JPH1161306A - 熱交換器用アルミニウム合金複合材 - Google Patents
熱交換器用アルミニウム合金複合材Info
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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- F28F—DETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
- F28F21/00—Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials
- F28F21/08—Constructions of heat-exchange apparatus characterised by the selection of particular materials of metal
- F28F21/081—Heat exchange elements made from metals or metal alloys
- F28F21/084—Heat exchange elements made from metals or metal alloys from aluminium or aluminium alloys
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B15/00—Layered products comprising a layer of metal
- B32B15/01—Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic
- B32B15/016—Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic all layers being formed of aluminium or aluminium alloys
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F28—HEAT EXCHANGE IN GENERAL
- F28F—DETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
- F28F19/00—Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers
- F28F19/02—Preventing the formation of deposits or corrosion, e.g. by using filters or scrapers by using coatings, e.g. vitreous or enamel coatings
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- F28D1/02—Heat-exchange apparatus having stationary conduit assemblies for one heat-exchange medium only, the media being in contact with different sides of the conduit wall, in which the other heat-exchange medium is a large body of fluid, e.g. domestic or motor car radiators with heat-exchange conduits immersed in the body of fluid
- F28D1/04—Heat-exchange apparatus having stationary conduit assemblies for one heat-exchange medium only, the media being in contact with different sides of the conduit wall, in which the other heat-exchange medium is a large body of fluid, e.g. domestic or motor car radiators with heat-exchange conduits immersed in the body of fluid with tubular conduits
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- F28D1/05316—Assemblies of conduits connected to common headers, e.g. core type radiators
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐食性をより高めた熱交換器用アルミニウム
合金複合材を提供する。 【解決手段】 Al合金芯材のそれぞれの片面に、Zn
1.0〜6.0%、Mn 0.2〜2.0%(以上%
は重量%を示す。)を含有し、残部Al及びその他不可
避不純物からなるAl合金であって、かつ、平均粒径が
0.1〜0.8μmのAl−Mn系金属間化合物を数密
度2.0×109 個/mm3 以上で含有することにより
腐食電流値を40μA/cm2 以下としたAl合金から
なる犠牲陽極材と、所定量のSiを含有するAl−Si
系合金のろう材とをクラッドしてなる熱交換器用アルミ
ニウム合金複合材。
合金複合材を提供する。 【解決手段】 Al合金芯材のそれぞれの片面に、Zn
1.0〜6.0%、Mn 0.2〜2.0%(以上%
は重量%を示す。)を含有し、残部Al及びその他不可
避不純物からなるAl合金であって、かつ、平均粒径が
0.1〜0.8μmのAl−Mn系金属間化合物を数密
度2.0×109 個/mm3 以上で含有することにより
腐食電流値を40μA/cm2 以下としたAl合金から
なる犠牲陽極材と、所定量のSiを含有するAl−Si
系合金のろう材とをクラッドしてなる熱交換器用アルミ
ニウム合金複合材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車用熱交換器等
に用いられる薄肉のAl合金複合材に関するものであ
り、更に詳しくはろう付け法により形成された熱交換器
の冷媒通路を形成するチューブ管の材料として好適な3
層構造のAl合金複合材に関するものである。
に用いられる薄肉のAl合金複合材に関するものであ
り、更に詳しくはろう付け法により形成された熱交換器
の冷媒通路を形成するチューブ管の材料として好適な3
層構造のAl合金複合材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常のAl製熱交換器、例えばラジエー
ターの1例を図1の(イ)、(ロ)に示す。図1の
(イ)は正面図、(ロ)は(イ)のA−A線断面図であ
り、同図に示すように、このラジエーターは、冷媒を通
すチューブ管1間にフィン2を配置し、チューブ管1の
両端にヘッダープレート3を取り付けて、コア4を組み
立て、ろう付け後にヘッダープレート3にパッキング6
を介して樹脂タンク5、5’を取り付けてなる。フィン
2にはJIS3003合金組成にZnを1.5%(以
下、特に断わらない限り組成を示す%は重量%をい
う。)程度添加した厚さ0.1mm前後の板を用い、チ
ューブ管には冷媒側の孔食発生を防止するために、JI
S3003合金組成にSi、Cu等を添加した合金芯材
の内側(冷媒側)にJIS7072合金あるいはそれに
Mg等を添加した合金を犠牲陽極材としてクラッドした
厚さ0.3〜0.2mmのブレージングシートを用い、
ヘッダープレート3には厚さ1.0〜1.3mmのチュ
ーブ管1と同様の材質のブレージングシートが用いられ
ている。
ターの1例を図1の(イ)、(ロ)に示す。図1の
(イ)は正面図、(ロ)は(イ)のA−A線断面図であ
り、同図に示すように、このラジエーターは、冷媒を通
すチューブ管1間にフィン2を配置し、チューブ管1の
両端にヘッダープレート3を取り付けて、コア4を組み
立て、ろう付け後にヘッダープレート3にパッキング6
を介して樹脂タンク5、5’を取り付けてなる。フィン
2にはJIS3003合金組成にZnを1.5%(以
下、特に断わらない限り組成を示す%は重量%をい
う。)程度添加した厚さ0.1mm前後の板を用い、チ
ューブ管には冷媒側の孔食発生を防止するために、JI
S3003合金組成にSi、Cu等を添加した合金芯材
の内側(冷媒側)にJIS7072合金あるいはそれに
Mg等を添加した合金を犠牲陽極材としてクラッドした
厚さ0.3〜0.2mmのブレージングシートを用い、
ヘッダープレート3には厚さ1.0〜1.3mmのチュ
ーブ管1と同様の材質のブレージングシートが用いられ
ている。
【0003】これらブレージングシートはろう付け加熱
時に580〜610℃程度の雰囲気にさらされ、これに
より上記犠牲陽極材中のZnは芯材中に拡散する。図2
はこの状態を示し、図2の(イ)はろう付け前、図2の
(ロ)はろう付け後である。このZn拡散層は優先腐食
するので、冷媒側から発生する孔食は深く成長せず、浅
く広い孔食形態をとり、長期の耐孔食性を示すようにな
る。Al−Zn系、Al−Zn−Mg系またはAl−M
g−In系犠牲陽極合金自体は浅く広い孔食形態(面
食)をとる特徴があり、さらに芯材とこれら犠牲陽極材
との電位差により、芯材が暴露した後も犠牲陽極材が優
先的に腐食され、芯材の腐食を防止する。
時に580〜610℃程度の雰囲気にさらされ、これに
より上記犠牲陽極材中のZnは芯材中に拡散する。図2
はこの状態を示し、図2の(イ)はろう付け前、図2の
(ロ)はろう付け後である。このZn拡散層は優先腐食
するので、冷媒側から発生する孔食は深く成長せず、浅
く広い孔食形態をとり、長期の耐孔食性を示すようにな
る。Al−Zn系、Al−Zn−Mg系またはAl−M
g−In系犠牲陽極合金自体は浅く広い孔食形態(面
食)をとる特徴があり、さらに芯材とこれら犠牲陽極材
との電位差により、芯材が暴露した後も犠牲陽極材が優
先的に腐食され、芯材の腐食を防止する。
【0004】このような従来のアルミニウム合金複合材
としては、所定量のZn及びMnを含有させて、強度を
向上したアルミニウム合金の犠牲陽極材を用いる技術が
提案されている(特開昭56−127194号、同58
−113367号など)。しかし、犠牲陽極材中のMn
は強度向上のためあるいは電位を貴にするためであり、
耐食性の向上を目的とするものではない。しかし、最近
の軽量化に伴う板厚減少の一方で、熱交換器の高機能化
に伴い、チューブ管内部の液流速が従来に比べて非常に
速くなっており、上記のような従来の犠牲陽極材では十
分な防食効果が得られなくなっている。すなわち、チュ
ーブ管内部の液流速が速くなればなる程、腐食速度が増
進されるので、これに対応できる、より高い耐食性(自
己耐食性あるいは犠牲防食性)を示すアルミニウム合金
複合材料の開発が要求されている。
としては、所定量のZn及びMnを含有させて、強度を
向上したアルミニウム合金の犠牲陽極材を用いる技術が
提案されている(特開昭56−127194号、同58
−113367号など)。しかし、犠牲陽極材中のMn
は強度向上のためあるいは電位を貴にするためであり、
耐食性の向上を目的とするものではない。しかし、最近
の軽量化に伴う板厚減少の一方で、熱交換器の高機能化
に伴い、チューブ管内部の液流速が従来に比べて非常に
速くなっており、上記のような従来の犠牲陽極材では十
分な防食効果が得られなくなっている。すなわち、チュ
ーブ管内部の液流速が速くなればなる程、腐食速度が増
進されるので、これに対応できる、より高い耐食性(自
己耐食性あるいは犠牲防食性)を示すアルミニウム合金
複合材料の開発が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、耐食性を一層高めた熱交換器用アルミニウム合金
複合材を提供することである。さらに詳しくは、本発明
の目的は、チューブ内面の冷媒側環境において、液流速
の上昇下においてエロージョン・コロージョン現象を起
こしにくい熱交換器用アルミニウム合金複合材を提供す
ることを目的とする。
的は、耐食性を一層高めた熱交換器用アルミニウム合金
複合材を提供することである。さらに詳しくは、本発明
の目的は、チューブ内面の冷媒側環境において、液流速
の上昇下においてエロージョン・コロージョン現象を起
こしにくい熱交換器用アルミニウム合金複合材を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意研究を重ねた結果、犠牲陽極材のZ
n、Mn量を規定した上で、犠牲陽極材中のAl−Mn
系化合物の粒径及び分布を制御することにより、犠牲陽
極材の防食作用に伴う腐食電流値を低減させることがで
き、これにより流速の大きい環境下でもエロージョン・
コロージョンを起こしにくく、長期間犠牲陽極材の機能
を維持し、耐食性を大幅に向上させうることを見いだ
し、この知見にさらに研究を重ね、本発明をなすにいた
った。すなわち本発明は、(1)Al合金芯材のそれぞ
れの片面に、Zn 1.0〜%6.0%、Mn 0.2
〜2.0%(以上%は重量%を示す。)を含有し、残部
Al及びその他不可避不純物からなるAl合金であっ
て、かつ、平均粒径が0.1〜0.8μmのAl−Mn
系金属間化合物を数密度2.0×109 個/mm3 以上
で含有するAl合金からなる犠牲陽極材と、所定量のS
iを含有するAl−Si系合金のろう材とをクラッドし
てなることを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金複
合材、(2)上記の犠牲陽極材のAl合金が、In
0.005〜0.5%、Sn 0.005〜0.5%、
Si0.02〜1.2%、Ge 0.005〜2.0%
のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする
(1)項記載の熱交換器用アルミニウム合金複合材、及
び(3)前記犠牲陽極材の腐食電流値が40μA/cm
2 以下であることを特徴とする(1)又は(2)項記載
の熱交換器用アルミニウム合金複合材を提供するもので
ある。本発明によれば犠牲陽極材の腐食溶解(腐食電
流)を低く抑えながら、芯材を効率よく防食し、エロー
ジョンを抑制できる。本発明においては、犠牲陽極材中
のAl−Mn系化合物の大きさと分布を規定すること
で、犠牲陽極材の腐食電流値を著しく低減させる効果が
あり、これによりチューブ内を流れる流体の流速の大き
い使用環境下でもエロージョン・コロージョンを起こし
にくく、長期間犠牲陽極材の機能を維持し、耐食性を大
幅に向上させることができる。
解決するため鋭意研究を重ねた結果、犠牲陽極材のZ
n、Mn量を規定した上で、犠牲陽極材中のAl−Mn
系化合物の粒径及び分布を制御することにより、犠牲陽
極材の防食作用に伴う腐食電流値を低減させることがで
き、これにより流速の大きい環境下でもエロージョン・
コロージョンを起こしにくく、長期間犠牲陽極材の機能
を維持し、耐食性を大幅に向上させうることを見いだ
し、この知見にさらに研究を重ね、本発明をなすにいた
った。すなわち本発明は、(1)Al合金芯材のそれぞ
れの片面に、Zn 1.0〜%6.0%、Mn 0.2
〜2.0%(以上%は重量%を示す。)を含有し、残部
Al及びその他不可避不純物からなるAl合金であっ
て、かつ、平均粒径が0.1〜0.8μmのAl−Mn
系金属間化合物を数密度2.0×109 個/mm3 以上
で含有するAl合金からなる犠牲陽極材と、所定量のS
iを含有するAl−Si系合金のろう材とをクラッドし
てなることを特徴とする熱交換器用アルミニウム合金複
合材、(2)上記の犠牲陽極材のAl合金が、In
0.005〜0.5%、Sn 0.005〜0.5%、
Si0.02〜1.2%、Ge 0.005〜2.0%
のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする
(1)項記載の熱交換器用アルミニウム合金複合材、及
び(3)前記犠牲陽極材の腐食電流値が40μA/cm
2 以下であることを特徴とする(1)又は(2)項記載
の熱交換器用アルミニウム合金複合材を提供するもので
ある。本発明によれば犠牲陽極材の腐食溶解(腐食電
流)を低く抑えながら、芯材を効率よく防食し、エロー
ジョンを抑制できる。本発明においては、犠牲陽極材中
のAl−Mn系化合物の大きさと分布を規定すること
で、犠牲陽極材の腐食電流値を著しく低減させる効果が
あり、これによりチューブ内を流れる流体の流速の大き
い使用環境下でもエロージョン・コロージョンを起こし
にくく、長期間犠牲陽極材の機能を維持し、耐食性を大
幅に向上させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる犠牲陽
極材は耐食性(自己耐食性及び犠牲防食性)の作用が優
れる。犠牲陽極材中のZnは1.0〜6.0%とする。
Znは、腐食環境が酸性側あるいはアルカリ性側のいず
れにおいても犠牲防食効果を十分に大きくさせる。Zn
の添加量が1.0%未満では特に酸性環境での犠牲防食
能を維持することができない。6.0%を越える場合に
は、アルカリ性環境において酸化皮膜抑制効果と犠牲防
食能維持効果が大幅に低下してしまう恐れがあり、また
ろう付け加熱時の温度によっては犠牲陽極材と芯材との
界面近傍で材料溶融が発生する恐れがある。好ましくは
Zn添加量は2.5%〜4.5%である。
極材は耐食性(自己耐食性及び犠牲防食性)の作用が優
れる。犠牲陽極材中のZnは1.0〜6.0%とする。
Znは、腐食環境が酸性側あるいはアルカリ性側のいず
れにおいても犠牲防食効果を十分に大きくさせる。Zn
の添加量が1.0%未満では特に酸性環境での犠牲防食
能を維持することができない。6.0%を越える場合に
は、アルカリ性環境において酸化皮膜抑制効果と犠牲防
食能維持効果が大幅に低下してしまう恐れがあり、また
ろう付け加熱時の温度によっては犠牲陽極材と芯材との
界面近傍で材料溶融が発生する恐れがある。好ましくは
Zn添加量は2.5%〜4.5%である。
【0008】Mnは0.2〜2.0%とする。MnはA
l−Mn系化合物分布を規制し、エロージョン・コロー
ジョンの問題の解決に作用する。Mnは、0.2%未満
では上記効果が十分に発揮されず、2.0%を越える場
合には電縫加工あるいは折り曲げろう付け加工によりチ
ューブ管を製造した際に、溶接欠陥(ミクロ割れ)ある
いは折り曲げ加工寸法不良の問題を引き起こす恐れがあ
るからである。本発明において、犠牲陽極材中のAl−
Mn系金属間化合物の平均粒径を0.1〜0.8μmと
し、その数密度を2.0×109 個/mm3 以上とする
のは、この範囲外の化合物分布では犠牲陽極材の防食に
伴う腐食電流を低減しエロージョン・コロージョンを抑
制する効果が不十分のためである。本発明では、このよ
うにすることにより前記のように犠牲材腐食電流値を従
来の犠牲陽極材の値よりも著しく抑制、減少できる。図
3には、本発明の犠牲陽極材の電気化学測定結果を模式
図として示す。図3より、Al−Mn化合物の分布を本
発明の範囲にコントロールすることにより、アノード曲
線とカソード曲線の交点に相当するいわゆる腐食電流が
著しく減少することが判る。犠牲材の腐食電流値が40
μA/cm2 以下であれば、上記効果が発揮される。図
3中、A、Bが、本発明例及び従来例のアノード、カソ
ード両分極曲線の交点をそれぞれ示し、本発明はこの交
点が点線C(電流40μA/cm2 に相当)から左側に
ある。本発明においては腐食環境によってはさらに犠牲
陽極材へIn、Sn、Geを所定量選択規定することに
より、長期間優れた耐食性を維持させることができる。
Ge添加量は0.005〜2.0%が好ましい。0.0
05%未満ではアルカリ性環境下で犠牲陽極材表面の酸
化皮膜形成を抑制する効果がほとんどなく、そのため十
分な犠牲防食機能を維持することが困難となる。2.0
%を越えても上記効果はそれ以上向上しないだけでな
く、材料製造時の圧延性、歩留まりが低下して量産上の
問題が出てくる。より好ましいGe添加量は0.2〜
1.5%である。In、Sn添加の効果は、Znと同様
である。0.005未満では犠牲効果が不足し、0.5
%を越えた場合には材料製造時の圧延性が低下しコイル
端部が割れるという問題が起きる恐れがある。なお、こ
れらの添加量は好ましくは0.02〜0.2%である。
また、Siの添加により犠牲陽極材しいては複合材の強
度が上昇し、熱交換器の耐久性向上に寄与する。添加量
を0.02〜1.2%としたのは、0.02未満では上
記効果が不十分であり、1.2%を越えると単体Siに
よる深い孔食を引き起こす恐れがある。より好ましい添
加量は0.3〜0.7%である。
l−Mn系化合物分布を規制し、エロージョン・コロー
ジョンの問題の解決に作用する。Mnは、0.2%未満
では上記効果が十分に発揮されず、2.0%を越える場
合には電縫加工あるいは折り曲げろう付け加工によりチ
ューブ管を製造した際に、溶接欠陥(ミクロ割れ)ある
いは折り曲げ加工寸法不良の問題を引き起こす恐れがあ
るからである。本発明において、犠牲陽極材中のAl−
Mn系金属間化合物の平均粒径を0.1〜0.8μmと
し、その数密度を2.0×109 個/mm3 以上とする
のは、この範囲外の化合物分布では犠牲陽極材の防食に
伴う腐食電流を低減しエロージョン・コロージョンを抑
制する効果が不十分のためである。本発明では、このよ
うにすることにより前記のように犠牲材腐食電流値を従
来の犠牲陽極材の値よりも著しく抑制、減少できる。図
3には、本発明の犠牲陽極材の電気化学測定結果を模式
図として示す。図3より、Al−Mn化合物の分布を本
発明の範囲にコントロールすることにより、アノード曲
線とカソード曲線の交点に相当するいわゆる腐食電流が
著しく減少することが判る。犠牲材の腐食電流値が40
μA/cm2 以下であれば、上記効果が発揮される。図
3中、A、Bが、本発明例及び従来例のアノード、カソ
ード両分極曲線の交点をそれぞれ示し、本発明はこの交
点が点線C(電流40μA/cm2 に相当)から左側に
ある。本発明においては腐食環境によってはさらに犠牲
陽極材へIn、Sn、Geを所定量選択規定することに
より、長期間優れた耐食性を維持させることができる。
Ge添加量は0.005〜2.0%が好ましい。0.0
05%未満ではアルカリ性環境下で犠牲陽極材表面の酸
化皮膜形成を抑制する効果がほとんどなく、そのため十
分な犠牲防食機能を維持することが困難となる。2.0
%を越えても上記効果はそれ以上向上しないだけでな
く、材料製造時の圧延性、歩留まりが低下して量産上の
問題が出てくる。より好ましいGe添加量は0.2〜
1.5%である。In、Sn添加の効果は、Znと同様
である。0.005未満では犠牲効果が不足し、0.5
%を越えた場合には材料製造時の圧延性が低下しコイル
端部が割れるという問題が起きる恐れがある。なお、こ
れらの添加量は好ましくは0.02〜0.2%である。
また、Siの添加により犠牲陽極材しいては複合材の強
度が上昇し、熱交換器の耐久性向上に寄与する。添加量
を0.02〜1.2%としたのは、0.02未満では上
記効果が不十分であり、1.2%を越えると単体Siに
よる深い孔食を引き起こす恐れがある。より好ましい添
加量は0.3〜0.7%である。
【0009】本発明において芯材については特に制限は
ない。3003合金組成をベースにSi、CuおよびM
n添加で強度向上を図ってもよい。Cr、Zr、Mg、
Tiも強度向上を目的に適宜添加してもよい。本発明に
おけるろう材としては、特に制限はなく、例えばAl−
Si系のJIS4343、JIS4045合金およびJ
IS4004合金等が使用できる。
ない。3003合金組成をベースにSi、CuおよびM
n添加で強度向上を図ってもよい。Cr、Zr、Mg、
Tiも強度向上を目的に適宜添加してもよい。本発明に
おけるろう材としては、特に制限はなく、例えばAl−
Si系のJIS4343、JIS4045合金およびJ
IS4004合金等が使用できる。
【0010】このような熱交換器アルミニウム合金複合
材は次のようにして調製できる。犠牲陽極材中のAl−
Mn系金属間化合物分布の制御は犠牲陽極材圧延前の均
質化処理温度を440〜520℃で行うことにより実現
できる。440℃未満では鋳塊組織を均一化することが
困難である。520℃を越えて行う場合には、化合物の
粗大化が活発となり、分布を本発明の上記規定通りとす
ることが困難となる。上記温度での保持時間は3〜9時
間が好ましい。犠牲陽極材の均質化処理温度だけでな
く、その後工程であるクラッド圧延開始温度の規定も重
要であり、クラッド温度は420〜520℃で行うのが
よい。この温度が420℃未満ではクラッド圧延時に犠
牲陽極材が芯材から剥れる現象が出る恐れがある。52
0℃を越えて行う場合、クラッド圧着不良の問題はない
が、本発明で規定した犠牲陽極材の化合物分布を満足す
ることが困難となる。その他、冷間圧延、中間焼鈍条件
は特に限定されるものでない。
材は次のようにして調製できる。犠牲陽極材中のAl−
Mn系金属間化合物分布の制御は犠牲陽極材圧延前の均
質化処理温度を440〜520℃で行うことにより実現
できる。440℃未満では鋳塊組織を均一化することが
困難である。520℃を越えて行う場合には、化合物の
粗大化が活発となり、分布を本発明の上記規定通りとす
ることが困難となる。上記温度での保持時間は3〜9時
間が好ましい。犠牲陽極材の均質化処理温度だけでな
く、その後工程であるクラッド圧延開始温度の規定も重
要であり、クラッド温度は420〜520℃で行うのが
よい。この温度が420℃未満ではクラッド圧延時に犠
牲陽極材が芯材から剥れる現象が出る恐れがある。52
0℃を越えて行う場合、クラッド圧着不良の問題はない
が、本発明で規定した犠牲陽極材の化合物分布を満足す
ることが困難となる。その他、冷間圧延、中間焼鈍条件
は特に限定されるものでない。
【0011】本発明のAl合金複合材は、ラジエーター
チューブ管の他に、ラジエーターのヘッダープレートに
も使用でき、その他本発明の目的と同様であればいかな
る部材、たとえばヒーターコアあるいはドロンカップエ
バポレーターのチューブシート、ヘッダー管としても十
分に使用できる。本発明のアルミニウム合金複合材にお
いて、犠牲陽極材のクラッド率は特に制限はないが、全
複合材板厚に対し(厚みで)8〜20%が好ましく、1
2〜17%がより好ましい。また、ろう材のクラッド率
は従来のものと特に異ならず、全複合材に対して通常5
〜15%、好ましくは8〜12%である。本発明の熱交
換器アルミニウム合金複合材の厚みは、用途、熱交換器
の種類などにより異なるが通常0.2〜0.4mmであ
る。
チューブ管の他に、ラジエーターのヘッダープレートに
も使用でき、その他本発明の目的と同様であればいかな
る部材、たとえばヒーターコアあるいはドロンカップエ
バポレーターのチューブシート、ヘッダー管としても十
分に使用できる。本発明のアルミニウム合金複合材にお
いて、犠牲陽極材のクラッド率は特に制限はないが、全
複合材板厚に対し(厚みで)8〜20%が好ましく、1
2〜17%がより好ましい。また、ろう材のクラッド率
は従来のものと特に異ならず、全複合材に対して通常5
〜15%、好ましくは8〜12%である。本発明の熱交
換器アルミニウム合金複合材の厚みは、用途、熱交換器
の種類などにより異なるが通常0.2〜0.4mmであ
る。
【0012】
【実施例】次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説
明する。 実施例1 表1に示す組成の犠牲陽極材と芯材の組み合わせ合金1
7種類を金型鋳造により鋳造して、各々両面面削後、犠
牲陽極材は表2に示す条件で均質化処理を施し、熱間圧
延により厚さ5mm、芯材は面削のみで40mmに仕上
げた。すなわち、犠牲陽極材の複合材全体(ろう材も含
む)に対するクラッド率が10%となるようにした。な
お表2中の比較試料No.18は本発明の合金No.3
において犠牲陽極材の均質化処理を表記のように変更し
た以外は本発明の試料No.3と全く同様である。ろう
材はJIS4343合金を用い、犠牲陽極材同様金型鋳
造し、面削後、熱間圧延を行い5mm厚とした。すなわ
ち複合材全体に対するクラッド率を10%とした。ろう
材、芯材、犠牲陽極材の3枚をこの順に重ねて、表2に
示す条件で熱間圧延を開始し、厚さ3.5mmの3層の
クラッド材とした。その後冷間圧延により0.29mm
厚とし、340℃×2時間の中間焼鈍を施して最終的に
は厚さ0.25mmまで冷間圧延し、H14材の試料と
した。これらの試料について犠牲陽極材中の平均粒径
0.1〜0.8μmのAl−Mn系金属間化合物数密度
については、精密カッター(ミクロトーム装置)により
圧延方向に垂直方向に薄片を切り出し、透過電子顕微鏡
で測定した。その後、等厚干渉縞で試料膜厚を決定し、
視野範囲中にある金属間化合物のうち、平均粒径が0.
1〜0.8μmのAl−Mn系化合物のものの数密度を
次式によって計算した。
明する。 実施例1 表1に示す組成の犠牲陽極材と芯材の組み合わせ合金1
7種類を金型鋳造により鋳造して、各々両面面削後、犠
牲陽極材は表2に示す条件で均質化処理を施し、熱間圧
延により厚さ5mm、芯材は面削のみで40mmに仕上
げた。すなわち、犠牲陽極材の複合材全体(ろう材も含
む)に対するクラッド率が10%となるようにした。な
お表2中の比較試料No.18は本発明の合金No.3
において犠牲陽極材の均質化処理を表記のように変更し
た以外は本発明の試料No.3と全く同様である。ろう
材はJIS4343合金を用い、犠牲陽極材同様金型鋳
造し、面削後、熱間圧延を行い5mm厚とした。すなわ
ち複合材全体に対するクラッド率を10%とした。ろう
材、芯材、犠牲陽極材の3枚をこの順に重ねて、表2に
示す条件で熱間圧延を開始し、厚さ3.5mmの3層の
クラッド材とした。その後冷間圧延により0.29mm
厚とし、340℃×2時間の中間焼鈍を施して最終的に
は厚さ0.25mmまで冷間圧延し、H14材の試料と
した。これらの試料について犠牲陽極材中の平均粒径
0.1〜0.8μmのAl−Mn系金属間化合物数密度
については、精密カッター(ミクロトーム装置)により
圧延方向に垂直方向に薄片を切り出し、透過電子顕微鏡
で測定した。その後、等厚干渉縞で試料膜厚を決定し、
視野範囲中にある金属間化合物のうち、平均粒径が0.
1〜0.8μmのAl−Mn系化合物のものの数密度を
次式によって計算した。
【0013】
【数1】
【0014】犠牲陽極材の腐食電流値の測定条件は以下
の通りである。照合電極として、標準カロメル電極を使
用し、電解液として3.5%食塩水を用い、温度40℃
で面積1cm2 の試料を掃引速度20mV/min、自
然電位測定時間5分間で測定した。腐食電流値は、この
ようにして得られたアノード、カソード両分極曲線の交
点(図3のA又はB)に相当する電流値である。試料の
耐食性は以下の方法で評価した。本発明複合材試料、比
較合金複合材試料をそれぞれ電縫加工によりチューブ管
とし、これらチューブ管を板厚0.07mmのAl−
0.5%Si−0.2%Cu−1.0%Mn−2.0%
Zn合金からなるコルゲート加工したフィンと板厚1.
2mmのヘッダープレート、およびサイドプレート(4
343ろう材、Al−1.5%Zn犠牲陽極材を各々1
0%ずつクラッドした芯材3003+0.15%Mgか
らなるAl合金複合材)を用いて熱交換器を作製した。
下記2タイプの腐食液による循環腐食試験とチューブ板
犠牲陽極材側へ高速流速液を衝突させるエロージョン試
験を実施し、犠牲陽極材側から発生した最大孔食深さを
測定した。これら結果を表2に示す。
の通りである。照合電極として、標準カロメル電極を使
用し、電解液として3.5%食塩水を用い、温度40℃
で面積1cm2 の試料を掃引速度20mV/min、自
然電位測定時間5分間で測定した。腐食電流値は、この
ようにして得られたアノード、カソード両分極曲線の交
点(図3のA又はB)に相当する電流値である。試料の
耐食性は以下の方法で評価した。本発明複合材試料、比
較合金複合材試料をそれぞれ電縫加工によりチューブ管
とし、これらチューブ管を板厚0.07mmのAl−
0.5%Si−0.2%Cu−1.0%Mn−2.0%
Zn合金からなるコルゲート加工したフィンと板厚1.
2mmのヘッダープレート、およびサイドプレート(4
343ろう材、Al−1.5%Zn犠牲陽極材を各々1
0%ずつクラッドした芯材3003+0.15%Mgか
らなるAl合金複合材)を用いて熱交換器を作製した。
下記2タイプの腐食液による循環腐食試験とチューブ板
犠牲陽極材側へ高速流速液を衝突させるエロージョン試
験を実施し、犠牲陽極材側から発生した最大孔食深さを
測定した。これら結果を表2に示す。
【0015】<腐食試験の液条件> 酸性側過酷試験 液種:水道水+10ppmCuイオン+150ppmC
lイオン;pH3 試験条件:85℃×10時間と室温×14時間のサイク
ル試験を5ケ月行う。 アルカリ性側過酷試験 液種:水道水+200ppmCO3 2- イオン+50pp
mClイオン;pH9 試験条件:85℃×10時間と室温×14時間のサイク
ル試験を5ケ月行う。 耐エロージョン・コロージョン試験 液種:水道水+200ppmCO3 2- イオン+50pp
mClイオン;pH10 条件:試験機液が出るノズル径:2mmφ、ノズルから
試料までの垂直距離:5mm 流速8m/sec.で40℃×1週間の連続試験を行っ
た。
lイオン;pH3 試験条件:85℃×10時間と室温×14時間のサイク
ル試験を5ケ月行う。 アルカリ性側過酷試験 液種:水道水+200ppmCO3 2- イオン+50pp
mClイオン;pH9 試験条件:85℃×10時間と室温×14時間のサイク
ル試験を5ケ月行う。 耐エロージョン・コロージョン試験 液種:水道水+200ppmCO3 2- イオン+50pp
mClイオン;pH10 条件:試験機液が出るノズル径:2mmφ、ノズルから
試料までの垂直距離:5mm 流速8m/sec.で40℃×1週間の連続試験を行っ
た。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】表2から明らかなように、本発明複合材の
試料No.1〜15は酸性環境、アルカリ性環境のいず
れの腐食試験においても孔食深さが80μm以下であ
り、優れた耐食性を確保する。さらに、チューブ内の液
流速が大きい場合でもエロージョン現象の起点となるよ
うな表面の化学的溶解などが抑制されて、結果として最
大孔食深さも70μm以下である。一方、合金組成が本
発明の範囲を外れる比較試料No.16は酸性側および
アルカリ性側試験環境で耐食性が劣り、さらにエロージ
ョン試験でも腐食が顕著に進行し、貫通孔を発生するに
至っている。またAl−Mn系金属間化合物の粒子密度
が低い比較試料No.17でも貫通孔を発生した。以上
から明らかなように、本発明によるAl合金複合材試料
は、酸性側だけでなくアルカリ性側の腐食環境において
も優れた犠牲防食能を確保して長期間にわたり腐食孔食
が進行しない優れた耐食性を得るのである。さらにエロ
ージョンが進行し易い環境でも、犠牲陽極材表面が化学
的に溶解しにくく、耐エロージョン性が大幅に改善され
るなど、従来の問題を解決でき、工業上顕著な効果を奏
するのである。
試料No.1〜15は酸性環境、アルカリ性環境のいず
れの腐食試験においても孔食深さが80μm以下であ
り、優れた耐食性を確保する。さらに、チューブ内の液
流速が大きい場合でもエロージョン現象の起点となるよ
うな表面の化学的溶解などが抑制されて、結果として最
大孔食深さも70μm以下である。一方、合金組成が本
発明の範囲を外れる比較試料No.16は酸性側および
アルカリ性側試験環境で耐食性が劣り、さらにエロージ
ョン試験でも腐食が顕著に進行し、貫通孔を発生するに
至っている。またAl−Mn系金属間化合物の粒子密度
が低い比較試料No.17でも貫通孔を発生した。以上
から明らかなように、本発明によるAl合金複合材試料
は、酸性側だけでなくアルカリ性側の腐食環境において
も優れた犠牲防食能を確保して長期間にわたり腐食孔食
が進行しない優れた耐食性を得るのである。さらにエロ
ージョンが進行し易い環境でも、犠牲陽極材表面が化学
的に溶解しにくく、耐エロージョン性が大幅に改善され
るなど、従来の問題を解決でき、工業上顕著な効果を奏
するのである。
【0019】
【発明の効果】本発明の熱交換器用アルミニウム合金複
合材として犠牲陽極材による防食作用が優れ、熱交換器
の冷媒側からの孔食は深く生長することなく長期の耐孔
食性を示し耐食性が著しく高い熱交換器を製造すること
ができる。
合材として犠牲陽極材による防食作用が優れ、熱交換器
の冷媒側からの孔食は深く生長することなく長期の耐孔
食性を示し耐食性が著しく高い熱交換器を製造すること
ができる。
【図1】(イ)は従来のラジエーターの一例を示す正面
図、(ロ)は(イ)のA−A線断面図である。
図、(ロ)は(イ)のA−A線断面図である。
【図2】犠牲陽極材中のZnの芯材中への拡散状態の説
明図であり、(イ)はろう付け前、(ロ)はろう付け後
を示す。
明図であり、(イ)はろう付け前、(ロ)はろう付け後
を示す。
【図3】本発明の犠牲陽極材の電気化学的測定結果を従
来のものとの比較で示したグラフである。
来のものとの比較で示したグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 Al合金芯材のそれぞれの片面に、Zn
1.0〜6.0%、Mn 0.2〜2.0%(以上%
は重量%を示す。)を含有し、残部Al及びその他不可
避不純物からなるAl合金であって、かつ、平均粒径が
0.1〜0.8μmのAl−Mn系金属間化合物を数密
度2.0×109 個/mm3 以上で含有するAl合金か
らなる犠牲陽極材と、所定量のSiを含有するAl−S
i系合金のろう材とをクラッドしてなることを特徴とす
る熱交換器用アルミニウム合金複合材。 - 【請求項2】 上記の犠牲陽極材のAl合金が、In
0.005〜0.5%、Sn 0.005〜0.5%、
Si 0.02〜1.2%、Ge 0.005〜2.0
%のうち1種または2種以上を含有することを特徴とす
る請求項1記載の熱交換器用アルミニウム合金複合材。 - 【請求項3】 前記犠牲陽極材の腐食電流値が40μA
/cm2 以下であることを特徴とする請求項1又は2記
載の熱交換器用アルミニウム合金複合材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21226697A JPH1161306A (ja) | 1997-08-06 | 1997-08-06 | 熱交換器用アルミニウム合金複合材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21226697A JPH1161306A (ja) | 1997-08-06 | 1997-08-06 | 熱交換器用アルミニウム合金複合材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1161306A true JPH1161306A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=16619744
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21226697A Pending JPH1161306A (ja) | 1997-08-06 | 1997-08-06 | 熱交換器用アルミニウム合金複合材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1161306A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002055256A1 (en) * | 2001-01-16 | 2002-07-18 | Pechiney Rhenalu | Brazing sheet and method |
WO2005028153A1 (ja) | 2003-09-18 | 2005-03-31 | Kobe Alcoa Transportation Products Ltd. | ろう付用アルミニウム合金複合材及びそれを使用した熱交換器 |
WO2007042206A1 (en) * | 2005-10-13 | 2007-04-19 | Aleris Aluminum Koblenz Gmbh | Multi-layered brazing sheet |
EP1799447A2 (en) * | 2004-10-13 | 2007-06-27 | Alcoa Inc. | Recovered high strength multi-layer aluminum brazing sheet products |
JP2011241448A (ja) * | 2010-05-18 | 2011-12-01 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | 耐アルカリ性に優れたアルミニウム合金クラッド材 |
US8501327B2 (en) | 2009-01-22 | 2013-08-06 | Kobe Steel, Ltd. | Aluminum alloy clad sheet for heat exchanger |
JP2014015665A (ja) * | 2012-07-09 | 2014-01-30 | Uacj Corp | アルミニウム合金複合材および熱交換器 |
US8668993B2 (en) | 2009-07-28 | 2014-03-11 | Kobe Steel, Ltd. | Aluminum alloy clad material |
-
1997
- 1997-08-06 JP JP21226697A patent/JPH1161306A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002055256A1 (en) * | 2001-01-16 | 2002-07-18 | Pechiney Rhenalu | Brazing sheet and method |
US6667115B2 (en) | 2001-01-16 | 2003-12-23 | Pechiney Rolled Products | Brazing sheet and method |
WO2005028153A1 (ja) | 2003-09-18 | 2005-03-31 | Kobe Alcoa Transportation Products Ltd. | ろう付用アルミニウム合金複合材及びそれを使用した熱交換器 |
US7387844B2 (en) | 2003-09-18 | 2008-06-17 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Aluminum alloy composite for brazing and heat exchanger including the same |
EP1799447A2 (en) * | 2004-10-13 | 2007-06-27 | Alcoa Inc. | Recovered high strength multi-layer aluminum brazing sheet products |
EP1799447A4 (en) * | 2004-10-13 | 2008-11-12 | Alcoa Inc | ALUMINUM SOLDERING PRODUCTS ALUMINUM MULTILAYER RESTORED HIGH RESISTANCE |
WO2007042206A1 (en) * | 2005-10-13 | 2007-04-19 | Aleris Aluminum Koblenz Gmbh | Multi-layered brazing sheet |
US8501327B2 (en) | 2009-01-22 | 2013-08-06 | Kobe Steel, Ltd. | Aluminum alloy clad sheet for heat exchanger |
US8524377B2 (en) | 2009-01-22 | 2013-09-03 | Kobe Steel, Ltd. | Aluminum alloy clad sheet for heat exchanger |
US8668993B2 (en) | 2009-07-28 | 2014-03-11 | Kobe Steel, Ltd. | Aluminum alloy clad material |
JP2011241448A (ja) * | 2010-05-18 | 2011-12-01 | Furukawa-Sky Aluminum Corp | 耐アルカリ性に優れたアルミニウム合金クラッド材 |
JP2014015665A (ja) * | 2012-07-09 | 2014-01-30 | Uacj Corp | アルミニウム合金複合材および熱交換器 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20040202 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
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|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050802 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051129 |