JPS5853613Y2 - 変速操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトラクタ等における変速操作装置に関し、単一
の変速レバーにより、２つの変速装置を組合せた変速を
行えるようにすることを目的とする。

トラクタでは主変速装置と副変速装置との他にクリープ
変速装置を設けて変速段数を多段にし、高速から超低速
までの各種作業形態に対応した車速が得られるようにし
ているが、このような多段変速とした場合、主変速レバ
ー、副変速レバー及びクリープ変速レバーの３本の変速
レバーが必要となり、変速時のレバー操作が複雑化する
欠点があった。

また３本の変速レバーが全て独立しておれば、運転者は
各変速レバー位置を記憶しておき、夫々を組合わせた総
合の変速段数を判断する必要があるが、このような判断
を作業中に常時行なうことは非常に困難であり、車速の
判断を誤まってトラクタ或いは作業機が過負荷になるこ
ともあった。

本考案はこのような従来の問題点を解消したものであっ
て、その特徴とする処は、直列状に配設された各変速装
置に運動する一対の係合体を対向状として横軸廻りに回
動自在に備え、これら係合体間に、横軸廻りに回動自在
で且つ各保合体に択一的に係脱自在とされる変速レバー
を備え、一方の係合体に単一の変速レバー用係合凹部を
備え、他方の係合体に、係合体が変速回動された際に係
合凹部と対向して係合凹部内の変速レバーが係合可能と
される複数の変速レバー用係合凹部を備えた点にある。

以下、図示の実施例について本考案を詳述すると、第１
図において、１はトラクタ機体、２はそれを構成するミ
ッションケースである。

３は計器パネル、４はハンドル、５は作業機昇降用の油
圧装置、６は運転席である。

７は後輪、８はそのフェンダ−である。

ミッションケース２内には、主変速装置９、副変速装置
１０、クリープ変速装置１１等が直列状に内蔵されてお
り、その副変速装置１０は第２図に示す如く主変速軸１
２に固設されたギヤー１３と、副変速軸１４に遊嵌され
たギヤー１５と、このギヤー１３．１５と咬合すべく
ＰＴＯ伝動軸１６に遊嵌された二連ギヤー１７と、ギヤ
ー１３゜１５を副変速軸１４に選択結合するためのシフ
ター１８とを備え、そのシフター１８は中間壁１９に前
後摺動自在に挿立されたシフトロッド２０と、その前端
のシフトフォーク２１とを介してシフト操作可能である
。

クリープ変速装置１１は第２図に示す如く副変速軸１４
とギヤー２２とをベベルピニオン軸２３に選択結合する
ためのシフトギヤー２４を備え、そのシフトギヤー２４
は中間壁２５．２６に支架されたフォークロッド２７上
のシフトフォーク２８によりシフト操作可能であり、ま
た前記シフトロッド２０はシフトフォーク２Ｂの側方位
置まで後方へと延設され、その延設端部に、シフトフォ
ーク２８と略同じ位置に保合部２９が設けられている。

保合部２９及びシフトフォーク２８には、第２図及び第
３図に示すようにシフトレバ−３０，３１が係合し、そ
の各シフトレバ−３０，３１はミッションケース２の上
部に横架された内外同心状の各碌作軸３２．３３の内端
に固設されている。

各操作軸３２．３３は相対回動自在であり、その外端に
はリンク３４．３５が上方に突設されている。

３６は変速レバーで、下端の二又部３７及び枢支ピン３
８を介して回動駒３９に左右回動自在に枢支されると共
に、その回動駒３９は油圧装置５に付設された横軸４０
により前後回動自在に支持されており、また横軸４０に
は下方に垂下するリンク４１．４２を有する一対の係合
体４３ 、４４が変速レバー３６を左右から挾むように
して回動自在に套嵌され、しかもそのリンク４１，４２
はロッド４５，４６を介してリンク３４．３５に連結さ
れている。

係合体４４には中央部に変速レバー３６が係合する係合
凹部４７が形成され、また係合体４３には、係合体４４
を前後に変速回動させた時に、その係合凹部４７と対向
するように２個の係合凹部４８．４９が形成されている
。

次に作用を説明する。

今、変速レバー３６は係合体４４の係合凹部４７に係合
状態にあり、副変速装置１０及びクリープ変速装置１１
は共に中立であるらそこで操作レバー３６を横軸４０廻
りにａ矢示方向に操作すると、係合凹部４７を介して係
合体４４及びリンク４２が同行回動し、ロッド４６を介
してりンク３５をｂ矢印方向に引張るので、リンク３５
、操作軸３３、シフトｌ／バー３１がＣ′矢示方向に回
動し、シフトフォーク２８を介してシフトギヤー２４を
ｄ矢示方向にシフトして副変速軸１４に咬合させるので
あり、これによってクリープ変速装置１１は高速に切換
わり、また各部材は図外の抵抗器によりその作動状態に
保持される。

この時、係合体４４の係合凹部４７は係合体４３の係合
凹部４８＆（対向状にあるので、変速レバー３６を係合
体４４側から外して係合体４３の係合凹部４８に係合さ
せる。

そして次に変速レバー３６をａ矢示方向に回動させれば
、前述同様にして係合体４３、リンク４１がａ矢示方向
に同行回動し、りンク３４、操作軸３２、シフトレバ−
３０がＣ矢示方向に回動して、シフトロッド２０、シフ
トフォーク２１を介してシフター１８がｄ矢示方向にシ
フトするので、ギヤー１３が副変速軸１４に結合され、
従って副変速装置１０は高速に切換わりかつ保持される
のであり、以下同様にして４段に変速することができる
。

第５図は他の実施例を示し、このようにフェンダ−８と
これに装着されたカバー５０との間に横軸４０を支架し
て、これらにより外部機構を覆うように構成することも
可能であり、またその場合には、カバー５０の上面に変
速レバー３６の動きに沿って第６図に示すような案内溝
５１を設けておけば、変速レバー３６の操作性が更に向
上する。

なお５２はステップ、５３は筒状のカバーである。

以上のように本考案では、直列状に配設された各変速装
置１０．１１に連動する一対の係合体４３．４４を対向
状として横軸廻りに回動自在に備え、これら係合体４３
．４４間に、横軸廻りに回動自在で且つ各係合体４３，
４４に択一的に係脱自在とされる変速レバー３６を備え
、一方の係合体４４に単一の変速レバー用係合凹部４７
を備え、他方の係合体４３に、係合体４４が変速回動さ
れた際に係合凹部４７と対向して係合凹部４７内の変速
レバー３６が係合可能とされる複数の変速レバー用係合
凹部４８，４９を備えたので、単一の変速レバー３６に
より、２つの変速装置１０゜１１を組合せた変速を容易
に行うことができると共に、車速の判断も容易である。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の一実施例を示す側面図、第２図は同要
部の構成図、第３図は同一部切欠正面図、第４図は係合
体の展開図、第５図は他の実施例を示す縦断正面図、第
６図は同案内部の展開図である。 ２・・・・・・ミッションケース、１０・・・・・・副
変速装置、１１・・・・・・クリープ変速装置、２ｏ・
・曲シフトロッド、２１，２８・・曲シフトフォーク、
２９・・曲係合部、３０，３１・・曲シフトレバ−１３
２，３３・二・・・・操作軸、３６・・曲変速レバー、
４３，４４・・・・・・係合体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直列状に配設された各変速装置１０．１１に運動する一
   対の係合体４３．４４を対向状として横軸廻りに回動自
   在に備え、これら係合体４３゜４４間に、横軸廻りに回
   動自在で且つ各係合体４３．４４に択一的に係脱自在と
   される変速レバー３６を備え、一方の係合体４４に単一
   の変速レバー用係合凹部４７を備え、他方の係合体４３
   に、係合体４４が変速回動された際に係合凹部４７と対
   向して係合凹部４７内の変速レバー３６が係合可能とさ
   れる複数の変速レバー用係合凹部４８゜４９を備えたこ
   とを特徴とする変速操作装置。