JPH1167266A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JPH1167266A
JPH1167266A JP9226159A JP22615997A JPH1167266A JP H1167266 A JPH1167266 A JP H1167266A JP 9226159 A JP9226159 A JP 9226159A JP 22615997 A JP22615997 A JP 22615997A JP H1167266 A JPH1167266 A JP H1167266A
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俊一 浜本
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敦男 日高
Yukio Nakada
幸夫 仲田
Koji Abe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池のサイクル特性、電気容量などの電池特
性に優れ、しかも低温特性に優れたリチウム二次電池を
提供するものである。 【解決手段】 正極と、炭素材料を負極材料とする負極
と、非水溶媒に電解質が溶解されてなる電解液とからな
るリチウム二次電池であって、前記非水溶媒がプロピレ
ンカーボネート、鎖状カーボネートおよびビニレンカー
ボネート(VC)を含有するリチウム二次電池に関す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、電池のサイクル特性や、低温で
の電気容量に優れたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、リチウム二次電池は小型電子機器
などの駆動用電源として広く使用されている。リチウム
二次電池は、主に正極、非水電解液および負極から構成
されており、特に、LiCoO2 などのリチウム複合酸
化物を正極とし、炭素材料を負極としたリチウム二次電
池が好適に使用されている。そして、そのリチウム二次
電池用の電解液としては、高誘電率溶媒のエチレンカー
ボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)な
どのカーボネート類が好適とされている。
【0003】しかしながら、PC系電解液は負極材料と
して結晶性の高いグラファイトを用いたリチウム二次電
池では、電解液中のPCがグラファイトによって充電時
に分解され、良好なサイクル特性が得られないという欠
点がある。このため、PCの代わりにECが使用されて
いるが、ECの融点が37〜39℃と高いことから電池
の低温特性が改善できないという課題があった。
【0004】電池の低温特性を向上させるために種々の
方法が提案されており、例えば、特開平6−52887
号公報には、電解液溶媒としてグラファイト負極で分解
せず、凝固点がECより低いVC(凝固点22℃)と沸
点150℃以下の低沸点溶媒との混合溶媒の使用が提案
されている。この方法では混合溶媒中のVCの割合は2
0から80容量%が好ましいとされ、VCとDMCが等
容量での電解液が例示されている。また、特開平7−2
20756号公報ではVCとPCとを混合することによ
りVCの凝固点が低下することが述べられており、VC
とPCとの等容量の電解液が開示されている。特開平8
−96852号公報には、PCの代わりにVCを高誘電
率溶媒として使用し、鎖状エステルと混合して使用する
方法が提案されており、VCの割合が20容量%から6
0容量%が好ましいとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の方法では、いずれもグラファイト負極での使用
が可能になったとはいえ、電解液溶媒として凝固点が比
較的高いVCをかなり多く使用するため、低温での電池
特性がなお満足できるものではなかった。しかも、VC
は他の溶媒に比較して高価であり、多量に用いるのは原
料コストの上昇となるので現実的ではなかった。
【0006】本発明は、前記のようなリチウム二次電池
用電解液に関する課題を解決し、電池のサイクル特性や
電気容量、特に低温での電池特性に優れたリチウム二次
電池用電解液を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために鋭意検討を行った結果、高誘電率溶媒とし
てECやVCより凝固点のはるかに低いPC(凝固点−
55℃)を選択し、さらに低粘度の鎖状カーボネートお
よびVCとからなる非水溶媒に電解質を溶解させた電解
液が、グラファイト負極でもPCが分解せず、しかも低
温で極めて優れた電池特性を示すという驚くべき事実を
見い出し本発明に至った。
【0008】本発明は、正極と、炭素材料を負極材料と
する負極と、非水溶媒に電解質が溶解されてなる電解液
とからなるリチウム二次電池であって、前記非水溶媒が
プロピレンカーボネート、鎖状カーボネートおよびビニ
レンカーボネート(VC)を含有することを特徴とする
リチウム二次電池に関する。前記非水溶媒において、P
Cの含有量が過度に少ないと電解液の誘電率が低くな
り、また、過度に多いと電解液の粘度が大きくなり、い
ずれの場合も電気伝導度が低下し、電気容量が低くなる
ので、PCの含有量は10重量%以上60重量%以下が
好ましい。
【0009】また、前記非水溶媒において、鎖状カーボ
ネートの含有量が過度に少ないと電解液の粘度が大きく
なり、また、過度に多いと誘電率が低くなり、いずれの
場合も電気伝導度が低下して、電気容量が小さくなるの
で、鎖状カーボネートは30重量%以上80重量%以下
が好ましい。
【0010】さらに、前記非水溶媒において、VCの含
有量が過度に少ないとグラファイト負極でPCの分解が
起こりやすくなり、また、過度に多いと低温での電池特
性が悪くなるので、非水溶媒中に含有されるVCの割合
は、0.01重量%以上10重量%以下が好ましく、特
に0.1重量%以上5重量%以下が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においてPCの一部を他の
高誘電率溶媒の少なくとも1種類以上と置換することが
できる。そのような高誘電率溶媒としては、例えば、E
C、ブチレンカーボネート(BC)などの環状カーボネ
ート類が好適に挙げられる。この場合、PCと他の高誘
電率溶媒とはPCが最も多くなるような組成比で用いる
ことが好ましい。
【0012】鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメ
チルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネー
ト(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチ
ルプロピルカーボネート(MPC)、メチルブチルカー
ボネート(MBC)などが挙げられる。これらの鎖状カ
ーボネートは一種類で使用してもよく、また二種類以上
組み合わせて使用してもよい。
【0013】本発明で使用される電解質としては、Li
PF6 、LiBF4 、LiClO4、LiN(SO2
3 2 、LiN(SO2 2 5 2 、LiC(SO
2 CF3 3 などが挙げられる。これら電解質は一種類
で使用してもよく、二種類以上組み合わせて使用しても
よい。これら電解質は、前記の非水溶媒に通常0.1〜
3M、好ましくは0.5〜1.5Mの濃度で溶解されて
使用される。
【0014】本発明の電解液は、例えば、前記非水溶媒
のPC、鎖状カーボネートおよびVCを混合し、これに
前記電解質を溶解することにより得られる。
【0015】本発明の電解液は、リチウム二次電池の構
成部材として好適に使用される。二次電池を構成する電
解液以外の構成部材については特に限定されず、従来使
用されている種々の構成部材を使用できる。
【0016】例えば、正極材料(正極活物質)としては
クロム、バナジウム、マンガン、鉄、コバルトおよびニ
ッケルからなる群より選ばれる少なくとも一種類の金属
とリチウムとの複合金属化合物が使用される。このよう
な複合金属化合物としては、例えば、LiCoO2 、L
iMn2 4 、LiNiO2 などが挙げられる。
【0017】正極は、前記正極材料をアセチレンブラッ
ク、カーボンブラックなどの導電剤およびポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)などの結着剤と混練して正極合剤とした
後、この正極材料を集電体としてのアルミニウムやステ
ンレス製の箔やラス板に圧着して50℃〜250℃程度
の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作
製される。
【0018】負極(負極活物質)としては、リチウムを
吸蔵・放出可能なグラファイトが挙げられる。例えば、
人造黒鉛、天然黒鉛が好ましい。なお、グラファイトの
ような粉末材料はエチレンプロピレンジエンモノマー
(EPDM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの結着剤
と混練して負極材料として使用される。
【0019】リチウム二次電池の構成は特に限定される
ものではなく、正極、負極および単層又は複層のセパレ
ータを有するコイン電池、さらに、正極、負極およびロ
ール状のセパレータを有する円筒型電池や角型電池など
が一例として挙げられる。なお、セパレータとしては公
知のポリオレフィンの微多孔膜、織布、不織布などが使
用される。
【0020】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて、本発明
を具体的に説明するが、これらは、本発明を何ら限定す
るものではない。
【0021】実施例1 〔電解液の調製〕プロピレンカーボネート(PC)を3
3重量%、ジメチルカーボネート(DMC)を66重量
%、およびビニレンカーボネートを1重量%となるよう
に非水溶媒を調製し、これにLiPF6 を1Mの濃度に
なるように溶解して電解液を調製した。
【0022】〔リチウム二次電池の作製および電池特性
の測定〕LiCoO2 (正極活物質)を70重量%、ア
セチレンブラック(導電剤)を20重量%、ポリテトラ
フルオロエチレン(結着剤)を10重量%の割合で混合
し、これを圧縮成型して正極を調製した。天然黒鉛(負
極活物質)を95重量%、エチレンプロピレンジエンモ
ノマー(結着剤)を5重量%の割合で混合し、これを圧
縮成型して負極を調製した。そして、ポリプロピレン微
多孔性フィルムのセパレータを用い、上記の電解液を含
浸させてコイン電池(直径20mm、厚さ3.2mm)
を作製した。このコイン電池を用いて、室温(25℃)
において、定電流0.3mAで終止電圧4.2Vまで充
電した後、終止電圧2.7Vまで放電した。この室温で
の放電容量を100%とし、同じように室温で充電した
後、−20℃にして放電を行い、このときの放電容量は
室温との放電容量比で90%であった。結果を表1に示
す。
【0023】実施例2〜実施例8および比較例1〜比較
例8 電解液組成などを表1〜表3記載のように代えた以外
は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製して
充放電試験を行った。
【0024】実施例9 正極活物質をLiCoO2 からLiMn2 4 に代えて
終止電圧4.3Vまで充電した後、終止電圧3.5Vま
で放電した以外は実施例1と同様に充放電試験を行い、
結果を表2に示す。
【0025】実施例10 負極活物質を天然黒鉛から人造黒鉛(大阪ガス製 MC
MB)に代えた以外は実施例1と同様にしてリチウム二
次電池を作製して充放電試験を行った。結果を表2に示
す。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、負極でのPC分解が抑
制され、しかも低温での電池特性に優れたリチウム二次
電池を提供することができる。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 浩司 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と、炭素材料を負極材料とする負極
    と、非水溶媒に電解質が溶解されてなる電解液とからな
    るリチウム二次電池であって、前記非水溶媒がプロピレ
    ンカーボネート、鎖状カーボネートおよびビニレンカー
    ボネート(VC)を含有することを特徴とするリチウム
    二次電池。
  2. 【請求項2】 前記非水溶媒中のプロピレンカーボネー
    トの含有量が10重量%以上60重量%以下であり、鎖
    状カーボネートの含有量が30重量%以上80重量%以
    下であり、ビニレンカーボネート(VC)の含有量が
    0.01重量%以上10重量%以下であることを特徴と
    する請求項1記載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記鎖状カーボネートがジメチルカーボ
    ネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネ
    ート、メチルプロピルカーボネート、メチルブチルカー
    ボネートから選ばれる少なくとも1種類以上であること
    を特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
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