JP6439428B2 - 深絞り成形用多層フィルム - Google Patents

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本発明は、特に、ブロックハム、生肉、惣菜や工業製品等の底材として好適に使用できる深絞り成形用多層フィルムに関する。
従来、ブロックハム等を内容物とする深絞り包装用の底材フィルムは、耐ピンホール性を付与するために、外層にポリアミド樹脂層を厚く配したフィルムが広く使用されてきている。
しかし、ポリアミド樹脂層を外層に配する底材フィルムは、ボイル殺菌すると深絞り包装体のシール部(フランジ部)が底材側に大きくカールする性質があるため、近年の環境負担軽減の点からのフィルム全体の薄肉化においてはカールが顕著になってしまい、包装体の見栄えが悪くなったり、包装体を化粧箱に入れにくくなったりする問題がある。(特許文献1)
また、ボイル殺菌を行ってもシール部がカールし難い底材フィルムとして、ポリプロピレン樹脂層を外層に配したフィルムがある。
しかしこのようなフィルムは、シール部のカールは抑制されるものの、ポリプロピレン樹脂は、ポリアミド樹脂と比べて透明性と光沢が良くないため、包装体の見栄えが悪くなってしまうという問題がある。また、ポリプロピレン樹脂層を外層に配すると、衝撃等に弱くフィルムの耐ピンホール性が劣り、内容物重量の大きいブロックハム等を包装すると輸送等の振動や衝撃でフィルムの外層からピンホールが発生しやすいという問題がある。
(特許文献2)
また、ポリプロピレン樹脂層を外層に配した底材フィルムにおいて、非常に深い成形を行う場合、成形の際までしっかりと成形ができないという問題がある。
特開平7−001544号公報 特開平10−86284号公報
本発明は上記実情に鑑み為されたものであり、その課題解決は、包装体の透明性及び光沢と耐衝撃性が良好で、且つボイル殺菌後のシール部のカールが抑制できる深絞り成形用多層フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用することにより、上記課題を容易に解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、ポリプロピレン樹脂に融点40℃以上150℃以下のプロピレン系共重合体を5質量%以上70質量%以下の割合で混合して構成される外層(A)、ポリエチレン系接着樹脂又はポリプロピレン系接着樹脂より構成される接着樹脂層(C)、中間層に少なくとも1層のポリアミド樹脂層(D)、ポリエチレン系樹脂層(B)、ポリオレフィン系樹脂より構成されるシール層(F)の順に層を成すことを特徴とする深絞り成形用多層フィルムに存する。
本発明の深絞り成形用多層フィルムによれば、良好な透明性及び光沢と、耐ピンホール性等の耐衝撃性を兼備し、且つボイル殺菌後のシール部のカールが抑制でき、且つ大変深い成形についても可能となる深絞り成形用多層フィルムを提供でき、本発明の工業的価値は高い。
<外層(A)>
本発明のフィルムの外層に用いるポリプロピレン樹脂としては、種類は特には限定されないが、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種から構成されていることが好ましい。
本発明のフィルムの外層(A)は、ポリプロピレン樹脂にプロピレン系共重合体からなる低結晶性の熱可塑性エラストマー樹脂を混合して構成される。
プロピレン系共重合体は、プロピレン比率が50モル%以上である。プロピレンと共重合するモノマーはα−オレフィンであり、例えばエチレン、ブテン等が挙げられる。
特に、プロピレン−ブテン共重合体を用いると、外層を構成するポリプロピレン樹脂との相溶性に優れると共に、透明性及び外層側からの光沢が良好となり、更に加えて、5℃前後の冷蔵温度条件下における低温耐衝撃性を向上させることができる。
プロピレン系共重合体の融点の下限は、40℃以上、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。融点の上限は、150℃以下、より好ましくは135℃以下、さらに好ましくは100℃以下である。
融点が40℃未満では、常温で結晶化が進んでしまい透明性が損なわれ、また融点が150℃よりも高いと柔軟性が損なわれ、耐ピンホール性が劣ってしまう。
融点の測定は、JIS K 7121法に準じて測定できる。
ポリプロピレン樹脂に対するプロピレン系共重合体の混合割合は、外層全体を100質量%として、5質量%以上70質量%以下である。混合割合の下限は、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、混合割合の上限は、より好ましくは50質量%以下である。
混合割合が、5質量%未満の場合は耐ピンホール性が劣ってしまい、70質量%よりも高い場合はシール部のカールを抑制する効果が劣ってしまう。
当該プロピレン系共重合体の製品としては、例えば、三井化学のタフマー、日本ポリプロのウェルネクス等が好適に使用できる。
外層(A)厚みのフィルム総厚みに対する比率の下限値は、5%以上が好ましく、7%以上がより好ましい。また、上限値は15%以下が好ましく、12%以下がより好ましい。
外層(A)厚みのフィルム総厚みに対する比率を5%以上とすることにより、シール部のカールを抑制でき、15%以下とすることにより、耐ピンホール性の低下を防止することができる。
<接着樹脂層(C)>
本発明のフィルムの接着樹脂層(C)は、ポリエチレン系接着樹脂又はポリプロピレン系接着樹脂から構成される。
本発明のフィルムは、各層の層間剥離強度を高める目的で、接着樹脂層を設けることができる。接着層は、一層であってもよいし、複数であってもよい。
特に、外層(A)やポリエチレン系樹脂層(B)等のポリオレフィン系樹脂からなる層と、ポリアミド樹脂層(D)との間に接着樹脂層(C)を配することにより、多層フィルム全体の層間剥離強度バランスをとることが出来て好ましい。
接着樹脂層に使用可能なポリエチレン系接着性樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMMA)、エチレン系アイオノマー(ION)等のエチレン共重合体系樹脂が例示できる。
また、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体若しくはエチレン系エラストマーに、アクリル酸若しくはメタアクリル酸などの一塩基性不飽和脂肪酸、またはマレイン酸、フマール酸若しくはイタコン酸等の二塩基性脂肪酸の無水物を化学的に結合させた変性ポリオレフィン系樹脂を例示でき、層間密着性が高く好ましい。
接着樹脂層に使用可能なポリプロピレン系接着性樹脂の種類は特には限定されないが、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーらかなる群から選ばれる少なくとも1種から構成されている接着樹脂が例示できる。
接着層を設ける場合、接着層の厚みは、作業性、経済性、取扱い性の観点から、下限は3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、8μm以上がさらに好ましい。また上限は特に制限はないが、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。接着層の厚みが3μm以上であれば、層間剥離強度を向上させることができる。また接着層が厚過ぎると、透明性の悪化やフィルムの総厚みが厚くなってしまう他、製造コストもかさむため上限は30μm以下であることが望ましい。
<ポリアミド樹脂層(D)>
本発明のフィルムの中間層には、耐ピンホール性を付与する目的で、ポリアミド樹脂層を少なくとも1層備える。また、本発明のフィルムの中間層に、ポリアミド樹脂層(D)を2層以上設けることもでき、その場合、各層が異なる種類のポリアミド樹脂で構成されて良い。
ポリアミド樹脂の種類は、特に限定されないが、具体的に例示すると、例えば、4ナイロン、6ナイロン、7ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、46ナイロン、66ナイロン、69ナイロン、610ナイロン、611ナイロン、6Tナイロン、6Iナイロン、MXD6ナイロン、6−66ナイロン、6−610ナイロン、6−611ナイロン、6−12ナイロン、6−612ナイロン、6−6Tナイロン、6−6Iナイロン、6−66−610ナイロン、6−66−12ナイロン、6−66−612ナイロン、66−6Tナイロン、66−6Iナイロン、6T−6Iナイロン、66−6T−6Iナイロン等が挙げられる。
これらの中でも、耐ピンホール性の観点から、6ナイロンや、6−66ナイロン共重合を含むナイロンを用いることが好ましい。
また、高度な深絞り成形性を付与する観点では、6−66−12ナイロンを用いることが好ましい。高度な深絞り成形性としては、偏肉が起きず均等な肉厚の成型が出来ること、深絞り金型形状を正に写して容器形状を成型できること等が挙げられる。
前者によって、厚みムラによる薄肉箇所が生じないため、フィルム総厚を薄化しても局所的な強度不足箇所が生じない。また、後者によって、角部をより直角に近い形状に成形出来たり、リブなどの細かい形状を成形することが出来、内容物の形状や性状に適した成形を行うことが出来る。
ポリアミド樹脂層(D)の合計厚みは特に限定はされないが、フィルム総厚みの比率として、下限は30%以上が好ましく、35%以上がより好ましい。また、上限は70%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。ポリアミド樹脂層(D)の厚み比率の下限を30%以上とすることにより、フィルムに十分な耐ピンホール性を付与することができ、また上限を70%以下とすることにより、シール部のカールを防止することができる。
<エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層(E)>
本発明のフィルムの中間層には、酸素バリア性を付与する目的で少なくとも1層のエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂(以下、EVOHと略記することもある)層を備えてもよい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層(E)中のエチレン含有モル率は特に限定されるものではないが、製膜安定性の観点から、下限は27モル%以上が好ましく、29モル%以上がより好ましく、32モル%以上がさらに好ましい。一方、上限は47モル%以下が好ましく、44モル%以下がより好ましく、38モル%以下がさらに好ましい。
また、EVOHのケン化度は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
EVOH層(E)厚みのフィルム総厚みに対する比率の下限は、3%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、7%以上がさらに好ましい。また、上限は20%以下が好ましく、18%以下がより好ましく、15%以下がさらに好ましい。
EVOH層(E)の厚み比率を3%以上とすることにより、本発明のフィルムに十分な酸素バリア性を付与することができ、また、厚み比率を20%以下とすることにより、フィルムの耐ピンホール性の低下や製造コストを抑制することができる。
<ポリエチレン系樹脂層(B)>
本発明のフィルムのポリエチレン系樹脂層(B)を構成するポリエチレン系樹脂の種類は特には限定されないが、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)のアイオノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種からなる樹脂から構成されていることが好ましい。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が主成分であることが、耐ピンホール性の点でより好ましい。この場合、主成分とは、層の構成比率が50質量%以上であることを意味する。
また、本発明のフィルムのポリエチレン系樹脂層(B)は、熱可塑性エラストマーをブレンドしても良く、エラストマーをブレンドすることで、フィルムの透明性を低下させることなく、耐衝撃性を付与することが可能となる。
エラストマーの種類としては、例えば、各種のエチレン−α−オレフィン共重合体が挙げられ、α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテンが好適である。
ポリエチレン系樹脂層(B)厚みのフィルム総厚みの比率として、下限は20%以上が好ましく25%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましい。また、上限は70%以下が好ましく、65%以下がより好ましく、60%以下であることがより好ましい。
ポリエチレン系樹脂層(B)厚みのフィルム総厚みの比率を20%以上とすることによりフィルムに適度な柔軟性をもたせることができ、70%以下とすることにより、シール部のカールを防止できる。
<シール層(F)>
本発明のフィルムのシール層(F)を構成するポリオレフィン系樹脂の種類は、特には制限はないが、ポリエチレン系樹脂層(B)を構成する樹脂を使用できる。
また、互いに非相溶のポリオレフィン系樹脂2種類を混合して形成させることにより、イージーピール機能を為すことができる。
イージーピールとしては、フィルムのシール層(F)の層内を破壊して剥離が起きる凝集破壊タイプ、或いは、フィルムのシール層(F)とポリエチレン系樹脂層(B)との層間で剥離が起きる層間剥離タイプを設計することが出来る。
シール層(F)を構成する樹脂の融点の下限は、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、100℃以上であることがさらに好ましい。また上限は、160℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、140℃以下であることがより好ましい。
<フィルム全体>
本発明のフィルムの層構成は、ポリプロピレン樹脂に融点40℃以上150℃以下のプロピレン−ブテン共重合体を5質量%以上70質量%以下の割合で混合して構成される外層(A)、ポリエチレン系接着樹脂又はポリプロピレン系接着樹脂より構成される接着樹脂層(C)、中間層に少なくとも1層のポリアミド樹脂層(D)、ポリエチレン系樹脂層(B)、ポリオレフィン系樹脂より構成されるシール層(F)の順に層を成す多層フィルムであれば、特に限定されず、必要に応じて、各層間に他の層を配しても良い。
例えば、中間層にEVOH層(E)を設けることで、十分な酸素バリア性を付与することができ、接着樹脂層が無くても十分な層間接着強度が確保できる。尚、EVOH層(E)を1層にすることで、耐衝撃性の確保及び、製造コストを抑制することができる。
また、ポリアミド樹脂層(D)とEVOH層(E)の層間にポリエチレン系接着樹脂層(B)を設けないことで、製造コストを抑制することができる。
また、外層(A)と接着樹脂層(C)との間にポリオレフィン系樹脂層を有すると、耐衝撃性、特に5℃前後の低温度環境下での耐衝撃性や透明性が良好となる。その場合、ポリオレフィン系樹脂層が、ポリエチレン系樹脂層(B)と同じ構成であると更に好ましい。
本発明のフィルムは、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、成形加工性、生産性等の諸性質を改良・調整する目的で、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤などの添加剤を各層や層界面に適宜添加できる。
本発明の深絞り成形用多層フィルムは、公知の方法を用いて作製することができる。例えば、押出ラミネーション法、共押出インフレーション法および共押出Tダイ法等を用いることができ、特に、フィルムの層数が多い場合でも製膜工程は変わらない点や厚み制御が比較的容易である点で共押出Tダイ法を用いることが好ましい。
深絞り成形を行う上で、無延伸製法が望ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(深絞り成形用多層フィルムの作製)
下記に記載の原料を用い、無延伸共押出Tダイ法により、表1に記す層構成を有する多層フィルムを作製した。
A−1; 日本ポリプロ製ノバテックPP(ポリプロピレンランダムコポリマー)に日本ポリプロ製ウェルネクス(メタロセン系熱可塑性エラストマー、融点132℃)を50質量%混合
A−2; 日本ポリプロ製ノバテックPP(ポリプロピレンランダムコポリマー)に三井化学製タフマーXM(プロピレン−ブテン共重合体、融点98℃)を50質量%混合
A−3; 日本ポリプロ製ノバテックPP(ポリプロピレンランダムコポリマー)に三井化学製タフマーXM(プロピレン−ブテン共重合体、融点98℃)を30質量%混合
A−4; 日本ポリプロ製ノバテックPP(ポリプロピレンランダムコポリマー)に三井化学製タフマーXM(プロピレン−ブテン共重合体、融点75℃)を50質量%混合
A−5; 日本ポリプロ製ノバテックPP(ポリプロピレンホモポリマー)に三井化学製タフマーP(エチレン−プロピレン共重合体、融点50度以上)を50質量%混合
A−6;日本ポリプロ製ノバテックPP(ポリプロピレンホモポリマー)にクレイトンポリマー製クレイトン(スチレン系エラストマー)を30質量%混合
P−1; 日本ポリプロ製ノバテックPP(ポリプロピレンホモポリマー)
P−2; 日本ポリプロ製ノバテックPP(ポリプロピレンランダムコポリマー)
C−1; 三井化学製アドマー(LLDPE系)
C−2; 三井化学製アドマー(PP系)
D−1; ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチック製ノバミッド6Ny
D−2: ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチック製ノバミッド6−66共重合Ny(66Ny比率15%)
D−3: 宇部興産製TERPALEX6−66−12共重合Ny
E−1; クラレ製エバール(エチレン含有率32モル%タイプ)
E−2; 日本合成化学製ソアノール(エチレン含有率38モル%タイプ)
B−1; プライムポリマー製モアテックLL(LLDPE)に三井化学製タフマーAを10質量%混合
B−2; プライムポリマー製モアテックLL(LLDPE)
B−3; プライムポリマー製モアテックLLに理研ビタミン製リケマスターCNを3質量%混合
F−1; LDPEとポリプロピレンランダム共重合体との混合、混合質量比6:4
(深絞り包装体の作製)
上記で作製した多層フィルムを深絞り包装機(大森機械工業社製、FV6300)、直方体の成形型(縦160mm、横110mm、深さ80mm)を用いて深絞り成型して底材とした。次いで、内容物としてネット付きブロックハム400gを入れて蓋材を被せて、内容物の周囲を20mm幅で面シールし、深絞り包装体を作製した。
包装条件は、深絞り成型温度90℃、成型加熱時間2秒、シール温度140℃、シール時間2秒の真空包装とした。
なお、蓋材には、OPPフィルム(東セロ社製、トーセロOP、20μm)に共押出フィルムEVOH(10μm)/Ny(10μm)/接着樹脂(10μm)/LLDPE(30μm)をドライラミネートしたものを使用した。
(深絞り包装体のボイル及び冷蔵処理)
作製した深絞り包装体を90℃30分のボイル殺菌処理を行った後、水分を拭き取り、冷蔵庫で5℃24時間保管した。
<評価方法>
作製した多層フィルムからボイル及び冷蔵処理した深絞り包装体までについて、以下の評価を行い、その結果を表1に記す。
(深絞り成形性)
作製した底材について、角(コーナー)部の厚みを測定し、用いた多層フィルム総厚に対する比率(%)を求めた。
直方体形状の底材の角部は、平面の多層フィルムが深絞り成形において最も引き伸ばされる箇所であるため、角部の厚みが薄いほど、型通りに成形されることを意味し、深絞り成形性の適性を評価する一つの尺度となり得る。
(光沢)
作製した多層フィルムと、底材の底面中央部を切り取り、光沢度計(日本電色工業社製、VG2000、標準板G10585)を用い、外層側から測定を行い、光沢度が90以上のものを「○」、90未満のものを「×」と評価した。
(シール部のカール)
作製した深絞り包装体を目視観察し、シール部のカールがほとんどない、またはカールした際にできるシール部が描く弧の直径が70mm未満のものを「○」、70mm以上のものを「×」と評価した。
(低温耐衝撃性)
冷蔵保管処理を行った直後の深絞り包装体20個をダンボール箱に入れて、2.0mの高さより50回垂直落下させ、ピンホールの発生が包装体20個中1個以下のものを「○」、1個より多いものを「×」とした。
本発明は、深絞り成形性と耐衝撃性を兼備する観点から、包装体の角部のピンホール発生有無に特に注意を払い評価を行った。
(酸素ガスバリア性)
作製した多層フィルムをMOCON製酸素透過率測定装置OX−TRANを用い、温度23℃相対湿度0%の条件で測定した。









Figure 0006439428
表1より、シール部のカールは、実施例1〜5、比較例1〜5の深絞り成形用多層フィルムにおいて良好であった。これに対して、比較例6は、外層の構成樹脂がポリアミドであるため、シール部のカールが悪かった。
また、耐ピンホール性については、実施例1〜5は、外層に耐ピンホール性に優れたポリアミド樹脂層を配した比較例6と同等あるいはそれ以上に良好であった。
光沢については、実施例1〜5は、多層フィルムの形態及びボイルから冷蔵処理を施した包装体においても良好であり、外層に光沢性の良いポリアミド樹脂層を配した比較例6と比べても同等あるいはそれ以上であった。




Figure 0006439428
表2より、6−66−12共重合ナイロン樹脂層を配した実施例6〜9は、深絞りの角部が金型形状によく追従して薄く伸び、高い深絞り成形性を有することが分かり、且つ耐ピンホール性も良好であった。
本発明のフィルムは、良好な透明性及び光沢と、低温下での耐衝撃性や高度な深絞り成形性を兼ね備え、また熱水処理、深絞り成形の適性が高いことから、嵩高い食品等をボイル殺菌処理し冷蔵保存する食品製造、包装、運送に好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 多層フィルムにおいて、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、ポリプロピレンブロックコポリマーから選ばれる少なくとも1種から構成されているポリプロピレン樹脂に融点40℃以上10℃以下のプロピレン−ブテン共重合体を5質量%以上70質量%以下の割合で混合して構成される外層(A)、ポリエチレン系接着樹脂又はポリプロピレン系接着樹脂より構成される接着樹脂層(C)、中間層に少なくとも1層のポリアミド樹脂層(D)、ポリエチレン系樹脂層(B)、ポリオレフィン系樹脂より構成されるシール層(F)の順に層を成すことを特徴とする深絞り成形用多層フィルム。
  2. 外層(A)の厚みが、総厚みの5%以上15%以下である請求項1に記載の深絞り成形用多層フィルム。
  3. 外層(A)と接着樹脂層(C)との間にポリオレフィン系樹脂層を有する請求項1または2に記載の深絞り成形用多層フィルム。
  4. 中間層に、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層(E)を有する請求項1〜に記載の深絞り成形用多層フィルム。
  5. ポリアミド樹脂層(D)の厚みが、フィルムの総厚みに対して30%以上70%以下である請求項1〜に記載の深絞り成形用多層フィルム。
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