JPS6015702Y2 - 田植機における変速装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は田植機の走行変速機構と植付変速機構の改良に
関するものであって、従来におけるこの種のものは機体
の走行変速を変速する操作レバーと植付変速を変速する
操作レバーとが別々に装備されていた。

したがって、機体が後進状態にあるとき又は高速で路上
を運行しているときに誤って植付部の変速が入り状態と
なって植付爪や伝動装置を損傷してしまうことがあった
。

また、変速装置が複雑で大型となってその運転操作が困
難であるといった欠点を有しており、更には、株間の調
整も、個々の操作レバーを適宜操作組合わせて、株間の
大小調整を行うもので操作が煩雑で作業効率も悪くなっ
ていた。

そこで、本考案は機体の走行速度が路上運行時の高速状
態及び後進状態では植付部の変速が全く作動せず最適の
植付用走行速度においてのみ植付部が入り状態となって
作動する如く変速装置を構成し上記の欠点をなくすと共
に株間の調整も、一本の操作レバーにて適宜走行速度と
植付速度とを組合わせ操作することで簡単に行え作業効
率を大幅に向上でき運転操作が容易且つ確実であると共
に変速機構全体がコンパクトに構成されながら植付作業
を能率的に行い得る変速装置を提供するものである。

以下本考案の実施の態様を例示図面について詳述すると
、１は田植機の機体本体に前後方向に移動自在で、且つ
左右方向に回転自在に位置させた変速ロンドで前側に走
行用変速ホーク群Ａに連梨連結する走行変速テコ２を固
着していると共にその後部に植付変速テコ３を固着して
いる。

そして前記走行変速ホーク群Ａは１本のホーク軸４に１
速及び２速の変速を行う第１変速ホーク５と３速及び後
進の変速を行う第２変速ホークロを装置している。

７は走行変速テコ２を選択自在に嵌挿する如く第１変速
ホーク５に設けられた係合凹溝で第３図に示す如く二叉
状８に形成されている。

９は第２変速ホークロに設けられた係合凹溝で前記第１
変速ホークロの二又部８に嵌った状態で位置している。

１０は植付変速テコ８の下側面に横方向に設けた凹溝で
該凹溝１０には中間レバー１１の一側端１２に突設する
突起１３が嵌合している。

１４は中間レバー１１の回動支点で該中間レバーの他端
１５には下向きに嵌合ピン１６を突設せしめてこれを植
付変速ホーン１７の凹溝１８に係合させている。

１９は植付変速ホーン１７を摺動自在に装着するホーク
軸である。

２０は変速ロッド１の後端に固着した操作レバー、２１
は変速案内板で、該変速案内板２１には略王字状に案内
溝２２が形成されている。

また、第２図において、２３は主軸で第１大歯車２４、
第２駆動歯車２５、第３小歯車２６及び第４中歯車２７
を固着している。

２８は走行変速軸で左側に前記第２変速ホークロに連結
する第２変速歯車２９を摺動自在に軸架している。

３０は摺動自在に右側に軸架した第１変速歯車で前記第
１変速ホーク５に連結している。

そして、第１変速歯車３０には前記第３小歯車２６に噛
合う１速歯車３１と第４中歯車２７に噛合う２速歯車３
２が一体形成されている。

また第２変速歯車２０には第１大歯車２４に噛合う３速
歯車３３と別に設けるバックギヤ８４に噛合う後進噛合
歯車３５が一体形成されている。

３６は走行変速軸２３の中間に固着した駆動歯車、３７
は左右にサイドクラッチ３３．３３’を装備するサイド
クラッチ軸で中央に前記駆動歯車３６に噛合う中間歯車
３９を遊転状に装着している。

また、４０は車軸である。

４１は植付変速軸で左側に植付変速ホーン１７に連結す
る植付変速歯車、４２は固着している。

４８はバックギヤ３４を駆動するバックピニオン、４４
は前記第２駆動歯車２５に噛合う植付伝動歯車である。

そして、前記植付変速歯車４２は高速歯車４５と低速歯
車４６が一体形成されている。

４７は植付駆動軸で左側に前記高速歯車４５に噛合う小
歯車４８及び低速歯車４６に噛合う大歯車４９を固着し
ている。

５ｏは傘歯車伝動装置で植付装置に適宜連動連結してい
る。

５１はエンジンと主軸を連動連結するベルト伝動機構で
ある。

本考案の実施の態様は上記の様な構成であってしたがっ
て、田植機を水田まで高速で連行させる場合は第１図に
示す操作レバー２ｏを中立位置より右側に回動させると
変速ロッド１及び走行変速テコ２が回動する。

そして、第２変速ホークロを左向きに摺動させ同時に走
行変速軸２８に軸架する第２変速歯車２９を左側に摺動
させる。

したがって、３速歯車３３と第１大歯車２４とが噛合っ
て車軸４０を高速で回転させるものである。

また、この場合は植付変速テコ３は前後方向には全く作
動しないので中間レバー１１及び植付変速ホーン１７は
摺動しないので植付伝動軸４７は回転しないものである
。

そして、次に機体を後進させる場合は前記操作レバー２
０を中立位置より左側に回転されると走行変速テコ２が
第２変速ホークロを右向きに摺動させる。

したがって、後進噛合歯車３５がバックギヤ３４に噛合
って車軸４ｏを逆回転させるものである。

尚、この場合も変速ロッド１は前後方向には移動しない
ので植付側への動力の伝達は全く停止状態である。

そして、株間を小さくして例えば３．３ｄ当り９＠程度
植付る場合は前記操作レバー２０を中立位置より前側に
押して右側に回動させる。

すると、走行変速テコ２は第１変速ホーク５を左側に摺
動させて第１変速ホーク５を左側に摺動させて第１変速
歯車３ｏの１速歯車３１を主軸上の第３小歯車２６に噛
合せる。

また、これと同時に植付変速テコ３の凹溝１０に嵌合す
る中間レバー１１は反時計方向に回動して植付変速ホー
ン１７を右向きに摺動させながら、植付変速歯車４２の
高速歯４５を植付駆動軸の小歯車４８に噛合せる。

したがって機体の走行速度は低速で且つ、植付速度は高
速であるから植付間隔は株間がせまい状態となる。

また、上記とは逆に株間を大きくして植付走行を行う場
合には、操作レバー２０を中立位置より後側に引張って
左側に回動させる。

すると、走行変速テコ２により第１変速ホーク５は右側
に摺動する。

したがって、２速歯車３２と第４中歯車２７が噛合う。

そして、これと同時に植付変速テコ３に連動する植付変
速ホーン１７が左側に摺動して植付変速歯車４２の低速
歯車４６が植付駆動軸４７の大歯車４９に噛合う。

したがって、機体の走行速度は上記よりも速くなると同
時に植付変速は逆に遅くなり植付間隔は上記よりも広く
なるものである。

また３、３−当り７０株程度に植付ける場合は前記操作
レバー２０を右側に回動させ、８哨程度に植付ける場合
は操作レバー２０を前側に押しながら左側に回動させる
ことによって植付間隔を調整することができるものであ
る。

以上の如く本考案によるときは、１本の変速ロッド１に
走行変速テコ２と植付変速テコ３とを前後に設けて該走
行変速テコ１を路上走行用高速度と後進速度とに変速す
る第２変速ホークロ及び植付走行用低速度に変速する第
１変速ホーク５に連動連結自在とし、前後方向の中立位
置では走行変速テコ２と第２変速ホークロを連動状態と
しながら中立位置より前後方向に移動したときのみ走行
変速テコ２と第１変速ホーク５とを連動状態とし且つ、
植付変速テコ３と植付速度を変速する植付変速ホーン１
７とを連動連結すると共に該植付変速テコ３は中立状態
より前後方向に移動したときのみ植付変速ホーン１７を
作動させる如く構成した変速装置であるから変速レバー
を中立位置より単に左右方向に回転させると後進速度又
は路上走行用高速度に変速することができると共にこの
場合には植付部は全く作動しないものである。

したがって、機体が後進中又は高速で路上を運行してい
る状態では不測に植付部が作動して特に植付部が損傷す
るようなことがなく、また、圃場に植付けられた苗を不
測に傷めるようなことがないものである。

そして、最適の植付速度に変速した場合には自動的に植
付部も入り状態となり、したがって、運転者は機体の走
行速度と植付速度を一本の変速レバーによって簡単且つ
確実に行うことができしかも、株間の大小調整も一本の
操作レバーによって、前後操作成は左右操作を適宜組合
わせることによって、株間の大小調整が簡単に行え、全
体として変速機構全体がコンパクトに構成されながら植
付作業を能率的に行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
本考案要部の変速装置の斜視図、第２図は歯車伝動図、
第３図は変速装置の拡大平面図、第４図は同拡大側面図
である。 １：変速ロッド、２：走行変速テコ、３：植付変速テコ
、５：第１変速ホーク、６：第２変速ホーク、１１：中
間レバー、１７：植付変速ホーン、２０：操作レバー、
２１：変速案内板、２２：案内溝、２３：主軸、２８：
走行変速歯車、２９：第２変速歯車、３０：第１変速歯
車、３５：後進変速歯車、４１：植付変速歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作レバー２０を設けた一本の変速ロッド１に、走行変
   速テコ２と植付変速テコ３とを前後方向に設け、該走行
   変速テコ２に、第１変速ホーク５と第２変速ホークロを
   変速ロッド１の左右回動時にのみ連動すべく連動連結自
   在に構成し、第１変速ホーク５は、植付走行用低速度に
   変速すべき走行変速ホーク群Ａを形威し、また第２変速
   ホークロは、路上走行用高速度と後進速度に変速すべき
   走行変速ホーク群Ａを形威し、しかも変速ロッド１の前
   後方向における中立位置での左右回動操作時には、走行
   変速テコ２が第２変速ホークロに連動し、中立位置から
   前後移動した左右回動操作時には、走行変速テコ２が第
   １変速ホーク５に連動しうるべく構成し、かつ植付変速
   テコ３に、植付速度を変速する植付変速ホーク１７を変
   速ロッド１の前後移動時にのみ連動すべく連動連結自在
   に構成し、変速ロッド１の前後移動と、左右回動との各
   操作を組合わせることによって、株間の大小調整を可能
   に構成した田植機における変速装置。