JP2685925B2 - A▲l▼製熱交換器の冷媒通路用ブレージングシート - Google Patents

A▲l▼製熱交換器の冷媒通路用ブレージングシート

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はAl製熱交換器の冷媒通路用のブレージングシ
ートに関するもので、芯材にこれより電位の卑な犠牲陽
極材を内側(冷媒側)に犠牲材としてクラッドし、冷媒
通路内側の孔食発生を防止したものである。
〔従来の技術〕 Al製熱交換器、例えばラジエーターやヒーターコア等
は現在フッ化物系の非腐食性フラックスを使用したフラ
ックスろう付け法により作られている。ラジエーターは
第1図(イ)(ロ)に示すように、冷媒通路用のチュー
ブ(1)間にフィン(2)を配置し、チューブ(1)の
両端にヘッダープレート(3)を取付けてコア(4)を
組立て、ろう付け後ヘッダープレート(3)にパッキン
グ(6)を介して樹脂タンク(5)(5′)を取付けた
もので、フィンにはJIS3003合金にZnを1.5wt%(以下wt
%を%と略記)程度添加した厚さ0.1mm前後の板を用
い、チューブにはJIS3003合金からなる芯材の外側(大
気側)にJIS4343合金からなるろう材をクラッドし、内
側(冷媒側)にJIS7072合金からなる犠牲材をクラッド
した厚さ0.3〜0.4mmのブレージングシート(内外層のク
ラッド率は5〜10%)を用い、ヘッダプレートにはチュ
ーブと同様のブレージングシート(板厚1.0〜1.8mm)を
用いている。
このようなラジエーターにおいて、冷媒側の孔食発生
を防止するため次の様な対策がとられている。即ちチュ
ーブの板厚が0.3〜0.4mmと薄くなると、JIS3003合金だ
けではAl合金特有の孔食が発生し、早期に液漏れ事故を
起す場合があるため、第2図(イ)に示すようにJIS300
3合金からなる芯材の内側に、これより電位の卑なJIS70
72合金(Al−Zn系合金)を犠牲材としてクラッドしてい
る。JIS7072合金からなる犠牲材とJIS3003合金からなる
芯材は、上記ろう付け加熱時に600℃程度の雰囲気にさ
らされ、これによってJIS7072合金からなる犠牲材中のZ
nは第2図(ロ)に示すようにJIS3003合金からなる芯材
側へ拡散し、内側表面のZn濃度0.4〜0.8%,内側表面か
らの拡散深さ80〜150μmのZn拡散パターンを示す。こ
のZn拡散層の優先腐食により、冷媒側から発生する孔食
は深く成長せず、浅く広い腐食形態をとり、長期の耐孔
食性を示すようになる。
JIS7072合金(Al−Zn合金)自体広く浅い腐食形態
(面食)をとる特徴があり、更に芯材と犠牲材の電位差
により、芯材が曝露した後も犠牲材層が優先的に腐食さ
れ、芯材の腐食を防止する。また芯材中に拡散したZnに
より芯材表面も面食を起し、孔食発生を抑制することが
できる。犠牲材としてはこの他にAl−Zn−Mg,Al−Mn−Z
n,Al−Mn−Zn−Mg合金等が使用される。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記ラジエーターのチューブ材のZn拡散パターンは、
ろう付け条件の変動により犠牲材表面のZn濃度が低下
し、拡散深さが深くなる場合があり、芯材との電位差が
十分に確保できず、耐孔食性を著しく低下することがあ
る。またチューブ材の板厚が更に薄くなると、従来と同
様のろう付け加熱を行なった場合、上記のように過度の
加熱により、Zn拡散が進むだけでなく、チューブ板厚に
占めるZn拡散層の厚さの比率が大となり、腐食による板
厚の減少が耐食性ばかりでなく、構造強度に大きく影響
を及ぼすことになる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はこれに鑑み種々検討の結果、チューブ材の犠
牲材として使用されるAl−Zn系合金から芯材へのZn拡散
を抑制し、ろう付け加熱条件の変動や板厚の減少によっ
ても、優れた耐孔食性を有するAl製熱交換器の冷媒通路
用ブレージングシートを開発したもので、Al合金からな
る芯材の外側(大気側)にAl合金ろう材をクラッドし、
内側(冷媒側)にAl合金犠牲材をクラッドしたブレージ
ングシートにおいて、犠牲材にろう付け後100μm以上
の再結晶粒径を有するAl−Zn系合金を用い、芯材に犠牲
材より電位の貴なAl合金を用いたことを特徴とするもの
である。
〔作 用〕
本発明はろう付け加熱条件の変動や、チューブ材の薄
肉化により起るZn拡散層の表面Zn濃度の低下や拡散深さ
の増大による耐孔食性の低下を抑制する方法について、
種々検討の結果開発したもので、その特徴は犠牲材に使
用するAl−Zn系合金のろう付け後の再結晶粒径を100μ
m以上とすることにある。
従来より芯材の粒径を粗大としてろう材の拡散を防止
する試みがなされており、この場合は芯材の粒界を少な
くすることにより、ろう付け加熱時のろう材の芯材側へ
の侵入経路を少なくし、ろう材の拡散を抑制した。しか
し本発明は芯材ではなくZnが拡散により減少する犠牲材
の結晶粒径を粗大とすることで、Znの拡散を有効に抑制
することが可能であることを見い出したものである。
しかして犠牲材のろう付け後の再結晶粒径を100μm
以上と規定したのは次の理由によるものである。
まずろう付け加熱時のZn拡散は高温ほど顕著に進み、
特に500℃以上の温度及びその温度での保持時間が影響
する。ラジエーターのチューブ材はHIXを電縫加工して
用いられる場合多いが、ろう付け加熱によりチューブ材
の組織は加工組織から軟化組織、即ち再結晶組織に変化
する。大方400℃の加熱で再結晶組織となり、Zn拡散が
顕著となるのは再結晶組織となった後である。ろう付け
加熱終了時点ではこれより若干再結晶粒径は成長して大
きくなるが、ろう付け後の再結晶粒径が100μm以上の
場合、Zn拡散の抑制作用が大となる。例えばX16材で圧
延方向に長く伸びた組織(長径400〜500μm)とした場
合ろう付け加熱により、加工歪が十分加わっていること
で再結晶を促進させ、再結晶粒は微細となり、Zn拡散が
著しく進む現象がみられ、耐食性が低下する。
本発明において犠牲材に使用する合金はAl−Zn系合
金、例えばAl−Zn,Al−Zn−Mg,Al−Mn−Zn,Al−Mn−Zn
−Mg等の合金が最適である。この他Cr,Zr,Ti等を添加し
てもよい。Znの添加量は犠牲材の厚さや芯材合金に応じ
て0.5〜5.0%でよい。芯材は特に合金を規定しないが、
犠牲材より電位の貴な合金、例えばJIS3003合金(Al−M
n合金)やこれにCuを添加した合金を使用すればよい。
また犠牲材のろう付け後の再結晶粒径を100μm以上と
するには、均質化処理条件と最終冷間圧延率を調整すれ
ばよい。
〔実施例〕
以下本発明を実施例について説明する。
第1表に示すようにJIS7072合金(Al−1%Zn−0.3%
Fe−0.1%Si)及びこれにMgを0.5%添加した合金を犠牲
材に使用し、常法により溶解鋳造後、450〜500℃で均質
化処理して500℃で熱間圧延し、続いて冷間圧延を行な
って厚さ2.5mmの板とした。これを600℃で均質化処理し
た厚さ45mmのJIS3003合金鋳塊の片側表面に重ね合せ、
他の表面に厚さ2.5mmのJIS4343合金ろう材を重ね合せ、
500℃の熱間合せ圧延と冷間圧延をへて厚さ0.4mmのブレ
ージングシートとした。尚冷間圧延の中間に360℃×2
時間の焼鈍を入れ、最終冷延率を5〜80%として、犠牲
材の上記均質化処理条件と合せてろう付け後の犠牲材の
再結晶粒度を変化させた。
このようにして製造した8種のブレージングシートを
600〜620℃で1〜20分ろう付け加熱し、犠牲材の圧延面
と平行な面における再結晶粒径を観察すると共に、犠牲
材表面の最大Zn濃度とZn拡散深さのEPMA線分析を行なっ
た。またCu2+イオンを10ppm添加した水道水に3カ月間
浸漬し、80℃×8時間と室温×16時間のサイクル試験を
行ない、発生したピットの深さを光学顕微鏡による焦点
深度法により求めた。尚腐食試験では、ろう材面と端面
はシールし、犠牲材のみ腐食液に曝露した。第1表に60
0℃×10分のろう付け加熱材の結果を示し、第2表に本
発明例No.4と比較例No.7に使用したブレージングシート
についてろう付け条件を変化させた結果を示す。
第1表から明らかなように比較例No.7,8では表面Zn濃
度が0.15〜0.20%に低下し、腐食テストにより貫通孔食
を発生したのに対し、本発明例では0.4%以上の表面Zn
濃度を有し、すぐれた耐孔食性を示すことが判る。また
第2表から明らかなように本発明の犠牲材の再結晶粒径
を100μm以上としたブレージングシートはかなり広範
囲のろう付け条件においてもZn拡散を抑制することが可
能であり、耐孔食性に優れていることが判る。
尚本実施例で使用したJIS3003合金からなる芯材のろ
う付け後の再結晶粒径は50〜150μmであった。また電
位は5%NaCl液中で飽和カロメル電極を基準に測定した
が芯材は−720mV、犠牲材であるJIS7072では−850mV,JI
S7072+Mg0.5%では−870mVであり、ろう付け加熱後の
芯材は−720mV、犠牲材は表面Zn濃度により異なるも−7
50〜−800mVの電位を示した。
〔発明の効果〕
このように本発明によれば犠牲材から芯材へのZn拡散
を著しく抑制することが可能となり、過酷なろう付け条
件での表面Zn濃度の低下による耐孔食性の低下を防止
し、更に材料が薄肉化したときにもZn拡散を抑制するこ
とができるため、高Zn材を犠牲材に使用し、犠牲材を薄
くすることで、Zn拡散層の厚さの全板厚に占める割合を
小さくすることが可能となり、長期間孔食性の低下を抑
制することができる等工業上顕著な効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】 第1図(イ)(ロ)はラジエーターの一例を示すもの
で、(イ)は正面図、(ロ)は(イ)図におけるAA線の
拡大断面図、第2図(イ)(ロ)はチューブ材のろう付
け加熱前後のZn拡散状況の一例を示すもので、(イ)は
ろう付け前のZn拡散状況を示す説明図、(ロ)はろう付
け加熱後のZn拡散状況を示す説明図である。 1……チューブ、2……フィン 3……ヘッダープレート、4……コア 5,5′……樹脂タンク、6……パッキング

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al合金からなる芯材の外側(大気側)にAl
    合金ろう材をクラッドし、内側(冷媒側)にAl合金犠牲
    材をクラッドしたブレージングシートにおいて、犠牲材
    にろう付け後100μm以上の再結晶粒径を有するAl−Zn
    系合金を用い、芯材に犠牲材より電位の貴なAl合金を用
    いたことを特徴とするAl製熱交換器の冷媒通路用ブレー
    ジングシート。
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