JP6375895B2 - 深絞り成形用共押出多層フイルム - Google Patents

深絞り成形用共押出多層フイルム Download PDF

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Description

本発明は、主にブロックハム、生肉、惣菜、工業製品等を包装する包装底材として、好適に使用できる深絞り成形用共押出積層フィルムに関する。
従来、食品をボイル処理するボイル用包装材として、ポリアミド樹脂/接着樹脂/直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(例えば特許文献1)や、ポリプロピレン樹脂/接着樹脂/ポリアミド樹脂/接着樹脂/エチレン系樹脂/ポリオレフィン樹脂(例えば特許文献2)等が用いられてきた。
しかし、外層がポリアミド樹脂であると、ボイル処理時にポリアミド樹脂が吸湿してカールし、外観を悪化させるという問題がある。
また、吸湿によるカールを抑制するためにポリプロピレン樹脂を外層に配する構成では、ポリプロピレン樹脂は低温時の耐衝撃性が弱いため耐ピンホール性が悪く、低温保管及び搬送に問題が残っている。
更には、様々な食品について、近年の保管及び搬送条件が冷蔵から冷凍に切り替わり、冷凍温度下の耐ピンホール性という極めて厳しい要件を、ボイル後の耐カール性と兼備する必要があり、硬質な包装用樹脂を用いる上で、課題の難度が増している。
特開平7−1544号公報 特開平10−138411号公報
本発明は、上記実情に臨み為されたものであり、ボイル後の良好なカール抑止性と、冷凍下での良好な耐ピンホール性を兼ね備えたボイル処理用食包装フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題について鋭意検討した結果、特定の構成を採用することにより、上記課題を容易に解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、最外層に単独重合体であるホモポリプロピレン樹脂層を配し、最外層の隣接層に、融点40℃以上150℃以下のエチレン−ブテン共重合体を5質量%以上70質量%以下の割合で配合したポリプロピレン樹脂層を配し、中間層にポリアミド樹脂層を少なくとも1層配し、最内層にヒートシール性樹脂層を配し、最内層の隣接層に密度0.920〜0.945のポリエチレン樹脂層を配し、総フィルム厚みが60μm〜250μmの範囲であり、かつ総フィルム厚に対する最外層の厚比が2〜20%、最外層の隣接層の厚比が10〜60%であることを特徴とする深絞り成形用共押出多層フィルムに存する。
本発明の共押出多層フィルムは、ボイル殺菌後のシール部のカールが抑制されるので、外観形状が良く、重ね置きを効率よく行えること、また、冷凍条件下での耐衝撃性も兼ね備えて切れ、破れ、穴あきが起きないことから、食品、医薬品等のボイル及び冷凍保管、搬送する包材として好適であり、内容物の衛生安全性の向上、保管期間の長期化を行うことが出来る。
<最外層>
本発明のフィルムの最外層には、単独重合体であるホモポリプロピレン樹脂を用いる。
外層にホモポリプロピレン樹脂層を配することにより、フィルムの腰が向上し、ボイルによるカールを抑制することが出来る。
ポリプロピレン樹脂の種類には、α−オレフィンとのランダムコポリマーや、ブロックコポリマーもあるが、それらを外層に配すると、フィルムの腰が保持されず、カール抑制性に欠ける。
最外層のプロピレン樹脂層の厚みは、ボイル殺菌処理後のパック外観のカール性の観点から、下限は総フィルム厚みに対して2%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上が更に好ましい。また、厚過ぎると冷凍耐衝撃性に劣るため、上限は20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。
<最外層の隣接層>
本発明のフィルムの最外層の隣接層層は、ポリプロピレン樹脂にエチレン−ブテン共重合体を混合して構成される。エチレン−ブテン共重合体のエチレン比率は、50モル%以上である。
エチレン−ブテン共重合体は低結晶性であり、ポリプロピレン樹脂との相溶性にも優れるので、ポリプロピレン樹脂と混合した層を形成しても、隣接層自身の凝集性、透明性も、最外層との界面密着性も良好に得ることができ、エチレン−ブテン共重合体の持つ低温耐衝撃性をポリプロピレン樹脂からなる最外層及びその隣接層、更にフィルム全体へ反映させることができる。
エチレン−ブテン系共重合体の製品としては、例えば、三井化学製タフマー、ダウケミカル製エンゲージ、東ソー製LUMITAC、LGケミカル製LUCENE、エクソンモービル製エグザクト、等が好適に使用できる。
尚、ポリプロピレン樹脂と相溶性の良いポリプロピレン−ブテン共重合体を最外層の隣接層の混合樹脂に用いても、保管輸送に求められる冷凍耐衝撃性には不十分である。
また、最外層の隣接層の組成をエチレン−ブテン共重合体のみにすると、原料コストが上がるうえ、最外層と隣接層との相溶性或いは層界面密着性が不十分となる。
エチレン−ブテン系共重合体の融点の下限は、40℃以上、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。融点の上限は、150℃以下、より好ましくは135℃以下、さらに好ましくは100℃以下である。
融点が40℃未満では、常温で結晶化が進んでしまい透明性が損なわれ、また融点が150℃よりも高いと柔軟性が損なわれ、耐ピンホール性が劣ってしまう。
融点の測定は、JIS K 7121法に準じて測定できる。
隣接層のポリプロピレン樹脂に対するエチレン−ブテン系共重合体の混合割合は、層全体を100質量%として、5質量%以上70質量%以下である。混合割合の下限は、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、混合割合の上限は、より好ましくは70質量%以下である。
混合割合が、5質量%未満の場合は耐ピンホール性が劣ってしまい、70質量%よりも高い場合はシール部のカールを抑制する効果が劣ってしまう。
最外層の隣接層の厚みのフィルム総厚に対する比率の下限値は、10%以上が好ましく、15%以上がより好ましい。また、上限値は60%以下が好ましく、50%以下がより好ましく、30%以下が更に好ましい。 最外層の隣接層の厚みをフィルム総厚に対する比率10%以上とすることにより、シール部のカールを抑制でき、60%以下とすることにより、低温度時の耐ピンホール性の低下を防止することができる。
<接着樹脂層>
本発明のフィルムは、各層の層間剥離強度を高める目的で、接着樹脂層を設けることができる。接着層は、一層であってもよいし、複数であってもよい。
接着樹脂層は、ポリエチレン系接着樹脂又はポリプロピレン系接着樹脂から構成することが好ましい。例えば、接着樹脂層がポリプロピレン樹脂を含む層に隣接する場合はポリプロピレン系接着樹脂、ポリエチレン樹脂を含む層に隣接する場合はポリエチレン系接着樹脂を用いると好適である。
接着樹脂層に使用可能なポリエチレン系接着性樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMMA)、エチレン系アイオノマー(IO)等のエチレン共重合体系樹脂が例示できる。
また、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体若しくはエチレン系エラストマーに、アクリル酸若しくはメタアクリル酸などの一塩基性不飽和脂肪酸、またはマレイン酸、フマール酸若しくはイタコン酸等の二塩基性脂肪酸の無水物を化学的に結合させた変性ポリオレフィン系樹脂を例示でき、層間密着性が高く好ましい。
接着樹脂層に使用可能なポリプロピレン系接着性樹脂の種類は、特には限定されないが、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーらかなる群から選ばれる少なくとも1種から構成されている接着樹脂が例示できる。
接着層を設ける場合、接着層の厚みは、作業性、経済性、取扱い性の観点から、下限は3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、8μm以上がさらに好ましい。また上限は特に制限はないが、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。接着層の厚みが3μm以上であれば、層間剥離強度を向上させることができる。また接着層が厚過ぎると、透明性の悪化やフィルムの総厚みが厚くなってしまう他、製造コストもかさむため上限は30μm以下であることが望ましい。
<ポリアミド樹脂>
本発明のフィルムの中間層には、耐ピンホール性を付与する目的で、ポリアミド樹脂層を少なくとも1層配する。
ポリアミド樹脂の種類は、特に限定されないが、具体的に例示すると、例えば、4ナイロン、6ナイロン、7ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、46ナイロン、66ナイロン、69ナイロン、610ナイロン、611ナイロン、6Tナイロン、6Iナイロン、MXD6ナイロン、6−66ナイロン、6−610ナイロン、6−611ナイロン、6−12ナイロン、6−612ナイロン、6−6Tナイロン、6−6Iナイロン、6−66−610ナイロン、6−66−12ナイロン、6−66−612ナイロン、66−6Tナイロン、66−6Iナイロン、6T−6Iナイロン、66−6T−6Iナイロン等が挙げられる。これらの中でも、耐ピンホール性の観点から、6ナイロンや6−66ナイロンを用いることが好ましい。
また、本発明のフィルムの中間層には、ポリアミド樹脂層を2層以上設けることもでき、その場合、各層が異なる種類のポリアミド樹脂で構成されていてもよい。
ポリアミド樹脂層の合計厚みは特に限定はされないが、フィルム総厚の比率として、下限は30%以上が好ましく、35%以上がより好ましい。また、上限は70%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。ポリアミド樹脂層の厚み比率の下限を30%以上とすることにより、フィルムに十分な耐ピンホール性を付与することができ、また上限を70%以下とすることにより、シール部のカールを防止することができる。
<エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層>
本発明のフィルムは、酸素バリア性を向上させる目的で、中間層に少なくとも1層のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂(以下、EVOHと略記することもある)層を備えてもよい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層中のエチレン含有モル率は、特に限定されるものではないが、フィルム製膜安定性の観点から、下限は27モル%以上が好ましく、29モル%以上がより好ましく、32モル%以上がさらに好ましい。一方、上限は47モル%以下が好ましく、44モル%以下がより好ましく、38モル%以下がさらに好ましい。
また、EVOHのケン化度は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
EVOH層厚みのフィルム総厚に対する比率の下限は、3%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、7%以上がさらに好ましい。また、上限は20%以下が好ましく、18%以下がより好ましく、15%以下がさらに好ましい。
EVOH層の厚み比率を3%以上とすることにより、フィルムに十分な酸素バリア性を付与することができ、また、厚み比率を20%以下とすることにより、フィルムの耐ピンホール性の低下や製造コストを抑制することができる。
<最内層の隣接層>
本発明のフィルムの最内層の隣接層は、ポリエチレン樹脂で構成される。
ポリエチレン樹脂としては、種類は特に限定されないが、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以下、LLDPEと略記することもある)であることが好ましい。LLDPEは、引張強度、伸び、耐ピンホール強度、剛性等の物性強度が強いという特徴がある。
最内層の隣接層のポリエチレン樹脂の密度は、0.920以上が好ましく、0.925以上がより好ましい。密度が0.920未満の場合、結晶化度が低く、ボイル殺菌後にフィルム収縮を起こしやすくなるため、カールを発生させる恐れが有る。 密度が0.945以上の場合、耐低温衝撃性、深絞り成形性に劣る恐れがある。
最内層の隣接層のポリエチレン樹脂層厚みのフィルム総厚に対する比率として、下限は20%以上が好ましく、25%以上がより好ましい。また、上限は50%以下が好ましく、45%以下がより好ましく、40%以下であることがより好ましい。
最内層の隣接層のポリエチレン樹脂層厚みのフィルム総厚に対する比率を20%以上とすることにより、フィルムに適度な柔軟性をもたせることができ、50%以下とすることにより、シール部のカールを防止できる。
<最内層>
本発明の最内層には、ヒートシール性層を配する。
ヒートシール性樹脂の種類には特に制限はないが、一般的なポリエチレン樹脂や、凝集破壊タイプのイージーピール樹脂配合や層間剥離タイプのイージーピール樹脂配合等が使用できる。
一般的なポリエチレン系樹脂層としては、特には限定されないが、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)のアイオノマー及びこれらのアイオノマーらかなる群から選ばれる少なくとも1種から構成されている樹脂から構成されていることが好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が主成分であることが耐ピンホール性の点でより好ましい。
ヒートシール層がポリエチレン樹脂層の場合、最内層と最内層の隣接層を合わせた厚さの上限値が、フィルム総厚に対して10以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上であることがより好ましい。下限値は、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。
ヒートシール層がイージーピール性の場合、25℃で1.96N/15mm幅以上7.84N/15mm幅以下のイージーピール強度を示すことが好ましい。また、包装材を開封する際の使い易さの観点から、凝集破壊性を有することが好ましい。
イージーピール強度が1.96N/15mm幅以上であることにより、輸送中の耐破袋性を得ることができ、また、7.84N/15mm幅以下であることにより良好な易開封性を得ることができる。
イージーピール層を構成する樹脂は、特に限定されないが、良好なイージーピール強度及び凝集破壊性を付与する観点からは、例えば種類の異なる次の樹脂A及び樹脂Bより構成することが好ましい。
樹脂Aとしては、主成分が融点90℃以上、好ましくは95℃以上、さらに好ましくは100℃以上、最も好ましくは120℃以上である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)及びこれらのアイオノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
深絞りの成形温度が高い方が収縮防止が図られ、カールを抑制することができるので、フィルム耐熱性の観点からは、融点120℃以上、かつ密度0.915g/cm以上0.945g/cm以下である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)が好適である。
樹脂Bとしては、ポリプロピレン(PP)、又は ポリブテン(PB)を用いることができる。ポリプロピレン(PP)には、ランダムコポリマー(メタロセン触媒により得られるランダムコポリマーを含む)、ホモポリマー、ブロックコポリマー等のいずれも使用でき、中でもランダムコポリマーを好適に用いることができる。また、ポリブテン(PB)としては、1−ポリブテンと2−ポリブテンが挙げられ、特に1−ポリブテンを好適に用いることができる。
イージーピール層を構成する樹脂中の樹脂Aの含有率は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、特に好ましくは55質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、特に好ましくは65質量%以下であることが望ましい。また樹脂Bの含有率は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、特に好ましくは35質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、特に好ましくは45質量%以下であることが望ましい。
樹脂A及び樹脂Bの含有率を上記範囲にすることによって、常温及びボイル温度におけるイージーピール強度を好ましい範囲内におさめることが可能となり、更に、樹脂Aと樹脂Bの含有率を変更することによりイージーピール強度を調整できる。
例えば、イージーピール強度を増加させたい場合は、樹脂Aの含有率を増加させ、イージーピール強度を減少させたい場合は、樹脂Aの含有率を減少させることにより達成できる。
最内層がイージーピール層の場合、フィルム総厚に対して3%以上が好ましく、5%以上がより好ましい。また、上限値としては20%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。下限を3%以上とすることによりフィルムに適度な開封性をもたせることができ、上限を20%以下とすることにより、安定したフィルム製膜性が得られ、剥離時の毛羽立ちや膜残りを発生し難くなる。
<フィルム全体>
本発明のフィルムの総厚は、60〜250μmである。フィルム総厚の下限値は、60μm以上が好ましく、80μm以上が好ましく、100μm以上が好ましい。フィルム総厚が60μm以下の場合、フィルム総厚が薄すぎるため、耐衝撃性に劣る。フィルム総厚の上限値は、250μm以下が好ましく、240μm以下がより好ましい。フィルム総厚250μm以上とすると、包材コストが上がるため、経済性に欠ける。
即ち、本発明のフィルムは、包装体に収容する収容物の重量や形状による衝撃性とコストとの案配を鑑みて、総厚を加減選定すると好適に使用できる。
本発明のフィルムは、−20℃下でのハイドロショット値(高速パンクチャー衝撃強度)が50kgf・mm以上である。本発明のフィルムは、総厚が厚くなるとハイドロショット値は増大する。
本発明のフィルムは、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、成形加工性、生産性等の諸性質を改良・調整する目的で、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、耐ブロッキング剤などの添加剤を各層や層界面に適宜添加できる。
<製膜方法>
本発明の深絞り成形用多層フィルムは、公知の方法を用いて作製することができる。例えば、押出ラミネーション法、共押出インフレーション法、共押出Tダイ法等を用いることができ、特に、フィルムの層数が多い場合でも製膜工程は変わらない点や厚み制御が比較的容易である点で共押出Tダイ法を用いることが好ましい。
<実施例>
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(深絞り成形用多層フィルムの作製)
下記に記載の原料を用い、共押出Tダイ法により、各実施例及び表1に記した層構成である多層無延伸フィルムを作製した。
尚、表1の層順は外層側からである。また、表中の1段目は樹脂組成を略号で示し、2段目は厚み(μm)を示す。
(原料樹脂)
PP1:日本ポリプロ製ノバティックPP(ポリプロピレンホモポリマー) 密度0.900
PP2:日本ポリプロ製ノバテックPP(ポリプロピレンランダムコポリマー)に三井化学製タフマーA(エチレン−ブテン共重合体、融点98℃)を50質量%混合
PP3:日本ポリプロ製ノバテックPP(ポリプロピレンランダムコポリマー)
PP4:日本ポリプロ製ノバテックPP(ポリプロピレンランダムコポリマー)に三井化学製タフマーXM(プロピレン−ブテン共重合体、融点98℃)を50質量%混合
接着樹脂1:三菱化学製モディック(ポリプロピレン樹脂ベース)
接着樹脂2:三菱化学製モディック(ポリエチレン樹脂ベース)
Ny:ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチック製ノバミッド6Ny
EVOH:クラレ製エバール エチレン含有率32mol%
LLDPE1:日本ポリエチレン製ノバテック(直鎖状低密度ポリエチレン) 密度0.925
LLDPE2:宇部丸善ポリエチレン製ユメリット(直鎖状低密度ポリエチレン) 密度0.918
LLDPE3:プライムポリマー製ネオゼックス(直鎖状低密度ポリエチレン) 密度:0.919
イージーピール(EP)層:LDPE(低密度ポリエチレン、60質量%)とプロピレンランダムランダムコポリマー(40質量%)との混合物
(実施例1)
PP1(15μm)/PP2(30μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny(25μm)/EVOH(10μm)/接着樹脂2(10μm)/LLDPE1(40μm)/LLDPE2(10μm)
(実施例2)
実施例1において、2層目以外の層厚をそれぞれ増大させた。
PP1(20μm)/PP2(30μm)/接着樹脂1(20μm)/Ny(40μm)/EVOH(15μm)/接着樹脂2(20μm)/LLDPE1(70μm)/LLDPE2(25μm)
(実施例3)
実施例1において、7層目と8層目の層厚を代えて8層目をイージーピール層に代えた。
PP1(15μm)/PP2(30μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny(25μm)/EVOH(10μm)/接着樹脂2(10μm)/LLDPE1(45μm)/イージーピール層(5μm)
(実施例4)
実施例1において、4層目と5層目の層順を代えた。
PP1(15μm)/PP2(30μm)/接着樹脂1(10μm)/EVOH(10μm)/Ny(25μm)/接着樹脂2(10μm)/LLDPE1(40μm)/LLDPE2(10μm)
(比較例1)
実施例1において、1層目をポリエチレン樹脂に代えた。
LLDPE3(15μm)/PP2(30μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny(25μm)/EVOH(10μm)/接着樹脂2(10μm)/LLDPE1(40μm)/LLDPE2(10μm)
(比較例2)
実施例1において、1層目のポリプロピレン樹脂をランダムコポリマーに代えた。
PP3(15μm)/PP2(30μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny(25μm)/EVOH(10μm)/接着樹脂2(10μm)/LLDPE1(40μm)/LLDPE2(10μm)
(比較例3)
実施例1において、2層目のポリプロピレン樹脂に配合する樹脂をプロピレンーエチレン共重合体に変更した。
PP1(15μm)/PP4(30μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny(25μm)/EVOH(10μm)/接着樹脂2(10μm)/LLDPE1(40μm)/LLDPE2(10μm)
(比較例4)
実施例1において、1層目を無くし、2層目の層厚をその分厚くした。
PP2(45μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny(25μm)/EVOH(10μm)/接着樹脂2(10μm)/LLDPE1(40μm)/LLDPE2(10μm)
(比較例5)
実施例1において、1層目の層厚を薄くし、7層目の層厚をその分厚くした。
PP1(2μm)/PP2(30μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny(25μm)/EVOH(10μm)/接着樹脂2(10μm)/LLDPE1(53μm)/LLDPE2(10μm)
(比較例6)
比較例5において、2層目を無くし、7層目の層厚をその分厚くした。
PP1(35μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny(25μm)/EVOH(10μm)/接着樹脂2(10μm)/LLDPE1(50μm)/LLDPE2(10μm)
(比較例7)
実施例1において、1層目と2層目の厚みを変更した。
PP1(35μm)/PP2(10μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny(25μm)/EVOH(10μm)/接着樹脂2(10μm)/LLDPE1(40μm)/LLDPE2(10μm)
(比較例8)
最外層をナイロン樹脂とする層構成を用いた。
Ny(15μm)/接着樹脂1(10μm)/Ny(40μm)/EVOH(15μm)/接着樹脂1(15μm)/LLDPE1(50μm)/LLDPE2(10μm)
<評価サンプルの作製>
各例の多層フィルムを大森機械製深絞り包装機(FV−6300)を用い、成形加熱温度110℃。成形時間1.5秒の条件で、深絞り成形部の大きさは直径98mm、絞り深さはフィルム厚み150μm品の場合20mm、240μm品の場合40mmに成形し、縦100mm、横80mmの底材を作製した。その後、フィルム厚み150μm品には深絞り部の中に100gのハンバーグを、フィルム厚み240μm品には200gのハンバーグを収容した。
次いで、蓋材として、無延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)と6Ny/MXDNy/6Nyの共押出延伸フィルム(15μm)と直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(40μm)とをドライラミネートした積層フィルムを用い、ハンバーグを収容した底材に被せて真空包装により包装体を得た。
<評価方法>
各例で得られた多層フィルムと深絞り包装体について、下記の評価を行った結果を表1及び表2に示す。
<カール抑制性評価>
作製した深絞り包装体を90℃30分のボイル殺菌処理を行った後、水分を拭き取り、冷蔵庫で5℃24時間保管し、その直後に外観を確認した。
シール部が水平より10mm以上カールしているものを「×」、10mm未満を「〇」と評価した。
<冷凍耐衝撃性評価(1)>
作製した深絞り包装体を90℃30分のボイル殺菌処理を行った後、水分を拭き取り、段ボールに10個詰めて、冷凍庫で−30℃24時間保管し、その直後に、1.0m高さから5回落下させピンホールの有無を観察し、ピンホールがないものを「○」、あるものを「×」と評価した。
<冷凍耐衝撃性評価(2)>
各例の多層フィルムを島津製作所製ハイドロショット機(HTM−1)を用い、恒温槽温度−20℃、突刺し速度3m/秒、撃芯径0.5インチの条件で、冷凍下の耐衝撃強度(kgf・mm)を測定した。
Figure 0006375895
Figure 0006375895
<評価結果>
<カール抑制性>
実施例1〜4、比較例3、6、7は、ボイル殺菌処理後のカール抑制性が良好であった。
これに対して、比較例1は最外層をホモポリプロピレン樹脂ではなく、ポリエチレン樹脂で構成したため、また、比較例2はポロプロピレンランダムコポリマー樹脂で構成したため、高剛性に欠きカールが発生した。
比較例4は最外層にホモプロピレン樹脂層を配さなかったため、また、比較例5は最外層のホモプロピレン層厚が総フィルム厚に対して2%未満であったため、カール抑制性が悪かった。
比較例8は、フィルムの総厚みに関わらず、外層にNyを配していたため、カール抑制性が悪かった。
<冷凍耐衝撃性>
実施例1〜4、比較例1、2、4、5は、−30℃という厳しい冷凍条件下においても、耐衝撃性が良好であった。
比較例3は最内層の隣接層のポリプロピレン樹脂にプロピレンーエチレン共重合体を混合したため、また、
比較例6は最外層の隣接層にエチレン系共重合体を配合したポリプロピレン樹脂層を配さなかったため、比較例7は最外層のホモプロピレン層厚が、総フィルム厚みの20%以上と非常に厚かったため、耐低温衝撃性が悪く、ピンホールが発生した。
以上より、実施例1〜4は、ボイル殺菌処理後の良好なカール抑制性と、冷凍耐衝撃性を兼ね備えていることが分かる。
本発明の共押出多層フィルムは、最外層に高い剛性のホモポリプロピレン樹脂層を配し、その最外層に隣接してポリプロピレン樹脂とエチレン−ブテン共重合体の混合樹脂からなる層を形成することにより、従来のボイル処理包装用フィルムに対し、更に高温熱水処理後の形状維持特性と、冷凍下の強度維持特性を新たに付与することができ、食品や医薬品の製造業、保管・輸送業、及びそれら収容品の使用者に対して、製造、保管、搬送、使用における効率、衛生安全性、長期保管性を向上させることができる。

Claims (2)

  1. 最外層に単独重合体であるホモポリプロピレン樹脂層を配し、最外層の隣接層に、融点40℃以上150℃以下のエチレン−ブテン共重合体を5質量%以上70質量%以下の割合で配合したポリプロピレン樹脂層を配し、中間層にポリアミド樹脂層を少なくとも1層配し、最内層にヒートシール性樹脂層を配し、最内層の隣接層に密度0.920〜0.945のポリエチレン樹脂層を配し、総フィルム厚みが60μm〜250μmの範囲であり、かつ総フィルム厚に対する最外層の厚比が2%以上20%以下、最外層の隣接層の厚比が10%以上60%以下であることを特徴とする深絞り成形用共押出多層フィルム。
  2. 請求項1記載のフィルムを用い、内容物を包装した深絞り包装体。
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