JPH1178509A - 車両用エアコンディショニング装置の制御装置 - Google Patents

車両用エアコンディショニング装置の制御装置

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JPH1178509A
JPH1178509A JP9247991A JP24799197A JPH1178509A JP H1178509 A JPH1178509 A JP H1178509A JP 9247991 A JP9247991 A JP 9247991A JP 24799197 A JP24799197 A JP 24799197A JP H1178509 A JPH1178509 A JP H1178509A
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文雄 原
Yasushi Hara
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    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/32Cooling devices
    • B60H1/3204Cooling devices using compression
    • B60H1/3205Control means therefor
    • B60H1/3208Vehicle drive related control of the compressor drive means, e.g. for fuel saving purposes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D29/00Controlling engines, such controlling being peculiar to the devices driven thereby, the devices being other than parts or accessories essential to engine operation, e.g. controlling of engines by signals external thereto
    • F02D29/04Controlling engines, such controlling being peculiar to the devices driven thereby, the devices being other than parts or accessories essential to engine operation, e.g. controlling of engines by signals external thereto peculiar to engines driving pumps

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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車のアイドル時に車載エアコンディショニ
ング装置のオンオフ制御を効果的に行う。 【解決手段】目標アイドル回転数Netと実アイドル回
転数Nerとの偏差ΔNが設定偏差値ΔNtよりも大き
い時間が設定時間継続した場合、電磁クラッチ14を切
断して、コンプレッサ16を不作動状態にする。この
後、偏差ΔNが設定偏差値ΔNtよりも小さくなり、そ
の小さくなっている時間が設定時間継続した場合に、電
磁クラッチ14を接続してコンプレッサ16を動作状態
に復帰させる。このようにすれば、エンジン12の振動
による車体の振動の発生、この振動を原因とする車室内
でのこもり音の発生を未然に回避することができ、ま
た、エンジン12の状態が回復したと判定したときエア
コンディショニング装置が動作状態に自動的に復帰する
ので、エアコンディショニング装置の使い勝手が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等の車両
のエンジンが空転時、いわゆるアイドル時にある場合に
エアコンディショニング装置の動作を制御する車両用エ
アコンディショニング装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エアコンディショニング装置
の作動中におけるエンジンの停止、いわゆるエンスト
(engine stop )を防止するために、エンジンの実際の
アイドル回転数(実アイドル回転数)がアイドル回転数
の下限目標値を下回った場合に、前記エアコンディショ
ニング装置を作動停止させ、一方、実アイドル回転数が
アイドル回転数の上限目標値以上に回復した場合に、再
び前記エアコンディショニング装置の作動を開始させて
使用に供する車両用エアコンディショニング装置の制御
装置が知られている(実開平1−147718号公報参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の技
術によれば、エアコンディショニング装置にかかる負荷
が大きく、かつ、エンジンにかかる負荷も大きいとき
に、エンジン回転数を低下させるような制御を行った場
合、設定回転数の上限目標値(エアコンディショニング
装置の復帰回転数)と下限目標値(エアコンディショニ
ング装置の停止回転数)との間でエンジンの回転が変動
してハンチングを生じる場合があるという問題がある。
【0004】この問題を解決しようとする技術が、特開
平5−44531号公報に提案されている。この技術
は、エアコンディショニング装置が作動している時に、
エアコンディショニング装置の負荷に応じてアイドル回
転数を上昇させる、いわゆるアイドルアップ制御手段を
含み、エアコンディショニング装置が下限目標値におい
て停止状態とされた後に、前記アイドルアップ制御手段
におけるアイドルアップ用の空気量増量値を増量補正す
る吸気量補正手段を設けた技術である。なお、アイドル
アップ制御とは、アイドル時におけるエアコンディショ
ニング装置の作動と停止に応じて、エンジンに対する吸
入空気量を増量させるように吸気量補正手段を作動させ
てエンジンをアイドルアップさせる制御である。
【0005】しかしながら、この特開平5−44531
号公報に記載されている技術においては、上記問題に対
し、エアコンディショニング装置が停止状態となりエア
コンディショニング装置がエンジンに与える負荷がなく
なってから吸気量補正手段により空気量を増量補正する
ため、空気増量補正値やエンジンの状態によってはエン
ジン回転数が急上昇する、いわゆる吹き上がり現象が発
生し易いため、空気増量補正値の設定が難しく、この技
術では、段階的に増量補正するなど制御が複雑化してい
た。さらにまた、実開平1−147718号公報および
特開平5−44531号公報に開示されているいずれの
技術においても、例えば、エアコンディショニング装置
の負荷が小さく正常に作動している状態において、何ら
かの原因により一時的にエンジン回転数が下限目標値よ
り下がった場合には、エアコンディショニング装置が停
止してしまうという不具合がある。
【0006】さらにまた、実開平1−147718号公
報および特開平5−44531号公報に開示されている
いずれの技術においても、例えば、実アイドル回転数に
おいて、アイドル回転数の下限目標値には達せず、エン
ストも発生しないようなエンジン回転数の低下が継続し
て発生した場合、エアコンディショニング装置が連続し
て動作することを原因として、エンジンの振動による車
体の振動、あるいは、この振動を原因とする車室内での
こもり音が発生する等、いわゆる官能性の評価が低くな
るという問題があった。
【0007】この発明はこのような課題を考慮してなさ
れたものであり、アイドル時に車載エアコンディショニ
ング装置のオンオフ制御を効果的に行えることを可能と
する車両用エアコンディショニング装置の制御装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、例えば、図
1に示すように、車両用エンジン12に連結されて駆動
されるコンプレッサ16と、該コンプレッサと前記車両
用エンジンとを連結する電磁クラッチ14と、前記車両
用エンジンの回転数を検出する回転数検出手段18と、
前記車両用エンジンのアイドル運転時の目標アイドル回
転数を設定するための目標アイドル回転数設定手段32
aと、前記回転数検出手段により検出された回転数と前
記目標アイドル回転数設定手段により設定された目標ア
イドル回転数とに基づいて前記電磁クラッチの接続を制
御する電磁クラッチ制御手段(36、38、40)とを
有する車両用エアコンディショニング装置の制御装置で
あって、前記電磁クラッチ制御手段は、前記回転数検出
手段により検出された回転数と前記目標アイドル回転数
設定手段により設定された目標回転数との偏差を検出す
る偏差検出手段36、42と、該偏差検出手段により検
出された偏差と予め定められた設定偏差値とを比較する
偏差比較手段38と、該偏差比較手段の比較結果に応じ
て、予め定められた設定時間を計時する計時手段40と
を備え、前記計時手段は、前記偏差検出手段により検出
された偏差が前記設定偏差値よりも大きい状態が前記設
定時間継続した後、前記電磁クラッチの切断信号を発生
させることを特徴とする。
【0009】この発明によれば、目標アイドル回転数と
実アイドル回転数との偏差が設定偏差値よりも大きい状
態が設定時間継続した場合、電磁クラッチを切断して、
エアコンディショニング装置を不作動状態にする。
【0010】また、この発明は、例えば、図1に示すよ
うに、車両用エンジン12に連結されて駆動されるコン
プレッサ16と、該コンプレッサと前記車両用エンジン
とを連結する電磁クラッチ14と、前記車両用エンジン
の回転数を検出する回転数検出手段18と、前記車両用
エンジンのアイドル運転時の目標アイドル回転数を設定
するための目標アイドル回転数設定手段32aと、前記
回転数検出手段により検出された回転数と前記目標アイ
ドル回転数設定手段により設定された目標アイドル回転
数とに基づいて前記電磁クラッチの接続を制御する電磁
クラッチ制御手段とを有する車両用エアコンディショニ
ング装置の制御装置であって、前記電磁クラッチ制御手
段は、前記回転数検出手段により検出された回転数と前
記目標アイドル回転数設定手段により設定された目標回
転数との偏差を検出する偏差検出手段36、42と、該
偏差検出手段により検出された偏差と予め定められた設
定偏差値とを比較する偏差比較手段38と、該偏差比較
手段の比較結果に応じて、予め定められた第1および第
2の設定時間をそれぞれ計時する第1および第2の計時
手段40、44とを備え、前記第1の計時手段は、前記
偏差検出手段により検出された偏差が前記設定偏差値よ
りも大きい状態が前記第1の設定時間継続した後、前記
電磁クラッチの切断信号を発生させ、前記第2の計時手
段は、前記電磁クラッチが切断された後、前記偏差検出
手段により検出された偏差が前記設定偏差値よりも小さ
く、かつ前記設定偏差値よりも小さい状態が前記第2の
設定時間継続した後、電磁クラッチの接続信号を発生さ
せることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、目標アイドル回転数と
実アイドル回転数との偏差が設定偏差値よりも大きい状
態が設定時間(第1の設定時間)継続した場合、電磁ク
ラッチを切断して、エアコンディショニング装置を不作
動状態にし、この後、前記偏差が設定偏差値よりも小さ
くなり、その小さくなっている状態が設定時間(第2の
設定時間)継続した場合に、電磁クラッチを接続してエ
アコンディショニング装置を動作状態に復帰させる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。
【0013】図1は、この発明の一実施の形態が適用さ
れた車両としての自動車10の概略的な構成を示してい
る。
【0014】自動車10は、エンジン12を有し、この
エンジン12が、電磁クラッチ14を介してエアコンデ
ィショニング装置を構成するコンプレッサ16に接続さ
れる。
【0015】エンジン12の実際の回転数(実エンジン
回転数)Nerがエンジン回転数センサ(回転数検出手
段)18により検出されて、制御手段であるマイクロコ
ンピュータを含むECU(electric control unit )2
0を構成する偏差検出比較部22に供給される。
【0016】なお、マイクロコンピュータは、駆動・制
御・処理・判断手段等として機能し、周知のように、中
央処理装置(CPU)に対応するマイクロプロセッサ
(MPU)と、このマイクロプロセッサに接続される入
出力装置としてのAD変換回路やDA変換回路、I/O
ポート、制御プログラム・システムプログラム・ルック
アップテーブル等が予め書き込まれる読み出し専用メモ
リ(ROM)、処理データを一時的に保存等するランダ
ムアクセスメモリ(RAMであり、書き込み・読み出し
メモリ)、タイマ回路および割り込み処理回路等を1チ
ップに集積したLSIデバイスとして提供される。
【0017】エアコンディショニング装置(エアコン)
の手動のオンオフ装置としてのエアコンスイッチ(エア
コン作動要求入力手段)24あるいは図示していないオ
ートエアコンディショニング装置等の制御装置からの出
力信号(エアコンオンオフ信号)、車輪の回転数を検出
する車速センサ(車速検出手段)26の出力信号として
の車速信号、アクセルペダルに連動して作動するスロッ
トル開度センサ(スロットル開度検出手段)28の出力
信号としての開度信号、エンジン冷却水の温度を検出す
るためのエンジン水温センサ29の出力信号としての温
度信号およびギヤポジション位置を検出するギヤポジシ
ョンスイッチ30の出力信号であるギヤポジション位置
信号がECU20を構成するアイドル状態判定制御部
(アイドル状態判定部)32に供給される。なお、エア
コンスイッチ24の出力信号であるエアコンオンオフ信
号は、電磁クラッチ駆動制御部34にも供給される。
【0018】この場合、アイドル状態判定制御部32に
は、アイドル時における目標アイドル回転数Netを出
力するための目標アイドル回転数設定手段32aと、設
定偏差値ΔNtを出力するための設定偏差値設定手段3
2bとが含まれる。なお、後述するように目標アイドル
回転数設定手段32aは、いわゆるアイドルアップ制御
を行う場合には、エアコンディショニング装置の復帰時
と停止時において、その目標アイドル回転数が異なる値
になるようにしてもよい。
【0019】この実施の形態において、電磁クラッチ制
御手段は、基本的には、偏差検出手段としての減算部3
6、絶対値部42と、偏差比較手段としての比較部38
と、計時手段としての第1タイマ(第1の計時手段)4
0および第2タイマ(第2の計時手段)44とから構成
される。
【0020】アイドル状態判定制御部32は、偏差検出
比較部22を構成する減算部36の一方の入力ポートに
目標アイドル回転数設定手段32aから目標アイドル回
転数Netを出力するとともに、比較部(偏差比較手
段)38の基準ポートに設定偏差値設定手段32bから
設定偏差値ΔNtを供給する。この実施の形態におい
て、設定偏差値ΔNtは、ΔNt=90rpmに設定さ
れている。この設定偏差値ΔNtは、エンジン振動を発
生させないための偏差としての回転数であり、従来技術
の項で説明したエンストが発生する回転数の下限値であ
る下限目標値の回転数とは異なることに留意する。
【0021】アイドル状態判定制御部32は、例えば、
プリセットダウンカウンタにより構成することの可能な
第1タイマ40に、第1の計時開始信号St1を供給す
る。この実施の形態において、第1タイマ40のプリセ
ット計時時間は10秒に設定されている。
【0022】この場合、第1タイマ40のプリセット計
時時間(設定時間)は、エンジン12が不調に至る時間
を予め測定しておき、その不調に至る時間に対して余裕
を持った時間、例えば、半分の時間に設定するようにし
ている。
【0023】前記減算部36の他方の入力ポートには、
実エンジン回転数Nerが供給されており、実エンジン
回転数Nerと目標アイドル回転数Netの差信号(偏
差)ΔN(ΔN=Net−Ner)の絶対値(偏差)|
ΔN|が絶対値部42を介して比較部38の比較ポート
に供給される。
【0024】すなわち、この実施の形態において、偏差
検出手段としての減算部36と絶対値部42により、回
転数検出手段としてのエンジン回転数センサ18により
検出された実エンジン回転数Nerと目標アイドル回転
数設定手段32aにより設定された目標アイドル回転数
Netとの偏差|ΔN|が検出されて、偏差比較手段と
しての比較部38に供給される。比較部38は、偏差検
出手段により検出された偏差|ΔN|と設定偏差値設定
手段32bにより設定された設定偏差値ΔNtとを比較
する。
【0025】比較部38の比較結果信号である出力信号
としての第1の計時開始信号St1が第1タイマ40に
供給される。
【0026】第1タイマ40の出力信号である第2の計
時開始信号St2が、プリセットダウンカウンタにより
構成される第2タイマ44に供給される。また、この第
2の計時開始信号St2は、電磁クラッチ駆動制御部3
4に電磁クラッチ14の切断用信号として供給される。
なお、第2タイマ44のプリセット計時時間は、この実
施の形態において10秒に設定されている。この場合、
第2タイマ44のプリセット計時時間(設定時間)は、
予め測定したエンジン12が回復する時間に一定の余裕
時間を加えた時間であって、エアコンディショニング装
置が不作動になっていることにより乗員が不快とならな
い状態を保持できる時間に設定するようにしている。
【0027】第2タイマ44の出力信号は、切断状態に
ある電磁クラッチ14の接続用信号として電磁クラッチ
駆動制御部34に供給される。
【0028】電磁クラッチ駆動制御部34は、前記切断
用信号および接続用信号に応じて電磁クラッチ14を切
断あるいは接続することによりコンプレッサ16とエン
ジン12とを切断状態あるいは連結状態にする。
【0029】次に、図1例の動作について、図2のフロ
ーチャートを参照して詳しく説明する。なお、判断、処
理、制御の主体はECU20である。
【0030】まず、アイドル状態判定制御部32は、エ
アコンスイッチ24のオンオフ状態を判定する(ステッ
プS1)。エアコンスイッチ24がオフ状態であった場
合には、電磁クラッチ駆動制御部34を通じて電磁クラ
ッチ14が切断状態とされ(ステップS2)、コンプレ
ッサ16、言い換えればエアコンディショニング装置が
不作動状態にされる。この後、ステップS1の判定にも
どる。
【0031】一方、ステップS1の判定が肯定的であっ
た場合、すなわちエアコンスイッチ24がオン状態とさ
れているときには、自動車10がアイドル状態(エンジ
ンが空転している状態)になっているかどうかを判定す
る(ステップS3)。
【0032】この実施の形態におけるアイドル状態の判
定は、車速センサ26により検出される車速がゼロ値で
あること、換言すれば、自動車10が停止状態にあるこ
と、、スロットル開度センサ28により検出されるスロ
ットルバルブの開度がゼロ値とされていること、および
いわゆるAT(automatic transmisson )車の場合に
は、ギヤポジションスイッチ30が、いわゆるパーキン
グ位置Pまたはニュートラル位置Nにあること、エンジ
ン水温が40℃以上で、ファーストアイドル状態(暖気
運転モード)になっていないことが条件とされる。
【0033】なお、いわゆるMT(manual transmissio
n )車の場合には、ギヤポジションスイッチ30に代替
してギヤがニュートラル位置にあることがアイドル状態
の判定条件とされる。
【0034】アイドル状態と判定されたとき、偏差検出
比較部22では、エンジン回転数センサ18により検出
されている実エンジン回転数(この場合、実アイドル回
転数)Nerとアイドル状態判定制御部32から設定さ
れている目標アイドル回転数Netとの差ΔN=Net
−Nerの絶対値|ΔN|=|Net−Ner|が、ア
イドル状態判定制御部32から設定される設定偏差値Δ
Nt(この実施の形態では、ΔN=90rpm)より小
さいかどうかを判定する(ステップS4)。
【0035】ここでは、エンジン12が安定に回転して
いて、実アイドル回転数(実際のアイドル回転数)Ne
rと目標アイドル回転数Netとの偏差|ΔN|が設定
偏差値ΔNtよりも小さく、ステップS4の判定が成立
しているものとする。
【0036】このとき、比較部38から出力される第1
の計時開始信号St1により、第1タイマ40がリセッ
トされた後セットされ、プリセット時間(設定時間)1
0秒の計時を開始する(ステップS5)。
【0037】次に、ECU20は、第2タイマ44の計
時時間が、0秒あるいは計時中(0秒を超え、10秒未
満の時間)になっているかどうかを確認する(ステップ
S6)。
【0038】この時点では、第2タイマ44は、計時を
開始していないので、0秒であり、この判定は肯定的と
なり、前記第1タイマ40の出力レベルにより、電磁ク
ラッチ駆動制御部34を通じて電磁クラッチ14が接続
状態とされ(ステップS7)、コンプレッサ16がエン
ジン12により回転される状態となって、エアコンディ
ショニング装置が作動を開始する。その後、ステップS
1の判断処理にもどる。なお、ステップS1、S3〜S
7の処理またはステップS1、S2の処理を1回繰り返
す時間は、msオーダーの時間である。
【0039】上述したステップS3の判定処理におい
て、アイドル状態ではないと判断された場合には、第1
タイマ40がセットされ、この出力レベルにより直接的
に電磁クラッチ14が接続状態とされ、エアコンディシ
ョニング装置が作動状態とされる(ステップS8)。ま
た、ステップS5またはステップS8の処理が行われる
たびに、第1タイマ40は、リセットされ、10秒の計
時が再設定されて、いわゆる10秒からのダウン計時
(例えば、10秒、9.9秒、…)が開始される。
【0040】ステップS1、S3、S4、S5、S6、
S7の順での処理が経過中に、換言すれば、適正なエア
コンディショニングの制御が行われているときに、何ら
かの要因により、実アイドル回転数Nerと目標アイド
ル回転数Netとの偏差ΔN=Net−Nerの絶対値
|ΔN|=|Net−Ner|が、設定偏差値ΔNtよ
り大きな値となった場合を考える(ステップS4:N
O)。すなわち、アイドル時にエアコンディショニング
装置を作動させているとき、エンジン12の実アイドル
回転数Nerが適正範囲を超えたと判定される場合を考
える。
【0041】このとき、第1タイマ40による計時時間
が設定時間の10秒を経過したかどか、すなわち、第1
タイマ40の出力値が0秒になっているかどうかが判定
される(ステップS9)。
【0042】実アイドル回転数Nerが適正範囲を超え
ている時間が10秒を超えたとき、換言すれば、ステッ
プS1、S3、S4、S9、S6、S7の順で繰り返し
処理を行っている間に、第1タイマ40による計時時間
が設定時間の10秒を超えたとき(ステップS9:YE
S)、第1タイマ40の計時終了信号が、第2タイマ4
4でのダウン計時を開始させるための第2の計時開始信
号St2として第2タイマ44に供給されて、第2タイ
マ44が10秒のダウン計時を開始するとともに(ステ
ップS10)、第1タイマ40の計時終了信号(切断信
号)により電磁クラッチ14が切断状態とされる(ステ
ップS2)。
【0043】電磁クラッチ14が切断状態にあるときに
は、ステップS2、S1、S3、S4、S9、S10の
順で処理が繰り返される。
【0044】ただし、電磁クラッチ14が切断されるこ
とで、エンジン12の負荷が軽くなり、エンジン12の
回転数が増加して、実アイドル回転数Nerが適正な範
囲にもどろうとする。
【0045】そして、エンジン12の実アイドル回転数
Nerが適正な範囲にもどり、ステップS4の判定処理
が成立したとき、換言すれば、実アイドル回転数Ner
と目標アイドル回転数Netとの偏差ΔN=Net−N
erの絶対値|ΔN|=|Net−Ner|が、設定偏
差値ΔNtより小さな値となった場合(ステップS4:
YES)。再び、第1タイマ40がセットされて、10
秒のダウン計時が開始される(ステップS5)。
【0046】そして、ステップS10において第2タイ
マ44がセットされて電磁クラッチ14が切断状態とさ
れた後、第2タイマ44による10秒のダウン計時が終
了した時点、詳しく説明すると、ステップS2、S1、
S3、S4、S5、S6の処理の繰り返し中に、第2タ
イマ44による10秒のダウン計時が終了した時点でス
テップS6の判定処理が成立したとき(第2タイマ44
の計時時間が10秒、すなわち、第2タイマ44の出力
値は0秒)、エンジン12の実アイドル回転数Nerが
適正範囲にもどって、充分な時間(この場合、第2タイ
マ44の設定時間の10秒)が経過したと判定する。
【0047】このとき、第2タイマ44の計時終了信号
が、切断されている電磁クラッチ14の接続信号として
電磁クラッチ駆動制御部34を介して電磁クラッチ14
に供給されることで、エンジン12とコンプレッサ16
とが電磁クラッチ14を介して接続され、再びエンジン
12によりコンプレッサ16が作動する状態とされて、
エアコンディショニング装置が実際の作動状態に回復す
る(ステップS7)。
【0048】このように上述の実施の形態によれば、エ
アコンスイッチ24がオン状態とされて、エンジン12
とコンプレッサ16が電磁クラッチ14を介して連結さ
れ、エアコンディショニング装置が作動状態にあると
き、アイドル状態判定制御部32により、自動車10が
アイドル状態にあると判定した後、エンジン回転数セン
サ18により検出したエンジン12の実際の回転数を実
アイドル回転数Nerとして検出する。
【0049】そして、検出した実アイドル回転数Ner
と目標アイドル回転数Netとの偏差ΔNの絶対値|Δ
N|が設定偏差値ΔNtより小さいかどうかを検出し、
大きい場合には、第1タイマ40により10秒間のダウ
ン計時を開始し、この状態が10秒間継続したときに、
実際の異常状態、たとえば、エンスト等が発生する前に
異常状態と擬制して、電磁クラッチ14を切断状態と
し、エアコンディショニング装置を不作動状態(休止状
態)とする。このように制御することにより、エンスト
等の異常状態が発生することを未然に防止することがで
きる。
【0050】次に、異常状態と擬制して電磁クラッチ1
4を切断状態としたとき、同時に第2タイマ44による
10秒間のダウン計時を開始させる。この状態におい
て、検出した実アイドル回転数Nerと目標アイドル回
転数Netとの偏差ΔNの絶対値|ΔN|が設定偏差値
ΔNtより大きい状態が継続していた場合には、その都
度第2タイマ44により新たな10秒間のダウン計時を
開始させる。
【0051】このような状態において、検出された実ア
イドル回転数Nerと目標アイドル回転数Netとの偏
差ΔNの絶対値|ΔN|が設定偏差値ΔNtより小さい
値となったときであって、第2タイマ44のダウン計時
が設定時間の10秒となったとき、エンジン12がコン
プレッサ16に接続されても正常な状態にもどっている
ものと判断して、再び電磁クラッチ14をオン状態とす
る。これにより、エアコンディショニング装置が再作動
する。
【0052】すなわち、この実施の形態によれば、エア
コンディショニング装置が作動しているアイドル時にお
いて、エンジン12の実アイドル回転数Nerが目標回
転数Netより一定時間(10秒間)ずれていた場合
に、電磁クラッチ14を自動的に切断することで、エン
スト等の異常状態の発生や車体の振動、この振動に基づ
くこもり音等の発生を未然に回避することができる。し
かも、エンジン12の状態が充分に回復して、エンジン
12の実アイドル回転数Nerと目標アイドル回転数N
etとのずれが一定値以内である状態(ステップS4:
YES)が一定時間(10秒間)継続した場合、自動的
にエンジン12とコンプレッサ16とを接続すること
で、エアコンディショニング装置を動作状態とする。こ
のように制御することにより、エアコンディショニング
装置の不作動期間をきわめて短い時間にすることができ
るという効果が達成される。
【0053】なお、上述の実施の形態において、目標ア
イドル回転数Net、設定偏差値ΔNt、第1タイマ4
0に設定される設定時間、および第2タイマ44に設定
される設定時間は、図示しない入力手段を通じて所望の
値に設定することが可能である。
【0054】また、上述の実施の形態においては、繁雑
となるので、いわゆるアイドルアップ制御との関係につ
いてはふれていないが、エアコンディショニング装置が
作動状態であって(ステップS1:YES)、アイドル
状態にあったとき(ステップS3:YES)、エアコン
ディショニング装置の負荷に応じて、図示していないア
イドル・スピード・コントロール・バルブ(ISCV)
をフィードバック制御して開閉し、バイパス通路の空気
量を調節してアイドル回転数を上げるアイドルアップ制
御を併用することができる。アイドルアップ制御を併用
する場合には、目標アイドル回転数設定手段32aによ
って設定される目標アイドル回転数Netは、例えば、
エアコンディショニング装置を不作動状態(停止状態)
から作動状態に復帰させるときには、1050rpm、
作動状態から停止状態に至るときには、800rpmの
ように異なった値に設定してもよく、どちらも800r
pmの同じ値に設定してもよい。これらの設定値は、エ
ンジン12の出力特性によって決定することができる。
【0055】また、この発明は、上述の実施の形態に限
らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成
を採り得ることはもちろんである。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、目標アイドル回転数と実アイドル回転数との偏差が
設定偏差値よりも大きい状態が設定時間継続した場合、
電磁クラッチを切断して、エアコンディショニング装置
を不作動状態にしている。
【0057】このため、エアコンディショニング装置を
不作動にするエンジン回転数を従来の加減目標値に比べ
高く設定することができ、エンジンの実アイドル回転数
がアイドル回転数の下限目標値に到達しない程度の回転
数が長時間継続することがなくなり、結果として、エン
ジンの振動による車体の振動の発生、この振動を原因と
する車室内でのこもり音の発生を未然に回避することが
できるという効果が達成される。
【0058】このように、この発明によれば、アイドル
時に車載エアコンディショニング装置のオンオフ制御を
効果的に行うことができる。
【0059】したがって、この発明を適用した車両の官
能性の評価が高くなるという派生的な効果が達成され
る。
【0060】また、この発明によれば、目標アイドル回
転数と実アイドル回転数との偏差が設定偏差値よりも大
きい時間が設定時間継続した場合、電磁クラッチを切断
して、エアコンディショニング装置を不作動状態にし、
この後、前記偏差が設定偏差値よりも小さくなり、その
小さくなっている時間が設定時間継続した場合に、電磁
クラッチを接続してエアコンディショニング装置を動作
状態に復帰させている。
【0061】このため、従来の技術のようなエアコンデ
ィショニング装置にかかる負荷が大きく、かつ、エンジ
ンにかかる負荷も大きいときに、エンジン回転数がエア
コンオン(上限目標値)オフ(下限目標値)の設定回転
数の間で変動して発生するハンチングの防止を、目標ア
イドル回転数と実アイドル回転数との偏差を用いて行う
ようにしているので、従来技術のようにアイドルアップ
制御が複雑になることなく行える。また、エアコンの負
荷が小さく正常に作動している状態で、なんらかの原因
により一時的にエンジン回転数が下限値より下がった場
合でもエアコンが停止されてしまうことがないため、従
来よりエアコンディショニング装置が継続的に運転さ
れ、車室内の空調が保たれ、快適性が損なわれることが
ない。
【0062】さらに、エアコンディショニング装置を不
作動にするエンジン回転数が従来の下限目標値に比べ高
く設定できるため、エンジンの実アイドル回転数がアイ
ドル回転数の下限目標値に到達しない程度の回転数が長
時間継続することがなくなり、結果として、エンジンの
振動による車体の振動の発生、この振動を原因とする車
室内でのこもり音の発生を未然に回避することができる
という効果が達成されるとともに、実アイドル回転数と
目標アイドル回転数との偏差が設定偏差値より小さい状
態が設定時間継続した場合、再びエアコンディショニン
グ装置が動作状態に短時間で自動的に復帰するように設
定できるので、エアコンディショニング装置の使い勝手
がきわめて向上する。
【0063】結果として、エアコンディショニング装置
が不作動となる時間が短くなり、車室内の空調が保た
れ、快適性が損なわれず、アイドル時に車載エアコンデ
ィショニング装置のオンオフ制御を効果的に行うことが
できる。
【0064】したがって、この発明を適用した車両の官
能性の評価が一層高くなるという派生的な効果が達成さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態が適用された自動車の
概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1例の動作説明に供されるフローチャートで
ある。
【符号の説明】
10…自動車 12…エンジン 14…電磁クラッチ 16…コンプレ
ッサ 18…エンジン回転数センサ 20…ECU 32…アイドル状態判定制御部 36…減算部 38…比較部 40…第1タイ
マ 42…絶対値部 44…第2タイ
マ Ner…実アイドル回転数 Net…目標ア
イドル回転数 St1…第1計時開始信号 St2…第2計
時開始信号 ΔN…偏差 |ΔN|…偏差
の絶対値 ΔNt…設定偏差値
フロントページの続き (72)発明者 原 裕史 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両用エンジンに連結されて駆動されるコ
    ンプレッサと、 該コンプレッサと前記車両用エンジンとを連結する電磁
    クラッチと、 前記車両用エンジンの回転数を検出する回転数検出手段
    と、 前記車両用エンジンのアイドル運転時の目標アイドル回
    転数を設定するための目標アイドル回転数設定手段と、 前記回転数検出手段により検出された回転数と前記目標
    アイドル回転数設定手段により設定された目標アイドル
    回転数とに基づいて前記電磁クラッチの接続を制御する
    電磁クラッチ制御手段とを有する車両用エアコンディシ
    ョニング装置の制御装置であって、 前記電磁クラッチ制御手段は、 前記回転数検出手段により検出された回転数と前記目標
    アイドル回転数設定手段により設定された目標回転数と
    の偏差を検出する偏差検出手段と、 該偏差検出手段により検出された偏差と予め定められた
    設定偏差値とを比較する偏差比較手段と、 該偏差比較手段の比較結果に応じて、予め定められた設
    定時間を計時する計時手段とを備え、 前記計時手段は、 前記偏差検出手段により検出された偏差が前記設定偏差
    値よりも大きい状態が前記設定時間継続した後、前記電
    磁クラッチの切断信号を発生させることを特徴とする車
    両用エアコンディショニング装置の制御装置。
  2. 【請求項2】車両用エンジンに連結されて駆動されるコ
    ンプレッサと、 該コンプレッサと前記車両用エンジンとを連結する電磁
    クラッチと、 前記車両用エンジンの回転数を検出する回転数検出手段
    と、 前記車両用エンジンのアイドル運転時の目標アイドル回
    転数を設定するための目標アイドル回転数設定手段と、 前記回転数検出手段により検出された回転数と前記目標
    アイドル回転数設定手段により設定された目標アイドル
    回転数とに基づいて前記電磁クラッチの接続を制御する
    電磁クラッチ制御手段とを有する車両用エアコンディシ
    ョニング装置の制御装置であって、 前記電磁クラッチ制御手段は、 前記回転数検出手段により検出された回転数と前記目標
    アイドル回転数設定手段により設定された目標回転数と
    の偏差を検出する偏差検出手段と、 該偏差検出手段により検出された偏差と予め定められた
    設定偏差値とを比較する偏差比較手段と、 該偏差比較手段の比較結果に応じて、予め定められた第
    1および第2の設定時間をそれぞれ計時する第1および
    第2の計時手段とを備え、 前記第1の計時手段は、 前記偏差検出手段により検出された偏差が前記設定偏差
    値よりも大きい状態が前記第1の設定時間継続した後、
    前記電磁クラッチの切断信号を発生させ、 前記第2の計時手段は、 前記電磁クラッチが切断された後、前記偏差検出手段に
    より検出された偏差が前記設定偏差値よりも小さく、か
    つ前記設定偏差値よりも小さい状態が前記第2の設定時
    間継続した後、前記電磁クラッチの接続信号を発生させ
    ることを特徴とする車両用エアコンディショニング装置
    の制御装置。
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