JPH05171324A - アルミニウム合金クラッドフィン材 - Google Patents
アルミニウム合金クラッドフィン材Info
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- JPH05171324A JPH05171324A JP35640391A JP35640391A JPH05171324A JP H05171324 A JPH05171324 A JP H05171324A JP 35640391 A JP35640391 A JP 35640391A JP 35640391 A JP35640391 A JP 35640391A JP H05171324 A JPH05171324 A JP H05171324A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ラジエーター、ヒーター等自動車用熱交換器
に使用されるアルミニウム合金クラッドフィン材の熱伝
導性、強度、ろう付け性、犠牲陽極作用を改善する。 【構成】 Ｆｅ０．５wt％（以下単に％と記す）以下、
Ｓｉ０．５％以下、Ｍｇ０．０５〜１．０％を含み、又
は更にＭｎ０．３％以下、Ｃｒ０．３％以下、Ｚｒ０．
３％以下、Ｔｉ０．３％以下のうち１種又は２種以上、
又は／及びＺｎ０．５〜５wt％、Ｉｎ０．０１〜０．２
％、Ｓｎ０．０１〜０．２％のうち１種又は２種以上を
含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミニウム
合金を芯材とし、その片面又は両面に、Ｓｉ０．５〜７
％、Ｚｒ０．０５〜０．３％を含み、残部Ａｌとと不可
避的不純物からなるアルミニウム合金を皮材としてクラ
ッドする。
に使用されるアルミニウム合金クラッドフィン材の熱伝
導性、強度、ろう付け性、犠牲陽極作用を改善する。 【構成】 Ｆｅ０．５wt％（以下単に％と記す）以下、
Ｓｉ０．５％以下、Ｍｇ０．０５〜１．０％を含み、又
は更にＭｎ０．３％以下、Ｃｒ０．３％以下、Ｚｒ０．
３％以下、Ｔｉ０．３％以下のうち１種又は２種以上、
又は／及びＺｎ０．５〜５wt％、Ｉｎ０．０１〜０．２
％、Ｓｎ０．０１〜０．２％のうち１種又は２種以上を
含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミニウム
合金を芯材とし、その片面又は両面に、Ｓｉ０．５〜７
％、Ｚｒ０．０５〜０．３％を含み、残部Ａｌとと不可
避的不純物からなるアルミニウム合金を皮材としてクラ
ッドする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ラジエーター、ヒータ
ー等自動車用熱交換器に使用されるアルミニウム合金ク
ラッドフィン材に関するもので、ろう付け時のサグが少
なく、ろう付け後の強度、導電率を改善したものであ
る。
ー等自動車用熱交換器に使用されるアルミニウム合金ク
ラッドフィン材に関するもので、ろう付け時のサグが少
なく、ろう付け後の強度、導電率を改善したものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】アルミニウム合金製ラジエーターは、図
２に示すように、複数のチューブ(2)間にコルゲート加
工したフィン(1) を設け、チューブ(2) 両端にヘッダー
プレート(3) を設けてタンク(4) を取付けたもので、チ
ューブ(2) 、フィン(1) 、ヘッダープレート(3) にはア
ルミニウム合金を用い、タンク(1) には樹脂が用いられ
る。アルミニウム合金からなるチューブ(2) 、フィン
(1) 、ヘッダープレート(3) はフッ化物系フラックスを
使用するろう付け法により接合され、その後タンク(4)
が機械的な接合法（かしめ加工）により取付けられてラ
ジエーターが製造される。このようなラジエーターのフ
ィン材にはＪＩＳ３００３合金（Ａｌ−０．１５wt％Ｃ
ｕ−１．１wt％Ｍｎ）にＺｎを１〜２wt％（以下wt％を
％と略記）添加した合金、又は純ＡｌにＺｎやＺｒを添
加した合金が用いられ、その板厚は０．０８〜０．１１
mmである。ラジエーター用フィン材に求められる特性
は、６００℃のろう付け加熱時に、サグ（つぶれ）がお
きない程度の強度を有し、ろう付け後に所定の強度を有
し、コアの構造強度を維持すること、更に犠牲陽極作用
を有し、チューブを腐食から守ると共に、優れた熱伝導
性を有し、放熱性に優れていることである。またフッ化
物を使用するろう付けにおいて、ろう付け性が良いこと
も必要条件である。
２に示すように、複数のチューブ(2)間にコルゲート加
工したフィン(1) を設け、チューブ(2) 両端にヘッダー
プレート(3) を設けてタンク(4) を取付けたもので、チ
ューブ(2) 、フィン(1) 、ヘッダープレート(3) にはア
ルミニウム合金を用い、タンク(1) には樹脂が用いられ
る。アルミニウム合金からなるチューブ(2) 、フィン
(1) 、ヘッダープレート(3) はフッ化物系フラックスを
使用するろう付け法により接合され、その後タンク(4)
が機械的な接合法（かしめ加工）により取付けられてラ
ジエーターが製造される。このようなラジエーターのフ
ィン材にはＪＩＳ３００３合金（Ａｌ−０．１５wt％Ｃ
ｕ−１．１wt％Ｍｎ）にＺｎを１〜２wt％（以下wt％を
％と略記）添加した合金、又は純ＡｌにＺｎやＺｒを添
加した合金が用いられ、その板厚は０．０８〜０．１１
mmである。ラジエーター用フィン材に求められる特性
は、６００℃のろう付け加熱時に、サグ（つぶれ）がお
きない程度の強度を有し、ろう付け後に所定の強度を有
し、コアの構造強度を維持すること、更に犠牲陽極作用
を有し、チューブを腐食から守ると共に、優れた熱伝導
性を有し、放熱性に優れていることである。またフッ化
物を使用するろう付けにおいて、ろう付け性が良いこと
も必要条件である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】近年、ラジエーターの
軽量化が要望され、そのアルミ化が日本においても急速
に進んでいるが、さらなる軽量化のためにフィンの板厚
を減少すると放熱性の低下が問題となり、ＪＩＳ３００
３合金製フィンから熱伝導性に優れた純Ａｌ製フィンへ
の移行が検討されている。しかし単純に純Ａｌ製フィン
に変更しただけでは、強度上問題が生じ採用には至って
いない。熱伝導性に優れたＪＩＳ６×××系合金の使用
も考えられるが、添加成分のＭｇがフラックスの中のＦ
と反応し、フラックスの活性を低下させ、ろう付け性の
低下をひきおこす場合がある。
軽量化が要望され、そのアルミ化が日本においても急速
に進んでいるが、さらなる軽量化のためにフィンの板厚
を減少すると放熱性の低下が問題となり、ＪＩＳ３００
３合金製フィンから熱伝導性に優れた純Ａｌ製フィンへ
の移行が検討されている。しかし単純に純Ａｌ製フィン
に変更しただけでは、強度上問題が生じ採用には至って
いない。熱伝導性に優れたＪＩＳ６×××系合金の使用
も考えられるが、添加成分のＭｇがフラックスの中のＦ
と反応し、フラックスの活性を低下させ、ろう付け性の
低下をひきおこす場合がある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み種々
検討の結果、熱伝導性、強度、ろう付け性、犠牲陽極作
用等すべての面で優れたアルミニウム合金クラッドフィ
ン材を開発したものである。
検討の結果、熱伝導性、強度、ろう付け性、犠牲陽極作
用等すべての面で優れたアルミニウム合金クラッドフィ
ン材を開発したものである。
【０００５】即ち本発明フィン材の一つは、Ｆｅ０．５
％以下、Ｓｉ０．５％以下、Ｍｇ０．０５〜１．０％を
含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミニウム
合金板を芯材とし、その片面又は両面に、Ｓｉ０．５〜
７％、Ｚｒ０．０５〜０．３％を含み、残部Ａｌと不可
避的不純物からなるアルミニウム合金板を皮材としてク
ラッドしたことを特徴とするものである。
％以下、Ｓｉ０．５％以下、Ｍｇ０．０５〜１．０％を
含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミニウム
合金板を芯材とし、その片面又は両面に、Ｓｉ０．５〜
７％、Ｚｒ０．０５〜０．３％を含み、残部Ａｌと不可
避的不純物からなるアルミニウム合金板を皮材としてク
ラッドしたことを特徴とするものである。
【０００６】また本発明フィン材の他の一つは、Ｆｅ
０．５％以下、Ｓｉ０．５％以下、Ｍｇ０．０５〜１．
０％を含み、更にＭｎ０．３％以下、Ｃｒ０．３％以
下、Ｚｒ０．３％以下、Ｔｉ０．３％以下のうち１種又
は２種以上を含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなる
アルミニウム合金板を芯材とし、その片面又は両面に、
Ｓｉ０．５〜７％、Ｚｒ０．０５〜０．３％を含み、残
部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミニウム合金板を
皮材としてクラッドしたことを特徴とするものである。
０．５％以下、Ｓｉ０．５％以下、Ｍｇ０．０５〜１．
０％を含み、更にＭｎ０．３％以下、Ｃｒ０．３％以
下、Ｚｒ０．３％以下、Ｔｉ０．３％以下のうち１種又
は２種以上を含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなる
アルミニウム合金板を芯材とし、その片面又は両面に、
Ｓｉ０．５〜７％、Ｚｒ０．０５〜０．３％を含み、残
部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミニウム合金板を
皮材としてクラッドしたことを特徴とするものである。
【０００７】また本発明フィン材の他の一つは、Ｆｅ
０．５％以下、Ｓｉ０．５％以下、Ｍｇ０．０５〜１．
０％を含み、更にＺｎ０．５〜３％、Ｉｎ０．０１〜
０．２％、Ｓｎ０．０１〜０．２％のうち１種又は２種
以上を含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミ
ニウム合金板を芯材とし、その片面又は両面に、Ｓｉ
０．５〜７％、Ｚｒ０．０５〜０．３％を含み、残部Ａ
ｌと不可避的不純物からなるアルミニウム合金板を皮材
としてクラッドしたことを特徴とするものである。
０．５％以下、Ｓｉ０．５％以下、Ｍｇ０．０５〜１．
０％を含み、更にＺｎ０．５〜３％、Ｉｎ０．０１〜
０．２％、Ｓｎ０．０１〜０．２％のうち１種又は２種
以上を含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミ
ニウム合金板を芯材とし、その片面又は両面に、Ｓｉ
０．５〜７％、Ｚｒ０．０５〜０．３％を含み、残部Ａ
ｌと不可避的不純物からなるアルミニウム合金板を皮材
としてクラッドしたことを特徴とするものである。
【０００８】更に本発明フィン材に他の一つは、Ｆｅ
０．５％以下、Ｓｉ０．５％以下、Ｍｇ０．０５〜１．
０％を含み、更にＭｎ０．３％以下、Ｃｒ０．３％以
下、Ｚｒ０．３％以下、Ｔｉ０．３％以下のうち１種又
は２種以上と、Ｚｎ０．５〜３％、Ｉｎ０．０１〜０．
２％、Ｓｎ０．０１〜０．２％のうち１種又は２種以上
を含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミニウ
ム合金板を芯材とし、その片面又は両面に、Ｓｉ０．５
〜７％、Ｚｒ０．０５〜０．３％を含み、残部Ａｌと不
可避的不純物からなるアルミニウム合金板を皮材として
クラッドしたことを特徴とするものである。
０．５％以下、Ｓｉ０．５％以下、Ｍｇ０．０５〜１．
０％を含み、更にＭｎ０．３％以下、Ｃｒ０．３％以
下、Ｚｒ０．３％以下、Ｔｉ０．３％以下のうち１種又
は２種以上と、Ｚｎ０．５〜３％、Ｉｎ０．０１〜０．
２％、Ｓｎ０．０１〜０．２％のうち１種又は２種以上
を含み、残部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミニウ
ム合金板を芯材とし、その片面又は両面に、Ｓｉ０．５
〜７％、Ｚｒ０．０５〜０．３％を含み、残部Ａｌと不
可避的不純物からなるアルミニウム合金板を皮材として
クラッドしたことを特徴とするものである。
【０００９】
【作用】本発明は、上記の如くＡｌ−Ｍｇ系合金を芯材
とし、その片面又は両面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金を皮材と
してクラッドしたもので、皮材中のＳｉをろう付け加熱
により芯材に拡散させ、芯材の固溶硬化及びＭｇ2 Ｓｉ
形成による強度向上を図るものである。芯材にＡｌ−Ｓ
ｉ系合金を使用すると、ろう付け加熱時にはサグがお
き、ろう付けに支障をきたすが、芯材にＡｌ−Ｍｇ系合
金を、皮材にＡｌ−Ｓｉ系合金を配置することで、サグ
を防止しつつ、フィンの強度向上を図ることができる。
またＡｌ−Ｍｇ系合金が直接フラックスに接しないた
め、ろう付け加熱時のフラックス中のＦとＭｇの反応に
よるフラックス活性の低下の問題も抑制され、ろう付け
性劣化の問題もない。更に真空ろう付けに用いても、芯
材からのＭｇ蒸発を抑制でき、フィンの強度向上が果せ
る。
とし、その片面又は両面に、Ａｌ−Ｓｉ系合金を皮材と
してクラッドしたもので、皮材中のＳｉをろう付け加熱
により芯材に拡散させ、芯材の固溶硬化及びＭｇ2 Ｓｉ
形成による強度向上を図るものである。芯材にＡｌ−Ｓ
ｉ系合金を使用すると、ろう付け加熱時にはサグがお
き、ろう付けに支障をきたすが、芯材にＡｌ−Ｍｇ系合
金を、皮材にＡｌ−Ｓｉ系合金を配置することで、サグ
を防止しつつ、フィンの強度向上を図ることができる。
またＡｌ−Ｍｇ系合金が直接フラックスに接しないた
め、ろう付け加熱時のフラックス中のＦとＭｇの反応に
よるフラックス活性の低下の問題も抑制され、ろう付け
性劣化の問題もない。更に真空ろう付けに用いても、芯
材からのＭｇ蒸発を抑制でき、フィンの強度向上が果せ
る。
【００１０】本発明における芯材成分を前記の如く限定
したものは次の理由によるものである。
したものは次の理由によるものである。
【００１１】Ｆｅ含有量を０．５％以下と限定したの
は、Ｆｅは不可避的にＡｌ地金に含まれ、その含有量が
０．５％を越えると、ろう付け時のサグが顕著となるた
めである。
は、Ｆｅは不可避的にＡｌ地金に含まれ、その含有量が
０．５％を越えると、ろう付け時のサグが顕著となるた
めである。
【００１２】Ｓｉ含有量を０．５％以下と限定したの
は、Ｆｅと同様不可避的にＡｌ地金に含まれ、その含有
量が０．５％を越えると、サグが顕著となるばかりか、
熱伝導性が低下するためである。
は、Ｆｅと同様不可避的にＡｌ地金に含まれ、その含有
量が０．５％を越えると、サグが顕著となるばかりか、
熱伝導性が低下するためである。
【００１３】Ｍｇ含有量を０．０５〜１．０％と限定し
たのは、芯材中のＳｉ及びろう付け加熱時に皮材から拡
散するＳｉとＭｇ2 Ｓｉを形成し、フィン材の強度を向
上するも、０．０５％未満では効果がなく、１．０％を
越えると効果が飽和するばかりか、フラックスろう付け
性を低下させるためである。
たのは、芯材中のＳｉ及びろう付け加熱時に皮材から拡
散するＳｉとＭｇ2 Ｓｉを形成し、フィン材の強度を向
上するも、０．０５％未満では効果がなく、１．０％を
越えると効果が飽和するばかりか、フラックスろう付け
性を低下させるためである。
【００１４】Ｍｎ０．３％以下、Ｃｒ０．３％以下、Ｚ
ｒ０．３％以下、Ｔｉ０．３％以下のうち１種又は２種
以上を添加するのは、耐サグ性及び強度を向上するため
に添加するもので、何れもこれ以上添加すると熱伝導性
が低下するため上限を設けたもので、望ましくは何れも
０．１％前後の添加とし、複合添加する場合は合計０．
３％程度にするのがよい。
ｒ０．３％以下、Ｔｉ０．３％以下のうち１種又は２種
以上を添加するのは、耐サグ性及び強度を向上するため
に添加するもので、何れもこれ以上添加すると熱伝導性
が低下するため上限を設けたもので、望ましくは何れも
０．１％前後の添加とし、複合添加する場合は合計０．
３％程度にするのがよい。
【００１５】Ｚｎ０．５〜３％、Ｉｎ０．０１〜０．２
％、Ｓｎ０．０１〜０．２％のうち１種又は２種以上添
加するのは、フィンに犠牲陽極作用を与えるためで、チ
ューブ材にＪＩＳ３００３合金にかわる貴なＡｌ合金、
例えばＡｌ−１．１％Ｍｎ−０．５％Ｃｕ合金を使用す
る場合には添加の必要はない。しかして添加量を上記の
如く限定したのは、下限未満では効果がなく、上限を越
えると効果が飽和するばかりか、成形性を低下するため
である。
％、Ｓｎ０．０１〜０．２％のうち１種又は２種以上添
加するのは、フィンに犠牲陽極作用を与えるためで、チ
ューブ材にＪＩＳ３００３合金にかわる貴なＡｌ合金、
例えばＡｌ−１．１％Ｍｎ−０．５％Ｃｕ合金を使用す
る場合には添加の必要はない。しかして添加量を上記の
如く限定したのは、下限未満では効果がなく、上限を越
えると効果が飽和するばかりか、成形性を低下するため
である。
【００１６】次に本発明における皮材成分を前記の如く
限定したのは、次の理由によるものである。
限定したのは、次の理由によるものである。
【００１７】Ｓｉ含有量を０．５〜７％と限定したの
は、ろう付け加熱により芯材に拡散させて、芯材中のＭ
ｇとＭｇ2 Ｓｉを形成し、ろう付け後の強度を向上させ
るも下限未満では効果がなく、上限を越えるとろう付け
加熱時に皮材が溶融し、フィンのサグが顕著となるため
である。
は、ろう付け加熱により芯材に拡散させて、芯材中のＭ
ｇとＭｇ2 Ｓｉを形成し、ろう付け後の強度を向上させ
るも下限未満では効果がなく、上限を越えるとろう付け
加熱時に皮材が溶融し、フィンのサグが顕著となるため
である。
【００１８】Ｚｒ含有量を０．０５〜０．３％と限定し
たのは、Ｚｒの添加は皮材自体の耐サグ性を向上する
も、下限未満では効果がなく、上限を越えると塑性加工
性を低下するためである。
たのは、Ｚｒの添加は皮材自体の耐サグ性を向上する
も、下限未満では効果がなく、上限を越えると塑性加工
性を低下するためである。
【００１９】尚、一般にろう材を芯材の両面にクラッド
したブレージングフィン材は、ろう材のＳｉ含有量は７
〜１３％であり、ろう付けのためろう材を溶融させる
が、本発明ではチューブ側のろう材が溶融するため、フ
ィン材を溶融させる必要はない。
したブレージングフィン材は、ろう材のＳｉ含有量は７
〜１３％であり、ろう付けのためろう材を溶融させる
が、本発明ではチューブ側のろう材が溶融するため、フ
ィン材を溶融させる必要はない。
【００２０】またろう付け性の点で皮材中のＭｇは極力
少なくした方がよく、犠牲陽極作用の点で皮材中のＣｕ
も極力少なくした方がよい。また皮材の不可避的不純物
としてはＦｅ、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｔｉ等があるが、Ｆｅは
０．５％以下、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｔｉは０．３％以下ならば
本発明の目的を害しない。
少なくした方がよく、犠牲陽極作用の点で皮材中のＣｕ
も極力少なくした方がよい。また皮材の不可避的不純物
としてはＦｅ、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｔｉ等があるが、Ｆｅは
０．５％以下、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｔｉは０．３％以下ならば
本発明の目的を害しない。
【００２１】本発明において、皮材は芯材の片面のみの
クラッドでも、両面クラッドでもよいが、フィン板厚が
０．１mm以下の場合は、ろう付け加熱で十分皮材中のＳ
ｉが芯材に拡散するので、片面クラッドでよい。クラッ
ド率は５〜２０％でよい。
クラッドでも、両面クラッドでもよいが、フィン板厚が
０．１mm以下の場合は、ろう付け加熱で十分皮材中のＳ
ｉが芯材に拡散するので、片面クラッドでよい。クラッ
ド率は５〜２０％でよい。
【００２２】
【実施例】以下本発明を実施例について説明する。表１
に示す芯材と表２に示す皮材（但し、表２中のＦｅは不
純物）を使用し、皮材クラッド率１０％の片面クラッド
材を常法により製造した。なお表１中ＪＩＳ１０７０合
金とはＡｌ９９．７０％の純Ａｌである。即ち金型に鋳
造後、芯材は４５mm厚さに面削し、５００℃で３時間ソ
ーキング処理を施した。一方皮材は面削後５００℃で熱
間圧延し、次に冷間圧延により厚さ５mmとした。これ等
の芯材と皮材を重ね合せて５００℃で熱間圧着圧延を行
い、クラッド材とした。これを冷間圧延、中間焼鈍、最
終冷間圧延の工程で加工し、厚さ０．１mmのＨ１４調質
材からなるクラッドフィン材を製造した。
に示す芯材と表２に示す皮材（但し、表２中のＦｅは不
純物）を使用し、皮材クラッド率１０％の片面クラッド
材を常法により製造した。なお表１中ＪＩＳ１０７０合
金とはＡｌ９９．７０％の純Ａｌである。即ち金型に鋳
造後、芯材は４５mm厚さに面削し、５００℃で３時間ソ
ーキング処理を施した。一方皮材は面削後５００℃で熱
間圧延し、次に冷間圧延により厚さ５mmとした。これ等
の芯材と皮材を重ね合せて５００℃で熱間圧着圧延を行
い、クラッド材とした。これを冷間圧延、中間焼鈍、最
終冷間圧延の工程で加工し、厚さ０．１mmのＨ１４調質
材からなるクラッドフィン材を製造した。
【００２３】上記クラッドフィン材について、下記実験
を行いクラッドフィン材のろう付け後の強度、導電率、
ろう付けによる接合率、サグの有無、犠牲陽極作用とし
て使用したチューブの最大孔食深さを測定した。これ等
の結果を表３に示す。
を行いクラッドフィン材のろう付け後の強度、導電率、
ろう付けによる接合率、サグの有無、犠牲陽極作用とし
て使用したチューブの最大孔食深さを測定した。これ等
の結果を表３に示す。
【００２４】ろう付け後の強度及び伝導率は、フィン材
を６１０℃のＮ2 ガス中で５分間の加熱を行い、これに
ついて強度及び導電率を測定した。ろう付けによる接合
率及びサグの有無は、ＪＩＳ３００３＋０．５％Ｃｕ合
金を芯材とし、その片面にＪＩＳ４０４５合金（Ａｌ−
１０％Ｓｉ）ろう材をクラッドしたブレージングシート
を、ろう材を外側にして偏平形状に電縫溶接した板厚
０．４mmのチューブ材と、コルゲート加工したクラッド
フィン材からなるフィンを用い、図１に示すようにチュ
ーブ材(2) 間にフィン(1) を取付け、ＫＡｌＦ4 とＫ2
ＡｌＦ5 からなるフッ化物フラックスの５％溶液を塗布
し、６１０℃のＮ2 ガス中で５分間ろう付け加熱を行っ
てミニコアを作成し、これについて接合率とサグの有無
を調べた。チューブの最大孔食深さは、上記ミニコアを
３００時間キヤス試験（ＪＩＳＨ８６８１）にかけ、チ
ューブの最大孔食深さを調べた。
を６１０℃のＮ2 ガス中で５分間の加熱を行い、これに
ついて強度及び導電率を測定した。ろう付けによる接合
率及びサグの有無は、ＪＩＳ３００３＋０．５％Ｃｕ合
金を芯材とし、その片面にＪＩＳ４０４５合金（Ａｌ−
１０％Ｓｉ）ろう材をクラッドしたブレージングシート
を、ろう材を外側にして偏平形状に電縫溶接した板厚
０．４mmのチューブ材と、コルゲート加工したクラッド
フィン材からなるフィンを用い、図１に示すようにチュ
ーブ材(2) 間にフィン(1) を取付け、ＫＡｌＦ4 とＫ2
ＡｌＦ5 からなるフッ化物フラックスの５％溶液を塗布
し、６１０℃のＮ2 ガス中で５分間ろう付け加熱を行っ
てミニコアを作成し、これについて接合率とサグの有無
を調べた。チューブの最大孔食深さは、上記ミニコアを
３００時間キヤス試験（ＪＩＳＨ８６８１）にかけ、チ
ューブの最大孔食深さを調べた。
【００２５】
【表１】
【００２６】
【表２】
【００２７】
【表３】
【００２８】表３から明らかなように、本発明例は何れ
もろう付け後の強度が１４５N/mm2 以上、導電率も４３
％ＩＡＣＳ以上を示し、ろう付け不具合もなく、犠牲陽
極作用も良好であり、従来例と比較してはるかに優れて
いることが判る。一方比較例No. １９，２３は強度が劣
り、比較例No. ２０，２４は導電率が劣り、比較例No.
１８，２１，２２はろう付け時にサグが発生し、ろう付
け性が劣ることが判る。
もろう付け後の強度が１４５N/mm2 以上、導電率も４３
％ＩＡＣＳ以上を示し、ろう付け不具合もなく、犠牲陽
極作用も良好であり、従来例と比較してはるかに優れて
いることが判る。一方比較例No. １９，２３は強度が劣
り、比較例No. ２０，２４は導電率が劣り、比較例No.
１８，２１，２２はろう付け時にサグが発生し、ろう付
け性が劣ることが判る。
【００２９】
【発明の効果】このように本発明によれば、ろう付け時
のサグが少なく、ろう付け後の強度、導電率が優れたフ
ィン材が得られ、ラジエーターフィンの薄肉化、ラジエ
ーターの軽量化、放熱特性の改善が図れる等工業上顕著
な効果を奏する。
のサグが少なく、ろう付け後の強度、導電率が優れたフ
ィン材が得られ、ラジエーターフィンの薄肉化、ラジエ
ーターの軽量化、放熱特性の改善が図れる等工業上顕著
な効果を奏する。
【図１】実験用ミニコアの斜視図である。
【図２】ラジエーターの構造を一部切欠いて示す斜視図
である。
である。
【符号の説明】 １ フィン ２ チューブ ３ ヘッダ ４ タンク
Claims (4)
- 【請求項１】 Ｆｅ０．５wt％以下、Ｓｉ０．５wt％以
下、Ｍｇ０．０５〜１．０wt％を含み、残部Ａｌと不可
避的不純物からなるアルミニウム合金板を芯材とし、そ
の片面又は両面に、Ｓｉ０．５〜７wt％、Ｚｒ０．０５
〜０．３wt％を含み、残部Ａｌと不可避的不純物からな
るアルミニウム合金板を皮材としてクラッドしたことを
特徴とするアルミニウム合金クラッドフィン材。 - 【請求項２】 Ｆｅ０．５wt％以下、Ｓｉ０．５wt％以
下、Ｍｇ０．０５〜１．０wt％を含み、更にＭｎ０．３
wt％以下、Ｃｒ０．３wt％以下、Ｚｒ０．３wt％以下、
Ｔｉ０．３wt％以下のうち１種又は２種以上を含み、残
部Ａｌと不可避的不純物からなるアルミニウム合金板を
芯材とし、その片面又は両面に、Ｓｉ０．５〜７wt％、
Ｚｒ０．０５〜０．３wt％を含み、残部Ａｌと不可避的
不純物からなるアルミニウム合金板を皮材としてクラッ
ドしたことを特徴とするアルミニウム合金クラッドフィ
ン材。 - 【請求項３】 Ｆｅ０．５wt％以下、Ｓｉ０．５wt％以
下、Ｍｇ０．０５〜１．０wt％を含み、更にＺｎ０．５
〜３wt％、Ｉｎ０．０１〜０．２wt％、Ｓｎ０．０１〜
０．２wt％のうち１種又は２種以上を含み、残部Ａｌと
不可避的不純物からなるアルミニウム合金板を芯材と
し、その片面又は両面に、Ｓｉ０．５〜７wt％、Ｚｒ
０．０５〜０．３wt％を含み、残部Ａｌと不可避的不純
物からなるアルミニウム合金板を皮材としてクラッドし
たことを特徴とするアルミニウム合金クラッドフィン
材。 - 【請求項４】 Ｆｅ０．５wt％以下、Ｓｉ０．５wt％以
下、Ｍｇ０．０５〜１．０wt％を含み、更にＭｎ０．３
wt％以下、Ｃｒ０．３wt％以下、Ｚｒ０．３wt％、Ｔｉ
０．３wt％以下のうち１種又は２種以上と、Ｚｎ０．５
〜３wt％、Ｉｎ０．０１〜０．２wt％、Ｓｎ０．０１〜
０．２wt％のうち１種又は２種以上を含み、残部Ａｌと
不可避的不純物からなるアルミニウム合金板を芯材と
し、その片面又は両面にＳｉ０．５〜７wt％、Ｚｒ０．
０５〜０．３wt％を含み、残部Ａｌと不可避的不純物か
らなるアルミニウム合金板を皮材としてクラッドしたこ
とを特徴とするアルミニウム合金クラッドフィン材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35640391A JPH05171324A (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | アルミニウム合金クラッドフィン材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35640391A JPH05171324A (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | アルミニウム合金クラッドフィン材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05171324A true JPH05171324A (ja) | 1993-07-09 |
Family
ID=18448849
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP35640391A Pending JPH05171324A (ja) | 1991-12-24 | 1991-12-24 | アルミニウム合金クラッドフィン材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05171324A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007182602A (ja) * | 2006-01-06 | 2007-07-19 | Mitsubishi Alum Co Ltd | ろう付時のエロージョンが抑制されたアルミニウムろう合金及びそれを用いたブレージングシート、熱交換器用ヘッダーパイプ並びに熱交換器 |
| JP2008308724A (ja) * | 2007-06-13 | 2008-12-25 | Furukawa Sky Kk | アルミニウム合金ろう材およびアルミニウム合金ブレージングシートの製造方法 |
| WO2013055074A2 (ko) * | 2011-10-10 | 2013-04-18 | 한국생산기술연구원 | 다이캐스팅용 고열전도도 Ａｌ-Ｍｇ-Ｆｅ-Ｓｉ 합금 |
| WO2014084424A1 (ko) * | 2012-11-30 | 2014-06-05 | 인하대학교 산학협력단 | 고방열 고강도 알루미늄 합금 |
| JP2018535317A (ja) * | 2015-10-15 | 2018-11-29 | ノベリス・インコーポレイテッドＮｏｖｅｌｉｓ Ｉｎｃ． | 高形成複層アルミニウム合金パッケージ |
-
1991
- 1991-12-24 JP JP35640391A patent/JPH05171324A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| WO2013055074A3 (ko) * | 2011-10-10 | 2013-07-04 | 한국생산기술연구원 | 다이캐스팅용 고열전도도 Ａｌ-Ｍｇ-Ｆｅ-Ｓｉ 합금 |
| US9663847B2 (en) | 2011-10-10 | 2017-05-30 | Korea Institute Of Industrial Technology | High thermal conductivity Al—Mg—Fe—Si alloy for die casting |
| WO2014084424A1 (ko) * | 2012-11-30 | 2014-06-05 | 인하대학교 산학협력단 | 고방열 고강도 알루미늄 합금 |
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| US10689041B2 (en) | 2015-10-15 | 2020-06-23 | Novelis Inc. | High-forming multi-layer aluminum alloy package |
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