JPH04232222A - 耐食性に優れたアルミニウム合金クラッド材 - Google Patents
耐食性に優れたアルミニウム合金クラッド材Info
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
ヒーター、インタークーラー等の各種熱交換器のチュー
ブ等に用いられる耐食性に優れたアルミニウム合金クラ
ッド材、特にろう付加熱その他の加熱処理を実施される
部材として好適に用いられる耐食性に優れたアルミニウ
ム合金クラッド材に関する。
として、特に耐食性が要求されるような場合には、加工
性に優れたA3003合金等のAl−Mn系合金や60
00系のAl−Mg−Si系合金からなる心材の少なく
とも片面に、犠牲腐食層としてのAl−Zn系合金から
なる皮材がクラッドされたアルミニウム合金クラッド材
が使用されていた。かかるクラッド材は、皮材を構成す
るAl−Zn系合金の犠牲腐食効果により心材の腐食を
防止しもって耐食性の向上を図るものである。
アルミニウム合金クラッド材では次のような欠点があっ
た。
って構成部材を相互に接合することにより製作されるの
が一般的であるが、上記のクラッド材をろう付するとろ
う付時の加熱によって皮材中のZnが心材中に拡散する
。而して、Znの拡散が心材の厚さに対して深くなると
、心材自体の耐食性が悪化するため所期するほどの耐食
性を得ることができないという欠点があった。このよう
な欠点は単にろう付加熱時のみに生じるものではなく、
ろう付以外の熱処理時にも同様に生じるものであった。
めになされたものであって、ろう付時その他において加
熱処理を実施した場合にも耐食性の劣化を生じることの
ない耐食性に優れたアルミニウム合金クラッド材の提供
を目的とするものである。
に、発明者は種々実験と研究を繰返した結果、心材にT
i、Zrの1種または2種を所定量含有させると、皮材
から心材へのZnの拡散を抑制することができることを
知見し、かかる知見に基いてこの発明を完成しえたもの
である。
wt%を含有し、さらにTi:0.05〜0.3wt%
、Zr:0.05〜0.4wt%の1種または2種を含
有するAl−Mn系合金からなる心材またはMg:0.
05〜1.0wt%、Si:0.05〜0.3wt%を
含有し、さらにTi:0.05〜0.3wt%、Zr:
0.05〜0.4wt%の1種または2種を含有するA
l−Mg−Si系合金からなる心材の少なくとも片面に
、Al−Zn系合金からなる皮材がクラッドされている
ことを特徴とする耐食性に優れたアルミニウム合金クラ
ッド材を要旨とする。
いて、Mn(マンガン)は心材に強度、加工性、及び心
材自体の耐食性を付与することができ、ひいてはクラッ
ド材全体の強度、加工性、耐食性を向上するのに有効な
元素である。しかし、Mnの含有量が0.5wt%未満
では、上記効果がなく、逆に1.5wt%を超えても上
記効果が飽和し、コスト上昇に見合うだけの効果が得ら
れない虞れがあるばかりか、粗大晶出物を生成し、加工
性を劣化させる虞れがある。特に好ましいMnの含有量
は、0.7〜1.2wt%である。
Si系合金において、Mg(マグネシウム)はろう付加
熱等の熱処理後の心材の強度ひいてはクラッド材全体の
強度向上に寄与するものである。しかし、Mgの含有量
が0.05wt%未満では上記効果がなく、逆に1.0
wt%を超えて含有されるとろう付不良等を発生する。 特に好ましいMgの含有範囲は、0.2〜0.5wt%
である。
素)も同じく熱処理後の強度向上に寄与するものである
が、0.05wt%未満では上記効果に乏しく、逆に0
.3wt%を超えて含有されると耐食性の悪化のおそれ
がある。特に好ましいSiの含有範囲は0.1〜0.2
wt%である。
系合金からなる心材に含有されるTi(チタン)、Zr
(ジルコニウム)は加熱時に皮材中のZnが心材へ拡散
するのを抑制して心材自体の耐食性を劣化させるのを防
止する効果がある。同時にまた、Ti、Zrは特にAl
−Mg−Si系合金に含有された場合には、加熱時に心
材中のMgが皮材へ拡散するのを抑制する効果もある。 即ち、Mgを含有する心材では加熱時にMgが心材から
皮材へと拡散し、皮材が局部的に高濃度Mgとなって腐
食し易くなるが、Ti、Zrはこれを防止する効果も有
する。かかるZnとMgの拡散抑制効果の点で両者は均
等物であり、少なくとも一方が含有されれば足りる。し
かし、Ti、Zrのいずれもが0.05wt%未満では
その効果に乏しくZnの拡散を抑制できない。一方、T
iが0.3wt%を超え、あるいはZrが0.4wt%
を超えても該効果の格別な増大を期待できないばかりか
製造の困難性をも招く。特に好ましい含有量は、Ti、
Zrともに0.07〜0.15wt%である。
鉄)、Cu(銅)等の他の元素の含有が許容される。 Feは、結晶粒微細化と強度向上及び高温での粒界腐食
の抑制に寄与するものであるが、0.03wt%未満で
はその効果に乏しく、1.0wt%を超えると効果が飽
和する。従って、Feを含有する場合の含有量は、0.
03〜1.0wt%程度とすべきである。特に好ましく
は、0.1〜0.6wt%とすべきである。Cuは皮材
の陰極防食効果、外面(皮材の反対面)からの腐食の進
行防止に寄与するものであるが、0.05wt%未満で
はその効果がなく、逆に0.2wt%を超えると、皮材
へCuが拡散するため心材と皮材との電位差が小さくな
り、皮材の陰極防食効果を阻害するという欠点を派生す
る。従って、Cuを含有する場合の含有量は、0.05
〜0.2wt%程度とすべきである。特に好ましくは、
0.07〜0.15wt%とすべきである。また、Al
−Mg−Si系合金心材には、Mn:0.5〜1.5w
t%程度好ましくは0.7〜1.2wt%程度の含有も
許容される。このMnの添加意義、添加範囲の限定理由
は前述したAl−Mn系合金心材におけるそれと同じで
ある。
成において、Zn(亜鉛)は皮材を犠牲腐食させる元素
であり、これにより心材ひいてはクラッド材の耐食性を
向上させるのに有効な元素である。しかし、0.8wt
%未満の含有量ではその効果が少なく、逆に5.0wt
%を超えると過腐食を招いて逆に耐食性を悪化させると
か圧延性を阻害する虞れがある。従ってZnの含有量は
0.8〜5.0wt%とすべきである。特に好ましくは
2〜4wt%である。
Fe:0.3wt%以下程度の不可避不純物の含有が許
容される。また、不純物としてのCuの含有量は0.0
5wt%以下に規制されるのが望ましい。Cuの含有量
が0.05wt%を超えると皮材の電位が相対的に貴と
なってZnの犠牲腐食効果を阻害する危険があるからで
ある。特に好ましくは0.01wt%以下に規制するの
が良い。
材の製造法は、特に限定されることはなく、通常のクラ
ッド材の製造方法と同様に行えば良い。即ち、アルミニ
ウム合金鋳塊に均質化処理、面削等を施したのち、熱間
圧延、冷間圧延を順次的に施して心材と皮材とをクラッ
ドすれば良い。
環境側に配置して使用される。例えば、第1図に示すア
ルミニウム製ラジエーターのチューブ(1)として用い
る場合には、Al−Zn系合金からなる皮材(1b)を
水と接する内面材として用いるのが良い。なお、この皮
材(1b)は少なくとも心材(1a)の片面にクラッド
されゝば足り、片面側にはフィン(2)とろう接するた
めのろう材層(1c)をクラッドしても良い。なお、第
1図に示すラジエーターにおいて、各構成部材の組成の
一例を示すと次のとおりである。即ち、チューブ(1)
(肉厚0.18mm)の心材(1a)はAl−1wt%
Mn−0.1wt%Fe−0.1wt%Si−0.1w
t%Cu−0.15wt%Ti合金あるいはAl−1w
t%Mn−0.6wt%Fe−0.2wt%Si−0.
1wt%Cu−0.15wt%Ti合金、内面皮材(1
b)はAl−2.5wt%Zn合金、外面皮材(1c)
はBA4343合金で構成されている。 フィン(2)(肉厚0.07mm)は0.01〜0.1
wt%のInを添加したAl−Mn系合金を用いるのが
望ましく、具体的にはAl−1wt%Mn−0.05w
t%In合金で構成されている。ヘッダー(3)(肉厚
1.6mm)の心材(3a)はA3003合金、内面皮
材(3b)はA7072合金、外面皮材(3c)はBA
4045合金で構成されている。
に示すAl−Mg−Si系合金心材の片面に、それぞれ
同表に示す組成の皮材がクラッドされたクラッド材を製
作した。心材の厚さはいずれも1mmとし、皮材の厚さ
はいずれも20μmとした。なお、製造方法は以下に従
った。即ち、厚さ40mmの心材と皮材のスラブをそれ
ぞれ560℃×10時間均質化処理したのち、32mm
の厚さまで面削した。次いで、500℃×30分加熱し
、心材については厚さ10mmまで皮材について厚さ0
.2mmまでそれぞれ熱間圧延を施した。次に、心材と
皮材とをクラッドしたのち、500℃×30分加熱し、
更に心材が厚さ2mmになるまで熱間圧延したのち、さ
らに心材が厚さ1mmになるまで冷間圧延することによ
り行った。
ガス雰囲気中で605℃×10分の条件で加熱すること
によりろう付け相当の熱処理を行った。
る断面ライン分析を行い、Zn濃度を調べるとともに、
その勾配からZnの拡散深さを測定した。また表2に示
すAl−Mg−Si系心材を用いた試料についてはさら
に皮材表面のMg濃度を分析(QL)した。また、腐食
試験を行い各材料の腐食深さを測定した。腐食試験はA
STM規格D1384−87に準拠したグラスウェアー
テストにより行った。また、腐食液は、OY水(Cl−
:200ppm、SO4 2−:60ppm、Fe3
+:30ppm、Cu2+:1ppm)、液温95±1
℃を用い、テスト時間250時間にて行った。
品は、従来品に較べてZn拡散深さが小さく最大孔食深
さも小さく耐食性に優れていることがわかる。また、A
l−Mg−Si系心材を用いたものについては、皮材へ
のMgの拡散も抑制されていることがわかる。
で、Ti:0.05〜0.3wt%、Zr:0.05〜
0.4wt%の1種または2種を含有するAl−Mn系
合金あるいはAl−Mg−Si系合金からなる心材の少
なくとも片面に、Al−Zn系合金からなる皮材がクラ
ッドされていることを特徴とするものであるから、Ti
、Zrの作用によってろう付時その他の加熱時において
皮材中のZnが心材へ拡散するのを抑制することができ
、心材自体の耐食性の劣化を防止できる。その結果、皮
材の犠牲腐食効果を十分に発揮させることができ、心材
ひいてはクラッド材全体に優れた耐食性を保有させるこ
とができる。
なる場合には、Ti、Zrの作用により心材から皮材へ
のMgの拡散をも防止することができ、益々耐食性に優
れたクラッド材となしうる効果がある。
ジエーターの一部を示す断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 Mn:0.5〜1.5wt%を含有し
、さらにTi:0.05〜0.3wt%、Zr:0.0
5〜0.4wt%の1種または2種を含有するAl−M
n系合金からなる心材の少なくとも片面に、Al−Zn
系合金からなる皮材がクラッドされていることを特徴と
する耐食性に優れたアルミニウム合金クラッド材。 - 【請求項2】 Mg:0.05〜1.0wt%、Si
:0.05〜0.3wt%を含有し、さらにTi:0.
05〜0.3wt%、Zr:0.05〜0.4wt%の
1種または2種を含有するAl−Mg−Si系合金から
なる心材の少なくとも片面に、Al−Zn系合金からな
る皮材がクラッドされていることを特徴とする耐食性に
優れたアルミニウム合金クラッド材。
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