JPH1180568A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JPH1180568A
JPH1180568A JP14878798A JP14878798A JPH1180568A JP H1180568 A JPH1180568 A JP H1180568A JP 14878798 A JP14878798 A JP 14878798A JP 14878798 A JP14878798 A JP 14878798A JP H1180568 A JPH1180568 A JP H1180568A
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flame
resin composition
resin
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retardant resin
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JP14878798A
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Inventor
Hideki Matsumoto
英樹 松本
Koji Yamauchi
幸二 山内
Shunei Inoue
俊英 井上
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱可塑性樹脂の機械的特性を損なうことなく、
優れた難燃性を有する熱可塑性樹脂を得る。 【解決手段】(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し
て、(B)ラジカル発生剤0.01〜1重量部を含有せ
しめてなる難燃性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂本来の
機械的特性(耐衝撃性、剛性、耐熱性)を損なうことな
く難燃性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックスはすぐれた機械的性質、
成形加工性、電気絶縁性によって家庭電気機器、OA機
器、自動車などの各部品を始めとする広範な分野で使用
されている。しかしながら、プラスチックスの大半は易
燃性であり、安全性の問題で難燃化に対し種々の技術が
提案されてきた。
【0003】一般的には、難燃化効率の高い臭素化合物
などのハロゲン系難燃剤と酸化アンチモンを樹脂に配合
して難燃化する方法が採用されている。しかしながら、
この方法は燃焼の際の発煙量が多い等の問題点を有して
いる。
【0004】そこで、近年これらのハロゲン系難燃剤の
欠点を克服するためにハロゲンを全く含まない難燃性樹
脂が強く望まれるようになった。
【0005】塩素および臭素系難燃剤を使わずに熱可塑
性樹脂を難燃化する方法としては、ゴム強化ポリスチレ
ン系樹脂にポリ燐酸アンモニウムとペンタエリスリト−
ル等のポリヒドロキシ化合物およびシランカップリング
剤を配合する方法(特開平5−140412号公報)、
熱可塑性樹脂にメラミン被覆ポリ燐酸アンモニウムと特
定の含窒素有機化合物を配合する方法(特開平6−34
0815号公報)、熱可塑性樹脂に少量のフェノール樹
脂と難燃剤を配合する方法(特開平7−53879号公
報)などが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−14041
2号公報記載の組成物も十分な難燃性が得られず、さら
に機械特性の低下や多価アルコ−ル化合物使用で、成形
時の金型汚染や成形品が吸湿によるべとつきが発生する
といった問題点を有していた。また特開平6−3408
15号公報および特開平7−53879号公報記載の組
成物はスチレン系樹脂においては、十分な難燃性が得ら
れないといった問題点を有していた。
【0007】本発明はかかる問題点を解決し、熱可塑性
樹脂に高度な難燃性を付与すると同時に、機械特性、耐
熱性、流動性に優れる樹脂組成物を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂にラジカル発
生剤を少量配合することにより、特異的に難燃性が付与
でき、かつ機械特性、耐衝撃性、耐熱性に優れることを
見い出し、さらに少量のラジカル発生剤と燐系難燃剤を
併用すると燃焼時間が短縮され、一層難燃性が向上する
とともに、流動性が向上することを見出したものであ
る。
【0009】すなわち本発明は、「(A)熱可塑性樹脂
100重量部に対して、(B)ラジカル発生剤0.01
〜1重量部を含有せしめてなる難燃性樹脂組成物。」で
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の樹脂組成物につい
て具体的に説明する。
【0011】本発明の熱可塑性樹脂(A)とは加熱する
と流動性を示し、これを利用して成形加工できる合成樹
脂のことである。
【0012】この具体例としては、例えば、ポリスチレ
ン樹脂、スチレン/アクリロニトリル共重合体、アクリ
ロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹
脂)などのポリスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、液
晶ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、変性ポリフェニ
レンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポ
リオキシメチレン樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンなどのポリオレ
フィン系樹脂、エチレン/プロピレン樹脂、エチレン/
1−ブテン樹脂、エチレン/プロピレン/非共役ジエン
樹脂、エチレン/アクリル酸エチル樹脂、エチレン/メ
タクリル酸グリシジル樹脂体、エチレン/酢酸ビニル/
メタクリル酸グリシジル樹脂、エチレン/酢酸ビニル/
メタクリル酸グリシジル樹脂、エチレン/プロピレン−
g−無水マレイン酸樹脂、ポリエステルポリエーテルエ
ラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマー等
のエラストマー、あるいはこれら熱可塑性樹脂の2種以
上の混合物が挙げられるが、ポリスチレン樹脂、スチレ
ン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブ
タジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)などのポリ
スチレン系樹脂、変性ポリフェニレンオキシド樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、
フェノール樹脂から選ばれる1種または2種以上の混合
物が好ましく、さらに好ましくは、ポリスチレン樹脂、
スチレン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリ
ル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、変
性ポリフェニレンオキシド樹脂などのポリスチレン系樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂から選ばれ
る1種または2種以上の混合物である。
【0013】上記熱可塑性樹脂(A)の内、ポリエステ
ル樹脂としては、実質的に、ジカルボン酸とグリコール
の重縮合物、環状ラクトンの開環重合物、ヒドロキシカ
ルボン酸の重縮合物、二塩基酸とグリコールの重縮合物
などが挙げられ、具体的には、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート
樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキ
サンジメチレンテレフタレート樹脂およびポリエチレン
−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4、4’−ジカ
ルボキシレート樹脂などのほか、ポリエチレン−1,2
−ビス(フェノキシ)エタン−4、4’−ジカルボキシ
レート樹脂などのほか、ポリエチレンイソフタレート/
テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート/イ
ソフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート/デカ
ンジカルボキシレート樹脂およびポリシクロヘキサンジ
メチレンテレフタレート/イソフタレート樹脂などの共
重合体や混合物を挙げることができる。特に本発明に好
適なポリエステル樹脂としてはポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート
樹脂を挙げることができ、より好ましくはポリブチレン
テレフタレート(PBT)樹脂である。
【0014】このようなポリエステル樹脂の分子量は特
に制限はないが、通常フェノール/テトラクロロエタン
1:1の混合溶媒を用いて25度で測定した固有粘度が
0.1〜3.0を使用することができるが、好ましく
は、0.25〜2.50、特に好ましくは0.40〜
2.25である。
【0015】上記熱可塑性樹脂(A)の内、ポリアミド
樹脂としては、例えば、環状ラクタムの開環重合物、ア
ミノカルボン酸の重縮合物、二塩基酸とジアミンとの重
縮合物などが挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン61
2、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミ
ド、ポリ(メタキシレンアジパミド)(以下MXD・6
と略す)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)
(以下6Tと略す)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタル
アミド)(以下6Iと略す)、ポリ(テトラメチレンイ
ソフタルアミド)(以下4Iと略す)などの脂肪族−芳
香族ポリアミド、およびこれらの共重合体や混合物を挙
げることができる。特に本発明に好適なポリアミドとし
てはナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66共重
合体、ナイロン66/6T共重合体を挙げることができ
る。
【0016】このようなポリアミド樹脂の分子量は特に
制限はないが、通常98%硫酸中、濃度1%、25度で
測定する相対粘度が1.7〜4.5を使用することがで
きるが、好ましくは、2.0〜4.0、特に好ましくは
2.0〜3.5である。
【0017】上記熱可塑性樹脂(A)の内、ポリスチレ
ン系樹脂としては、ポリスチレン、スチレン/アクリロ
ニトリル共重合体、ゴム変性スチレン系樹脂、ゴム変性
スチレン系樹脂とポリフェニレンオキシドとのポリマー
ブレンド体(変性ポリフェニレンオキシド樹脂)などが
挙げられる。
【0018】ここでゴム変性スチレン系樹脂とは、ビニ
ル芳香族系重合体よりなるマトリックス中にゴム状重合
体が微粒子状に分散してなるグラフト重合体をいい、ゴ
ム状重合体の存在下に芳香族ビニル単量体および必要に
応じ、これと共重合可能なビニル単量体を加えて単量体
混合物を公知の塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合、ま
たは乳化重合することにより得られる。
【0019】このようなゴム変性スチレン系樹脂として
は、例えば、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂、AA
S樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共
重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプ
ロピレンゴム−スチレン共重合体)等が挙げられる。
【0020】このようなゴム変性スチレン系樹脂として
はスチレン単量体を含有する(共)重合体がゴム質重合
体にグラフトした構造をとったものと、スチレン単量体
を含有する(共)重合体がゴム質重合体に非グラフトし
た構造をとったもを含むものである。
【0021】具体的には(b)ゴム質重合体5〜80重
量部に(a1)芳香族ビニル系単量体を20重量%以上
含有する単量体または単量体混合物95〜20重量部を
グラフト重合して得られる(A1)グラフト(共)重合
体5〜100重量%と(a2)芳香族ビニル系単量体を
20重量%以上含有する単量体または単量体混合物を重
合して得られる(A2)ビニル系(共)重合体0〜95
重量%とからなるものが好適である。
【0022】上記(b)ゴム質重合体としては、ガラス
転移温度が0℃以下のものが好適であり、ジエン系ゴム
が好ましく用いられる。具体的にはポリブタジエン、ス
チレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−ブタジエンのブロック共重
合体、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体などのジ
エン系ゴム、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系ゴ
ム、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン系
三元共重合体などが挙げられる。なかでもポリブタジエ
ンまたはブタジエン共重合体が好ましい。
【0023】ゴム質重合体のゴム粒子径は特に制限され
ないが、ゴム粒子の重量平均粒子径が0.15〜0.6
μm、特に0.2〜0.55μmのものが耐衝撃性に優
れ好ましい。中でも、(b1)0.20〜0.25μm
と(b2)0.50〜0.65μmとの重量比が90:
10〜60:40のものが耐衝撃性、薄肉成形品の落錘
衝撃が著しく優れ好ましい。
【0024】なお、ゴム粒子の平均重量粒子径は「Ru
bber Age Vol.88p.484〜490
(1960)by E.Schmidt, P.H.B
iddison」記載のアルギン酸ナトリウム法(アル
ギン酸ナトリウムの濃度によりクリーム化するポリブタ
ジエン粒子径が異なることを利用して、クリーム化した
重量割合とアルギン酸ナトリウム濃度の累積重量分率よ
り累積重量分率50%の粒子径を求める)により測定す
ることができる。
【0025】芳香族ビニル系単量体としてはスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、o−エチルスチ
レン、p−t−ブチルスチレンなどが挙げられるが、特
にスチレンが好ましい。
【0026】芳香族ビニル系単量体以外の単量体として
は、一層の耐衝撃性向上の目的で、シアン化ビニル系単
量体が、靭性、色調の向上の目的で、(メタ)アクリル
酸エステル系単量体が好ましく用いられる。シアン化ビ
ニル系単量体としてはアクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、エタクリロニトリルなどが挙げられるが、特に
アクリロニトリルが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体としてはアクリル酸およびメタクリル酸の
メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチルに
よるエステル化物などが挙げられるが、特にメタクリル
酸メチルが好ましい。
【0027】また必要に応じて、他のビニル系単量体、
例えばマレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニ
ルマレイミドなどのマレイミド系単量体などを使用する
こともできる。
【0028】(A1)グラフト(共)重合体において用
いる単量体または単量体混合物は、芳香族ビニル系単量
体20重量%以上、好ましくは50重量%以上のもので
ある。芳香族ビニル系単量体の割合が20重量%未満の
場合は、樹脂組成物の耐衝撃性が劣り好ましくない。シ
アン化ビニル系単量体を混合する場合には、樹脂組成物
の成形加工性の観点から60重量%以下、さらに50重
量%以下が好ましく用いられる。また(メタ)アクリル
酸エステル系単量体を混合する場合には、靱性、対衝撃
性の観点から80重量%以下が好ましく、さらに75重
量%以下が好ましく用いられる。単量体また単量体混合
物における芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単
量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の配合
量の総和が95〜20重量%、さらに好ましくは90〜
30重量%である。
【0029】(A1)グラフト(共)重合体を得る際の
ゴム質重合体と単量体混合物との割合は、全グラフト共
重合体100重量部中、ゴム質重合体5重量部以上、好
ましくは10重量部以上、また80重量部以下、好まし
くは70重量部以下が用いられる。また単量体または単
量体混合物は95重量部以下、好ましくは90重量部以
下、また20重量部以上、好ましくは30重量部以上で
ある。ゴム質重合体の割合が5重量部未満では樹脂組成
物の耐衝撃性が劣り、80重量部を越える場合は樹脂組
成物の耐衝撃性および成形品の外観が損なわれるため好
ましくない。
【0030】(A1)グラフト(共)重合体は公知の重
合法で得ることができる。例えばゴム質重合体ラテック
スの存在下に単量体および連鎖移動剤の混合物と乳化剤
に溶解したラジカル発生剤の溶液を連続的に重合容器に
供給して乳化重合する方法などによって得ることができ
る。
【0031】(A1)グラフト(共)重合体は、ゴム質
重合体に単量体または単量体混合物がグラフトした構造
をとった材料の他に、グラフトしていない共重合体を含
有したものである。(A)グラフト(共)重合体のグラ
フト率は特に制限がないが、耐衝撃性および光沢が均衡
して優れる樹脂組成物を得るために20〜80重量%、
特に25〜50重量%が好ましい。ここで、グラフト率
は次式により算出される。
【0032】グラフト率(%)=<ゴム質重合体にグラ
フト重合したビニル系共重合体量>/<グラフト共重合
体のゴム含有量>×100
【0033】グラフトしていない(共)重合体の特性と
しては特に制限されないが、メチルエチルケトン可溶分
の極限粘度[η](30℃で測定)が、0.25〜0.
6dl/g、特に0.25〜0.5dl/gの範囲が、
優れた耐衝撃性の樹脂組成物が得られるため、好ましく
用いられる。
【0034】(A2)ビニル系(共)重合体としては芳
香族ビニル系単量体を必須とする共重合体である。芳香
族ビニル系単量体としてはスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニル
トルエン、o−エチルスチレンなどが挙げられるが、特
にスチレンが好ましい。これらは1種または2種以上を
用いることができる。
【0035】芳香族ビニル系単量体以外の単量体として
は、一層の耐衝撃性向上の目的で、シアン化ビニル系単
量体が好ましく用いられる。靭性、色調の向上の目的
で、(メタ)アクリル酸エステル系単量体が好ましく用
いられる。シアン化ビニル系単量体としてはアクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなど
が挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としてはアクリル
酸およびメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n
−ブチル、i−ブチルによるエステル化物などが挙げら
れるが、特にメタクリル酸メチルが好ましい。
【0036】また、必要に応じてこれらと共重合可能な
他のビニル系単量体としてはマレイミド、N−メチルマ
レイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系
単量体を用いることがてきる。
【0037】(A2)ビニル系(共)重合体の構成成分
である芳香族ビニル系単量体の割合は全単量体に対し2
0重量%以上、好ましくは50重量%以上のものであ
る。芳香族ビニル系単量体の割合が20重量%未満の場
合は、樹脂組成物の耐衝撃性が劣り好ましくない。シア
ン化ビニル系単量体を混合する場合には、耐衝撃性、流
動性の観点から60重量%以下が好ましく、さらに好ま
しくは50重量%以下である。また(メタ)アクリル酸
エステル系単量体を混合する場合には、靭性、耐衝撃性
の観点から80重量%以下が好ましく、さらに75重量
%以下が好ましく用いられる。また、これらと共重合可
能な他のビニル系単量体を混合する場合には、60重量
%以下が好ましく、さらに50重量%以下が好ましい。
【0038】ビニル系(共)重合体の特性に制限はない
が、極限粘度[η](メチルエチルケトン溶媒、30℃
測定)が、0.4〜0.65dl/g、特に0.45〜
0.55dl/gの範囲のものが、またN,N−ジメチ
ルホルムアミド溶媒、30℃測定した場合には0.35
〜0.85dl/g、特に0.45〜0.7dl/gの
範囲のものが、優れた耐衝撃性、成形加工性の樹脂組成
物が得られ、好ましい。
【0039】ビニル系(共)重合体の製造法は特に制限
がなく、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状−
懸濁重合法、溶液−塊状重合法など通常の方法を用いる
ことができる。
【0040】また本発明においては、必要に応じてカル
ボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、
オキサゾリン基から選ばれた少なくとも一種の官能基を
含有する変性ビニル系重合体(以下、変性ビニル系重合
体と略称する。)を用いることもできる。 変性ビニル
系重合体としては、一種または二種以上のビニル系単量
体を重合または共重合して得られる構造を有し、かつ分
子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、
アミノ基、オキサゾリン基から選ばれた少なくとも一種
の官能基を含有する重合体である。これらの官能基を含
有する化合物の含有量に関しては、制限されないが、特
に変性ビニル系重合体100重量部当たり0.01〜2
0重量%の範囲が好ましい。
【0041】変性ビニル系重合体中にカルボキシル基を
導入する方法は特に制限はないがアクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、無
水マレイン酸、フタル酸およびイタコン酸などのカルボ
キシル基または無水カルボキシル基を有するビニル系単
量体を所定のビニル系単量体と共重合する方法、γ,γ
´−アゾビス(γ−シアノバレイン酸)、α,α´−ア
ゾビス(α−シアノエチル)−p−安息香酸および過酸
化サクシン酸などのカルボキシル基を有する重合発生剤
および/またはチオグリコール酸、α−メルカプトプロ
ピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸、α−メルカプ
ト−イソ酪酸および2,3または4−メルカプト安息香
酸などのカルボキシル基を有する重合度調節剤を用い
て、所定のビニル系単量体を(共)重合する方法、およ
びメタクリル酸メチルやアクリル酸メチルなどの(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体と芳香族ビニル系単量
体、必要に応じてシアン化ビニル系単量体との共重合体
をアルカリによってケン化する方法などを用いることが
できる。
【0042】ヒドロキシル基を導入する方法についても
特に制限はないが、例えばアクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸
3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシ
プロピル、アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒド
ロキシヘキシル、メタクリル酸2,3,4,5,6−ペ
ンタヒドロキシヘキシル、アクリル酸2,3,4,5−
テトラヒドロキシペンチル、メタクリル酸2,3,4,
5−テトラヒドロキシペンチル、3−ヒドロキシ−1−
プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒ
ドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2
−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペ
ン、シス−5−ヒドロキシ−2−ペンテン、トランス−
5−ヒドロキシ−2−ペンテン、4−ジヒドロキシ−2
−ブテンなどのヒドロキシル基を有するビニル系単量体
を所定のビニル系単量体と共重合する方法などを用いる
ことがてきる。
【0043】エポキシ基を導入する方法についても特に
制限はないが、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸
グリシジル、アリルグリシジルエーテル、スチレン−p
−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレンなどの
エポキシ基を有するビニル系単量体を所定のビニル系単
量体と共重合する方法などを用いることがてきる。
【0044】アミノ基を導入する方法についても特に制
限はないが、例えばアクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリ
ルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、アクリル酸
アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルア
ミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メ
タクリル酸シクロヘキシルアミノエチル、N−ビニルジ
エチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミ
ン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−
アミノスチレンなどのアミノ基、およびその誘導体を有
するビニル系単量体を所定のビニル系単量体と共重合す
る方法などを用いることがてきる。
【0045】またオキサゾリン基を導入する方法につい
ても特に制限はないが、例えば2−イソプロペニル−オ
キサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイ
ル−オキサゾリン、2−スチリル−オキサゾリンなどの
オキサゾリン基を有するビニル系単量体を所定のビニル
系単量体と共重合する方法などを用いることがてきる。
【0046】変性ビニル系重合体の特性に制限はない
が、極限粘度[η](メチルエチルケトン溶媒、30℃
測定)が、0.2〜0.65dl/g、特に0.35〜
0.6dl/gの範囲のものが、またN,N−ジメチル
ホルムアミド溶媒、30℃測定した場合には0.3〜
0.9dl/g、特に0.4〜0.75dl/gの範囲
のものが、優れた難燃性、耐衝撃性、成形加工性の樹脂
組成物が得られ、好ましい。
【0047】本発明の(B)ラジカル発生剤とは、光あ
るいは熱によりラジカルを発生する化合物であれば特に
制限はないが、分子中に−O−O−結合、−C−C−結
合のいずれか一種類の化学結合を有する化合物を使用す
ることができる。このようなラジカル発生剤の中でも、
難燃剤としての高い効果を得るためには、溶融コンパウ
ンド時にはラジカルを発生せずに、燃焼時にラジカルを
発生するものが好ましく、そのため、本発明で使用され
るラジカル発生剤としては、1分半減期が200℃以上
であるものが好ましく、さらに好ましくは250℃以上
のものが特に好ましい。
【0048】ここで1分半減期の測定は、公知の方法で
測定することができる。例えばラジカル発生剤を0.1
mol%のベンゼン溶液とし、窒素置換を行ったガラス
アンプル中に密封し、所定温度(T)に設定した恒温槽
に付け、熱分解させる。この時の熱分解時間をt、分解
したラジカル発生剤濃度をX、ラジカル発生剤の初期濃
度をa、分解速度定数をkとすると、 ln(a/(a−x))=kt (I) の関係が成り立つ。
【0049】ここで半減期とは、ラジカル発生によりラ
ジカル発生剤の濃度が初期値の半分に減少するまでの時
間であるため、X=a/2の関係を上記式に代入するこ
とにより、 kt1/2=ln2 (II) が得られる。
【0050】従って、ある一定の温度で熱分解させ、時
間tとln(a/(a−x))の関係をプロットし、得
られた直線の傾きからkを求め、(II)式よりt1/2
を測定することができる。以上の測定を数点の温度
(T)で測定し、それぞれから得られたt1/2と1/T
の関係をプロットし、得られた直線から、1分半減期に
おける分解温度を測定することができる。
【0051】このようなラジカル発生剤としては、具体
的に下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
【0052】
【化7】 ここで上記式中、R1〜R6は同一または相異なる水素原
子あるいは炭素数1〜10の一価の有機残基を表す。
【0053】ここで炭素数1〜10の一価の有機残基と
しては、具体的にメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチ
ル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基、アリル基、フ
ェニル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基などが
挙げられるが、メチル基、エチル基、フェニル基が好ま
しく、とりわけメチル基、フェニル基が好ましい。
【0054】上記一般式(1)で表されるラジカル発生
剤の中で、下記一般式(2)で表されるものが、難燃性
の面で好ましく使用することができる。
【0055】
【化8】 ここで上記式中、R2〜R5は同一または相異なる水素原
子あるいは炭素数1〜10の一価の有機残基を表す。
【0056】ここで炭素数1〜10の一価の有機残基と
しては、具体的にメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチ
ル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基、アリル基、フ
ェニル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基などが
挙げられるが、メチル基、エチル基、フェニル基が好ま
しく、とりわけメチル基、フェニル基が好ましい。
【0057】さらに上記一般式(2)で表されるラジカ
ル発生剤は下記一般式(3)で表されるものが、難燃性
の面で特に好ましい。
【0058】
【化9】
【0059】また本発明では分子中に−O−O−結合を
有するラジカル発生剤も好ましく使用することができ
る。
【0060】分子中に−O−O−結合を有するラジカル
発生剤としては、具体的に、下記一般式(4)で表され
る化合物を使用することができる。
【0061】
【化10】 上記式中、R7〜R9は、同一または相異なる水素原子あ
るいは炭素数1〜10の一価の有機残基を表し、これら
の有機残基はさらに−OOH基で置換されていてもよ
い。
【0062】ここで炭素数1〜10の一価の有機残基と
しては、具体的にメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチ
ル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシ
ル基、アリル基、フェニル基、キシリル基、クメニル
基、ナフチル基、あるいはこれらの置換体などが挙げら
れる。
【0063】これらの内、特に下記一般式(5)から選
ばれる一種または二種以上の混合物が難燃性の面から好
ましく使用することができる。
【0064】
【化11】
【0065】このような本発明のラジカル発生剤の使用
量は熱可塑性樹脂100重量部に対して、通常0.01
〜1重量部、好ましくは0.02〜1重量部、さらに好
ましくは0.03〜1重量部である。
【0066】上記ラジカル発生剤を熱可塑性樹脂に少量
配合することにより、燃焼時にドリップが促進され高度
な難燃性を付与することが可能となる。
【0067】また本発明の樹脂組成物は、さらに(C)
燐系難燃剤を添加することにより、より優れた難燃性を
得ることができる。
【0068】本発明に使用される(C)燐系難燃剤と
は、燐を含有する有機または無機化合物であれば特に制
限はなく、例えば赤燐、ポリ燐酸アンモニウム、ポリホ
スファゼン、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネ
ート、ホスフィンオキシドなどが挙げられる。中でもポ
リ燐酸アンモニウム、ホスフェートが好ましく、下記式
(6)で表される芳香族ホスフェートがさらに好ましく
用いることができる。
【0069】
【化12】 (ただし上記式R10〜R17は、同一または相異なる水素
原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。またAr
1、Ar2、Ar3、Ar4は同一または相異なるフェニル
基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換された
フェニル基を表す。また、Yは直接結合、O、S、SO
2、C(CH32、CH2、CHPhを表し、Phはフェ
ニル基を表す。またnは0以上の整数である。またk、
mはそれぞれ0以上2以下の整数であり、かつk+mは
0以上2以下の整数である。)
【0070】まず前記式(6)で表される難燃剤の構造
について説明する。前記式(6)の式中nは0以上の整
数である。またk、mは、それぞれ0以上2以下の整数
であり、かつk+mは、0以上2以下の整数であるが、
好ましくはk、mはそれぞれ0以上1以下の整数、特に
好ましくはk、mはそれぞれ1である。
【0071】また前記式(6)の式中、R10〜R17は同
一または相異なる水素または炭素数1〜5のアルキル基
を表す。ここで炭素数1〜5のアルキル基の具体例とし
ては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−
ブチル基、n−イソプロピル、ネオペンチル、tert
−ペンチル基、2ーイソプロピル、ネオペンチル、te
rt−ペンチル基、3−イソプロピル、ネオペンチル、
tert−ペンチル基、ネオイソプロピル、ネオペンチ
ル、tert−ペンチル基などが挙げられるが、水素、
メチル基、エチル基が好ましく、とりわけ水素が好まし
い。
【0072】またAr1、Ar2、Ar3、Ar4は同一ま
たは相異なるフェニル基あるいはハロゲンを含有しない
有機残基で置換されたフェニル基を表す。具体例として
は、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、
メシチル基、ナフチル基、インデニル基、アントリル基
などが挙げられるが、フェニル基、トリル基、キシリル
基、クメニル基、ナフチル基が好ましく、特にフェニル
基、トリル基、キシリル基が好ましい。
【0073】またYは直接結合、O、S、SO2、C
(CH32、CH2、CHPhを表し、Phはフェニル
基を表す。
【0074】上記芳香族ホスフェートの使用量は熱可塑
性樹脂100重量部に対して、通常1〜30重量部、好
ましくは2〜20重量部、さらに好ましくは3〜10重
量部である。
【0075】さらに本発明の難燃性性樹脂組成物は必要
に応じて、フッ素系樹脂などの難燃助剤、ガラス繊維、
炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、アスベスト、チタ
ン酸カリウムウィスカ、ワラステナイト、ガラスフレー
ク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、クレー、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、酸化チタンおよび酸化アルミニ
ウムなどの充填材などを配合することができる。
【0076】さらに本発明の難燃性樹脂樹脂組成物に対
して本発明の目的を損なわない範囲でヒンダードフェノ
ール系、リン系、イオウ系酸化防止剤などの酸化防止剤
や熱安定剤、紫外線吸収剤(例えばレゾルシノール、サ
リシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンな
ど)、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその塩、そ
のエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコー
ル、ステラアマイドおよびエチレンワックスなど)、着
色防止剤(亜リン酸塩、次亜リン酸塩など)、核剤、可
塑剤、難燃剤、帯電防止剤、および染料・顔料を含む着
色剤(硫化カドミウム、フタロシアニンなど)などの通
常の添加剤を1種以上添加することができる。
【0077】また本発明の難燃性樹脂組成物は通常公知
の方法で製造される。例えば、(A)熱可塑性樹脂、
(B)ラジカル発生剤、(C)燐系難燃剤およびその他
の必要な添加剤を予備混合してまたはせずに押出機など
に供給して、150℃〜350℃の温度範囲において十
分溶融混練することにより調製される。この場合例え
ば”ユニメルト”タイプのスクリューを備えた単軸押出
機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機など
を用いることができ、特にアスペクト比をコントロール
することから、スクリューにニーディングエレメントを
数個挿入あるいは未挿入にすることにより使用すること
が好ましい。本発明の熱可塑性樹脂組成物は難燃性だけ
でなく、機械特性、耐熱性、さらに成形加工性にも優
れ、溶融成形可能であるため押出成形、射出成形、プレ
ス成形などが可能であり、フィルム、管、ロッドや希望
する任意の形状と大きさを持った成形品に成形し使用す
ることができる。さらに難燃性を活かして電気・電子部
品、自動車部品、機械機構部品、OA機器、家電機器な
どのハウジングおよびそれらの部品類など種々の用途に
用いることができる。
【0078】例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサ
ー、LEPランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リ
レーケーススイッチコイルボビン、コンデンサー、バリ
コンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変
成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカ
ー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁
気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導
体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モータ
ーブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピュー
ター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR
部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯
器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レー
ザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部
品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライ
ター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家
庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部
品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品複写機関連
部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸
受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプ
ライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼
鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械
関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーター
コネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポ
テンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バ
ルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーイ
ンテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、
燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレター
メインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセ
ンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパッ
トウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、
クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメ
ーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サー
モスタットベース、暖房温風フローコントロールバル
ブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォ
ーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモ
ーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィ
ッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤ
ーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパ
ネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒュー
ズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、
ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリ
フレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソ
レノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置
ケース、パソコン、プリンター、ディスプレイ、CRT
ディスプレイ、ファックス、コピー、ワープロ、ノート
パソコン、携帯電話、PHS、DVDドライブ、PDド
ライブ、フロッピーディスクドライブなどの記憶装置の
ハウジング、シャーシ、リレー、スイッチ、ケース部
材、トランス部材、コイルボビンなどの電気・電子機器
部品、自動車部品、機械部品、その他各種用途に有用で
ある。
【0079】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下、実施例および比較例を挙げて説明する。なお、実施
例中の部数および%はそれぞれ重量部および重量%を示
し、単位「”」はインチ(1インチ=2.54cm)を
意味する。
【0080】参考例1 (A1)グラフト共重合体の調
製 以下にグラフト共重合体の調製方法を示す。なおグラフ
ト率は次の方法で求めたものである。グラフト共重合体
の所定量(m)にアセトンを加え4時間還流した。この
溶液を8000rpm(遠心力10,000G(約10
0×103 m/s2 ))30分遠心分離後、不溶分を濾
過した。この不溶分を70℃で5時間減圧乾燥し、重量
(n)を測定した。
【0081】グラフト率=[(n)−(m)×L]/
[(m)×L]×100 ここでLはグラフト共重合体のゴム含有率を意味する。
【0082】ポリブタジエンラテックス(平均ゴム粒子
径0.3μm、ゲル含率85%)60部(固形分換算)
の存在下でスチレン70%、アクリロニトリル30%か
らなる単量体混合物40部を加えて乳化重合した。得ら
れたグラフト共重合体は硫酸で凝固し、苛性ソ−ダで中
和、洗浄、濾過、乾燥してパウダ−状のグラフト共重合
体<A−1>を調製した。
【0083】得られたグラフト共重合体<A−1>はグ
ラフト率が36%であった。このグラフト共重合体<A
−1>は、スチレン構造単位70%およびアクリロニト
リル30%からなる非グラフト性の共重合体を18.1
%含有するものであった。またN,N−ジメチルホルム
アミド可溶分の極限粘度が0.48dl/gであった。
【0084】参考例2 <A−2>ビニル系共重合体の
調製 スチレン70%、アクリロニトリル30%からなる単量
体混合物を懸濁重合してビニル系共重合体<A−2>を
調製した。得られたビニル系共重合体<A−2>はN,
N−ジメチルホルムアミド可溶分の極限粘度が0.73
であった。
【0085】参考例3 <A−3>変性ポリフェニレンオキシドである”ノリル
115”(日本ジーイープラスチック(株)製)を使用
した。
【0086】<A−4>ポリスチレンである”スタイロ
ン666”(旭化成工業(株)製)を使用した。
【0087】<A−5>ポリカーボネートである”ユー
ピロンS3000”(三菱エンジニアプラスチックス
(株)製)を50重量%とABSである”トヨラックT
−100”(東レ(株)製)を50重量%とをベント付
き30mmφ2軸押出機(池貝鉄工社製、PCM−3
0)を使用し、280℃溶融混練、押出しを行い、ペレ
ット状のポリカーボネート/ABS(50/50)アロ
イを製造した。
【0088】<A−6>ポリブチレンテレフタレートで
ある”東レPBT1100S”(東レ(株)製)を使用
した。
【0089】<A−7>ポリアミド6である”アミラン
CM1010”(東レ(株)製)を使用した。
【0090】参考例4(B)ラジカル発生剤 <B−1>2,3−ジフェニル−2,3−ジメチルブタ
ンである”ノフマーBC”(日本油脂(株)製)を使用
した(1分半減期温度:330℃)。
【0091】参考例5(C)難燃剤 <C−1>芳香族ホスフェートPX−200(大八化学
(株)製)を使用した。
【0092】<C−2>トリフェニルホスフェート(大
八化学(株)製)を使用した。
【0093】<C−3>臭素化ポリカーボネート(Br
−PC)である”ファイヤーガード7500”(帝人化
成(株)社製)を使用した。
【0094】実施例1〜20、比較例1〜23 参考例で調製した(A)熱可塑性樹脂、(B)ラジカル
発生剤、(C)難燃剤を表1〜5に示した配合比で混合
し、ベント付き30mmφ2軸押出機(池貝鉄工社製、
PCM−30)を使用し、溶融混練、押出しを行うこと
によって、ペレット状のポリマを製造した。次いで射出
成形機(住友重機社製、プロマット40/25)によ
り、射出圧を下限圧+1MPaでそれぞれの試験片を成
形し、次の条件で物性を測定した。
【0095】(1)難燃性:射出成形により得た1/1
6”厚み難燃性評価用試験片についてUL94に定めら
れている評価基準に従い難燃性を評価した。難燃性レベ
ルはV−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。
【0096】(2)機械特性:射出成形により得たダン
ベル試験片についてASTM D−638に従い引張降
伏強度を測定した。
【0097】(3)1/2”アイゾット衝撃強さ:AS
TM D256−56Aに従い耐衝撃性を評価した。
【0098】(4)荷重たわみ温度:ASTM D64
8(荷重:1.82MPa)に従い耐熱性を評価した。
【0099】(5)流動性:メルトインデクサー(東洋
精機社製)を用いて、表1〜5に示した温度および荷重
条件での10分間流出量MI値(g/10分)を測定し
た。このMI値が大きいほど流動性に優れることを示
す。
【0100】各サンプルの難燃性、機械特性、耐衝撃
性、耐熱性の測定結果を表1〜5にまとめて示す。
【0101】
【表1】
【0102】実施例1〜9、比較例1〜5の測定結果よ
り、ABS樹脂に少量のラジカル発生剤を添加すること
により難燃性が向上し、かつ機械特性、耐衝撃性、耐熱
性が良好な樹脂組成物が得られることがわかる。
【0103】また少量のラジカル発生剤と特定の燐系難
燃剤を併用すると燃焼時間が短縮され、さらに難燃性が
向上するとともに、流動性が向上し、かつ機械特性、耐
衝撃性、耐熱性が良好な樹脂組成物が得られることがわ
かる(実施例7、8)。一方、臭素系難燃剤とラジカル
発生剤の併用では流動性の向上効果は認められない(実
施例9)。
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】
【表4】
【0107】
【表5】
【0108】実施例10〜21、比較例6〜13の測定
結果より、AS樹脂、変性ポリフェニレンオキシド樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート/ABSアロ
イにおいても少量のラジカル発生剤を添加することによ
り難燃性が向上し、かつ機械特性、耐衝撃性、耐熱性が
良好な樹脂組成物が得られることがわかる。また少量の
ラジカル発生剤と芳香族ホスフェートを併用するとさら
に燃焼時間が短縮され優れた難燃性を示し、かつ機械特
性、耐衝撃性、耐熱性が良好な樹脂組成物が得られるこ
とがわかる。また、流動性の大幅な向上が確認される。
【0109】また実施例22〜27、比較例14〜17
の測定結果より、熱可塑性樹脂としてPBT、ナイロン
6を用いた場合も同様に少量のラジカル発生剤を添加す
ることにより難燃性が向上し、かつ機械特性、耐衝撃
性、耐熱性が良好な樹脂組成物が得られることがわか
る。さらにラジカル発生剤と芳香族ホスフェートを加え
ることにより、機械特性を損なうことなく、優れた難燃
性および流動性を付与することができることがわかる。
【0110】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂の
機械的特性を損なうことなく、優れた難燃性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67/02 C08L 67/02 69/00 69/00 71/12 71/12 77/00 77/00

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し
    て、(B)ラジカル発生剤0.01〜1重量部を含有せ
    しめてなる難燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(B)ラジカル発生剤が、分子中に−O−
    O−結合、−C−C−結合のいずれか一種類の化学結合
    を有することを特徴とする請求項1記載の難燃性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】(B)ラジカル発生剤の1分半減期が20
    0℃以上である請求項1または2記載の難燃性樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】(B)ラジカル発生剤が下記一般式(1)
    で表されることを特徴とする請求項1または3に記載の
    難燃性樹脂組成物。 【化1】 (上記式中、R1〜R6は、同一または相異なる水素原子
    あるいは炭素数1〜10の一価の有機残基を表す。)
  5. 【請求項5】(B)ラジカル発生剤が下記一般式(2)
    で表されることを特徴とする請求項1または3記載の難
    燃性樹脂組成物。 【化2】 (上記式中、R2〜R5は、同一または相異なる水素原子
    あるいは炭素数1〜10の一価の有機残基を表す。)
  6. 【請求項6】(B)ラジカル発生剤が下記一般式(3)
    で表されることを特徴とする請求項1または3記載の難
    燃性樹脂組成物。 【化3】
  7. 【請求項7】(B)ラジカル発生剤が下記一般式(4)
    で表される構造を有する請求項1または3に記載の難燃
    性樹脂組成物。 【化4】 (上記式中、R7〜R9は、同一または相異なる水素原子
    あるいは炭素数1〜10の一価の有機残基を表し、さら
    にこれらの有機残基は1個以上の−OOH基で置換され
    ていてもよい。)
  8. 【請求項8】ラジカル発生剤が下記一般式(5)から選
    ばれる一種または二種以上の混合物であることを特徴と
    する請求項1または3記載の難燃性樹脂組成物。 【化5】
  9. 【請求項9】(A)熱可塑性樹脂100重量部に対し
    て、(C)燐系難燃剤1〜30重量部をさらに配合して
    なる請求項1〜8いずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】(C)燐系難燃剤が下記一般式(6)で
    表される芳香族ホスフェートである請求項9記載の難燃
    性樹脂組成物。 【化6】 (上記式中、R10〜R17は、同一または相異なる水素原
    子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。またA
    1、Ar2、Ar3、Ar4は同一または相異なるフェニ
    ル基あるいはハロゲンを含有しない有機残基で置換され
    たフェニル基を表す。また、Yは直接結合、O、S、S
    2、C(CH32、CH2、CHPhを表し、Phはフ
    ェニル基を表す。またnは0以上の整数である。また
    k、mはそれぞれ0以上2以下の整数であり、かつk+
    mは0以上2以下の整数である。)
  11. 【請求項11】(A)熱可塑性樹脂がポリスチレン系樹
    脂である請求項1〜10いずれかに記載の難燃性樹脂組
    成物。
  12. 【請求項12】(A)熱可塑性樹脂がポリエステルであ
    る請求項1〜10いずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】(A)熱可塑性樹脂がポリブチレンテレ
    フタレートである請求項1〜10いずれかに記載の難燃
    性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】(A)熱可塑性樹脂がポリアミドである
    請求項1〜10いずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  15. 【請求項15】請求項1〜14いずれかに記載の難燃性
    樹脂組成物からなる成形品。
  16. 【請求項16】成形品が電気・電子部品、自動車部品、
    機械機構部品、OA機器、家電機器などのハウジングお
    よびそれらの部品である請求項15記載の成形品。
JP14878798A 1997-07-11 1998-05-29 難燃性樹脂組成物 Pending JPH1180568A (ja)

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