JPS5828262Y2 - 農用トラクタの走行変速装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、農用トラクタにおいてその走行速度を、後退
走行を含めて任意に変速するためＱ変速装置に関するも
のであり、詳しくは、エンジンの回転を後退変速付主変
速機構で変速し、更に副変速機構で変速し、て後輪に伝
達するにおいて、主変速機構を後退走行に入れた状態で
は副変速機構が高速側に入らず、逆に副変速機構を高速
側に入れた状態では主変速機構が後退走行に入らないよ
うにすることにより、高速状態での後退走行を規制して
安全性を向上することを目的とするものである。

次に本考案の一例を図面について説明するに、図におい
て１はトラクタのフレームシャーシ兼用のミッションケ
ース、２ｔｔ癲ケース１の後部に接合連結した差動歯車
ケースで、該差動歯車ケース２内にはトラクタの後輪に
連なる差動歯車機構（図示せず）及びＰＴＯ軸３への変
速機構４が各々設けられている。

前記ミッションケース１内にはその前部に主変速室５を
後部に副変速室６を設け、主変速室５内には中空の入力
軸７と変速軸８とを平行に軸支し、該両軸間に主変速機
構９を設け、その変速軸８前端の駆動歯車１０を副変速
室６内に突出する一方、副変速室６内には、前記入力軸
７内に挿入したメイーン軸１１と、前端１ｒが前記駆動
歯車１０内に軸支され他端の傘歯車１２″が差動歯車ケ
ース２内に突出するドライブ軸１２、及び差動歯車ケー
ス２の仕切壁１３と副変速室６内面に突出のボス１４と
で軸支したクリープ軸１５とを平行に設けて、これら軸
間に副変速機構１６を設け、メイーン軸１．１の前端１
１′及び入力軸７の前端７′をトラクタのエンジン１７
に主クラッチ１８を介して連結し、メイーン軸ト１の後
端１、．１．”、を前記ＰＴＯ変速機構４への伝動軸１
９に連結する。

前記主変速室５内における入力軸７上には、変速軸８上
の２つＱ遊転歯車２０．２１に各々常時噛合する２つの
歯車２２．２３を嵌着すると共に、常時は変速軸８に嵌
着の歯車２４と、変速軸８に嵌着の歯車２５に噛合する
逆転歯車２６との間の中立位置にあり左右への摺動によ
ってそのいずれか一方に選択的に噛合するようにした逆
転用変速歯車２７をスプライン係合にで摺動自在に設け
、変速軸８上の両遊転歯車２０ 、２１間には、常時は
両遊転歯車２０．２１の中間の中立位置にあり左右への
摺動によってその内側面に設けたクラッチ２０’、２１
’のいずれか一方に選択的に噛合し得るドッグクラッチ
２８をスプライン係合にて摺動自在に設けて主変速機構
９を構成する。

一方副変速室６内のメイーン軸１１には、前記駆動歯車
１０に常時噛合する歯車２９、大径歯車３０及び小径歯
車３１を一体化した歯車列体３２と、大径歯車３３及び
小径歯車３４を一体化した歯車列体３５とを、その両小
径歯車３１．３４が相隣接するように内側に向けて各々
回転自在に被嵌し、クリープ軸１５には一方の歯車列体
３２の小径歯車３１に常時噛合する大径歯車３６及び他
方の歯車列体３５０大径歯車３３に常時噛合する小径歯
車３７を一体的に設け、ドライブ軸１２上には、側面に
駆動歯車１３に噛合し得るクラッチ３８′を備え前記一
方の歯車列体３２の大径歯車３０に噛合し得る高速用変
速歯車３８をスプライン係合にて摺動自在に設けると共
に、常時は両歯車列体３２．３５における両小径歯車３
１．３４間の中立位置にあり左右への摺動によって両小
径歯車３１．３４のいずれか一方に選択的に噛合するよ
うにした低速用変速歯車３９をスプライン係合にて摺動
自在に設けて、副変速機構１６を構成する。

ミッションケース１の主変速室５内の天井面左右側には
、各々一対の主変速シフター軸４０．４１と副変速シフ
ター軸４２．４３とをメイーン軸１１と平行に摺動自在
に設け、両シフター軸対４０゜４１及び４２．４３には
シフター４４．４５及び４６．４７を各々同じ位置に固
着し、主変速シフター４４．４５間の上部に主変速レバ
ー４８を、副変速シフター４６．４７間の上部に副変速
レバー４９を各々首振り自在に球関節にて設け、主変速
レバー４８の下端には両主変速シフター４４゜４５゛に
おける４４’、４５’に選択的に嵌合する球係合子４・
「を、副変速レバー４９の下端には両側変速シフター４
６．４７における溝４６’、４７’に選択的に嵌合する
球係合子４９′を各々設け、主変速シフター４４．４５
のうち外側のシフター４４をフォーク５０を介して主変
速機構９のクラッチ２８に、内側のシフター４５をフォ
ーク５１を介して主変速機構９Ｑ変速歯車２７に各々連
動連結する一方、両副変速シフター軸４２．４３を副変
速室６内に延長して、その内側のシフター軸４３には副
変速機構１６における低速用変速歯車３９に係合するフ
ォーク６２を、外側のシフター軸４３には高速用変速歯
車３８に係合するフォーク６３を各々固着する。

そして、主変速室５の天井面及び副変速室６の天井面に
は各々ベルクランクレバー５４．５６を水平回転自在に
ピン５６．５７枢着して設け、両レバー５４．５５をそ
の一端同志を互にピン５８連結して連動するように構成
し、主変速室内におけるレバー５４の一端５４′を、前
記両主変速シフター４４．４５のうち内側のシフター４
５をこれにフォーク５１を介して連動する変速歯車２７
が逆転歯車２６に噛合する後退位置にするとき当該シフ
ター４６の側面に接当するようにする一方、副変速室内
におけるＶバー５５の一端５５′を、前記両副変速シフ
ター４６．４７のうち外側のシフター４６をこれにシフ
ター軸４２及びフォーク５３を介して連動する高速用変
速歯車３８が駆動歯車１０に噛合する高速位置にすると
き、前記フォーク５３の突出ピン５８に接当するように
、換言すれば、一方のベルクランクレバー５４の他端５
４’を主変速用シフター軸４１に、他方のベルクランク
レバー５５の他端５５′を副変速用シフター軸４２に、
前記主変速用シラター軸４１を歯車２Ｔが逆転歯車２６
に噛合する後退位置に移動したとき副変速用シフター軸
４２を歯車３８が歯車１０に噛合するように移動できず
、逆に副変速用シフター軸４２を歯車３８が歯車１０に
噛合するように移動したとき主変速用シフター軸４１を
後退位置に移動できないように各々関連するように構成
して成るものである。

ナオ、図中符号５９はリミットスイッチで、その下部に
は副変速シフター軸４２上のフォーク５３から突出のア
ーム５３′に上下動自在に挿入したピン６０を設け、該
ビシ６０は両変速歯車３８．：゛３９のいずれもが中立
位置にあるときシフター軸４３上の突起４３′によって
上向きに突出し、前記リミットスイッチ５９を作動する
ことにより、副変速機構１６の中立位置を表示するよう
に構成されている。

この構成において、主変速機構９における変速歯車２７
が実線の中立位置で、クラッチ２８を主変速レバー４８
の回動操作によってシフター４４及びフォーク５０を介
して摺動して歯車２０のクラッチ２０’に噛合すれば主
変速機構９の出力端である駆動歯車１０は３速回転し、
同じくクラッチ２８を歯車２１のクラッチ２１′に噛合
すれば２速回転し、そして、クラッチ２８が実線の中立
位置で、変速歯車２７を主変速レバー４８０回動操作に
よってシフター４５及びフォーク５１を介して摺動して
歯車２４に噛合すれば駆動歯車１０はｌ速回転し、変速
歯車２７を逆転歯車２６に噛合すれば、逆転してトラク
タの後退走行に切換えられる。

一方、副変速機構１６において、低速用変速歯車３９が
実線の中立位置で、高速用変速歯車３８ヲ副変速レバー
４９０回動操作によってシフター４６、シフター軸４２
及びフォーク５３を介して摺動して、その側面のクラッ
チ３８′をして主変速機構９の出力端である駆動歯車１
０に噛合すれば、ドライブ軸１２は駆動歯車１０に直結
され、駆動歯車１０と同じ速度で回転さへ この変速歯
車３８を一方の歯車列体３２における大径歯車３０に噛
合すれば、駆動歯車１００回転が歯車対１０．２９及び
３０．３８を介してドライブ軸に伝達されドライブ軸１
２は駆動歯車１０に対して減速回転される。

そして、高速用変速歯車３８が実線の中立位置で、低速
用変速歯車３９を副変速シバ−４９０回動操作によって
シフター４７、シフター軸４３及びフォーク５２を介し
て摺動して一方の歯車列体３２における小径歯車３１に
噛合すれば、ドライブ軸１２には駆動歯車１０の回転が
歯車対１０゜２９及び３１．３９を介して前記の場合よ
りも減速されて伝達され、低速用変速歯車３９を他方の
歯車列体３５の小径歯車３４に噛合すれば、ドライブ軸
１２には４つの歯車１０．２９．３１．３６．３７．３
３及び３４．３８を介して動力伝達され、超低速のクリ
ープ回転するのである。

この場合、主変速機構９における逆転用変速歯車２７に
連動する主変速シフター４５と、副変速機構１６におけ
る高速用変速歯車３８に連動する副変速シフター軸４２
との間には、２つのベルクランクレバー５４”、５５か
らなる連部機構が設けられ、主変速機構９にお□ける変
速歯車２７を逆転歯車２６に噛合するように摺動すると
、そのシフター４５が一方のレバー５４の一端５４′に
接当して、該レバー５４を第５図に二点鎖線で示すよう
に回動するから、このレバー５４に連動する他方のレバ
ー５５も二点鎖線で示すよ’Ｉｃ回動することになり、
この状態で副変速機構１６における高速用変速歯車３８
を駆動歯車１０に噛合する高速位置に入れようとしても
、これに連動するフォーク５３上面の突出ピン５８が他
方のレバー５５の一端５５′に接当阻止されて高速位置
に入らないのであり、逆に、副変速機構１６における高
速用変速歯車３８を高速位置に入れると、両レバー５４
゜５５が実線で示すように回動し、この状態で主変速機
構９における変速歯車２７を後退位置に入れようとして
も、これは一方のレバー５４における一端５４′で阻止
されるから、後退位置に入らないのである。

以上の通り本考案は、エンジンの回転を一本の主変速レ
バー４８によって操作される後退変速付き主変速機構９
で変速し、更に一本の副変速レバー４９によって操作さ
れる副変速機構１６にて変速したのち車輪軸に伝達する
ようにした走行変速装置にお、いて、前記主変速機構９
において主変速と後退変速を行なうための主変速用シフ
ター軸４１と、前記副変速機構１６において副変速を行
なうための副変速用シフター軸４２とを、ケース１内に
平行に配設し、ケース１内には、前記両シフター軸４１
．４２の間の部分に一端を互にピン連結した一対のベル
クランクレバー５４．５５を回転自在に設け、一方のベ
ルクランクレバー５４の他端５４′、を前記主変速用シ
フター軸４１に、他方のベルクランフレ共−５５の他端
５５′を前記副変速用シフター軸４２に、主変速用シフ
ター軸４１を後退位置に移動すると副変速用シフター軸
４２が高速変速位置に移動できず、逆に副変速用シフタ
ー軸４２を高速ｆｍ位置に移動すると主変速用シフター
軸４１が後退位置に移動できないように各各関連して成
るもので、トラクタの走行速度を後退変速付きの主変速
機構と副変速機構との二つの変速機構によって２段に分
けて変速する場合において、主変速レバーを後退走行位
置にしたとき、副変速レバーが高速位置に入らず、逆に
副変速レバーを高速位置にしたとき主変速レバーが後退
位置に入ることがないから、主及び副の２つの変速レバ
ーの操作族りによって、トラクタが高速状態で後退走行
するのを確実に防止でき、換言すれば後退走行を常に低
速でのみ行なうことができるから、後退走行の安全性を
向上できるのであり、しかも本考案は、主変速機構にお
けるシフター軸と、副変速機構におけるシフター軸とを
平行に配設し、その間を２つのベルクランクレバーにて
関連するものであるから、構造簡単で部品点数が少なく
、安価に提案できる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はトラクタ変速装
置の全体概略図、第２図は走行変速装置の縦断正面図、
第３図は第２図の■−■視断面断面図４図は第２図のＩ
Ｖ−ＩＶ視断面図、第５図は第２図のＶ−■面断面図、
第６図は第４図のＶＩ−ＶＩ視拡大断面図、第７図は第
５図の■−■視拡犬断面図、第８図は第５図の■−■視
拡大断面図である。 １・・・・・・ミッションケース、９・・・・・・主変
速機構、１６・・・・・・副変速機構、２７・・・・・
・逆転用変速歯車、３８・・・・・・高速用変速歯車、
４８・・・・・・主変速レバー４９・・・・・・副変速
レバー ４０．４１・・・・・・主変速シフター軸、４
４．４５・・・・・・主変速シフター、４２゜４３・・
・・・・副変速シフター軸、４８．４７・・・・・・副
変速シフター、５４．５５・・・・・・ベルクランクレ
バー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンの回転を一本の主変速レバー４８によって操作
   される後退変速付き主変速機構９で変速し、更に一本の
   副変速レバー４９によって操作される副変速機構１６に
   て変速したのち車輪軸に伝達するようにした走行変速装
   置において、前記主変速機構９において主変速と後退変
   速を行なうための主変速用シフター軸４１と、前記副変
   速機構１６において副変速を行なうまための副変速用シ
   フター軸４２とを、ケース１内に平行に配設し、ケース
   １内には、前記両シフター軸４１．４２の間の部分に一
   端を互にピン連結した一対のベルクランクレバー５４．
   ５５を回転自在に設け、一方のベルクランクレバー５・
   ４の他端５４′を前記主変速用シフター軸４１に、他方
   のベルクランクレバー５５の他端５５′を前記副変速用
   シフター軸４２に、主変速用シフター軸４１を後退位置
   に移動すると副変速用シフター軸４２が高速変速位置に
   移動できず、逆に副変速用シフター軸４２を高速変速位
   置に移動すると主変速用シフター軸４１が後退位置に移
   動できないように各々関連して成る農用トラクタの走行
   変速装置。