JP5192890B2 - 耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管および熱交換器 - Google Patents

耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管および熱交換器 Download PDF

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Description

本発明は、カーエアコンなどの自動車用熱交換器に好適に用いることができる耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管および熱交換器に関する。
従来から、カーエアコンのコンデンサやエバポレータなどの自動車用熱交換器として、複数のヘッダパイプと、これらのヘッダパイプ間に架設された複数の多穴管と、各多穴管に接合されたフィンとを備えたものが知られている。また、このような自動車用熱交換器を構成する多穴管としては、純アルミニウムやアルミニウム合金を押出加工してなるものが用いられている。
また、このような多穴管では、組立性、ろう付け性、熱交換器の強度・耐食性などについて所定の条件を満たすことが要求されている。さらに、このような多穴管は、一般に、幅5〜50mm、高さ1〜5mmの断面形状とされており、所定の寸法精度や表面粗さなどの条件を満たすことが要求されている。
このような条件を満たす多穴管を実現できる材料としては、押出性の良好な純アルミニウムや、少量のCuが含有されたアルミニウム合金などが挙げられ、広く使用されている(例えば、特許文献1)。アルミニウムにCuを添加することで、耐食性が良好なものとなり、強度を向上させることができるとともに、高温での変形抵抗を低減させることができ、押出性を向上させることができる。
また、多穴管の耐食性を向上させる技術として、多穴管の外表面にZn皮膜を形成する方法がある。外表面にZn皮膜の形成された多穴管では、熱交換器の製造時に多穴管とフィンやヘッダパイプなどの他部材とをろう付けする際などの熱処理により、Znが多穴管の内部へと拡散される。Znが内部に拡散された多穴管では、Znの犠牲陽極効果によって局部腐食の進行が抑えられるので、耐食性が向上する。
特開2001−26832号公報
最近、製品コストを低減させるために、高速押出化の要求が高まってきている。しかしながら、Cuの含有されたアルミニウム合金では、高速押出により多穴管を製造した場合に、以下に示すようにして、ピックアップと呼ばれるむしれ状の欠陥が表面に発生する場合があり、問題となっていた。
すなわち、Cuの含有されたアルミニウム合金では、Cuの含有量が多いと、低融点化合物の形成が避けられなくなり、高速押出の押出加工熱によって局部的な溶融が生じてしまう。この局部的な溶融によってアルミ滓が生じ、アルミ滓が押出金型に凝着・堆積することにより、ピックアップを生じさせる。
また、従来の技術では、多穴管を腐食環境下で使用した場合には、短期間で孔食などの局部腐食に起因する貫通孔が形成されてしまう場合があり、耐食性を向上させることが要求されていた。特に、軽量化・薄肉化された多孔管では、比較的早期に貫通孔が形成されてしまうため、問題となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、十分な強度と高い耐食性を有し、高速押出により多穴管を製造した場合でも表面にピックアップの発生しない耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管を提供することを課題としている。
また、本発明は、本発明の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管を用いた、耐食性に優れ、十分な強度を有する熱交換器を提供することを目的とする。
本発明の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管は、質量%でSi:0.01〜0.4%、Fe:0.01〜0.3%、Mn:0.05〜0.7%、Ti:0.05〜0.2%、SiとMnの合計が0.8%以下、不可避不純物としてのCuが0.1%以下に規制されている、残部がAlおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金からなり、マトリックス中に分散している粒子面積1.0μm以上の粒子のうち、AlFeSi安定相の占める面積率が0.1%以上0.5%未満であることを特徴とする。
本発明において、AlFeSi安定相とは、EDX(Energy Dispersive X−ray Spectroscopy)により測定したFe、Si原子濃度の比(=Fe原子濃度/Si原子濃度)が3.5未満であるものを意味する。
また、上記の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管においては、マトリックス中に分散している粒子面積1.0μm以上の粒子のうち、AlFe相の占める面積率が0.3%以下であるものとすることができる。
本発明において、AlFe相とは、EDXにより測定したFe、Si原子濃度の比(=Fe原子濃度/Si原子濃度)が7.0以上のものを意味する。
また、上記の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管においては、外表面にZn溶射皮膜が設けられているものとすることができる。
また、上記の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管においては、外表面にZnフラックス層が設けられているものとすることができる。
また、上記の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管においては、前記Znフラックス層がZnF,ZnCl,KZnFのいずれか1種又は2種以上からなるものとすることができる。
本発明の熱交換器は、上記のいずれかに記載の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管を備えたことを特徴とする。
本発明の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管によれば、十分な強度と高い耐食性を有し、高速押出により多穴管を製造した場合でも表面にピックアップの発生しない優れたものとなる。
また、本発明の熱交換器によれば、耐食性に優れ、十分な強度を有するものとなる。
以下、本発明に係る耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管について例を挙げて詳細に説明する。
図1は、本発明の熱交換器用扁平多穴管の一例を示した斜視図である。図1に示す熱交換器用扁平多穴管1は、複数の冷媒通路穴4を有する断面視偏平状のものであり、外表面にZn溶射皮膜2が設けられている。
図1に示す熱交換器用押出扁平多穴管1は、質量%でSi:0.01〜0.4%、Fe:0.01〜0.3%、Mn:0.05〜0.7%、Ti:0.05〜0.2%、SiとMnの合計が0.8%以下、不可避不純物としてのCuが0.1%以下に規制されている、残部がAlおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金からなり、マトリックス中に分散している粒子面積1.0μm以上の粒子のうち、AlFeSi安定相の占める面積率が0.1%以上0.5%未満であるものである。
[アルミニウム合金の成分組成]
以下に記載する各元素の含有量は、特に規定しない限り質量%である。
「Si」0.01〜0.4%
アルミニウム合金にSiを含有させることにより、マトリックス中にAlFeSi安定相を生じさせることができる。アルミニウム合金にSiを含有させて、AlFeSi安定相を生じさせることにより、マトリックス中にSiが固溶していることに起因するピックアップの発生を抑制できる。また、Siを含有させることにより、強度、耐食性、押出性を向上させることができる。
Siの含有量が0.01%未満であると、マトリックス中にAlFeSi安定相を生じさせる効果が十分に得られず、耐食性を十分に向上させることができない場合がある。また、Siの含有量が0.01%未満であると、強度が不十分となるため好ましくない。また、Siの含有量が0.4%を超えると、低融点化合物が形成されやすくなり、高速押出の押出加工熱に起因するピックアップが生じやすくなる。
「Fe」0.01〜0.3%
アルミニウム合金にFeを含有させることにより、マトリックス中にAlFeSi安定相を生じさせることができる。また、Feは、分散強化によってアルミニウム合金の強度を向上させる一方、粗大な晶出物を生成しやすく、合金の腐食速度を増大させて、耐食性を低下させる虞がある。また、Feを含有させることによって、生成した晶出物が再結晶の核となるため、ろう付時の再結晶粒が微細となり、耐ろう侵食性が低下する場合がある。このため、Feの含有量は、質量%で0.01〜0.3であることが望ましい。Feの含有量を0.01〜0.3とすることにより、耐食性、ろう付性を劣化させることなく、強度を向上させることができる。
「Mn」0.05〜0.7%
本実施形態のアルミニウム合金において、Mnは、強度および耐食性を向上させる作用がある。また、アルミニウム合金に含有されたMnは、Alマトリックスに対して貴であって腐食の原因となるAlFe化合物と反応して、AlFeMnを生成することにより、Alマトリックスに対する貴を低下させて、耐食性を向上させるものである。
Mnの含有量が0.05%未満であると、熱交換器用押出扁平多穴管1の強度および耐食性が不十分となるため好ましくない。また、Mnの含有量が0.7%を越えると、押出時の変形抵抗が上昇して高速押出が困難となる恐れが生じるため好ましくない。また、Mnの含有量が0.3%を越えると、高速押出時にピックアップが生じやすくなる。
「Ti」0.05〜0.2%
本発明を構成するアルミニウム合金において、Tiは、熱交換器用押出扁平多穴管1の強度および耐久性を向上させ、押出装置の金型と熱交換器用押出扁平多穴管1との接触部分の高速押出時における潤滑性を向上させてピックアップの発生を抑制するものである。また、Tiを添加することにより、Al−Ti系化合物を形成でき、押出時の金型クリーニング効果が得られる。さらに、Tiを添加することにより、熱交換器用押出扁平多穴管1を構成する合金組織の扁平化を促すことができ、孔食状の腐食による貫通孔の発生を抑制することができる。
Tiの含有量が0.05%未満であると、熱交換器用押出合金の強度および耐久性を向上させる効果が十分に得られなくなる場合があるため好ましくない。また、Tiの含有量が0.05%未満であると、高速押出時における潤滑性を向上させる効果が十分に得られず、高速押出時におけるピックアップの発生を抑制する効果を向上させることができない恐れがある。また、Tiの含有量が0.2%を越えると、押出時の変形抵抗が上昇して高速押出が困難となる恐れが生じるため好ましくない。さらに、Tiの含有量が0.2%を越えると、粗大なTi化合物が発生しやすく、素材の品質を損なう場合があるため好ましくない。
「Si+Mn」0.8%以下
SiおよびMnは、ともに過剰な添加が高速押出時にピックアップ発生の原因となる。SiとMnの添加量の総和を0.8%以下に規制することで、良好な高速押出性を確保することが出来る。
「Cu」0.1%以下
Cuが上記範囲を超えると、CuがAlの原子格子構造の中に入り込んで、Alを変形し難くするため、高速押出が困難となる。
また、Cuが上記範囲を超えると、以下に示す問題が生じて耐食性を劣化させる場合がある。すなわち、加熱や経時変化によりCuがSiとともに析出して、粒界近傍にCu−Si欠乏相が形成され、粒界腐食が発生する問題が生じる。また、マトリックスの電位が貴になってマトリックスとAlTi粒子との電位差が十分に得られなくなる問題や、熱交換器用押出扁平多穴管1の外表面にZn溶射皮膜を設けた場合に生じるZnによる犠牲陽極効果を阻害する問題などが生じる。
[AlFeSi安定相]
また、本実施形態のアルミニウム合金は、マトリックス中に分散している粒子面積1.0μm以上の粒子のうち、AlFeSi安定相の占める面積率が0.1%以上0.5%未満であるものであり、0.2%以上0.3%以下であることがより好ましい。このようなアルミニウム合金は、マトリックス中のSiがAlFeSi安定相として析出されたものとなる。ここで、マトリックス中に分散している粒子のうち粒子面積1.0μm未満の粒子は、粒子の容量が少ないため、押出時の加熱(予熱、加工熱、摩擦熱)によって、容易にSiの固溶が生じ、効果的にSiをAlFeSi安定相として析出させることができないため、好ましくない。上記面積率が0.1%未満であると、SiをAlFeSi安定相として析出させる効果が十分に得られないため、好ましくない。また、上記面積率を0.5%以上としても、Siを析出させることによる効果が飽和するため、耐食性の向上は見られない。
なお、AlFeSi相にはAlFeSi安定相だけでなく、AlFeSi準安定相もある。AlFeSi準安定相は、粒子面積が1.0μm以上であっても、押出時の加熱によって容易にSiの固溶が生じ、マトリックス中のSi固溶量を向上させてしまうので、本発明の目的達成には不利となる。
ここで、「AlFeSi安定相」とは、EDXにより測定したFe、Si原子濃度の比(=Fe原子濃度/Si原子濃度)が3.5未満であるものを意味する。
また、「AlFeSi準安定相」とは、EDXにより測定したFe、Si原子濃度の比(=Fe原子濃度/Si原子濃度)が3.5〜7.0の範囲であるものを意味する。
また、本実施形態のアルミニウム合金は、マトリックス中に分散している粒子面積1.0μm以上の粒子のうち、AlFe相の占める面積率が0.3%以下であるものとすることが好ましい。AlFe相はSiと結びついていないものであり、AlFe相の占める面積率が0.3%を超えると、AlFeSi安定相の占める割合が少なくなり、AlFe相と結び付くSiが減るので、マトリックス中に固溶されるSiが多くなって、本発明の効果が低下する傾向となり易い。
また、本実施形態の熱交換器用押出扁平多穴管1においては、耐食性を向上させるために、外表面にZn溶射皮膜2が設けられている。Zn溶射皮膜2は、熱交換器用押出扁平多穴管1の軽量化を図るために耐食性を損なわない範囲で薄くすることが好ましい。また、Zn溶射皮膜2は、耐食性のばらつきを少なくするために膜厚が均一であることが好ましい。
また、本実施形態の熱交換器用押出扁平多穴管1は、ろう付用組成物層2の形成される前の熱交換器用押出扁平多穴管1の表面粗さ(Rmax)が、15μm未満であることが好ましい。表面粗さ(Rmax)が、15μm以上であると、熱交換器用押出扁平多穴管1の外表面にZnフラックス(Flux)を塗布する際に塗りムラが生じやすくなる。また、表面粗さ(Rmax)が15μm以上であると、例えば、熱交換器の製造時に熱交換器用押出扁平多穴管をろう付けする場合に、ヘッダーのろうが表面の凹凸溝に導かれて熱交換器用押出扁平多穴管上を流れやすくなるため、エロージョンが発生しやすくなって熱交換器用押出扁平多穴管に貫通孔が発生しやすくなる。
[熱交換器用押出扁平多穴管の製造方法]
次に、本実施形態の熱交換器用押出扁平多穴管1の製造方法について説明する。
本実施形態においては、上記のアルミニウム合金を均質化処理する工程を備え、アルミニウム合金を均質化処理する工程において、第1熱処理と冷却工程と第2熱処理とを順に行なう製造方法を例に挙げて説明する。
「第1熱処理」
第1熱処理においては、上記のアルミニウム合金を560℃〜620℃の範囲の温度、より好ましくは590℃超〜610℃の範囲の温度で1時間〜18時間、より好ましくは3時間〜10時間保持する。
第1熱処理を行なうことで、CuやSiなどの各元素を均一に分布させることができる。
第1熱処理の処理温度が上記範囲よりも低い場合や処理時間が上記範囲よりも短い場合には、Si、Cuなどの元素の分布が不均一となる。また、第1熱処理の処理温度が上記範囲よりも高い場合や処理時間が上記範囲よりも長い場合には、アルミニウム合金の一部が溶解する恐れがあるし、第1熱処理を行なうことによる費用が大きくなり、経済的に不利となる。
「冷却工程」
冷却工程は、第1熱処理の後、第2熱処理の前に、第1熱処理によって高温となったアルミニウム合金を常温とする工程である。
アルミニウム合金中に析出されたTi化合物は、押出装置の金型と熱交換器用押出合金との接触部分の高速押出時における潤滑性を向上させてピックアップの発生を抑制するとともに、金型の磨耗性を向上させる。Ti化合物からなる析出物(サイト)の大きさは、均質化処理における温度が高温であるほど大きく、低温であるほど小さくなり、析出物(サイト)の数は、均質化処理における温度が高温であるほど少なく、低温であるほど多くなる。したがって、冷却工程により、析出物(サイト)の核となる大きさの小さい析出物を多数形成しておくことで、第2熱処理において、冷却工程で形成された小さい析出物を軸としたTi化合物の析出を促進することができる。
冷却工程においては、第1熱処理後のアルミニウム合金を、好ましくは20℃/hr〜100℃/hr、より好ましくは40℃/hr〜60℃/hrの冷却速度で冷却する。冷却速度を20℃/hr未満としても、冷却工程を行うことによるTi化合物からなる析出物の核の形成効果に変化はないし、冷却工程に要する時間が長くなるため好ましくない。また、冷却速度が100℃/hrを超えると、冷却工程を行っても、Ti化合物からなる析出物の核が十分に形成されない恐れがある。
このように、アルミニウム合金を均質化処理する工程において、第1熱処理の後、第2熱処理の前に冷却工程を行った場合、第2熱処理において、冷却工程で形成された小さい析出物にSi、Cu、Mnの結合を促進することができ、大きい析出物を多数形成することができ、より一層、ピックアップの発生を抑制することができるとともに、より一層、金型の磨耗性を向上させることができる。また、第1熱処理の後、第2熱処理の前に冷却工程を行うことにより、AlFeSi相の析出物を効果的に析出させることができる。
「第2熱処理」
第2熱処理は、第1熱処理後のアルミニウム合金を450℃〜520℃の範囲の温度、より好ましくは480℃〜510℃の範囲の温度で2時間超〜18時間、より好ましくは3時間〜10時間保持する。
第2熱処理を行なうことにより、第1熱処理によって一旦固溶したSi、Cu、Mnを前記冷却工程で形成した析出物(サイト)と結合させることで、押出装置の金型と熱交換器用押出合金との接触部分の高速押出時における潤滑性を向上させ、ピックアップの発生を抑制するとともに、金型の磨耗性を向上させることができる。
第2熱処理の処理温度が上記範囲よりも低い場合や処理時間が上記範囲よりも短い場合には、AlFeSi安定相の析出物を十分に析出させることができない恐れや、アルミニウム合金中に析出物を十分に拡散させることができない恐れが生じる。また、第2熱処理の処理温度が上記範囲よりも高い場合は、アルミニウム合金中における元素の拡散が活発となり、アルミニウム合金中の元素が拡散してAlFeSi安定相の析出物が析出されにくくなり、上記範囲よりも処理時間を長くしても、得られる効果は変わらず、むしろ経済的に不利となる。
なお、上述した実施形態では、アルミニウム合金を均質化処理する工程において、第1熱処理と冷却工程と第2熱処理とを順に行なったが、第1熱処理と第2熱処理のみを行なってもよい。この場合においても、十分な強度および耐食性を有し、高速押出により多穴管を製造した場合に表面にピックアップの発生しない多穴管を製造できる。また、冷却工程を行なわない場合、第2熱処理のために常温から所定の温度まで再度加熱する必要がないので、冷却工程を行なう場合と比較して、製造に必要なエネルギーを削減できる。また、冷却工程を行なわない場合、冷却工程を行なう場合と比較して、製造工程を削減できるので、製造効率を向上させることができる。
なお、上記均質化処理における加熱方法や加熱炉の構造等については特に限定されない。また、均質化処理する工程の後のアルミニウム合金を押出すことにより、熱交換器用押出扁平多穴管が得られる。ここでの押出において、押出形状は特に限定されるものではなく、熱交換器の形状等に応じて押出形状が選定される。また、押出方法(方式)については特に限定されるものではなく、押出形状等に合わせて適宜常法の方法を採用することができる。
続いて、得られた熱交換器用押出扁平多穴管の外表面にZn溶射皮膜2を設ける。ここでのZn溶射皮膜2の形成方法は、特に限定されないが、例えば、押出方向に一列に配置された押出加工手段と溶射加工手段とを備え、溶射加工手段が、押出方向における押出加工手段の下流側に配置されている製造装置を用いる方法が挙げられる。具体的には、例えば、押出加工手段から押出された熱交換器用押出扁平多穴管1を、押出加工手段から押出される所定の押出速度で溶射加工手段内を通過させることによって、熱交換器用押出扁平多穴管1の外表面にZn溶射皮膜2を設ける方法を用いることが好ましい。
このようにして得られた熱交換器用押出扁平多穴管1は、必要に応じて所定の条件で外部形状を整える圧延加工を行なってから、例えば、熱媒体を流通させる熱交換器用扁平多穴管などとして用いられる。また、熱交換器の使用場所は、特に限定されるものではないが、自動車用の熱交換器に好適である。また、自動車用の熱交換器として、具体的にはコンデンサ、エバポレータ、インタクーラ等の用途に好適に使用できる。
本実施形態の熱交換器用押出扁平多穴管1は、質量%でSi:0.01〜0.4%、Fe:0.01〜0.3%、Mn:0.05〜0.7%、Ti:0.05〜0.2%、SiとMnの合計が0.8%以下、不可避不純物としてのCuが0.1%以下に規制されている、残部がAlおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金からなり、マトリックス中に分散している粒子面積1.0μm以上の粒子のうち、AlFeSi安定相の占める面積率が0.1%以上0.5%未満であるものであるので、十分な強度と高い耐食性を有し、高速押出により多穴管を製造した場合でも表面にピックアップの発生しない優れたものとなる。
また、本実施形態の熱交換器用押出扁平多穴管1は、マトリックス中に分散している粒子面積1.0μm以上の粒子のうち、AlFeSi安定相の占める面積率が0.1%以上0.5%未満であるので、マトリックス中のSiがAlFeSi安定相として析出されたものとなる。したがって、マトリックス中にSiが固溶していることに起因するピックアップの発生を抑制できる。
また、本実施形態の熱交換器用押出扁平多穴管1において、マトリックス中に分散している粒子面積1.0μm以上の粒子のうち、AlFe相の占める面積率が0.3%以下であるものとした場合、マトリックス中に固溶されたSiが少ないものとなり、マトリックス中にSiが固溶していることに起因するピックアップの発生をより一層効果的に抑制できる。
また、本実施形態の熱交換器用押出扁平多穴管1において、外表面にZn溶射皮膜2が設けられているものとした場合、耐食性をより一層向上させることができる。
また、本実施形態の熱交換器用押出扁平多穴管1は、高速押出可能なものであるから、押出加工手段から押出された熱交換器用押出扁平多穴管1を、押出加工手段から押出す押出速度で溶射加工手段内を通過させることによって、熱交換器用押出扁平多穴管1の外表面にZn溶射皮膜2を設ける場合、押出加工手段から高速で押出された熱交換器用押出扁平多穴管1が、高速で溶射加工手段内を通過することになり、熱交換器用押出扁平多穴管1の外表面に薄く均一なZn溶射皮膜2が形成される。したがって、薄くて均一なZn溶射皮膜2を有し、軽量で均一なZnの犠牲陽極効果による耐食性向上効果が得られる熱交換器用押出扁平多穴管1を高速で製造できる。
また、本実施形態の熱交換器用押出扁平多穴管1は、高速押出可能なものであるから、高速で押し出すことによって押出時の加工熱を大きくすることができるとともに、押出加工手段から溶射加工手段への移動速度を高速とすることができる。したがって、押出加工手段から押出された高温の熱交換器用押出扁平多穴管1を、高温状態を維持したまま溶射加工手段内に侵入させることができ、容易に高温で溶射できる。このため、本実施形態においては、溶射時にZnを熱交換器用押出扁平多穴管1の内部に拡散させることができる。したがって、得られた熱交換器用押出扁平多穴管1は、熱交換器の製造時の熱処理などによってZnを内部に拡散させなくても、Znの犠牲陽極効果による耐食性向上効果が得られるものとなる。その結果、熱交換器の製造時の熱処理温度を低くしたり熱処理時間を短くしたりすることができ、熱交換器の生産性を向上することができる。例えば、熱交換器の製造時に熱交換器用押出扁平多穴管1をろう付けする場合、ろう付け時の熱処理温度を低くすることが可能となり、ろう付けに要する時間を短縮できる。
なお、本発明の熱交換器用押出扁平多穴管は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態においては、外表面にZn溶射皮膜を設けられているものとしたが、Zn溶射皮膜に代えて、外表面にZnフラックス(Flux)層が設けられているものとしてもよい。
Znフラックス層には、Znが少なくとも含まれるが、Znの他に、Znを含まないZn非含有フラックス層が含まれていても良い。Znフラックス層は、ZnF、ZnCl、KZnFのいずれか1種又は2種以上のZn化合物からなるものであることが好ましい。このようなZnフラックス層は、Znフラックスを塗布することより、容易に薄くかつ均一な犠牲陽極層として機能するものとなるため、好ましい。また、Zn非含有フラックス層としては、例えば、LiF,KF,CaF、AlF、SiFなどの弗化物や、前記弗化物の錯化合物であるKAlF、KAlFなどが少なくとも1種以上含まれているものなどが好ましく用いられる。
Znフラックス層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、熱交換器用押出扁平多穴管の外表面に、Znフラックス(Flux)を塗布する方法などが挙げられる。Znフラックスの塗布量は、5g/m以上20g/m以下の範囲であることが好ましい。Znフラックスの塗布量が5g/m未満であると、Zn拡散層の形成が不十分となってZnフラックス層による防食効果が充分に得られない場合がある。また、Znフラックスの塗布量が20g/mを超えると、例えば、熱交換器の製造時に熱交換器用押出扁平多穴管をろう付けする場合に、熱交換器用押出扁平多穴管と他の部品との接合部に過剰のZnが集中して、接合部における腐食速度が速まってしまう場合がある。
本発明の熱交換器用押出扁平多穴管において、外表面にZnフラックス層が設けられているものとした場合、Znフラックス層が犠牲陽極層として機能するので、熱交換器用押出扁平多穴管の耐食性をより一層向上させることができる。
[熱交換器]
図2は、本発明の熱交換器の一例を示した斜視図である。図2に示す熱交換器は、ヘッダーパイプ5と称される左右一対の管体と、ヘッダーパイプ5の間に互いに平行に間隔を空けて設けられた図1に示す熱交換器用扁平多穴管1と、熱交換器用扁平多穴管1、1同士の間に設けられた波形のフィン6とを備えたものである。図2に示す熱交換器においては、各熱交換器用扁平多穴管1の内部空間とヘッダーパイプ5の内部空間とが連通されている。そして、図2に示す熱交換器では、ヘッダーパイプ5の内部空間と各熱交換器用扁平多穴管1の内部空間とに媒体を循環させることにより、フィン6を介して効率良く熱交換ができるようになっている。
図2に示す熱交換器を製造するには、まず、ヘッダーパイプ5を互いに平行に間隔を空けて配置し、ヘッダーパイプ5に対して熱交換器用押出扁平多穴管1を直角に架設する。その後、各熱交換器用押出扁平多穴管1の端部をヘッダーパイプ5の側面に設けられた開口(図示せず)に挿入し、熱交換器用押出扁平多穴管1の間にフィン6を配置することにより、組立体とする。そして、得られた組立体を加熱炉内で加熱して、ろう材により熱交換器用押出扁平多穴管1とヘッダーパイプ5とチューブ1とをろう付け固定することにより熱交換器が得られる。
なお、本発明においては、ろう付けの際の雰囲気や加熱温度、時間などの条件について、特に限定されるものではない。また、ろう付け方法も特に限定されない。
図2に示す熱交換器は、図1に示す熱交換器用扁平多穴管1が用いられたものであるので、耐食性に優れ、十分な強度を有するものとなる。
次に、本発明の実施例および比較例について説明する。
「実施例1〜実施例14、比較例1〜比較例8」
表1に示す成分を含有するアルミニウム合金を鋳造してなるビレットを製作し、このビレットに、表2に示す均質化処理を行なった。そして均質化処理後のビレットを押出し、押出された熱交換器用押出扁平多穴管を表3および表4に示す押出速度でZn溶射量10g/mで溶射加工手段内を通過させ、熱交換器用押出扁平多穴管の外表面にZn溶射皮膜2を設けることにより、図1に示す熱交換器用押出扁平多穴管1を得た。
Figure 0005192890
Figure 0005192890
Figure 0005192890
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このようにして得られた実施例1〜実施例14、比較例1〜比較例7の熱交換器用押出扁平多穴管に対し、所定の条件で外部形状を整える圧延加工を行なった。
次いで、実施例1〜実施例14、比較例1〜比較例7の熱交換器用押出扁平多穴管に対し、600℃で3minのろう付けのための熱処理を行なった後、以下に示す評価を行なった。その結果を表3および表4に示す。
「AlFeSi安定相の面積率」
AlFeSi安定相の面積率は、以下に示すようにして算出した。まず、測定面積1mmの測定視野内に存在する全粒子について、EDX(Energy Dispersive X−ray Spectroscopy)によりFe、Si原子濃度を測定した。そして、FeとSiの原子濃度の比(=Fe原子濃度/Si原子濃度)が3.5未満であることをAlFeSi安定相の判定基準とし、以下の式(1)により、AlFeSi安定相総面積率(%)を算出した。
AlFeSi安定相の面積率(%)=AlFeSi安定相総面積÷測定面積×100・・・(1)
「AlFe相の面積率」
AlFe相の面積率は、以下に示すようにして算出した。まず、AlFeSi安定相の面積率と同様にして、Fe、Si原子濃度を測定した。そして、FeとSiの原子濃度の比(=Fe原子濃度/Si原子濃度)が7.0以上であることをAlFe相の判定基準とし、以下の式(2)により、AlFe相総面積率(%)を算出した。
AlFe相の面積率(%)=AlFe相総面積÷測定面積×100・・・(2)
「押出速度」
比較例1における押出速度を1とした場合の比(倍)を意味する。
「ピックアップ評価」
ピックアップの発生の評価として、表面粗さ(Rmax(μm))を測定した。ピックアップが発生すると、扁平押出多穴管の表面は荒れた外観となり、表面粗さの数値が大きくなる。
「強度」
熱交換器用押出扁平多穴管を長手方向に引張試験機にて引っ張る方法により測定した。
「SWAAT貫通日数」
実施例1〜実施例14、比較例1〜比較例7の熱交換器用押出扁平多穴管と、両面ろうを有するフィンとを組み合わせ、600℃で3minのろう付けのための熱処理を行なうことにより図3に示すコア3(試験体)を作製し、SWAAT(Sea Water Acetic Acid Test、人工海水噴霧試験)評価を行なった。図3において、符号10、20は熱交換器用押出扁平多穴管を示し、符号30はフィンを示している。
試験方法は、ASTM(G85−85)規格に則り、以下の条件で(1)および(2)を2サイクル行い実施した。
(1)人工海水(pH=3)噴霧:50℃、0.5時間
(2)湿潤:50℃、1.5時間
表3に示すように、実施例1〜実施例14では、いずれも60(MPa)以上の十分な強度が得られ、SWAAT貫通日数が30日を超える高い耐食性を有し、押出速度が1.5〜1.8倍と高速であっても、表面粗さ(ピックアップ)が15μm以下になることが確認できた。
表3に示すように、マトリックス中に分散している粒子面積1.0μm以上の粒子のうち、AlFe相の占める面積率が0.3%以下である実施例2以外では、いずれもAlFe相の占める面積率が0.3%を超える実施例2と比較して、より一層高い耐食性を有することが確認できた。
また、表4に示すように、比較例1では、Mnの添加量が少なすぎるため、強度が60MPa未満と低く、強度が不十分であった。
また、比較例2〜比較例4では、SiとMnの合計が0.8%を超えているので、強度は高いが、表面粗さが大きかった。
また、比較例5では、Cuの含有量が0.1%を超えているので、強度は高いが、表面粗さが大きかった。
また、比較例6および比較例7では、AlFeSi安定相の占める面積率が0.1%未満であるため、SWAAT貫通日数が少なく、耐食性が不十分であった。
「実施例15〜実施例28、比較例8〜比較例14」
表1に示す成分を含有するアルミニウム合金を鋳造してなるビレットを製作し、このビレットに、表2に示す均質化処理を行なった。そして均質化処理後のビレットを表5および表6に示す押出速度で押出すことにより、熱交換器用押出扁平多穴管を得た。
Figure 0005192890
Figure 0005192890
このようにして得られた実施例15〜実施例28、比較例8〜比較例14の熱交換器用押出扁平多穴管に対し、所定の条件で外部形状を整える圧延加工を行なった。
次いで、実施例15〜実施例28、比較例8〜比較例14の熱交換器用押出扁平多穴管に対し、Znフラックス(KZnF)を8g/m塗布して、Znフラックス層を設けた。その後、600℃で3minのろう付けのための熱処理を行ない、実施例1と同様にして、「AlFeSi安定相の面積率」「AlFe相の面積率」「押出速度」「ピックアップ評価」「強度」「SWAAT貫通日数」の評価を行なった。その結果を表5および表6に示す。
表5に示すように、実施例15〜実施例28では、いずれも60(MPa)以上の十分な強度が得られ、SWAAT貫通日数が30日を超える高い耐食性を有し、押出速度が1.5〜1.8倍と高速であっても、表面粗さ(ピックアップ)が15μm以下になることが確認できた。
表5に示すように、マトリックス中に分散している粒子面積1.0μm以上の粒子のうち、AlFe相の占める面積率が0.3%以下である実施例16以外では、いずれもAlFe相の占める面積率が0.3%を超える実施例16と比較して、より一層高い耐食性を有することが確認できた。
また、表6に示すように、比較例8では、Mnの添加量が少なすぎるため、強度が60MPa未満と低く、強度が不十分であった。
また、比較例9〜比較例11では、SiとMnの合計が0.8%を超えているので、強度は高いが、表面粗さが大きかった。
また、比較例12では、Cuの含有量が0.1%を超えているので、強度は高いが、表面粗さが大きかった。
また、比較例13および比較例14では、AlFeSi安定相の占める面積率が0.1%未満であるため、SWAAT貫通日数が少なく、耐食性が不十分であった。
図1は本発明の熱交換器用扁平多穴管の一例を示した斜視図である。 図2は本発明の熱交換器の一例を示した斜視図である。 図3はSWAAT貫通日数の評価を行なうための試験体を示した断面図である。
符号の説明
1、10、20…熱交換器用押出扁平多穴管、2…Zn溶射皮膜、3…コア、4…媒体通路用穴、5…ヘッダーパイプ、6…フィン。

Claims (6)

  1. 質量%でSi:0.01〜0.4%、Fe:0.01〜0.3%、Mn:0.05〜0.7%、Ti:0.05〜0.2%、SiとMnの合計が0.8%以下、不可避不純物としてのCuが0.1%以下に規制されている、残部がAlおよび不可避不純物からなるアルミニウム合金からなり、
    マトリックス中に分散している粒子面積1.0μm以上の粒子のうち、AlFeSi安定相の占める面積率が0.1%以上0.5%未満であることを特徴とする耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管。
  2. マトリックス中に分散している粒子面積1.0μm以上の粒子のうち、AlFe相の占める面積率が0.3%以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管。
  3. 外表面にZn溶射皮膜が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管。
  4. 外表面にZnフラックス層が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管。
  5. 前記Znフラックス層がZnF,ZnCl,KZnFのいずれか1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項4に記載の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の耐食性に優れた熱交換器用押出扁平多穴管を備えたことを特徴とする熱交換器。
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