜０．２０ｗｔ．％、 クロム　　　　：０．０１〜０．１０ｗｔ．％、 チタン　　　：０．０１〜０．１０ｗｔ．％および、 残り　　　　：アルミニウムおよび不可避不純物 からなるアルミニウム合金製芯材と、 前記アルミニウム合金製芯材の一方の面に貼り合わされ
   た、 マグネシウム：０．２〜　１．０ｗｔ．％、 亜鉛　　　　：０．１〜１．０ｗｔ．％、および、 残り　　　　：アルミニウムおよび不可避不純物 からなるアルミニウム合金製皮材と、 前記アルミニウム合金製芯材の他方の面に貼り合わされ
   たアルミニウム−シリコン系合金製ろう材とからなるこ
   とを特徴とする、熱交換器用アルミニウムブレージング
   シート。
4. ４．前記アルミニウム合金製芯材と、前記アルミニウム
   合金製芯材の両面に貼り合わされた前記アルミニウム−
   シリコン系合金製ろう材とからなる、請求項３記載の熱
   交換器用アルミニウムブレージングシート。