JP2012225536A - 熱交換器用アルミニウムフィン材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Feを0.05〜0.4質量%含有すると共に、必要に応じてSi、Cu、Tiを所定量含有し、残部をAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム板の表面に皮膜量が100〜1200mg/m2である耐食性皮膜がロールコーターまたはバーコーターで形成され、且つ皮膜欠陥個数密度を300個/mm2以下に制限すると共に、必要に応じて膜厚が1nm〜100nmである下地処理膜を形成し、皮膜量が50mg/m2〜10000mg/m2である親水性樹脂皮膜処理を行い、又は、アルミニウム板の表面における最大長3μm以上の金属間化合物の個数密度を2500個/mm2以下に制限をする。
【選択図】図1
Description
特許文献1で提案された電着皮膜を有するプレコートフィン材の作製方法では、ロールコーターのように大量かつ連続的に作製ができないため生産性面で劣り、昨今の需要増に対応することは困難である。
図1(a)〜(d)に示すように、本発明に係るフィン材は、アルミニウム板(1)と、アルミニウム板(1)の表面にロールコーターまたはバーコーターで形成された耐食性皮膜(3)とを備え、そのアルミニウム板(1)はFeを所定量含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるものである。そして、本発明に係るフィン材は、アルミニウム板(1)上に、皮膜量100〜1200mg/m2であり、皮膜欠陥個数密度が300個/mm2以下である耐食性皮膜(3)を要する。前記アルミニウム板(1)上には下地処理膜(リン酸クロメート処理膜など)(2)または親水性樹脂皮膜(4)が形成されることが好ましい。また、アルミニウム板中の金属間化合物の個数密度が2500個/mm2以下に規定したものが好ましい。好ましくは、Si、Cu、Tiを所定量以下に抑制する。
以下、各構成について説明する。
本発明に用いられる金属板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板材であって、熱伝導性および加工性が優れることから、JIS H4000に規定する合金種1000系のアルミニウムおよびアルミニウム合金が好適に用いられる。本発明では下記の素材成分に規定したアルミニウムが使用される。
以下に、成分数値限定理由について説明する。
Feは、固溶強化による強度向上や耐食性の向上、亜結晶粒の微細化による伸びの向上のために添加する元素である。Fe含有量が0.05質量%未満では、それらの効果が得られない。またFeによるピン止め効果も期待できず結晶粒の粗大化につながり、カラー割れの要因となる。さらにFe含有量が0.05質量%未満では工場において造隗する際は釜洗いが必要となるため生産性が劣るという点や、Al地金価格が高く経済的ではないといった要因もある。一方、Fe含有量が0.4質量%を超えると、金属間化合物が粗大化し、これが耐食性皮膜の皮膜欠陥発生の要因となり耐食性劣化につながる。したがって、Fe含有量は、0.05〜0.4質量%とする。
Siは、不可避的不純物として混入する元素であるが、Si含有量が0.15質量%を超えると、金属間化合物が粗大化し、これが耐食性皮膜の皮膜欠陥発生の要因となり耐食性劣化につながる。したがって、Si含有量は、0.15質量%以下とする。なお、0質量%まで抑制してもよい。
Cuは、固溶強化による強度向上や、亜結晶粒の微細化による伸びの向上、β−Fiberの生成を十分にするために微量添加する元素である。Cu含有量は0.04質量%を超えると、素材の自己耐食性の低下を招く。したがって、Cu含有量は、0.04質量%以下である。なお0質量%まで抑制してもよい。
Tiは、鋳塊組織の微細化のために、微量添加する元素である。Al−Ti−B中間合金として添加しても良い。すなわち、Ti:B=5:1あるいは5:0.2の割合としたAl−Ti−B鋳塊微細化剤を、ワッフルあるいはロッドの形態で溶湯(スラブ凝固前における、溶解炉、介在物フィルター、脱ガス装置、溶湯流量制御装置へ投入された、いずれかの段階での溶湯)へ添加してもよい。Al−Ti−B中間合金はTi量で、0.08質量%までの含有は許容される。Ti含有量が0.01質量%未満では、鋳塊組織微細化の効果が得られない。一方、Ti含有量が0.08質量%を超えると、金属間化合物が粗大化し、これが耐食層の皮膜欠陥発生の要因となり耐食性劣化につながる。したがって、Tiを添加する場合には、Ti含有量は、0.01〜0.08質量%とする。
アルミニウム板の成分は前記の他、残部がAlおよび不可避的不純物からなるものである。なお、不可避的不純物として、前記したSiの他、例えば、地金や中間合金に含まれている、通常知られている範囲内のMn、Cr、Mg、Zn、Ga、V、Ni等は、それぞれ0.02質量%までの含有は許容される。
本発明のアルミニウム板(1)の表面における最大長3μm以上の金属間化合物の個数密度は2500個/mm2以下が好ましい。
アルミニウム板中の金属間化合物の個数密度が2500個/mm2を超えると、耐食性皮膜の皮膜欠陥発生の要因となりフィン材の耐食性劣化につながる。
最大長3μm以上の金属間化合物の個数密度の制御は、アルミニウム板(1)に含まれる各成分の含有量、均質化熱処理条件(温度と時間)により制御できる。
なお、金属間化合物の個数密度は、SEMにより測定する。
強度、熱伝導性および加工性等を考慮して、アルミニウム板は板厚0.08〜0.3mm程度のものが好ましい。
耐食性皮膜(3)は、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂およびアクリル系樹脂のうちの少なくとも1種よりなる耐食性樹脂で形成される。また、前記耐食性樹脂は、主成分がウレタン樹脂やエポキシ樹脂やアクリル樹脂やポリエチレン樹脂であり、ポリエステル系ウレタン樹脂や変性エポキシ樹脂、アクリル・スチレン共重合体樹脂、ウレタン変性ポリエチレン樹脂等の変性樹脂や共重合体樹脂も含む。これにより、アルミニウム板の腐食(酸化)が抑制され、フィン材に耐食性が付与される。例えば、酸性雰囲気などにおける苛酷な多湿環境においても、親水性樹脂皮膜等の他膜を浸透してきた凝縮水がアルミニウム板(1)と接触するのを抑制できる。耐食性皮膜(3)の形成は、例えば、疎水性樹脂の水系溶液をバーコートまたはロールコートにより塗布、焼付けすることによって行われる。
そして、皮膜は複数存在してもよく最表面に親水性樹脂皮膜(4)が形成されていることが望ましい(図1(c)(d))。
さらに耐食性皮膜(3)はフィン材の所望耐食性能および使用皮膜樹脂の性能を考慮して、複数積層形成することが望ましい。
なお、皮膜量は蛍光X線、赤外膜厚計、皮膜剥離による重量測定、またはEPMA(電子プローブ・マイクロアナライザー)等で測定する。
アルミニウム板(1)と耐食性皮膜(3)との間には下地処理膜(2)が形成されていてもよい。下地処理膜(2)は、無機酸化物または有機−無機複合化合物よりなる。無機酸化物としては、主成分としてクロム(Cr)またはジルコニウム(Zr)を含むものが好ましく、例えば、リン酸クロメート処理、リン酸ジルコニウム処理、クロム酸クロメート処理を行うことにより形成されたものである。しかし、本発明においては、耐食性を奏するものであれば、これらに限定されず、例えば、リン酸亜鉛処理、リン酸チタン酸処理を行うことによっても下地処理膜(2)を形成することができる。また、有機−無機複合化合物としては、塗布型クロメート処理または塗布型ジルコニウム処理を行なうことにより形成されたもので、アクリル−ジルコニウム複合体等が挙げられる。
耐食性皮膜(3)の表面には親水性樹脂皮膜(4)が形成されていてもよい。これにより、フィン材に親水性を付与することができる。その結果、凝縮した水分が粗大な水滴となってフィン表面にとどまり、通風抵抗を大きくして熱交換器の熱効率を大幅に低下させることがなくなる。
本発明のフィン材(10)は、フィン作製において、ドローレスプレス成形やコンビネーションプレス成形を行うものであるため、耐力は130N/mm2以上が好ましい。耐力が130N/mm2未満では、強度が不足し、ドローレスプレスやコンビネーションプレス成形の際にカラー割れが多数生じる。したがって、耐力は130N/mm2以上が好ましい。なお、好ましくは130N/mm2超である。また、強度が高過ぎると、ドローレスプレス成形の際にカラー割れが生じやすくなるため、上限値は170N/mm2とすることが好ましい。
フィン材(10)の製造方法は、アルミニウム板製作工程と、表面処理工程とを含むものである。
アルミニウム熱交換器用フィン材に係るアルミニウム板(1)は、鋳塊作製工程と、熱処理工程と、熱間圧延工程と、冷間加工工程と、調質焼鈍工程により製造される。
以下、各工程について説明する。
鋳塊作製工程は、アルミニウム合金を溶解、鋳造してアルミニウム合金鋳塊を作製する工程である。
鋳塊作製工程では、前記した組成を有するアルミニウム合金を溶解した溶湯から、所定形状の鋳塊を作製する。アルミニウム合金を溶解、鋳造する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いればよい。例えば、真空誘導炉を用いて溶解し、連続鋳造法や、半連続鋳造法を用いて鋳造することができる。
熱処理工程は、前記の化学成分を有するアルミニウム合金鋳塊に、450℃〜560℃の温度で1時間〜10時間の熱処理(均質化熱処理)を施す工程である。
熱処理温度が450℃未満では、鋳塊の組織の均質化が不十分となる。また、熱間加工性の低下を招く。一方、熱処理温度が560℃を超えると、加熱中で微細化する微細金属間化合物が粗大化し、亜結晶粒が粗大化して伸びが低下する。また、固溶量の増加を招く。したがって、熱処理温度は、450℃〜560℃とする。好ましくは、480℃〜540℃である。また、熱処理は1時間以上行うことが通常であり、10時間を超えると効果が飽和することから、熱処理時間は1時間〜10時間とする。
熱間圧延工程は、前記熱処理後に、熱間仕上げ圧延の終了温度が250℃以上300℃未満となる条件で熱間圧延を施す工程である。
熱間仕上げ圧延の終了温度が250℃未満では、材料の圧延性が低下し、圧延自体が困難となったり、板厚制御が難しくなったりして、生産性が低下する。一方、300℃以上では、熱延板で再結晶組織となるために、調質焼鈍後に繊維状の同一結晶方位群が生成し、ピアス&バーリング工程時にくびれを生じる。したがって、熱間仕上げ圧延の終了温度は、250℃以上300℃未満とする。より好ましくは、260℃から290℃である。
冷間加工工程は、前記熱間圧延後に、冷間加工率96%以上の冷間加工(冷間圧延)を施す工程である。
熱間圧延終了後、冷間加工を1回、あるいは複数回行なって、フィン材を所望の最終板厚とする。ただし、冷間加工率が96%未満では、調質焼鈍後に亜結晶粒が粗大化し、さらにβ−Fiberの生成が不十分となる。したがって、冷間加工における冷間加工率は、96%以上とする。
この冷間加工工程中において中間焼鈍を行なうと、96%以上の冷間加工率達成が困難となる。このため、冷間加工工程中において中間焼鈍は行なわない。この冷間加工工程中で中間焼鈍を行なった場合の冷間加工率は中間焼鈍後から最終板厚までの間の加工率を指す。
なお、冷間加工率は高いほど好ましいため、上限は特に設けない。
調質焼鈍工程は、前記冷間加工後に、160℃〜250℃の温度で1〜6時間保持する調質焼鈍(仕上げ焼鈍)を施す工程である。
調質焼鈍の温度が160℃未満では、充分な組織の回復効果が得られない。一方、調質焼鈍の温度が250℃を超えると、焼鈍後に再結晶粒を生じ、これを起点に割れが生じる。また、亜結晶粒の微細化が促進されず、さらにβ−Fiberの生成が不十分となる。したがって、調質焼鈍の温度は、160℃〜250℃とする。
フィン材(10)が、下地処理膜(2)、耐食性皮膜(3)および親水性樹脂皮膜(4)を備える場合には、以下のようにして行う。
下地処理膜(2)の形成は、アルミニウム板(1)にリン酸クロメート処理、リン酸ジルコニウム処理等の化成処理液をスプレー等により塗布することで行われる。また、下地処理膜形成の前処理としてアルミニウム板(1)表面の脱脂処理を行うことが好ましい。このアルミニウム板(1)表面の脱脂処理は、アルミニウム板(1)の表面にアルカリ水溶液をスプレー等した後、水洗をするなどして行われる。
耐食性皮膜(3)、親水性樹脂皮膜(4)の形成は、樹脂塗料をバーコーターまたはロールコーターで塗布した後、焼付けすることで行われる。焼付け温度(アルミニウム板の到達温度)は、塗布する樹脂塗料によって、適宜設定するが、一般的に100℃〜300℃の範囲で行う。
まず、以下の方法により、フィン材を作製した。表1に示す組成のアルミニウム合金を溶解、鋳造して鋳塊とし、この鋳塊に面削を施した後に、480℃または540℃で4時間の均質化熱処理を施した。この均質化した鋳塊に、熱間仕上げ圧延の終了温度を270℃となるように制御して熱間圧延を施し、板厚3.0mmの熱間圧延板とした。さらに、前記熱間圧延板にそれぞれ97%程度の冷間加工率で冷間圧延を施して板厚を0.1mmとし、表1に示す温度および保持時間の調質焼鈍を施してアルミニウム板とした。そして、以下の表面処理を行った。アルミニウム板のアルカリ性脱脂液への浸漬により脱脂を5秒間行い、次にリン酸クロメート液に浸漬してリン酸クロメートの皮膜15〜40mg/m2をアルミニウム板表面に形成した。このリン酸クロメート処理板にエポキシ樹脂の耐食性樹脂塗料を表1に示す皮膜量になるようにバーコーターで塗装し260℃で10秒焼付けを行い、最後に水溶性セルロース系樹脂塗料を皮膜量200mg/m2上塗りして230℃で10秒焼付けを行いフィン材(試料1〜31)とした。
アルミニウム板について金属間化合物個数密度を以下の方法で測定した。
EPMA(電子プローブ・マイクロアナライザー)(日本電子製)により観察倍率200倍でフィン材表面の炭素元素での面分析(15kV)を実施した(n=10、平均値を1.0mm2辺りに換算)。前記面分析結果であるマッピング画像において炭素の特性X線強度が皮膜量換算で80mg/m2以下相当である部位を皮膜欠陥部位であると規定した。そして、マッピング画像を基に日本ローパ製ソフトImage−Pro Plus上で画像解析を実施して皮膜欠陥数を測定し、供試材の皮膜欠陥個数密度を算出した。これらマッピング画像と画像解析の一例を図2に示す。なお、前記皮膜欠陥部位に○印をつけて明確化した。
耐力の測定は、フィン材から、引張方向が圧延方向と平行になるようにJIS5号による引張試験片を切り出し、JIS Z 2241による引張試験を実施することで行なうことができる。なお、本実施例および比較例の評価における引張速度は5mm/minで行った。
作製した表面処理フィン材にドローレス成形によりプレス成形を実施し、耐カラー割れ性を評価した。具体的には、プレスを行うにあたり水系プレス油として、出光製のAF2ASを使用した。加工速度200spm、しごき率40%のプレス条件下でポンチ加工を行った。
耐カラー割れ性評価は、プレス成形品計400穴(100個×4列)に対して、カラー部に生じた割れを目視にてカウントすることで評価した。
「割れ数/400×100(%)」を発生率とし、発生率が10%未満を合格(○)とし、10%以上を不合格(×)として表1に示す。
表面処理なしのアルミニウム板についてJIS Z 2371に示された塩水噴霧試験方法のうち、中性塩水噴霧試験を実施し耐食性を評価した。試験時間は500時間とした。
各種試験片のブランク材(腐食試験未実施材)を用意して、リン酸クロム水溶液に溶けだすAl分の重量誤差を測定し、腐食重量減の補正を行った。
表面処理を行ったアルミニウム板から作成したフィン材においても前記塩水噴霧を500時間実施した。供試材の腐食状況を目視によって観察し、腐食面積率に応じて、JIS Z 2371に規定されたレイティングナンバ法によって点数を付した。RtNo9.5以上(◎)、RtNo9.3以上9.5未満(○)、RtNo9以上9.3未満(○△)の以上3つを合格とし、RtNo9未満を不合格(×)として表1に示す。
図3、図4に示すように後述する大きさの熱交換器を作製し、列を越えて互いに隣接する銅管(A)(B)に水50℃を(流量3L/分)流し、それ以外の銅管では何も流さずに熱を逃がした。そして、銅管(A)と同じ列であって銅管(A)に隣接すると共に、隣接する列であって銅管(B)に隣接する銅管(C)の表面温度が30℃に達するまでの時間を測定する。
熱伝導性評価で30℃に達するまでの時間が15秒未満(◎)、15秒以上20秒未満(○)の以上2つを合格とし、20秒以上30秒未満(△)、30秒以上(×)の以上2つを不合格として表1に示す。
測定時の環境は室温23℃、相対湿度50%(通風無し)である。
作成した熱交換器は、7φドローレスでプレスしたアルミフィン10枚を用いて測定した。本発明のアルミニウム板からなるアルミフィンに14mm間隔で銅管を2列で交互に通した。フィンの大きさ:約210mm×約25mm、プレス数:1列10穴×2列、銅管の内径:約7mm、銅管の厚さ:0.25mm、銅管の本数:20本、銅管の長さ:約100mmである。
銅管(A)および銅管(C)の温度測定場所はアルミフィン末端から10mm離れた銅管の表面である。
No.2、No.18、No.19、No.20でも上記と同様に耐食性樹脂が異なるため多少の差異はあるものの、耐食性や熱伝導性は良好である。
ただし熱交換器の熱伝導性や樹脂の熱伝導性理論値はエポキシ≒アクリル>ウレタン>ポリエチレンの順に高い値であった。
No.21〜No.23は本発明の皮膜量の範囲を満たしているため熱伝導性は良好であるが、皮膜欠陥の個数密度が上限値を超えているため、腐食の起点が多く、耐食性に劣った。
2 下地処理膜
3 耐食性皮膜
4 親水性樹脂皮膜
10 フィン材(熱交換器用アルミニウムフィン材)
Claims (7)
- アルミニウム板と、前記アルミニウム板の表面にロールコーターまたはバーコーターで形成された耐食性皮膜とを備える熱交換機用アルミニウムフィン材であって、
前記アルミニウム板は、Fe:0.05〜0.4質量%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、
前記耐食性皮膜は、耐食性樹脂からなりその皮膜量が100〜1200mg/m2であり、皮膜欠陥個数密度が300個/mm2以下である
ことを特徴とする熱交換機用アルミニウムフィン材。 - 前記アルミニウム板は、Si:0.15質量%以下をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
- 前記アルミニウム板は、Cu:0.04質量%以下をさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
- 前記アルミニウム板は、Ti:0.01〜0.08質量%をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
- 前記アルミニウム板は、その表面における最大長3μm以上の金属間化合物の個数密度が2500個/mm2以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
- 前記熱交換器用アルミニウムフィン材は、アルミニウム板と耐食性皮膜との間に下地処理膜をさらに備え、下地処理膜は、無機酸化物または有機―無機複合化合物からなり膜厚が1nm〜100nmであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の熱交換機用アルミニウムフィン材。
- 前記熱交換器用アルミニウムフィン材は、前記耐食性皮膜上に、親水性樹脂皮膜をさらに備え、前記親水性樹脂皮膜は、親水性樹脂を含み、その皮膜量が、50〜10000mg/m2であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の熱交換機用アルミニウムフィン材。
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