JPH1188246A - アンテナ装置及びそれを用いた無線受信装置 - Google Patents

アンテナ装置及びそれを用いた無線受信装置

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JPH1188246A
JPH1188246A JP9257998A JP25799897A JPH1188246A JP H1188246 A JPH1188246 A JP H1188246A JP 9257998 A JP9257998 A JP 9257998A JP 25799897 A JP25799897 A JP 25799897A JP H1188246 A JPH1188246 A JP H1188246A
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antenna
loop
reception
antennas
selecting
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JP9257998A
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Yutaka Saito
裕 斎藤
Nozomi Kokubu
望 国府
Hideo Nakanishi
英夫 中西
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 如何なる状況においても高い受信性能を確保
することができるアンテナ装置を提供する。 【解決手段】 携帯用無線受信装置に用いるアンテナ装
置において、無線受信装置の筐体９の異なる面に沿って
それぞれ配置された複数のループアンテナ１、３と、複
数のループアンテナからの受信信号を選択する切替手段
５とを設け、受信信号レベルが大きいループアンテナを
選択して受信するように構成している。指向性または偏
波面を受信性能に有利な方を選択することにより、高い
受信性能を確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にページャなど
の小型携帯受信機におけるアンテナ装置と、それを用い
た無線受信装置に関し、特に、各種の利用形態におい
て、安定した受信性能を確保できるようにしたものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】ページャなどの人体に装着する従来の小
型携帯受信機には、アンテナ装置として、人体近傍で良
好なアンテナ特性を示すループアンテナが筺体内部に実
装されている。このループアンテナは、一般には、棒状
または板状の金属のループ素子が回路基板上に実装さ
れ、整合回路を介して受信回路の低雑音増幅器に接続さ
れている。
【０００３】ループアンテナは、電磁波の電界成分より
も磁界成分に感応する。一方、人体は近似的に導体と見
なすことができ、電気影像から人体の近傍では電界が小
さくなるが、逆に、磁界は大きくなる。そのため、ルー
プアンテナは、人体近傍で用いた方が良好なアンテナ特
性を示すことになる。
【０００４】また、近年、受信機が、例えばハンドバッ
ク内や卓上など、人体から離れている場所に在るときで
も、高い受信性能を確保できるようにすることが求めら
れており、そのために、例えば、特開平６−１４０９６
３に示されるように、外部電池ケースに外部アンテナを
実装する方法が提案されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の内蔵型
のループアンテナを備える小型携帯受信機では、一つの
ループアンテナのアンテナ特性により受信性能が決定さ
れるため、アンテナ指向性利得が低い方向から到来する
電波に対して、または、ループアンテナと偏波面が異な
る到来電波に対して、受信性能を高くできないという問
題点があった。
【０００６】また、このループアンテナ装置は、小型携
帯受信機が人体に装着されていない場合に、アンテナ単
体の自由空間利得を高くできないという問題点があっ
た。
【０００７】また、人体から離して置いた小型携帯受信
機の受信性能を高めるために、外部アンテナを接続する
従来の小型携帯受信機では、接続のための端子数が多く
なり、構成が複雑になるという問題点があった。
【０００８】また、内蔵アンテナと外部アンテナとを持
つ従来の小型携帯受信機では、内蔵アンテナと外部アン
テナとを切り替える切替回路の損失により、受信性能が
劣化するという問題点があった。
【０００９】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、如何なる状況においても高い受信性能を
確保することができるアンテナ装置を提供し、また、そ
のアンテナ装置を装着した携帯用の無線受信装置や、受
信に使用するアンテナを的確に決定するための方法を提
供することを目的としている。
【００１０】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明のアンテ
ナ装置では、複数のループアンテナを、指向性や偏波面
がそれぞれ異なるように、携帯用無線受信装置の筺体に
沿って配置している。こうすることにより、様々な方向
からの到来電波または様々な偏波の到来電波に対して、
高い受信性能を確保することができる。
【００１１】また、本発明のアンテナ装置では、携帯用
無線受信装置に、ループアンテナとヘリカルアンテナと
を設け、ダイバーシチ受信を行なうように構成してい
る。
【００１２】こうすることにより、無線受信装置が人体
に装着されていない場合でも、高い受信性能を確保する
ことができる。
【００１３】また、本発明のアンテナ装置では、携帯用
無線受信装置の筺体外部に引き出されたスイッチ部にヘ
リカルアンテナを内蔵し、ヘリカルアンテナからの受信
信号を伝送する伝送線路にスイッチの切替信号を重畳さ
せている。
【００１４】こうすることにより、接続のための端子数
を増やすことなく、外部アンテナを無線受信装置に接続
することができる。
【００１５】また、本発明のアンテナ装置では、複数の
アンテナからの受信信号を低雑音増幅した後で、ダイバ
ーシチ受信のための切替えを行なっている。
【００１６】こうすることにより、切替手段で発生する
伝送損失の影響を排除して、高い受信性能を確保するこ
とができる。
【００１７】
【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、携帯用の無線受信装置に用いるアンテナ装置におい
て、無線受信装置の筐体の異なる面に沿ってそれぞれ配
置された複数のループアンテナと、複数のループアンテ
ナからの受信信号を選択する切替手段とを設け、受信信
号レベルが大きいループアンテナを選択して受信するよ
うに構成したものであり、指向性ダイバーシチまたは偏
波ダイバーシチの受信動作を行なうことにより、高い受
信性能を確保することができる。
【００１８】請求項２に記載の発明は、この複数のルー
プアンテナとして、筐体の互いに直交する二つの面に沿
って、二つのループアンテナを配置したものであり、様
々な方向からの到来電波または様々な偏波の到来電波に
対して、指向性ダイバーシチまたは偏波ダイバーシチの
受信動作を行なうことにより、高い受信性能を確保する
ことができる。
【００１９】請求項３に記載の発明は、携帯用の無線受
信装置に用いるアンテナ装置において、無線受信装置の
筐体の少なくとも一つの面に沿って配置されたループア
ンテナと、筐体の他の面に沿って配置されたヘリカルア
ンテナと、このループアンテナ及びへリカルアンテナか
らの受信信号を選択する切替手段とを設け、受信信号レ
ベルが大きいアンテナを選択して受信するように構成し
たものであり、無線受信装置を人体に装着しない場合で
も、高い受信性能を確保することができる。
【００２０】請求項４に記載の発明は、携帯用の無線受
信装置に用いるアンテナ装置において、無線受信装置の
筐体の少なくとも一つの面に沿って配置されたループア
ンテナと、筐体の外部に引き出されたスイッチ部と、こ
のスイッチ部に内蔵されたヘリカルアンテナと、スイッ
チ部のスイッチ信号及びヘリカルアンテナからの受信信
号を重畳して伝送する伝送線路と、ループアンテナ及び
へリカルアンテナからの受信信号を選択する切替手段と
を設け、受信信号レベルが大きいアンテナを選択して受
信するように構成したものであり、外部アンテナの接続
を、接続用の端子数を増やすことなく、簡単な構成で実
現することができ、また、外部アンテナの接続で高い受
信性能を確保することができる。
【００２１】請求項５に記載の発明は、アンテナの各々
からの受信信号をそれぞれ増幅する低雑音増幅器を設
け、切替手段が、アンテナからの受信信号として、低雑
音増幅器で増幅された受信信号を選択するようにしたも
のであり、切替手段で発生する伝送損失の影響を排除し
て、高い受信性能を確保することができる。
【００２２】請求項６に記載の発明は、アンテナの各々
から受信信号がそれぞれ入力する複数の高周波トランジ
スタを設け、この高周波トランジスタのコレクタ出力を
それぞれ接続し、高周波トランジスタのべースバイアス
を制御して受信信号の選択を行なうようにしたものであ
り、低雑音増幅器とアンテナ切替回路とを簡単な回路で
構成することができ、高い受信性能を確保することがで
きる。
【００２３】請求項７に記載の発明は、請求項１乃至請
求項６のいずれかに記載したアンテナ装置を携帯用の無
線受信装置に設けたものであり、無線受信装置の高い受
信感度を確保することができる。
【００２４】請求項８に記載の発明は、携帯用の無線受
信装置に設けられた複数のアンテナの中から受信に使用
する一つのアンテナを選択する使用アンテナの決定方法
において、アンテナの各々からの受信信号をそれぞれ低
雑音増幅器で増幅するとともに、増幅された各受信信号
を順次選択して、その受信信号レベルを検出し、受信信
号レベルが最も大きいアンテナを使用アンテナとして選
択するようにしたものであり、良好な受信感度の下で、
使用するアンテナを選択することができ、的確な選択が
可能となる。
【００２５】請求項９に記載の発明は、アンテナの各々
から受信信号が入力する複数の高周波トランジスタのコ
レクタ出力をそれぞれ接続し、この高周波トランジスタ
へのべースバイアスの印加をＯＮ、ＯＦＦしてアンテナ
の選択を行なうようにしたものであり、使用アンテナの
選択を、簡単な回路構成を用いて実施することができ
る。
【００２６】請求項１０に記載の発明は、請求項８また
は請求項９に記載した使用アンテナ決定方法を、携帯用
の無線受信装置において実施するようにしたものであ
り、無線受信装置での指向性ダイバーシチまたは偏波ダ
イバーシチの受信動作を的確に行なうことができる。
【００２７】請求項１１に記載の発明は、携帯用の無線
受信装置に設けられた複数のアンテナの中から受信に使
用する一つのアンテナを選択する使用アンテナの決定方
法において、アンテナの各々からの受信信号レベルを閾
値と比較し、受信信号レベルのいずれもが、または、い
すれかが閾値を超えているとき、受信信号レベルが最も
小さいアンテナを使用アンテナとして選択するようにし
たものであり、これにより、強電界地域での対妨害波特
性を改善することができる。
【００２８】請求項１２に記載の発明は、請求項１１に
記載した使用アンテナ決定方法を、携帯用の無線受信装
置において実施するようにしたものであり、無線受信装
置の対妨害波特性を改善することができる。
【００２９】以下、本発明の実施の形態について、図１
から図５を用いて説明する。
【００３０】（第１の実施形態）第１の実施形態のアン
テナ装置を実装した小型携帯受信機は、図１に示すよう
に、受信機筺体９の一面に形成された第１ループアンテ
ナ１と、それと直交する受信機筺体９の面に形成された
第２ループアンテナ３と、第１ループアンテナ１のイン
ピーダンスと後続する回路の入力インピーダンスとを整
合させる第１整合回路２と、第２ループアンテナ３のイ
ンピーダンスと後続する回路の入力インピーダンスとを
整合させる第２整合回路４と、第１ループアンテナ１ま
たは第２ループアンテナ３を選択する高周波信号切替回
路５と、第１ループアンテナ１または第２ループアンテ
ナ３からの受信信号を復調して所望の通信符号を出力す
るとともに、それぞれの受信電界強度（ＲＳＳＩ）を検
出して高周波信号切替回路５の切替えを制御する受信回
路６と、第１整合回路２、第２整合回路４、高周波信号
切替回路５及び受信回路６が形成された回路基板７とを
備えている。
【００３１】この装置の第１ループアンテナ１及び第２
ループアンテナ３は、一般のものと同様に、５分の１乃
至１０分の１波長程度の長さの棒状の金属（例えば、銅
など）を折り曲げることにより構成され、回路基板７に
実装される。例えば、２８ＯＭＨｚ帯のページャ受信機
においては、第１ループアンテナ１及び第２ループアン
テナ３のループ長は、２０ｃｍ乃至１０ｃｍ程度に設定
される。
【００３２】また、第１ループアンテナ１及び第２ルー
プアンテナ３は、受信機筺体９の６面のうち２面に接し
て互いに直交して配置される。第１ループアンテナ１
は、図１におけるＹＺ平面に平行にＺ軸方向を長手方向
とする長方形ループとして配置されるため、主偏波方向
はＺ軸方向となる。
【００３３】一方、第２ループアンテナ３は、図１にお
けるＸＹ平面に平行にＸ軸方向を長手方向とする長方形
ループとして配置されるため、主偏波方向はＸ軸方向と
なる。従って、第１ループアンテナ１及び第２ループア
ンテナ３の偏波面は直交するように配置されることにな
る。
【００３４】また、第１ループアンテナ１のＸＺ平面内
における指向性のヌル点はＸ軸方向となり、第２ループ
アンテナ３のＸＺ平面内における指向性のヌル点はＺ軸
方向となる。従って、第１ループアンテナ１及び第２ル
ープアンテナ３のＸＺ平面方向の到来電波に対する指向
性は互いに補い合う特性となる。
【００３５】また、第１整合回路２及び第２整合回路４
は、一般のものと同様に、表面実装のコンデンサ素子
（固定容量素子と可変容量素子の組み合わせ）によって
構成され、また、高周波信号切替回路５は、ＰＩＮダイ
オードやバンドスイッチングダイオードによる高周波切
替回路として構成される。
【００３６】一般にページャなどの移動体通信システム
では、時間分割多重方式が採用されており、受信機で
は、その受信機が割り当てられた受信時間単位（自グル
ープ）期間のみ受信動作を行なう。しかし、この小型携
帯受信機では、割り当てられた受信時間単位（自グルー
プ）の直前に、受信回路６からの切替制御信号８で、高
周波信号切替回路５が第１ループアンテナ１及び第２ル
ープアンテナ３への切替えを行ない、第１ループアンテ
ナ１による受信動作と第２ループアンテナ３による受信
動作とを順次行なう。そして、受信回路６は、それぞれ
のアンテナの受信電界強度を検出し、その受信電界強度
が大きい方のアンテナを選択する切替制御信号８を高周
波信号切替回路５に出力して、受信機が割り当てられた
受信時間単位（自グループ）期間に使用するアンテナを
指定する。
【００３７】その結果、割り当てられた受信時間単位
（自グループ）期間では、受信電界強度が大きい側のア
ンテナを用いて受信動作が行なわれる。
【００３８】このように、第１の実施形態のアンテナ装
置では、到来する電波の偏波面や到来方向に関わらず、
常にアンテナ利得が高い方のアンテナを選択して受信す
ることができるため、安定した受信性能を確保すること
ができる。
【００３９】（第２の実施形態）第２の実施形態のアン
テナ装置は、受信機を人体に装着しないときでも、高い
受信性能が得られるように構成している。
【００４０】このアンテナ装置を実装した小型携帯受信
機は、図２に示すように、受信機筺体９の一面に形成さ
れたループアンテナ１と、それと直交する受信機筺体９
の面に沿って形成されたヘリカルアンテナ部10と、ルー
プアンテナ１のインピーダンスと後続する回路の入力イ
ンピーダンスとを整合させる整合回路２と、ヘリカルア
ンテナ部10の受信出力を伝送する伝送線路11と、ループ
アンテナ１またはヘリカルアンテナ部10を選択する高周
波信号切替回路５と、ループアンテナ１またはヘリカル
アンテナ部10からの受信信号を復調するとともに、それ
ぞれの受信電界強度を検出して高周波信号切替回路５の
切替えを制御する受信回路６と、各回路が形成された回
路基板７とを備えている。
【００４１】このヘリカルアンテナ部10は、一般のもの
と同様に、誘電体内部に小型へリカルアンテナが形成さ
れており、このヘリカルアンテナ部10が受信機筺体９の
内部に配置されている。
【００４２】ヘリカルアンテナ部10は、ノーマルモード
へリカルアンテナとして動作し、主偏波方向はヘリカル
の軸方向、即ちＸ軸方向となる。また、ヘリカルアンテ
ナ部10は、電磁波の電界成分に対して感応するため、人
体近傍においてはアンテナ利得が劣化するが、人体から
離れた場所（自由空間）では、磁界成分に対して感応す
るループアンテナ１よりも高いアンテナ利得が得られ
る。
【００４３】この小型携帯受信機では、割り当てられた
受信時間単位（自グループ）の直前に、受信回路６から
の切替制御信号８で、高周波信号切替回路５がループア
ンテナ１及びヘリカルアンテナ部10への切替えを行な
い、ループアンテナ１による受信動作とヘリカルアンテ
ナ部10による受信動作とを順次行なう。そして、受信回
路６は、それぞれのアンテナを用いたときの受信電界強
度を検出し、その受信電界強度が大きい方のアンテナを
選択する切替制御信号８を高周波信号切替回路５に出力
して、受信機が割り当てられた受信時間単位（自グルー
プ）期間におけるアンテナを指定する。
【００４４】従って、受信機が人体近傍にある場合に
は、ループアンテナ１が選択され、受信機が人体から離
れている場合には、ヘリカルアンテナ部10が選択される
ことになる。
【００４５】このように、第２の実施形態のアンテナ装
置では、受信機を人体に装着しない場合においても、高
い受信性能を確保することができる。
【００４６】（第３の実施形態）第３の実施形態の小型
携帯受信機では、受信機の呼び出し音をリセットするリ
セットスイッチを受信機本体から引き出すとともに、こ
れを利用して外部アンテナを受信機本体に接続してい
る。
【００４７】このアンテナ装置を実装した小型携帯受信
機は、図３に示すように、受信機筺体９の一面に形成さ
れたループアンテナ１と、ループアンテナ１のインピー
ダンスと後続する回路の入力インピーダンスとを整合さ
せる整合回路２と、呼び出し音のリセットスイッチ14と
外部へリカルアンテナ13と第１高周波阻止コイル15とを
内蔵する外部リセットスイッチ12と、コネクタ部17を介
して外部リセットスイッチ12を受信機本体に接続する高
周波ケーブル16と、高周波ケーブル16の内導体を流れる
直流を阻止し、高周波信号だけを通す直流阻止コンデン
サ19と、高周波ケーブル16の内導体を流れる高周波信号
を阻止し、直流だけを通す第２高周波阻止コイル18と、
第２高周波阻止コイル18を通して流れるリセットスイッ
チ信号20により呼び出し音をリセットする制御回路21
と、ループアンテナ１または外部ヘリカルアンテナ13を
選択する高周波信号切替回路５と、ループアンテナ１ま
たは外部ヘリカルアンテナ13からの受信信号を復調する
とともに、それぞれの受信電界強度を検出して高周波信
号切替回路５の切替えを制御する受信回路６と、各回路
が形成された回路基板７とを備えている。
【００４８】外部へリカルアンテナ13及びリセットスイ
ッチ14を内蔵する外部リセットスイッチ12は、呼び出し
音などのリセットスイッチとしての機能と、外部アンテ
ナとしての機能とを有している。リセットスイッチ14は
直流スイッチであり、ＯＮ／ＯＦＦにより呼び出し音等
のリセットが行なわれる。リセットスイッチ14の一端は
第１高周波阻止コイル15を介して高周波ケーブル16の内
導体に接続し、他の一端は高周波ケーブル１6の外導体
（ＧＮＤ）に接続している。
【００４９】第１高周波阻止コイル15は、リセットスイ
ッチ14のＯＮ／ＯＦＦ状態が外部へリカルアンテナ13の
高周波特性に影響しないように、受信周波数（例えば２
８ＯＭＨｚ）において十分高いインピーダンスを持つよ
うに設定される。
【００５０】この外部リセットスイッチ12は、ページャ
などの小型携帯受信機をポケットや腰ベルトに装着して
使用する場合に、受信機から離れた位置でも、呼び出し
音のリセットができるように、受信機本体に結合され
る。また、ページャをハンドバッグや鞄に入れて使用す
る場合には、外部リセットスイッチ12を手の届く位置に
引き出して置くことにより、鳴音を素早くリセットする
ことが可能となる。
【００５１】このように外部リセットスイッチ12は、一
般的に受信機筺体９から数１０ｃｍ離れた位置に置かれ
る。そのため、外部へリカルアンテナ13は受信機筺体９
内部の回路部品の影響を受けない。従って、このアンテ
ナ装置では、図２の場合のようにヘリカルアンテナが受
信機筺体９内部に配置されている場合に比べて、アンテ
ナ利得を高くすることができる。この外部へリカルアン
テナ13からの受信信号は、高周波ケーブル16により受信
機へ伝送される。
【００５２】高周波ケーブル16は、コネクタ部17を介し
て受信機に接続する。高周波ケーブル16の内導体は、直
流阻止コンデンサ19を介して高周波信号切替回路５に高
周波的に接続し、また、第２高周波阻止コイル18を介し
て制御回路21に直流的に接続する。また、高周波ケーブ
ル16の外導体（ＧＮＤ）は、回路基板７のＧＮＤ（受信
機のＧＮＤ）に接続している。
【００５３】従って、外部へリカルアンテナ13からの受
信信号は、直流阻止コンデンサ19を通り、高周波信号切
替回路５を介して受信回路６に供給される。一方、リセ
ットスイッチ14からのリセットスイッチ信号20は、第２
高周波阻止コイル18を通って制御回路21に供給され、制
御回路21は、鳴音のリセットを制御する。
【００５４】ここで、第２高周波阻止コイル18は、第１
高周波阻止コイル15と同様に、リセットスイッチ信号20
の状態がアンテナ特性に影響を及ぼすことがないよう
に、受信周波数（例えば２８０ＭＨｚ）において十分高
いインピーダンスを持つように設定される。
【００５５】この小型携帯受信機では、割り当てられた
受信時間単位（自グループ）の直前に、高周波信号切替
回路５がループアンテナ１及び外部ヘリカルアンテナ13
への切替えを行ない、ループアンテナ１による受信動作
と外部ヘリカルアンテナ13による受信動作とを順次行な
う。そして、受信回路６は、それぞれのアンテナを用い
たときの受信電界強度を検出し、その受信電界強度が大
きい方のアンテナを選択する切替制御信号８を高周波信
号切替回路５に出力して、受信機が割り当てられた受信
時間単位（自グループ）期間における使用アンテナを指
定する。
【００５６】従って、外部リセットスイッチ12が人体か
ら離れており、外部へリカルアンテナ13のアンテナ特性
の方が、ループアンテナ１に比べて良好な場合には、外
部へリカルアンテナ13が選択されることになる。
【００５７】このように、第３の実施形態のアンテナ装
置では、外部リセットスイッチの構成を利用して外部ア
ンテナを配備しており、外部リセットスイッチの伝送線
路を外部アンテナの伝送線路に共用している。そのた
め、接続端子数を増やすことなく、簡単な構成で外部ア
ンテナの接続を実現することができ、この外部アンテナ
を通じて、高い受信性能を得ることができる。
【００５８】（第４の実施形態）第４の実施形態の小型
携帯受信機は、複数のアンテナからの受信出力をそれぞ
れ増幅した後、その中の１つの受信出力を選択してい
る。
【００５９】この小型携帯受信機は、図４に示すよう
に、第１アンテナ24及び第２アンテナ25と、第１アンテ
ナ24のインピーダンスと後続する回路の入力インピーダ
ンスとを整合させる第１整合回路２と、第２アンテナ25
のインピーダンスと後続する回路の入力インピーダンス
とを整合させる第２整合回路４と、第１整合回路２の出
力を増幅する第１低雑音増幅器22と、第２整合回路４の
出力を増幅する第２低雑音増幅器23と、第１アンテナ24
または第２アンテナ25の受信信号を選択する高周波信号
切替回路５と、第１アンテナ24または第２アンテナ25の
受信信号を復調するとともに、それぞれの受信電界強度
を検出して高周波信号切替回路５の切替えを制御する受
信回路６とを備えている。
【００６０】この第１アンテナ24及び第２アンテナ25
は、ダイバーシチアンテナを構成するもので、第１の実
施形態（図１）、第２の実施形態（図２）及び第３の実
施形態（図３）におけるループアンテナまたはヘリカル
アンテナに対応している。
【００６１】第１アンテナ24からの受信出力は、第１整
合回路２を介して第１低雑音増幅器22に入力し、また、
第２アンテナ25からの受信出力は、第２整合回路４を介
して第２低雑音増幅器23に入力し、それぞれ増幅され
る。この第１低雑音増幅器22及び第２低雑音増幅器23
は、高周波トランジスタにより構成され、１５乃至２０
ｄＢ程度の電力利得を有する。
【００６２】第１低雑音増幅器22及び第２低雑音増幅器
23で増幅された出力は、高周波信号切替回路５により選
択され、受信回路６に入力する。
【００６３】高周波信号切替回路５は、一般に０．５乃
至１ｄＢ程度の高周波伝送損失を持っており、第１乃至
第３の実施形態のように、アンテナ整合回路の直後に高
周波信号切替回路５を配置した場合には、その損失
（０．５乃至１ｄＢ程度）がそのまま総合受信感度の劣
化をもたらすことになる。
【００６４】しかし、この実施形態の装置では、第１ア
ンテナ24及び第２アンテナ25からの受信信号を先に低雑
音増幅した後で、高周波信号切替回路５によって選択す
るように構成しているため、高周波信号切替回路５の高
周波伝送損失（０．５乃至１ｄＢ程度）は受信感度に影
響を及ぼさない。
【００６５】従って、それぞれのアンテナによる受信電
界強度を検出して、その受信電界強度が大きい方のアン
テナを選択する場合に、その選択動作を的確に実施する
ことができ、また、選択されたアンテナを用いて、受信
機に割り当てられた受信時間単位（自グループ）期間に
おける受信動作を、高い受信感度で行なうことができ
る。
【００６６】このように、第４の実施形態のアンテナ装
置では、アンテナを切り替えるための高周波信号切替手
段の伝送損失の影響を排除し、高い受信性能を確保する
ことができる。
【００６７】（第５の実施形態）第５の実施形態では、
第４の実施形態の装置における低雑音増幅手段及び高周
波信号切替手段を形成する具体的な回路の一例について
説明する。
【００６８】この小型携帯受信機は、図５に示すよう
に、第１アンテナ24及び第２アンテナ25と、第１整合回
路２及び第２整合回路４と、第１アンテナ24または第２
アンテナ25の受信信号を復調するとともに、それぞれの
受信電界強度を検出して、アンテナの切替えを制御する
ための第１バイアス電圧28及び第２バイアス電圧29を出
力する受信回路６と、受信回路６から第１バイアス抵抗
26を介して出力される第１バイアス電圧28と第１アンテ
ナ24からの受信出力とがベースに入力する第１高周波ト
ランジスタ30と、受信回路６から第２バイアス抵抗26を
介して出力される第２バイアス電圧29と第２アンテナ25
からの受信出力とがベースに入力する第２高周波トラン
ジスタ31と、第１高周波トランジスタ30及び第２高周波
トランジスタ31のコレクタと接続して、第１高周波トラ
ンジスタ30または第２高周波トランジスタ31とともにカ
スケード構成の低雑音増幅回路を構成する第３高周波ト
ランジスタ32と、第３高周波トランジスタ32のべース接
地コンデンサとして動作する接地コンデンサ33と、第３
高周波トランジスタ32のべースに接続された電源35と、
第３高周波トランジスタ32のコレクタに電源電圧を供給
する負荷コイル34とを備えている。
【００６９】この装置では、第１高周波トランジスタ30
及び第３高周波トランジスタ32、または、第２高周波ト
ランジスタ31及び第３高周波トランジスタ32が、それぞ
れカスケード構成の低雑音増幅回路を構成している。こ
の第３高周波トランジスタ32のコレクタには負荷コイル
34を介して電源35の電圧が供給されており、この電圧
が、低雑音増幅回路で増幅された高周波信号により変化
し、コレクタからの高周波出力が受信回路６に入力す
る。
【００７０】ここで、受信回路６が第１アンテナ24側を
選択する場合には、受信回路６は、第１バイアス電圧28
を電源電圧（High）に設定し、第２バイアス電圧29をＧ
ＮＤ（Low）レベルに設定する。
【００７１】その結果、第１高周波トランジスタ30のべ
ースにはバイアス電圧が供給され動作状態となり、第３
高周波トランジスタ32とともにカスケード構成の低雑音
増幅回路として動作する。このとき、第２高周波トラン
ジスタ31はカットオフ状態となり、動作しない。また、
受信回路６が第２アンテナ25側を選択する場合には、上
記と逆の動作をする。
【００７２】このように、第５の実施形態の装置では、
必要最小限の回路構成によって、低雑音増幅器と高周波
信号切替手段とを構成することができ、かつ、高い受信
性能を確保することができる。
【００７３】なお、これまでの各実施形態の装置では、
高周波信号切替回路を用いて、受信信号レベルが大きい
方のアンテナを選択しているが、妨害波が発生している
強電界地域において、妨害波の受信を抑えるような場合
には、逆に、受信信号レベルが低いアンテナを選択する
ことが必要になる。この場合、各アンテナの受信信号レ
ベルを所定の閾値と比較し、いずれの受信信号レベルも
閾値より大きいときには、受信信号レベルが低い方のア
ンテナを高周波信号切替回路で選択する。こうすること
により、携帯用無線受信装置の強電界地域での対妨害波
特性を改善することができる。
【００７４】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のアンテナ装置は、到来する電波の偏波面及び到来方向
に関わらず、常にアンテナ利得が高い方のアンテナを選
択して受信することができるため、安定した受信性能を
確保することができる。
【００７５】また、複数のアンテナの１つとしてヘリカ
ルアンテナを用いた装置では、受信機を人体に装着しな
い場合でも、高い受信性能を確保することができる。
【００７６】また、リセットスイッチ信号の伝送線路と
外部アンテナの受信信号の伝送線路とを共用する装置で
は、接続端子数を増やすことなく、簡単な構成で外部ア
ンテナを設けることができる。
【００７７】また、各アンテナからの受信出力をそれぞ
れ増幅した後、その中の１つの受信出力を選択する装置
では、アンテナを切り替えるための高周波信号切替手段
の伝送損失の影響を排除し、高い受信性能を確保するこ
とができる。
【００７８】また、カスケード構成の高周波トランジス
タによって低雑音増幅回路を形成する装置では、必要最
小限の構成によって、低雑音増幅手段と高周波信号切替
手段とを構成することができ、かつ、高い受信性能を確
保することができる。
【００７９】また、これらのアンテナ装置を装着した無
線受信装置は、その無線受信装置の向きに関わらず、安
定的に電波を受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施形態におけるアンテナ装置
を装着した小型携帯受信機を示す構成図、
【図２】本発明の第２の実施形態におけるアンテナ装置
を装着した小型携帯受信機を示す構成図、
【図３】本発明の第３の実施形態におけるアンテナ装置
を装着した小型携帯受信機を示す構成図、
【図４】本発明の第４の実施形態におけるアンテナ装置
の構成を示すブロック図、
【図５】本発明の第５の実施形態におけるアンテナ装置
の回路構成図である。
【符号の説明】
１ 第１ループアンテナ ２ 第１整合回路 ３ 第２ループアンテナ ４ 第２整合回路 ５ 高周波信号切替回路 ６ 受信回路 ７ 回路基板 ８ 切替制御信号 ９ 受信機筺体 10 ヘリカルアンテナ部 11 伝送線路 12 外部リセットスイッチ 13 外部ヘリカルアンテナ 14 リセットスイッチ 15 第１高周波阻止コイル 16 高周波ケーブル 17 コネクタ部 18 第２高周波阻止コイル 19 直流阻止コンデンサ 20 リセットスイッチ信号 21 制御回路 22 第１低雑音増幅器 23 第２低雑音増幅器 24 第１アンテナ 25 第２アンテナ 26 第１バイアス抵抗 27 第２バイアス抵抗 28 第１バイアス電圧 29 第２バイアス電圧 30 第１高周波トランジスタ 31 第２高周波トランジスタ 32 第３高周波トランジスタ 33 接地コンデンサ 34 負荷コイル 35 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｈ０４Ｂ 7/10 Ｈ０４Ｂ 7/10 Ｂ 7/26 7/26 Ｂ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 携帯用の無線受信装置に用いるアンテナ
    装置において、 無線受信装置の筐体の異なる面に沿ってそれぞれ配置さ
    れた複数のループアンテナと、前記複数のループアンテ
    ナからの受信信号を選択する切替手段とを備え、受信信
    号レベルが大きいループアンテナを選択して受信するよ
    うに構成されたことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 【請求項２】 前記複数のループアンテナとして、前記
    筐体の互いに直交する二つの面に沿って配置された二つ
    のループアンテナを具備することを特徴とする請求項１
    に記載のアンテナ装置。
  3. 【請求項３】 携帯用の無線受信装置に用いるアンテナ
    装置において、 無線受信装置の筐体の少なくとも一つの面に沿って配置
    されたループアンテナと、前記筐体の他の面に沿って配
    置されたヘリカルアンテナと、前記ループアンテナ及び
    へリカルアンテナからの受信信号を選択する切替手段と
    を備え、受信信号レベルが大きいアンテナを選択して受
    信するように構成されたことを特徴とするアンテナ装
    置。
  4. 【請求項４】 携帯用の無線受信装置に用いるアンテナ
    装置において、 無線受信装置の筐体の少なくとも一つの面に沿って配置
    されたループアンテナと、前記筐体の外部に引き出され
    たスイッチ部と、前記スイッチ部に内蔵されたヘリカル
    アンテナと、前記スイッチ部のスイッチ信号及び前記ヘ
    リカルアンテナからの受信信号を重畳して伝送する伝送
    線路と、前記ループアンテナ及びへリカルアンテナから
    の受信信号を選択する切替手段とを備え、受信信号レベ
    ルが大きいアンテナを選択して受信するように構成され
    たことを特徴とするアンテナ装置。
  5. 【請求項５】 前記アンテナの各々からの受信信号をそ
    れぞれ増幅する低雑音増幅器を具備し、前記切替手段
    が、アンテナからの受信信号として前記低雑音増幅器で
    増幅された受信信号を選択することを特徴とする請求項
    １、２、３または４に記載のアンテナ装置。
  6. 【請求項６】 前記アンテナの各々から受信信号がそれ
    ぞれ入力する複数の高周波トランジスタを具備し、前記
    高周波トランジスタのコレクタ出力をそれぞれ接続し、
    前記高周波トランジスタのべースバイアスを制御して前
    記受信信号の選択が行なわれることを特徴とする請求項
    ５に記載のアンテナ装置。
  7. 【請求項７】 請求項１乃至請求項６のいずれかに記載
    したアンテナ装置を具備することを特徴とする携帯用の
    無線受信装置。
  8. 【請求項８】 携帯用の無線受信装置に設けられた複数
    のアンテナの中から受信に使用する一つのアンテナを選
    択する使用アンテナの決定方法において、 前記アンテナの各々からの受信信号をそれぞれ低雑音増
    幅器で増幅するとともに、増幅された各受信信号を順次
    選択して、その受信信号レベルを検出し、前記受信信号
    レベルが最も大きいアンテナを使用アンテナとして選択
    することを特徴とする使用アンテナ決定方法。
  9. 【請求項９】 前記アンテナの各々から受信信号が入力
    する複数の高周波トランジスタのコレクタ出力をそれぞ
    れ接続し、前記高周波トランジスタへのべースバイアス
    の印加をＯＮ、ＯＦＦして前記アンテナの選択を行なう
    ことを特徴とする請求項８に記載の使用アンテナ決定方
    法。
  10. 【請求項１０】 請求項８または請求項９に記載した使
    用アンテナ決定方法を実施する携帯用の無線受信装置。
  11. 【請求項１１】 携帯用の無線受信装置に設けられた複
    数のアンテナの中から受信に使用する一つのアンテナを
    選択する使用アンテナの決定方法において、 前記アンテナの各々からの受信信号レベルを閾値と比較
    し、前記受信信号レベルのいずれもが、または、いすれ
    かが閾値を超えているとき、受信信号レベルが最も小さ
    いアンテナを使用アンテナとして選択することを特徴と
    する使用アンテナ決定方法。
  12. 【請求項１２】 請求項１１に記載した使用アンテナ決
    定方法を実施する携帯用の無線受信装置。
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