JPH1180609A - 熱硬化性粉体塗料の製造方法 - Google Patents

熱硬化性粉体塗料の製造方法

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JPH1180609A
JPH1180609A JP24924497A JP24924497A JPH1180609A JP H1180609 A JPH1180609 A JP H1180609A JP 24924497 A JP24924497 A JP 24924497A JP 24924497 A JP24924497 A JP 24924497A JP H1180609 A JPH1180609 A JP H1180609A
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JP
Japan
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powder coating
weight
coating
meth
producing
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JP24924497A
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English (en)
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Nagamoto Kawamoto
酉元 川本
Naohito Adachi
尚人 安達
Toshio Ogoshi
利雄 大越
Nobushige Numa
伸茂 奴間
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装作業性が良好で、高仕上がり性の塗膜を
形成することができ、かつ塗料の回収、再利用が可能な
粉体塗料を得る。 【解決手段】 (メタ)アクリレートモノマーおよび官
能基を有する(メタ)アクリレートモノマーを必須成分
とするモノマー混合物を共重合して得られる、ガラス移
転温度40〜100℃および数平均分子量1,000〜
10,000の熱硬化性ビニル系共重合体(a)および
架橋剤(b)をtert−ブタノール50重量%以上からな
る溶剤に溶解もしくは分散してなる融点が−30℃以上
の塗料溶液を50mmHg以下の圧力下で凍結乾燥した後、
粉砕して得られる平均粒子径が10ミクロン以下の母体
粉体塗料粒子を粉体塗装に適した平均粒子径になるよう
に凝集造粒させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性粉体塗料
の製造方法に関する。さらに詳しくは、tert−ブタノー
ルを溶剤として用いて、樹脂、架橋剤、添加剤等を溶解
後、凍結させ、凍結乾燥した後、さらに凝集造粒するこ
とにより、塗装作業性が良好で高仕上がり性の塗膜を形
成することができかつ塗料の回収、再利用が可能な粉体
塗料の製造方法に関するものである。
【0002】本発明の製造方法による粉体塗料は、特に
自動車上塗クリヤーとして適するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の粉体塗料は、樹脂、架橋剤、添加
剤等を粉砕、混合後、溶融混練器により混和させ、これ
を、粉砕することによって製造してきた。しかし、この
方法では樹脂と架橋剤を熱で溶融させて混練りするた
め、一部樹脂と架橋剤の反応が進行し、高分子量化す
る。このため塗料の溶融粘度が高くなり仕上がり性が低
下する。また時にはゲル物が生じ、これが塗膜外観、特
に膜厚の薄いクリヤー塗膜では致命的な欠陥となる。ま
た製造時に混入するゴミ、ブツ等も従来の製造法では塗
料組成物での濾過が困難であるため取り除くことができ
ず、高品位な塗膜を要求される自動車上塗クリヤーとし
て使用する際、大きな問題点となる。また、製造時に発
生する熱で一部架橋反応が進行することやゴミ、ゲル化
物等が除去できないため高品位な塗膜外観を要求される
用途では塗料の回収、再利用が不可能である。
【0004】また、従来の粉体塗料を仕上がり外観が特
に要求される自動車外板に適用した場合には、約40ミ
クロンの溶剤型塗膜と同程度の塗面平滑性を得るために
は約60ミクロン以上の塗膜厚が必要であり粉体塗料の
薄膜での平滑性の改良が求められている。
【0005】粉体塗料の平滑性を改良する方法として、
粉体塗料の粒子径をなるだけ小さくすることが考えられ
るが、粉体塗料の粒子径を小さくすると静電粉体塗装に
よる塗着効率が低下する、そのために粉体塗料を回収す
るのに手間が掛かり、また回収作業の回数が多くなるほ
ど、粉体粒子径が変化したりゴミ等の異物が入り塗膜仕
上がり外観が悪くなるといった欠点がある。一方、粉体
塗料の粒子径を大きくすると塗着効率は向上するが塗膜
の平滑性が低下するといった欠点があり、塗着効率およ
び塗膜平滑性共に優れた粉体塗料が得られていないのが
実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、樹脂、架橋剤、添加剤等を全て溶解し、か
つ凍結乾燥の容易な毒性のない溶剤組成あるいは樹脂組
成を見出し凍結乾燥した後、さらに粉体塗装に適した平
均粒子径になるように凝集造粒させることによって塗装
作業性が良好である仕上がりの良い塗膜を形成しかつゴ
ミ、ゲル化物の混合しない熱硬化性粉体塗料を容易に製
造しうる方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の溶剤
組成と樹脂組成を用いて凍結乾燥して得られる粉体塗料
粒子をさらに粉体塗装に適した平均粒子径になるように
凝集造粒させることにより塗装作業性が良く、仕上がり
性に優れる粉体塗料を製造できることを見出し本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、側鎖に炭素数4以上
の分岐または環状の置換基を有する(メタ)アクリレー
トモノマーおよび官能基を有する(メタ)アクリレート
モノマーを必須成分とするモノマー混合物を共重合して
得られる、ガラス移転温度40〜100℃および数平均
分子量1,000〜10,000の熱硬化性ビニル系共
重合体(a)および架橋剤(b)をtert−ブタノール5
0重量%以上からなる溶剤に溶解もしくは分散してなる
融点が−30℃以上の塗料溶液を50mmHg以下の圧力下
で凍結乾燥した後、粉砕して得られる平均粒子径が10
ミクロン以下の母体粉体塗料粒子を粉体塗装に適した平
均粒子径になるように凝集造粒させることを特徴とする
熱硬化性粉体塗料の製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の粉体塗料の製造法に供さ
れる粉体塗料組成中の熱硬化性ビニル系共重合体(a)
は、側鎖に炭素数4以上の分岐または環状の置換基を有
する(メタ)アクリレートモノマーおよび官能基を有す
る(メタ)アクリレートモノマーを必須成分とし、必要
に応じてこれら以外の重合性不飽和モノマーを加えて共
重合することによって得られるものである。
【0010】側鎖に炭素数4以上の分岐または環状の置
換基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、
iso −ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メ
タ)アクリレート等の分岐した4つ以上の炭素数を置換
基として有する(メタ)アクリル酸エステル類;シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)
アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレー
ト等の脂環族環を置換基に有する(メタ)アクリル酸エ
ステル類等が挙げられる。
【0011】共重合しうる官能基含有(メタ)アクリレ
ートモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、グリシジルアリルエーテル、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、β−メチルグ
リシジルメタクリレート等のエポキシ基含有不飽和モノ
マー類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルビニル
エーテル等の水酸基含有不飽和モノマー類;アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマー等
が挙げられる。
【0012】また、共重合しうるその他の非官能不飽和
モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレ
ート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸
エステル;スチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族
モノマーが挙げられる。ビニル系共重合体(a)の製造
に用いられる炭素数4以上の分岐または環状の置換基を
有する(メタ)アクリレートモノマーは、モノマー混合
物中に20〜65重量%、好ましくは30〜60重量%
の範囲で用いて共重合することが適当である。共重合量
が20重量%未満であると後記する溶剤特にtert−ブタ
ノールへの溶解性が低下し、塗料溶液が不均一となり、
この粉体塗料から形成される塗膜の仕上がり性が低下す
る。
【0013】また、官能基含有(メタ)アクリレートモ
ノマーは、20〜70重量%、好ましくは30〜45重
量%の範囲で用いられる。
【0014】さらに、その他の非官能性不飽和モノマー
は10〜60重量%の範囲である。ここでスチレンが使
用される場合は、35重量%以下、好ましくは25重量
%以下が適当である。スチレンを36重量%以上共重合
するとtert−ブタノールへの溶解性が大きく低下し、塗
料溶液が不均一となる。
【0015】本発明に用いられるビニル系共重合体
(a)は、ガラス移転温度が40〜100℃、好ましく
は50〜80℃が適当である。40℃より低いと粉体塗
料の耐ブロッキング性が悪くなり、また100℃より高
いと熱フロー時の粘度が上がり、仕上がり性が低下する
ばかりでなく、凍結乾燥を行う溶剤に対する溶解性が低
下し、さらに仕上がり性を低下させる。
【0016】上気したガラス移転温度(Tg、℃)は下
記のFoxの式で計算した温度(°K)を(℃)に換算
した数値である。
【0017】100/Tg=W1/Tg1+W2/Tg
2+W3/Tg3+W4/Tg4 (式中、W1、W2、W3、W4はそれぞれ共重合体に
使用されたモノマーの重量%を示し、Tg1、Tg2、
Tg3、Tg4は同重合体のガラス移転(°K)を示
す。) 架橋剤(b)は、特に規定はしないがビニル系共重合体
(a)の持つ官能基と反応硬化する架橋剤であれば従来
からの公知の架橋剤が使用できる。具体例としては、例
えば、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、コハク
酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、ドデカン二
酸、ピペリン酸、アゼライン酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸等の脂肪族ポリカルボン酸類およびその(ポリ)酸
無水物;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸
類およびその(ポリ)酸無水物;ヘキサヒドロフタル
酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、メチルヘキサヒドロフ
タル酸等の脂環式ポリカルボン酸およびその無水物の如
く(無水)ポリカルボン酸化合物が挙げられる。また例
えばイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、(水添加)キシリレンジイソシアネー
ト、(水添加)トリレンジイソシアネート等の脂肪族、
脂環族または芳香族ポリイソシアネートをフェノール
類、カプロラクトン類、アルコール類等のブロック剤で
ブロックしたもの等のブロックイソシアネート化合物;
トリスエポキシプロピルイソシアヌレート、(水添加)
ビスフェノールA、セロキシド2021(ダイセル化学
社製)、EHPE−3150(ダイセル化学社製)等の
ポリエポキシ化合物等が挙げられる。
【0018】これらは1種または2種以上組み合わせて
使用できる。また上記した中でも脂肪族ポリカルボン酸
およびその酸無水物が好ましく、中でもドデカン二酸は
塗料の耐ブロッキング性、塗料の仕上がり外観等が優れ
ている。
【0019】添加剤(c)は、ワキ防止剤、表面調整
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、ブロッ
キング防止剤、流動調整剤、帯電制御剤、着色顔料、充
填剤、硬化促進剤等通常塗料に配合されるものが使用で
き必要に応じて配合される。
【0020】本発明において、ビニル系共重合体(a)
および架橋剤(b)を溶解もしくは分散させる溶剤とし
ては、tert−ブタノール単独もしくはtert−ブタノール
とジオキサンの混合溶剤が用いられる。
【0021】これらの溶剤は、樹脂、架橋剤、添加剤等
の溶解性が高くまた融点も高く、蒸気圧が高いため凍結
に必要なエネルギーが少なくてすみ、凍結乾燥時、高減
圧度を必要とせずまた減圧時間も短時間にすることがで
きる。また、融点が−40℃以下にならないよう、他の
溶剤例えば、メチルエチルケトン、トルエンを併用する
ことも可能である。融点が−40℃以下になると凍結に
エネルギーを要するだけでなく、冷却時に樹脂と架橋剤
が分離し、仕上がり性が低下する。
【0022】溶剤として混合溶剤が用いられる場合、te
rt−ブタノールは50重量%以上、好ましくは70重量
%以上、さらに好ましくは80重量%以上の範囲で用い
られる。他方、ジオキサンは50重量%未満、好ましく
は30重量%未満、さらに好ましくは20重量%未満で
ある。
【0023】また、他の溶剤が使用される場合は20重
量%以下で用いられる。
【0024】tert−ブタノールの量が50重量%未満に
なると溶剤の蒸気圧が下がり高減圧度や減圧時間が長く
なり、また架橋剤の溶解性が低下する場合がある。また
ジオキサンを50重量%以上用いると、衛生上問題があ
るばかりでなく、溶剤の蒸気圧が下がり高減圧度が必要
となり、また減圧時間も長くなる。
【0025】本発明の粉体塗料の製造方法は、前記した
ビニル系共重合体(a)、架橋剤(b)および添加剤等
を溶解し、適度な濾過装置で濾過後、通常10〜−30
℃で凍結し、50mmHg以下で減圧を行い、冷却トラップ
で捕集する。凍結乾燥後、粉砕とフルイで濾過すること
により粒径10μm 以下の母体粉体塗料粒子が容易に得
られる。
【0026】本発明において、母体粉体塗料の平均粒子
径は10ミクロン以下、特に1〜10ミクロン、さらに
1〜8ミクロンの範囲のものが好適である。平均粒子径
が10ミクロンを越えると造粒された粒子径が大きくな
り塗膜の平滑性が悪くなる。本発明において母体および
造粒粉体塗料の平均粒子径は粒度分布を測定(例えば、
マイクロトラック、FRA粒度分析計、商標名、“日機
装株式会社製”)してその累積頻度が50%になる粒子
径を示す。
【0027】本発明において、造粒粉体塗料は母体粉体
粒子同士がお互いに融着し、かつその粒子同士が溶融混
合して粒子径が大きく変形しない温度で加熱しながら混
合分散することにより製造できる。造粒の温度条件は母
体粉体塗料の軟化温度、溶融粘度、製造量等により異な
るので、使用する母体粉体塗料に応じて好適な条件を設
定すればよいが、一般的には約40〜80℃、好ましく
は40〜60℃の温度範囲で約1分間〜20時間、好ま
しくは約5分間〜10時間の範囲で行うことができる。
【0028】造粒粉体塗料は母体粉体粒子が幾つか集ま
った凝集体であり、その粒子の形状は母体粒子の形が大
きく変形しないで残っており、かつ塗装タンクから静電
塗装機までの輸送中や静電噴霧中に造粒粉体塗料の凝集
が壊れたりしない程度に融着していることが好ましい。
【0029】造粒粉体塗料の平均粒子径は粉体塗装に適
した範囲に設定すれば良いが、一般的には10〜30ミ
クロン、特に12〜25ミクロンの範囲が好ましい。上
記した範囲を下回ると静電塗装による塗着効率が悪くな
り、一方、上記した範囲を上回ると塗膜の平滑性が悪く
なる。
【0030】本発明の造粒粉体塗料は、被塗物に静電粉
体塗装し、焼付け(例えば、約160℃以上の温度で約
30分間)によって硬化塗膜を形成することができる。
該被塗物としては、静電粉体塗装が可能な素材であれば
特に制限なしに従来から公知のものを使用することがで
きる。該被塗物としては、例えば、金属類、表面処理が
施された金属類、プラスチック類、これらの素材に塗料
が塗装されたもの等が挙げられる。
【0031】粉体塗装は、それ自体公知の方法、例え
ば、静電粉体塗装、摩擦帯電粉体塗装等で行うことが好
ましい。塗装膜厚は、特に制限されないが、約20〜8
0ミクロン、好ましくは約20〜70ミクロンの範囲が
好適である。
【0032】本発明の造粒粉体塗料は、例えば、自動
車、電気製品、鋼製家具、事務用品、建材等従来から粉
体塗料が使用されている用途に制限なしに適用できる
が、特に塗膜の平滑性が望まれる自動車の外板や内板に
使用することが好ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
る。
【0034】樹脂溶液(A)の製造例 温度計、サーモスタット、攪拌器、還流冷却器および滴
下装置を備えた反応容器に、tert−ブタノール100重
量部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、82℃に加
熱して、シクロヘキシルメタクリレート50重量部、te
rt−ブチル−メタクリレート15重量部、グリシジルメ
タクリレート35重量部、アゾビスジメチルバレロニト
リル7重量部の混合液を約3時間かけて滴下した。滴下
終了後82℃で2時間放置し、反応を終了し、樹脂溶液
(A)を製造した。
【0035】樹脂溶液(B〜H)の製造例 表1記載の配合で樹脂溶液(A)と同様に製造した。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1 樹脂溶液(A)200重量部、ドデカン二酸25重量
部、tert−ブタノール190重量部を加え、溶解後、−
10℃で冷却し、凍結させた。その後、1.0mmHg以下
で減圧し、溶融が起こらないよう、徐々に常温に戻して
いった。得られた固形物は、微粉砕、濾過を行い、平均
粒子径が約6ミクロンの熱硬化型アクリル樹脂粉体塗料
を得た。
【0038】上記粉体塗料200gをハイスピードミキ
サー(容量2L、深江工業株式会社製)に仕込みアジテ
ーター500rpm 、チョッパー4,000rpm で攪拌し
ながら50℃で30分間攪拌して造粒を行った後、15
分かけて20℃に冷却して造粒粉体塗料を製造した。造
粒粉体塗料の平均粒子径は約14ミクロンであった。 実施例2〜7 樹脂溶液(A)〜(F)を用いて実施例1と同様にして
造粒粉体塗料を製造した。その特性を表2に示す。
【0039】比較例1〜3 樹脂溶液(A)、(G)および(H)を用い、表2に示
される溶剤を用いて実施例1と同様にして造粒粉体塗料
を製造した。その特性を表2に示す。
【0040】比較例4 樹脂溶液(A)200重量部、ドデカン二酸25重量
部、tert−ブタノール190重量部を加え、溶解後、−
10℃で冷却し、凍結させた。その後、1.0mmHg以下
で減圧し、溶融が起こらないよう、徐々に常温に戻して
いった。得られた固形物は、微粉砕、濾過を行い、平均
粒子径が約6ミクロンの熱硬化型アクリル樹脂粉体塗料
を製造した。その特性を表2に示す。
【0041】比較例5 樹脂溶液(A)から溶剤を減圧蒸留により除去して固形
樹脂を得た。この固形樹脂100重量部とドデカン二酸
25重量部を室温でヘンシェルミキサーでドライブレン
ドした後、エクストルーダーで溶融混練した。
【0042】次に冷却した後、ジェットミルで微粉砕
し、濾過を行い、平均粒子径が約6ミクロンの熱硬化型
アクリル樹脂粉体塗料を製造した。その特性を表2に示
す。
【0043】
【表2】
【0044】表2における試験は次のようにして行っ
た。
【0045】溶液状態での溶解性の評価:凍結乾燥前の
溶液での溶解性は25℃での塗料溶液の状態で評価し
た。樹脂については次の基準で評価した。◎は完全溶
解、○は沈降はしないがブルーイング、△は白濁し沈降
物も少量みられる。また架橋剤のドデカン二酸の溶解性
も次の基準で評価した。◎は完全溶解、△は結晶物の析
出がみられる。
【0046】塗膜作成条件:燐酸亜鉛化成処理を施した
厚さ0.8mmのダル鋼板上にエポキシ系カチオン電着塗
料を乾燥膜厚20ミクロンとなるように電着塗装し、焼
付けた電着塗膜上に自動車中塗りサーフェサーを乾燥膜
厚20ミクロンとなるように焼付けした後、#400サ
ンドペーパーで水研ぎし、水切乾燥した。次いでマジク
ロンベースコートHM−22(関西ペイント株式会社
製、メタリック塗料、商品名)を硬化塗膜で約15ミク
ロンとなるように塗装し、乾燥器で140℃で約30分
間焼付け硬化させ試験用の素材とした。
【0047】次いでは該素材の表面に粉体塗料を膜厚が
約70ミクロンとなるように静電塗装し、乾燥器で16
0℃で30分間加熱硬化させた。得られた塗板について
次の試験を行った。
【0048】塗膜外観:塗膜の仕上がり外観をツヤ感、
平滑感から次の基準で評価した。◎は良好なもの、○は
若干平滑性が劣るツヤ感は良好なもの、△は若干劣るも
の、×は劣るもの。
【0049】塗装作業性:静電塗装機(PG−1、松尾
産業社製を使用)を使用して、−70KV、吐出量150
g/分の塗装条件で300mm×400mmのブリキ板の焼
付け膜厚が50ミクロンになるように静電粉体塗装した
時の塗装作業性を下記の基準で評価した。○は吐出ム
ラ、ガン先端への塗料付着がなく塗装作業性が優れる、
△は吐出ムラ、ガン先端への塗料付着があり塗装作業性
が劣る、×は吐出ムラ、ガン先端への塗料付着が多く塗
装作業性が著しく劣る。
【0050】塗着効率:垂直にしたブリキ板(大きさ3
0cm×30cmの被塗物)に距離20cm(被塗物とガン先
端との距離)離れたところから静電塗装機(PG−1、
松尾産業社製を使用)を使用して、−70KV、吐出量1
50g/分で10秒間塗装した。塗着効率は式(塗着重
量/吐出重量)×100で求めた数値である。
【0051】鏡面反射率:JIS K−5400の60
度鏡面光沢度を測定した。
【0052】
【発明の効果】本発明の熱硬化性粉体塗料は、粉体塗料
の流動性が良く粉体塗装作業性に優れることおよび塗着
粉末の充填率が高くなることと粉体製造時の熱による反
応がないことにより粉体塗膜の外観(平滑性等)が良好
な粉体塗料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奴間 伸茂 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖に炭素数4以上の分岐または環状の
    置換基を有する(メタ)アクリレートモノマーおよび官
    能基を有する(メタ)アクリレートモノマーを必須成分
    とするモノマー混合物を共重合して得られる、ガラス移
    転温度40〜100℃および数平均分子量1,000〜
    10,000の熱硬化性ビニル系共重合体(a)および
    架橋剤(b)をtert−ブタノール50重量%以上からな
    る溶剤に溶解もしくは分散してなる融点が−30℃以上
    の塗料溶液を50mmHg以下の圧力下で凍結乾燥した後、
    粉砕して得られる平均粒子径が10ミクロン以下の母体
    粉体塗料粒子を粉体塗装に適した平均粒子径になるよう
    に凝集造粒させることを特徴とする熱硬化性粉体塗料の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 ビニル系共重合体(a)が側鎖に炭素数
    4以上の分岐または環状の置換基を有する(メタ)アク
    リレートモノマーを20〜65重量%含有するモノマー
    混合物を共重合してなるものである、請求項1に記載さ
    れた粉体塗料の製造方法。
  3. 【請求項3】 官能基を有する(メタ)アクリレートモ
    ノマーを20〜70重量%使用する、請求項1または2
    に記載された粉体塗料の製造方法。
  4. 【請求項4】 官能基を有する(メタ)アクリレートモ
    ノマーは、エポキシ基含有不飽和モノマー、水酸基含有
    不飽和モノマーおよびカルボキシル基含有不飽和モノマ
    ーから選ばれるものである、請求項1ないし3のいずれ
    か1項に記載された粉体塗料の製造方法。
  5. 【請求項5】 ビニル系共重合体(a)がグリシジル官
    能性であり架橋剤(b)は、脂肪族ポリカルボキシ酸ま
    たはその酸無水物である、請求項1ないし4のいずれか
    1項に記載された粉体塗料の製造方法。
  6. 【請求項6】 非官能性不飽和モノマーを10〜60重
    量%併用する、請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    された粉体塗料の製造方法。
  7. 【請求項7】 架橋剤(b)はドデカン二酸である、請
    求項5に記載された粉体塗料の製造方法。
  8. 【請求項8】 溶剤組成がtert−ブタノール50〜10
    0重量%、ジオキサン0〜50重量%、およびその他の
    溶剤0〜20重量%からなる、請求項1ないし7のいず
    れか1項に記載された粉体塗料の製造方法。
  9. 【請求項9】 溶剤組成がtert−ブタノール80重量%
    以上からなる、請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    された粉体塗料の製造方法。
  10. 【請求項10】 母体粉体塗料粒子の平均粒子径が1〜
    8ミクロンの範囲であることを特徴とする、請求項1に
    記載された粉体塗料の製造方法。
  11. 【請求項11】 造粒された粉体塗料粒子の平均粒子径
    が10ミクロンを越えて30ミクロン以下の範囲である
    ことを特徴とする、請求項1に記載された粉体塗料の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 平均粒子径が10ミクロン以下の母体
    粉体塗料粒子を該母体粉体塗料の粒子表面が溶融し、該
    粒子内は溶融しない温度で凝集造粒させることを特徴と
    する造粒粉体塗料の製造方法。
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