JPS5854257Y2 - 田植機における変速装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は田植機の走行変速機構と植付変速機構の改良に
関するものであって、従来におけるこの種のものは機体
の走行変速を変速する操作レバーと植付速度を変速する
操作レバーとが別々に装備されていた。

したがって、機体が後進状態の時に運転者が誤って植付
部を作動させてし１つて植付苗を損傷することがあった
。

また、機体を高速で圃場に運行させている時に植付用変
速レバーが誤って操作されて機体を損傷してし１う等の
欠点を有していた。

そこで、本考案は機体の走行変速が路上運行用高速状態
及び後進状態では植付部の変速が全く作動せず最適の植
付用走行速度にネ・いてのみ植付部み作動する如く変速
装置を構成して上記の欠点をなくすと共に植付間隔の調
整も、植付用走行速度と植付速度との関連で行えるよう
にし、田植機の運転操作が簡単で、且つ田植作業を能率
的に行い得る変速装置を提供するものである。

以下本考案の実施の態様を例示図面について詳述すると
、１は田植機の機体本体に前後方向に移動自在で、且つ
左右方向に回動自在に位置させた変速ロッドで前側に走
行用変速ホーク群Ａに連動連結する走行変速テコ２を固
着していると共にその後部に植付変速テコ３を固着して
いる。

そして前記走行変速ホーク群Ａは１本のホーク軸４にｌ
速及び２速の変速を行う第１変速ホーク５と３速及び後
進の変速を行う第２変速ホークロを装着している。

７は走行変速テコ２を選択自在に嵌挿する如く第１変速
ホーク５に設けられた係合凹溝で第３図に示す如く二叉
状８に形成されている。

９は第２変速ホークロに設けられた係合凹溝で前記第１
変速ホークロの二叉部８に嵌った状態で位置している。

１０は植付変速テコ３の下側面に横力向に設けた凹溝で
該凹溝１０には中間レバー１１の一側端１２に突設する
突起１３が嵌合している。

１４は中間レバー１１０回動支点で該中間レバーの他端
１５には下向きに嵌合ピン１６を突設せしめてこれを植
付変速ホーク１７の凹溝１８に係合させている。

１９は植付変速ホーク１７を摺動自在に装着するホーク
軸である。

２０は変速ロッド１の後端に固着した操作レバー、２１
は変速案内板で、該変速案内板２１には略王字状に案内
溝２５が形成されている。

寸た、第２図において、２３／／′ｉ主軸で第１大歯車
２４、第２駆動歯車２５、第２小歯車２６及び第４中歯
車２７を固着している。

２８は走行変速軸で左側に前記第２変速ホークロに連結
する第２変速歯車２９を摺動自在に軸架している。

３０は摺動自在に右側に軸架した第１変速歯車で前記第
１変速ホーク５に連結している。

そして、第１変速歯車３０には前記第３小歯車２６に噛
合うｌ速歯車３１と第４中歯車２７に噛合う２速歯車３
２が一体形成されている。

渣た第２変速歯車２９には第１犬歯車２４に噛合う３速
歯車３３と別に設けるバックギヤ３４に噛合う後進噛合
歯車３５が一体形成されている。

３６は走行変速軸２８の中間に固着した駆動歯車、３７
は左右にサイドクラッチ３８．３８’を装備するサイド
クラッチ軸で中央に前記駆動歯車３６に噛合う中間歯車
３９を遊転状に装着している。

また、４０は車軸である。４１は植付変速軸で左側に植
付変速ホーク１７に連結する植付変速歯車、４２を固着
している。

４３はバックギヤ３４を駆動するバックピニオン、４４
は前記第２駆動歯車２５に噛合う植付伝動歯車である。

そして、前記植付変速歯車４２は高速歯車４５ど低速歯
車４６が一体形成されている。

４７は植付駆動軸で左側に前記高速歯車４５に噛合う小
歯車４８及び低速歯車４６に噛合う大歯車４９を固着し
ている。

５０は４歯車伝動装置で植付装置に適宜連動連結してい
る。

５１はエンジンと主軸を連動連結するベルト伝動機構で
ある。

本考案の実施の態様は上記の様な構成であってしたがっ
て、田植機を水田１で高速で連行させる場合は第１図に
示す操作レバー２０を中立装置より右側に回転させると
変速ロッド１及び走行変速テコ２が回動する。

そして、第２変速ホークロを左向きに摺動させ同時に走
行変速軸２８に軸架する第２変速歯車２９を左側に摺動
させる。

したがって、３速歯車３３と第１大歯車２４とが噛合っ
て車軸４０を高速で回転させるものである。

ｌた、この場合は植付変速テコ３は前後方向には全く作
動しないので中間レバー１１及び植付変速ボーク１７は
摺動しないので植付伝動軸４７は回動しないものである
。

そして、次に機体を後進させる場合は前記操作レバー２
０を中立位置より左側に回動されると走行変速テコ２が
第２変速ホークロを右向きに摺動させる。

したがって、後進噛合歯車３５がバックギヤ３４に噛合
って車軸４０を逆回転させるものである。

尚、この場合も変速ロッド１／ｌ′ｉ前後方向には移動
しないので植付側への動力の伝達は全く停止状態である
。

そして、株間を小さくして例えば３．３Ｒ当り９０株程
度植付る場合は前記操作レバー２０を中立位置より前側
に押して右側に回動させる。

すると、走行変速テコ２は第１変速ホーク５を左側に摺
動させて第１変速ホーク５を左側に摺動させて第１変速
歯車３６の１速歯車３１を主軸上の第２小歯車２６に噛
合する。

また、これと同時に植付変速テコ３の凹溝１０に嵌合す
る中間レバー１１は反時計方向に回動して植付変速ホー
ク１７を右向きに摺動させながら、植付変速歯車４２の
高速歯４５を植付駆動軸の小歯車４８に噛合せる。

したがって機体の走行速度は低速で且つ、植付速度は高
速であるから植付間隔は株間がせ１い状態となる。

また上記とは逆に株間を大きくして例えば３．３ｒｒ？
当り６０株程度植付る場合は操作レバー２０を中立位置
より後側に引張って左側に回動させる。

すると、走行変速テコ２により第１変速ホーク５は右側
に摺動する。

したがって、２速歯車３２と第４中歯車２７が噛合う。

そして、これと同時に植付変速テコ３に連動する植付変
速ホーク７が左側に摺動して植付変速歯車４２の低速歯
車４６が植付駆動軸４７０大歯車４９に噛合う。

したがって、機体の走行速度は上記よりも速くなると同
時に植付速度は逆に遅くなり植付間隔は上記よりも広く
なるものである。

また、３．３Ｐ？Ｚ２当９７０株程度に植付ける場合は
前記操作レバー２０を右側に回動させ、８０株程度に植
付ける場合は操作レバー２６を前側に押しながら左側に
回動させることによって植付間隔を調整することができ
るものである。

以上の如く本考案によるときは、植付用走行速度変速位
置及び路上運行用走行速度変速位置並びに後進走行用変
速位置を設けて選択自在に変速するものにｐいて、植付
用走行速度変速位置に変速した時のみ植付部が作動すべ
く構成した田植機における変速装置であるから、機体が
後進状態にあるときは植付部への動力の伝達は全く行な
われずまた、機体を圃場に向けて高速で運行させている
場合も同様に植付部への動力伝達は行なわれないもので
ある。

更には、植付間層も、植付用走行速度と植付部の植付速
度との関連で株間の大小の調整が行えるものであり、し
たがって、従来のものに比較してその運転操作が容易で
植付部の破損及び植付苗の損傷を確実に防止することが
できると共に構造簡単でありながら田植機による植付作
業を能率的に行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
本考案要部の変速装置の斜視図、第２図は歯車伝動図、
第３図は変速装置の拡大平面図、第４図は同拡大側面図
。 １：変速ロッド、２：走行変速テコ、３：植付変速テコ
、５：第１変速ホーク、６：第２変速ホーク、１１ ：
中間レバー、１７：植付変速ホーク、２０：操作レバー
、２１：変速案内板、２２：案内溝、２３：主軸、２３
：走行変速歯車、２９：第２変速歯車、３０：第１変速
歯車、３９：後進変速歯車、４１：植付変速歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 田植機の機体本体に、前後方向に移動自在で、且つ左右
   方向に回動自在に変速ロッド１を設け、同ロッド１の後
   端には、同ロッド１の前後左右操作をすべき操作レバー
   ２０を連設すると共に、同ロッド１に、走行変速テコ２
   及び、植付変速テコ３を固着し、走行変速テコ２には第
   １変速ホーク５及び、第２変速ホークロを作動すべき走
   行変速ホーク群Ａを連動連結すると共に、植付変速テコ
   ３には、植付変速ホーク１７を連動連結し、植付変速ホ
   ーク１７の植付変速作動は、植付用走行速度変速位置へ
   の操作レバー変速操作による変速ロッド１の前後作動に
   よってのみ行われるべく構成すると共に、変速ロッド１
   に連動連結した植付変速ホーク１７には、植付変速歯車
   ４２を連結し、同変速ロッド１の前後摺動作動により植
   付速度の高低速変換を、また、変速ロッド１の左右回動
   作動により、第１，２変速ホーク５，６の作動を介して
   走行速度の高低速変換を行いうるべく構成し、植付用走
   行速度の低速変換時に植付速度は高速変換し、植付用走
   行速度の高速変換時に植付速度は低速変換すべく、変速
   ロッド１の前後摺動と左右回動の各作動を組合わせて植
   付間隔の調整を可能に構成してなる田植機にネ・ける変
   速装置。