JP2020093417A - 熱成形用食品包装フィルム、熱成形用食品包装多層フィルム、深絞り包装用フィルム、および、スキンパック用フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2:WO2013/172226
特許文献3:特開平11−091043
特許文献4:特開2004−002791
そこで、本願は、ガスバリア性、透明性、および、二次加工時の成形性に優れた熱成形用食品包装フィルム、熱成形用食品包装多層フィルム、これらフィルムを用いた、深絞り包装用フィルムおよびスキンパック用フィルムを提供することを課題とする。
前記ポリオレフィン系エラストマー(B)がエチレン−メタクリル酸共重合体であり、
前記ガスバリア層の横方向(TD)の110℃での引張試験における、伸び500%の引張応力(STD)と、前記(A)と前記(B)の組成比が(A)/(B)=100/0である樹脂組成物のガスバリア層の横方向(TD)の110℃での引張試験における、伸び500%の引張応力(STD[(A)/(B)=100/0])とが、以下の式(1)を満たし、
STD/STD[(A)/(B)=100/0]≦0.98・・・式(1)、
下記(a)または(b)の少なくとも一方を満たす、熱成形用食品包装フィルムを開示する。
(a)前記ガスバリア層のガス透過率Tと、前記(A)と前記(B)の組成比が(A)/(B)=100/0である樹脂組成物のガスバリア層のガス透過率T[(A)/(B)=100/0]とが、以下の式(2)を満たす。
ガス透過率T[(A)/(B)=100/0]/ガス透過率T≧0.80・・・式(2)
(b)前記ガスバリア層の厚さ50μmにおけるガス透過率が0.50cc/m2・24hr・atm以下である。
また、ガスバリア層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)とポリオレフィン系エラストマー(B)の組成物を主成分としてなるが、(A)および(B)は海島構造のドメインを形成する。(B)は島状のドメイン構造を有し、縦方向(MD)に長い直径を有する。該長い直径の方向に直行する方向として、横方向(TD)であることが確認できる。島状のドメイン構造は、TEM観察等により確認できる。
前記ポリオレフィン系エラストマー(B)がエチレン−メタクリル酸共重合体であり、
さらに、ポリアミド層、ポリエステル層、アイオノマー層、ポリオレフィン層の内少なくとも1層を有する、熱成形用食品包装多層フィルムを開示する。
なお、スキンパックとは、加熱した蓋材用フィルムを圧空で内容物に密着させると同時に底材トレーとフィルムとを熱シールして真空包装した包装体を云う。
本発明の熱成形用食品包装フィルムは、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)とポリオレフィン系エラストマー(B)とを含有する樹脂組成物を主成分としてなるガスバリア層を有する。
本願において、「主成分」とは、該成分を含むもの(例えば層)を基準として、該成分を、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上含むことを意味する。
前記ガスバリア層に使用されるEVOH(A)は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体をアルカリ触媒等によってケン化することによって得られる共重合体である。
EVOH(A)の屈折率は好ましくは1.510〜1.530であり、より好ましくは1.510〜1.525である。
前記ガスバリア層に使用されるポリオレフィン系エラストマー(B)は、エチレンやプロピレンとの共重合体が挙げられ、詳しくは、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体などが挙げられる。
前記ポリオレフィン系エラストマー(B)は、屈折率、EVOHとの分散性、生産性、二次加工性付与の観点からエチレン−メタクリル酸共重合体(以下、EMAAと記すことがある。)が好ましい。EMAAは、結晶性樹脂であるため、ガスバリア性を低下させにくい観点からも好ましい。なお、EMAAは、エチレンとメタクリル酸とを共重合した重合体のことである。
(組成比)
本発明の熱成形用食品包装フィルムにおけるガスバリア層のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)とポリオレフィン系エラストマー(B)との組成比(質量比)は、(A)/(B)=71/29〜99/1とすることで、ガスバリア性と二次加工性を両立できる。
ガスバリア性の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)とポリオレフィン系エラストマー(B)の全体を100としたとき、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)の組成比(質量比)は、71以上であることが好ましく、75以上であることがより好ましく、二次加工性の観点から、ポリオレフィン系エラストマー(B)の組成比(質量比)は、1以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。
ガスバリア層中のEVOH(A)とポリオレフィン系エラストマー(B)の屈折率差は、好ましくは0.030以下であり、より好ましくは0.025以下であり、さらに好ましくは0.020以下である。ポリオレフィン系エラストマー(B)の屈折率差が0.030以下とすることで、フィルムの透明性を良好にし、内容物の視認性を良好にできる。
ガスバリア層の厚さ50μmにおける全ヘーズは、内容物視認性の観点から好ましくは12%以下であり、より好ましくは10%以下である。
本発明の熱成形用食品包装フィルムにおけるガスバリア層は、以下の(a)または(b)の少なくとも一方を満たす必要がある。
(a)ガスバリア層のガス透過率Tと、前記(A)と前記(B)の組成比が(A)/(B)=100/0である樹脂組成物のガスバリア層のガス透過率T[(A)/(B)=100/0]とが、以下に示す式(2)を満たす。
ガス透過率T[(A)/(B)=100/0]/ガス透過率T≧0.80・・・式(2)
なお、ガスバリア層の厚さ50μmにおけるガス透過率は、好ましくは、0.48cc/m2・24hr・atm以下であり、より好ましくは0.46cc/m2・24hr・atm以下である。
本発明の熱成形用食品包装フィルムにおけるガスバリア層の横方向(TD)の110℃での引張試験における、伸び500%の引張応力(STD)と、前記(A)と前記(B)の組成比が(A)/(B)=100/0である樹脂組成物のガスバリア層の横方向(TD)の110℃での引張試験における、伸び500%の引張応力(STD[(A)/(B)=100/0])とが、以下の式(1)を満たす必要がある。
STD/STD[(A)/(B)=100/0]≦0.98・・・式(1)
式(1)の値が0.98以下とすることで、二次加工性時にフィルムの破けやしわが発生することがなく好ましい。
ガスバリア層の110℃における引張破断伸びは好ましくは150%以上であり、より好ましくは250%以上であり、さらに好ましくは350%以上である。引張破断伸びが150%以上とすることで、スキンパック包装の際にフィルムの破けが発生することがなく好ましい。
本発明の熱成形用食品包装フィルムにおけるガスバリア層の振動周波数10Hz、110℃の条件で測定された固体粘弾性の弾性率E´は、以下に示す式(3)を満たすことが好ましい。
E´/E´[(A)/(B)=100/0]≦0.90・・・式(3)
ここで、E´[(A)/(B)=100/0]はガスバリア層中のEVOH単体での弾性率を示す。式(3)の値が0.90以下でとすることで、二次加工性時に、フィルムの破けやしわが発生することがなく好ましい。
本発明の熱成形用食品包装フィルムはガスバリア層のほかに、その他の熱可塑性樹脂層と合わせて多層化することが出来る。例えば、ポリオレフィン層、アイオノマー層、ポリアミド層、ポリエステル層、などを配して熱成形用食品包装多層フィルムとしてもよい。
ヒートシール性や柔軟性などを付与する目的で、ポリエチレン系樹脂などのポリオレフィン層を配してもよい。なお、ヒートシール性を付与する場合は、熱成形用食品包装多層フィルムの最内層とてして配する。
ここで、「最内層」とは、蓋材であれば、底材とヒートシールする側の層をいい、底材であれば、蓋材とヒートシールする側の層をいう。また、「最外層」とは、最内層とは反対側の層、つまり、包装体の外面を形成する層である。
これらの樹脂は、トレーの材質、トレー面の形状、内容物の形状、種類に合わせ、適宜選択することができる。
本発明の熱成形用食品包装多層フィルムは、柔軟性を付与する目的で、アイオノマー樹脂を含むアイオノマー層を配してもよい。
アイオノマー樹脂は、エチレン−メタクリル酸共重合体を亜鉛やナトリウムなどの金属イオンで架橋させたものであり、特に限定はされないが、ナトリウムイオン中和タイプのアイオノマー樹脂を用いることが好ましい。
また、アイオノマー層は、熱成形用食品包装多層フィルムの最内層(ヒートシール層)に隣接する層に配設することが好ましい。
本発明の熱成形用食品包装多層フィルムは、フィルムに強度、特に耐ピンホール性を付与する目的で、ポリアミド樹脂を含むポリアミド層を配してもよい。
ポリアミド層を配する層は、熱成形用食品包装多層フィルムの最内層および最外層以外の中間層に配設することが好ましい。
本発明の熱成形用食品包装多層フィルムは、光沢性を付与する目的で、ポリエステル樹脂を含むポリエステル層を配してもよい。
ポリエステル層は、本発明の熱成形用食品包装多層フィルムの最外層に配設することが好ましい。
ポリエステル樹脂の種類は特に限定されないが、具体的に例示すると、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエチレンテレフタレート・エチレンイソフタレート共重合体(PETI)、ポリブチレンテレフタレートイソフタレート共重合体(PBTI)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等が挙げられる。中でも、二次加工性付与の観点から非晶性ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(以下、PETGと記すことがある。)を含む層を配することが好ましい。
1. ポリエステル/ガスバリア層/IO/シール、
2. ポリエステル/ガスバリア層/PA/IO/シール、
3. PP/PA/ガスバリア層/PA/IO/シール、
4. PP/ガスバリア層/PA/PE/シール、
5. PP/PA/ガスバリア層/PA/PE/シール、
6. PA/ガスバリア層/IO/シール、
7. PA/ガスバリア層/PE/シール、
8. PE/ガスバリア層/PE/シール、
9. PE/ガスバリア層/IO/シール、
10. IO/ガスバリア層/PE/シール、
11. PP/ガスバリア層/PP/シール、
12. PP/ガスバリア層/PA/PP/シール、
本発明の熱成形用食品包装多層フィルムのフィルム総厚は、40μm以上200μm未満である。下限は好ましくは60μm以上、より好ましくは80μm以上である。上限は好ましくは150μm以下、より好ましくは120μm以下である。フィルム総厚が40μm未満では、フィルム強度が不十分となり、鋭利な形状の内容物の場合や低温保管の場合に、衝撃や擦れによってフィルムに破れやピンホールが発生しやすい。200μm以上では、内容物形状に対する追従性が悪くなり、密着性が不十分となり、例えば、内容物の周辺部、即ち内容物がトレーに接する際(きわ)の箇所において、フィルムに浮きが生じやすい。
本発明の熱成形用食品包装フィルム、および、熱成形用食品包装多層フィルムは、その効果を著しく阻害しない範囲内で、適宜、必要とする層に対して、成形加工性、生産性等の諸性質を改良・調整する目的で、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤などの添加剤を添加できる。
本発明の熱成形用食品包装フィルム、および、熱成形用食品包装多層フィルムは、公知の方法を用いて作製することができる。例えば、押出ラミネーション法、共押出インフレーション法、共押出Tダイ法等を用いることができ、特に、フィルムの層数が多い場合でも製膜工程は変わらない点や厚み制御が比較的容易である点で共押出Tダイ法を用いることが好ましい。
本発明の熱成形用食品包装フィルム、および、熱成形用食品包装多層フィルムは、ガスバリア性、透明性、および、二次加工時の成形性に優れる点から、高い二次加工時の成形性が要求される、深絞り包装用のフィルム、または、スキンパック用フィルムとして好適に使用することが可能である。
下記の原料を用い、Tダイ法にて樹脂温度230℃で押出した後、40℃のキャストロールで急冷製膜し厚さ50μmのフィルムを得た。
EVOH:エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン38モルタイプ、MFR4g/10分、屈折率1.518、融点163℃、
EMAA1:エチレン−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸11質量%、MFR8g/10分、屈折率1.511、融点96℃、
EMAA2:エチレン−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸11質量%、MFR10g/10分、屈折率1.502、融点92℃、
SIBS:スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体/スチレン−イソブチレンブロック共重合体、スチレン量23モル%、屈折率1.528、
LLDPE:ウルトゼックス2021L(プライムポリマー社製)、MFR2g/10分、屈折率1.514、融点122℃、
上記MFRは、210℃、2.16kg荷重下で測定した値である。
EVOH:EMAA1=95:5質量%の割合で配合したブレンド原料を用いた。
EVOH:EMAA1=90:10質量%の割合で配合したブレンド原料を用いた。
EVOH:EMAA1=80:20質量%の割合で配合したブレンド原料を用いた。
EVOH:EMAA2=80:20質量%の割合で配合したブレンド原料を用いた。
EVOH100質量%を原料に用いた。
EVOH:SIBS=80:20質量%の割合で配合したブレンド原料を用いた。
EVOH:EMAA1=70:30質量%の割合で配合したブレンド原料を用いた。
EVOH:EMAA1=60:40質量%の割合で配合したブレンド原料を用いた。
EVOH:LLDPE=80:20質量%の割合で配合したブレンド原料を用いた。
(全ヘーズ)
JIS K−7105に準拠して全ヘーズ(ガスバリア層、50μm)を測定した。
○:全ヘーズ12%以下、
×:全ヘーズ12%超、
JIS K−7126 B法に準拠して23℃、0%RHでの酸素透過率(cc/m2・24h・atm)を、EVOH単層(50μm)、および、作製したガスバリア層(50μm)について測定し、以下の比率を求めた。
なお、「ガス透過率T[(A)/(B)=100/0]がEVOH単層のガス透過率であり、「ガス透過率T」が作製したガスバリア層のガス透過率である。
○:ガス透過率T[(A)/(B)=100/0]/ガス透過率T≧0.80、
×:ガス透過率T[(A)/(B)=100/0]/ガス透過率T<0.80、
JIS K−7127に準拠して110℃にて引張試験を実施し、TDの伸び200%および500%の引張応力(MPa)を測定し、伸び500%の引張応力について、以下の比率を求め、以下の基準で評価した。
なお、「STD」は、ガスバリア層の引張応力(500%)であり、「STD[(A)/(B)=100/0]」は、EVOH単層の引張応力(500%)である。
○:STD/STD[(A)/(B)=100/0]≦0.98、
×:STD/STD[(A)/(B)=100/0]>0.98、
また、ガスバリア層について、TDの引張破断伸びについても測定し、以下の基準で評価した。
○:350%以上、
△:150%以上350%未満、ただし実用可能範囲、
×:150%未満、
周波数10Hz、引張モードで110℃における貯蔵弾性率E´を、ガスバリア層およびEVOH単層について測定し、ガスバリア層の貯蔵弾性率を以下の基準で評価した。
○:E´=6.0×107Pa以下、
×:E´=6.0×107Pa超、
また、以下の比率を求め、以下の基準で評価した。
○:E´/E´[(A)/(B)=100/0]≦0.90、
×:E´/E´[(A)/(B)=100/0]>0.90、
なお、「E´」は、ガスバリア層の貯蔵弾性率を示し、「E´[(A)/(B)=100/0]」は、EVOH単層の貯蔵弾性率を示す。
比較例1は、EVOHのみのため110℃での引張応力が高く、式(1)の値が0.98超であり、成形温度(110℃)における二次加工性が劣る結果となり、さらに、貯蔵弾性率(110℃)が6.0×107Pa超であり、二次加工時の破けやしわが発生し易くなると考えられる。
比較例2は、ポリオレフィンエラストマー(B)ではないSIBSを配合している例であるが、式(2)の比が0.8未満であり、ガスバリア性が劣っていた。これは、配合しているSIBSが非結晶性樹脂であることに由来する。
比較例3、4はEMAAの配合量が多いため、透明性、ガスバリア性が劣り、破断伸びも劣る結果となり、比較例5は、ポリオレフィン系エラストマー(B)ではないLLDPEを用いた例であるが、LLDPEはEVOHとの相溶性が悪いため、全ヘーズが12%超となり、透明性が劣る結果となった。
下記に記載の原料を用い、共押出Tダイ法により、各例に記した層構成で無延伸多層フィルムを作製した。
PETG:イーストマン・ケミカル社製PETG、
AD1:ポリエステル系接着樹脂、
AD2:ポリエチレン系接着樹脂、
IO:エチレン−メタクリル酸共重合体のNaイオン中和タイプ、
EVOH:エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン38モルタイプ、MFR4g/10分、屈折率1.518、融点163℃、
EMAA1: エチレン−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸11質量%、MFR8g/10分、屈折率1.511、融点96℃、
EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル15モル%タイプ、
PETG(5μm)/AD1(22μm)/ガスバリア層(4μm)/AD2(11μm)/IO(50μm)/EVA(8μm)、計100μm厚、
ガスバリア層にはEVOH:EMAA1=90:10質量%の割合で配合したブレンド原料を用いた。
(全ヘーズ)
作製した多層フィルム(100μm)について、JIS K−7105に準拠して全ヘーズを測定した。
○:全ヘーズ10%未満、
×:全ヘーズ10%以上、
作製した多層フィルム(100μm)について、JIS K−7126 B法に準拠して23℃、0%RHでの酸素透過率(cc/m2・24h・atm)を測定した。
○:ガス透過率 10cc/m2・24h・atm未満、
×:ガス透過率 10cc/m2・24h・atm以上、
作製した多層フィルムについて、JIS K−7127に準拠して110℃にて引張試験を実施し、TDの伸び200%および500%の引張応力(MPa)を測定し、伸び500%の引張応力について、以下の基準で評価した。
○:0.8MPa未満、
×:0.8MPa以上、
周波数10Hz、引張モードで110℃における貯蔵弾性率E´を測定した。
スキンパック包装機(MULTIVAC社製T200)において、得られた多層フィルムを蓋材フィルムとして巻き出し側にセットし、下記層構成の成形トレー20(縦200mm×横200mm×深さ20mm)を供給して、半円柱状の冷凍蒲鉾10(高さ100mm×幅50mm×半径30mm)をトレー20に半円の頂点が底面になるように収容し、包装加工温度130℃(フィルム実測温度110℃)に設定し蓋材フィルムを加熱して、圧空で蓋材フィルムを内容物とトレーに密着させると同時に蓋材フィルムとトレーの間を真空脱気して熱シールし、また同時にフィルムカットを行い、スキンパック包装品を作製した。
図1に、上記成形性評価の概要を示すイメージ図を示す。
成形トレー(発泡ポリスチレン樹脂シートにシール層を有する多層フィルムをラミネートした構成であり、多層フィルム側を内容物側とする。)
:発泡ポリスチレン樹脂シート(160μm)//PP(10μm)/接着樹脂(5μm)/EVOH(5μm)/接着樹脂(5μm)/PE(15μm)
○:フィルムのしわも内容物の潰れもほとんどなく、内容物の周辺、即ち内容物がトレーに接する際(きわ)の箇所にフィルム浮き、破けも生じなかった。
×:フィルムのしわ、内容物の潰れ、内容物周辺のフィルム浮き、破けの何れかが発生した。
20 成形トレー
Claims (9)
- エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)とポリオレフィン系エラストマー(B)との組成比が(A)/(B)=71/29〜99/1である樹脂組成物を主成分としてなるガスバリア層を有する熱成形用食品包装フィルムであって、
前記ポリオレフィン系エラストマー(B)がエチレン−メタクリル酸共重合体であり、
前記ガスバリア層の横方向(TD)の110℃での引張試験における、伸び500%の引張応力(STD)と、前記(A)と前記(B)の組成比が(A)/(B)=100/0である樹脂組成物からなるガスバリア層の横方向(TD)の110℃での引張試験における、伸び500%の引張応力(STD[(A)/(B)=100/0])とが、以下の式(1)を満たし、
STD/STD[(A)/(B)=100/0]≦0.98・・・式(1)、
下記(a)または(b)の少なくとも一方を満たす、熱成形用食品包装フィルム。
(a)前記ガスバリア層のガス透過率Tと、前記(A)と前記(B)の組成比が(A)/(B)=100/0である樹脂組成物からなるガスバリア層のガス透過率T[(A)/(B)=100/0]とが、以下の式(2)を満たす。
ガス透過率T[(A)/(B)=100/0]/ガス透過率T≧0.80・・・式(2)
(b)前記ガスバリア層の厚さ50μmにおけるガス透過率が0.50cc/m2・24hr・atm以下である。 - 前記ガスバリア層の10Hz、110℃における貯蔵弾性率が6.0×107Pa以下である、請求項1に記載の熱成形用食品包装フィルム。
- 前記ガスバリア層の厚さ50μmにおける全ヘーズが12%以下である、請求項1または請求項2に記載の熱成形用食品包装フィルム。
- フィルムの厚さ100μmにおけるガス透過率が、10cc/m2・24hr・atm未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱成形用食品包装フィルム。
- エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)とポリオレフィン系エラストマー(B)との組成比が(A)/(B)=71/29〜99/1である樹脂組成物を主成分としてなるガスバリア層を少なくとも1層有し、
前記ポリオレフィン系エラストマー(B)がエチレン−メタクリル酸共重合体であり、
さらに、ポリアミド層、ポリエステル層、アイオノマー層、ポリオレフィン層の内少なくとも1層を有する、熱成形用食品包装多層フィルム。 - 請求項5に記載の熱成形用食品包装多層フィルムであって、前記ポリオレフィン層、前記アイオノマー層、前記ガスバリア層、前記ポリエステル層の少なくとも4層を配する、熱成形用食品包装多層フィルム。
- 請求項5または請求項6のいずれかに記載の熱成形用食品包装多層フィルムであって、フィルム厚み100μmにおける、ガス透過率が10cc/m2・24hr・atm未満であり、かつ、横方向(TD)の110℃での引張試験における、伸び500%の引張応力(STD)が、0.8MPa未満である、熱成形用食品包装多層フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱成形用食品包装フィルム、または、請求項5〜7のいずれか1項に記載の熱成形用食品包装多層フィルムを用いてなる、深絞り包装用フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱成形用食品包装フィルム、または、請求項5〜7のいずれか1項に記載の熱成形用食品包装多層フィルムを用いてなる、スキンパック用フィルム。
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JP2018231145A Active JP7172535B2 (ja) | 2018-12-10 | 2018-12-10 | 熱成形用食品包装フィルム、熱成形用食品包装多層フィルム、深絞り包装用フィルム、および、スキンパック用フィルム |
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JP (1) | JP7172535B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022202424A1 (ja) | 2021-03-22 | 2022-09-29 | 三井・ダウ ポリケミカル株式会社 | スキンパック用樹脂組成物、スキンパック用フィルム、スキンパック用フィルムの製造方法、スキンパック包装材、及びスキンパック包装体 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10151707A (ja) * | 1996-09-30 | 1998-06-09 | Kuraray Co Ltd | 熱成形用多層フィルムおよび熱成形容器 |
JPH1191043A (ja) * | 1997-09-24 | 1999-04-06 | Kuraray Co Ltd | フレキシブル積層包装材およびバッグインボックス内容器 |
JP2000246843A (ja) * | 1999-03-04 | 2000-09-12 | Kuraray Co Ltd | 畜肉包装用多層フィルム |
JP2003063542A (ja) * | 2001-08-23 | 2003-03-05 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 絞り出し多層容器 |
-
2018
- 2018-12-10 JP JP2018231145A patent/JP7172535B2/ja active Active
Patent Citations (4)
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JP7172535B2 (ja) | 2022-11-16 |
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