JPS5831210Y2 - 変速操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトラクタ等における変速操作装置に関し、１本
の変速レバーにより２個の変速機構を組合わせて変速可
能にすると共に、その変速時の変速レバーの作動範囲を
少なくすることを目的としたものであって、その特徴と
するところは、各変速機構に連動する一対の係合体を対
向状に配置し、この各係合体に対して択一的に係合する
変速レバーを設けて成る変速操作装置にかいて、一対の
係合体の内、一方の係合体は他方の係合体を変速動作さ
せた時に変速レバーと係合可能に２個の係合凹部を有し
、その一方の係合凹部を深く形成した点にある。

以下、図示の実施例について本考案を詳述するが、図面
は農用トラクタのＰＴＯ変速装置及びその変速操作装置
を例示するものであり、これに限定されるものではない
。

第１図及び第２図において、１はトラクタ機体で、第Ｉ
及び第２′ケース２，３等のミッションケースを構造体
として成る。

４はＰＴＯ伝動軸、５はＰＴＯ軸で、これらはケース２
，３の最下部において前後に配置されている。

６はＰＴＯ伝動軸４とＰＴＯ軸５との間に配置された中
継軸であり、γはその上方に配置された回転軸であって
、これらはボール軸受を介してギヤーケース８に回転自
在に支持され、またそのギヤーケース８は第２ケース３
の中間壁９前面に取付けられている。

中継軸６上には第１と第２遊転ギヤー１０，１１が遊転
自在に套嵌されると共に、その遊転ギヤー１０゜１１間
に固定ギヤー１２が一体回転可能に設けられており、ま
た回転軸γ側には各ギヤー１０゜１１．１２と常時咬合
する第１乃至第３ギヤー７３．１４，１５が夫々一体回
転可能に設けられている。

１６は第１クラッチ体で、ＰＴＯ伝動軸４後端の咬合部
１γを中継軸６前端の咬合部１８と第１遊転ギヤー１０
の咬合部１９とに対して選択結合するためのものであっ
て、第１シフトフオーク２０により前後摺動自在とされ
る。

２１は第２クラッチ体で、ＰＴＯ軸５軸端前端合部２２
を中継軸６後端の咬合部２３と第２遊転ギヤー１１の咬
合部２４とに対して選択結合するためのものであり、こ
の第２クラッチ体２１は第２゛シフトフオーク２５によ
り前後摺動自在である。

各シフトフォーク２０．２５は第１及び第２フォークロ
ッド２６，２７０後端部に溶接で固設されており、また
その第１フオークロツド２６は第１ケース２に形成され
た中間壁２８，２９．第２フオークロツド２７はギヤー
ケース８により夫々前後摺動自在に保持され、かつ図板
の位置決め機構により位置決め可能とされている。

なお第２フオークロツド２Ｔは、従来、その全長に軟質
化処理を施して、第２シフトフオーク２５を溶接する際
の溶接歪みを吸収するようにしていたが、この実施例で
は後端部分のみに軟質化処理を施し、位置決め用周溝か
ら後部で溶接歪みを吸収するようにしている。

このフォークロッド２６，２７としては引抜棒等が使わ
れている。

各フォークロッド２６．２７は前端部の係合部３０．３
１に係合する第１及び第２フォークレバー３２．３３に
より操作可能であり、その各フォークレバー３２，３３
は第１及び第２シフトロッド３４，３５に固設されてい
る。

３６は変速台で、第１ケース２上に装着されており、こ
の変速台３６には第３図に示す如く各シフトロッド３４
，３５が前後摺動自在に並設されている。

第１フオークレバー３２の上端には第１係合体３７が一
体に設けられ、これに対向する第２係合体３８は第２シ
フトロツド３５に固設されている。

そして第２゛係合体３８には変速レバー３９が係合する
第２係合凹部４０が１個形成され、方、第■係合体３７
側には、変速レバー３９により第２係合体３８を前後に
操作した時に、その第２係合凹部４０と対向して変速レ
バー３９の係脱が可能となるように２個の第１係合凹部
４１゜４２が形成されており、しかもその２個の第１係
合凹部４１．．４２の内、横方向の係合深さは、方が浅
く他方が深くなるように互いに異ならしめている。

変速レバー３９は変速カバー４３に球体４４を介して前
後並びに左右揺動自在に支持されている。

４５は変速案内板であって、第４図に示すように、第２
係合体３８に係合した時の変速レバー３９を案内する第
２案内溝４６と、その両端から直交方向に形成された選
択案内溝４７，４８と、第１係合体３７の各第１係合凹
部４１，４２に係合した変速レバー３９を案内する第２
案内溝４９．５０とが形成されており、その選択案内溝
４７．４８は第１係合凹部４１．４２に合わせて長さを
異ならしめ、第１案内溝４９，５００対向端部側が前後
にラップするようにしている。

次に作用を説明する。

今、変速レバー３９は第２案内溝４６中央の中立位置に
あり、第２係合体３８の第２係合凹部４０に係合状態に
ある。

そこで変速レバー３９を第２案内溝４６に沿ってａ矢示
方向へとその端部櫨で操作すると、第２係合体３８にｂ
矢示方向に操作力が加わり、第２シフトロツド３５、第
２フオークレバー３３、第２フオークロツド２７がｂ矢
示方向に移動するので、第２クラッチ体２１がこれらに
同行摺動し、第２遊転ギヤー１１とＰＴＯ軸５とを結合
する。

この時、第２係合体３８の第２係合凹部４０は第１係合
体３７側の２個の第１係合凹部４１，４２０内、第１係
合凹部４１に対向状にあり、変速レバー３９を第２案内
溝４６のａ矢示方向側端部からＣ矢示方向に操作し、第
２係合体３８から離脱させて第１係合体３７の第１係合
凹部４１に係合させる。

これで変速レバー３９は第１案内溝５０中夫の中立位置
に位置するので、次に例えば変速レバー３９を第１案内
溝５０に沿ってＣ矢示方向に操作すれば、第１係合体３
７を介して第１シフトロツド３４、第１フオークレバー
３２、第１フオークＯツド２６がＣ矢示方向に移動し、
第１クラッチ体１６がＰＴＯ伝動軸４と第１遊転ギヤー
１０とを結合し、従ってＰＴＯ伝動軸４からの動力は、
第１クラッチ体１６、第１遊転ギヤー１０、第１ギヤー
１３、回転軸γ、第２ギヤー１４．第２遊転ギヤー１１
、第２″クラツチ体２１を経てＰＴＯ軸５へと伝達され
て行くのである。

なおＰＴＯ変速装置は、第１クラッチ体１６及び第２′
クラツチ体２丁の双方で夫々２段１で選択可能であり、
従って全体としては４段に変速することができる。

以上実施例に詳述したように本考案では、一対の係合体
の内、一方の係合体には他方の係合体を変速動作させた
時に、変速レバーと係合可能に２個の係合凹部を設けて
いるので、２′個の変速機構を単に１本の変速レバーで
変速操作するものとは異なり、その変速は両者変速機構
を相互に組合わせたものとなり、変速操作が非常に容易
である。

またその係合体の２個の係合凹部は、一方を深く形成し
ているので、変速レバーの作動範囲を少なくすることが
でき、この点からも操作性に優れている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部破断側面
図、第２図は縦断正面図、第３図は要部平面図、第４図
は案内板の平面図である。 １６．２１・・・クラッチ体、３２．３３・・・フォー
クレバー、３４ 、３５・・・フォークロッド、３７゜
３８・・・係合体、 ３９・・・変速レバー、 ４０゜ １ ４２・・・係合凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各変速機構に連動する一対の係合体を対向状に配置し、
   この各係合体に対して択一的に係合する変速レバーを設
   けて成る変速操作装置において、一対の係合体の内、一
   方の係合体は他方の係合体を変速動作させた時に変速レ
   バーと係合可能に２個の係合凹部を有し、その一方の係
   合凹部を深く形成したことを特徴とする変速操作装置。