JP5188116B2 - 高強度アルミニウム合金ブレージングシートおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
ろう付を用いて製造するアルミニウム合金製熱交換器は、主に放熱を担うコルゲート成形したフィンと、冷却水や冷媒を循環させるためのチューブとで構成される。チューブが破壊することで貫通すれば、内部を循環している冷却水や冷媒の漏洩が生じる。そのため、製品寿命を向上させるために、ろう付後の強度に優れたアルミニウム合金ブレージングシートが必要不可欠とされている。
しかしながら、JIS3003合金心材を使用したクラッド材のろう付け後強度は110MPa(110N/mm2)程度であり、強度が不十分である。
すなわち本発明は、
(1)心材の片面または両面にAl−Si系ろう材をクラッドしたアルミニウム合金ブレージングシートであって、前記心材が、Si:0.3〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.05〜0.4%、Cu:0.3〜1.2%、Mn:0.3〜1.8%、Mg:0.05〜0.6%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物からなり、ろう付後の金属組織は、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度が10個/μm2以下であるAl合金であり、心材はろう材と共に組み合わせ、この組み合わせ材を熱間圧延の開始温度を480℃以下、熱間圧延の終了温度を280℃以下として熱間圧延することによりクラッド材を作製したことを特徴とする高強度アルミニウム合金ブレージングシート、
(但し、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度は、心材のL−LT面(圧延方向(L方向)と、圧延面に対して平行でL方向に対して垂直な方向(LT方向)で形成される面)を研磨で面出し、心材の透過型電子顕微鏡(TEM)観察を以下のように行うことで調べた。等厚干渉縞から観察部の膜厚を測定し、膜厚が0.1〜0.3μmの箇所でのみTEM観察を行い、TEM写真を画像解析することで、ろう付後の金属間化合物の密度であり、この金属間化合物の密度は、10視野についての値の平均値をとる。)
(2)心材の片面にAl−Si系ろう材をクラッドし、心材の他方の面には犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム合金ブレージングシートであって、前記心材が、Si:0.3〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.05〜0.4%、Cu:0.3〜1.2%、Mn:0.3〜1.8%、Mg:0.05〜0.6%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物からなり、ろう付後の金属組織は、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度が10個/μm2以下であるAl合金であり、前記犠牲陽極材が、Zn:2.0〜6.0%を含有し、さらにSi:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜1.8%、Ti:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物からなるAl合金であり、心材、犠牲陽極材は、ろう材と共に組み合わせ、この組み合わせ材を熱間圧延の開始温度を480℃以下、熱間圧延の終了温度を280℃以下として熱間圧延することによりクラッド材を作製したことを特徴とする高強度アルミニウム合金ブレージングシートことを特徴とする高強度アルミニウム合金ブレージングシート、
(但し、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度は、心材のL−LT面(圧延方向(L方向)と、圧延面に対して平行でL方向に対して垂直な方向(LT方向)で形成される面)を研磨で面出し、心材の透過型電子顕微鏡(TEM)観察を以下のように行うことで調べた。等厚干渉縞から観察部の膜厚を測定し、膜厚が0.1〜0.3μmの箇所でのみTEM観察を行い、TEM写真を画像解析することで、ろう付後の金属間化合物の密度であり、この金属間化合物の密度は、10視野についての値の平均値をとる。)
(3)心材の片面または両面にAl−Si系ろう材をクラッドしたアルミニウム合金ブレージングシートの製造方法であって、前記心材を、Si:0.3〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.05〜0.4%、Cu:0.3〜1.2%、Mn:0.3〜1.8%、Mg:0.05〜0.6%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物からなり、ろう付後の金属組織が、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度が10個/μm2以下であるAl合金とし、熱間圧延の開始温度を480℃以下とし、熱間圧延の終了温度を280℃以下とすることを特徴とする高強度アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法、
(但し、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度は、心材のL−LT面(圧延方向(L方向)と、圧延面に対して平行でL方向に対して垂直な方向(LT方向)で形成される面)を研磨で面出し、心材の透過型電子顕微鏡(TEM)観察を以下のように行うことで調べた。等厚干渉縞から観察部の膜厚を測定し、膜厚が0.1〜0.3μmの箇所でのみTEM観察を行い、TEM写真を画像解析することで、ろう付後の金属間化合物の密度であり、この金属間化合物の密度は、10視野についての値の平均値をとる。)
(4)心材の片面にAl−Si系ろう材をクラッドし、心材の他方の面には犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム合金ブレージングシートの製造方法であって、前記心材を、Si:0.3〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.05〜0.4%、Cu:0.3〜1.2%、Mn:0.3〜1.8%、Mg:0.05〜0.6%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物からなり、ろう付後の金属組織が、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度が10個/μm2以下であるAl合金とし、前記犠牲陽極材を、Zn:2.0〜6.0%を含有し、さらにSi:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜1.8%、Ti:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物からなるAl合金とし、熱間圧延の開始温度を480℃以下とし、熱間圧延の終了温度を280℃以下とすることを特徴とする高強度アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法、
(但し、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度は、心材のL−LT面(圧延方向(L方向)と、圧延面に対して平行でL方向に対して垂直な方向(LT方向)で形成される面)を研磨で面出し、心材の透過型電子顕微鏡(TEM)観察を以下のように行うことで調べた。等厚干渉縞から観察部の膜厚を測定し、膜厚が0.1〜0.3μmの箇所でのみTEM観察を行い、TEM写真を画像解析することで、ろう付後の金属間化合物の密度であり、この金属間化合物の密度は、10視野についての値の平均値をとる。)
(5)(3)又は(4)に記載のアルミニウム合金ブレージングシートの製造方法において、さらに前記熱間圧延工程の後に、少なくとも1回の焼鈍を行う工程を含み、その焼鈍条件は250〜330℃の温度で1時間以上保持を行うことを特徴とする高強度アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法、
を提供するものである。
Siは、Fe、MnとともにAl−Fe−Mn−Si系の化合物を形成し、分散強化として作用し、或いはマトリクスに固溶して固溶強化により強度を向上させる。また、Mgと反応してMg2Si化合物を形成することで強度が向上する。Siの含有量は、0.3〜1.2%(組成の%は質量%を表す、以下同じ)の範囲であり、0.3%未満ではその効果が小さく、1.2%を超えると心材の融点が低下し、溶融が起こる可能性が高くなる。好ましくは、0.5〜1.0%である。
Feは、再結晶核となり得るサイズの金属間化合物を作りやすい。ろう付後の結晶粒径を粗大にしてろう拡散を抑制するためには、Feの含有量は、0.05〜0.4%であり、0.05%未満では高純度アルミニウム地金を使用しなければならずコスト高となり、0.4%を超えるとろう付後の結晶粒径が微細となり、ろう拡散が生じる恐れがある。好ましくは、0.1〜0.2%である。
Cuは、固溶強化により強度を向上させ、また電位を貴にして犠牲陽極材、フィン材との電位差を大きくし、犠牲陽極効果による防食効果を向上させる。Cuの含有量は、0.3〜1.2%の範囲であり、0.3%未満ではその効果が小さく、1.2%を超えると粒界腐食が発生する可能性が高くなる。好ましくは、0.3〜1.0%である。
Mnは、強度とろう付性、耐食性を向上させ、また電位を貴にする効果がある。Mnの含有量は、0.3〜1.8%であり、0.3%未満ではその効果が小さく、1.8%を超えると鋳造時に巨大金属間化合物が形成されやすくなり、塑性加工性を低下させる。好ましくは、0.5〜1.5%である。
Mgは、Mg2Si析出による強度向上に効果がある。Mgの含有量は、0.05〜0.6%であり、0.05%未満ではその効果が小さく、0.6%を超えるとろう付性が低下する。好ましくは、0.15〜0.4%である。
Tiは、固溶強化により強度を向上させ、また耐食性の向上が図れる。好ましい含有量は、0.02〜0.3%であり、0.02%未満ではその効果は得られず、0.3%を超えると巨大金属間化合物を形成しやすくなり、塑性加工性を低下させる。より好ましくは、0.1〜0.2%である。
Zrは、固溶強化により強度を向上させ、またAl−Zr系の微細化合物が析出し、ろう付後の結晶粒粗大化に作用する。好ましい含有量は、0.02〜0.3%であり、0.02%未満ではその効果は得られず、0.3%を超えると巨大金属間化合物を形成しやすくなり、塑性加工性を低下させる。より好ましくは、0.1〜0.2%である。
Crは、固溶強化により強度を向上させ、また耐食性の向上が図れる。好ましい含有量は、0.02〜0.3%であり、0.02%未満ではその効果は得られず、0.3%を超えると巨大金属間化合物を形成しやすくなり、塑性加工性を低下させる。より好ましくは、0.1〜0.2%である。
Vは、固溶強化により強度を向上させ、また耐食性の向上が図れる。好ましい含有量は、0.02〜0.3%であり、0.02%未満ではその効果は得られず、0.3%を超えると巨大金属間化合物を形成しやすくなり、塑性加工性を低下させる。より好ましくは、0.1〜0.2%である。
Znは、電位を卑にすることができ、心材との電位差を形成することで犠牲陽極効果により耐食性を向上できる。Znの含有量は、1.0〜6.0%であり、1.0%未満ではその効果が十分ではなく、6.0%を超えると、腐食速度が速くなり早期に犠牲陽極材が消失し、耐食性が低下する。好ましくは、2.0〜5.0%である。
Siは、Fe、MnとともにAl−Fe―Mn−Si系の化合物を形成し、分散強化として作用し、或いはマトリクスに固溶して固溶強化により強度を向上させる。また、ろう付時に心材から拡散してくるMgと反応してMg2Si化合物を形成することで強度が向上する。好ましいSi含有量は、1.0%以下である。1.0%を超えると犠牲陽極材の融点が低下し、溶融が起こる可能性が高くなる。また犠牲陽極材の電位を貴にするため、犠牲陽極効果を阻害し、耐食性が低下する。より好ましくは、0.8%以下である。0.05%未満では、強度向上が不十分である。
Mnは、強度と耐食性を向上させる。好ましい含有量は、1.8%以下である。1.8%を超えると鋳造時に巨大金属間化合物が形成されやすくなり、塑性加工性を低下させる。また犠牲陽極材の電位を貴にするため、犠牲陽極効果を阻害し、耐食性が低下する。より好ましくは、1.5%以下である。0.05%未満では、強度向上が不十分である。
Tiは、固溶強化により強度を向上させ、また耐食性の向上が図れる。好ましい含有量は、0.02〜0.3%以下である。0.3%を超えると巨大金属間化合物を形成しやすくなり、塑性加工性を低下させる。より好ましくは、0.1〜0.2%である。
Vは、固溶強化により強度を向上させ、また耐食性の向上が図れる。好ましい含有量は、0.02〜0.3%であり、0.02%未満ではその効果は得られず、0.3%を超えると巨大金属間化合物を形成しやすくなり、塑性加工性を低下させる。より好ましくは、0.1〜0.2%である。
これら、Si、Mn、Ti、Vは、必要により犠牲陽極材中に少なくとも1種が添加されるものである。
なお、犠牲陽極材中には、不可避的不純物として0.05〜0.2%程度のFeが含有されていてもかまわない。
ろう材は通常使用されているAl−Si系合金ろう材を使用することができ、特に制限されるものではなく、例えば、JIS4343、4045、4047合金(Al−7〜13wt%Si)が好ましい。
本発明のアルミニウム合金ブレージングシートは、上記記載の合金からなる心材の片面または両面にAl−Si系ろう材をクラッドし、或いは、心材の片面にAl−Si系ろう材をクラッドし、心材の他方の面には犠牲陽極材をクラッドすることで製造される。
表1、2に示す金属成分および組成をもつ心材、犠牲陽極材合金をそれぞれDC鋳造により鋳造して各々両面を面削して仕上げた。ろう材には、JIS4045合金を用い、ろう材、犠牲陽極材を熱間圧延によりそれぞれ所望の厚さまで圧延した。これらの合金材をろう材−心材−犠牲陽極材の組み合わせで表3に示すように組み合わせて、その際のろう材、犠牲陽極材のクラッド率を全て15%とし、表3に示す条件で熱間圧延を行い、3.5mmの3層クラッド材とした。その後、表3に示す条件の焼鈍を含む工程で板材を製造し、板厚0.25mmの板材とした。ここで、試験材No.1〜16、19〜21については、熱間圧延終了後に冷間圧延を行い、その後表3に示した条件で中間焼鈍を行い、最終冷間圧延を行って最終板厚の0.25mmとした。試験材No.17は、熱間圧延終了後に冷間圧延を行い最終板厚の0.25mmとした後、表3に示した条件で最終焼鈍を行った。試験材No.18は、熱間圧延終了後に冷間圧延を行い、その後表3に示した条件で中間焼鈍を行い、最終冷間圧延を行って最終板厚の0.25mmとし、さらに最終焼鈍として表3に示した条件で2回目の焼鈍を行った。
次に、前記作製した板材の一部を供試材とし、供試材のろう付後の金属間化合物の密度、およびろう付後強度、ろう付性の評価を下記に示す方法で行い、それらの結果を表4に示した。
600℃×3分のろう付加熱後、心材のL−LT面を研磨で面出しし、心材の透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行うことで調べた。具体的には、等厚干渉縞から観察部の膜厚を測定し、膜厚が0.1〜0.3μmの箇所でのみTEM観察を行った。各サンプル10視野ずつ観察を行い、それぞれの視野のTEM写真を画像解析することで、ろう付後の粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度を求めた。表記したろう付後の金属間化合物の密度は、各10視野より求めた値の平均値とした。
(2)ろう付後の引張強度:
600℃×3分のろう付加熱後、200℃/minの冷却速度で冷却し、その後室温で1週間放置した。このサンプルを引張速度10mm/min、ゲージ長50mmの条件で、JIS Z2241に従って、常温にて引張試験を実施した。
(3)フィン接合率:
JIS 3003合金に1.5%のZnを添加した合金のフィン材をコルゲート成形し、供試材のろう材面とあわせた後、これを5%のフッ化物フラックス懸濁液中に浸漬し、200℃で乾燥後に600℃×3分のノコロックろう付加熱を行った。この試験コアのフィンの全山数に対する接合したフィンの山数の割合をフィン接合率とした。フィン接合率が95%以上のものはろう付性が良好「○」、95%未満のものはろう付性が不十分「×」とした。
(4)耐エロージョン性:
上記と同様の条件で試験コアを作製後、断面ミクロ観察を行い、エロージョン発生の有無を確認した。エロージョン無しは「○」、エロージョン有りは「×」とした。
(5)外部耐食性評価:
上記と同様の条件で試験コアを作製後、犠牲陽極材側をシールし、CASS試験(JIS H8681)500hを実施し、最大孔食深さを測定した。
(6)内部耐食性評価:
引張試験試料と同様、600℃×3分のろう付加熱を行った後、ろう材側をシールし、Cl−500ppm、SO4 2−100ppm、Cu2+10ppmを含む88℃の高温水中で8h、室温放置で16hのサイクル浸漬試験を3ヶ月実施し、最大孔食深さを測定した。
また、焼鈍条件をさらに規定した試験材No.16、17、18は同一組成の試験材No.1と比較して、より化合物密度が低下し、ろう付け後強度も向上している。
それに対して、比較例である試験材No.8、9、19、20、21は、ろう付後の引張強さが180N/mm2未満であり、本発明例よりも低かった。試験材No.8、9、10については、フィン接合率の低下、或いはエロージョンの発生により、ろう付性が低下した。試験材No.8、11、12については、外側もしくは内側で貫通腐食が生じた。試験材No.8、9、11、12については、心材或いは犠牲材において鋳造時に巨大金属間化合物が生成した。
Claims (5)
- 心材の片面または両面にAl−Si系ろう材をクラッドしたアルミニウム合金ブレージングシートであって、前記心材が、Si:0.3〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.05〜0.4%、Cu:0.3〜1.2%、Mn:0.3〜1.8%、Mg:0.05〜0.6%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物からなり、ろう付後の金属組織は、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度が10個/μm2以下であるAl合金であり、心材はろう材と共に組み合わせ、この組み合わせ材を熱間圧延の開始温度を480℃以下、熱間圧延の終了温度を280℃以下として熱間圧延することによりクラッド材を作製したことを特徴とする高強度アルミニウム合金ブレージングシート。
(但し、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度は、心材のL−LT面(圧延方向(L方向)と、圧延面に対して平行でL方向に対して垂直な方向(LT方向)で形成される面)を研磨で面出し、心材の透過型電子顕微鏡(TEM)観察を以下のように行うことで調べた。等厚干渉縞から観察部の膜厚を測定し、膜厚が0.1〜0.3μmの箇所でのみTEM観察を行い、TEM写真を画像解析することで、ろう付後の金属間化合物の密度であり、この金属間化合物の密度は、10視野についての値の平均値をとる。) - 心材の片面にAl−Si系ろう材をクラッドし、心材の他方の面には犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム合金ブレージングシートであって、前記心材が、Si:0.3〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.05〜0.4%、Cu:0.3〜1.2%、Mn:0.3〜1.8%、Mg:0.05〜0.6%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物からなり、ろう付後の金属組織は、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度が10個/μm2以下であるAl合金であり、前記犠牲陽極材が、Zn:2.0〜6.0%を含有し、さらにSi:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜1.8%、Ti:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物からなるAl合金であり、心材、犠牲陽極材は、ろう材と共に組み合わせ、この組み合わせ材を熱間圧延の開始温度を480℃以下、熱間圧延の終了温度を280℃以下として熱間圧延することによりクラッド材を作製したことを特徴とする高強度アルミニウム合金ブレージングシート。
(但し、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度は、心材のL−LT面(圧延方向(L方向)と、圧延面に対して平行でL方向に対して垂直な方向(LT方向)で形成される面)を研磨で面出し、心材の透過型電子顕微鏡(TEM)観察を以下のように行うことで調べた。等厚干渉縞から観察部の膜厚を測定し、膜厚が0.1〜0.3μmの箇所でのみTEM観察を行い、TEM写真を画像解析することで、ろう付後の金属間化合物の密度であり、この金属間化合物の密度は、10視野についての値の平均値をとる。) - 心材の片面または両面にAl−Si系ろう材をクラッドしたアルミニウム合金ブレージングシートの製造方法であって、前記心材を、Si:0.3〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.05〜0.4%、Cu:0.3〜1.2%、Mn:0.3〜1.8%、Mg:0.05〜0.6%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物からなり、ろう付後の金属組織が、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度が10個/μm2以下であるAl合金とし、熱間圧延の開始温度を480℃以下とし、熱間圧延の終了温度を280℃以下とすることを特徴とする高強度アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法。
(但し、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度は、心材のL−LT面(圧延方向(L方向)と、圧延面に対して平行でL方向に対して垂直な方向(LT方向)で形成される面)を研磨で面出し、心材の透過型電子顕微鏡(TEM)観察を以下のように行うことで調べた。等厚干渉縞から観察部の膜厚を測定し、膜厚が0.1〜0.3μmの箇所でのみTEM観察を行い、TEM写真を画像解析することで、ろう付後の金属間化合物の密度であり、この金属間化合物の密度は、10視野についての値の平均値をとる。) - 心材の片面にAl−Si系ろう材をクラッドし、心材の他方の面には犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム合金ブレージングシートの製造方法であって、前記心材を、Si:0.3〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.05〜0.4%、Cu:0.3〜1.2%、Mn:0.3〜1.8%、Mg:0.05〜0.6%を含有し、さらにTi:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%、Cr:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物からなり、ろう付後の金属組織が、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度が10個/μm2以下であるAl合金とし、前記犠牲陽極材を、Zn:2.0〜6.0%を含有し、さらにSi:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜1.8%、Ti:0.02〜0.3%、V:0.02〜0.3%のうち1種以上を含有し、残部Alと不可避的不純物からなるAl合金とし、熱間圧延の開始温度を480℃以下とし、熱間圧延の終了温度を280℃以下とすることを特徴とする高強度アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法。
(但し、粒径0.1μm以上の金属間化合物の密度は、心材のL−LT面(圧延方向(L方向)と、圧延面に対して平行でL方向に対して垂直な方向(LT方向)で形成される面)を研磨で面出し、心材の透過型電子顕微鏡(TEM)観察を以下のように行うことで調べた。等厚干渉縞から観察部の膜厚を測定し、膜厚が0.1〜0.3μmの箇所でのみTEM観察を行い、TEM写真を画像解析することで、ろう付後の金属間化合物の密度であり、この金属間化合物の密度は、10視野についての値の平均値をとる。) - 請求項3又は4に記載のアルミニウム合金ブレージングシートの製造方法において、さらに前記熱間圧延工程の後に、少なくとも1回の焼鈍を行う工程を含み、その焼鈍条件は250〜330℃の温度で1時間以上保持を行うことを特徴とする高強度アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法。
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