JPH1180613A - 熱硬化性アクリル粉体塗料組成物及びその製造方法 - Google Patents

熱硬化性アクリル粉体塗料組成物及びその製造方法

Info

Publication number
JPH1180613A
JPH1180613A JP28753497A JP28753497A JPH1180613A JP H1180613 A JPH1180613 A JP H1180613A JP 28753497 A JP28753497 A JP 28753497A JP 28753497 A JP28753497 A JP 28753497A JP H1180613 A JPH1180613 A JP H1180613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
powder coating
thermosetting acrylic
coating composition
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28753497A
Other languages
English (en)
Inventor
Nagamoto Kawamoto
酉元 川本
Naohito Adachi
尚人 安達
Toshio Ogoshi
利雄 大越
Nobushige Numa
伸茂 奴間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP28753497A priority Critical patent/JPH1180613A/ja
Publication of JPH1180613A publication Critical patent/JPH1180613A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦傷性、耐酸性雨性と貯蔵安定性に優れ、
仕上がり外観の良好なアクリル粉体塗料とその製法を提
供する。 【解決手段】 (a)側鎖に炭素数4以上の分岐または
置換基を有する(メタ)アクリレートモノマー及びグリ
シジル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを必須
とするモノマー混合物を共重合して得られる、ガラス転
移温度40℃〜100℃及び数平均分子量1,000〜
10,000の熱硬化性アクリル系共重合体40〜85
重量%、(b)脂肪族二塩基酸10〜25重量%、
(c)3個以上のカルボキシル基を有する脂肪族多価カ
ルボン酸1〜15重量%を含有することを特徴とする熱
硬化性アクリル粉体塗料組成物と、この組成物をter
t−ブタノールに溶解し凍結乾燥する粉体塗料の製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特に耐擦傷性、耐酸
性、耐候性、仕上がり外観に優れた塗膜を形成できる新
規な熱硬化性アクリル粉体塗料組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性アクリル樹脂粉体塗料の架橋と
しては、エポキシ基含有アクリル共重合体を二塩基酸で
架橋を行う方法、水酸基含有アクリル共重合体をブロッ
クイソシアネートあるいはメラミンで架橋する方法、カ
ルボキシル基含有アクリル共重合体をエポキシ樹脂、あ
るいはトリグリシジルイソシアヌレート、あるいはβ−
ヒドロキシアルキルアミドで架橋する方法が知られてい
る。これらの中でも、エポキシ基含有アクリル共重合体
をドデカン二酸で架橋させる方法は良好な仕上がり外観
と耐候性を与えることから最も一般的に実施されてい
る。しかし、この架橋反応による硬化塗膜は自動車外板
のような苛酷な自然環境下で使用されるとき砂塵、洗車
等による擦傷がつきやすい欠点や酸性雨によるエッチン
グの発生が起こりやすい等の欠点がある。この欠点を改
良する手段として、アクリル系共重合体を構成するグリ
シジル基含有モノマーの含有量を多くして硬度をあげる
ことも試みたが、反対に仕上がり外観、貯蔵安定性が著
しく劣るという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、耐擦傷性、耐酸性雨性に優れ、かつ仕上が
り外観、貯蔵安定性をも満足する熱硬化性アクリル粉体
塗料組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
問題点を解消するために鋭意研究を重ねた結果、架橋剤
として3個以上のカルボキシル基を有する脂肪族多価カ
ルボン酸を含有する特定のアクリル樹脂粉体塗料組成物
を開発し、このものをさらに特定の粉体塗料製造法によ
り製造することにより塗料貯蔵安定性に優れ、かつ仕上
がり外観、耐候性、耐酸性、耐擦傷性に優れた硬化塗膜
を提供するものであることを見出し、本発明を完成する
に至った。本発明は、 「1. (a)側鎖に炭素数4以上の分岐または置換基を有する(メタ)アクリ レートモノマー及びグリシジル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを必須 とするモノマー混合物を共重合して得られる、ガラス転移温度40℃〜100℃ 及び数平均分子量1,000〜10,000の熱硬化性アクリル系共重合体 40〜85重量% (b)脂肪族二塩基酸 10〜25重量% (c)3個以上のカルボキシル基を有する脂肪族多価カルボン酸 1〜15重量% を含有することを特徴とする熱硬化性アクリル粉体塗料
組成物。 2. (a)の熱硬化性アクリル系共重合体が、側鎖に
炭素数4以上の分岐または置換基を有する(メタ)アク
リレートモノマー及びグリシジル基を有する(メタ)ア
クリレートモノマーのほかに他の共重合可能なモノマー
を配合した、1項に記載された熱硬化性アクリル粉体塗
料組成物。 3. (a)の熱硬化性アクリル系共重合体が、側鎖に
炭素数4以上の分岐または置換基を有する(メタ)アク
リレートモノマー20〜65重量%であり、グリシジル
基含有(メタ)アクリレートモノマーが20〜70重量
%であり、他の共重合可能なモノマーであるスチレンが
0〜35重量%である、1項または2項に記載された熱
硬化性アクリル粉体塗料組成物。 4. 脂肪族二塩基酸(b)はドデカン二酸である、1
項ないし3項のいずれか1項に記載された熱硬化性アク
リル粉体塗料組成物。 5. 脂肪族多価カルボン酸(c)は、1,2,4−ブ
タントリカルボン酸及び1,2,3,4−ブタンテトラ
カルボン酸である、1項ないし4項のいずれか1項に記
載された熱硬化性アクリル粉体塗料組成物。 6. 1項ないし5項のいずれか1項に記載された熱硬
化性アクリル粉体塗料組成物をtert−ブタノール5
0重量%以上からなる溶剤に溶解もしくは分散してなる
融点が−40℃〜10℃の塗料溶液を50mmHg以下
の圧力下で凍結乾燥することを特徴とする熱硬化性アク
リル粉体塗料組成物の製造方法。 7. 融点が−30℃〜0℃である、6項に記載された
熱硬化性アクリル粉体塗料組成物の製造方法。 8. 溶剤組成がtert−ブタノール50〜100重
量%、ジオキサン−0〜50重量%、及びその他の溶剤
0〜30重量%からなる、6項または7項に記載された
熱硬化性アクリル粉体塗料組成物の製造方法。 9. 溶剤組成がtert−ブタノール80重量%以上
からなる、6項ないし8項のいずれか1項に記載された
熱硬化性アクリル粉体塗料組成物の製造方法。」に関す
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のアクリル粉体塗料組成中
の熱硬化性アクリル系共重合体(a)は、側鎖に炭素数
4以上の分岐または環状の置換基を有する(メタ)アク
リレートモノマーおよびグリシジル基を有する(メタ)
アクリレートモノマーを必須成分とし、必要に応じてこ
れら以外の重合性不飽和モノマーを加えて共重合するこ
とによって得られるものである。
【0006】側鎖に炭素数が4以上の分岐または環状の
置換基を有する(メタ)アクリレートモノマーとして
は、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−
ブチル(メタ)アクリレート等の分岐した4つ以上の炭
素数を置換基として有する(メタ)アクリル酸エステル
類:シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)
アクリレート等の脂環族環を置換基に有する(メタ)ア
クリル酸エステル類等が挙げられる。
【0007】グリシジル基含有(メタ)アクリレートモ
ノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ
レート、β−メチルグリシジル(メタ)クリレート等が
挙げられる。これらのモノマーは1種あるいは2種以上
組合せて使用できる。特にグリシジル(メタ)アクリレ
ート、β−メチルグリシジル(メタ)クリレートが好適
である。β−メチルグリシジル(メタ)クリレートは反
応性が遅く、平滑性に優れた塗膜を形成できるので組合
せて使用すると好適である。
【0008】その他の重合可能な不飽和モノマーとして
は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
クロロスチレン等のビニル芳香族化合物;メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アク
リレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メ
タ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メ
タ)アクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸の
炭素数1〜24のアルキルエステルまたは環状アルキル
エステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シブチル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル等の水酸基含有不飽和モノマー類等が挙げ
られる。
【0009】本発明に用いられるアクリル系共重合体
(a)はスチレンが0〜35重量%、側鎖に炭素数4以
上の分岐または環状の置換基を有する(メタ)アクリレ
ートモノマーを20〜65重量%、好ましくは30〜6
5重量%とする。スチレンが35重量%より多くなると
溶剤、特にtert−ブタノールに対する溶解性が低下
し、好ましくない。また炭素数4以上の分岐または環状
の置換基を有する(メタ)アクリレートモノマーが20
重量%未満となる溶剤、特にt−ブタノールに対する溶
解性が低下し、好ましくない。さらに、該アクリル系共
重合体(a)を構成するグリシジル基含有(メタ)アク
リレートモノマーの割合は20〜70重量%、好ましく
は30〜50重量%である。グリシジル基含有(メタ)
アクリレートモノマーの割合が20重量%を下凹ると耐
擦傷性が劣り、70重量%を越えると粉体塗料の貯蔵安
定性が劣り、また仕上がり外観も劣るので好ましくな
い。さらに、その他の重合性不飽和モノマーは、10〜
60重量%の範囲である。かくして得られるアクリル系
共重合体は(a)は、ガラス転移温度が40〜100
℃、好ましくは50〜80℃の範囲及び数平均分子量が
1,000〜10,000、好ましくは2,000〜
6,000の範囲である。
【0010】ガラス転移点が40℃以下ではアクリル系
共重合体(a)は粘着性があり、得られる粉体塗料は粒
子同士の融着が起こり、即ち耐ブロッキング性が劣る。
ガラス転移温度が100℃より高い場合はアクリル系共
重合体(a)の溶融フロー性が劣り、塗膜の仕上がり外
観が劣るので好ましくない。また、数平均分子量が1,
000を下回ると粉体塗料の耐ブロッキング性が劣り、
かつ耐擦傷性、耐候性等の塗膜性能が劣る。数平均分子
量が10,000を越えると塗膜の仕上がり外観が劣る
ので好ましくない。
【0011】本発明で用いる硬化剤の脂肪族二塩基酸
(b)は飽和もしくは不飽和の脂肪族二塩基酸である。
具体的には、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、ブラシリン酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラ
コン酸、エイコサン二酸等が挙げられる。このうち、特
にドデカン二酸が好適である。本発明で用いるもう一方
の硬化剤である脂肪族多価カルボン酸(c)は、3個以
上のカルボキシル基を有するもので、例えば1,2,
4,−ブタントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタン
テトラカルボン酸等を挙げることができる。
【0012】上記(a)〜(c)成分の配合割合は下記
の通りである。 (a) 40〜85重量%:範囲をはずれると仕上がり
外観、耐候性等が劣る。 (b) 10〜25重量%:10重量%を下回ると耐擦
傷性、耐久性が劣り、25重量%を上回ると仕上がり性
が劣る。 (c) 1〜15重量%:1重量%を下回ると耐擦傷
性、耐久性が劣り、15重量%を上凹ると仕上がり性が
劣る。 本発明の粉体塗料組成物には上記成分以外にワキ防止
剤、表面調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安
定剤、ブロッキング防止剤、流動調整剤、帯電制御剤、
着色顔料、充填剤、硬化促進剤等の添加剤を必要に応じ
て配合できる。
【0013】本発明のアクリル粉体塗料組成物の製造方
法は、前記したビニル系共重合体(a)、架橋剤(b)
および(c)並びに添加剤等を溶解し、適度な瀘過装置
で瀘過後、通常10℃〜−30℃で凍結し、50mmH
g以下で減圧を行い、冷却トラップで捕集する。凍結乾
燥後、簡単な粉砕とフルイで瀘過することにより粒径1
0μm程度の微粒子が容易に得られる。このため、粉砕
等の工程を省略して粉体塗料を製造することが可能とな
る。
【0014】粉体塗料組成物の溶解に用いられる溶剤
は、tert−ブタノール50重量%以上、ジオキサン
50重量%以下、その他の溶剤30重量%以下からなる
ものである。tert−ブタノールは50重量%以上、
好ましくは70重量%以上の範囲であり、tert−ブ
タノールが50重量%を下回ると、架橋剤の溶解性が劣
り、塗料溶液の凝固点が下がり、凍結にエネルギーを要
する。また、溶剤の蒸気圧が下がり、真空凍結乾燥時に
高減圧度が必要で、さらに長時間かかり好ましくない。
また、ジオキサンは50重量部以下、好ましくは20重
量%以下の範囲であり、ジオキサンが50重量%を越え
ると、製造時、衛生上好ましくないばかりでなく、溶剤
の蒸気圧が下がり、真空凍結乾燥時に高減圧度が必要
で、さらに長時間を要するので好ましくない。
【0015】その他の溶剤としては、トルエン、キシレ
ン、メメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
エチルアセテート、ブチルアセテート、メタノール、エ
タノール、iso−プロパノール、iso−ブタノール
のような凍結しない溶剤やシクロヘキサン、シクロヘキ
サノール等の比較的高い温度で凍結する溶剤等が用いら
れる。その他の溶剤は30重量%以下、好ましくは、2
5重量%以下の範囲であり、その他の溶剤が30重量%
を越えると、凍結乾燥が困難になったり、あるいは、樹
脂または架橋剤の溶解性が低下し、好ましくない。凍結
させる温度は10℃〜−40℃であり、好ましくは、−
30℃〜0℃の範囲であり、凍結温度が10℃を越える
と、塗料溶液が凝固し易く、取り扱いが困難となる。ま
た−40℃を下回ると、凍結に多量のエネルギーが必要
となり、また、真空凍結乾燥に長時間を有するため好ま
しくない。
【0016】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
る。
【0017】樹脂溶液(A)の製造例 温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器および滴
下装置を備えた反応容器に、tert−ブタノール10
0重量部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、82℃
に加熱して、シクロヘキシルメタクリレート50重量
部、tert−ブチル−メタクリレート15重量部、グ
リシジルメタクリレート35重量部、アゾビスジメチル
バレロニトリル7重量部の混合液を約3時間かけて滴下
した。滴下終了後82℃で2時間放置し、反応を終了
し、樹脂溶液(A)を製造した。
【0018】樹脂溶液(B)の製造例 表1記載の配合で樹脂溶液(A)と同様に製造した。
【0019】
【表1】
【0020】実施例1 樹脂溶液(A)200重量部、ドデカン二酸17重量
部、1,2,4−ブタントリカルボン酸5重量部を加
え、溶解後、−10℃で冷却し、凍結させた。その後、
1.0mmHg以下で減圧し、溶融が起こらないよう、
徐々に常温に戻していった。得られた固形物は、軽く粉
砕しながら150メッシュで瀘過して粉体塗料を製造し
た。
【0021】実施例2〜6 樹脂溶液(A)及び(B)を用いて、表2に示した配合
で実施例1と同様にして粉体塗料を製造した。
【0022】比較例1〜2 樹脂溶液(A)及び(B)を用い、表2に示した配合で
実施例1と同様に粉体塗料を製造した。
【0023】比較例3 樹脂溶液(A)から溶剤を減圧蒸留により除去して固形
樹脂を得た。この固形樹脂100重量部とドデカン二酸
17重量部、1,2,4−ブタントリカルボン酸5重量
部を室温でヘンシェルミキサーでドライブレンドした
後、エクストルーダーで溶融混練した。150メッシュ
で瀘過して粉体塗料を得た。
【0024】粉体塗料の塗膜性能試験結果を表2に示
す。
【0025】
【表2】
【0026】塗膜作成条件 燐酸亜鉛化成処理を施した熱さ0.8mmのダル鋼板上
にエポキシ系カチオン電着塗料を乾燥膜厚20ミクロン
となるように電着塗装し、焼き付けた電着塗膜上に自動
車中塗りサーフェサーを乾燥厚膜20ミクロンとなるよ
うに焼き付けした後#400サンドペーパーで水研ぎ
し、水切乾燥した。次いでマジクロンベースコートHM
−22(関西ペイント株式会社製、メタリック塗料、商
品名)を硬化塗膜で約15ミクロンとなるように塗装
し、乾燥器で140℃で約30分間焼き付け硬化させ試
験用の素材とした。次いでは該素材の表面に粉体塗料を
膜厚が約70ミクロンとなるように静電塗装し、乾燥器
で160℃で30分間加熱硬化させた。得られた塗板に
ついて次の試験を行った。 塗膜外観 塗膜の仕上がり外観をツヤ感、平滑感から次の基準で評
価した。 ◎;非常に良好、○;良好、△;若干劣る、×;劣る 耐擦傷性 ルーフに試験用塗板を貼付した自動車を洗車機で5回洗
車した後の該塗装板の塗面状態を観察した。洗車機はヤ
スイ産業製「PO 20FWRC」を用いた。評価基準
は次の通りである。 ◎:目視観察でほとんど擦傷が見つからず、合格 ○:少し擦傷は見つかるが、その程度は軽い △:目視観察で擦傷が目立ち、不合格 ×:目視観察ではっきりと著しい擦傷が判り、不合格 耐酸性 40重量%硫酸を試験塗板に0.4ml滴下し、85℃
に加熱したホットプレート上で、15分間加熱した後、
水洗し、塗面を観察し、次の基準で評価した。 ◎:目視観察で全く変化のないもの ○:滴下部と非滴下部にわずかな差が見られるがエッチ
ングはない △:滴下部と非滴下部の境界にわずかな段差が認められ
るもの ×:目視観察ではっきりとしたエッチングが認められる
もの 60゜光沢 60゜での鏡面反射率を測定した。JISK−5400
に従って測定した。
【0027】
【発明の効果】本発明のアクリル粉体塗料組成物におい
て、グリシジル基含有アクリル系共重合体の硬化剤とし
て脂肪族二塩基酸の他に3個以上のカルボキシル基を有
する脂肪族多価カルボン酸を配合することにより、硬化
反応における架橋密度が非常に高くなり、その結果耐擦
傷性、耐酸性に優れた硬化塗膜が得られる。また、本発
明の粉体塗料製造法は、従来の加熱溶融混練による粉体
塗料製造法と異なり、熱による反応が伴わないので仕上
がり性、貯蔵安定性の良好な粉体塗料を得ることができ
る。
フロントページの続き (72)発明者 奴間 伸茂 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)側鎖に炭素数4以上の分岐または置換基を有する(メ タ)アクリレートモノマー及びグリシジル基を有する(メタ)アクリレートモノ マーを必須とするモノマー混合物を共重合して得られる、ガラス転移温度40℃ 〜100℃及び数平均分子量1,000〜10,000の熱硬化性アクリル系共 重合体 40〜85重量% (b)脂肪族二塩基酸 10〜25重量% (c)3個以上のカルボキシル基を有する脂肪族多価カルボン酸 1〜15重量% を含有することを特徴とする熱硬化性アクリル粉体塗料
    組成物。
  2. 【請求項2】 (a)の熱硬化性アクリル系共重合体
    が、側鎖に炭素数4以上の分岐または置換基を有する
    (メタ)アクリレートモノマー及びグリシジル基を有す
    る(メタ)アクリレートモノマーのほかに他の共重合可
    能なモノマーを配合した、請求項1に記載された熱硬化
    性アクリル粉体塗料組成物。
  3. 【請求項3】 (a)の熱硬化性アクリル系共重合体
    が、側鎖に炭素数4以上の分岐または置換基を有する
    (メタ)アクリレートモノマー20〜65重量%であ
    り、グリシジル基含有(メタ)アクリレートモノマーが
    20〜70重量%であり、他の共重合可能なモノマーで
    あるスチレンが0〜35重量%である、請求項1または
    2に記載された熱硬化性アクリル粉体塗料組成物。
  4. 【請求項4】 脂肪族二塩基酸(b)はドデカン二酸で
    ある、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された熱
    硬化性アクリル粉体塗料組成物。
  5. 【請求項5】 脂肪族多価カルボン酸(c)は、1,
    2,4−ブタントリカルボン酸及び1,2,3,4−ブ
    タンテトラカルボン酸である、請求項1ないし4のいず
    れか1項に記載された熱硬化性アクリル粉体塗料組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    された熱硬化性アクリル粉体塗料組成物をtert−ブ
    タノール50重量%以上からなる溶剤に溶解もしくは分
    散してなる融点が−40℃〜10℃の塗料溶液を50m
    mHg以下の圧力下で凍結乾燥することを特徴とする熱
    硬化性アクリル粉体塗料組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 融点が−30℃〜0℃である、請求項6
    に記載された熱硬化性アクリル粉体塗料組成物の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 溶剤組成がtert−ブタノール50〜
    100重量%、ジオキサン−0〜50重量%、及びその
    他の溶剤0〜30重量%からなる、請求項6または7に
    記載された熱硬化性アクリル粉体塗料組成物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 溶剤組成がtert−ブタノール80重
    量%以上からなる、請求項6ないし8のいずれか1項に
    記載された熱硬化性アクリル粉体塗料組成物の製造方
    法。
JP28753497A 1997-09-12 1997-09-12 熱硬化性アクリル粉体塗料組成物及びその製造方法 Pending JPH1180613A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28753497A JPH1180613A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 熱硬化性アクリル粉体塗料組成物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28753497A JPH1180613A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 熱硬化性アクリル粉体塗料組成物及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1180613A true JPH1180613A (ja) 1999-03-26

Family

ID=17718596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28753497A Pending JPH1180613A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 熱硬化性アクリル粉体塗料組成物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1180613A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002097256A (ja) * 2000-09-27 2002-04-02 Kyowa Yuka Co Ltd 樹脂組成物
WO2002066536A1 (fr) * 2001-01-11 2002-08-29 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Composition durcissable
WO2003055836A1 (fr) * 2001-12-27 2003-07-10 Asahi Kasei Chemicals Corporation Melange d'acide polycarboxylique
EP1475422A1 (en) * 2002-02-15 2004-11-10 Kyowa Hakko Chemical Co., Ltd. Solution type coatings
US6933348B2 (en) * 2001-03-13 2005-08-23 Mitsubishi Gas Chemical Co., Inc. Method of producing powdery coating material

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002097256A (ja) * 2000-09-27 2002-04-02 Kyowa Yuka Co Ltd 樹脂組成物
WO2002066536A1 (fr) * 2001-01-11 2002-08-29 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Composition durcissable
EP1367077A1 (en) * 2001-01-11 2003-12-03 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Curable composition
EP1367077A4 (en) * 2001-01-11 2004-12-29 Asahi Chemical Ind CURABLE COMPOSITION
US6933348B2 (en) * 2001-03-13 2005-08-23 Mitsubishi Gas Chemical Co., Inc. Method of producing powdery coating material
WO2003055836A1 (fr) * 2001-12-27 2003-07-10 Asahi Kasei Chemicals Corporation Melange d'acide polycarboxylique
US7262256B2 (en) 2001-12-27 2007-08-28 Asahi Kasei Chemicals Corporation Polycarboxylic acid mixture
EP1475422A1 (en) * 2002-02-15 2004-11-10 Kyowa Hakko Chemical Co., Ltd. Solution type coatings
EP1475422A4 (en) * 2002-02-15 2005-05-18 Kyowa Hakko Chemical Co Ltd SOLUTION TYPE COVERS

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2898094B2 (ja) エポキシ含有ポリマーおよびポリ酸硬化剤をベースにした粉末コーティング組成物
JP2737835B2 (ja) 流動改質剤を含有する熱硬化性粉末コーティング組成物
JP3871701B2 (ja) 後増量した陰イオン系アクリル分散液
US5998507A (en) Thermosetting powder coating material and method
JPH1180613A (ja) 熱硬化性アクリル粉体塗料組成物及びその製造方法
JP3734564B2 (ja) 粉体塗料の製造方法
JP4462675B2 (ja) 球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子、球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子の製造方法、複層塗膜形成方法およびそれから得られる複層塗膜
JPH11302569A (ja) 球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子、球形熱硬化性粉体クリア塗料粒子の製造方法、複層塗膜形成方法およびそれから得られる複層塗膜
KR101768314B1 (ko) 분체도료용 아크릴계 수지 조성물
JP2001294804A (ja) 粉体塗料組成物
JPH05230404A (ja) 熱硬化性粉体塗料用組成物
JP2000103866A (ja) 粉体塗料の製造方法
JPH1180604A (ja) 熱硬化性粉体塗料の製造方法
JP2001123110A (ja) 熱硬化型粉体塗料組成物
JPH1180605A (ja) 熱硬化性粉体塗料の製造方法
EP1132442B1 (en) Thermosetting powder coating composition and method for forming a topcoat using the same
JPH1180606A (ja) 熱硬化性粉体塗料の製造方法
US6515046B2 (en) Method of manufacturing powder coating
JPH0978010A (ja) 熱硬化性粉体塗料組成物
JP2001059072A (ja) 球形熱硬化性粉体塗料粒子の製造方法、球形熱硬化性粉体塗料粒子、複層塗膜形成方法及びそれから得られる複層塗膜
KR100466043B1 (ko) 분체도료의제조방법
JP2003026989A (ja) 熱硬化型粉体塗料組成物
CA2209320C (en) Process for production of powder coating
JP2000063705A (ja) 熱硬化性粉体塗料
JPH044080A (ja) 塗膜の製造方法