JPH1174336A - ウエハ支持部材 - Google Patents

ウエハ支持部材

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JPH1174336A
JPH1174336A JP9235269A JP23526997A JPH1174336A JP H1174336 A JPH1174336 A JP H1174336A JP 9235269 A JP9235269 A JP 9235269A JP 23526997 A JP23526997 A JP 23526997A JP H1174336 A JPH1174336 A JP H1174336A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱サイクルが加わってもセラミック基体11の
破損や外部端子2の接合部における通電不良のない安定
した通電が可能なウエハ支持部材1を提供する。 【解決手段】一主面をウエハの保持面とするセラミック
基体11の内部に電極12を備え、該電極12を導出す
る外部端子2を上記セラミック基体11にロウ付けして
なるウエハ支持部材1において、上記外部端子2の接合
側の端面に中空部2aを設けるとともに、該中空部2a
に前記セラミック基体11と同程度の熱膨張係数を有す
る応力緩和材3を挿嵌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置や液晶
表示装置の製造工程において、半導体ウエハや液晶用ガ
ラス基板等のウエハを保持するウエハ支持部材に関する
ものであり、特に繰り返し熱応力が加わっても安定して
通電することが可能なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造工程において、
半導体ウエハ(以下、ウエハと称す。)に成膜を施すP
VD装置やCVD装置などの成膜装置や、ウエハに微細
加工を施すドライエッチング装置においては、ウエハを
保持するためにサセプターや静電チャックなどのウエハ
支持部材が用いられている。
【0003】例えば、図4に示すウエハ支持部材10
は、サセプターと呼ばれるもので、円盤状をしたセラミ
ック基体11からなり、その上面をウエハ30の保持面
11aとするとともに、内部にヒータ電極12を埋設し
てなり、このヒータ電極12と電気的に接続される金属
製の外部端子21を前記セラミック基体11の下面に開
口する下穴11bにロウ付けしたものがあった。なお、
上記外部端子21は、ロウ付け時の残留応力を緩和する
ために、外径が2〜15mm程度の中実の円柱状をした
ものが使用されていた。
【0004】また、セラミック基体11の下面には、前
記外部端子21を包囲するように筒体13がロウ付けに
より接合してあり、Oリング17を介してチャンバー1
8に設置することで筒体13の内側をチャンバー18内
と気密にシールするようになっていた。
【0005】なお、セラミック基体11の下面には、外
部端子21以外にセラミック基体11の温度を測定する
熱電対22やウエハ30の温度を測定する測温用光ファ
イバー23も設置されており、これらのリード線は筒体
13の内側を通ってチャンバー18外へ取り出されるよ
うになっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】ところで、成膜装置
やドライエッチング装置では、上記ウエハ支持部材10
のヒータ電極12に通電し、100〜300℃、さらに
は600℃程度の高温にウエハ30を加熱して加工する
ことが多く、ウエハ支持部材10には常温から上記加工
温度の範囲での熱サイクルが加わることになる。
【0007】ところが、このような温度範囲での熱サイ
クルが加わると、外部端子21とセラミック基体11の
熱膨張差に伴う熱応力が接合部に集中し、セラミック基
体11にクラックが発生して破損するとい問題点があっ
た。
【0008】そこで、本件出願人は、図5に示すような
外部端子21の接合側の端面に中空部21aを設けるこ
とで、外部端子21の膨張に伴う熱応力を緩和してセラ
ミック基体11の破損を防ぐことを先に提案した。
【0009】しかしながら、外部端子21に中空部21
aを設けたとしても、熱応力が、外部端子21とセラミ
ック基体11の下穴11bとの接合部に集中して発生す
ることから、図6(a)に示すような外部端子21の外
周壁21bがクリープ変形して接合部に隙間が生じて通
電不良となったり、あるいは図6(b)に示すようなロ
ウ材が外部端子21の中空部21aの一部埋める結果、
セラミック基体11にクラックが発生して破壊するとい
った問題点があった。
【0010】また、このような問題点を少しでも緩和す
るために、外部端子21としてセラミック基体11との
熱膨張差が近似した金属を用いるなどの対策が提案され
ているが、低熱膨張金属のタングステンやモリブデンか
らなる外部端子21では、上記加工温度に曝されると酸
化されるといった問題点もあった。
【0011】さらに、このような問題点は、ヒータ電極
12と電気的に接続される外部端子21だけでなく、熱
サイクルが加わるような時には、ウエハ支持部材に内蔵
される静電吸着用やプラズマ発生用の電極と電気的に接
続される外部端子にもあった。
【0012】
【問題点を解決するための手段】そこで、本発明は上記
問題点に鑑み、一主面をウエハの保持面とするセラミッ
ク基体の内部にヒータ用、静電吸着用、プラズマ発生用
の少なくとも一種の電極を備えてなり、該電極を導出す
る外部端子を上記セラミック基体に設けた下穴にロウ付
けしてなるウエハ支持部材において、上記セラミック基
体と外部端子との熱膨張差を6.0×10-6/℃以下と
するとともに、上記外部端子の接合側の端面に中空部を
設け、該中空部に前記セラミック基体と同程度の熱膨張
係数を有する応力緩和材を挿嵌せしめたことを特徴とす
る。
【0013】また、本発明は、上記外部端子を耐酸化性
に優れるFe−Ni−Co合金又はFe−Ni合金にて
形成したものである。
【0014】
【作用】本発明のウエハ支持部材によれば、外部端子の
接合側の端面に中空部を設けるとともに、この中空部に
前記セラミック基体と同程度の熱膨張係数を有する応力
緩和材を挿嵌せしめたことにより、ウエハ支持部材が加
熱されたり、あるいは発熱してセラミック基体と外部端
子との接合部に熱応力が加わったとしても、この熱応力
を上記外部端子に設けた中空部により緩和することがで
きるため、セラミック基体の割れを防ぐことができると
ともに、外部端子の外周壁が内側に変形して導通不良を
起こすのを、前記セラミック基体と外部端子の中空部に
挿嵌した応力緩和材とで挟持し、外部端子が変形するこ
とによる導通不良を防ぐことができるため、常に安定し
た導通を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0016】図1はサセプタと呼ばれる本発明のウエハ
支持部材を成膜装置のチャンバー内に設置した状態を示
す概略断面図である。なお、従来と同一部分については
同一符号で示す。
【0017】1はウエハ支持部材で、円板状をしたセラ
ミック基体11からなり、その上面をウエハ30の保持
面11aとするとともに、その内部にはヒータ電極12
を埋設してあり、該ヒータ電極12と電気的に接続され
る略円柱状をした外部端子2を、上記セラミック基体1
1の下面に設けた下穴11bにロウ付け固定してある。
【0018】このようなウエハ支持部材1を構成するセ
ラミック基体11の材質としては、アルミナ、窒化アル
ミニウム、窒化珪素のいずれか一種を主成分とするセラ
ミックスを用いることができ、これらの中でも特に、9
9重量%以上のアルミナ(Al2 3 )を主成分としシ
リカ(SiO2 )、マグネシア(MgO)、カルシア
(CaO)等の焼結助剤を含有するアルミナセラミック
スや、窒化アルミニウム(AlN)を主成分とし周期律
表第2a族、第3a族元素の酸化物を0.5〜20重量
%の範囲で含有する窒化アルミニウム質セラミックス、
あるいは99.8重量%以上の窒化アルミニウム(Al
N)を主成分とする高純度の窒化アルミニウム質セラミ
ックスは、成膜装置やエッチング装置等において雰囲気
ガスとして使用されるフッ素系や塩素系の腐食性ガスに
対して優れた耐蝕性と耐プラズマ性を有することから好
適である。
【0019】また、セラミック基体11の下面には、前
記外部端子2を包囲するように筒体13を接合してあ
り、Oリング17を介してチャンバー18に設置するこ
とで筒体13の内部を気密にシールし、外部端子2がチ
ャンバー18内に導入された腐食性ガスに曝されるのを
防止するようにしてある。
【0020】なお、セラミック基体11の下面には外部
端子2以外に、セラミック基体11の温度を測定する熱
電対22やウエハ30の温度を測定する測温用光ファイ
バー23も設置してあり、これらのリード線は筒体13
の内側を通って外側へ導出するようにしてある。
【0021】また、図2及び図3に示すように、本発明
のウエハ支持部材1によれば、上記円柱状をした外部端
子2の接合側の端面に、断面形状が円形をした中空部2
aを形成するとともに、この中空部2aには前記セラミ
ック基体11と同程度の熱膨張係数を有する応力緩和材
3を挿嵌し、ロウ付け固定してある。
【0022】即ち、ウエハ支持部材1に熱サイクルが加
わると、セラミック基体11と外部端子2との接合部に
は熱応力が加わるのであるが、本発明は外部端子2の接
合側の端面に中空部2aを形成してあることから、外部
端子2が外側へ膨張しようとするのを抑え、セラミック
基体11にクラックが生じることを防ぐことができる。
ただし、外部端子2に中空部2aを形成しただけでは、
ヤング率の低い外部端子2の外周壁2bが中空部2a側
に変形する結果、セラミック基体11との間に隙間がで
きるために導通不良を生じる恐れがあるが、本発明では
外部端子2の中空部2aに応力緩和材3を挿嵌して外周
壁2bが変形しようとするのをセラミック基体11と応
力緩和材3とで拘束するようにしてあることから、導通
不良の発生を防ぎ、常に安定した導通を図ることができ
る。しかも、外部端子2の中空部2aに応力緩和材3を
挿嵌することで、中空部2aに接合材であるロウ材が充
填されることによるセラミック基体11の割れも防ぐこ
とができる。
【0023】ところで、このような応力緩和材3の材質
としては、セラミック基体11との熱膨張差が2×10
-6/℃以下のものが良い。これは、応力緩和材3の熱膨
張係数が、セラミック基体11との熱膨張差である2×
10-6/℃より大きいと、外部端子2が外側へ膨張しよ
うとするのを抑える効果が小さく、セラミック基体11
を破損させる恐れがあるからであり、逆に、応力緩和材
3の熱膨張係数が、セラミック基体11との熱膨張差で
ある2×10-6/℃より小さいと、外部端子2の外周壁
2bが内側へ変形しようとするのを拘束する効果が小さ
いために、導通不良を生じる恐れがあるからである。
【0024】なお、具体的には熱膨張差が2×10-6
℃以下となるように、セラミック基体11と同様にアル
ミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素のいずれか一種を主
成分とするセラミックスを用いれば良く、好ましくはセ
ラミック基体11と同じ主成分を有するセラミックス、
さらに好ましくはセラミック基体11と同組成のセラミ
ックスにより形成すれば良い。
【0025】また、外部端子2の外周壁2bの厚みtと
応力緩和材3の直径Lとの比率が1:2未満では、接合
部に発生する熱応力を緩和する効果が乏しいため、比率
は1:2以上と厚みtをできるだけ薄くすることが好ま
しい。
【0026】さらに、外部端子2の材質としては耐酸化
性が高く、上記セラミック基体11との熱膨張差が6×
10-6/℃以下の金属を用いることが必要である。これ
は、熱膨張差が6×10-6/℃を越えると、外部端子2
に中空部2aを設け、該中空部2aに応力緩和材3を挿
嵌したとしても、セラミック基体11と外部端子2との
熱膨張差が大きすぎるためにロウ付け直後にセラミック
基体11の下穴11bにクラックが発生するからであ
る。
【0027】具体的には、Fe−Ni−Co合金、Fe
−Ni合金等を用いることができる。これらの合金は、
Fe−Ni−Co合金の熱膨張係数が8×10-6Ω・c
m、Fe−Ni合金の熱膨張係数が11×10-6Ω・c
mと、表1にセラミック基体11を構成するセラミック
スの熱膨張係数を示すように、両者の熱膨張差を6×1
-6/℃以下とすることができるとともに、耐酸化性に
優れるため、外部端子2の材質として好適である。
【0028】また、セラミック気体11と外部端子2と
を接合するロウ材14、及び外部端子2と応力緩和材3
を接合するロウ材15の材質としては、高温中で溶融、
液化を生じないものを用いる必要があり、具体的にはA
g−Cu系、Ti−Cu−Ag系等のロウを用いれば良
い。
【0029】
【表1】
【0030】以上のように、本実施形態では、ヒータ電
極12を埋設したウエハ支持部材1を例にとって説明し
たが、本発明はヒータ電極12と電気的に接続される外
部端子2だけに適用されるものではなく、例えば、静電
吸着用やプラズマ発生用の電極を備えたウエハ支持部材
であって、熱サイクルが加わる時には上記静電吸着用電
極やプラズマ発生用電極と電気的に接続される外部端子
にも好適なものである。
【0031】(実施例1)外部端子2の材質を変えると
ともに、外部端子2の中空部2aに応力緩和材3を設け
たものと設けていないウエハ支持部材1をそれぞれ用意
し、熱サイクル試験を行ったあとの外部端子2の接合状
態について測定した。
【0032】本実験ではウエハ支持部材1を構成するセ
ラミック基体11として、AlN含有量が99.9重量
%以上の窒化アルミニウム質セラミックスを用いた。
【0033】この窒化アルミニウム質セラミックスから
なるウエハ支持部材1は、一次原料であるAlN粉末を
メタノールに混合して平均粒径1μm程度に粉砕した
後、10%の有機バインダーを添加することにより泥漿
を得た。そして、この泥漿をドクターブレード法により
複数枚のグリーンシートを形成し、そのうち数枚積層し
たグリーンシート上にWCのペーストを印刷して配線パ
ターンを敷設したあと、残りのグリーンシートを積層し
てグリーンシート積層体を製作した。しかるのち、円板
状に切削加工を施したあと、窒素雰囲気にて2000
℃、5時間程度の条件で焼成することで直径200mm
程度のセラミック基体11を得た。
【0034】なお、得られたセラミック基体11は比重
が3.26g/cm3 と理論密度に対して十分な焼結密
度を有しており、その熱膨張係数は5×10-6/℃であ
った。
【0035】次に、上記セラミック基体11の上面に研
磨加工を施して保持面11aを形成するとともに、下面
に下穴11bを穿孔し、該下穴11bに外部端子2をC
u−Ag−Ti系のロウ材を用いてロウ付け固定した。
【0036】外部端子2の寸法は、外径6mm、長さ1
5mm、中空部2aの内径3mm、深さ8mmとし、材
質として以下に示す4種類の金属を用いた。
【0037】 Fe−Ni−Co合金 熱膨張率 8 ×10-6/℃ Fe−Ni合金 熱膨張率11 ×10-6/℃ ステンレス(SUS304)熱膨張率13.5×10-6/℃ タングステン(W) 熱膨張率 5.2×10-6/℃ また、応力緩和材3には、上記セラミック基体11と同
じ窒化アルミニウム質セラミックスからなり、長さ8m
m、外径3mmのものを使用した。
【0038】そして、これらのウエハ支持部材1を用い
て、PVD装置中で、常温から550℃の熱サイクルを
50回加えた後の接合部における通電不良の有無とセラ
ミック基体11の破損の有無を測定した。
【0039】それぞれの結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】この結果、表2より判るように、応力緩和
材3のないものは、外部端子2の外周壁2bが中空部2
a側に変形して接合部に隙間が発生して通電不良を生じ
た。また、応力緩和材3の有るものでも、外部端子2と
セラミック基体11との熱膨張差が6×10-6/℃より
大きいものでは、外部端子2の接合時にセラミック基体
11にクラックが発生した。
【0042】さらに、外部端子2としてタングステンを
用いたものでは、耐酸化性が悪く実用上使用不可能であ
った。
【0043】これに対し、外部端子2とセラミック基体
11との熱膨張差が6×10-6/℃以下であり、かつ応
力緩和材3を備えたものは、いずれもセラミック基体1
1にクラックを生じたり、導通不良を生じることがな
く、安定した通電が可能であった。
【0044】(実施例2)次に、外部端子2の材質をFe
-Ni-Co合金とし、外部端子2の中空部2aに直径Lの異
なる応力緩和材3を挿嵌した図1のウエハ支持部材1を
用意し、PVD装置中で、常温から550℃の熱サイク
ルを加えた時の耐久性について測定を行った。なお、セ
ラミック基体11及び応力緩和材3には実施例1と同じ
窒化アルミニウム質セラミックスを用いた。
【0045】結果は表3に示すように、外部端子2の外
周壁2bの厚みtが応力緩和材3の直径Lに対して薄く
なるにつれて、耐久性を高められることが判る。そし
て、外部端子2の外周壁2bの厚みtと応力緩和材3の
直径Lとの比率が1:1以上あれば50サイクル以上の
耐久性があり、1:2以上あれば200サイクル以上の
熱サイクルにも耐え得るものとできることが判った。
【0046】
【表3】
【0047】(実施例3)次に、セラミック基板11と
応力緩和材3をアルミナセラミックスで形成し、その他
は実施例1と同様にしてウエハ支持部材1を試作した。
【0048】本実験ではウエハ支持部材1を構成するセ
ラミック基体11として、Al2 3 含有量が99.9
重量%のアルミナセラミックスを用いた。
【0049】このアルミナセラミックスからなるウエハ
支持部材1は、一次原料であるAl2 3 粉末を水に混
合して平均粒径0.5μm程度に粉砕した後、10%の
有機バインダーを添加することにより泥漿を得た。そし
て、この泥漿をドクターブレード法により複数枚のグリ
ーンシートを形成し、そのうち数枚積層したグリーンシ
ート上にWCのペーストを印刷して配線パターンを敷設
したあと、残りのグリーンシートを積層してグリーンシ
ート積層体を製作した。しかるのち、円板状に切削加工
を施したあと、大気雰囲気にて1680℃、5時間程度
の条件で焼成することで直径200mm程度のセラミッ
ク基体11を得た。
【0050】なお、得られたセラミック基体11は比重
が3.9g/cm3 と理論密度に対して十分な焼結密度
を有しており、その熱膨張係数は7.1×10-6/℃で
あった。
【0051】次に、上記セラミック基体11の上面に研
磨加工を施して保持面11aを形成するとともに、下面
に下穴11bを穿孔し、該下穴11bに外部端子2をC
u−Ag−Ti系のロウ材を用いてロウ付け固定した。
【0052】外部端子2の寸法は、外径6mm、長さ1
5mm、中空部2aの内径3mm、深さ8mmとし、材
質として以下に示す4種類の金属を用いた。
【0053】 Fe−Ni−Co合金 熱膨張率 8 ×10-6/℃ Fe−Ni合金 熱膨張率11 ×10-6/℃ ステンレス(SUS304)熱膨張率13.5×10-6/℃ モリブデン(Mo) 熱膨張率 5.8×10-6/℃ また、応力緩和材3には、上記セラミック基体11と同
じアルミナセラミックスからなり、長さ8mm、外径3
mmのものを使用した。
【0054】そして、これらのウエハ支持部材1を用い
て、PVD装置中で、常温から550℃の熱サイクルを
50回加えた後の接合部における通電不良の有無とセラ
ミック基体11の破損の有無を測定した。
【0055】それぞれの結果を表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】この結果、実施例1と同様に、応力緩和材
3を持たないものは、外部端子2の外周壁2bが中空部
2a側に変形して接合部に隙間が発生して通電不良が発
生し、応力緩和材3を備えたものでも、外部端子2とセ
ラミック基体11との熱膨張差が6×10-6/℃より大
きいものでは、外部端子2の接合時にセラミック基体1
1にクラックが発生した。
【0058】さらに、外部端子2としてモリブデンを用
いたものでは、耐酸化性が悪く実用上使用不可能であっ
た。
【0059】これに対し、外部端子2とセラミック基体
11との熱膨張差が6×10-6/℃以下であり、かつ応
力緩和材3を備えたものは、いずれもセラミック基体1
1にクラックを生じたり、導通不良を生じることがなか
った。
【0060】(実施例4)さらに、外部端子2の材質を
Fe-Ni-Co合金とし、外部端子2の中空部2aに直径Lの
異なる応力緩和材3を挿嵌した図1のウエハ支持部材1
を用意し、PVD装置中で、常温から550℃の熱サイ
クルを加えた時の耐久性について測定を行った。なお、
セラミック基体11及び応力緩和材3には実施例3と同
じアルミナセラミックスを用いた。
【0061】結果は表5に示すように、外部端子2の外
周壁2bの厚みtが応力緩和材3の直径Lに対して薄く
なるにつれて、耐久性を高められることが判る。そし
て、外部端子2の外周壁2bの厚みtと応力緩和材3の
直径Lとの比率が1:1以上あれば50サイクル以上の
耐久性があり、1:2以上あれば200サイクル以上の
熱サイクルにも耐え得るものとできることが判った。
【0062】
【表5】
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、一主面
をウエハの保持面とするセラミック基体の内部に電極を
備えてなり、該電極を導出する金属製の外部端子を上記
セラミック基体に設けた下穴にロウ付けしてなるウエハ
支持部材において、上記セラミック基体と外部端子との
熱膨張差を6.0×10-6/℃以下とするとともに、上
記外部端子の接合側の端面に中空部を設け、該中空部に
前記セラミック基体と同程度の熱膨張係数を有する応力
緩和材を挿嵌せしめたことにより、熱サイクルが加わっ
てもセラミック基体を破損させたり、通電不良を生じる
ことがない。
【0064】また、本発明によれば、外部端子を耐酸化
性に優れたFe−Ni−Co合金又はFe−Ni合金に
より形成してあることから、高温に曝されたとしても腐
食することがない。
【0065】その為、長期間わたって安定した通電が可
能なウエハ支持部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サセプタと呼ばれる本発明のウエハ支持部材を
成膜装置のチャンバー内に設置した状態を示す概略断面
図である。
【図2】本発明のウエハ支持部材における外部端子の接
合部を拡大した断面図である。
【図3】本発明のウエハ支持部材における外部端子と応
力緩和材を示す斜視図である。
【図4】サセプタと呼ばれる従来のウエハ支持部材を成
膜装置のチャンバー内に設置した状態を示す概略断面図
である。
【図5】従来のウエハ支持部材における外部端子の接合
部を拡大した断面図である。
【図6】(a)(b)は従来のウエハ支持部材における
外部端子の接合部における不良の状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・ウエハ支持部材、2・・・外部端子、2a・・
・中空部、2b・・・外周壁、3・・・応力緩和材、1
1・・・セラミック基体、11a・・・保持面、11b
・・・下穴、12・・・ヒータ電極、13・・・筒体、
17・・・Oリング、18・・・チャンバー、22・・
・熱電対、23・・・測温用光ファイバー23、30・
・・ウエハ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一主面をウエハの保持面とするセラミック
    基体の内部に電極を備えてなり、該電極を導出する金属
    製の外部端子を上記セラミック基体に設けた下穴にロウ
    付けしてなるウエハ支持部材において、上記セラミック
    基体と外部端子との熱膨張差を6.0×10-6/℃以下
    とするとともに、上記外部端子の接合側の端面に中空部
    を設け、該中空部に前記セラミック基体と同程度の熱膨
    張係数を有する応力緩和材を挿嵌せしめたことを特徴と
    するウエハ支持部材。
  2. 【請求項2】上記外部端子の材質が、Fe−Ni−Co
    合金又はFe−Ni合金であることを特徴とする請求項
    1に記載のウエハ支持部材。
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