JPH1191043A - フレキシブル積層包装材およびバッグインボックス内容器 - Google Patents

フレキシブル積層包装材およびバッグインボックス内容器

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JPH1191043A
JPH1191043A JP25815997A JP25815997A JPH1191043A JP H1191043 A JPH1191043 A JP H1191043A JP 25815997 A JP25815997 A JP 25815997A JP 25815997 A JP25815997 A JP 25815997A JP H1191043 A JPH1191043 A JP H1191043A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレン含量20〜60モル%、ケン化度9
0%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体60〜
99重量%および(メタ)アクリル酸含量1〜30重量
%のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体40〜1重
量%からなり、エチレン−ビニルアルコール共重合体の
マトリックス中にエチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体粒子が分散している樹脂組成物よりなる層を少なくと
も一層有するフレキシブル積層包装材。 【効果】 本発明のバッグインボックスは、ガスバリヤ
ー性が良好な上、耐ピンポール性が優れているため、輸
送時および持ち運び時の屈曲、振動により生じるピンホ
ールの発生が極めて少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐ピンポール性および
ガスバリヤー性に優れたフレキシブル積層包装材、およ
びそれからなるバッグインボックス内容器に関する。
【0002】
【従来の技術】フレキシブル積層包装材に求められる機
能は、基本的には被包装物の保存性、すなわち変質防止
であり、そのために、該包装材にあっては、特に輸送振
動強度、耐ピンポール性が要求される。なかでも、いわ
ゆるバッグインボックスまたはバッグインカートン(以
下、これらを総称してバッグインボックスという)の内
容器として用いられる場合には、高度の性能が要求され
る。ここで、バッグインボックスとは、折り畳み可能な
プラスチックの薄肉内容器と積み重ね性、持ち運び性、
印刷適性を有する外装段ボール箱とを組合わせた容器の
ことである。
【0003】このような用途に用いられる包装材は、各
種プラスチック・フィルムそれぞれの素材の特性を活か
して積層されて用いられるが、被包装物の要請に応じ
て、素材が選択され、たとえば機械的強度を保持するた
めの基材フィルムと熱シール可能な素材との組合わせが
最も一般的である。したがって、基材フィルムの有する
酸素ガスバリア性能では、内容物の変質を保護できない
用途においては、高度なガスバリア性を有するバリヤー
層を基材層上に設け、このバリヤー層を中間層としてヒ
ートシール可能な素材をさらに積層する方法が採用され
る。
【0004】バッグインボックス内容器には必ずヒート
シール部分があるので、バッグインボックス内容器用の
材料は、ヒートシール可能なポリエチレン系樹脂、特に
軟質ポリエチレン系樹脂を主体としていることが多い。
さらに、バッグインボックスの特徴である折り畳み可能
で内容物が液体であること等から物理的強度、特に輸送
振動強度、耐ピンポール性、耐ストレスクラック性が求
められるので、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂がよ
り好ましく用いられている。
【0005】さらに保存性能の高度化に伴って、酸素等
のガスバリア性が要求される場合には、ナイロンフィル
ム、サランコート・ナイロンフィルム、アルミ蒸着ナイ
ロンフィルム、アルミ蒸着ポリエステルフィルム等を組
合わせた内容器が実用化され始めている。なかでも、高
度なガスバリア性を付与するためには、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体(以下、EVOHと記す。)、ポ
リ塩化ビニリデン、アルミ箔などが用いられる。
【0006】しかしこれらはガスバリア性については優
れるが、機械的強度は一般に低く、特に屈曲疲労に耐え
られるものではない。従って、機械的強度の優れた基材
層とヒートシール可能な素材の間に積層されて用いられ
るが、なおバッグインボックス内容器の構成材として用
いた場合、積層体にピンポール、クラックなどを生じた
りする。該積層体にピンポールを生じない段階において
さえ、中間層として用いた該バリヤー層に生じるクラッ
クやピンホール等に起因してバリヤー性の低下を生ずる
などのため、はげしい屈曲疲労に対して、優れた気体バ
リア性を保持することができず、実用的に満足なものは
見出されていない。ポリ塩化ビニリデン樹脂を主体とす
る層、アルミ箔、金属などの蒸着樹脂層などをバリヤー
層とする積層包装材については、たとえば特開昭55−
7477号公報に示されている。
【0007】すなわち実際に該積層体を使用し、包装さ
れた包装体の輸送、取扱後のガスバリア性が必ずしも満
足出来るものでなく、最も必要性の高い二次流通後の実
用保存性がしばしば裏切られるのは、中間層に位置する
該バリヤー層の損傷に起因する。ガスバリア性向上のた
めに設ける中間層の素材としては、EVOH樹脂が最も
優れており、各種の多層フィルム、多層構造をもつ容器
のバリヤー材として好んで用いられる。これはこの樹脂
が抜群のガスバリヤー性を有するだけでなく、透明性、
耐油性、印刷性、成形性などにも優れていて、基材樹脂
の特性を損なうことがないというきわめて有利な性質を
もつからである。
【0008】しかしながら、耐ピンホール性を特に要求
される分野には、積層包装材のバリヤー層としてEVO
H樹脂が満足に用いられている例はみられない。なかで
も、前述の如く輸送振動による屈曲疲労に耐えることが
強く求められている酸素等の気体バリア性を有するバッ
グインボックスの内容器にEVOH樹脂が用いられて該
要求を満足するものは見出されておらず、優れたバリヤ
ー性と輸送振動に耐える屈曲疲労強度をもったバッグイ
ンボックスの開発は、重要課題の一つであった。
【0009】また、特開昭61−220839号公報に
はEVOHにエチレン−カルボン酸ビニルエステル共重
合体、またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体お
よびハイドロタルサイト系化合物を配合した中間層に、
該中間層の両側に表面層を有し、少なくとも片方が熱可
塑性樹脂層で該各層が接着性樹脂層を介して配される積
層包装材について記載され、さらには、特開昭62−1
52848号公報にはEVOHにエチレン性不飽和カル
ボン酸などをグラフトしたポリエチレン系重合体を添加
することが提案されているが、必ずしも耐ピンホール性
が十分とは言えず、しばしば製品のロスを発生させてい
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐ピ
ンポール性およびガスバリヤー性に優れているフレキシ
ブル積層包装材、およびそれからなるバッグインボック
ス内容器バッグインボックスを提供することにあるが、
最大の特徴は、輸送時及び持ち運びの際の屈曲、振動に
より生じるピンホール発生の防止に非常に優れた効果を
有することであり、これにより製品のロスを最小限にと
どめることができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エチレン含
量20〜60モル%、ケン化度90%以上のエチレン−
ビニルアルコール共重合体60〜99重量%および(メ
タ)アクリル酸含量1〜30重量%のエチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体40〜1重量%からなり、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体のマトリックス中にエ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体粒子が分散してい
る樹脂組成物よりなる層を少なくとも一層有するフレキ
シブル積層包装材を提供することによって達成される。
【0012】このとき、エチレン−ビニルアルコール共
重合体が、エチレン含量の異なる2種類のエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体(a)および(b)の混合物か
らなり、(a)のエチレン含量が20〜45モル%、
(b)のエチレン含量が45〜65モル%、(a)と
(b)のエチレン含量の差が8モル%以上であり、かつ
その配合重量比{(a)/(b)}が2/1〜50/1
であることによって、本発明の目的はより効果的に達成
される。
【0013】また、エチレン−ビニルアルコール共重合
体のMFR(Ma)とエチレン−(メタ)アクリル酸共
重合体のMFR(Mb)の比(Ma/Mb)が0.1〜
5.0であることも好適である。
【0014】さらに、エチレン−ビニルアルコール共重
合体のマトリックス中に分散しているエチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体粒子がフィルム面に平行な一軸
方向に引き延ばされた円柱状の形状で分散しており、そ
の一軸方向に垂直な面で切断したときの粒子断面の平均
径が0.2〜1.3μmであることも好適である。
【0015】また、樹脂組成物層の両側に表面層を有
し、該表面層の少なくとも片方がヒートシール可能な熱
可塑性樹脂層である構成のフレキシブル積層包装材が好
適なものとして挙げられ、これらのフレキシブル積層包
装材からなるバッグインボックス内容器が好適な使用態
様として挙げられる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のEVOHは、エチレンと
ビニルエステルからなる共重合体をアルカリ触媒等を用
いてケン化して得られる。ビニルエステルとしては酢酸
ビニルが代表的なものとしてあげられるが、その他の脂
肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸
ビニルなど)も使用できる。
【0017】本発明におけるEVOHのエチレン含量は
20〜60モル%であり、好適には25〜50モル%、
より好適には25〜45モル%である。なおここで、E
VOHがエチレン含量の異なる2種類以上のEVOHの
配合物からなる場合には、配合重量比から算出される平
均値をエチレン含量とする。エチレン含量が20モル%
未満では、高湿度下でのガスバリア性が低下し溶融成形
性も悪化する。また60モル%を越えると十分なガスバ
リア性が得られない。
【0018】また、本発明のEVOHのビニルエステル
成分のケン化度は90%以上であり、好適には95%以
上、より好適には98%以上である。なおここで、EV
OHがケン化度の異なる2種類以上のEVOHの配合物
からなる場合には、配合重量比から算出される平均値を
ケン化度とする。ケン化度が90モル%未満では、高湿
度時のガスバリア性が低下するだけでなく、EVOHの
熱安定性が悪化し、成形物にゲルが発生しやすくなる。
【0019】またEVOHには、本発明の目的が阻害さ
れない範囲で他の単量体を少量共重合することもでき
る。共重合できる単量体の例としては、プロピレン、ブ
テン、イソブテン、4−メチルペンテン−1、ヘキセ
ン、オクテンなどのα−オレフィン、イタコン酸、メタ
クリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カ
ルボン酸、その塩、その部分または完全エステル、その
ニトリル、そのアミド、その無水物、ビニルトリメトキ
シシランなどのビニルシラン系化合物、不飽和スルホン
酸、その塩、アルキルチオール類、ビニルピロリドンな
どがあげられる。
【0020】なかでも、EVOHに共重合成分としてビ
ニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有す
る場合は、共押し出しする際の基材樹脂との溶融粘性の
整合性が改善され、均質な共押し出し多層パイプの製造
が可能なだけでなく、EVOH同士をブレンドに使用す
る際の分散性が改善され成形性などの改善の面でも有効
である。ここで、ビニルシラン系化合物としては、例え
ば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、
γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等が挙げ
られる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシランが好適に用いられる。
【0021】本発明のEVOH中のリン化合物濃度は、
リン元素重量換算で1〜200ppm、好適には2〜1
50ppm、最適には5〜100ppmの範囲であるこ
とが成形性や熱安定性の点から好ましい。
【0022】さらにナトリウムイオン、カリウムイオ
ン、リチウムイオンなどのアルカリ金属イオンを金属重
量換算でEVOHに対し10〜500ppm含有させる
ことも本発明の効果を増進させ、層間接着性や相溶性の
改善のために効果的である。アルカリ金属化合物として
は、一価金属の脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸
塩、リン酸塩、金属錯体等があげられ、具体的には、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン
酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カ
リウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩等があげ
られ、好適には、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン
酸ナトリウムがあげられる。
【0023】また、本発明に用いるEVOHの好適なメ
ルトフローレート(MFR)(210℃、2160g荷
重下で測定した値)は、好適には0.1〜50g/10
分、最適には0.5〜20g/10分である。なおここ
で、EVOHがメルトフローレートの異なる2種類以上
のEVOHの配合物からなる場合には、配合重量比から
算出される平均値をメルトフローレートとする。
【0024】本発明で用いるEVOHとしては、エチレ
ン含量および/またはケン化度の異なる2種以上のEV
OHをブレンドして用いる事が好適である。特に、EV
OHが、エチレン含量の異なる2種類のEVOH(a)
および(b)の混合物からなり、(a)のエチレン含量
が20〜45モル%、(b)のエチレン含量が45〜6
5モル%、(a)と(b)のエチレン含量の差が8モル
%以上であり、かつその配合重量比{(a)/(b)}
が2/1〜50/1であることが、良好なガスバリア性
と柔軟性の両立のために好ましい。
【0025】このとき、EVOH(a)のエチレン含量
は20〜45モル%であることが好ましい。より好適に
は25〜42モル%であり、さらに好適には30〜40
モル%である。EVOH(a)のエチレン含量が20モ
ル%未満では、柔軟性が悪化し、45モル%を超えると
ガスバリア性が低下する。
【0026】また、 EVOH(b)のエチレン含量は
45〜65モル%であることが好ましい。より好適には
47〜62モル%であり、さらに好適には50〜60モ
ル%である。EVOH(b)のエチレン含量がかかる範
囲にあることで、柔軟性が十分に改善される。
【0027】さらに、 EVOH(a)と(b)のエチ
レン含量の差は8モル%以上であることが好ましい。よ
り好適には12モル%以上であり、さらに好適には15
モル%以上である。EVOH(a)のエチレン含量の差
が8モル%未満では、柔軟性の改善効果が小さい。
【0028】またEVOH(a)および(b)の配合重
量比{(a)/(b)}が2/1〜50/1であること
が好ましい。より好適には3/1〜40/1であり、さ
らに好適には4/1〜30/1である。配合重量比が2
/1未満では、ガスバリア性が低下し、50/1を超え
ると柔軟性の改善効果が小さい。
【0029】本発明で用いられるエチレン−(メタ)ア
クリル酸共重合体とは、エチレンを主成分としアクリル
酸またはメタクリル酸を共重合した重合体のことをい
う。本発明においては共重合体中のカルボキシル基がナ
トリウムや亜鉛などの金属の塩の形で存在している、い
わゆるアイオノマーを含むものではない。かかるアイオ
ノマーを用いた場合に本願発明の目的が達成されないこ
とは、理由は明らかでないが、後述する比較例に示した
とおりである。
【0030】エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体中
の(メタ)アクリル酸含量は、1〜30重量%であり、
好適には2〜25重量%であり、より好適には3〜20
重量%である。(メタ)アクリル酸含量が1重量%未満
である場合は樹脂粒子の分散が不良となり、剛性が高く
なり屈曲によるピンホールを生じやすい。また30重量
%を超える場合にはバリア性が不足する。
【0031】また、本発明に用いるエチレン−(メタ)
アクリル酸共重合体の好適なメルトフローレート(MF
R)(210℃、2160g荷重下で測定した値)は、
好適には0.1〜80g/10分、最適には0.5〜5
0g/10分である。本発明においてエチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体は、(メタ)アクリル酸含量お
よび/またはMFRの異なる2種あるいはそれ以上のエ
チレン−(メタ)アクリル酸共重合体をブレンドして用
いることもできる。
【0032】本発明の樹脂組成物におけるEVOHの含
有量は60〜99重量%、好ましくは70〜97重量
%、より好ましくは80〜95重量%である。またエチ
レン−(メタ)アクリル酸共重合体の含有量は1〜40
重量%、好ましくは3〜30重量%、さらに好ましくは
5〜20重量%である。エチレン−(メタ)アクリル酸
共重合体の配合比が1重量%より少ない場合には、柔軟
性が低下し、屈曲時にピンホールを生じ、ガスバリア性
が低下する場合がある。また、エチレン−(メタ)アク
リル酸共重合体の配合比が40重量%より多い場合に
は、ガスバリア性が著しく低下する。
【0033】本発明の樹脂組成物は、EVOHのマトリ
ックス中にエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体粒子
が分散しているものである。かかる分散形態を有するこ
とで、良好なガスバリア性、力学特性を保有することが
できる。エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のマト
リックス中にEVOHが分散していたり、双方の樹脂が
連続状につながっているような形態の時にはガスバリア
性の低下が著しい。
【0034】本発明に用いるEVOHとエチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体のメルトフローレート(MF
R)(210℃、2160g荷重下で測定した値)比と
しては、EVOHのMFR(Ma)とエチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体のMFR(Mb)の比(Ma/
Mb)が0.1〜5.0であることが好ましく、より好
適には0.15〜3.0、最適には0.2〜2.0であ
る。かかる範囲のMFRの比の樹脂を組み合わせること
によって、良好に分散され、本発明の目的を達成するこ
とができる。
【0035】本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を
増進させ、また溶融安定性等を改善するためにハイドロ
タルサイト系化合物、ヒンダードフェノール系、ヒンダ
ードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カルボン酸の金属塩
(たとえば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウム等)の一種または二種以上を樹脂組成物に対
し0.01〜1重量%添加することは好適である。
【0036】また、本発明の樹脂組成物に必要に応じて
各種の添加剤を配合することもできる。このような添加
剤の例としては、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー、ある
いは他の高分子化合物を挙げることができ、これらを本
発明の作用効果が阻害されない範囲でブレンドすること
ができる。添加剤の具体的な例としては次のようなもの
が挙げられる。
【0037】酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブチルハイ
ドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、4,4’−チオビス−(6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル
フェノール)等。
【0038】紫外線吸収剤:エチレン−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)5−
クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン等。
【0039】可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエ
チル、フタル酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィ
ン、リン酸エステル等。 帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステアレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、硫酸化ポリオレフィン類、
ポリエチレンオキシド、カーボワックス等。 滑剤:エチレンビスステアロイルアミド、ブチルステア
レート等。 着色剤:カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリ
ドン、インドリン、アゾ系顔料、ベンガラ等。 充填剤:グラスファイバー、アスベスト、バラストナイ
ト、ケイ酸カルシウム等。
【0040】また、他の多くの高分子化合物を本発明の
作用効果が阻害されない程度にブレンドすることもでき
る。
【0041】本発明のフレキシブル積層包装材における
樹脂組成物層の各樹脂の分散状態は、EVOHのマトリ
ックス中に分散しているエチレン−(メタ)アクリル酸
共重合体粒子がフィルム面に平行な一軸方向に引き延ば
された円柱状に分散分散されていることが好ましい。こ
こで、一軸方向とはフィルムの押出方向のことである。
このとき、その軸方向に垂直な面で切断したときの粒子
断面の平均径が0.2〜1.2μmであることが好まし
く、0.3〜1.0μmであることがより好ましい。か
かる粒子断面の平均径が1.2μmより大きい場合に
は、組成物中での不均一な分散が発生しやすく、フィル
ム屈曲時にクラックを生じるとともにガスバリア性が低
下する。また粒子断面の平均径が0.2μm未満の場
合、分散粒子を含有する効果が組成物の耐屈曲性に生か
されない。
【0042】本発明でいう粒子断面の平均径の測定方法
としては、以下の手順が示される。まず、フィルムの押
出方向と垂直な面のサンプルの破断面を走査型電子顕微
鏡、あるいは透過型電子顕微鏡観察等によって撮影す
る。続いてこれら電子顕微鏡観察等によって得られた写
真を画像処理によりその輪郭を特定し、特定された粒子
の輪郭の長径および短径の平均の値をその粒子の径と
し、得られた各粒子の径の平均値を粒子断面の平均径と
して求めた。
【0043】このような分散形態を得るために、本発明
における混練操作は重要である。高度な分散を有する組
成物を得るための混練機としては、連続式インテンシブ
ミキサー、ニーディングタイプ二軸押出機(同方向、あ
るいは異方向)などの連続型混練機が最適であるが、バ
ンバリーミキサー、インテンシブミキサー、加圧ニーダ
ーなどのバッチ型混練機を用いることもできる。また別
の連続混練装置としては石臼のような摩砕機構を有する
回転円板を使用したもの、たとえば(株)KCK製のK
CK混練押出機を用いることもできる。混練機として通
常に使用されるもののなかには、一軸押出機に混練部
(ダルメージ、CTM等)を設けたもの、あるいはブラ
ベンダーミキサーなどの簡易型の混練機もあげることが
できる。
【0044】この中で、本発明の目的に最も好ましいも
のとしては連続式インテンシブミキサーを挙げることが
できる。市販されている機種としてはFarrel社製
FCM、(株)日本製鋼所製CIMあるいは(株)神戸
製鋼所製KCM、LCMあるいはACM等がある。実際
にはこれらの混練機の下に一軸押出機を有する、混練と
押出ペレット化を同時に実施する装置を採用するのが好
ましい。また、ニーディングディスクあるいは混練用ロ
ータを有する二軸混練押出機、例えば(株)日本製鋼所
製のTEX、Werner&Pfleiderer社の
ZSK、東芝機械(株)製のTEM、池貝鉄工(株)製
のPCM等も本発明の混練の目的に用いられる。
【0045】これらの連続型混練機を用いるにあたって
は、ロータ、ディスクの形状が重要な役割を果たす。特
にミキシングチャンバとローターチップあるいはディス
クチップとの隙間(チップクリアランス)は重要であ
り、狭すぎても広すぎても本発明の良好な分散性を有す
る組成物は得られない。チップクリアランスとしては1
〜5mmが最適である。
【0046】また、本発明の良好な分散性を有する組成
物を得るためには混練機の比エネルギーとして0.1k
Wh/kg以上、望ましくは0.2〜0.8kWh/k
gで混練することが最良であることが判明した。比エネ
ルギーは混練に使用されるエネルギー(消費電力量;k
W)を1時間あたりの混練処理量(kg)で除して求め
られるものであり、その単位はkWh/kgである。比
エネルギーが通常の混練で採用される値より高い値で混
練することが本発明の組成物を得るためには必要であ
り、比エネルギー0.1kWh/kg以上とするために
は、単に混練機の回転数をあげるだけでは不十分で、混
練中の組成物をジャケットなどにより冷却して温度を下
げ、粘度を上昇させることが好ましい。粘度を低くした
状態で混練したのでは本発明の目的とする組成物を得る
ことは難しい。したがって、混練温度は混練部の出口の
排出樹脂温度でEVOHの融点〜融点+40℃の範囲で
あることが効果的である。
【0047】また、混練機のローターの回転数は100
〜1200rpm、望ましくは150〜1000rp
m、さらに望ましくは200〜800rpmの範囲が採
用される。混練機チャンバー内径(D)は30mm以
上、望ましくは50〜400mmの範囲のものが挙げら
れる。混練機のチャンバー長さ(L)との比L/Dは4
〜30が好適である。また混練機はひとつでもよいし、
また2以上を連結して用いることもできる。
【0048】混練時間は長い方が良い結果を得られる
が、EVOHの熱劣化変質あるいは経済性の点から10
〜600秒、好適には15〜200秒の範囲であり、最
適には15〜150秒である。
【0049】本発明のフレキシブル積層包装材は、上記
樹脂組成物よりなる層を少なくとも一層有するものであ
る。フレキシブル積層包装材の層構成は特に限定される
ものではないが、樹脂組成物層の両側に表面層を有し、
該表面層の少なくとも片方がヒートシール可能な熱可塑
性樹脂層であることが好ましい。
【0050】樹脂組成物層の両側に表面層を有すること
が好ましいのは、樹脂組成物層を物理的に保護し、強度
等を改善することができるのと同時に、樹脂組成物層が
吸湿してガスバリア性が低下するのを防ぐこともできる
からである。また、表面層として用いることのできる樹
脂は特に限定されるものではなく、ポリオレフィン系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、飽和ポリ
エステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート等)、ポ
リカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩
化ビニリデン系樹脂等があげられ、適当に選択できる。
これらのうち、柔軟性を確保する観点から、ポリオレフ
ィン樹脂、ポリアミド樹脂が、好ましいものとして挙げ
られる。
【0051】上記表面層の少なくとも片方がヒートシー
ル可能な熱可塑性樹脂層であるのが好ましいのは、ヒー
トシール操作によって内容物を容易に密封できるからで
ある。ヒートシール層に用いられる樹脂は特に限定され
るものではないが、樹脂組成物層中に用いられるEVO
H樹脂の融点よりも低い融点あるいは軟化点を有する樹
脂が好ましく、特にポリオレフィン系樹脂が好ましい。
用いられるポリオレフィン系樹脂としては、高密度もし
くは低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン
−1などの単独重合体、およびエチレン、プロピレン、
1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル
−1−ペンテンなどから選ばれたα−オレフィン同士の
共重合体あるいはα−オレフィンと他の共重合体成分と
の共重合体があげられる。これらα−オレフィン以外の
共重合成分としては、ジオレフィン、N−ビニルカルバ
ゾール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、ス
チレン、アクリロニトリル、ビニルエーテル、などのビ
ニル化合物、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、
エタクリル酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カル
ボン酸、そのエステルおよびその酸無水物あるいはこれ
らにヒドロキシル基またはエポキシ基を付加したものな
どがあげられる。例えばグラフト可能なモノマーとポリ
オレフィンとの共重合体やα−オレフィン/α,β−不
飽和カルボン酸共重合体とイオン性金属化合物との反応
物であるアイオノマー樹脂などの各種の共重合体などを
用いることもできる。なかでも、低密度ポリエチレン
(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)が好適である。これらのポリオレフィン系樹脂はそ
れぞれ単独で用いることもできるし、また2種以上を混
合して用いることもできる。また、内外の両表面層にか
かるヒートシール可能な熱可塑性樹脂を設けることも好
ましい。
【0052】また、樹脂組成物層と両表面層との間の接
着性を確保するために接着性樹脂層を設けることもでき
る。接着性樹脂層に使用される樹脂は特に限定されるも
のではないが、ポリウレタン系、ポリエステル系一液型
あるいは二液型硬化性接着剤、不飽和カルボン酸または
その無水物(無水マレイン酸など)をオレフィン系重合
体または共重合体に共重合またはグラフト変性したもの
(カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂)が、好適に用い
られる。このような接着性樹脂層を設けることにより、
層間接着性の優れたフレキシブル積層包装材を得ること
ができる。
【0053】これらのうちでも、接着性樹脂がカルボン
酸変性ポリオレフィン樹脂であることが、EVOHを含
む樹脂組成物層あるいは共重合ポリプロピレンとの接着
性、あるいはスクラップ回収時の相溶性の観点からより
好ましい。かかるカルボン酸変性ポリエチレン系樹脂の
例としては、ポリエチレン{低密度ポリエチレン(LD
PE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超
低密度ポリエチレン(VLDPE)}、ポリプロピレ
ン、共重合ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(メチル
エステル、またはエチルエステル)共重合体等をカルボ
ン酸変性したものが挙げられる。
【0054】本発明のフレキシブル積層包装材の具体的
構成例は、樹脂組成物層をB、熱可塑性樹脂層をTとし
たときに、T/B、T/B/T、T/B/T/B、T/
B/T/B/T等の構成が挙げられる。このとき、熱可
塑性樹脂層のTの一層または全層がヒートシール層であ
ることが好ましく、これらの層間に接着性樹脂層を介在
させてもよい。
【0055】かかるフレキシブル積層包装材の厚み構成
は特に限定されるものではないが、全体厚みが80〜2
00μmであることが好ましく、より好ましくは100
〜150μmである。全体厚みが200μmを超える場
合には、柔軟性が低下するとともに、必要以上に容器の
重量が大きくなり、コストの点から好ましくない。また
全体厚みが80μm未満では、力学的強度が小さくて破
れやすく、しかもその部分の樹脂組成物層にピンホール
が発生しやすいので内容物を充分に保護することができ
ない。
【0056】また、樹脂組成物層の厚みは5〜35μm
であることが好ましく、より好ましくは10〜25μm
である。樹脂組成物層の厚みが35μmを超える場合に
はコストが上昇する上にフィルム全体の柔軟性が低下す
るので好ましくない。逆に樹脂組成物層の厚みが5μm
以下では、良好なガスバリア性が得られず好ましくな
い。
【0057】本発明のフレキシブル積層包装材を得る方
法は、特に限定されるものではないが、一般のポリオレ
フィン等の分野において実施されている成形方法、例え
ばTダイ成形、インフレーション成形、共押出成形、ド
ライラミネート成形等を採用することができ、特に共押
出成形が好適である。
【0058】上述のようなフレキシブル積層包装材は、
バッグインボックス内容器の材料として好適である。か
かるバッグインボックスの内容物としては、保存性が要
求される各種の液体が挙げられ、具体的にはワイン、食
用油、しょうゆ、ソース、機械用潤滑油等が好適な内容
物として挙げられる。
【0059】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明する。
実施例によって得られたフレキシブル積層包装材の評価
は、以下の方法に従って行った。
【0060】・フレキシブル積層包装材中の分散粒子の
粒子断面の平均径 積層フィルムの押出方向と垂直な面のサンプルの破断面
を走査型電子顕微鏡で観察し、倍率3000〜2000
0倍の写真撮影を行った。得られた写真中の分散粒子断
面をケイオー電子工業製画像計測ツールシステムASP
ECTを用いてその輪郭を特定し、特定された粒子の輪
郭の長径および短径の平均の値をその粒子の径とし、得
られた各粒子の径の値の平均値を粒子断面の平均径とし
て求めた。測定する分散粒子の数は30個以上になるよ
うにした。分散粒子の観察に際しては、配合樹脂の種類
により観察が困難な場合には必要に応じて、ペレット破
断面をミクロトームで平滑にしたり、分散粒子をキシレ
ン等により溶解して分散粒子の溶解後の痕跡を観察する
方法を採用したりした。
【0061】・酸素透過量 積層フィルムを20℃−85%RHに湿度調整した後、
バリア測定装置(モダンコントロール社製、OX−TR
AN−10/50A)にて、積層フィルムの酸素透過量
を測定した。
【0062】・ヘイズ 積層フィルムの一部を切り取りシリコンオイルを塗布し
て、村上色彩技術研究所製HR−100を用い、AST
M D1003−61に従ってヘイズ値を測定した。
【0063】・耐ピンホール性 ゲルボフレックステスター(理学工業(株)製)を用い
て測定した。ゲルボフレックステスターとは、12in
×8inの試料片を直径3.5inの円筒状となし、両
端を把持し、初期把持間隔7in、最大屈曲時の把持間
隔1in、ストロークの最初の3.5inで、440℃
の角度のひねりを加え、その後の2.5inは直線水平
動である動作のくり返し往復動を40回/分の速さで2
0℃、相対湿度65%の条件下に行うものであり、耐ピ
ンホール性とは、ゲルボフレックステスターにより1個
のピンホールが発生するまでの往復回数をいう。
【0064】実施例1 酢酸ナトリウムをナトリウム元素の重量換算で65pp
m、リン化合物をリン酸塩の形でリン原子当たりの重量
で100ppm含有するEVOH{エチレン量32モル
%、ケン化度99.6%、MFR=3.1g/10分
(210℃、2160g荷重)}90重量%と、エチレ
ン−メタクリル酸共重合体(以下EMAAと略する)
{メタクリル酸(MAA)含有量:9重量%、三井デュ
ポンケミカル「ニュクレル0903HC、MFR=5.
7g/10分(210℃、2160g荷重)}10重量
%とをドライブレンドした後、ニーディングディスクを
有する30mmφの2軸押出機(日本製鋼所製TEX3
0:L/D=30)を用いてシリンダー温度をフィード
下部を190℃、混練部及びノズル付近を210℃に設
定し、押出機のローターの回転数は610rpm、フィ
ーダーのモーター回転数250rpmで、溶融混練しペ
レット化を行った。この時の押出量が1時間当たり20
kgでシリンダー内部の樹脂圧力は20kg/cm2
あった。このときの比エネルギーは0.6kWh/kg
であった。
【0065】さらに、このペレタイズされた樹脂組成物
を用いて、40Φ押出機とTダイからなる製膜機によ
り、押出機温度180〜220℃、Tダイ温度215℃
で製膜し、厚さ25μの炭層フィルムを得た。該フィル
ムについて耐ピンホール性、ヘイズの評価を行った。ま
た、得られたペレットを樹脂組成物層とし、直鎖状低密
度ポリエチレン(LLDPE){MFR=2.1g/1
0分(210℃、2160g荷重)、三井石油化学製
「ウルトゼックス3520L」}を両外層とし、無水マ
レイン酸変性ポリエチレン{MFR=3.3g/10分
(210℃、2160g荷重)、三井石油化学製「アド
マーSF600」}を接着剤(AD)層とし、T型ダイ
を備えた共押出機にて3種5層(LLDPE/AD/樹
脂組成物層/AD/LLDPE=30μ/10μ/20
μ/10μ/30μ)で全体厚みが100μmの多層フ
ィルムを得た。得られた多層フィルムについて、樹脂組
成物層中の分散樹脂粒子断面平均径、酸素透過量および
耐ピンホールを測定した。これらの結果について表1お
よび表2に示した。
【0066】比較例1 実施例1において、樹脂組成物層のかわりに実施例1で
用いたのと同じEVOH樹脂を単独で用いた以外は、実
施例1に同様にしてサンプルを作製し試験をおこなっ
た。評価結果は表1および表2にまとめて示す。
【0067】実施例2、3、比較例2 実施例1において使用したものと同じEVOHとEMA
Aを用い、その混合比をEVOH95重量%、EMAA
5重量%(実施例2)、EVOH80重量%、EMAA
20重量%(実施例3)、EVOH50重量%、EMA
A50重量%(比較例2)に変更した以外は、実施例1
に同様にしてサンプルを作製し試験をおこなった。評価
結果は表1および表2にまとめて示す。
【0068】実施例4、5 実施例1において使用したEVOHをエチレン含量の異
なるEVOH{エチレン含量27モル%、ケン化度9
9.6%、MFR=3.9g/10分(210℃、21
60g荷重)}(実施例4)、{エチレン含量44モル
%、ケン化度99.7%、MFR=3.5g/10分
(210℃、2160g荷重)}(実施例5) に変更
した以外は実施例1に同様にしてサンプルを作製し試験
をおこなった。評価結果は表1および表2にまとめて示
す。
【0069】実施例6〜9 実施例1において使用したEVOH90重量%の代わり
に、以下に示す割合で配合した2種類のEVOHを用い
た以外は実施例1に同様にしてサンプルを作製し試験を
おこなった。評価結果は表1および表2にまとめて示
す。 実施例6;エチレン含量32モル%、ケン化度99.6
%、MFR=3.1g/10分(210℃、2160g
荷重)のEVOH85重量部 エチレン含量51モル%、ケン化度96%、MFR=1
5.1g/10分(210℃、2160g荷重)のEV
OH5重量部 実施例7;エチレン含量38モル%、ケン化度99.7
%、MFR=3.8g/10分(210℃、2160g
荷重)のEVOH85重量部 エチレン含量51モル%、ケン化度96%、MFR=1
5.1g/10分(210℃、2160g荷重)のEV
OH5重量部 実施例8;エチレン含量38モル%、ケン化度99.7
%、MFR=3.8g/10分(210℃、2160g
荷重)のEVOH85重量部 エチレン含量44モル%、ケン化度99.7%、MFR
=3.5g/10分(210℃、2160g荷重)のE
VOH5重量部 実施例9;エチレン含量32モル%、ケン化度99.6
%、MFR=3.1g/10分(210℃、2160g
荷重)のEVOH50重量部エチレン含量51モル%、
ケン化度96%、MFR=15.1g/10分(210
℃、2160g荷重)のEVOH40重量部
【0070】実施例10〜12、比較例3〜8 実施例1において用いたEMAA{メタクリル酸含有
量:9重量%、三井デュポンケミカル「ニュクレル09
03HC、MFR=5.7g/10分(210℃、21
60g荷重)}のかわりに、以下に示す樹脂を用いた以
外は実施例1に同様にしてサンプルを作製し試験をおこ
なった。評価結果は表1および表2にまとめて示す。 実施例10;EMAA{メタクリル酸含有量:4重量
%、三井デュポンケミカル「ニュクレルAN4214
C」、MFR=12.2g/10分(210℃、216
0g荷重)} 実施例11;EMAA{メタクリル酸含有量;12重量
%、三井デュポンケミカル「ニュクレル1207C」、
MFR=13.4g/10分(210℃、2160g荷
重)} 実施例12;エチレン−アクリル酸共重合体(以下EA
Aと略する){アクリル酸(AA)含有量:9.0重量
%、ダウケミカル「プリマコール1430、MFR=
8.7g/10分(210℃、2160g荷重)} 比較例3;エチレンーメチルメタクリレート共重合体
{メチルメタアクリル酸(MMA)含有量:18重量
%、住友化学「アクリフトWH303、MFR=12.
1g/10分(210℃、2160g荷重)} 比較例4;無水マレイン酸変性ポリエチレン{MFR=
3.6g/10分(210℃、2160g荷重)、三井
石油化学製「アドマーNF500」} 比較例5;アイオノマー{三井デュポンケミカル製「ハ
イミラン1652、MFR=7.6g/10分(210
℃、2160g荷重)} 比較例6;LDPE{三井石油化学製「ミラソンB32
4、MFR=3.4g/10分(210℃、2160g
荷重)} 比較例7;ナイロン{ナイロン6(PA−6){MFR
=7.2g/10分(230℃、2160g荷重)、宇
部興産製「UBEナイロン1022B」} 比較例8;エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物{東
ソー製「メルセンH6051」、エチレン含量89モル
%、ケン化度97%、MFR=12.1g/10分(2
30℃、2160g荷重)}
【0071】実施例13〜16 以下に示すEVOHとエチレン−(メタ)アクリル酸共
重合体を組み合わせて用いた以外は実施例1と同様にし
てサンプルを作製し試験をおこなった。このとき、用い
るEVOHとエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の
MFRを変更することで、その(Ma/Mb)を調整し
た。評価結果は表1および表2にまとめて示す。 実施例13 EVOH{エチレン含量32モル%、ケン化度99.6
%、MFR=1.2g/10分(210℃、2160g
荷重)}、EMAA{メタクリル酸含有量:9重量%、
三井デュポンケミカル「ニュクレルNC0908H
G」、MFR=15.3g/10分(210℃、216
0g荷重)} 実施例14 EVOH{エチレン含量32モル%、ケン化度99.6
%、MFR=33.0g/10分(210℃、2160
g荷重)}、EMAA{メタクリル酸含有量:9重量
%、三井デュポンケミカル「ニュクレル0903HC、
MFR=5.7g/10分(210℃、2160g荷
重)} 実施例15 EVOH{エチレン含量32モル%、ケン化度99.6
%、MFR=1.2g/10分(210℃、2160g
荷重)}、EAA{アクリル酸含有量:9重量%、ダウ
ケミカル「プリマコール3440」、MFR=18.0
g/10分(210℃、2160g荷重)} 実施例16 EVOH{エチレン含量32モル%、ケン化度99.6
%、MFR=33.0g/10分(210℃、2160
g荷重)}、EAA{アクリル酸含有量:9重量%、ダ
ウケミカル「プリマコール1420」、MFR=5.6
g/10分(210℃、2160g荷重)}
【0072】実施例17 実施例1において、EVOHとEMAAの溶融混練を2
軸押出し機を用いる替わりに、1軸押出し機(プラコー
製GT−40−A:L/D=26、フルフライトタイプ
スクリュー使用)を用いてシリンダー温度をフィード下
部で190℃、混練部及びノズル付近で210℃に設定
し、押出機のローターの回転数は1500rpmで、溶
融混練しペレット化を行い、この時の押出量が1時間当
たり20kgでシリンダー内部の樹脂圧力は8kg/c
2で、このときの比エネルギーは0.1KWh/Kg
であった以外は、実施例1に同様にしてサンプルを作製
し試験をおこなった。評価結果は表1および表2にまと
めて示す。
【0073】実施例18 スクリューをフルフライトタイプスクリューから、先端
に混練部を有したタイプのスクリューに交換した以外は
実施例17と同様にしてサンプルを作製し試験をおこな
った。このとき、シリンダー内部の樹脂圧力は10kg
/cm2で、このときの比エネルギーは0.15KWh
/Kgであった。評価結果は表1および表2にまとめて
示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【発明の効果】以上のように、本発明のバッグインボッ
クスは、ガスバリヤー性が良好な上、耐ピンホール性が
優れているため、輸送時および持ち運び時の屈曲、振動
により生じるピンホールの発生が極めて少ない。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含量20〜60モル%、ケン化
    度90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体6
    0〜99重量%および(メタ)アクリル酸含量1〜30
    重量%のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体40〜
    1重量%からなり、エチレン−ビニルアルコール共重合
    体のマトリックス中にエチレン−(メタ)アクリル酸共
    重合体粒子が分散している樹脂組成物よりなる層を少な
    くとも一層有するフレキシブル積層包装材。
  2. 【請求項2】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
    が、エチレン含量の異なる2種類のエチレン−ビニルア
    ルコール共重合体(a)および(b)の混合物からな
    り、(a)のエチレン含量が20〜45モル%、(b)
    のエチレン含量が45〜65モル%、(a)と(b)の
    エチレン含量の差が8モル%以上であり、かつその配合
    重量比{(a)/(b)}が2/1〜50/1である請
    求項1記載のフレキシブル積層包装材。
  3. 【請求項3】 エチレン−ビニルアルコール共重合体の
    MFR(Ma)とエチレン−(メタ)アクリル酸共重合
    体のMFR(Mb)の比(Ma/Mb)が0.1〜5.
    0である請求項1または2に記載のフレキシブル積層包
    装材。
  4. 【請求項4】 エチレン−ビニルアルコール共重合体の
    マトリックス中に分散しているエチレン−(メタ)アク
    リル酸共重合体粒子がフィルム面に平行な一軸方向に引
    き延ばされた円柱状の形状で分散しており、その一軸方
    向に垂直な面で切断したときの粒子断面の平均径が0.
    2〜1.3μmである請求項1ないし3のいずれかに記
    載のフレキシブル積層包装材。
  5. 【請求項5】 樹脂組成物層の両側に表面層を有し、該
    表面層の少なくとも片方がヒートシール可能な熱可塑性
    樹脂層である請求項1ないし4のいずれかに記載のフレ
    キシブル積層包装材。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のフ
    レキシブル積層包装材からなるバッグインボックス内容
    器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1464480A1 (en) * 2003-03-31 2004-10-06 Tohcello Co., Ltd. Gas barrier laminated film and a process for producing same
JP2020093417A (ja) * 2018-12-10 2020-06-18 三菱ケミカル株式会社 熱成形用食品包装フィルム、熱成形用食品包装多層フィルム、深絞り包装用フィルム、および、スキンパック用フィルム
WO2023102725A1 (en) * 2021-12-07 2023-06-15 Dow Global Technologies Llc Gas barrier laminate

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